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【発明の名称】 コンバインの穀粒排出装置
【発明者】 【氏名】宮本 宗徳

【要約】 【課題】基端側オーガの先端側端部及び先端側オーガの基端側端部に蓋を設けることで、オーガ収納時における刈取作業・移動時の振動による穀粒等の残留物の落下を防止できるコンバインの穀粒排出装置を提供する。

【解決手段】グレンタンク13内の穀物を取り出す穀粒排出装置15を、縦排出オーガ17と、グレンタンク13上方に旋回自在に備えられる横排出オーガ30とから構成し、該横排出オーガ30を、基端側オーガ31と先端側オーガ32に分割して枢支軸33を介して回動可能に連結して構成したコンバインの穀粒排出装置15であって、前記基端側オーガ31の先端側端部及び前記先端側オーガ32の基端側端部にそれぞれ蓋51・52を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グレンタンク内の穀物を取り出す穀粒排出装置を、縦排出オーガと、グレンタンク上方に旋回自在に備えられる横排出オーガとから構成し、
該横排出オーガを、基端側オーガと先端側オーガに分割して枢支軸を介して回動可能に連結して構成したコンバインの穀粒排出装置であって、
前記基端側オーガの先端側端部及び前記先端側オーガの基端側端部にそれぞれ蓋を設けたことを特徴とする、コンバインの穀粒排出装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンバインの穀粒排出装置であって、
前記先端側オーガまたは基端側オーガの蓋の中心部に、先端側オーガまたは基端側オーガから突出した搬送コンベア軸を挿入する開口部を設け、該先端側オーガまたは基端側オーガの蓋の外側に規制部材を設けたことを特徴とする、コンバインの穀粒排出装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のコンバインの穀粒排出装置であって、
前記基端側オーガの先端側端部及び前記先端側オーガの基端側端部のそれぞれ一側に、それぞれ蓋の一端を枢支し、他側に固定部を形成するとともに、該枢支部分に蓋の閉じる方向または開ける方向に付勢するバネを配置したことを特徴とする、コンバインの穀粒排出装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はコンバインにおけるグレンタンク内の穀物を取り出す穀粒排出装置に関し、詳しくは、オーガ収納時における刈取作業・移動時の振動による穀粒等の残留物の落下を防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、グレンタンク上方に旋回自在に備えられる横排出オーガによって、グレンタンク内の穀物を取り出す穀粒排出装置を備えるコンバインにおいては、横排出オーガの先端部に開閉機構を設け、穀粒の落下を防止する技術が公知となっている。(例えば、「特許文献1」、「特許文献2」、「特許文献3」参照)。
【特許文献1】実開昭64−28840号公報
【特許文献2】特開平9−187155号公報
【特許文献3】特開平10−215663号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記横排出オーガにおいては、基端側オーガと、基端側オーガに枢支軸を介して回動可能に連結する先端側オーガとから構成した、いわゆる中折れオーガが採用されることがある。この中折れオーガを折り曲げて収納した状態、即ち先端側オーガを後方に回動させた状態では、折り曲げた部分は開放された状態となっているため、移動等する場合、振動等により前記基端側オーガの先端側端部及び先端側オーガの基端側端部から穀粒等の残留物が落下する虞があった。
【0004】
本発明は上記の課題を解決するために、前記基端側オーガの先端側端部及び前記先端側オーガの基端側端部に蓋を設けることで、オーガ収納時における刈取作業・移動時の振動による穀粒等の残留物の落下を防止できるコンバインの穀粒排出装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
