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【発明の名称】 選別処理構造
【発明者】 【氏名】近藤 博幸

【氏名】三井 孝文

【氏名】南野 順一

【氏名】井上 喜博

【要約】 【課題】グレンシーブと一番物横送り搬送装置との配置関係に工夫を凝らすことによって、選別処理構造の占有スペースを小さくして、コンバインのコンパクト化を達成する点にある。

【解決手段】扱室2から漏下する扱き処理物を選別処理する選別処理装置Aを設けるとともに、前記選別処理装置Aに、前記扱き処理物に対して選別を行う粗選別部Cと、粗選別部Cから送られる選別物を選別する精選別部Dとを備える。精選別部Dに、穀粒を選別し選別した穀粒を下方に漏下させるグレンシーブ7を設ける。グレンシーブ7から漏下する穀粒をガイド部bを介して一番物横送り搬送装置21に導入すべく構成する。グレンシーブ7を一番物横送り搬送装置21の上方に配置してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扱室から漏下する処理物を選別処理する選別処理装置を設けるとともに、前記選別処理装置に、前記処理物に対して選別を行う粗選別部と、前記粗選別部から送られる選別物を選別する精選別部とを備え、前記精選別部に、穀粒を選別し選別した穀粒を下方に漏下させるグレンシーブを設け、前記グレンシーブから漏下する穀粒をガイド部を介して一番物横送り搬送装置に導入すべく構成し、前記グレンシーブを前記一番物横送り搬送装置の上方に配置してある選別処理構造。
【請求項2】
前記選別処理装置に、前記粗選別部と前記精選別部に向けて選別風を供給する唐箕を備え、前記扱胴の穀稈導入側端を前記粗選別部の穀稈導入側端より穀稈導入側に突出させ、前記唐箕の回転中心位置を前記扱胴の穀稈導入側端より更に穀稈導入側に位置させるとともに、前記唐箕の回転中心と前記扱胴の穀稈導入側端との間隔を、前記扱胴の穀稈導入側端と前記粗選別部の穀稈導入側端との間隔より大きな間隔となるように、前記唐箕を配置してある請求項1記載の選別処理構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、扱室から漏下する処理物を選別処理する選別処理装置を設けるとともに、選別処理装置に、処理物に対して選別を行う粗選別部と、粗選別部から送られる選別物を選別する精選別部とを備え、精選別部に、穀粒を選別し選別した穀粒を下方に漏下させるグレンシーブを設けてある選別処理構造に関する。
【背景技術】
【0002】
選別処理装置において、処理物を精選別するグレンシーブを、一番物横送り搬送装置より後方側で、一番物横送り搬送装置に向けてグレンシーブより供給される穀粒を誘導するガイド部としての傾斜面の上方に位置させていた(特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−65041号公報(段落〔0011〕,図1、2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
グレンシーブが一番物横送り搬送装置より後方に位置しているので、グレンシーブで漏下される穀粒を円滑に一番物横送り搬送装置に導入するためには、ガイド部の傾斜面における傾斜度を大きくする必要がある。
そうすると、一番物横送り搬送装置からガイド部の傾斜面上端までの高さが高いものとなり、一番物横送り搬送装置からグレンシーブまでの高さ方向で占めるスペースが大きくなっており、このことによって、選別処理装置の大型化、及び、脱穀装置、コンバインの大型化に繋がってくる。
【0004】
本発明の目的は、グレンシーブと一番物横送り搬送装置との配置関係に工夫を凝らすことによって、選別処理構造のコンパクト化を達成する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
〔構成〕
