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【発明の名称】 脱穀装置
【発明者】 【氏名】仲谷 正美

【氏名】南野 順一

【氏名】永田 哲治

【氏名】松下 肇

【氏名】小谷 真司

【氏名】平田 晋

【氏名】高木 雅志

【氏名】堀内 真幸

【氏名】丸山 純一

【氏名】一二三 慶城

【要約】 【課題】回転胴の構造を工夫することによって、扱き残しやささりロス等の発生を効果的に抑制しつつ、選別効率の悪化を防止することのできる脱穀装置を実現する。

【構成】扱胴3を、前部扱胴3aと後部扱胴3bとを備えて構成するとともに、後部扱胴3bの回転速度を前部扱胴3aの回転速度よりも高速に設定してある脱穀装置1において、扱室Aの送塵口4の処理物の搬送下手側に回転胴14を備え、回転胴14の外周部にスクリュ羽根23を備えて、この回転胴14により、扱室Aの送塵口4からの処理物が解し処理されながらフィードチェーン2側に搬送されるように構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理物の搬送方向の軸心周りで回転可能な扱胴を扱室に備え、
前記扱胴を、前部扱胴と、前記前部扱胴の搬送下手側に位置して前記前部扱胴に対して相対回転可能な後部扱胴とを備えて構成するとともに、前記後部扱胴の回転速度を前記前部扱胴の回転速度よりも高速に設定して、
前記扱室の送塵口の処理物の搬送下手側に、搬送方向に直交する方向の軸心周りで回動駆動される回転胴を備え、前記回転胴の外周部にスクリュ羽根を備えて、
前記回転胴により、扱室の送塵口からの処理物が解し処理されながらフィードチェーン側に搬送されるように構成してある脱穀装置。
【請求項2】
前記前部扱胴の胴径と前記後部扱胴の胴径を同程度に設定するとともに、
前記扱胴により扱き処理された処理物を漏下させる受網を前記扱胴の下方に備えて、
前記受網の搬送下手側端部が前記前部扱胴と後部扱胴との境界部下方に位置するように、前記受網を構成してある請求項1記載の脱穀装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、扱室の送塵口の処理物の搬送下手側に回転胴を備えた脱穀装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術としては、例えば特許文献1に開示されているように、扱胴を前部扱胴と後部扱胴に分割し、後部扱胴を前部扱胴より高速に回転するように構成された脱穀装置や、特許文献2に開示されているように、扱室の送塵口の処理物の搬送下手側に回転胴を設けた脱穀装置が知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−75128号公報
【特許文献2】特開2003−38号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているように、後部扱胴を前部扱胴より高速に回転することによって、扱き残しやささりロス等の発生を抑制することができ、特許文献2に開示されているように、回転胴を設けることに設けることによって、扱き残しやささりロス等の発生を抑制することができると考えられる。
しかし、扱き残しやささりロス等の発生を抑制することができる反面、特許文献1に開示されているように、扱胴を前部扱胴と後部扱胴に分割し、後部扱胴を前部扱胴より高速に回転させると、扱き処理された処理物がフィードチェーン側とは逆側に多く寄せ集められて、扱き処理された処理物がフィードチェーン側とは逆側に偏って扱室の送塵口から搬送下手側に供給される。そうすると、特許文献2に開示されているように、扱室の送塵口の処理物の搬送下手側に回転胴を設けても、この回転胴には、処理物をフィードチェーン側に搬送する能力が無いため、フィードチェーン側とは逆側に偏って扱室の送塵口から回転胴に供給された処理物が、そのまま揺動選別装置や排塵口に偏って供給されていた。そのため、揺動選別装置における選別効率が悪くなるといった問題や、排塵口から穀粒が排出される、いわゆる3番ロスが多くなるといった問題があった。
【0005】
したがって、扱き処理された処理物がフィードチェーン側とは逆側に偏ることなく均等に揺動選別装置や排塵口に供給することができれば、上述した揺動選別装置や扱室の送塵口における選別効率の悪化を防止することができると考えられる。