即ち、請求項1においては、グレンタンク内の穀物を取り出す穀粒排出装置を、縦排出オーガと、グレンタンク上方に旋回自在に備えられる横排出オーガとから構成し、該横排出オーガを、基端側オーガと先端側オーガに分割して枢支軸を介して回動可能に連結して構成したコンバインの穀粒排出装置であって、前記基端側オーガの先端側端部及び前記先端側オーガの基端側端部にそれぞれ蓋を設けたものである。
【0007】
請求項2においては、請求項1に記載のコンバインの穀粒排出装置であって、前記先端側オーガまたは基端側オーガの蓋の中心部に、先端側オーガまたは基端側オーガから突出した搬送コンベア軸を挿入する開口部を設け、該先端側オーガまたは基端側オーガの蓋の外側に規制部材を設けたものである。
【0008】
請求項3においては、請求項1又は請求項2に記載のコンバインの穀粒排出装置であって、前記基端側オーガの先端側端部及び前記先端側オーガの基端側端部のそれぞれ一側に、それぞれ蓋の一端を枢支し、他側に固定部を形成するとともに、該枢支部分に蓋の閉じる方向または開ける方向に付勢するバネを配置したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0010】
請求項1においては、オーガ収納時における、刈取作業・移動時の振動による穀粒等の残留物の落下を防止できる。また、基端側オーガの蓋を閉じると、先端側オーガを連結しようとしても先端側オーガの搬送コンベア軸と当接するので、誤って蓋をしたまま作業することを防止でき、詰まり等を発生させることがない。さらに、収納時に、虫等の基端側オーガ及び先端側オーガへの侵入を防止できる。
【0011】
請求項2においては、先端側オーガの搬送コンベア軸と干渉せずに、先端側オーガの開口部を塞ぐことができる。また、先端側オーガ蓋を閉じると、先端側オーガを連結しようとしてもピンがフランジと当接するので、誤って先端側オーガに蓋をしたまま作業することを防止でき、詰まり等を発生させることがない。
【0012】
請求項3においては、蓋の固定を解除することにより、簡単に閉じまたは開けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の技術的範囲は実施例に限定されるものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
図1は本発明の一実施例に係るコンバインの全体的な構成を示した左側面図である。
図2は同じく平面図である。
図3は同じく正面図である。
図4は本発明に係る横排出オーガ連結部分の側断面図である。
図5は同じく平面図である。
図6は(a)は本発明に係る基端側オーガ先端部分の側面図、(b)は同じく先端側オーガ基端部分の側面図である。
図7は(a)は本発明に係る基端側オーガ正面図、(b)は同じく先端側オーガ正面図である。
図8は(a)は基端側オーガの蓋を閉じた状態での横排出オーガ連結部分平面図、(b)は同じく先端側オーガの蓋を閉じた状態での横排出オーガ連結部分平面図である。
図9は本発明に係る横排出オーガ連結部分の別実施例における平面図である。
図10は本発明に係るオーガレストの正面図である。
なお、以下の説明においては、コンバインの進行方向(図1における左側)を前方とし、前方に向かって左右を決定するものとする。
【0014】
[全体構成]
まず、本発明に係るコンバインの全体構成について、図1、図2及び図3を用いて説明する。図1は本発明の一実施例に係るコンバインの全体的な構成を示した左側面図、図2は同じく平面図、図3は同じく正面図である。
クローラ式走行装置1上には機体フレーム2が載置され、該機体フレーム2前端に引起し・刈取装置3が昇降可能に配設されている。該引起し・刈取装置3は前端に分草板4を突出して穀稈を分草し、その後部に引起しケース5を立設して該引起しケース5より突出したタイン6の回転により穀稈を引き起こし、前記分草板4後部に配設した刈刃7にて穀稈の株元を刈り取るようにしている。
【0015】
刈り取られた穀稈は、下部搬送装置8a、上部搬送装置8b、縦搬送装置8cにて後方へ搬送され、該縦搬送装置8cの上端から株元がフィードチェーン9に受け継がれて、脱穀部12内に搬送される。フィードチェーン9後端には排藁チェーン10が配設され、該排藁チェーン10後部下方には排藁カッター装置、拡散コンベアなどからなる排藁処理部11が形成されて、排藁を切断して藁片にした後、拡散しながら圃場に均一放出、或いは切断せずに放出するようにしている。
【0016】
