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【発明の名称】 ロールベーラにおけるフィルム繰出装置
【発明者】 【氏名】生田 良仁

【氏名】吉田 秀則

【要約】 【課題】

【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロールベール成形装置によりロール状に成形されたロールベールの外周面にフィルムを被覆して梱包するために、当該ロールベール成形装置の手前側に配置されて、前記フィルムを繰り出すためのロールベーラにおけるフィルム繰出装置であって、
ロール状に巻回された原反フィルムロールを支持するフィルムロール支持軸にブレーキドラムが一体に取付けられ、当該原反フィルムロールの繰出し部には、フィルム繰出シャフトを兼用したブレーキアームシャフトが前記フィルムロール支持軸と平行に配置され、前記ブレーキアームシャフトを中心に回動するブレーキシュー、及び前記フィルムロール支持軸に支持された原反フィルムロールの外周に接触する外周接触部材が、それぞれ付勢手段によりブレーキドラム、及び原反フィルムロールに押し付けられた構成の原反フィルムロール装置と、
前記フィルム繰出シャフトと前記ベールの被覆開示部との間のフィルム走行経路に配設されて、前記原反フィルムロールからフィルムを引き出すための駆動ローラ装置と、
前記フィルム繰出シャフトから繰り出されて、フィルム走行経路の途中に配置された案内ローラに案内されて前記ベールに被覆されるフィルムにより梱包を終えた後の当該フィルム端部を、次の梱包までの間において支持させておくために、前記フィルム走行経路における前記ロールベールに被覆される直前の部分に傾斜配置されるフィルム端部支持部材とを備え、
前記原反フィルムロール装置を構成するブレーキアームシャフトの外側には、自由回転するアイドルローラが嵌め込まれ、前記外周接触部材は、静電気が発生しにくい材質から成る回転可能なローラで構成したことを特徴とするロールベーラにおけるフィルム繰出装置。
【請求項2】
前記フィルム端部支持部材は、常時周回走行しているコンベアベルトで構成されていることを特徴とする請求項1に記載のロールベーラにおけるフィルム繰出装置。
【請求項3】
前記フィルム走行経路には、走行中のフィルムの幅を拡げるための幅拡げローラが組み込まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載のロールベーラにおけるフィルム繰出装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールベール成形装置により牧草類がロール状に圧縮成形されたロールベールの外周面にフィルムを被覆して梱包するために、当該ロールベール成形装置の手前側に配置されて、前記フィルムを繰り出すためのロールベーラにおけるフィルム繰出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロールベーラは、圃場に刈り倒されている牧草類をピックアップ装置でピックアップして、圧縮成形室内に投入して、当該圧縮成形室の外周を周回走行する多数本の成形バーによりロール状のベールに圧縮成形し、成形後においては、ロールベールの「ばらけ」を防止するために、その外周を梱包している。従来のロールベールの当該梱包には、トワインと称される紐を外周面に巻き付ける「トワイン巻き」と、ネットを外周面に巻き付ける「ネット巻き」とがある。「トワイン巻き」は、ロールベール1個当たりの梱包材料コストは安いが結束時間が長く、ベール解体が容易でないという問題があった。一方、「ネット巻き」は、梱包時間は短いが、「トワイン巻き」と同様にベール解体が容易でないという問題があった。即ち、「トワイン巻き」及び「ネット巻き」の双方において、保管しているロールベールの表面が凍結するような寒冷地においては、冬季において給餌のためにロールベールを解体する場合に、ロールベールの外周面のトワイン又はネットが飼料の茎等の内部に喰い込んだ状態で凍結してしまう。よって、両者(トワイン又はネットと飼料の茎等)が一体となってしまって、トワイン又はネットを容易に引き剥がすことができなくて、ロールベールの解体に多大な手間を要していた。
【0003】