本発明は、回転胴の構造を工夫することによって、扱き残しやささりロス等の発生を効果的に抑制しつつ、選別効率の悪化を防止することのできる脱穀装置を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は、脱穀装置を、次のように構成することにある。
処理物の搬送方向の軸心周りで回転可能な扱胴を扱室に備え、前記扱胴を、前部扱胴と、前記前部扱胴の搬送下手側に位置して前記前部扱胴に対して相対回転可能な後部扱胴とを備えて構成するとともに、前記後部扱胴の回転速度を前記前部扱胴の回転速度よりも高速に設定して、
前記扱室の送塵口の処理物の搬送下手側に、搬送方向に直交する方向の軸心周りで回動駆動される回転胴を備え、前記回転胴の外周部にスクリュ羽根を備えて、
前記回転胴により、扱室の送塵口からの処理物が解し処理されながらフィードチェーン側に搬送されるように構成する。
【0007】
(作用)
本発明の第1特徴によると、扱胴を、前部扱胴と後部扱胴とを備えて構成し、後部扱胴の回転速度を前部扱胴の回転速度よりも高速に設定することにより、扱き残しやささりロス等の発生を抑制することができる。その反面、扱き処理された処理物は、フィードチェーン側とは逆側に多く寄せ集められる。このフィードチェーン側とは逆側に多く寄せ集められた処理物は、扱室の送塵口の処理物の搬送下手側に備えた回転胴に供給されて、この回転胴の外周部に備えたスクリュ羽根によって解し処理されながらフィードチェーン側に搬送される。すなわち、フィードチェーン側とは逆側に多く寄せ集められた処理物を、回転胴の外周部に備えたスクリュ羽根によってフィードチェーン側に搬送することができる。そのため、扱き処理された処理物がフィードチェーン側とは逆側に偏ることなく均等に揺動選別装置や排塵口に供給することができる。
【0008】
(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、扱き処理された処理物がフィードチェーン側とは逆側に偏ることなく均等に揺動選別装置や排塵口に供給することができるため、後部扱胴や回転胴の解し処理によって扱き残しやささりロス等の発生を効果的に抑制しつつ、揺動選別装置における選別効率の悪化を防止することができて、排塵口から穀粒が排出される3番ロスを少なくすることができる。
【0009】
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の脱穀装置において、次のように構成することにある。
前記前部扱胴の胴径と前記後部扱胴の胴径を同程度に設定するとともに、
前記扱胴により扱き処理された処理物を漏下させる受網を前記扱胴の下方に備えて、
前記受網の搬送下手側端部が前記前部扱胴と後部扱胴との境界部下方に位置するように、前記受網を構成する。
【0010】
(作用)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第2特徴によると、前部扱胴の胴径と後部扱胴の胴径を同程度に設定することにより、例えば、後部扱胴の胴径を前部扱胴の胴径より小さく設定した場合に比べ、後部扱胴の外周の長さが長くなるため、後部扱胴の外周に多くの扱歯を取り付けることができる。また、後部扱胴の胴径が小径である場合には後部扱胴へ藁が巻き付き易いが、前部扱胴の胴径と後部扱胴の胴径を同程度に設定することにより、後部扱胴の胴径を大きめに設定することができて、後部扱胴への藁の巻き付きを防止することができる。
【0011】
本発明の第2特徴によると、扱胴により扱き処理された処理物を漏下させる受網を扱胴の下方に備えて、受網の搬送下手側端部が前部扱胴と後部扱胴との境界部下方に位置するように受網を構成することにより、後部扱胴の下方に受網のない空間を形成することができる。そうすると、フィードチェーンによって供給された穀稈の穂先は後部扱胴の下方に形成された受網のない空間で下方に垂れ下がって、この下方に垂れ下がった状態の穀稈の穂先を後部扱胴で扱き処理することができる。そのため、後部扱胴によって穀稈の穂先を大きく動かすことができる。
【0012】
(発明の効果)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、後部扱胴の外周部に多くの扱歯を取り付けることができるため、扱歯を多く取り付けて扱き残しやささりロスを効率的に抑制することができる。
【0013】