脱穀部12下方には選別部が配設され、脱穀部12から流下する穀粒や藁屑等から穀粒を選別し、選別後の穀粒を貯留するグレンタンク13に搬送したり、藁屑等を機外に排出したりするようにしている。
【0017】
前記グレンタンク13は脱穀部12の側方に配設されている。該グレンタンク13の前方には運転席14が配設される一方、グレンタンク13の後方には穀粒排出装置15の縦排出オーガ17が立設され、該縦排出オーガ17を中心にしてグレンタンク13を側方へ回動可能とし、本機内部側に配置した駆動系や油圧系のメンテナンスを容易にしている。
【0018】
グレンタンク13の底部には排出コンベア(図示せず)が前後方向に配設され、該排出コンベアから前記穀粒排出装置15に動力を伝達することで、穀粒排出装置15に設けられた排出口19から外部へグレンタンク13内の穀粒を排出できるようにしている。
【0019】
前記穀粒排出装置15は、主に下端を排出コンベアと連通して穀粒を縦送りする縦排出オーガ17と、該縦排出オーガ17の上端に連通されて穀粒を横送りする横排出オーガ30とからなり、グレンタンク13の後側に立設された縦排出オーガ17の上端に、横排出オーガ30の基端側が上下回動可能に枢着されている。
【0020】
縦排出オーガ17と横排出オーガ30の間にはオーガ昇降シリンダ20が介装されており、該オーガ昇降シリンダ20の一端が縦排出オーガ17上端部の外周側部から突設されたブラケット21に回動可能に枢着され、他端が横排出オーガ30の基端部の外周側部より突設されたブラケットに回動可能に枢着されている。該オーガ昇降シリンダ20を伸縮させることにより、横排出オーガ30が上下方向に回動するようにしている。
【0021】
縦排出オーガ17の上下中途部には平歯車23が外嵌固定され、該平歯車23にオーガ旋回モータ24の回転軸に嵌設された平歯車25が噛合されている。該オーガ旋回モータ24を駆動させることにより、縦排出オーガ17を中心として横排出オーガ30を一体的に左右旋回可能としている。
【0022】
また、前記運転席14の後側方にはオーガレスト支柱26が立設され、このオーガレスト支柱26には第1オーガレスト26a及び第2オーガレスト26bが配設されている。第1オーガレスト26a及び第2オーガレスト26bは、穀粒排出装置15を使用しないときに横排出オーガ30を上収納位置又は下収納位置に支持する部材であり、横排出オーガ30を第1オーガレスト26a又は第2オーガレスト26bの正面視略U字型に形成されたレスト部に戴置して支持可能としている。
【0023】
前記第1オーガレスト26aは第2オーガレスト26bよりも高い位置に配置し、本実施例では、第1オーガレスト26aを進行方向に向かって右側に配置し、その左側下部に第2オーガレスト26bを配置しており、第1オーガレスト26aの高さはグレンタンク13の上端よりも若干高い位置とし、第2オーガレスト26bの高さは、横排出オーガ30を折り曲げた状態で載置した時に、その上端がグレンタンク13の上端と略同じ高さとなるように配設している。なお、第1オーガレスト26a及び第2オーガレスト26bはオーガレスト支柱26に対して高さ調節可能に取り付けられて、格納する納屋の出入り口等の高さに合わせられるようにしている。
【0024】
ここでの横排出オーガ30の上収納位置とは、走行中など横排出オーガ30の使用を一時的に中断している時に該横排出オーガ30が配置される位置であり、図1乃至図3に示すように、横排出オーガ30が第1オーガレスト26a上に載置された状態を指すものである。
また、横排出オーガ30の下収納位置とは、コンバインを納屋に収納する際など横排出オーガ30の使用を長時間行わない時に該横排出オーガ30が配置される位置であり、図2及び図3の二点鎖線で示すように、横排出オーガ30が第2オーガレスト26b上に載置された状態を指すものである。横排出オーガ30を下収納位置に載置して収納する際は、後述するように横排出オーガ30の先端側オーガ32を回動させ、横幅を小さくして収納することができる。
なお、横排出オーガの作業位置とは、グレンタンク13に貯溜された穀粒をトラックの荷台に移載するなど、横排出オーガ30を使用する時に任意位置で該横排出オーガ30が停止している位置であり、第1オーガレスト26a若しくは第2オーガレスト26b上に位置しない状態を指すものである。
【0025】
[横排出オーガ30]
以下、横排出オーガ30について、図4及び図5を用いて説明する。図4は本発明に係る横排出オーガ30連結部分の側断面図、図5は同じく平面図である。
