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【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】大原 研二

【氏名】加藤 英一

【氏名】楠瀬 善雄

【要約】 【課題】キャビンのキャビンを支持強度がより向上された構造のコンバインを提供すること。

【構成】走行部2と、走行部2の上方に配置された機体3と、機体前方に配置されたキャビン支持機枠30と、当該キャビン支持機枠30上に設置されるキャビン6が載置を備えたコンバイン1において、キャビン支持機枠30を車幅方向の略中央部に配置し、キャビン支持機枠30に、後方に延びる連結体89を取り付け、当該連結体8の後部を機体3に連結した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行部の前方に配置された刈取部と、刈取部で刈取られた刈取穀稈を搬送する搬送部と、搬送部の上方に車幅方向略中央部に位置するように配置されたキャビンと、キャビン後方に配置された刈取穀稈を脱穀する脱穀部と、脱穀された穀粒が貯留されるグレンタンクとを備えるコンバインにおいて、
グレンタンクの少なくとも一部を脱穀部の上方に配置したことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記グレンタンクの下端部に、グレンタンク内の穀粒を排出する横搬送用オーガが設置されており、
グレンタンクは、横搬送用オーガの回転軸回りに回動自在になっている請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記脱穀部は、刈取穀稈を脱穀する扱胴が収容される扱室を備えており、
当該扱室は、開閉自在に設置された扱室カバーを備えており、
前記グレンタンクの回動動作を扱室カバーに伝達する連結部材を備え、グレンタンクの回動に連動して扱室カバーを開閉することが可能になっている請求項2に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコンバインでは、機体の車両進行方向左側に脱穀部が配置され、その右側にグレンタンクが配置されている。
【特許文献1】特許第3754176号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来のコンバインでは、グレンタンク内に貯留されている穀粒の量によってコンバインの左右バランスが変化する。このような状態では、傾斜地や湿田などの軟弱な圃場においてコンバインを操縦しにくい。
【0004】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、左右バランス特性に優れるコンバインを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、走行部の前方に配置された刈取部と、刈取部で刈取られた刈取穀稈を搬送する搬送部と、搬送部の上方に車幅方向略中央部に位置するように配置されたキャビンと、キャビン後方に配置された刈取穀稈を脱穀する脱穀部と、脱穀された穀粒が貯留されるグレンタンクとを備えるコンバインにおいて、グレンタンクの少なくとも一部を脱穀部の上方に配置したことを特徴とするコンバインである。
【0006】
また、前記グレンタンクの下端部に、グレンタンク内の穀粒を排出する横搬送用オーガが設置されており、グレンタンクは、横搬送用オーガの回転軸回りに回動自在になっているものでもよい。
【0007】
そして、前記脱穀部は、刈取穀稈を脱穀する扱胴が収容される扱室を備えており、当該扱室は、開閉自在に設置された扱室カバーを備えており、前記グレンタンクの回動動作を扱室カバーに伝達する連結部材を備え、グレンタンクの回動に連動して扱室カバーを開閉することが可能になっているものでもよい。
【発明の効果】
【0008】
上記発明では、走行部の前方に配置された刈取部と、刈取部で刈取られた刈取穀稈を搬送する搬送部と、搬送部の上方に車幅方向略中央部に位置するように配置されたキャビンと、キャビン後方に配置された刈取穀稈を脱穀する脱穀部と、脱穀された穀粒が貯留されるグレンタンクとを備えるコンバインにおいて、グレンタンクの少なくとも一部を脱穀部の上方に配置している。このようにすると、脱穀部側にも穀粒が貯留されることとなり、コンバインの左右バランスが良くなる。
【0009】
前記グレンタンクの下端部に、グレンタンク内の穀粒を排出する横搬送用オーガを設置し、グレンタンクを横搬送用オーガの回転軸回りに回動自在にしてもよい。グレンタンクの一部を脱穀部の上部に配置すると、形状によっては、脱穀部の上方に貯留された穀粒がグレンタンクの下端部に設置された横搬送用オーガのところまで落下せず、グレンタンク内に残留してしまう可能性がある。この点、グレンタンクを横搬送用オーガの回転軸回りに回動自在にしておけば、落下しにくい位置に残留した穀粒を横搬送用オーガのところに確実に落下させることができる。
【0010】