本発明は、ロールベールの梱包材料として、トワイン又はネットに替えてフィルムを使用するに際して、従来のネット繰出装置をそのまま使用した場合に発生する不具合を解消して、フィルムをスムーズに繰り出して、ロールベールのフィルム梱包を可能にしたものであり、最初に、従来のネット繰出装置の構成と、当該ネット繰出装置をそのまま使用してフィルムを繰り出す場合の問題点について説明する。ここで、ロールベールの梱包材料としてフィルムを選択したのは、冬季においてロールベール表面に凍結が発生した場合でも、トワイン、ネット等の紐状梱包材料と異なって、フィルムはロールベールの幅に対応した帯状梱包材料であって、外周面の全体を被覆しているために、飼料と一体化しないため、フィルムのみを比較的容易に引き剥がしてロールベールを解体できる利点を有しているためである。
【0004】
図13は、例えば特許文献1に記載されるようなロールベールにおけるネット繰出装置A”の主要部の正面配置図である。ネット繰出装置A”の基本構成は、駆動ローラ装置Dにより原反ネットロール装置E’の原反ネットロールR’からネットNが引き出されると共に、引き出されたネットNは、ロールベール成形装置BによるロールベールV(いずれも図1参照)の回転により、当該ロールベールVの外周面に数回だけ巻回されて梱包される。原反ネットロール装置E’は、原反ネットロールR’を支持する支持軸21と、原反ネットロールR’と一体回転するブレーキドラム22と、原反ネットロールR’の繰出し部に前記支持軸21と平行に配置されたブレーキアームシャフト23と、当該ブレーキアームシャフト23を中心に回動するブレーキアーム24の一方のアーム部24aの先端部に装着されて、前記ブレーキドラム22に摺接するブレーキシュー25と、前記ブレーキアーム24の他方のアーム部24bの先端部と引張バネ26を介して連結されたテンションアーム27の先端部に装着されて、前記原反ネットロールR’の外周面に接触して押し付けられる外周接触部板材28とを備えている。テンションアーム27は、その一端部が支点ピン29を介して回動可能に支持されている。
【0005】
また、駆動ローラ装置Dは、駆動回転するゴムローラ51と、当該ゴムローラ51に接触して被動回転するアルミローラ52とで構成される。駆動ローラ装置Dを構成する各ローラ51,52の材質を上記のように定めたのは、ネットNに静電気が発生するのを防止するためである。駆動ローラ装置Dにより、原反ネットロールR’に巻回されているネットNに引張力が作用すると、当該ネットNは、ブレーキシュー25とブレーキドラム22との摩擦力に抗して非回転のブレーキアームシャフト23の外周を摺接して繰り出される。引張バネ26の復元力により、ブレーキシュー25及び外周接触部板材28は、それぞれブレーキドラム22及び原反ネットロールR’に常に所定の力で押し付けられている。原反ネットロールR’の巻径が小さくなるにつれて、引張バネ26の両端の各連結部の間隔が短くなって、引張バネ26の復元力は小さくなるため、前記「所定の力」は、原反ネットロールR’の巻径が小さくなるに従って小さくなる。即ち、原反ネットロールR’からネットNを引き出すトルクは、当該原反ネットロールR’の巻径が小さくなるに従って小さくなるが、ネットNの引張り力(引出し力)は、ほぼ一定となっている。逆に、原反ネットロールR’の巻径とは無関係に、ネットNの引張り力(引出し力)を常にほぼ一定にするために、上記機構を採用している。
【0006】
また、駆動ローラ装置Dを構成するアルミローラ52は、アーム軸53を支点に回動するテンションアーム54の一方のアーム部54aの先端部に支承され、当該テンションアーム54の他方のアーム部54bの先端部は、一端が固定された引張バネ55の他端に連結されて、前記引張バネ55の復元力により、アルミローラ52をゴムローラ51に押し付けている。ネットNは、そのまま引張り力を加えて引っ張ると、幅が狭くなって、ロールベールVの全外周面をネットNで梱包できなくなる恐れがあるので、駆動ローラ装置Dの僅かに上流側に、引張り力が加えられているネットNの幅を拡げるためのネット幅拡げバー56が配置されている。ネット幅拡げバー56は、基端部が前記アーム軸53に支持されたアーム57の先端部に取付けられて、当該アーム57の先端部側面に突設された係止ピン58は、基端部が支点ピン60を介して回動可能に支承されたスライドアーム59の係止溝59aに係止されていて、前記スライドアーム59は、引張バネ61の復元力により一方向に付勢されて、駆動ローラ装置Dを構成するゴムローラ51及びアルミローラ52の部分と、前記ブレーキアームシャフト23の部分に張り渡された状態で走行するネットNの走行経路は、前記ネット幅拡げバー56の部分において屈曲されている。