横排出オーガ30は、縦排出オーガ17の上端に連設される基端側オーガ31と、該基端側オーガ31に枢支軸33を介して屈折(中折れ)可能に連結する先端側オーガ32とからなり、該基端側オーガ31の先端側外周に形成されたフランジ34と、先端側オーガ32の基端側外周に形成されたフランジ35が合わせられて連結されるように構成されている。
【0026】
基端側オーガ31の先端側外周の上部及び下部にはそれぞれ側方(左側方)へ突出する支持ステー36・37が固着され、上下の支持ステー36・37の先端部には軸受を介して前記枢支軸33が回動自在に支持されている。また、先端側オーガ32の基端側外周の上部及び下部には前記支持ステー36・37と同一方向に突出するアーム38・39が形成されており、上下のアーム38・39の先端部が前記支持ステー36・37の間に配置されて枢支軸33に枢支されている。これにより、先端側オーガ32と基端側オーガ31とが回動可能に連結され、先端側オーガ32を基端側オーガ31に対して屈折又は伸長させることが可能となる。こうして、横排出オーガ30は不使用時には先端側オーガ32が基端側オーガ31に対して図5矢印方向に屈折されて収縮状態とされ、使用時には先端側オーガ32が基端側オーガ31に対して伸長されて伸長状態とされるのである。
なお本実施例においては、前記横排出オーガ30の屈設・伸張は手動操作するものとして記載するが、前記基端側オーガ31と先端側オーガ32の連結部に回動用アクチュエータとしてモータ等を配設し、制御装置に接続して、前記横排出オーガ30の屈設・伸張を自動制御する構成にすることもできる。また、前記横排出オーガ30を屈設位置及び伸張位置を保持するためのロック機構を設け、横排出オーガ30をそれぞれの位置で固定させる構成にすることも可能である。
【0027】
図4に示すように、前記基端側オーガ31と先端側オーガ32とには、それぞれスクリュー式の排出コンベア41・42が内装されている。これらの排出コンベア41・42のうち、基端側の排出コンベア41の基端側は、前記縦排出オーガ17に内装された排出コンベア(図示せず)の上端に連動連結され、グレンタンク13内の排出コンベアから動力が伝達されて駆動される。一方、先端側オーガ32の排出コンベア42の基端側は、基端側オーガ31の排出コンベア41の先端側に連動連結することで駆動される。
【0028】
先端側オーガ32の基端側内周部には、ブラケット43を介して中心部に軸受筒44が配設され、該軸受筒44に軸受45が取り付けられている。そして、該軸受45により先端側オーガ32の排出コンベア42の軸基端部に形成した搬送コンベア軸46が回転自在に支持されている。該搬送コンベア軸46の外周部には、軸芯から放射方向に突出する二本の突起46aが設けられている。
【0029】
また、基端側オーガ31の先端側内周部には、ブラケット47を介して支持筒ケース48が中心部に設けられ、該支持筒ケース48には基端側オーガ31内に配設された排出コンベア41における軸部先端の受軸49が回転自在に支持されている。該受軸49の先端部は、筒状に形成して前記搬送コンベア軸46を嵌合し、さらに、前記突起46aを嵌合するための嵌合凹部49aが形成されている。
【0030】
こうして、先端側オーガ32を基端側オーガ31に対して枢支軸33を中心として回動することで伸長させ、横排出オーガ30を伸長状態とすると、基端側オーガ31の受軸49に形成された嵌合凹部49aに先端側オーガ32の搬送コンベア軸46に形成された突起46aが嵌合して、先端側オーガ32の排出コンベア41が基端側オーガ31の排出コンベア42と連動連結される。これにより、前記縦排出オーガ17の排出コンベア(図示せず)から基端側オーガ31の排出コンベア41に伝達された動力が、先端側オーガ32の排出コンベア42に伝えられて、排出コンベア41・42が一体となって回動することになる。
【0031】
[オーガ蓋51・52]
以下、基端側オーガ蓋51及び先端側オーガ蓋52について、図4乃至図8を用いて説明する。図6(a)は本発明に係る基端側オーガ先端部分の側面図、(b)は同じく先端側オーガ基端部分の側面図、図7(a)は本発明に係る基端側オーガ正面図、(b)は同じく先端側オーガ正面図である。
