| 【発明の名称】 |
果実保護容器 |
| 【発明者】 |
【氏名】戸谷 勉
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| 【要約】 |
【課題】収納する果実に嘴が到達しないように排水口及び換気口を形成し、汚れが付着し難い果実保護容器を簡単な工程で提供する。
【構成】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 透光性を備えた合成樹脂材からなり、開口端にフランジを有し、半球形若しくは舟形の一対のカップを、該開口端を係合して、中空の球体、卵形若しくは莢状に構成する果実保護容器であって、該容器表面に、断面略三角形状で先細の突部を複数突出形成し、該突部の頂部に容器内外を貫通する貫通孔を少なくとも一つ設けたことを特徴とする果実保護容器。 【請求項2】 前記突部を錐体状の突起に形成し、該突起の先端に前記貫通孔を設けたことを特徴とする請求項1に記載の果実保護容器。 【請求項3】 前記突部を幅方向断面が略三角形状の突条に形成し、複数本の該突条を前記カップ表面上に並設すると共に、該突条の稜線上に前記貫通孔を少なくとも一つ設けたことを特徴とする請求項1に記載の果実保護容器。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、鳥獣による食害を防ぐ果実保護容器に関し、より詳しくは西瓜等ウリ科の果実を生り始めから保護するものに関する。 【背景技術】 【0002】 果樹栽培においては、鳥獣による食害を防ぐために、果実を適当な時期より袋がけをして保護することが行われている。この袋がけに用いられる果実袋は、通気性、コストパフォーマンスに優れた紙製が広く用いられているが、雨で破れたり、鳥獣によって引き裂かれる等、耐久性の観点から十分な保護効果を得ることができないことが問題であった。 【0003】 上記問題を解決するため、特開平11−155393号公報に示された果樹用果物カバーは、合成樹脂からなる一対の半球状カバーであって、その一端を開閉可能に連結し、半球状カバーの一部に果実の軸部が挿通する管を設けて、その内部に果実を収納して保護するように構成されている。しかし、耐久性の確保がなされた当該発明において、通気性に関しては底部に数個設けた排水口が通気孔を兼用するため、砂塵が該排水口に詰まった場合、通気性が確保できなくなるという問題が新たに生じた。 【0004】 そのため、特開2000−050747号公報に示された果実保護網は、多数の通風穴を有し、互いに対合させると球形をなす半球状の透明保護網であって、当該保護網の網目は、実施例の記載によれば、内側円盤の周囲に連結部材を介して外側円盤を配設し、両円盤を連結する部材間に通気孔を設けて構成されている。そのため通気性を有しつつも、嘴の先端が果実に届き難くなるので、果実保護効果及び通気性に関する上記の問題を解決した。 【特許文献1】特開平11−155393号公報 【特許文献2】特開2000−050747号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、上記の果実保護網において、外側円盤を周囲に配した内側円盤は断面凹形状に陥没しているので、内側円盤外周縁部に汚れが溜まり易く、その汚れと共に雑菌が、内側円盤と外側円盤の隙間である通気孔から該果実保護網内部に侵入し、果実に付着することによって病気等が引き起こされるおそれがある。また、枝葉に通常散布される農薬も当該箇所に溜まり易く、希釈用の水が蒸発して原液と略同等に濃縮された農薬によって、該保護網に内包される果実が悪影響を受けるおそれがある。したがって、消費者が求める衛生的で、かつ低農薬栽培による果実を供給することが困難である。 【0006】 したがって、上記課題を鑑みてなされた本発明は、収納する果実に嘴が到達しないように排水口及び換気口を形成し、汚れ等が溜まり難い果実保護容器を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 請求項1に記載の果実保護容器は、透光性を備えた合成樹脂材からなり、開口端にフランジを有し、半球形若しくは舟形の一対のカップを、該開口端を係合して、中空の球体状、卵形若しくは莢状に構成する果実保護容器であって、該容器表面に、断面略三角形状で先細の突部を複数突出形成し、該突部の頂部に容器内外を貫通する貫通孔を少なくとも一つ設けたことを特徴とする。 【0008】 請求項2に記載の果実保護容器は、請求項1に記載の前記果実保護容器において、前記突部を錐体状の突起に形成し、該突起の先端に前記貫通孔を設けたことを特徴とする。 【0009】 請求項3に記載の果実保護容器は、請求項1に記載の前記果実保護容器において、前記突部を幅方向断面が略三角形状の突条に形成し、複数本の該突条を前記カップ表面上に並設すると共に、該突条の稜線上に前記貫通孔を少なくとも一つ設けたことを特徴とする。 【発明の効果】 【0010】 請求項1に記載の果実保護容器によれば、カップ表面に形成した断面略三角形状で先細の形状の突部は、果実が成熟した際にも、その突端と果実表面との間の距離を保ち、鳥がその突端に設けた貫通孔に嘴を挿入しても、果実まで嘴の先端は到達しないので、容器に収納した果実を鳥から保護することができる。