【0007】
駆動ローラ装置Dにより原反ネットロールR’から引き出されたネットNは斜下方に走行して、ネット幅拡げバー56により幅が拡げられ、駆動ローラ装置Dを通過して斜下方に走行するネットNは、案内ローラ62の部分で傾斜が緩やかとなるように走行して、ロールベールVの外周面に巻き取られる。ロールベールVの外周面にネットNが所定回数だけ巻回されると、前記案内ローラ62の近傍に配置されたナイフベース63が下方に向けて回動して、先端のナイフ64によりネットNが切断され、切断されたネットNの先端部は、駆動ローラ装置Dと案内ローラ62を結ぶネットNの走行経路と略平行となるような傾斜を有して配置された滑り板65の傾斜面65aに垂れ下がった状態で支持されて、次のネットNによる梱包までこのままの状態で待機する。
【0008】
上記したネット繰出装置A”の原反ネットロールR’を原反フィルムロールに替えて、フィルムを繰り出そうとすると、以下のような問題が発生する。(1)ブレーキアームシャフト23は、非回転構造であるために、ネットNのように全面接触しない場合には、滑り抵抗も余り大きくないため、ブレーキアームシャフト23にネットNを滑らせながら繰り出すことができるが、フィルムの場合には、ブレーキアームシャフト23に全面接触するために、滑り抵抗が大きくなり過ぎて、非回転構造のブレーキアームシャフト23に対してフィルムを滑らせて繰り出すことはできない。(2)ほぼ同様の理由により、回転する原反ネットロールR’の外周面には、時間の経過により小さくなる当該原反ネットロールR’の巻径を検出するための外周接触板材28が滑り接触しており、ネットNの場合には、外周接触板材28に対する滑り抵抗が小さいために問題はないが、フィルムの場合には、外周接触板材28に対する滑り抵抗が大きくなり過ぎて、フィルム自体を損傷させてしまう。(3)直前の梱包を終えた状態で、フィルム端部は滑り板65の上面に接触して待機しており、次の梱包のために、ゴムローラ51を駆動させてフィルム端部をロールベールVの外側に巻き付ける場合に、滑り板65上にゴミ、水分等が付着している場合には、フィルム端部は、そのまま滑り板65の傾斜によりロールベールVの側に入り込むことなく、滑り板65上で滞留して、最後にはゴムローラ51及びアルミローラ52に巻き付いてしまう。
【0009】
よって、図13に示されるネット繰出装置A”をそのまま用いてフィルムを繰り出すことはできなかった。
【特許文献1】特開2006−67917号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、梱包時間の短縮、梱包材料の削減、ロールベール解体の容易化等のためにロールベールをフィルムで梱包する際に、当該フィルムをスムーズに繰り出すことのできるフィルム繰出装置の提供を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、ロールベール成形装置によりロール状に成形されたロールベールの外周面にフィルムを被覆して梱包するために、当該ロールベール成形装置の手前側に配置されて、前記フィルムを繰り出すためのロールベーラにおけるフィルム繰出装置であって、ロール状に巻回された原反フィルムロールを支持するフィルムロール支持軸にブレーキドラムが一体に取付けられ、当該原反フィルムロールの繰出し部には、フィルム繰出シャフトを兼用したブレーキアームシャフトが前記フィルムロール支持軸と平行に配置され、前記ブレーキアームシャフトを中心に回動するブレーキシュー、及び前記フィルムロール支持軸に支持された原反フィルムロールの外周に接触する外周接触部材が、それぞれ付勢手段によりブレーキドラム、及び原反フィルムロールに押し付けられた構成の原反フィルムロール装置と、前記フィルム繰出シャフトと前記ベールの被覆開示部との間のフィルム走行経路に配設されて、前記原反フィルムロールからフィルムを引き出すための駆動ローラ装置と、前記フィルム繰出シャフトから繰り出されて、フィルム走行経路の途中に配置された案内ローラに案内されて前記ベールに被覆されるフィルムにより梱包を終えた後の当該フィルム端部を、次の梱包までの間において支持させておくために、前記フィルム走行経路における前記ロールベールに被覆される直前の部分に傾斜配置されるフィルム端部支持部材とを備え、前記原反フィルムロール装置を構成するブレーキアームシャフトの外側には、自由回転するアイドルローラが嵌め込まれ、前記外周接触部材は、静電気が発生しにくい材質から成る回転可能なローラで構成したことを特徴としている。