前記基端側オーガ31の先端部には、前記フランジ34に当接して角柱形状のフレーム31aが配設され、前記先端側オーガ32の基端部には、前記フランジ35に当接して角柱形状のフレーム32aが配設される。フランジ34またはフレーム31aの上部に、基端側オーガ蓋51が側面視上下回動可能に枢支され、フランジ35またはフレーム32aの上部に、先端側オーガ蓋52が側面視上下回動可能に枢支されるのである。
【0032】
基端側オーガ蓋51及び先端側オーガ蓋52はアルミ等の金属若しくは硬化プラスチック等の樹脂で略正方形または円形の板状に形成され、それぞれフランジ34・フランジ35の上部に枢支部材を介して枢支される。具体的には、後述するように基端側オーガ蓋51及び先端側オーガ蓋52を閉じた時に、基端側オーガ31及び先端側オーガ32の開口部を塞ぐことができる形状に形成されるのである。
前記フレーム31a及びフレーム32aの上面端部にはそれぞれ板バネで形成された固定具(または係止具)55・56が配設され、前記基端側オーガ蓋51・先端側オーガ蓋52を使用しない時は、該固定具55・56にてフレーム31a・32aの上面に固定されるのである。
【0033】
先端側オーガ蓋52の中央部には孔54が開口され、先端側オーガ蓋52を閉じた際に前記搬送コンベア軸46及び突起46aと当接しないように形成される。また、先端側オーガ蓋52を使用する状態において、先端側オーガ蓋52の前面には、本実施例では正面視右端で上下略中央部に規制部材となるピン53が突設されている。
【0034】
基端側オーガ蓋51及び先端側オーガ蓋52を使用する時は、前記固定具55・56から取り外し、それぞれを図6に示す矢印方向に回動させて基端側オーガ31及び先端側オーガ32の開口部を塞ぐのである。
フレーム31a・32aの下面端部にはそれぞれ板バネで形成された固定具または係止具となるストッパー57・58が配設され、前記基端側オーガ蓋51・先端側オーガ蓋52を使用する時は、該ストッパー57・58にてフレーム31a・32aの先端側開口部及び基端側開口部に固定されるのである。
【0035】
図8(a)は基端側オーガ蓋51を閉じた状態での横排出オーガ連結部分平面図である。基端側オーガ蓋51を閉じると、先端側オーガ32を連結しようとしても先端側オーガ32の搬送コンベア軸46と当接し、連結できないように構成されている。即ち、誤って基端側オーガ蓋51を閉じたまま作業することを防止でき、穀粒の詰まり等を発生させる虞がない。(b)は同じく先端側オーガの蓋を閉じた状態での横排出オーガ連結部分平面図である。先端側オーガ蓋52を閉じると、先端側オーガ32を連結しようとしてもピン53がフランジ34と当接し、連結できないように構成されている。即ち、誤って先端側オーガ蓋52を閉じたまま作業することを防止でき、穀粒の詰まり等を発生させる虞がない。このように、基端側オーガ蓋51又は先端側オーガ蓋52のいずれか一方若しくは双方を誤って閉じたまま先端側オーガ32を連結しようとしても、連結できないように構成されているのである。
【0036】
以上のように、グレンタンク13内の穀物を取り出す穀粒排出装置15を、縦排出オーガ17と、グレンタンク13上方に旋回自在に備えられる横排出オーガ30とから構成し、該横排出オーガ30を、基端側オーガ31と先端側オーガ32に分割して枢支軸33を介して回動可能に連結して構成したコンバインの穀粒排出装置15であって、前記基端側オーガ31の先端側端部及び前記先端側オーガ32の基端側端部にそれぞれ基端側オーガ蓋51及び先端側オーガ蓋52が設けられる。
【0037】
これにより、オーガ収納時における、刈取作業・移動時の振動による穀粒等の残留物の落下を防止できる。また、基端側オーガ蓋51を閉じると、先端側オーガ32を連結しようとしても先端側オーガ32の搬送コンベア軸46と当接するので、誤って基端側オーガ蓋51を閉じたまま作業することを防止でき、詰まり等を発生させることがない。さらに、収納時に、虫等の基端側オーガ31及び先端側オーガ32への侵入を防止できる。
【0038】
また、先端側オーガ蓋52または基端側オーガ蓋51の中心部に、先端側オーガ32または基端側オーガ31から突出した搬送コンベア軸46を挿入する開口部を設け、該先端側オーガ32または基端側オーガ31の蓋の外側に規制部材を設けている。本実施例では、前記先端側オーガ蓋52の中心部に孔54が開口され、該先端側オーガ蓋52の一端にピン53が設けられる。
【0039】