また、容器表面に一様に設けられた該貫通孔は排水口若しくは換気口となるので、容器内の温度及び湿度を外気と平衡に保つことができる。さらに、小さく穿たれた貫通孔は容器内外の通気を網等と比べて、ある程度制限すると共に、果実表面積に対して貫通孔の総面積は少ないので、散布された農薬が果実表面に付着する量を極めて少なくすることができ、そのため、従来よりも農薬の散布回数を増やすと共に希釈された濃度の薄い農薬を散布することによって、低農薬栽培を行うことができる。 【0011】 請求項2に記載の果実保護容器によれば、容器表面に形成した錐体状の突起は、棘としての役割を果たし、果実を鳥獣から保護することができる。また、西瓜等地面上に果実を戴置して成熟させる場合、当該突起が地面に刺さることにより、強風等で容器が転がることを防ぎ、収納される果実が茎から外れること及び果実に傷がつくこと等を防ぐことができる。 【0012】 請求項3に記載の果実保護容器によれば、容器に設けた突条において、容器内を流れる水滴は、突条の稜線内側に集まった後、その谷状の底部を伝って貫通孔から排出されるので、容器内に流入した水をスムーズに排出することができる。また容器に突条を設けることで、容器本体の剛性を容易に確保することができる。さらに、西瓜等地面上に果実を戴置して成熟させる場合、容器表面に設けた凹凸により、容器を転がり難くし、強風等で収納される果実が茎から外れること及び果実に傷がつくこと等を防ぐことができる。 【実施例1】 【0013】 本発明に係る第1実施例を添付の図面に基づいて以下説明する。 ここで、図1及び図2は、本実施例に係る果実保護容器の斜視図を示し、図3は、該果実保護容器の使用時断面図を示す。 【0014】 本実施例に係る果実保護容器10は、一対のカップ11aとカップ11bとを係合して中空体を構成する。カップ11aカップ11bは同形状に形成されるので、まず、カップ11aの構成について説明する。 【0015】 カップ11aは、半球状に形成した透光性を備える合成樹脂材からなり、開口端15周縁にフランジ12aを設け、カップ11a表面には、錐体状で先細に突出形成した突起13を一様に配設する。突起13の突端には、カップ11a内外を貫通する貫通孔14を設ける。 【0016】 次に、上記のように構成したカップ11aは、対となるカップ11bと、フランジ12a,12b外縁へ一体に設けたヒンジ部材16を介して開閉自在に連結される。カップ11a,11bのフランジ12a,12bの上面を互いに当接した際に果実保護容器10の形状は、図1及び図3に示すように、西瓜、メロン等のウリ科の果実を収納するに最適な球体状を構成する。 【0017】 本実施例に係る果実保護容器10の構成は以上であり、以下において使用方法を説明する。 まず、果実保護容器10を適用する始期は、落花した後に果実が生り始めた時期から用いることが好ましい。本実施例においては西瓜を例にとって説明する。 【0018】 生り始めの果実(この時期の果実を以下「幼果」と記載する。図示せず。)を容器10本体に収納する際に、重なり合ったフランジ12a,12bに少なくとも一つのステープル17を用いてカップ11a,11bを閉じることにより、果実保護容器10本体が開かないようにする。このとき収納された幼果は、当該果実と茎とを結ぶ果実茎21がフランジ12a,12bによって挟持されることにより支持され、収納された果実は生育するにつれてその容器を満たし、図3に示すように成熟した果実20を得ることができる。この場合において、果実茎21は、保護容器のフランジ間にあるので、果実20同士の衝突、植物の成長、気象その他の原因に伴い、保護容器10に対して果実20が回転した場合、果実茎21は、果実20の動きに合わせてフランジ12a,12b間を摺動すると共に、ヒンジ部材16からステープル17の範囲を自在に動くことができる。ここで、幅広のフランジ12a,12bは、当該果実茎21を傷つけること無く、果実茎21に接触する。 【0019】 また、カップ11a,11bを閉じて容器10本体を構成するときには、フランジ12a,12b端縁から舌片をそれぞれ突出形成し、該舌片に輪ゴム・紐等を巻回して留めたり、フランジ12aに形成した凸部を、他方のフランジ12bに形成した凹部に嵌合して留めたりする等して、容器10本体が開かないようにすれば足りる。この場合フランジ12a,12b間に、果実茎21が自由に滑動する隙間が生じることが好ましい。 【0020】 カップ11a,11b表面で、その先端を鋭く棘状に形成した突起13は、鳥獣から果実を保護するに最適である。また、その突起13毎に設けた複数の貫通孔14のうちの一つに、砂塵等が詰まった場合、他の貫通孔14のいずれかが排水若しくは換気を行うことができるので、容器10内部の温度や湿度と、外気の温度及び湿度とを平衡状態を保つことができる。また、果実保護容器10を図3に示したように西瓜、かぼちゃ等の果実20に用いる場合、地面に転がる西瓜等を本実施例の果実保護容器10に収納すれば、突起13の一部が地面に刺さるので、西瓜等が転がることを防ぐことができる。 