本発明の特徴構成は、扱室から漏下する処理物を選別処理する選別処理装置を設けるとともに、前記選別処理装置に、前記処理物に対して選別を行う粗選別部と、前記粗選別部から送られる選別物を選別する精選別部とを備え、前記精選別部に、穀粒を選別し選別した穀粒を下方に漏下させるグレンシーブを設け、前記グレンシーブから漏下する穀粒をガイド部を介して一番物横送り搬送装置に導入すべく構成し、前記グレンシーブを前記一番物横送り搬送装置の上方に配置してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0006】
〔作用〕
グレンシーブが一番物横送り搬送装置の上方に位置するように、グレンシーブ及び一番物横送り装置を配置したので、グレンシーブから漏下する穀粒が一番物横送り搬送装置に直接に落下したり、ガイド部に漏下する穀粒であっても一番物横送り搬送装置から余り離れない位置で落下するようになる。これにより、ガイド部としての傾斜度を大きく採る必要がなく、ガイド部を一番物横送り搬送装置から不必要に長く延設する必要がない。
【0007】
〔効果〕
ガイド部としての傾斜度を小さくでき、かつ、ガイド部を一番物横送り搬送装置から離れた位置まで延設する必要がなく、ガイド部の占める高さが高くならない。
したがって、選別処理装置の占める高さが小さくなり、脱穀装置、牽いては、コンバイン等の小型化に寄与できる。
【0008】
本第2特徴構成は、前記選別処理装置に、前記粗選別部と前記精選別部に向けて選別風を供給する唐箕を備え、前記扱胴の穀稈導入側端を前記粗選別部の穀稈導入側端より穀稈導入側に突出させ、前記唐箕の回転中心位置を前記扱胴の穀稈導入側端より更に穀稈導入側に位置させるとともに、前記唐箕の回転中心と前記扱胴の穀稈導入側端との間隔を、前記扱胴の穀稈導入側端と前記粗選別部の穀稈導入側端との間隔より大きな間隔となるように、前記唐箕を配置してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0009】
〔作用〕
唐箕の回転中心位置を前記扱胴の穀稈導入側端より更に穀稈導入側に位置させるとともに、前記唐箕の回転中心と前記扱胴の穀稈導入側端との間隔を、前記扱胴の穀稈導入側端と前記粗選別部の穀稈導入側端との間隔より大きな間隔となるように、唐箕を配置することにより、唐箕の位置が粗選別部から穀稈導入側(図1及び図2の紙面左方)に離れることになる。
このような配置によって、唐箕からの選別風を受ける粗選別部を唐箕の上方に配置する必要がない。
【0010】
〔効果〕
したがって、唐箕の上方に粗選別部を配置する場合に比べて、選別処理装置と唐箕の高さ方向での占めるスペースを抑制することができ、脱穀装置、牽いては、コンバイン等の小型化に寄与できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
コンバインの脱穀装置B、及び、選別処理装置Aについて説明する。図1に示すように、縦送り搬送装置(図示せず)から搬送される刈取穀稈に対して、脱穀作用を加える脱穀装置B、及び、選別処理装置Aが走行機体に搭載されている。選別処理装置Aは、脱穀装置Bで処理された処理物を受けて処理物を大まかに処理する粗選別部Cと粗選別部Cからの処理物を細かく選別する精選別部Dとで構成される。
【0012】
図1に示すように、扱き処理刈取穀稈を挾持して後方に向けて搬送する脱穀フィードチェーン1と、脱穀フィードチェーン1によって、扱室2内に搬送される刈取穀稈に対して扱き作用を加える扱胴3とを備えて脱穀装置Bを装備する。
【0013】
脱穀装置Bの下方には、粗選別部Cが設けてあり、図1に示すように、粗選別部Cは、扱胴3の穀稈導入(前端)側から漏下される扱き処理物を後方に向けて揺動搬送する前部グレンパン4と、その後側にチャフシーブ5とを設けて構成される。一方、精選別部Dは、チャフシーブ5の下方にそのチャフシーブ5より落下供給される穀粒等を後方に向けて揺動搬送する後部グレンパン6と、その後部グレンパン6より搬送される処理物より主として穀粒を揺動選別して漏下させるグレンシーブ7とを備えて構成してある。
粗選別部C及び精選別部Dでの処理物は、揺動搬送されることによって、処理物の比重によって入交じった状態が解されて、比重の重い穀粒等が下に、比重の軽いワラ等が上に堆積される状態となり、比重差選別が行われる。
【0014】