【0012】
請求項1の発明によれば、原反フィルムロール装置を構成するブレーキアームシャフトの外側には、自由回転するアイドルローラが嵌め込まれているので、原反フィルムロールから繰り出されるフィルムは、アイドルローラに巻き掛けられて繰り出されているため、フィルムとアイドルローラとの間の摩擦は、転り摩擦となって、非回転のブレーキアームシャフトに対する滑り摩擦に比較して摩擦抵抗が著しく小さくなって、原反フィルムロールからフィルムが損傷されることなくスムーズに繰り出される。また、時間の進行に伴って小さくなる原反フィルムロールの巻径を検出して、ブレーキシューとブレーキドラムとの摩擦力を徐々に小さくして、フィルムの引出し力をほぼ一定にするために、原反フィルムロールの外周に接触する外周接触部材が、静電気が発生しにくい材質から成る回転可能なローラで構成されていて、外周接触部材と原反フィルムロールとの間の摩擦力は転り摩擦となるため、外周接触部材との接触によりフィルムが損傷されたり、フィルムに静電気を発生させて当該フィルムの繰り出しに支障を来すという不具合が解消される。
【0013】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記フィルム端部支持部材は、常時周回走行しているコンベアベルトで構成されていることを特徴としている。
【0014】
請求項2の発明によれば、フィルム走行経路におけるロールベールに被覆される直前の部分に傾斜配置されるフィルム端部支持部材が、常時周回走行するコンベアベルトにより構成されているので、傾斜配置されたコンベアベルト上で待機しているフィルム端部は、常に斜後下方に向けて送られ続けているため、駆動ローラ装置の側に巻き込まれることがない。そして、ロールベールが所定径まで成形された後に駆動ローラ装置が起動してフィルムが送り込まれると、前記フィルム端部は、コンベアベルトの周回走行に案内されてそのまま斜下方に移動された後に、ロールベールの外周面にスムーズに巻き掛けられる。
【0015】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記フィルム走行経路には、走行中のフィルムの幅を拡げるための幅拡げローラが組み込まれていることを特徴としている。
【0016】
原反フィルムロールからフィルムを引き出すために当該フィルムに引張り力が加わると、幅寸法が小さくなって、選択した規定幅のフィルムによりロールベールの外周面の全面を梱包できなくなる。しかし、請求項3の発明によれば、フィルム走行経路には、走行中のフィルムの幅を強制的に拡げるための幅拡げローラが組み込まれているために、フィルムに引張り力が加わっていても、その幅はほぼ規定幅を保持しているため、規定幅のフィルムによりロールベールの全外周面を支障なく梱包できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、原反フィルムロール装置を構成するブレーキアームシャフトの外側にアイドルローラが嵌め込まれていると共に、原反フィルムロールの巻径を検出する外周接触部材が、静電気が発生しにくい材質から成る回転可能なローラで構成されていて、原反フィルムロールから引き出されるフィルムとブレーキアームシャフトとの接触、及び原反フィルムロールと前記外周接触部材との接触は、いずれも転がり抵抗となるので、フィルムを損傷することなく小抵抗でフィルムをスムーズに引き出したり、或いはフィルムを損傷させないで原反フィルムロールの外周に外周接触部材を接触させられる。
【0018】
また、フィルム走行経路におけるロールベールに被覆される直前部分に傾斜配置されて、次の梱包までの間においてフィルム端部を垂れ下げて支持しておくためのフィルム端部支持部材が、常時周回走行するコンベアベルトで構成されているため、コンベアベルト上に垂れ下がって待機しているフィルム端部は、当該コンベアベルトの常時周回走行により、斜後下方に送り込まれた状態となっている。よって、フィルム端部が駆動ローラ装置の側を向くことはなくなって、当該駆動ローラ装置の起動によりフィルムが送り込まれると、フィルム端部は、コンベアベルトの周回走行によりスムーズにロールベールの側に向けて送り込まれて、当該ロールベールに巻き掛けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、最良の実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。