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【発明の名称】 刈り込み機
【発明者】 【氏名】近藤 雅樹

【氏名】大河内 幸康

【氏名】梅村 新吾

【要約】 【課題】刃部の保護を維持しつつ、際刈りも良好な作業性で実施可能とする。

【構成】芝生バリカン1bでは、下カバー30が、前後方向へスライド可能に設けられ、常態ではコイルバネ35により、ガード部33の先端が刈り込み刃14の動作範囲より前方に突出するガード位置に付勢されて、外力によって前端が平面視で刈り込み刃14の動作範囲内へ退避可能となっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータを収容した本体の下面前方に、前記モータの駆動で左右方向に剪断動作する一対の刈り込み刃を突出させた刈り込み機であって、
常態では前端が前記刈り込み刃の動作範囲より前方に突出するガード位置にあり、外力によって少なくとも前記前端が平面視で前記動作範囲内へ退避可能なガード部材を設けたことを特徴とする刈り込み機。
【請求項2】
ガード部材は、刈り込み刃に沿って本体に設けられ、常態では先端が前記刈り込み刃の動作範囲よりも前方に突出する複数の弾性ピンを前方部分に並設した櫛状体で、外力による変形で前記弾性ピンの先端が前記動作範囲内に退避可能とした請求項1に記載の刈り込み機。
【請求項3】
ガード部材は、刈り込み刃に沿って本体に設けられ、常態では先端が前記刈り込み刃の動作範囲よりも前方に突出する複数のガード棒を前方部分に並設した櫛状体で、各前記ガード棒の先端を、外力による変形で前記刈り込み刃の動作範囲内に退避可能な弾性部材で形成した請求項1に記載の刈り込み機。
【請求項4】
ガード部材は、刈り込み刃に沿って前後へスライド可能且つ常態では付勢手段によって前方のガード位置へ付勢され、外力によって前記刈り込み刃の動作範囲内に後退可能なスライド板である請求項1に記載の刈り込み機。
【請求項5】
モータを収容した本体の下面前方に、前記モータの駆動で左右方向に剪断動作する一対の刈り込み刃を突出させた刈り込み機であって、
常態では前端が前記刈り込み刃の動作範囲より前方に突出するガード位置にあり、少なくとも前記前端が平面視で前記動作範囲内へ退避する退避位置へ任意に移動操作可能なガード部材を設けたことを特徴とする刈り込み機。
【請求項6】
ガード部材は、後端が本体の側方に軸着されて、前方のガード位置と、その上側後方の退避位置との間で回転可能な回転板であり、回転付勢手段によって常態では前記ガード位置へ回転付勢されるものである請求項5に記載の刈り込み機。
【請求項7】
ガード部材は、刈り込み刃に沿って前後へスライド可能且つ常態では付勢手段によって前方のガード位置へ付勢され、操作部によって前記刈り込み刃の動作範囲内に後退操作可能なスライド板である請求項5に記載の刈り込み機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、本体から前方へ突出された刈り込み刃によって芝生や生垣等の刈り込みが可能な芝生バリカン等の刈り込み機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば芝生バリカンでは、特許文献1に示すように、モータを収容した本体の下面前方に、平面視が櫛刃状の上下一対の刈り込み刃を前方へ向けて突設し、モータの回転に伴い偏心機構を介して両刈り込み刃を左右方向で剪断動作させることで、芝生等の刈り込みを可能としたものが知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−335761号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記芝生バリカンは、刈り込み刃の先端が露出しているため、刈り込み作業の際に石等の硬いものに当接すると刃部が損傷するおそれがある。そこで、本体に、刈り込み刃の上方から先端までを覆うガード部材を設けることが考えられるが、壁際の芝生を刈り込むような場合(際刈り)、ガード部材が邪魔になって刃先を壁に近接させて使用できない。ガード部材を着脱可能にして対応するにしても、刈り込み場所によってガード部材をいちいち着脱する手間が生じ、作業性の低下に繋がる。
【0005】
