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【発明の名称】 脱穀装置
【発明者】 【氏名】土居原 純二

【氏名】里路 久幸

【氏名】二神 伸

【氏名】泉 浩二

【氏名】長井 敏郎

【要約】 【課題】一番物の選別性能を向上させるようにする。

【構成】扱室33内に扱胴31を軸架して設け、該扱室33下側の扱網30より漏下する被処理物を揺動選別棚38で受けて揺動移送しながら揺動選別する脱穀装置において、該揺動選別棚38の始端側に移送棚49を設け、該移送棚49の後側にシーブを設けるあたり、シーブの前部はグレンシーブ38aで構成するとともにシーブの後部をチャフシーブ38bで構成し、該グレンシーブ38aとチャフシーブ38bの境界部分は、脱穀装置の後板54近傍に構成したことを特徴とする脱穀装置の構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扱室(33)内に扱胴(31)を軸架して設け、該扱室(33)下側の扱網(30)より漏下する被処理物を揺動選別棚(38)で受けて揺動移送しながら揺動選別する脱穀装置において、該揺動選別棚(38)の始端側に移送棚(49)を設け、該移送棚(49)の後側にシーブを設けるあたり、シーブの前部はグレンシーブ(38a)で構成するとともにシーブの後部をチャフシーブ(38b)で構成し、該グレンシーブ(38a)とチャフシーブ(38b)の境界部分は、脱穀装置の後板(54)近傍に構成したことを特徴とする脱穀装置。
【請求項2】
前記グレンシーブ(38a)は開閉しない固定状態とし、チャフシーブ(38b)は開閉可能に構成し、チャフシーブ(38b)の前後間隔(C)に対してグレンシーブ(38a)の前後間隔(B)を短く構成したことを特徴とする請求項1に記載の脱穀装置。
【請求項3】
前記チャフシーブ(38b)の幅(E)に対してグレンシーブ(38a)の幅(D)を短く構成したことを特徴とする請求項2に記載の脱穀装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインやハーベスタに搭載する脱穀装置に関する。
【背景技術】
【0002】
扱室内に扱胴を軸架して設け、扱室下側の扱網より漏下する被処理物を揺動選別棚で受けて揺動移送しながら揺動選別する脱穀装置において、揺動選別棚の始端側に移送棚を設け、移送棚の後側にシーブを設けるあたり、シーブの前部はグレンシーブで構成するとともにシーブの後部をチャフシーブで構成するものは公知である。そして、グレンシーブとチャフシーブの境界部分は、扱室の下方に配置されている構成である。(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−174762号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述のような技術では、前側のグレンシーブでの選別工程が短いために一番の選別が良好にできない場合がある。即ち、グレンシーブからチャフシーブに移行すると選別が荒くなってしまうが、グレンシーブとチャフシーブとの境界部分が扱室下方に存在すると一番への影響が大きくなってしまい、一番で取り込んだ穀粒には藁屑が比較的多く混在してしまう等の不具合が発生していた。
【0004】
本発明の課題は、前述のような不具合を解消して、一番に回収される整粒の選別性能を向上させた脱穀装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の上記課題は次の構成によって達成される。
すなわち、請求項1記載の発明では、扱室33内に扱胴31を軸架して設け、該扱室33下側の扱網30より漏下する被処理物を揺動選別棚38で受けて揺動移送しながら揺動選別する脱穀装置において、該揺動選別棚38の始端側に移送棚49を設け、該移送棚49の後側にシーブを設けるあたり、シーブの前部はグレンシーブ38aで構成するとともにシーブの後部をチャフシーブ38bで構成し、該グレンシーブ38aとチャフシーブ38bの境界部分は、脱穀装置の後板54近傍に構成したことを特徴とする脱穀装置としたものである。
【0006】
請求項1の作用は、扱室33内の扱胴31で脱穀された被処理物は、扱網30より下方の揺動選別棚38上に落下する。被処理物は揺動選別棚38の始端側に構成される移送棚49で後方に移送され、その後、グレンシーブ38aとチャフシーブ38bで選別される。
【0007】