【0021】 また、成型加工の容易な合成樹脂材からなるカップ11a,11bは、その形状を上下方向に細長い舟形に形成すれば、胡瓜、ヘチマ等の細長い果実等を収納するに最適な莢状、卵形の果実保護容器に構成することも可能である。 その他にも、果実保護容器をりんご、梨等の球体状果実に最適な大きさに形成したり、下に凸の略錐体状に容器を形成して、葡萄等房状に結実する果実全体を収納したり、又はイチゴ等の小型果実を一つ一つ収納して、その容器ごと出荷可能とする等、果実保護容器の形状は、球体に制限されることなく果実の形状に合わせて、様々に成型加工することができる。 【実施例2】 【0022】 本発明に係る第2実施例を添付の図面に基づいて以下説明する。 ここで、図4は、本実施例に係る果実保護容器の斜視図を示す。 【0023】 本実施例に係る果実保護容器10Aは、第1実施例と同様、一対のカップ30aとカップ30bとからなる。したがって、まずカップ30aの構成について説明する。 【0024】 カップ30aは、透光性を備え、半球状に形成した合成樹脂材からなり、開口端37周縁に切欠部38を形成したフランジ31aを設け、カップ30a表面には、該カップ30aの頂部35からフランジ31aに向かって、幅方向の断面が略三角形状の突条32を複数本放射状に広がるようにして設ける。該突条32の稜線33には、カップ内外を貫通する貫通孔36を設け、一の突条32と隣り合う他の突条32との間に形成される谷34は頂部35からフランジ31aに向かってその深さを漸増する。 【0025】 上記のように構成したカップ30aは、第1実施例と同様に、対となるカップ30bと、フランジ31a,31b外縁部でヒンジ部材38を介して開閉自在に一体に連結される。そして、カップ30a及びカップ30bを閉じてなす果実保護容器10Aの形状は、実施例1と同様に、球体状に構成される。 【0026】 ここで、本実施例による果実保護容器10Aの使用方法等は、第1実施例の果実保護容器10と同様であるので、説明を省略する。 【0027】 本実施例において、カップ30a,30b表面で頂部35を中心に設けられた突条32の稜線33は、その稜線33内側(カップ内側においては谷部分)を導水路として、該稜線33内側を伝う水滴を貫通孔36から速やかに排出することができる。また、突条32を形成したことによってカップ30a,30bの剛性が高くなり、フランジ31a,31bと併せて果実保護容器10Aの剛性を十分確保することができる。さらに容器10A表面に突条32による凹凸が形成されるので。地面に戴置した場合には、転がり難く、強風等によって果実保護容器10Aが動いてしまって収納される果実20に傷がつくことを防ぐことができる。 【0028】 上記第1及び第2実施例において、カップ11a,11b及びカップ30a,30bを繋ぐヒンジ部材16,38は、容器10,10Aを成型加工し、また流通させる場合には、容器10,10Aの取り扱いを容易にするが、畑において蔓が生い茂っている場合には、ヒンジ部材16,38に蔓が絡まったり、茎が邪魔する等して、容器10,10Aは閉じ難くなる。そのため、その場合にはヒンジ部材16,38部分を切断し、一体成型したカップ11a,11b及びカップ30a,30bを一旦分離した後、目的の果実20を収納する。 【図面の簡単な説明】 【0029】 【図1】本発明の実施例1に係る果実保護容器の閉じた状態を示す斜視図である。 【図2】本発明の実施例1に係る果実保護容器の開いた状態を示す斜視図である 【図3】本発明の実施例1に係る果実保護容器の果実収納状態を示す縦断面図である。 【図4】本発明の実施例2に係る果実保護容器を示す斜視図である。 【符号の説明】 【0030】 10,10A…果実保護容器、11a,11b…カップ、12a,12b…フランジ、13…突起、14…貫通孔、15…開口端、16…ヒンジ部材、17…ステープル、 20…果実、21…果実茎、 30a,30b…カップ、31a,31b…フランジ、32…突条、33…稜線、34…谷底部、35…頂部、36…貫通孔、37…開口端、38…ヒンジ部材。
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| 【出願人】 |
【識別番号】506238271 【氏名又は名称】株式会社カーデン
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| 【出願日】 |
平成18年7月11日(2006.7.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090239 【弁理士】 【氏名又は名称】三宅 始
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| 【公開番号】 |
特開2008−17725(P2008−17725A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月31日(2008.1.31) |
| 【出願番号】 |
特願2006−190103(P2006−190103) |
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