これにより、先端側オーガ32の搬送コンベア軸46と当接せずに、先端側オーガ32の開口部を塞ぐことができる。また、先端側オーガ蓋52を閉じると、先端側オーガ32を連結しようとしてもピン53がフランジ34と当接するので、誤って先端側オーガ蓋52を閉じたまま作業することを防止でき、詰まり等を発生させることがない。
【0040】
[実施例2]
次に、本発明に係る穀粒排出装置15の実施例2について、図9を用いて説明する。図9は本発明に係る横排出オーガ30連結部分の別実施例における平面図である。なお、本実施例以降における穀粒排出装置15の説明において、前記実施例と共通する部分については、同符号を付してその説明を省略する。
【0041】
本実施例において、前記基端側オーガ蓋51及び先端側オーガ蓋52は、前記実施例と同様にそれぞれフランジ34・フランジ35の上部に枢支部材を介して枢支される。その枢支部分にはコイルバネ71・71が介挿され、前記基端側オーガ蓋51及び先端側オーガ蓋52はコイルバネ71・71によって上方に(開放方向に)付勢されている。即ち、固定部となる前記ストッパー57・58を解除すると、コイルバネ71・71の付勢力によって基端側オーガ蓋51及び先端側オーガ蓋52が開放されるように構成されている。
【0042】
ここで、前記基端側オーガ31の側面には摺動棒62が摺動棒ケース61を介して前後摺動自在に配設される。該摺動棒62の前端は基端側オーガ蓋51に当接し、後端はリンク64に相互回動可能に枢支されている。リンク64は、ロックレバーステー63に枢支されたロックレバー65と相互回動不能に連結され、ロックレバー65の回動によって前後回動可能に構成される。ロックレバーステー63は、基端側オーガ31の側面に配設される。
また、前記先端側オーガ32の側面には摺動棒69が摺動棒ケース68を介して前後摺動自在に配設される。該摺動棒69の前端は先端側オーガ蓋52に当接し、後端はリンク67に相互回動可能に枢支されている。リンク67は、リンクステー66に枢支され、ロックレバー65の回動によって回動可能に構成される。リンクステー66は、先端側オーガ32の側面に配設される。
また、前記リンクステー66上にロックピン70が突設され、前記ロックレバー65先端に形成したフック部を係合可能に構成している。
【0043】
以上のような構成において、作業者がロックレバー65を図9中矢印Aの方向のロック解除方向に回動させると、リンク64が矢印Bの方向に回動し、摺動棒62を前方に摺動させる。そして摺動棒62が基端側オーガ蓋51を前方に回動させることでストッパー57を解除し、コイルバネ71の付勢力によって基端側オーガ蓋51が開放される。また、リンク67がロックレバー65の回動に伴って矢印D及び矢印Eの方向に回動し、摺動棒69を前方に摺動させる。そして摺動棒69が先端側オーガ蓋52を前方に回動させることでストッパー58を解除し、コイルバネ71の付勢力によって先端側オーガ蓋52が開放される。このように、本実施例では基端側オーガ蓋51及び先端側オーガ蓋52の両方を、ロックレバー65を回動させることで、ワンタッチで開放できるように構成されるのである。
【0044】
また、前記とは逆に、コイルバネ71・71の付勢力によって基端側オーガ蓋51及び先端側オーガ蓋52を閉じるように付勢し、開けた位置で固定部となる固定具55・56で係止可能とするとともに、摺動棒62・69は上下方向に摺動可能に配置し、ロックレバー65は前後方向の枢支軸により枢支し、ロックレバー65より突設した当接体が摺動棒62・69に当接可能に配設する。こうして、ロックレバー65のロック方向への回動操作により摺動棒62・69を押して、基端側オーガ蓋51及び先端側オーガ蓋52を自動的に閉じるように構成することも可能である。また、摺動棒62・69を基端側オーガ蓋51及び先端側オーガ蓋52の回動軸に固設したアームと連結し、該摺動棒をアクチュエータで摺動させるように構成することも可能である。
【0045】
このように、基端側オーガ31の先端側端部及び先端側オーガ32の基端側端部のそれぞれ一側に、それぞれ先端側オーガ蓋52または基端側オーガ蓋51の一端を枢支し、他側に固定部を形成するとともに、該枢支部分に前記蓋51・52の閉じる方向または開ける方向に付勢するバネが配置される。これにより、前記蓋51・52の固定を解除することにより、簡単に閉じまたは開けることができる。
【0046】
[オーガレスト26a・26b]
