| 【発明の名称】 |
やぐら構造物 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 廣
【氏名】岩田 達美
【氏名】谷口 英紀
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| 【要約】 |
【課題】強度及び耐久性を向上させるとともに、作業性及び安全性を向上させることができるやぐら構造物を提供する。
【構成】やぐら構造物100は、管状部材であるやぐら部材(縦材1、横材2、繋ぎ部材3)で構成されており、これらのやぐら部材は、最内周側に形成された熱可塑性樹脂を含む中芯層11と、中芯層11の外周側に密着して形成された繊維強化熱硬化性樹脂を含む中間層12と、中間層12の外周側に密着して形成された熱可塑性樹脂を含む被覆層13と、を備えたFRP製パイプである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の管状部材を組み立ててなるやぐら構造物であって、 前記管状部材は、最内周側に形成された熱可塑性樹脂を含む中芯層と、この中芯層の外周側に密着して形成された繊維強化熱硬化性樹脂を含む中間層と、この中間層の外周側に密着して形成された熱可塑性樹脂を含む被覆層と、を備えたFRP製パイプであることを特徴とするやぐら構造物。 【請求項2】 請求項1において、 前記被覆層は、エンボス加工されていることを特徴とするやぐら構造物。 【請求項3】 請求項1又は2において、 前記管状部材同士は、該管状部材を装着するための凹部が両面に形成され各面の凹部の向きが所定の角度で交差するように成形された鞍部材を介して交差結合していることを特徴とするやぐら構造物。 【請求項4】 請求項3において、 前記管状部材は、設置面に対して傾斜して立設された複数の縦材を備え、互いに対向するように設けられた前記縦材の対が水平方向に複数列に配置され、更に、前記縦材の対を水平方向に接続する複数の横材と、前記互いに対向する縦材の対を連結する繋ぎ部材と、を備えることを特徴とするやぐら構造物。 【請求項5】 請求項4において、 前記横材と前記縦材とが前記鞍部材を介して締結固定されていることを特徴とするやぐら構造物。 【請求項6】 請求項4又は5において、 前記横材は、複数のFRP製パイプを延設して構成されたものであり、隣接する前記FRP製パイプ同士は、双方のパイプ内に挿入された連結部材を介して接続され、当該接続部の両端側が前記FRP製パイプ及び前記連結部材を貫通する締結部材により締結固定されていることを特徴とするやぐら構造物。 【請求項7】 請求項6において、 前記連結部材は、前記横材を構成するFRP製パイプの内径に近接した外径を有し、該横材に内挿可能なFRP製パイプで構成されていることを特徴とするやぐら構造物。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、複数の管状部材を組み立ててなるやぐら構造物に関する。 【背景技術】 【0002】 複数の管状部材を組み立ててなる構造物として、例えば、やぐら構造物がある。このやぐら構造物は、収穫した漬物用大根などをつるして天日干しする際に用いられており、その管状部材には、従来より、竹や丸太などが利用されている(例えば、特許文献1の段落[0006]など参照)。 【特許文献1】特開2003−225023号公報 【特許文献2】特開平10−178942号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかしながら、従来のやぐら構造物にあっては、管状部材に竹や丸太などが利用されているので、強度及び耐久性のみならず、作業性及び安全性にも問題があった。 【0004】 すなわち、従来のやぐら構造物にあっては、やぐら部材に竹や丸太などが利用されており、構造物としての強度が低い。また、このやぐら構造物を屋外で継続的に使用する場合には、風雨、日光などの影響を受けて耐用年数が約2年と短く、耐久性が低い。そして、やぐら構造物の耐用年数の長期化を図るために、やぐら構造物をシーズン中にのみ設置する場合には、シーズン毎にやぐら構造物の組立作業及び解体作業を繰り返す必要があるので、作業負担が大きくなってしまう。特に、前述した漬物用大根などの生産者が高齢化している現状において、生産者が自らこれらの作業を行う場合には、その作業負担がよりいっそう大きなものとなる。しかも、従来のやぐら構造物は、前述の如くやぐら部材に竹や丸太などが利用されており、これらのやぐら部材は表面が滑りやすい。そのため、従来のやぐら構造物にあっては、組立作業及び解体作業などに過度の労力を要し、作業負担が大きくなってしまうとともに、やぐら構造物からの転落事故という危険性を絶えずはらんでいる。 