そこで、本発明は、刃部の保護を維持しつつ、際刈りも良好な作業性で実施できる刈り込み機を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、常態では前端が刈り込み刃の動作範囲より前方に突出するガード位置にあり、外力によって少なくとも前端が平面視で刈り込み刃の動作範囲内へ退避可能なガード部材を設けたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、ガード部材を刈り込み面の良好な仕上げにも利用可能とするために、ガード部材を、刈り込み刃に沿って本体に設けられ、常態では先端が刈り込み刃の動作範囲よりも前方に突出する複数の弾性ピンを前方部分に並設した櫛状体とし、外力による変形で弾性ピンの先端が刈り込み刃の動作範囲内に退避可能としたものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、ガード部材を簡単に得るために、ガード部材を、刈り込み刃に沿って本体に設けられ、常態では先端が刈り込み刃の動作範囲よりも前方に突出する複数のガード棒を前方部分に並設した櫛状体とし、各ガード棒の先端を、外力による変形で刈り込み刃の動作範囲内に退避可能な弾性部材で形成したものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、ガード部材を簡単に得るために、ガード部材を、刈り込み刃に沿って前後へスライド可能且つ常態では付勢手段によって前方のガード位置へ付勢され、外力によって刈り込み刃の動作範囲内に後退可能なスライド板としたものである。
【0007】
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、常態では前端が刈り込み刃の動作範囲より前方に突出するガード位置にあり、少なくとも前端が平面視で動作範囲内へ退避する退避位置へ任意に移動操作可能なガード部材を設けたことを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項5の目的に加えて、ガード部材の移動操作を容易に行うために、ガード部材を、後端が本体の側方に軸着されて、前方のガード位置と、その上側後方の退避位置との間で回転可能な回転板とし、回転付勢手段によって常態ではガード位置へ回転付勢される構成としたものである。
請求項7に記載の発明は、請求項5の目的に加えて、ガード部材の移動操作を容易に行うために、ガード部材を、刈り込み刃に沿って前後へスライド可能且つ常態では付勢手段によって前方のガード位置へ付勢され、操作部によって刈り込み刃の動作範囲内に後退操作可能なスライド板としたものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1及び5に記載の発明によれば、外力によって退避可能或いは任意に移動操作可能なガード部材を設けたことで、刈り込み刃の刃部の保護を維持しつつ、際刈りも良好な作業性で実施可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、ガード部材の弾性ピンによって芝生を起立させながら刈り込み刃による刈り込みが可能となり、刈り込み面をより綺麗に仕上げることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、ガード部材が簡単に形成可能となる。また、弾性部材の損傷や劣化に応じた交換も可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、ガード位置から退避するガード部材を簡単に得ることができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項5の効果に加えて、回転板の採用により、ガード位置及び退避位置への移動操作を容易に行うことができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項5の効果に加えて、操作部を備えたスライド板の採用により、ガード位置及び退避位置への移動操作を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
《形態1》
図1は、刈り込み機の一例である芝生バリカンの縦断面図、図2は底面図で、芝生バリカン1は、後方(図1の左側)上側にハンドル3を延設した左右二つ割りで形成される本体としてのハウジング2内に、モータ4を下向きに収容し、モータ4の出力軸5に固着したピニオン6の回転を、その後方で鉛直方向に軸支される第二ギヤ7を介して、出力軸5の前方で鉛直方向に軸支される第三ギヤ8へ減速して出力可能としている。9はモータ駆動用のスイッチ、10は押し込み操作によってスイッチ9をONさせるスイッチレバーである。第三ギヤ8の下方には、前端が所定間隔で刃部11a,11a・・及び12a,12a・・が突設される平面櫛刃状となる上刃11と下刃12とが、上下方向に重ね合わせた状態でピン13によって略中間部同士で軸着されて、ハウジング2の前方へ突出する前端部分によって刈り込み刃14を形成している。
【0010】