請求項2記載の発明では、前記グレンシーブ38aは開閉しない固定状態とし、チャフシーブ38bは開閉可能に構成し、チャフシーブ38bの前後間隔Cに対してグレンシーブ38aの前後間隔Bを短く構成したことを特徴とする請求項1に記載の脱穀装置としたものである。
【0008】
請求項2の作用は、請求項1の作用に加え、チャフシーブ38bは、被処理物の量など状況に応じて開閉する。そして、グレンシーブ38aの前後間隔Bはチャフシーブ38bの前後間隔Cに対して短いので、グレンシーブ38aからは比較的長い藁屑は落下しない。
【0009】
請求項3記載の発明では、前記チャフシーブ38bの幅Eに対してグレンシーブ38aの幅Dを短く構成したことを特徴とする請求項2に記載の脱穀装置としたものである。
請求項3の作用は、請求項2の作用に加え、グレンシーブ38aの前後間隔Bはチャフシーブ38bの前後間隔Cに対して短い。しかし、グレンシーブ38aでは被処理物量が多いので、チャフシーブ38bの幅Eに対してグレンシーブ38aの幅Dを短くすることで、被処理物は下方に抜け易くなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は上述のごとく構成したので、請求項1記載の発明においては、従来に比べて前側のグレンシーブでの選別工程が長くなるために、一番の選別が良好になる。
請求項2記載の発明においては、請求項1の効果に加え、グレンシーブ38aの前後間隔Bはチャフシーブ38bの前後間隔Cに対して短いので、グレンシーブ38aからは比較的長い藁屑は落下しないので、一番に長い藁屑が落ちるのを防止できるようになる。
【0011】
請求項3記載の発明においては、請求項2の効果に加え、チャフシーブ38bの幅Eに対してグレンシーブ38aの幅Dを短くすることで、被処理物は下方に抜け易くなるので、詰り等を防止できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1及び図2には、本発明を具現化した農業機械であるコンバインが示されている。
走行装置1を有する車台2の前方には、刈取装置3が設けられている。この刈取装置3には、植立穀稈を分草する複数の分草具4と、植立穀稈を引き起こす複数の引起装置5と、植立穀稈を刈り取る刈刃6と、該刈刃6にて刈り取られた穀稈を挟持して後方に搬送する搬送装置7が設けられている。この搬送装置7は刈刃6後方の株元搬送装置8と該株元搬送装置8から搬送されてくる穀稈を引き継いで脱穀装置9に供給する供給搬送装置10とから構成されている。
【0013】
前記刈取装置3は、車台2の前部に立設する懸架台11の上方に設ける回転軸11aを支点にして上下動する刈取装置支持フレーム12にて、その略左右中間部で支持されている。そして、刈取装置3は操作部13に設ける操向レバー14を前後方向に傾動させることによって刈取装置支持フレーム12と共に上下動する構成である。
【0014】
車台2の上方には、前記供給搬送装置10から搬送されてくる穀稈を引き継いで搬送するフィードチェン15を有する脱穀装置9と、該脱穀装置9の右側方であって、この脱穀装置9で脱穀選別された穀粒を一時貯溜するグレンタンク16と、該グレンタンク16の前方に位置していてコンバインの各種操作を実行する操作部13が載置されている。また、車台2の前部には走行装置1を駆動する走行伝動装置17が設けられている。
【0015】
脱穀装置9の後方には、前記フィードチェン15から搬送されてくる排稈を引き継いで搬送する排稈チェン18と、該排稈チェン18の終端部下方には排稈を切断するカッター装置19が設けられている。また、この実施例のカッター装置19の後方には、排稈を結束するノッター等の他の作業機を装着してもよい。
【0016】
前記グレンタンク16内の穀粒量が満杯となると、揚穀筒20と穀粒排出オーガ21から穀粒を機外へと排出する。揚穀筒20は電気モータ(図示せず)にて旋回可能に構成され、また、穀粒排出オーガ21は油圧シリンダ22にて昇降可能に構成されている。そして、穀粒排出オーガ21は揚穀筒20の上部に連結されて一体的に構成され、揚穀筒20が旋回すると、穀粒排出オーガ21も一緒に旋回する構成となっている。
【0017】
また、コンバインは操作部13に設ける副変速レバー23を操作して走行伝動装置17内の副変速の位置を決定し、その後、走行変速レバー24を操作してエンジン(図示せず)からの動力を油圧無段変速装置及び走行伝動装置17を介して走行装置1の左右のクローラ26、26に伝動して任意の速度で走行する構成である。このように、前記走行変速レバー24の操作量によって速度が変速されるとともに、走行変速レバー24の前方向と後方向の操作によってコンバインが前後進する構成である。