【0005】 本発明は、かかる従来の問題に鑑みてなされてものであり、その目的は、強度及び耐久性を向上させるとともに、作業性及び安全性を向上させることができるやぐら構造物を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0006】 上記課題を解決するために、本発明は、複数の管状部材を組み立ててなるやぐら構造物であって、前記管状部材は、最内周側に形成された熱可塑性樹脂を含む中芯層と、この中芯層の外周側に密着して形成された繊維強化熱硬化性樹脂を含む中間層と、この中間層の外周側に密着して形成された熱可塑性樹脂を含む被覆層と、を備えたFRP製パイプであることを特徴とする。かかるFRP製パイプは、軽量且つ高剛性であるとともに、表面が滑りにくい。そのため、管状部材にFRP製パイプを利用した場合には、竹や丸太などを使用した場合と比べると、やぐら構造物の強度及び耐久性が向上するとともに、作業性及び安全性が向上する。 【0007】 また、本発明において、前記被覆層は、エンボス加工されていることが好ましい。かかる場合には、管状部材の表面が滑りにくくなり、やぐら構造物の組立作業及び解体作業などの作業性及び安全性がより向上する。 【0008】 また、本発明において、前記管状部材同士は、該管状部材を装着するための凹部が両面に形成され各面の凹部の向きが所定の角度で交差するように成形された鞍部材を介して交差結合していることが好ましい。 【0009】 また、本発明において、前記管状部材は、設置面に対して傾斜して立設された複数の縦材を備え、互いに対向するように設けられた前記縦材の対が水平方向に複数列に配置され、更に、前記縦材の対を水平方向に接続する複数の横材と、前記互いに対向する縦材の対を連結する繋ぎ部材と、を備えることとする。 【0010】 また、本発明において、前記横材と前記縦材とが前記鞍部材を介して締結固定されていることが好ましい。かかる場合には、各部材間の連結作用がより強化されるので、各部材の交点部の変形を防止することが可能となり、また、やぐら構造物全体の変形を防止することも可能となる。そのため、やぐら構造物の強度及び耐久性がより向上するとともに、作業性がよりいっそう向上する。 【0011】 また、本発明において、前記横材は、複数のFRP製パイプを延設したものであり、隣接する前記FRP製パイプ同士は、双方のパイプ内に挿入された連結部材を介して接続され、当該接続部の両端側が前記FRP製パイプ及び前記連結部材を貫通する締結部材により締結固定されていることが好ましい。かかる場合には、一定長さ(定尺)のFRPパイプを用意するだけで、敷地面積や形状などの異なる場所においても当該場所に適した長さとなるようにFRP製パイプを延設することにより、それぞれの場所に適したやぐら構造物を適宜構築することが可能となるので、作業性がより向上する。 【0012】 また、本発明において、前記連結部材は、前記横材を構成するFRP製パイプの内径に近接した外径を有し、該横材に内挿可能なFRP製パイプで構成されていることが好ましい。かかる場合には、接続部の密着性が向上するとともに、軽量且つ高剛性が保持されることとなり、しかも前記横材の延設が容易となる。そのため、やぐら構造物の強度及び耐久性が向上するとともに、その作業性がよりいっそう向上する。 【発明の効果】 【0013】 本発明によれば、やぐら構造物の強度及び耐久性を向上させるとともに、作業性及び安全性を向上させることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 以下、添付図面を参照しながら、本発明に係るやぐら構造物100について説明する。図1は、やぐら構造物100の全体を示す構成図であり、(a)は長手方向側面図、(b)は(a)のB方向から見た平面図である。図2〜7は、それぞれ図1に示したI〜VI部の説明図に相当する。なお、各図において類似の箇所には同一の符号を付して説明している。 【0015】 図1に示すやぐら構造物100は、例えば、大根などをつるして天日干しするためのものであり、やぐら部材(縦材1、横材2、繋ぎ部材3)をやぐら状に組み立てて、日光が当たりやすく、風通しの良い構造としたものである。やぐら構造物100は、やぐら部材の他にも、雨水等の浸入を防止するためのカーテンレール4及びカーテン(図示せず)を備えており、さらに、やぐら構造物100の設置を強固とするための補強部材5などを備えている。 【0016】 やぐら部材には、管状部材であるFRP製パイプ(例えば、宇部日東化成株式会社製の「コンポーズパイプ」など)を利用している。このFRP製パイプは、軽量且つ高剛性の三層構造であり、最内周側に形成された熱可塑性樹脂を含む中芯層11と、中芯層11の外周側に密着して形成された繊維強化熱硬化性樹脂を含む中間層12と、中間層12の外周側に密着して形成された熱可塑性樹脂(例えば、ABS樹脂など)を含む被覆層13と、を備えている(図4参照)。