一方、第三ギヤ8の下面には、回転中心から夫々相反方向へ偏心する2つのボス15,16が下方へ向けて突設されており、一方のボス15は、カラー17を介して上刃11に設けた前後方向の長孔18内に、他方のボス16はカラー19を介して下刃12に設けた前後方向の長孔20内に夫々遊挿している。
よって、モータ4の駆動に伴って第三ギヤ8が回転すると、ボス15,16の偏心運動によって上刃11及び下刃12がボス15,16の左右方向の動作に追従してピン13を中心に左右方向へ互いに逆向きに揺動し、刈り込み刃14では刃部11a,12aによる剪断動作を行うことになる。21はハウジングの下面を覆う下カバーで、下カバー21と下刃12との間には下刃12の下面を支持してその揺動を案内するプレート22が介在されている。
【0011】
そして、ハウジング2の前面下端には、ガード部材として前方へ突出するガード板23が設けられている。このガード板23は、上刃11に近接して刈り込み刃14の全体を上方から非接触で覆う合成樹脂製(例えばナイロン)の板体で、前端部は、刃部11a,12aよりも狭い間隔で弾性ピン24,24・・が前方へ突設された平面櫛刃状となっている。この弾性ピン24は、先端が円形状に形成されて、常態では刈り込み刃14に沿って刈り込み刃14の動作範囲よりも僅かな寸法(ここでは約2mm)だけ前方へ突出するガード位置にあるが、外力によって上下方向等へ変形できる弾性を有している。
【0012】
以上の如く構成された芝生バリカン1においては、通常の使用状態では、ガード板23の先端が刈り込み刃14よりも前方へ突出しているため、刈り込み作業の際に石等があっても先にガード板23が当接して刈り込み刃14への当接が防止される。
一方、壁際の芝生等を刈り込む場合は、刈り込み刃14を壁面に向けて近づけると、ガード板23の先端が先に壁面に当接して当該部分の弾性ピン24が弾性変形し、刈り込み刃14の前進を許容する。よって、そのまま刈り込み刃14を壁面に近接させて際刈りを行うことができる。
【0013】
このように上記形態1の芝生バリカン1によれば、常態では前端が刈り込み刃14の動作範囲より前方に突出するガード位置にあり、外力によって前端が平面視で動作範囲内へ退避可能なガード板23を設けたことで、刈り込み刃14の刃部11a,12aの保護を維持しつつ、際刈りも良好な作業性で実施可能となる。
特に、ガード部材として、刈り込み刃14に沿ってハウジング2に設けられ、前方部分に常態では先端が刈り込み刃14の動作範囲よりも前方に突出する複数の弾性ピン24を並設した櫛状体のガード板23を採用し、外力による変形で弾性ピン24の先端が動作範囲内に退避可能としたので、ガード板23によって芝生を起立させながら刈り込み刃14による刈り込みが可能となり、刈り込み面をより綺麗に仕上げることができる。
【0014】
なお、弾性ピンの数や形状は上記形態に限らず、数を減らして間隔を広げたり、先細り形状としたりして差し支えない。また、先端も円形状以外に三角形状や四角形状等に変更することができる。
さらに、ガード部材は刈り込み刃の上側に限らず、下カバーに固定する等して下側に設けてもよいし、上下両側に設けてもよい。
【0015】
以下、芝生バリカンに適用した本発明の他の実施形態を説明する。なお、芝生バリカンの駆動機構等、主要な構成は形態1と同様であるので、同じ構成部には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
《形態2》
図3に示す芝生バリカン1aでは、ガード部材としてハウジング2の下端から一体にガード部25が前方に向けて突設されている。このガード部25も、図4に示すように、上刃11に近接して刈り込み刃14の全体を上方から非接触で覆う合成樹脂製(例えばハウジング2と同じABS樹脂)の板状体で、前方部分は、上刃11の刃部11aと同じ間隔で先細り状のガード棒26,26・・が突設される平面櫛刃状となっている。また、各ガード棒26の先端には、一回り小さい芯棒部27が夫々突設され、その芯棒部27に弾性部材としてのゴム製のキャップ28が被着されている。このキャップ28は、常態では刈り込み刃14の動作範囲よりも僅かな寸法(約2mm)だけ前方へ突出するガード位置にあるが、外力によって変形できる弾性を有している。
【0016】
以上の如く構成された芝生バリカン1aにおいては、通常の使用状態では、ガード部25の各キャップ28の先端が刈り込み刃14よりも前方へ突出しているため、刈り込み作業の際に石等があっても先にキャップ28が当接して刈り込み刃14への当接が防止される。
一方、壁際等の芝生を刈り込む場合は、刈り込み刃14を壁面に向けて近づけると、キャップ28の先端が先に壁面に当接して図5のようにキャップ28が弾性変形し、刈り込み刃14の前進を許容するため、そのまま刈り込み刃14を壁面Wに近接させて際刈りを行うことができる。