前記脱穀部は、刈取穀稈を脱穀する扱胴が収容される扱室を備えており、当該扱室は、開閉自在に設置された扱室カバーを備えており、前記グレンタンクの回動動作を扱室カバーに伝達する連結部材を備え、グレンタンクの回動に連動して扱室カバーを開閉することが可能になっているものでもよい。このようにすると、グレンランクを回動させると同時に扱室カバーを開くことができるので、扱室カバーを直接開く必要がなく、扱室カバーの開閉作業が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係るコンバインの実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の普通型コンバインの平面図であり、図2は左側面図である。
【0012】
図2に示されるように、コンバイン1は、左右一対のクローラ式の走行部2,2と、走行部2,2の上方に配置された機体3と、機体3の機体フレーム3a(図3参照)の前方に配置された刈取部4と、機体フレーム3aの前部に配置されており刈取部4を昇降自在に支持する刈取り穀稈の搬送部5と、機体フレーム3aの前方であって搬送部5の上方に配設されたキャビン6と、搬送部5の後方に配設された脱穀部7と、脱穀部7の下方に配設された選別部8と、脱穀部7の側方に配置された穀粒貯留部9と、穀粒貯留部9に連通連設された穀粒搬出部10と、機体の後部に配置された排藁処理部11、穀粒貯留部9の後方に配設された原動機部12と、原動機部12の動力を走行部2や刈取部4等に伝達する動力伝動機構13(図12参照)とを備えている。
【0013】
走行部2は、機体フレーム3aの下側に取り付けられた走行フレーム2aを備えている。走行フレーム2aの前端部には駆動輪14が連動連結されており、走行フレーム2aの後端部には遊動輪15が回転自在に軸支されており、駆動輪14と遊動輪15との間には履帯16が巻回されている。また、駆動輪14には機体フレーム3aの前部に配置されたミッションケース17内のトランスミッションに連動連結しており、トランスミッションに連動連結された原動機部12からの動力が走行部2に伝達される。なお、図1において、符号「18」は、転動輪を示すものである。
【0014】
刈取部4は、搬送部5の先端部に連設されたプラットホーム19を備えており、プラットホーム19内には、左右方向に軸線を向けた状態で横架された横送りオーガ20と、横送りオーガ20の前方位置に横架された刈刃装置21とが配置されている。刈刃装置21の直前方位置にはデバイダ22があり、デバイダ22の上方には掻き込みリール23が配置されている。このような刈取部4では、掻き込みリール23によって圃場に植立した穀稈を掻き込み、刈刃装置21によって穀稈の根元部分を刈り取る。その後、横送りオーガ20によって同横送りオーガ20の略中央部に刈り取った穀稈を寄せ集め、後方の搬送部5へ受け渡す。
【0015】
搬送部5は、機体フレーム3aから前方に向けて延伸するフィーダハウス24を備えている。フィーダハウス24は、図示しない昇降用油圧シリンダによって上下回動自在に取り付けられている。また、フィーダハウス24の内部には搬送コンベア25が配設されており、搬送コンベア25によって後方に送られてきた刈取穀稈は脱穀部7に送り込まれる。このように、刈取部4の横送りオーガ20によって寄せ集められた穀稈は、搬送コンベア25によって脱穀部7へ搬送される。
【0016】
キャビン6は、機体フレーム3aの前方に配置されたキャビン支持機枠30上に配置されており、中空箱形状に形成されている。このキャビン6によって運転部31が被覆されている。また、キャビン6および運転部31は、機体フレーム3aの仮想左右中心線(図1参照)寄りの位置(車幅方向の略中央位置)に配置されており、その床部32上に操作部(不図示)および運転席33が設置されている。運転席33は、キャビン6内の平面視中央後部に配設されており、運転席33の前方位置にフロントコラム34が配設されており、フロントコラム34の上端部にステアリングホイール35と変速レバー36とが設けられている。そして、運転部31の後方に脱穀部7が配置されている。
【0017】
脱穀部7は、搬送部5の後方位置に配置された扱室41を備えている。そして、扱室41の内部には円筒状の扱胴42が配置されている。また、脱穀部7は、扱室41の上側を開閉可能にするための扱室カバー41a(図8参照)を備えている。この扱室カバー41aを開くことによって扱胴42等のメンテナンスを行うことができる。扱胴42は回動軸線が前後方向に向けられた状態で配設されており、扱胴42の下方に受網43が配設されている。なお符号「41b」は、扱室カバー41aを閉位置にロックするための固定具を示すものである(図8参照)。
【0018】
搬送部5によって脱穀部7に搬送された穀稈は、扱胴42の作用によって前部から後部に移動されつつ脱穀処理される。そして、得られた穀粒は自重により受網43を通過して下方の選別部8へと落下し、排藁は、後方の排藁処理部11へと移送される。
【0019】
選別部8は、扱胴42の下方に配置された揺動体51を備えている。揺動体51は揺動機構52を介して上下方向に揺動可能になっている。なお、符号「53」は、左右方向に伸延して一番穀粒を受ける一番穀粒受樋を示すものであり、符号「54」は、左右方向に伸延して二番穀粒を受ける二番穀粒受樋を示すものであり、符号「55」は、唐箕を示すものである。