より具体的に説明すると、FRP製パイプには、リブタイプのエンボス加工が施されており、例えば、リブ頂点の外径はφ78.5mm、リブ谷部の外径はφ76.3mmである。また、中芯層11の内径はφ63.3mmであり、中間層12の外径及び内径はそれぞれφ73.5mm、φ68.0mmである。かかるFRP製パイプは、軽量且つ高剛性であり、例えば、前記の通りリブ頂点等を設計した場合には、FRP製パイプの単位長さあたりの重量は約2.2kgf/m、曲げ剛性は約196,000kN・cm2の値を示す。また、このFRP製パイプの表面は滑りにくい。従って、やぐら部材にこのようなFRP製パイプを利用した場合には、やぐら部材に竹や丸太などを使用した従来の場合と比べると、やぐら構造物の強度及び耐久性が向上するとともに、作業性及び安全性が向上する。 【0017】 中芯層11及び被覆層13を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)などが挙げられる。なお、中芯層11及び被覆層13は、それぞれ別の熱可塑性樹脂で構成されたものであってもよいが、同一の熱可塑性樹脂(特に、ABS樹脂)で構成されたものが好ましい。なお、被覆層13の外表面には、滑り止め用にエンボス加工が施されている。他方、中間層12を構成する繊維強化熱硬化性樹脂は、強化繊維と熱硬化性樹脂とを一体に結着してなるものである。強化繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などがあるが、特に限定されるものではない。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂などがあるが、特に限定されるものではない。 【0018】 また、FRP製パイプのエンボス形状は、平行配置されたリブタイプに限定されるものではなく、その断面形状として、三角形、台形、矩形、半円形など滑り防止効果があれば、任意の断面形状を適宜採用してもよい。 【0019】 やぐら部材は、設置面に対して相互に対向するように一列に固定される複数の縦材1と、やぐら構造物100の長手方向(すなわち列方向)に隣接する縦材1同士を連結する横材2と、相互に対向する縦材1同士を連結する繋ぎ部材3と、で構成されている。より具体的には、やぐら部材は、設置面に対して傾斜して立設された複数の縦材1を備え、互いに対向するように設けられた縦材1の対が水平方向に一列に等間隔で配置され、更に、縦材1の対を水平方向に接続する複数の横材2と、互いに対向する縦材1の対を連結する繋ぎ部材3と、を備えて構成されている。 【0020】 繋ぎ部材3には、二種類あり、天井繋ぎ部材3a(図2参照)と、中間繋ぎ部材3b(図3参照)とがある。天井繋ぎ部材3aは、やぐら構造物100の天井部付近において縦材1同士を連結するものであり、中間繋ぎ部材3bは、やぐら構造物100の天井部と設置面との中間部付近において縦材1同士を連結するものである。 【0021】 以下、図1のI〜VI部について詳細に説明する。 【0022】 <I部及びII部について> まず、図1のI部及びII部は、それぞれやぐら構造物100の長手方向一端側の天井部付近(図2の説明図参照)及び中間部付近(図3の説明図参照)を示すものである。 【0023】 図2及び図3に示すように、いずれの箇所においても縦材1と横材2とが鞍部材10を介して締結固定されている。また、縦材1と繋ぎ部材3とは、所定の締結部材30を介して相互に接触した状態で位置決め固定されている。 【0024】 鞍部材10は、その両面に凹部が形成されたものであり、各面の凹部の向きが相互に直交するように設計されている。この鞍部材10は、高強度で耐久性に優れた熱可塑性樹脂(例えばABS樹脂など)からなる素材のものが好ましく、さらにこの素材に補強繊維(例えばガラス繊維など)を混合したものがより好ましい(例えば、特開2001−227514号公報の鞍状部材20などを参照)。 【0025】 縦材1及び横材2は、それぞれ鞍部材10に成形された各面の凹部に装着される。そして、縦材1、横材2及び鞍部材10は、ボルト21、座金22及びナット23を用いて締結固定されており、また、横材2、繋ぎ部材3及び鞍部材10の締結固定についても同様である。但し、締結部材の種類及び数、並びにその締結固定方法及び構造などは、これらの形態に限定されるものではなく、例えば、各部材(縦材1、横材2、繋ぎ部材3及び鞍部材10)の重量及びその作用を考慮して、やぐら構造物100の耐久性の向上を図るとともに、締結部材がやぐら構造物100の障害となりにくくなるように、適宜設計することとする。かかる場合には、各部材間の連結作用が強化されることとなり、やぐら構造物100の強度及び耐久性がより向上する。 