最初に、図1ないし図4を参照して、本発明に係るフィルム繰出装置Aについて説明する。図1は、本発明に係るフィルム繰出装置Aを備えたロールベールの全体図であり、図2は、フィルム繰出装置Aの拡大図であり、図3は、図2のX矢視図(原反フィルムロール装置Eの平面断面図)であり、図4は、原反フィルムロール装置Eのブレーキシュー25の側の部分斜視図である。なお、フィルム繰出装置Aの説明において、従来のネット繰出装置A”と同一又は同等部分には同一符号を付して、上記説明を援用し、本発明のフィルム繰出装置Aの特有部分についてのみ詳細に説明する。最初に、ロールベーラの全体概略構成について簡単に説明し、次に、本発明に係るフィルム繰出装置Aの部分について詳細に説明する。
【0020】
走行輪1を備えた機体2の大部分は、ロールベールVを成形するためのロールベール成形装置Bとなっていて、当該成形装置Bの手前側に本発明に係るフィルム繰出装置Aが配設されている。ロールベール成形装置Bは、機体2と一体となった前チャンバー3と、当該チャンバー3に対して後斜上方に回動する後チャンバー4とで圧縮成形室5が形成される。エンドレスに周回走行する左右一対の無端チェーン6は、一定間隔をおいて多数本の成形バー7で連結されていて、1個の駆動スプロケット8及び複数個の被動スプロケット9a〜9c間に前記無端チェーン6が内外二重となった形態で掛装されて、内側を走行する左右一対の無端チェーン6に連結された多数本の成形バー7により圧縮成形室5が形成される。圧縮成形室5の斜前下方には、切断された牧草類を投入するための投入口11が形成され、当該投入口11の斜上方及び斜下方には、成形中のロールベールVの回転を促進させるためのフロントローラ12及びボトムローラ13がそれぞれ配設されている。また、機体2には、刈り倒されて圃場に散在している牧草類をピックアップするためのピックアップ装置14と、ピックアップされた牧草類を前記投入口11から圧縮成形室5内に送り込むための送込みローラ15とを備えている。なお、図1において、16は、機体2の先端部に設けられた牽引棹を示す。
【0021】
次に、図1ないし図4を参照して、フィルム繰出装置Aについて説明する。原反フィルムロール装置Eは、原反フィルムロールRを繰り出す装置であって、フィルム支持軸21に左右一対のフィルムブッシュ31a,31bを介して支持されていて、一方のフィルムブッシュ31aにブレートドラム22が一体に取付けられていて、当該ブレートドラム22にブレーキシュー25が摺接する構成となっている。テンションアーム27は、平面視で屈曲されていて、先端部に回転可能に装着された樹脂ローラ32が引張バネ26の復元力により原反フィルムロールRのほぼ直下に押し付けられて、原反フィルムロールRと樹脂ローラ32との接触は転がり抵抗となる。
【0022】
また、ブレーキアームシャフト23は、軸受33及びユニット軸受34を介して両側板35に回転可能に支持されているが、通常のフィルム繰出し時には回転せずに、非常時において、ブレーキアームシャフト23の一端部に一体に取付けられた自動ブレーキ解除リンク36を油圧シンリダ(図示せず)により下方に回動させて、前記ブレーキアームシャフト23を回動させることにより、ブレーキが電気的に解除される構成となっている。このため、通常のフィルム繰出し時には非回転のブレーキアームシャフト23の外側に左右一対の軸受37を介してアイドルローラ38が回転可能に嵌め込まれている。また、ブレーキアームシャフト23の他端部には、手動ブレーキ解除レバー39が一体に取付けられていて、当該レバー39を押し下げることによりブレーキを解除して、原反フィルムロールRの交換を容易にしている。また、支持軸21は、原反フィルムロールRの交換を可能にするために、平面視において回動可能なように、一方の軸端部に支点ピン41を介して連結されている。なお、原反フィルムロール装置Eの他の構成、及び作用は、「背景技術」の項目で説明した原反ネットロール装置E’と同一である。
【0023】
また、本発明においては、従来のネット繰出装置A”において、次の梱包までの間においてネット端を支持しておくためにネット走行経路におけるロールベールVの直前部分に傾斜配置された滑り板65に替えて、常時周回走行するコンベアベルト42が採用されている。即ち、大径の駆動用カゴローラ43と小径の被動用ローラ44との間にコンベアベルト42が掛装され、被動用ローラ44は、案内ローラ62の斜後下方にまで達している。このため、フィルム端部Faは、常時周回走行するコンベアベルト42の上面42aに垂れ下がっていて、常時ロールベールVの側に向けて送られ続けているため、駆動ローラ装置Dの側に巻き込まれることはない。よって、当該駆動ローラ装置Dの起動によりフィルムFが送り込まれると、フィルム端部Faは、そのままロールベールVの側に向けてスムーズに送り込まれる。