【0020】
一番穀粒受樋53内には、左右方向に伸延する一番穀粒搬送コンベア56が配置されており、同一番穀粒搬送コンベア56の右側端部には、上下方向に伸延する揚穀装置57の揚穀コンベア58の下端部が連設されている。一方、揚穀コンベア58の上端部には、穀粒貯留部9が連設されており、一番穀粒受樋53内に集められた一番穀粒は、一番穀粒搬送コンベア56→揚穀コンベア58→穀粒貯留部9と搬送される。
【0021】
また、二番穀粒受樋54内には、左右方向に伸延する二番搬送コンベア59が配置されており、同二番搬送コンベア59の左側端部には、前後方向に伸延する還元コンベア60の後端部が連設されている。一方、還元コンベア60の前端部には、扱室41が連設されており、二番穀粒受樋54内に集められた二番穀粒は、扱室41に還元されて再び脱穀される。
【0022】
図4に示されるように、揚穀装置57は、機体フレーム3aに隣接して設置される揚穀筒61を備えており、揚穀筒61内には、バケット式の揚穀コンベア58が設置されている。揚穀コンベア58は、穀粒搬送装置である一番穀粒搬送コンベア56の終端部から上方に延びる状態で設置されている。揚穀装置57は、揚穀コンベア58の下端部に、穀粒の受部62を備えており、揚穀コンベア58は、上下部に軸支されたスプロケット63,64間に巻回された図示しないコンベアチェーンを備えている。また、コンベアチェーンには複数のバケット(不図示)が取り付けられている。したがって、選別部8で選別された一番穀粒は、一番穀粒搬送コンベア56によってその終端部まで搬送されて、揚穀コンベア58下部の受部62に搬入される。受部62の穀粒は、揚穀コンベア58によってその上部に搬送され、ここから図示しない連結パイプなどを介して、穀粒貯留部9の後述のグレンタンク65(図1参照)内に搬送されて貯留される。
【0023】
穀粒貯留部9は、脱穀部7の扱胴42の側方に配置されたグレンタンク65を備えている。
【0024】
また、穀粒搬出部10は、グレンタンク65の下方に設置された図示しない横搬出用オーガと、前後方向に延びる横搬出用オーガの後端部に下端部が連通連結された縦搬送用オーガ66とを備えている。縦搬送用オーガ66は、上下方向に軸線が向けられた状態で、原動機部12の右側方位置に配置されている。そして、縦搬送用オーガ66の上端部には、前後方向に延びる排出オーガ67の後端部が連通連結されている。そして、排出オーガ67は、後端部を中心に旋回及び上下回動自在になっている。なお、符号「67a」は、排出オーガ67の先端部の排出口を示すものである。したがって、グレンタンク65内に貯留された一番穀粒は、横搬出用オーガ→縦搬送用オーガ66→排出オーガ67を通して排出口67aから機体の外部へと排出される。
【0025】
排藁処理部11は、脱穀部7の扱胴42の後方に配置された図示しない後部搬送ビータと、後部搬送ビータ後方に位置する排藁カッター(不図示)を備えている。脱穀部7で脱穀処理された排藁は、後部搬送ビータの搬送作用によって排藁カッターへと搬送され、同排藁カッターによって細断された後、機体外部へと排出される。
【0026】
原動機部12は、脱穀部7よりも後方の位置に設置されたエンジン68(図12参照)を備えている。このように、重量物であるエンジン68を機体の後部に配設すると、コンバイン1の機体全体のバランスが良くなり、走行時などにおけるコンバイン1の安定性が向上する。エンジン68の出力軸68a(図11から図13参照)の回転は、動力伝動機構13を介して、刈取部4の刈刃装置21やミッションケース17内のトランスミッションなどの各動力機構部に伝達される。
【0027】
次に、このような構成のコンバイン1の機体フレーム3a前方に設置されたキャビン支持機枠30の構造について説明する。
【0028】
図1に示されるように、コンバイン1は、走行フレーム2aの上側に配置されたシャシフレーム71を備えており、図4に示されるように、シャシフレーム71の上に機体フレーム3aが設置されている。より具体的に説明すると、図3に示されるように、機体フレーム3aは、シャシフレーム71上の車両前進方向左側に設置されており、その上部で脱穀部7を支持し、その下部で選別部8を支持している。また、機体フレーム3aの右側に揚穀装置57の揚穀筒61が設置されている。揚穀筒61の前後方向の位置は、機体フレーム3aのほぼ中央の位置である。そして、シャシフレーム71上の車両前進方向右側には、穀粒貯留部9や原動機部12などが設置されている。
【0029】
図4に示されるように、機体フレーム3aは、シャシフレーム71から上方に延びる前側フレーム構成片72および後側フレーム構成片73を備え、前後側の両フレーム構成片72,73の間に、前後方向に延びる状態で設けられた左側上部構成片74および右側上部構成片75と、左側中間部構成片76および右側中間部構成片(不図示)を備えている。
【0030】