本発明の第2特徴によると、後部扱胴によって穀稈の穂先を大きく動かすことができるため、扱き残しやささりロスを効果的に抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1に、コンバインに搭載された脱穀装置1を示す。なお、この発明を実施するための最良の形態においては、脱穀装置1をコンバインに搭載した例を示すため、図1における左方が処理物の搬送上手側に相当し、図1における右方が処理物の搬送下手側に相当し、図1における手前側がフィードチェーン2側に相当する(図2〜図7においても同様)。以下の説明においては、処理物の搬送上手側を前方と、処理物の搬送下手側を後方と表示する。
【0015】
図1に示すように、脱穀装置1は、その上部側に扱室A、中間部側に揺動選別装置B、下部側に回収装置Cを配設している。脱穀装置1には、刈取処理された穀稈をフィードチェーン2で挟持搬送しながら扱き処理する扱胴3を扱室Aに軸架するとともに、扱き処理された処理物を漏下させる受網5を扱胴3の下方側に配設している。
【0016】
揺動選別装置Bには、受網5から漏下した処理物を受け止める第1グレンパン6と、この第1グレンパン6の後方に順に位置させたチャフシーブ7及びストローラック8と、チャフシーブ7の下方に位置するグレンシーブ9とを備え、前後揺動駆動されるシーブケース16に架設されており、扱胴3の後端部下方で、チャフシーブ7の上方に位置する第2グレンパン19がシーブケース16に架設されている。
【0017】
回収装置Cには、第1グレンパン6の下方側に位置する唐箕10と、グレンシーブ9の下方にグレンシーブ9からの漏化物(一番物)を回収して横一側に横送りする一番物搬送スクリュ11と、グレンシーブ9やチャフシーブ7等からの漏化物(二番物)を回収して横一側に横送りする二番物搬送スクリュ12と、一番物搬送スクリュ11と二番物搬送スクリュ12の間に位置し二番物搬送スクリュ12の上方に向って選別風を供給する回転ファン13が配設されている。
【0018】
扱胴3の後方に回転胴14を備え、扱胴3の送塵口4から排出される処理物をこの回転胴14によって解し処理し、塵埃から穀粒を取り出すように構成されている。回転胴14の後方には排塵ファン15が配設されており、上側ファンガイド17と下側ファンガイド18に案内されて藁屑を機外に排出するように構成されている。回転胴14の外周部上側には、案内部材21を備え、第2グレンパン19の後端部に篩い部材22を備える。
【0019】
図2及び図3に示すように、扱胴3は、前部扱胴3aと、この前部扱胴3aの後方に位置し前部扱胴3aに対して相対回転可能な後部扱胴3bとを備えて構成されている。前部扱胴3aは、扱室Aの前側板27と後側板28に回転自在に支持された回転支軸29に一体回転自在に連結されており、後部扱胴3bは、前記回転支軸29の後端部に相対回転自在に支持された筒支軸31に一体回転自在に連結されている。前部扱胴3aの胴径D1と後部扱胴3bの胴径D2は、略同じ寸法に設定されており、後部扱胴3bの扱歯32先端での外径が前部扱胴3aの扱歯30先端での外径と略等しくなるように、後部扱胴3bの扱歯32の長さと、前部扱胴3aの扱歯30の長さが略同じ長さに設定してある。
【0020】
このように、前部扱胴3aの胴径D1と後部扱胴3bの胴径D2を略同じ寸法に設定することにより、後部扱胴3bの外周の長さが長くなるため、後部扱胴3bの外周に多くの扱歯32を無理なく取り付けることができて、扱き残しやささりロスを効率的に抑制することができると考えられる。また、後部扱胴3bの胴径D2を大きめに設定することができるため、後部扱胴3bへの藁の巻き付きを防止することができる。
【0021】
回転支軸29の前側板27から扱室A外に突出する前端部に入力プーリー40が回転支軸29と一体回転可能に設けられており、この入力プーリー40と、後述する入力プーリー43と、自走機体の原動部Eに設けたプーリー47(図4参照)に亘って伝動ベルト41が巻き掛けられている。このように構成することで、自走機体の原動部Eから伝動ベルト41を介して入力プーリー40に伝達された動力が、回転支軸29に伝達されて、前部扱胴3aが回転支軸29の前後方向の軸心P1周りで回転駆動されるようになっている。
【0022】
前部扱胴3aの横側方には、回転支軸29と平行な回転伝動軸42が、前側板27と後側板28とに亘って設けた筒軸49を貫通した状態で、前側板27と後側板28に回転自在に支持されており、この回転伝動軸42の前端部に入力プーリー43が回転伝動軸42と一体回転可能に設けられている。回転伝動軸42の後端部には、この回転伝動軸42と一体回転可能な伝動プーリー44を備え、この伝動プーリー44と、後部扱胴3bの筒支軸31の後端部に連結された入力プーリー46とに亘って、伝動ベルト45が巻き掛けられている。このように構成することで、自走機体の原動部Eから伝動ベルト41を介して入力プーリー43に伝達された動力が、回転伝動軸42、伝動プーリー44、伝動ベルト45及び入力プーリー46を介して筒支軸31に伝達されて、後部扱胴3bが前後方向の軸心P1周りで回転駆動されるようになっている。