【0024】
次に、図5及び図6を参照して、駆動ローラ装置Dのゴムローラ51及びコンベアベルト42を周回走行させる駆動用カゴローラ43の動力伝動機構について簡単に説明する。図5及び図6は、それぞれ上記動力伝動機構の正面図、及び平面図である。駆動ローラ装置Dのゴムローラ51、及び駆動用カゴローラ43は、いずれもロールベール成形装置Bを構成する駆動スプロケット8の駆動軸45の動力により駆動回転され、駆動ローラ装置Dは、ロールベールVの成形を終えて後に行なうフィルムFの梱包時においてのみ作動させる必要があるため、ゴムローラ51の駆動軸71には、クラッチ72が組み込まれている。駆動軸45に取付けられた別の駆動スプロケット46、ゴムローラ51の駆動軸71に取付けられたスプロケット73、及び駆動用カゴローラ43の駆動軸74に取付けられたスプロケット75には、チェーン76が掛装されている。なお、図5において、77,78は、いずれもテンション用スプロケットを示す。また、ゴムローラ51の駆動軸71には、軸受79を介して前記スプロケット73が取付けられていて、駆動軸71の一端部に形成されたスプライン軸部71aには、軸方向に僅かに移動可能となってスライダ81が嵌め込まれ、当該スライダ81の溝部81aに、クラッチシフター82を構成する上下一対の爪体82aが係止している。また、ゴムローラ51を嵌め込んだエンドブッシュ84に、前記駆動軸71が軸受85a,85bを介して回転可能に支持されていると共に、前記エンドブッシュ84と駆動軸71の間には、一方向クラッチ86が介装されている。また、前記エンドブッシュ84とゴムローラ51とは、連結ピン87を介して一体に連結されている。よって、前記クラッチシフター82をシフター作動機構83によって、駆動軸71の軸方向に微動させて、スライダ81の一端部に取付けられたクラッチ72と、スプロケット73の軸部73aとを分離させると(図6は、この状態で、クラッチ72と、スプロケット73の軸部73aとの間に所定の隙間80が形成されている)、伝達動力が遮断されて、ゴムローラ51は非回転となると共に、前記クラッチ72を介してスプロケット73の軸部73aとスライダ81とが連結されると、駆動軸71の動力は、一方向クラッチ86及び連結ピン87を介してゴムローラ51に伝達されて、当該ゴムローラ51は駆動回転される。また、ロールベール成形装置Bの駆動スプロケット8、及びゴムローラ51のスプロケット73の各歯数、及びゴムローラ51の外径は、ロールベールV、及びゴムローラ51の各周速度が同一となるように定められている。
【0025】
このように、ロールベール成形装置Bを構成する駆動軸45の動力は、駆動ローラ装置Dを構成するゴムローラ51に対しては前記クラッチ72を介して断続的に伝達されるが、コンベアベルト42の駆動用カゴローラ43に対しては常に伝達されている。よって、コンベアベルト42は、常時周回走行している。
【0026】
次に、図1ないし図8を参照し、上記したフィルム繰出装置Aの作用について説明する。図7は、コンベアベルト42の上に垂れ下がっているフィルム端部FaがロールベールVの側にスムーズに送られる状態を示すフィルム繰出装置Aの正面配置図であり、図8は、滑り板65の上に垂れ下がっているフィルム端部Faが駆動ローラ装置Dの側に巻き込まれる状態を示すフィルム繰出装置A’の正面配置図である。ロールベーラが牽引されながらロールベール成形装置Bが駆動されると、刈り取られて圃場に散在している牧草類は、ピックアップ装置14によりピックアップされた後に、送込みローラ15の回転により投入口11から圧縮成形室5内に投入される。圧縮成形室5を形成する内周側の多数の成形バー7は、時計方向に周回走行しているため、当該圧縮成形室5に投入された牧草類は成形バー7により連れ廻り回転させられながら、順次大径のロールベールVに成長してゆく。最大外径に達したロールベールVの成形圧は感圧装置(図示せず)により検出されていて、当該成形圧が所定の大きさに達すると、前記シフター作動機構83が作動して、クラッチ72が「ON」となって、ゴムローラ51の駆動軸71に対して自由回転していたスプロッケット73は、当該駆動軸71と一体となって回転して、ゴムローラ51を駆動回転させる。即ち、駆動ローラ装置Dが起動する。