前後側のフレーム構成片72,73は、いずれも、その下端部でシャシフレーム71に連結されており、機体フレーム3aはシャシフレーム71上に強固に固定されている。また、機体フレーム3aは、その左側に、左側上部構成片74と左側中間部構成片76と機体フレーム3aの左外壁としても機能する左側板77とを備える左側構成体78を備えている。同様に、機体フレーム3aは、その右側に、右側上部構成片75と右側中間部構成片と機体フレーム3a右外壁としても機能する右側板(不図示)とを備える右側構成体79を備えている。左および右側構成体78,79は、機体フレーム3aの構造材として機能するものであり、これにより、強固な機体フレーム構造が構成される。
【0031】
そして、図3または図4に示されるように、機体フレーム3aの前方のシャシフレーム71上には、車幅方向の略中央部に配置される状態で、キャビン支持機枠30が設置されている。
【0032】
図5に示されるように、キャビン支持機枠30は、その前部左側に左前部機枠片81を備え、前部右側に右前部機枠片82を備え、両前部機枠片81,82の上部に横架される状態で設置される上前部機枠片83を備えている。これら3つの前部機枠片81,82,83によって、キャビン支持機枠前部に、正面視門形の枠構造が構成される。なお、左前部機枠片81は、上前部機枠片83の前部から斜め後ろ下方に向けて延びる状態で設けられており、右前部機枠片82は、上前部機枠片83の前部から垂直下方に向けて延びる状態で設けられている。また、左右の前部機枠片81,82は、いずれも、その下端部でシャシフレーム71に連結されており、シャシフレーム71に強固に固定されている。
【0033】
そして、キャビン支持機枠30は、その後部左側に左後部機枠片84を備え(図3参照)、後部右側に右後部機枠片(不図示)を備え(図3参照)、両後部機枠片の上部に横架される状態で設置される上後部機枠片86を備えている。これら3つの後部機枠片によって、キャビン支持機枠30の後部に、正面視門形の枠構造が構成される。左右の後部機枠片84等は、いずれも、その下端部でシャシフレーム71に連結されており、シャシフレーム71に強固に固定されている。
【0034】
また、図5に示されるように、キャビン支持機枠30の前側の中央部にはシャシフレーム71から上方の上前部機枠片83に向けて延びる中央前部機枠片85aが設けられており、中央前部機枠片85aの上端から後方の上後部機枠片86に向けて前後方向に延びる中央上部機枠片85bが設けられており、中央上部機枠片85bの後端から下方のシャシフレーム71に向けて中央後部機枠片85cが設けられている。また、上前部機枠片83の左端から後方の左後部機枠片84の上部に向けて前後方向に延びる左上部機枠片87が架設されており、右前部機枠片82と右側後部機枠片の上部には、右上部機枠片88が架設されている。これらの機枠片を設けることで、キャビン支持機枠の中央部に、中央前部機枠片85aと、中央上部機枠片85bと、中央後部機枠片とからなる側面視門形の枠構造が構成され、キャビン支持機枠30の左側に、左前部機枠片81と、左後部機枠片84と、左上部機枠片87とからなる側面視門形の枠構造が構成され、キャビン支持機枠30の右側に、右前部機枠片82と、右後部機枠片と、右上部機枠片88とからなる側面視門形の枠構造が構成される。
【0035】
このように、キャビン支持機枠30は、各機枠片によって構成される略直方体形状の機枠になっている。
【0036】
そして、図3に示されるように、キャビン支持機枠30の上後部機枠片86には、後方に延びる連結体89が取り付けられている。そして、この連結体89は、その後部にて機体3に連結されている。このように、キャビン支持機枠30をその後部の機体3に連結すると、機体3を構成する機体フレーム3aなどの構造部材を、キャビン6を支持するための強度メンバとして用いることができ、キャビンの支持強度が向上する。
【0037】
より具体的に説明すると、図3に示されるように、連結体89は、その前部に上後部機枠片86に固定される固定部91を備えており、後方に延びる後部に、機体3に連結される連結部92を備えている。固定部91の位置は、上後部機枠片86の略中央の位置である。また、キャビン6を基準にすると、固定部91の位置は、キャビン6の車幅方向中央の位置に対応する。
【0038】
また、連結体89は、固定部91から水平に延びる連結体前部89aと、連結体前部89aの後端から連結部92に向けて登り傾斜状態で延在する連結体傾斜部89bと、その後方の水平に延びる連結体後部89cとを備えている。そして、連結体前部89aの前端である固定部91は、より具体的には、上後部機枠片86の下側に固定されている。また、連結体89は、連結体傾斜部89bの前端位置が機体フレーム3aの前端位置になるように配置されている。また、連結体89は、連結体前部89aの後端部に取り付けられた取付具90によって機体3に固定されている。つまり、連結体89は、その前部及び後部のほかにその中間部で機体3に連結されている。
【0039】
図4に示されるように、連結体89の機体3との連結位置である連結部92は、連結体89の前端側の固定部91より高い位置に配置されている。このような構成の連結体89を設けると、機体3側からキャビン支持機枠30に連結体89を介して上方に引き上げる向きの支持力が発生することとなり、キャビン6の支持強度がより確実に向上する。