【0018】
また、コンバインは操作部13に設ける前記操向レバー14を左右方向に傾倒操作することによって左右方向に旋回する構成であり、さらに、操向レバー14の左右方向への傾倒操作量によって旋回半径が決定される構成である。
【0019】
このようなコンバインを前進させて刈取作業をすると、圃場面に植立している穀稈は、分草具4にて分草され、その後、引起装置5にて引き起こされて刈刃6にて刈り取られる構成である。その後、刈り取られた穀稈は株元搬送装置8にて後方へ搬送され、供給搬送装置10へと引き継ぎ搬送される。この供給搬送装置10に引き継がれた穀稈は、さらに後方へと搬送されて、脱穀装置9のフィードチェン15へと引継ぎ搬送され、穀稈はフィードチェン15で後方へ搬送されながら脱穀装置9にて脱穀選別される構成である。
【0020】
このように脱穀選別された穀粒は、一番揚穀筒27からグレンタンク16内へと搬送されて一時貯留され、このグレンタンク16内に貯留される穀粒量が満杯になると、操作部13の報知手段(ブザーや表示装置)でオペレータに報知される構成である。その後、刈取作業を中断して、グレンタンク16内の穀粒を機外へと排出する作業を開始する。コンバインを任意の位置(トラック近傍位置)へと移動させ、穀粒排出オーガ21をオーガ受け28から離脱させて穀粒排出口21aをトラックの荷台等の位置へ移動させる。そして、操作部13に設けている穀粒排出レバー29を入り状態として、グレンタンク16内の穀粒を機外へと排出し、グレンタンク16内の穀粒排出が終了すると、穀粒排出オーガ21は再びオーガ受け28へと収納されていく構成である。
【0021】
前記脱穀装置9について、図3〜図5に基づいて説明する。
図3は脱穀装置9の側面図、図4は脱穀装置9の平面図である。
脱穀装置9内には、扱網30を有する扱胴31を扱胴軸32で軸架した扱室33と、該扱室33の一側には、扱室33の後部からの処理物を受け入れて処理する排塵処理網34を有する排塵処理胴35を排塵処理胴軸36で軸架した排塵処理室37が設けられている。そして、扱室33と排塵処理室37の下方には揺動選別棚38を設けている。33aは扱室33終端部に設けられている排出口である。
【0022】
また、排塵処理胴35の前方には、二番処理胴39と二番処理胴受樋40(網や格子状のものでもよい。)からなる二番処理室41が構成されている。二番処理胴39は、本実施例では扱胴31の一側(グレンタンク16側)であって、排塵処理胴35の前方にこの排塵処理胴35と一体的に構成されている。この二番処理胴39は基本的には二番物を処理するものである。この二番処理胴39は二番処理胴軸42にて支持されている構成であるので、前記排塵処理胴35と二番処理胴39とは一体的に排塵処理胴軸36と二番処理胴軸42とで支持されている構成である。
【0023】
さらに、図5は図4にて示すA−A断面図であるが、扱網30から漏れた被処理物は二番処理室41内に取り込まれる構成であるので、前記二番処理胴39は二番物の他に、扱室33内から入り込んできた被処理物も一緒に処理する構成となっている。前記扱網30と二番処理胴受樋40(網や格子状でもよい)と排塵処理網34は、それぞれ扱胴31と二番処理胴39と排塵処理胴35の下方に設けられている。
【0024】
前記扱室33と二番処理室41と排塵処理室37の下方には、落下してくる被選別物を受けて選別する揺動選別棚38が設置されていて、該揺動選別棚38の下方には、選別風送り方向始端側に唐箕43を設け、該唐箕43から送風される選別風の送り方向下手側には、風路44と風路45が設けられていて、この風路44と風路45の下手側に一番ラセン46を設け、該一番ラセン46の選別風送り方向下手側には二番ラセン47を設けている。この二番ラセン47にて収集された二番物を前記二番処理室41へ揚穀するための二番揚穀筒48が設けられている。
【0025】
前記揺動選別棚38の構成について説明する。揺動選別棚38は、選別送り方向の始端側から順番に、落下した脱穀物を後方に移送する移送棚49,脱穀物を選別するグレンシーブ38a,該グレンシーブ38aの後側のチャフシーブ38b,排塵物をほぐしてササリ粒を回収すると共に排塵物を機外に移送して放出するストローラック38cとから構成されている。該ストローラック38cの下方は、二番物を二番ラセン47内へ案内する二番棚先47aで構成されていて、この二番棚先47aの終端部近傍まで前記排塵処理胴35が延出している構成である。吸引ファン51は、選別室50内の軽い塵埃を機外に排出するためのもので、扱胴31に対して排塵処理胴35と対向する位置に設けられている。52は揺動選別棚38を揺動駆動させるクランク軸である。