【0027】
ここで、駆動ローラ装置Dの作動により、フィルムFに引出し力(引張り力)が作用すると、ブレーキドラム22に対するブレーキシュー25の摺接によるブレーキ力に抗して原反フィルムロールRが回転させられて、当該原反フィルムロールRからフィルムFが繰り出される。ここで、原反フィルムロールRから繰り出されるフィルムFは、ブレーキアームシャフト23の外周に回転可能に嵌め込まれたアイドルローラ38に巻き掛けられているため、フィルムFの繰り出しによって、前記アイドルローラ38が回転される。即ち、繰り出されるフィルムFとブレーキアームシャフト23とは直接には接触せずに、当該ブレーキアームシャフト23の外周に嵌め込まれたアイドルローラ38とフィルムFとが直接に接触して、フィルムFの繰り出しに対応してアイドルローラ38が回転するために、フィルムFの繰出し時におけるアイドルローラ38との接触抵抗は転がり抵抗となる。よって、フィルムFは、極めて小さな抵抗で原反フィルムロールRから引き出されるために、フィルムFの繰り出しがスムーズになると共に、繰出し時においてフィルムFは、自由回転するアイドルローラ38に接触するのみであるので、損傷されることもない。
【0028】
また、一端の支点ピン29を中心に回動可能に支持されたテンションアーム27の中間部と、ブレーキアームシャフト23に回動可能に支持されたクランク状のブレーキアーム24のアーム部24bの先端部とは、引張バネ26で連結されていて、前記テンションアーム27の先端部には、樹脂ローラ32が回転可能に支持されている。原反フィルムロールRの外周面には、テンションアーム27の先端部の樹脂ローラ32が接触して、フィルムFの繰り出しにより徐々に小さくなる原反フィルムロールRの巻径を検出する構成となっている。このため、原反フィルムロールRと、外周接触部材である樹脂ローラ32との抵抗は、転がり抵抗となって、滑り抵抗に比較して著しく小さくなると共に、原反フィルムロールRの損傷もなくなる。また、外周接触部材であるローラ32は樹脂製であるために、回転する原反フィルムロールRと接触しても静電気の発生がなく、このこともフィルムFがスムーズに繰り出される原因となっている。
【0029】
一方、ロールベール成形装置Bを構成する駆動スプロケット8の動力が駆動用カゴローラ43に常時伝達されてコンベアベルト42は、常時周回走行しているために、図6に示されるように、コンベアベルト42の上面42aに垂れ下がっていたフィルム端部Faは、駆動ローラ装置Dの起動によりフィルムFがコンベアベルト42の側に送り込まれると、コンベアベルト42の周回走行により斜後下方にスムーズに送り込まれた後に、ボトムローラ13の回転にも助けられて、ロールベールVの外周面に巻き付けられる。ロールベールVの外周面にフィルムFが数回だけ巻回された後に、ロールベール成形装置Bを停止させると、駆動ローラ装置Dも停止する。その後に、ナイフベース63の回動により先端のナイフ64によって所定の張力が付与された状態のフィルムFを切断すると、切断されたフィルム端部Faは、傾斜配置されて、常時周回走行しているコンベアベルト42の上面42aにそのまま垂れ下がって保持される。
【0030】
ここで、図8に示されるフィルム繰出装置A’は、上記フィルム繰出装置Aにおいて、コンベアベルト42のみを、従来のネット繰出装置A”のように滑り板65を用いたものであって、傾斜配置された滑り板65の傾斜面65aにフィルム端部Faを垂れ下げると、次の梱包時において駆動ローラ装置Dを作動させると、滑り板65の傾斜面65aに付着しているゴミ、水分等によって、滑り板65の傾斜のみでは斜後下方に送り込むことはできず、滑り板65の傾斜面65aに停滞したままとなって、駆動ローラ装置DからのフィルムFの繰出状態によっては、フィルム端部Faが滑り板65から浮き上がった後に逆流して、ゴムローラ51又はアルミローラ52に巻き付いて、フィルムFの供給ができなくなることもあったが、常時周回走行するコンベアベルト42の使用により上記不具合が解消された。
【0031】
なお、外周面にフィルムFが数回だけ巻回されて梱包されたロールベールV(図12参照)は、回動支点ピン17を中心にして後チャンバー4を斜後上方に回動させることにより、機体2の後方に転動して排出される。
【0032】