【0040】
また、機体3は、上述したように、キャビン6後方に配置された脱穀部7と、脱穀部7の下方に配置された選別部8と、脱穀部7の側方に配置された揚穀装置57とを備えている。そして、機体3に固定されている連結体89の連結部92は、より具体的に説明すると、機体3の脱穀部7すなわち扱胴42などと共に脱穀部7を構成する機体フレーム3aの右側構成体79の上部に固定されている。このように、連結体89を機体フレーム3aに固定することで、キャビン支持機枠30が強固に固定されるようになり、キャビン6の支持強度が向上する。
【0041】
ところで、本実施形態のコンバイン1では、固定具である固定プレート93を用いて揚穀筒61を機体フレーム3aの右側構成体79に連結している。そして、連結体89の連結部92は、揚穀装置57の揚穀筒61に近接する位置で機体3に連結されている。より、具体的には、連結体89の連結部92は、固定プレート93に連結されており、固定プレート93を介して機体3すなわち機体フレーム3aの右側構成体79に連結されている。
【0042】
機体3はシャシフレーム71上に強固に連結された状態で設置されており、揚穀筒61もまた一番穀粒搬送コンベア56との連結位置でシャシフレーム71に設置されている。したがって、揚穀筒61を機体3に固定すると、これにより、機体3の剛性がより向上し、連結体89を介して機体3に連結されたキャビン支持機枠30のキャビン支持強度が向上する。特に、連結体89の連結部92は、機体3と揚穀筒61との連結に用いられている固定プレート93に直接連結されている。連結位置に近いほど高い補強効果が得られ、キャビン支持機枠30によるキャビン支持強度が確実に向上する。
【0043】
なお、本実施形態のコンバイン1では、連結体89の連結部92は、機体3すなわち脱穀部7に連結されているが、揚穀装置57に固定してもよい。より具体的には、揚穀筒61に固定してもよい。揚穀筒61もシャシフレーム71上に強固に固定されているので、これに連結することでキャビン支持強度を向上させることができる。また、揚穀装置57と機体3とを連結すれば、揚穀装置57の設置強度が向上するので、よりキャビン支持強度を向上させることができる。さらに、機体3と揚穀装置57とで挟持する状態で、連結体89の連結部92を支持するようにしてもよい。このような構造にすると、連結部92を機体3と揚穀装置57の間に挟む状態で連結すると、連結部92が機体3および揚穀装置57の両方に連結されると共に、機体3と揚穀装置57が連結され、連結体89を強固に設置された構造体に確実に連結できる。これにより、キャビン支持強度を向上させることができる。
【0044】
また、図3に示されるように、連結体傾斜部89bは、その前端位置において連結部92側に向けて車幅方向左側に屈曲されている。これにより、連結体89の連結部92の位置は、連結体89の固定部91の位置に対して車両進行方向左側(車幅方向左側)にオフセットされている。このような構造にすることで、連結体前端の固定部91を、キャビン支持機枠30の上後部機枠片86に固定することができ、しかも、連結体後端の連結部92を機体3に連結することができる。
【0045】
なお、左上部機枠片87および右上部機枠片88は、いずれも、その後部に、上後部機枠片86との連結位置に向けて登り傾斜状態になった屈曲部87a,88aを備えている。このような屈曲部87a,88aを備えると、連結体89からキャビン支持機枠30に対して加わる前後方向斜め向きの力の向きと、屈曲部87a,88aの向きがほぼ一致することになり、キャビン支持強度が向上する。
【0046】
また、図5に示されるように、キャビン支持機枠30の車両前進方向左側部には、左側乗降ステップ体100が架設されており、また、キャビン支持機枠30の右側部にも、右側乗降ステップ体110が架設されている(図3、図4参照)。
【0047】
より具体的に説明すると、左側乗降ステップ体100は、左前部機枠片81に沿って上方に延びる左前側ステップフレーム101と、シャシフレーム71から左後部機枠片84に沿って上方に延びる左後側ステップフレーム102と、両ステップフレーム間に横架された上段ステップ103と、下段ステップ104とを備えている。同様に、右側乗降ステップ体110は、右前部機枠片82の上部に向けて延びる右前側ステップフレーム111と、シャシフレーム71から右後部機枠片に沿って上方に延びる左後側ステップフレーム(不図示)と、両ステップフレーム間に横架された上段ステップ113と、下段ステップ114とを備えている。
【0048】
また、左側乗降ステップ体100の左前側ステップフレーム101は、その下端でシャシフレーム71に連結されており、その上端で左上部機枠片87に連結されている。また、右側乗降ステップ体の右前側ステップフレーム111も、同様に、その下端でシャシフレーム71に連結されており、その上端で右上部機枠片88に連結されている。
【0049】