図1に示すように、前記した前部グレンパン4、チャフシーブ5、後部グレンパン6、グレンシーブ7を一体的にシーブケース8に組み込むとともに、シーブケース8の前端部を揺動アーム(図示せず)で脱穀側板9に揺動自在に支持するとともに、シーブケース8の後端部を偏芯駆動機構10に連係して、シーブケース8を揺動駆動するように構成してある。これによって、扱室から落下供給される処理物に対して揺動送り作用を加えるべく構成してある。
【0015】
一方、図1に示すように、前部グレンパン4のさらに前方側には、唐箕11が配置されており、唐箕11からの風を加えてチャフシーブ5等で揺動搬送される処理物に対して比重差選別作用を加えるように構成してある。
唐箕11からの風を分流する為に、次ぎのようなガイド体が設けてある。
【0016】
図1及び図2に示すように、唐箕11の回転羽根11Aの外周側で、唐箕11の回転軸芯に相当する高さ位置に第1ガイド体12を設け、この第1ガイド体12で唐箕11からの選別風を排出する吐出口aの上端を形成してある。第1ガイド体12の下方には中間ガイド体13が設けてあり、吐出口aから排出される選別風を上下に二分する構成を採っている。
【0017】
図2に示すように、中間ガイド体13の下方を通過する選別風は中間ガイド体13の下方に設けた傾斜底板14によって、斜め上向きにガイドされて、グレンシーブ7に作用するように方向付けされている。
一方、中間ガイド体13の上方を通過する選別風は、シーブケース8の前面に形成された導入孔8Aを介してシーブケース8内に導入される。チャフシーブ5の前端には第2ガイド体15が設けてあるとともに、この第2ガイド体15と対向する状態で、前部グレンパン4の後端に第3ガイド体16が設けてあり、第2ガイド体15と第3ガイド体16とでチャフシーブ5の上方を通過する選別風を作り出している。
【0018】
図1及び図2に示すように、シーブケース8内に導入された選別風の内、チャフシーブ5の上方を通過する選別風から分離された選別風は、第2ガイド体15の下端に誘導されてチャフシーブ5の下方で後部グレンパン6の上方に形成された通路を移動するように構成されている。
以上のように、唐箕11からの選別風を3つに分流する際に、シーブケース8内において、第2ガイド体15を設ける構成によって、唐箕11の吐出口aを出た部位においては、第1ガイド体12を設けるだけでよい。このことによって、例えば、唐箕11の吐出口aを出た部位において、中間ガイド体13と第1ガイド体12との間に更に別のガイド体を配置する場合に比べて吐出口aの開口高さを抑制することができ、そのことによって、選別部全体の占める高さを低くでき、コンバイン全体のコンパクト化に寄与できる。
【0019】
図1及び図2に示すように、傾斜底板14の上端近くには、一番物横送り搬送装置21がコンバインの横側方に沿って配置してあり、選別部から漏下される一番物(穀粒)をスクリュウコンベアで横送りして、図外の揚穀搬送装置に受渡し、揚穀搬送装置によって穀粒貯留タンク(図外)に搬送するように構成してある。
【0020】
図1に示すように、チャフシーブ5の後方で扱室2の終端に形成された送塵口2Aの下方には、送塵口2Aより排出される排ワラ等を後方に搬送する前部ストローラック17と後部チャフシーブ18を上下に配置するとともに、更に後方に後部ストローラック19を設けて、排ワラ等に混入している二番物、穀粒の選別回収を図っている。
【0021】
図1に示すように、後部ストローラック19の下方には、枝付きモミ等を含んだ二番物を回収する二番物横送り搬送装置20が設けてあり、二番物横送り搬送装置20によって、扱室2又は選別処理部に還元するように構成してある。
【0022】
以上のような構成において、図1及び図2に示すように、扱室2の送塵口2Aの下方に前部ストローラック17の前端部、及び、グレンシーブ7、一番物横送り搬送装置21を配置しており、一番物横送り搬送装置21の上方にグレンシーブ7が配置されている(一番物横送り搬送装置21の外周部における図1及び図の紙面左側端よりも、グレンシーブ7の始端部(図1及び図2の紙面左側端)が唐箕11に近い側に位置している。)
一番物横送り搬送装置21の前後には、グレンシーブ7より漏下する穀粒を一番物横送り搬送装置21へ傾斜誘導するガイド部b、bが設けてある。