【0023】
図2及び図4に示すように、回転伝動軸42の後端部には、この回転伝動軸42と一体回転可能に出力プーリー48が連結されており、この出力プーリー48と、排藁搬送チェーン50を駆動するための駆動スプロケット51に連係された排藁プーリー52とに亘って伝動ベルト53が巻き掛けられている。なお、排藁搬送チェーン50の伝動下流側には駆動スプロケット51を介して、穂先チェーン54が駆動されるように構成されている。
【0024】
例えば、特許文献1に開示されている扱胴の動力伝達構造においては(特許文献1の図2及び図3参照、()内の番号は特許文献1中の部品番号)、出力プーリー(48)が回転伝動軸(42)ではなく回転支軸(21)に取り付けられており、エンジンから回転支軸(21)を介して排藁搬送チェーン(5)駆動させる構造を採用していた。そのため、回転支軸(21)に加わる負荷(前部扱胴を駆動させる負荷と排藁搬送チェーンを駆動させる負荷)が比較的大きく、回転支軸(21)の軸径が大きくなって製造コストアップの要因になるといった問題や、筒支軸(31)を回転支軸(21)に対して相対回転させるための構造が複雑になって製造コストアップの要因になるといった問題があった。そこで、自走機体の原動部Eから回転伝動軸42を介して排藁搬送チェーン50を駆動させる構造を採用することにより、回転支軸29に加わる負荷を、前部扱胴3aを駆動させる負荷のみに限定することで、回転支軸29の軸径を小さくすることができ、筒支軸31周辺の構造を簡素化することができて、製造コスト削減を図ることができる。
【0025】
図3に示すように、前部扱胴3aの回転支軸29にベアリング34を介して相対回転自在に筒支軸31が外嵌されており、この筒支軸31に円板状のリム部材35が固定され、リム部材35の外周部にフランジ37が形成されている。フランジ37に、後部扱胴3bの回転軸心方向及び周方向に並ぶ複数本の扱歯32が設けられたドラム板33を固定することで後部扱胴3bが構成されている。このように構成された後部扱胴3bの回転速度は、前部扱胴3aの回転速度よりも高速に設定されている。
【0026】
図1及び図2に示すように、扱胴3の下方に備えた受網5は、前部扱胴3aの前端部下方から前部扱胴3aと後部扱胴3bの境界部下方に延出されており、後部扱胴3bの下方全域に空間を形成できるように構成されている。このように構成することで、前方から受網5と前部扱胴3aの間で扱き処理されながらフィードチェーン2によって後方に搬送されてきた穀稈は、後部扱胴3bの位置で受網5が無くなるため、その穂先の下方への規制が無くなって、穀稈の穂先が垂れ下がった状態で後部扱胴3bによって扱き処理される。そうすると、穀稈の穂先を大きく動かすことができ、しかも、後部扱胴3bを高速で回転させることで、穂先の間に挟まった穀粒を効率的に扱き処理することができて、扱き残しやささりロスを少なくすることができると考えられる。
【0027】
図5〜図7に示すように、回転胴14は脱穀装置1の側板25に、前後方向(搬送方向)に直交する方向の軸心周りで回動可能に支持されている。回転胴14の外周部には、フィードチェーン2側に向って処理物が搬送されるように、らせん状のスクリュ羽根23が固着されており、このスクリュ羽根23の外周部には、複数の突起片24が全周に亘って等間隔で固着されている。このように、複数の突起片24をスクリュ羽根23の外周部に設けたのは、スクリュ羽根23に加えて、この突起片24によって、効率的に解し処理するためである。
【0028】
回転胴14のフィードチェーン2側の端部には、上述したスクリュ羽根23に代えて、左右方向に長い帯板状の排出板36が固着されている。これは、フィードチェーン2側とは逆側からスクリュ羽根23によってフィードチェーン2側に搬送されてフィードチェーン2側の端部に達した処理物を、下方に位置する揺動選別装置Bや排塵口20に無理なく導くことができるようにするためである。
【0029】
回転胴14の外周部上側で、排塵ファン15と回転胴14の間に位置するように案内部材21が配置されている。案内部材21は、左右方向に長い複数ロッド21aと、このロッド21aの両端部に固着された取付板21cと、ロッド21aの中間部に固定された左右2枚の補強用の中間板21bを備えて構成されており、脱穀装置1の側板25に着脱及び位置調節可能に固定されている。このように、案内部材21を設けることによって、この案内部材21が扱室Aからの処理物をフィードチェーン2側に搬送する際の抵抗になって、スクリュ羽根23を備えた回転胴14の搬送能力を高くすることができる。