【0026】
前記刈取装置3から搬送されてきた穀稈は、脱穀装置9のフィードチェン15の始端部に引き継がれると共に、該フィードチェン15に引き継がれた穀稈は、後方に搬送されながら、扱胴31と扱網30により脱穀される。脱穀された脱穀物の一部は揺動選別棚38上に落下して、該揺動選別棚38の揺動作用と唐箕43からの風選作用により選別され、一番ラセン46内へと取り込まれていき、該一番ラセン46に取り込まれた穀粒は、グレンタンク16内に一時貯溜される構成である。脱穀後の排稈はフィードチェン15の終端部から、排稈チェン18の始端部に引き継がれて搬送されていき、その後、カッター19に送られて切断され下方の圃場上に放出されていく構成となっている。
【0027】
扱室31の残りの脱穀物は、後方へと搬送されていくが、その途中において一部の脱穀物は二番処理室41内に取り込まれていく。該二番処理室41内に取り込まれた脱穀物は、選別風送り方向上手側に搬送されながら、二番処理胴39と二番処理胴受樋40との相互作用で脱穀(特に、枝梗粒が処理される)されて、下方の揺動選別棚38上に落下していく。扱胴31と二番処理胴39と排塵処理胴35は、共に選別風送り方向上手側から下手側を見た状況(脱穀装置9の正面視)において、時計回りで回転する構成である。従って、二番処理胴39の処理歯39aの向きは、脱穀物を選別風送り方向の上手側方向に送るような向きに固着しておく必要がある。
【0028】
即ち、該処理歯39aには被処理物を選別風送り方向上手側に搬送する作用があり、さらに、被処理物を処理する作用も併せ持っている。即ち、処理歯39aは螺旋の一部であり、また、その円周方向の先端部と二番処理胴受樋40との間の相互作用にて被処理物を処理する構成となっている。二番処理胴39の搬送終端部に設けられている羽根39bは、被処理物を揺動選別棚38上に強制的に送り出すものである。
【0029】
前記排塵処理胴35の排塵処理歯35aは、扱室33の後部からの脱穀物を選別風送り方向の下手側方向に送るような向きに固着しておく必要がある。本実施例では、該排塵処理歯35aは、排塵処理胴35の外周面に巻回かいされているラセン形状となっている。
【0030】
しかし、本実施例では、排塵処理網34の目合いが荒い(格子状)ので、一部の短い藁屑は揺動選別棚38上に落下し、落下しなかった長い藁屑は排塵処理室37の終端部まで搬送されて、排塵処理胴35の終端部の羽根35bにてストローラック38c上に強制的に排出される。そして、このように被処理物が排塵処理室37内にて搬送される間に、排塵処理胴35とこの排塵処理胴35の設けられている処理歯35cと排塵処理網34との相互作用で、さらに脱穀されるとともに、脱穀物はほぐされて中に混在している穀粒(いわゆるササリ粒)が取り出されて下方の揺動選別棚38上に落下し、さらに、二番ラセン47内へと回収されていく構成である。
【0031】
前述のように、扱室33内の脱穀物で揺動選別棚38上に落下せず、二番処理室41内にも取り込まれなかった残りの脱穀物は、扱室33の終端部まで搬送されていく。この扱室33の終端部まで搬送されてきた脱穀物は、排塵処理室37内に取り込まれ、取り込まれた脱穀物は、選別風送り方向下手側に搬送されていく。また、扱室33の終端部まで搬送されてきた脱穀物のうち、排塵処理室37内に取り込まれなかった脱穀物は下方の揺動選別棚38上に落下していく構成である。
【0032】
扱室33内の終端部から排塵処理室37内に脱穀物を送る際において、脱穀物が詰まらないように、扱室33から排塵処理室37への引継ぎ部分においても、排塵処理胴35の外周にラセン形状の排塵処理歯35aを設けていて、該排塵処理歯35aの送り作用で引継ぎ部に脱穀物が詰まらないようにしている。
【0033】
このような、揺動選別棚38の揺動作用と唐箕43からの選別風の作用にもかかわらず、一番ラセン46内に取り込まれなかった残りの穀粒は、他の排塵物と共にさらに後方に送られ、二番ラセン47内へと取り込まれていく。該二番ラセン47内に取り込まれた二番物は、二番揚穀筒48にて前記二番処理室41の選別風送り方向下手側に還元されて、扱室33からの脱穀物と合流し、その後、選別風送り方向の上手側に搬送されながら、二番処理胴受樋40との相互作用で脱穀処理されながら搬送され、終端部の羽根39bにより下方の揺動選別棚38上に強制的に落下していく構成である。
【0034】