このような構成によって、一番物横送り搬送装置21に向かって傾斜するガイド部bの傾斜度を小さくすることができ、前部ストローラック17の前端部、及び、グレンシーブ7、一番物横送り搬送装置21が占める高さを抑制することができて、この面でもコンバインのコンパクト化に寄与できる。
【0023】
唐箕11の配置構成について説明する。図1及び図2に示すように、扱胴3の穀稈導入側端を、粗選別部Cの前部グレンパン4の穀稈導入側端より穀稈導入側に突出させる。唐箕11の回転中心Xを扱胴3の穀稈導入側端より更に穀稈導入側に位置させるとともに、唐箕11の回転中心Xと扱胴3の穀稈導入側端との間隔W1を、扱胴3の穀稈導入側端と前部グレンパン4の穀稈導入側端との間隔W2より大きな間隔となるように、唐箕11を配置してある。
【0024】
このような構成によって、唐箕11の設置位置を粗選別部Cの前方(図1及び図2の紙面左方)に位置させることができ、粗選別部Cの下方に唐箕11を入り込ませて位置させる場合に比べて、粗選別部Cの設置位置を低い位置に設定でき、選別部の占める高さを低くでき、コンバインのコンパクト化に寄与できる。
【0025】
シーブケース8に対する偏芯駆動機構10について説明する。図3〜図5に示すように、左右の脱穀側板9,9に亘って駆動軸22をベアリング24を介して架設するとともに、駆動軸22の一端を脱穀側板9より外部に突出させ、その突出端に入力プーリ23を取り付けて、駆動軸22に動力伝達を行うようにしてある。
【0026】
駆動軸22におけるシーブケース8の内側面に近接して、偏芯駆動機構10を装着してある。図4及び図5に示すように、駆動軸22におけるシーブケース8の内部に位置する部分は、六角軸22aに形成されている。この六角軸22aに形成された部分に、内周面が六角で外周面が円形の偏芯カム体10Aを装着してある。
【0027】
図4及び図5に示すように、偏芯カム体10Aの外側には、偏芯カム体10Aの外周面を内輪としたベアリング体10Bを外嵌固定してあり、ベアリング体10Bの外輪にブラケット24が相対回転自在に外嵌してある。ブラケット24は、シーブケース8の外側面に、ボルト25を介して、取付固定してある。
【0028】
以上のような構成によって、駆動軸22とともに偏芯カム体10Aが一体回転すると、偏芯カム体10Aの偏芯度合いに応じて、ブラケット24が駆動軸22に対して位置変動を来たし、シーブケース8を揺動駆動する。
【0029】
〔他の実施形態〕
(1)上記実施形態においては、一番物横送り搬送装置21の上方にグレンシーブ7だけでなく、扱室2の排塵口2Aを位置させる構成を採っているが、排塵口2Aについては、必ずしも、一番物横送り搬送装置21の上方に位置させる必要はない。
(2)唐箕11が扱胴2の穀稈導入側端より穀稈導入側に突出する状態で設置されてもよい。また、反対に、前記唐箕の回転中心と前記扱胴の穀稈導入側端との間隔を、前記扱胴の穀稈導入側端と前記粗選別部の穀稈導入側端との間隔より大きな間隔とならない状態で、唐箕11を設置してもよい。
(3)上記構成は、自脱型コンバインだけでなく、全稈投入型コンバインにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】脱穀装置、及び、選別処理装置を示す縦断側面図
【図2】選別処理装置を示す縦断側面図
【図3】脱穀装置、及び、選別処理装置を示す縦断正面図
【図4】シーブケースの偏芯駆動機構を示す縦断背面図
【図5】シーブケースの偏芯駆動機構を示す側面図
【符号の説明】
【0031】
2 扱室
3 扱胴
7 グレンシーブ
5 操縦ハンドル
11 唐箕
21 一番物横送り搬送装置
A 選別処理装置
C 粗選別部
D 精選別部
X 回転中心
W1、W2 間隔
b ガイド部
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成19年6月15日(2007.6.15)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎


【公開番号】 特開2008−307005(P2008−307005A)
【公開日】 平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願番号】 特願2007−159067(P2007−159067)