次に、本発明に係るオーガレスト26a・26bについて、図1乃至図3、及び図10を用いて説明する。図10は本発明に係るオーガレストの正面図である。
【0047】
前記オーガレスト26a・26bは、詳しくは前記運転席14の後側方に立設されたオーガレスト支柱26に配設される第1オーガレスト26a及び第2オーガレスト26bである。図10に示すように、第1オーガレスト26aはオーガレスト支柱26の右上方に、第2オーガレスト26bは第1オーガレスト26aの左下方に配設される。穀粒排出装置15を使用しないときに横排出オーガ30を第1オーガレスト26a又は第2オーガレスト26bのレスト部に戴置して支持するが、ここでは第1オーガレスト26aでの収納位置を上収納位置、第2オーガレスト26bでの収納位置を下収納位置として説明する。
【0048】
ここでの横排出オーガ30の上収納位置とは、走行中など横排出オーガ30の使用を一時的に中断している時に該横排出オーガ30が停止している位置であり、図1乃至図3に示すように、横排出オーガ30が第1オーガレスト26a上に載置された状態を指すものである。
また、横排出オーガ30の下収納位置とは、コンバインを納屋に収納する際など横排出オーガ30の使用を長時間行わない時に該横排出オーガ30が停止している位置であり、図2及び図3の二点鎖線で示すように、横排出オーガ30が第2オーガレスト26b上に載置された状態を指すものである。横排出オーガ30を下収納位置に載置して収納する際は、横排出オーガ30の先端側オーガ32を回動させ、横幅を小さくして収納することができる。
【0049】
詳しくは、図3に示すように第1オーガレスト26aから第2オーガレスト26bに移動させることにより、横排出オーガ30を図3中Hの高さだけ下げることができる。一方図2に示すように、横排出オーガ30を下収納位置に移動させると、図2中Lの長さだけ拡幅することになるが、前記のように横排出オーガ30を中折れさせることによって、機体の全幅を大きくとることなく横排出オーガ30を下収納位置に収納することができるのである。
【0050】
このように、第1オーガレスト26aよりも機体外側低位置に、第2オーガレスト26bが設けられる。これにより、横排出オーガ30を第1オーガレスト26aから第2オーガレスト26bに移動させるだけで、上収納位置から下収納位置に変更することができ、手間がかからない。また、先端側オーガ32を回動して横排出オーガ30を中折れさせることができるので、横排出オーガ30の先端が機体側端面よりはみ出すことがなく、機体の全幅を変えずに横排出オーガ30を下位置に収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施例に係るコンバインの全体的な構成を示した左側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】同じく正面図。
【図4】本発明に係る横排出オーガ連結部分の側断面図。
【図5】同じく平面図。
【図6】(a)は本発明に係る基端側オーガ先端部分の側面図、(b)は同じく先端側オーガ基端部分の側面図。
【図7】(a)は本発明に係る基端側オーガ正面図、(b)は同じく先端側オーガ正面図。
【図8】(a)は基端側オーガの蓋を閉じた状態での横排出オーガ連結部分平面図、(b)は同じく先端側オーガの蓋を閉じた状態での横排出オーガ連結部分平面図。
【図9】本発明に係る横排出オーガ連結部分の別実施例における平面図。
【図10】本発明に係るオーガレストの正面図。
【符号の説明】
【0052】
13 グレンタンク
15 穀粒排出装置
17 縦排出オーガ
26 オーガレスト支柱
26a 第1オーガレスト
26b 第2オーガレスト
30 横排出オーガ
31 基端側オーガ
32 先端側オーガ
33 枢支軸
51 基端側オーガ蓋
52 先端側オーガ蓋
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
【出願日】 平成19年6月14日(2007.6.14)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎


【公開番号】 特開2008−306985(P2008−306985A)
【公開日】 平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願番号】 特願2007−157968(P2007−157968)