【0017】
このように上記形態2の芝生バリカン1aにおいても、刈り込み刃14の刃先の保護を維持しつつ、際刈りも良好な作業性で実施可能となる。
特に、ガード部材として、刈り込み刃14に沿ってハウジング2に設けられ、前方部分に常態では先端が刈り込み刃14の動作範囲よりも前方に突出する複数のガード棒26を並設した櫛状体のガード部25を採用し、各ガード棒26の先端を、外力による変形で刈り込み刃14の動作範囲内に退避可能なキャップ28で形成したことで、ガード部材が簡単に形成可能となる。また、キャップ28の損傷や劣化に応じて交換も可能となる。
【0018】
なお、本形態2でもガード棒26の数や形態は適宜変更可能で、特にガード棒とキャップとの連結構造も、芯棒部を設けずに被着したり、一体成形によって一体化させたり等することができる。
また、ガード部も下カバーに一体成形する等して刈り込み刃の下側に設けることもできるし、上下両側に設けることもできる。
【0019】
《形態3》
図6に示す芝生バリカン1bでは、合成樹脂製の下カバー30が、図7にも示すように、ハウジング2への螺着用のネジ31が貫通する貫通孔32,32・・を前後方向に長くすることで、前後方向へスライド可能なスライド板となっている。同図(A)は下半分を下カバー30を取り外した状態で示している。この下カバー30の前方部分は、下刃12の刃部12aと同じ間隔で先細り状のガード部33,33・・が突設される平面櫛刃状となっている。
また、下カバー30の上面中央で後端寄りに立設された係止片34とハウジング2の後方内面との間には、付勢手段となるコイルバネ35が前後方向に設けられている。よって、下カバー30は、常態ではコイルバネ35により、ネジ31が貫通孔32の後端にあってガード部33の先端が刈り込み刃14の動作範囲から僅かな寸法だけ前方へ突出する前進位置(ガード位置)に付勢されることになる。
【0020】
一方、ハウジング2内の後方側面には、ストッパ36が設けられている。このストッパ36は、ハウジング2内面に突設された受け板37の下方で上下動可能に設けられ、受け板37との間に設けられたコイルバネ38により、下カバー30に当接する下限位置に付勢されている。下カバー30の上面には、前進位置でストッパ36が嵌合する凹部39が形成されている。
よって、下カバー30は常態ではストッパ36により前進位置でそのスライドを規制されることになるが、ストッパ36には、図8にも示す如く、ハウジング2の側方に設けた窓40を介して外部に突出する操作片41が形成されていることから、操作片41によってストッパ36をコイルバネ38の付勢に抗して上方へスライドさせると、ストッパ36が凹部39から離れて下カバー30のスライド規制が解除されることになる。
【0021】
以上の如く構成された芝生バリカン1bにおいては、通常の使用状態では、前進位置にある下カバー30のガード部33の先端が刈り込み刃14の動作範囲よりも前方へ突出しているため、刈り込み作業の際に石等があっても先にガード部33が当接して刈り込み刃14への当接が防止される。
一方、壁際等の芝生を刈り込む場合は、ストッパ36を上方へスライドさせた状態で刈り込み刃14を壁面に向けて近づけると、ガード部33の先端が先に壁面に当接して下カバー30がコイルバネ35の付勢に抗して後退し、刈り込み刃14の前進を許容するため、そのまま刈り込み刃14を壁面に近接させて際刈りを行うことができる。
【0022】
このように上記形態3の芝生バリカンにおいても、刈り込み刃14の刃先の保護を維持しつつ、際刈りも良好な作業性で実施可能となる。
また、ガード部材として、刈り込み刃14に沿って前後へスライド可能且つ常態ではコイルバネ35によって前方のガード位置へ付勢され、外力によって刈り込み刃14の動作範囲内に後退可能なスライド板(下カバー30)を採用したことで、ガード位置から退避するガード部材を簡単に得ることができる。特にここでは、既存の下カバーをスライド板に兼用したことで部品点数の少ない合理的な構成となっている。
【0023】
なお、形態3においても、スライド板は下カバーと別に設けてもよいし、スペース的に可能であればスライド板を刈り込み刃の上側でスライド可能且つガード位置へ付勢して設けてもよい。また、付勢手段となるコイルバネはスライド板の後方で複数設けてもよいし、コイルバネ以外に板バネ等の他の付勢手段を採用することもできる。
さらに、スライド板のスライドも、ネジと長孔とによるものに限らず、リブ等のレールとそのレールを受ける凹溝等のガイド部との他の案内手段と、スライド板のスライド位置を規制するストッパとの併用によって実現する等、他の構造も採用可能である。