そして、前側ステップフレーム101が取り付けられている左前部機枠片81は、傾斜状態で設置されている。より具体的には、シャシフレーム71に連結された下端から上端に向けて前傾した状態で設置されている。したがって、傾斜状態で設置された左前部機枠片81は、キャビン支持機枠30の中央部の中央前部機枠片85aと、中央上部機枠片85bと、中央後部機枠片とで構成される側面視門形の枠構造(図4参照)を補強する部材として機能する。つまり、左前部機枠片81およびこれに取り付けられた左前側ステップフレーム101は、ステップの支持構造としてだけでなく、キャビン支持機枠30に加わる前後方向の力に対する強度メンバとしても機能する。そして、傾斜状態で設置された右前側ステップフレーム111も、同様に、右前部機枠片82と、右後部機枠片と、右上部機枠片88とからなる側面視門形の枠構造を補強する部材として機能する。
【0050】
また、両前側ステップフレーム101,111は、シャシフレーム71に連結された下端から上端に向けて内側(車両中央側)傾斜した状態で設置されている。このように、傾斜状態で設置された左右の前側ステップフレーム101,111は、左前部機枠片81と、前上部機枠片83と、右前部機枠片82で構成される前側の門形構造(図5参照)を補強する部材として機能する。つまり、左右の前側ステップフレーム101,111は、ステップの支持構造としてだけでなく、キャビン支持機枠30に加わる左右方向の力に対する強度メンバとしても機能する。
【0051】
そして、左後側ステップフレーム102および右後側ステップフレームも、同様に、シャシフレーム71に連結された下端から上端に向けて内側に傾斜した状態で設置されている。したがって、左後側ステップフレーム102および右後側ステップフレームも、左後部機枠片84と、上後部機枠片86と、右後部機枠片とで構成される正面視門形の枠構造を補強する部材として機能する。
【0052】
また、上段ステップ103,113および下段ステップ104,114も補強部材として機能する。具体的には、左右の前側ステップフレーム101,111を後側ステップフレームに対して固定する部材として機能する。これにより、よりキャビン支持強度が向上する。
【0053】
また、左側の下段ステップ104の下側には、両ステップフレーム101,102に支持される状態で最下段ステップ部105が取り付けられている。最下段ステップ部105は、左前側ステップフレーム101に回動可能に取り付けられた左前側ステップアーム105aと、左後側ステップフレーム102に回動可能に取り付けられた左後側ステップアーム105bと、両ステップアーム105a,105bに両端を固定された最下段ステップ105cとを備えている。両ステップアーム105a,105bは、前後方向に延びる回転軸回りに回動可能な状態で取り付けられており、ステップとして用いられる状態である使用時位置(図5、6参照)と、約108°回動させた収納時位置とに回動自在になっている。使用時位置にある最下段ステップ105cを収納時位置に回動させると、最下段ステップ部105全体が正面視で左前側ステップフレーム101の後ろに隠れる状態になる。したがって、収納時位置に回動させておけば、走行時、収納時あるいは車両搬送時に邪魔にならない。なお、キャビン支持機枠30の右側にも同様に最下段ステップ115が取り付けられているが、同様の構造であるので、ここではその説明を省略する。
【0054】
ところで、図5に示されるように、左側乗降ステップ体100は、搬送部5の車両進行方向左側に設置されており、右側乗降ステップ体110は、搬送部5の右側に設置されている。つまり、搬送部5は、キャビン6の下方で、かつ、左右両側の乗降ステップ体100,110の間に配置されている。
【0055】
キャビン6をコンバイン1の車幅方向の略中央に配置する構造では、キャビン支持機枠30を車幅方向略中央の位置に配置する構造が好ましい。ただし、先に説明したように、キャビン6の下方には搬送部5等が配置されている。そこで、本実施形態では、刈取部4を中央寄りに配置し、キャビン支持機枠30の左右端を、車幅の左右端の位置まで拡幅している。キャビン支持機枠30が幅広になると、補強をする必要が生ずることがあるが、上述したように、キャビン下に搬送部5を配置する関係で、キャビン支持機枠30の枠内側に補強部材を配置することは必ずしも容易でない。この点、本実施形態のコンバイン1では、補強部材としても機能する乗降ステップ体100,110をキャビン支持機枠30の左右両側に設置しており、キャビン支持機枠30が補強されている。特に、乗降ステップ体100,110の左前側ステップフレーム101および右前側ステップフレーム111は、シャシフレーム71に連結された下端から対応する左右の上部機枠片87,88に連結された上端に向けて内側方向に傾斜する状態で設置されており、キャビン支持機枠30の左右方向の力に対する補強部材として機能する。したがって、いわゆるセンターキャビン構造を採用し、キャビン下に搬送部5を配置する構造を採用しても、キャビン支持機枠30の強度を向上させることができ、キャビン支持強度を向上させることができる。
【0056】