【0026】 <III部について> また、図1のIII部は、やぐら構造物100の長手方向中央部付近における縦材1と横材2との連結部(図4の説明図参照)を示すものである。 【0027】 図4に示すように、縦材1と横材2との連結部の構造は、前述した図1のI部及びII部とほぼ同様であり、縦材1と横材2とが鞍部材10を介して相互に直交するように締結固定されている。これにより、横材2と縦材1との締結力が向上するので、やぐら構造物100の強度及び耐久性が向上する。 【0028】 <IV部について> また、図1のIV部は、横材2の接続部(図5の説明図参照)を示すものである。 【0029】 図5に示すように、相互に隣接する横材2は、やぐら構造物100の長手方向に延設されており、いずれも前述したFRP製パイプで構成されている。すなわち、相互に隣接する横材2は、双方のパイプ内に挿入された連結部材6を介して接続されており、当該接続部の両端側がFRP製パイプ及び連結部材6を貫通する締結部材(ボルト31、座金22及びナット23)により締結固定されている。なお、連結部材6は、横材2を構成するFRP製パイプの内径に近接した外径を有し、横材2に内挿可能なFRP製パイプで構成されていることが好ましい。かかる場合には、前述した接続部の密着性が向上するとともに、軽量且つ高剛性が保持されることとなり、しかも横材2の延設が容易となるので、やぐら構造物100の強度及び耐久性がより向上するとともに、その作業性がよりいっそう向上する。 【0030】 <V部について> また、図1のV部は、カーテンレール4の設置箇所(図6の説明図参照)を示すものであり、図6(a)は長手方向平面図、図6(b)は(a)のC−C線矢視図である。 【0031】 図6に示すように、カーテンレール4は、縦材1に沿って平行に配置されており、針金7が巻き付けられて横材2に対し強固に保持されている。カーテンレール4には、前述した通りカーテンが設けられている。そして、大根などを天日干しする間は、カーテンを開けて日当たり及び風通しが良い状態にしておき、雨天時や夜間には、カーテンを閉めてやぐら構造物100を覆った状態にして天日干しした大根などが濡れるのを防止する。 【0032】 <VI部について> 図1のVI部は、やぐら構造物100の設置面への固定部(図7の説明図参照)を示すものであり、図7(a)は固定部を図1のB方向から見た図、図7(b)は固定部の長手方向平面図である。 【0033】 図7に示すように、補強部材5は、ロープや針金などで構成されており、その一端側が設置面(地面など)に埋め込まれて固定され、その他端側が横材2に巻きつけられて固定されている。そのため、補強部材5は、設置面側に引張された状態で固定されている。これにより、やぐら構造物100は、設置面に対してより強固に固定されることとなり、その耐久性がよりいっそう向上する。 【図面の簡単な説明】 【0034】 【図1】やぐら構造物の全体を示す構成図である。 【図2】図1のI部説明図である。 【図3】図1のII部説明図である。 【図4】図1のIII部説明図である。 【図5】図1のIV部説明図である。 【図6】図1のV部説明図である。 【図7】図1のVI部説明図である。 【符号の説明】 【0035】 100 やぐら構造物 1 縦材 2 横材 3 繋ぎ部材 4 カーテンレール 5 補強部材 6 連結部材 7 針金 10 鞍部材 11 中芯層 12 中間層 13 被覆層(エンボス加工あり) 21 ボルト 22 座金 23 ナット 30 締結部材 31 ボルト
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| 【出願人】 |
【識別番号】000120010 【氏名又は名称】宇部日東化成株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月22日(2006.8.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】110000176 【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
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| 【公開番号】 |
特開2008−48624(P2008−48624A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月6日(2008.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願2006−225518(P2006−225518) |
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