一方、スライド板のストッパ機構もストッパと凹部との係脱に限らず、凹部を透孔に代えたり、凹部や透孔をなくしてストッパをスライド板の後端に直接当接させて後退を阻止する構造としたり等、適宜変更可能である。
【0024】
《形態4》
図9,10に示す芝生バリカン1cでは、刈り込み刃14の上方に、ガード部材として合成樹脂製の回転板42が設けられる。この回転板42も、前方部分は、下刃12の刃部12aと同じ間隔で先細り状のガード棒43,43・・が突設される平面櫛刃状となっているが、各ガード棒43の前端には、下方へ向けて折曲する前板44が形成されて、回転板42が上刃11の上面に当接するガード位置では、各ガード棒43の前板44が刈り込み刃14の前方を非接触で覆うように垂下する。
一方、回転板42の両側部には、一対のアーム45,45が後方へ向けて延設されている。各アーム45の後端に設けられた円筒部46は、図11にも示すように、ハウジング2の左右の側面に突設されたボス部47,47にネジ48によって回転可能に軸着されている。但し、円筒部46には、一端が円筒部46側に、他端がハウジング2側に係止される回転付勢手段としてのトーションスプリング49が外装されて、円筒部46を、回転板42が刈り込み刃14側へ当接する方向へ回転付勢している。
【0025】
よって、常態では回転板42は図9,10に示すガード位置に付勢されることになるが、一方の円筒部46には、図12にも示す如く、上向きにレバー50が突設されていることから、レバー50を後方へ倒して円筒部46をトーションスプリング49の付勢に抗して回転させると、同図実線のように回転板42を上側後方へ回転させて刈り込み刃14を露出させることができる。
【0026】
以上の如く構成された芝生バリカン1cにおいては、通常の使用状態では、図9.10や図12の二点鎖線で示すように、回転板42がガード位置で刈り込み刃14を上方から覆い、前板44で刈り込み刃14の前方を保護しているため、刈り込み作業の際に石等があっても先に前板44が当接して刈り込み刃14への当接が防止される。
一方、壁際等の芝生を刈り込む場合は、図12の実線で示すように、レバー50を後方へ回転させると、回転板42が上側後方の退避位置へ退避して刈り込み刃14を露出させるため、そのまま刈り込み刃14を壁面に近接させて際刈りを行うことができる。
【0027】
このように上記形態4の芝生バリカン1cにおいても、常態では前端が刈り込み刃14の動作範囲より前方に突出するガード位置にあり、前端が平面視で動作範囲内へ退避する退避位置へ任意に移動操作可能な回転板42を設けたことで、刈り込み刃14の刃先の保護を維持しつつ、際刈りも良好な作業性で実施可能となる。
特に、ガード部材を、後端がハウジング2の側方に軸着されて、前方のガード位置と、その上側後方の退避位置との間で回転可能な回転板42とし、トーションスプリング49によって常態ではガード位置へ回転付勢される構成としたことで、ガード位置及び退避位置への回転板42の移動操作を容易に行うことができる。
【0028】
なお、上記形態では回転板を一対のアームで回転可能としているが、何れか一方のみのアームで回転させる片持ちタイプとしても差し支えない。
一方、ガード部材をガード位置と退避位置との間で回転させる構造に限らず、形態3のように前後方向でスライド可能で、且つガード位置に付勢されるスライド板を、指当て部や操作片等を介して後方の退避位置へ任意にスライド操作可能とすることもできる。この場合、形態3のようにスライド板は下カバーで兼用してもよいし、別体で設けてもよい。
【0029】
《形態5》
図13に示す芝生バリカン1dは、形態3と同様に下カバー30をスライド板として利用したものであるが、下カバー30の後端側方には、図14,15に示すように、横向きに張り出す突出板51が形成され、その突出板51の上に、操作部として、開口をハウジング2側に向けた箱状のツマミ部52が立設状態でネジ止めされて、このツマミ部52内にロックボタン53が遊嵌されている。ロックボタン53は、ハウジング2側に向けて突設したピン54を、突出板51上でツマミ部52と平行に立設された逆L字状の支持板55の筒状部56に貫通させることで、ハウジング2の側面に対して前後移動可能に支持されている。ピン54の先端寄りには、ストッパリング57が直交状に嵌着されて、支持板55との間に外装されたコイルバネ58により、ロックボタン53はハウジング2の側面側へ付勢される。一方、ハウジング2の側面には、下カバー30の前進位置でロックボタン53のピン54が嵌合する嵌合凹部59が形成されている。
【0030】
よって、この芝生バリカン1dでは、下カバー30が前進位置に付勢される常態では、ロックボタン53のピン54が嵌合凹部59に嵌合して下カバー30の後退が規制される。ここでロックボタン53を、ツマミ部52と共につまむようにしてツマミ部52内に押し込めば、ピン54の先端が嵌合凹部59から外れて下カバー30の後退規制を解除するため、そのままツマミ部52を後退させれば、下カバー30をコイルバネ35の付勢に抗して後退させることができる。