【0030】
第2グレンパン19の後端部上面には、この第2グレンパン19の後端部から回転胴14の下方に向う複数の篩い部材22が取り付けられている。篩い部材22は、平面視で後向きにコ字状に折り曲げ成形され、側面視で第2グレンパン19の後端部から斜め後方上方に向って折り曲げ成形されたピアノ線によって構成されており、第2グレンパン19の後端部に取付部材26によって着脱及び前後に位置調整可能に取り付けられている。このように、篩い部材22を設けることによって、この篩い部材22が扱室Aからの処理物をフィードチェーン2側に搬送する際の抵抗になって、スクリュ羽根23を備えた回転胴14の搬送能力を高くすることができる。
【0031】
以上のように構成して、扱胴3を回転させると、扱き処理された処理物がフィードチェーン2側とは逆側に多く寄せ集められて、フィードチェーン2側とは逆側に偏って処理物が送塵口4から後方に供給される。そうすると、回転胴14の外周部に備えたスクリュ羽根23によって処理物を解し処理しながらフィードチェーン2側に処理物を搬送することができる。そのため、このスクリュ羽根23によって、回転胴14の下方に位置する揺動選別装置Bや、回転胴14の後方に位置する排塵口20に処理物を均等に供給することができる。その結果として、揺動選別装置Bにおける選別効率を向上させることができ、排塵口20から穀粒が排出される3番ロスを少なくすることができると考えられる。
【0032】
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、前部扱胴3aの胴径D1と後部扱胴3bの胴径D2を略同じ寸法に設定した例を示したが、同程度の寸法で同様の効果を奏するものであれば異なる寸法に設定してもよい。
【0033】
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、受網5を前部扱胴3aの前端部下方から前部扱胴3aと後部扱胴3bの境界部下方に延出して、後部扱胴3bの下方全域に空間を形成できるように構成した例を示したが、後部扱胴3bの下方に空間を形成できる構成であれば、受網5の後端の位置が前後してもよい。
【0034】
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]及び[発明の実施の第1別形態]においては、回転胴14の周辺に案内部材21及び篩い部材22を設けて、スクリュ羽根23を備えた回転胴14の搬送能力を高める構成を採用した例を示したが、案内部材21及び篩い部材22は、補助的な役割を担うものであり、案内部材21及び篩い部材22を備えていない脱穀装置1においても同様に適用できる。
【0035】
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]及び[発明の実施の第2別形態]においては、コンバインに搭載した脱穀装置1を例に示したが、コンバインに搭載する脱穀装置1に限らず、例えば、刈取部(図示せず)を備えていないハーベスタ(図示せず)に搭載する脱穀装置1においても同様に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】脱穀装置の縦断側面図
【図2】扱室の横断平面図
【図3】後部扱胴の縦断背面図
【図4】後部扱胴の伝動構造を示す概略図
【図5】回転胴周辺の構造を示す縦断側面図
【図6】回転胴周辺の構造を示す横断平面図
【図7】案内部材の構造を示す斜視図
【符号の説明】
【0037】
1 脱穀装置
2 フィードチェーン
3 扱胴
3a 前部扱胴
3b 後部扱胴
4 送塵口
5 受網
14 回転胴
23 スクリュ羽根
A 扱室
D1 前部扱胴の胴径
D2 後部扱胴の胴径
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成18年8月17日(2006.8.17)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎


【公開番号】 特開2008−43262(P2008−43262A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−222471(P2006−222471)