また、フィルムFは、繰出し時において引張り力が作用すると、幅方向の寸法が小さく(狭く)なって、規定幅のフィルムFによりロールベールVを梱包した場合に、ロールベールVを全幅に亘って梱包できない不具合が発生する。通常の引張り力では、規定幅に対して数十mm狭くなる。そこで、図9ないし図11に示されるように、原反フィルムロールRから繰り出されたフィルムFの走行経路の途中にフィルム幅拡げローラG1,G2 を組み込むことにより、上記不具合を解消できる。図9に示される例では、フィルムFの走行経路における駆動ローラ装置Dの直上流側の部分にフィルム幅拡げローラG1 を自由回転するように支持している。フィルム幅拡げローラG1 はカゴローラで構成されて、図10に示されるように、両端部が緩やかな角度で折り曲げられた複数本の外周棒92を中心軸棒93に対して放射配置して、半径方向に配置された連結板94で連結して一体化された構成であって、中心軸棒93の両端部が軸受95で支持されている。このように、フィルム幅拡げローラG1 は、両端部のみが円錐状となって、中央部よりも小径となっているため、両端部の周速度が中央部よりも小さくなって、フィルムFの走行時において、両端部が遅れた状態となるため、幅が狭くなるのを防止できる。
【0033】
また、図11に示されるフィルム幅拡げローラG2 は、中央部が緩やかな角度で折り曲げられた複数本の外周棒96を中心軸棒93に対して放射配置して、半径方向に配置された連結板94で連結して一体化された構成であって、軸方向の中央部から両端に向けて全体が傾斜しているために、走行時のフィルムFの幅が狭められるのを防止する効果は大きい。なお、フィルム幅拡げローラは、両端部の径が中央部の径よりも小さくなっていることが条件であって、カゴローラによれば、上記条件を満たすローラを容易に製作できる利点があるが、カゴローラに限られず、機械加工により両端部の径を中央部の径よりも小さくしたローラであっても使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係るフィルム繰出装置Aを備えたロールベールの全体図である。
【図2】フィルム繰出装置Aの拡大図である。
【図3】図2のX矢視図(原反フィルムロール装置Eの平面断面図)である。
【図4】原反フィルムロール装置Eのブレーキシュー25の側の部分斜視図である。
【図5】駆動ローラ装置D及びコンベアベルト42を周回走行させる駆動用カゴローラ43の動力伝動機構の正面図である。
【図6】同じく平面図である。
【図7】コンベアベルト42の上に垂れ下がっているフィルム端部FaがロールベールVの側にスムーズに送られる状態を示すフィルム繰出装置Aの正面配置図である。
【図8】滑り板65の上に垂れ下がっているフィルム端部Faが駆動ローラ装置Dの側に巻き込まれる状態を示すフィルム繰出装置A’の正面配置図である。
【図9】駆動ローラ装置Dの直上流側にフィルム幅拡げローラG1 を組み込んだフィルム繰出装置Aの全体図である。
【図10】(イ),(ロ)は、それぞれフィルム幅拡げローラG1 の正面図及び側面図である。
【図11】(イ),(ロ)は、それぞれフィルム幅拡げローラG2 の正面図及び側面図である。
【図12】外周面がフィルムFで梱包されたロールベールVの斜視図である。
【図13】従来のネット繰出装置A”の主要部の正面配置図である。
【符号の説明】
【0035】
A:フィルム繰出装置
B:ロールベール成形装置
D:駆動ローラ装置
E:原反フィルムロール装置
F:フィルム
Fa:フィルム端部
1,G2 :フィルム幅拡げローラ
R:原反フィルムロール
V:ロールベール
21:支持軸(フィルムロール支持軸)
22:ブレーキドラム
23:ブレーキアームシャフト
25:ブレーキシュー
32:樹脂ローラ(外周接触部材)
38:アイドルローラ
42:コンベアベルト
51:ゴムローラ(駆動ローラ装置)
52:アルミローラ(駆動ローラ装置)
【出願人】 【識別番号】000132909
【氏名又は名称】株式会社タカキタ
【出願日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【代理人】 【識別番号】100083655
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 哲寛


【公開番号】 特開2008−5756(P2008−5756A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−179285(P2006−179285)