前述のごとく、扱室33の終端部まで搬送されてきた脱穀物のうち、排塵処理室37内に取り込まれなかった脱穀物は下方の揺動選別棚38上に落下していく構成であるが、この落下口53は、図3、図4及び図6に示している。この落下口53は、扱室33の後板54と中板55との間に構成されている。
【0035】
図3で説明したグレンシーブ38aと後側のチャフシーブ38bにおいては、その境目は中板55の下方近傍に配置する構成としていたが、図6の実施例においては、グレンシーブ38aと後側のチャフシーブ38bの境目は、後板54の下方に設ける構成とする。そして、グレンシーブ38aは開閉しない構成とし、チャフシーブ38bは開閉する構成としている。グレンシーブ38aの前後間隔Bは短く構成し、チャフシーブ38bの前後間隔Cは長くなるように構成している。グレンシーブ38aの幅Dは短く構成し、チャフシーブ38bの幅Eは長く構成している。
【0036】
これにより、移送棚49から送られてきた被処理物は、前側のグレンシーブ38aにより単粒と細かい藁屑と枝梗と大きい藁屑に分離され、単粒と細かい藁屑が落下し、枝梗と大きい藁屑は後方に送られながら選別ろ過するので、選別網部56での選別ろ過がスム−ズに行なうことができるようになる。そして、選別網部56での選別ろ過が促進することで三番ロスの低減を図ることができ、選別性能が向上するようになる。
【0037】
次に、図7について説明する。
唐箕43の下側のケーシング57には連通口58を設け、二番ラセン47の受樋59の前側上部にも連通口60を設ける構成とする。そして、前記連通口58と連通口60とをダクト61で接続するようにする。これにより、二番ラセン47内に落下しようとする軽い塵埃を吹き飛ばして、後方の排出口62から機外へと放出できるようになるので、二番物の選別性能が向上するようになる。そして、二番物の選別性能が向上するようになると、その後において一番物として一番ラセン46に取り込まれるときにおいても選別が良好となる。また、二番物の中に含まれる塵埃の量が減るので、脱穀装置に掛かる負荷も低減されるようになる。
【0038】
前記ダクト61を設けることで、唐箕43から起風される選別風の量を増大させる必要があるが、本実施例では唐箕43の回転数を速くするようにする。
ダクト61を設けることで、排出口付近63の風量が増大するようになる。これにより、選別室50後部からの塵埃の排出能力が向上するいようになるので、図3で説明した吸引ファン51を廃止してもよい。これにより、廉価な脱穀装置の構成となる。
【0039】
図8はダクト61の平面視での位置関係を示している。ダクト61は、選別室50の横幅方向に亘って略全域の長さFに設けられているので、ダクト61の連通口60から出てくる選別風は、選別室50後部に存在している塵埃の排出をスムーズに行なうことができるようになる。
【0040】
また、ダクト61は樹脂のブロー成形で一体的に構成されているので、ダクト61から選別風が漏れるのを防止できるようになる。また、部品点数も削減可能となる。
ダクト61の入口部分の連通口58においては、開閉弁64を設ける構成としている。特に、麦などの挟雑物が多い品種においては、前記開閉弁64を開き側(基本的には最大開き状態)にする。これにより、ダクト61の連通口60から出てくる選別風量が増加するので、選別性能の低下を防止することができるようになる。具体的には、図9に示すように稲麦選択ダイヤル65を操作部13に設けておいて、運転者がステップS1で稲または麦のいずれかの選択を行う。麦が選択されると、前記開閉弁64の開度はHとなり、稲が選択されると開閉弁64の開度はGとなる。もちろん開度の大きさの関係は、G<Hである。前記稲麦選択ダイヤル65については、別の品種の開度合いを追加して設けてもよい。これにより、ダクト61の連通口60から出てくる選別風量を、品種に応じて容易に調整可能となる。
【0041】
図10に示す実施例は、脱穀装置に供給される穀稈の量に応じて前記開閉弁64と唐箕43の回転数を自動的に調節しようとするものである。脱穀装置に供給される穀稈の量を検出する供給量センサ66は、フィードチェン15の挟持杆の動きを検出するセンサである。この供給量センサ66が穀稈の量の検出を行って(ステップS1)、穀稈の量が所定量以上の場合はステップS2へと進んで、唐箕43の回転数を速くして開閉弁64を開き側にする。この唐箕43の回転数の増加と開閉弁64の開き度合いについては、穀稈の量に比例して増大させるようにする。
【0042】