【0031】
以上の如く構成された芝生バリカン1dにおいては、通常の使用状態では、前進位置にある下カバー30のガード部33の先端が刈り込み刃14の動作範囲よりも前方へ突出しているため、刈り込み作業の際に石等があっても先にガード部33が当接して刈り込み刃14への当接が防止される。
一方、壁際等の芝生を刈り込む場合は、ロックボタン53をツマミ部52内に押し込んでピン54を嵌合凹部59から外した状態で、そのまま下カバー30をコイルバネ35の付勢に抗して後退させれば、ガード部33が退避して刈り込み刃14を露出させる。よって、刈り込み刃14を壁面に近接させて際刈りを行うことができる。
【0032】
このように上記形態5の芝生バリカン1dにおいても、刈り込み刃14の刃先の保護を維持しつつ、際刈りも良好な作業性で実施可能となる。
また、ガード部材として、刈り込み刃14に沿って前後へスライド可能且つ常態ではコイルバネ35によって前方のガード位置へ付勢され、ツマミ部52によって刈り込み刃14の動作範囲内に後退操作可能なスライド板(下カバー30)を採用したことで、ガード位置及び退避位置への移動操作を容易に行うことができる。ここでも既存の下カバーをスライド板に兼用したことで部品点数の少ない合理的な構成となっている。
【0033】
さらに、下カバー30に、ガード位置からの後退を規制するロック機構(ロックボタン53)を設けたことで、誤操作等による下カバー30の偶発的な後退のおそれがなくなって刈り込み刃14のより確実な保護が行える。特に、ロックボタン53をツマミ部52に添設しているため、両者の操作でロックの解除と後退操作とが同時に可能となり、操作性に優れる。
【0034】
なお、ツマミ部やロック機構はスライド板の側方に限らず、例えば上記形態では下カバーの後端中央から後方へ張り出した突出板の上面に、ツマミ部と、そのツマミ部から上方へ向けて付勢されるロックボタンとを設け、ツマミ部とロックボタンとのつまみ操作でロックボタンを押し下げてそのまま後退操作可能とする等、他の場所へ設けることもできる。勿論ロック機構は上記ロックボタンに限らず、常態でスライド板のガード位置からの後退を規制するものであれば、先端に設けたピンを常態でハウジング側に係止させる板バネとする等、種々の設計変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】形態1の芝生バリカンの縦断面図である。
【図2】芝生バリカンの底面図である。
【図3】形態2の芝生バリカンの縦断面図である。
【図4】ガード部の部分平面図である。
【図5】際刈り状態を示す説明図である。
【図6】形態3の芝生バリカンの縦断面図である。
【図7】(A)は芝生バリカンの底面図、(B)はネジ及びストッパ部分の横断面図である。
【図8】ハウジングの後方部分の側面図である。
【図9】形態4の芝生バリカンの縦断面図である。
【図10】芝生バリカンの底面図である。
【図11】レバー部分の説明図である。
【図12】ガード板の動作を示す芝生バリカンの側面図である。
【図13】形態5の芝生バリカンの縦断面図である。
【図14】(A)は芝生バリカンの底面図、(B)は操作部及びロック機構部分の横断面図である。
【図15】(A)は操作部をハウジング側面側から見た説明図、(B)はその平面図である。
【符号の説明】
【0036】
1,1a,1b,1c,1d・・芝生バリカン、2・・ハウジング、3・・ハンドル、4・・モータ、11・・上刃、11a・・刃部、12・・下刃、12a・・刃部、14・・刈り込み刃、23・・ガード板、24・・弾性ピン、25,33・・ガード部、28・・キャップ、30・・下カバー、36・・ストッパ、39・・凹部、42・・回転板、43・・ガード棒、44・・前板、45・・アーム、46・・円筒部、52・・ツマミ部、53・・ロックボタン、54・・ピン、59・・嵌合凹部。
【出願人】 【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
【出願日】 平成18年7月20日(2006.7.20)
【代理人】 【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹

【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一


【公開番号】 特開2008−22775(P2008−22775A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−198611(P2006−198611)