また、キャビン下に搬送部5を配置できれば、センターキャビン構造を採用し、しかもロータ回転軸を前後方向に向けた状態で配置される軸流式の脱穀部7を設置することができる。また、搬送部5をキャビン下に配置するので、キャビン6の幅方向の大きさについての制約が少なくなり、より広いキャビンを採用することが可能になる。同時に、搬送部5をキャビン下に配置することで、幅方向の大きさについて制約が少なくなり、十分な大きさの搬送部5を設置することができる。また、従来のコンバインでは、搬送部5に人が乗る場合があることを考慮して搬送部5の強度を確保する必要があったが、搬送部をキャビン下に配置する構造にすれば、そのようなことを考慮する必要がなくなり、同じ能力の刈取搬送部を設置する場合に、より簡易で小型の搬送部5を設置することができる。
【0057】
そして、本実施形態の構造にすれば、走行部2として左右両側に配置されたクローラ式の走行部2,2を用いるコンバイン1において、キャビン6内に設けられた運転席33の車幅方向の位置を、左右両側の走行部2,2の間すなわち中間部に配置することができる。運転席33の位置をこのような位置にすると、運転者は運転席33に着座した状態でコンバイン1の左右両側を均等に目視することができる。特に、運転席33を左右の走行部2,2のトレッドに対してセンター配置すると、コンバイン1の左右バランスが運転者の重量によって変化しなくなり、より安定性が向上する。また、コンバイン1の旋回半径が同じであるとき、左旋回時と右旋回時とで運転席33の旋回半径も同じになるので、左旋回と右旋回を同じ感覚で操縦できるようになり、操縦性に優れ、より安定した操縦が可能になる。
【0058】
また、図7に示されるように、キャビン6は、中空箱形状のキャビンフレーム6aを備えている。キャビンフレーム6aは、左右の底部キャビンフレーム131,132と、左右の前部キャビンフレーム133(左側のみ図示)と、左右の後部キャビンフレーム135,136と、天井部に配置された左右のルームフレーム137,138とを備えている(図7では左側のみ図示)。なお、図7では、キャビンの形状を明確にするために、キャビンドアやキャビン周辺に設置されている例えばバックミラーなどの構成を取り除いた状態を示している。
【0059】
キャビンフレーム6aの左右両側面には、図示しないキャビンドアが設けられる。オペレータは、このキャビンドアを開閉してキャビン6からの出入りを行う。左右両側にキャビンドアが設けられているので、オペレータはキャビン6の左右いずれの側からも出入りすることができる。
【0060】
キャビンフレーム6aの前面には、ガラス材で構成されるフロントガラス141が設けられている。そして、左右の前部キャビンフレーム133には、バックミラーが支持フレーム162を介して取り付けられる(図9参照)。また、キャビンフレーム6aの上面は、ルーフ142によって被覆されている。
【0061】
キャビンのルーフ142は、アウターカバー143とインナーカバー144との二層で構成されている。インナーカバー144は、キャビンフレーム6aの直上方を被覆する構成であり、アウターカバー143は、そのインナーカバー144を被覆する構成である。アウターカバー143は、ルーフ142の前側がフロントガラス141よりも前方に突出しており、この突出した部分のアウターカバー143とインナーカバー144との間に、図示しない前照灯や作業灯やワイパー駆動用のモータなどが設置されている。また、アウターカバー143とインナーカバー144の間には後述するエアコンユニット151からの送風用の図示しない送風部が配設されており、送風されてきた冷風などエアをキャビン6内に送風するための送風口(不図示)が形成されている。
【0062】
キャビンフレーム6aの背面には板材147が配置されており、背面は壁状になっている。キャビンの背面部にはエアコンユニット151本体が設置されており、このエアコンユニット151から上方に送風用のダクト152が延びている。そして、当該ダクト152は、上述したルーフ142内の送風部に連通している。したがって、エアコンユニット151で生成された冷風などのエアはダクト152を介して送風部に送られ、送風口からキャビン6内に送風される。なお、符号「153」は、エアコンユニット151の室外機を示すものである。
【0063】
ところで、図9および図10に示されるように(図1では省略)、本実施形態のコンバイン1では、右側のバックミラー161の支持フレーム162にはオーガレスト163が取り付けられている。したがって、穀粒の排出オーガ67を、コンバイン1の車両右側に前後方向に延在させ、先端部の排出口67aをオーガレスト163に掛けた状態で収納することができる。
【0064】
本実施形態のコンバイン1は、センターキャビン構造であり、キャビンが車幅方向中央寄りの位置に配置されている。このようなレイアウトにすると、図9に示されるように、コンバイン1の右側に、前後方向に延在させた状態で排出オーガ67を収納することができる。このような構造にすると、排出オーガ67を収納位置(図9に示される状態)に位置させたときに、排出オーガ67が脱穀部7上方を横切ることがない。したがって、排出オーガ67を収納位置に位置させた状態で扱室カバー41aを開閉でき、扱胴42などの部材のメンテナンスを行うことができる。また、排出オーガ67を収納位置に位置させた状態で、グレンタンク65を回動させることができる。