一方、穀稈の量が所定量以下の場合はステップS3へと進んで、唐箕43の回転数を遅くして開閉弁64を閉じ側にする。この唐箕43の回転数の低下と開閉弁64の閉じ度合いについては、穀稈の量の比例して減少させるようにする。これにより、適正な選別が可能になるとともに低流量時のロスを低減することが可能となる。しかも自動的に行われるので、作業能率も向上するようになる。
【0043】
前述した扱網30の詳細構成について説明する。図11に示しているように、扱網30を穀稈の搬送方向に沿って三等分に分割する構成として、網の目合いを変えるようにする。そして、脱穀装置においては、フィードチェンシンクロを搭載しない構成が前提条件である。穀稈の搬送方向の下手側の目合いKは従来通りの目合いであり、穀稈の搬送方向の上手側の目合いIは目合いKよりも荒い構成としている。また、中間の目合いJは目合いKよりも細かい目合いとしている。これにより、低速時のロスを低減させることができ、高速時の籾の脱粒率を向上させることができるようになる。また、フィードチェンシンクロをしなくてもフィードチェンシンクロを行ったと同等の脱穀の効果を得られることができるようになる。また、フィードチェンシンクロはコストが高くなるがフィードチェンシンクロを搭載しなくてもよいので、廉価で脱穀性能が向上するようになる。
【0044】
前述した扱網30の目合いI、目合いJ及び目合いKについては、どのような順番であってもよい。順番を入れ替えても前述と同様な効果を奏する。目合いの入れ替えについては予め固定の状態でもよいが、穀稈の状況を考慮して自動的に目合いを変更するようにしてもよい。目合いの調節方法については図示を省略するが、網を二重にしておいていずれか一方側または両方の網をスライドさせて網の目合いを調節するようにする。具体的には、多量の穀稈が投入された場合や穀粒量の多い品種については、穀稈搬送方向上手側から下手側にかけて、目合いが荒い状態から細かい状態へとなるように目合いを調節する。これにより、脱粒は扱胴と扱網の相互作用で行われるので、脱粒作用は少ない状態から多い状態へと順次変化するようになる。したがって、下方の揺動選別棚38上には一気に被処理物が堆積しないので、揺動選別棚38上では安定した選別ができるようになる。
【0045】
また、少量の穀稈が投入された場合や穀粒量の少ない品種については、穀稈搬送方向上手側から下手側にかけて、目合いが細かい状態から荒い状態へとなるように目合いを調節する。これにより、被処理物は早めに揺動選別棚38上に落下して選別作用が行われるので、揺動選別棚38の下手側において多くなる藁屑との混ざる作用が少なくなり、選別が向上するようになる。
【0046】
前述のような目合いの自動調節においては、運転者は目合いの状態を把握できないので、状況に応じて扱網30の目合いの状態が自動的に変更された場合には、操作部13のモニターに表示するようにする。これにより、作業者は扱網30の目合いの状態を容易に把握することができるようになり、仮に作業者の圃場状態の判断に応じて手動調節に切り換える場合においても、切り換え作業が容易となり、作業能率が向上するようになる。
【0047】
また、モニターを搭載してしない機種においては、ブザーで知らせるようにする。この場合、目合いに応じてブザーの種類を決めておいて、穀稈搬送方向上手側から下手側にかけて目合いの順番にブザーを鳴らすようにする。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】コンバインの左側面図
【図2】コンバインの正面図
【図3】脱穀装置の側断面図
【図4】脱穀装置の平面図
【図5】脱穀装置正面の断面図
【図6】脱穀装置の一部の側断面図
【図7】脱穀装置の側断面図
【図8】脱穀装置の平面図
【図9】フローチャート図
【図10】フローチャート図
【図11】斜視図
【符号の説明】
【0049】
9 脱穀装置
30 扱網
31 扱胴
33 扱室
38 揺動選別棚
38a グレンシーブ
38b チャフシーブ
49 移送棚
54 脱穀装置の後板
B グレンシーブの前後間隔
C チャフシーブの前後間隔
D グレンシーブの幅
E チャフシーブの幅
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成18年8月1日(2006.8.1)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−35709(P2008−35709A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−209985(P2006−209985)