【0065】
なお、右側のバックミラー161の支持フレーム162に、オーガレスト163を上下動自在な状態で取り付けてもよい。このような構造にすると、オーガレスト163の位置を下げることで、オーガレスト163の収納位置を下げることができる。オーガレスト163の収納位置を下げることができれば、トラックなどの輸送手段によるコンバイン輸送時、積み込み、積み下ろしの際のコンバイン1の取り扱い性が向上する。
【0066】
また、従来のコンバインでは、排出オーガ67を排出口67aが車両左側に位置するように、斜め状態にして収納する必要があり、排出オーガ67を排出作業位置に回動させるには比較的大きな角度回動させる必要があった。この点、本実施形態のコンバイン1によれば、排出オーガ67の収納位置がコンバイン1の車体右側であるので、排出作業位置まで回動角度が小さくなり、迅速に排出作業を開始することができる。また、排出作業終了後、排出オーガ67を迅速に収納位置に回動させて収納することができる。
【0067】
また、キャビンフレーム6aの背面裏側に配置されているエアコンユニット151について、より具体的に説明する。図8に示されるように、エアコンユニット151は、キャビン背面視で、左上位置に設置されている。したがって、エアコンユニット151が設置されている位置では、その分、キャビンの後端位置が後方に突出しており、エアコンユニット151や室外機153が設置されてない部分では、キャビン後端位置が後部キャビンフレーム148の位置になっている。つまり、キャビン6の背部のうち、エアコンユニット151や室外機153が設置されていない右下部および左下部は、後端位置が前寄りになっており、その分の空間が形成されている。
【0068】
そしてこの空間部分に、キャビン6の後方に配置された脱穀部7の前端部7aが配置されている。つまり、運転部31を被覆するキャビン6の後部と、脱穀部7の前端部7aとが平面視で上下方向に重合した配置になっている。
【0069】
このような構造にすると、コンバイン1の前後長を可及的に短くすることができる。しかも、運転部31を機体3の仮想左右中心線CL(図1参照)寄り、別言すればシャシフレーム71の仮想左右中心線CL寄りに配置しているため、運転部31における左右方向の視認性が良くなり、操作性が向上する上、左右いずれの方向からも運転部31への乗降が可能となって、利便性が増す。
【0070】
また、キャビン6の上後部にエアコンユニット151を配置し、キャビンフレーム6aの背部に形成された空間(干渉回避用空間)に脱穀部7の少なくとも前端部7aが位置するように配置すると、エアコンユニット151や脱穀部7の機能を良好に確保したまま、コンバイン1の前後長を可及的に短くすることができる。
【0071】
また、エアコンユニット151の設置位置がキャビン6の背部の上部であれば、扱室カバー41aの開閉も確保される。したがって、脱穀部7のメンテナンスも行うことができる。
【0072】
次に、エンジン68の出力を動力機構部に伝達する動力伝動機構13について説明する。
【0073】
図11および図12に示されるように、機体3の後部に設置されたエンジン68の前方には、走行カウンタ軸171が設置されており、エンジン68の出力軸68aと走行カウンタ軸171とが動力伝達手段である伝動ベルト172を介して連動連結されている。なお、図13に示されるように、エンジン68の出力軸68aには、図示しないスプレッダなどのオプションの装置に動力を伝達する伝動ベルト173や、穀粒を搬送する穀粒搬出部10の図示しない入力軸に動力を伝達する伝動ベルト174が連動連結されている。
【0074】
図12に示されるように、走行カウンタ軸171は、その上方に設置された中継軸175と、前方に設置されたカウンタ軸176に伝動ベルト177,178を介して連動連結されている。
【0075】
図13に示されるように、中継軸175は、ギア179および伝動ベルト180を介して脱穀部7の扱胴42のロータ軸42aに連動連結されている。なお、符号「181」は脱穀クラッチ機構を示すものである。
【0076】
カウンタ軸176は、選別部8に動力を伝達する第1選別駆動軸191と、脱穀部7前方であってキャビン6下方に設置されたミッションケース17の入力軸192とに連動連結されている。なお、ミッションケース17は、より具体的には、キャビン下方に配置された搬送部5のさらに下方に配置されている。搬送部は、後端の回動軸位置から前下がりに傾斜しているところ、後端側の下方にミッションケース17を配置すれば、スペースを有効利用でき、コンバイン1のコンパクト化を図ることができる。
【0077】
第1選別駆動軸191は、動力伝達手段であるギア193を介して第2選別駆動軸194に連動連結されており、第2選別駆動軸194から伝動ベルト195を介してプレファン45や唐箕ファン55(図2参照)などの選別部8の各駆動部に動力が伝達される。また、第2選別駆動軸194は、搬送部5を駆動させるコンベア軸196に連動連結されている。なお、符号「197」は刈取クラッチ機構を示すものである。
【0078】
コンベア軸196は、動力伝達手段であるチェーン199を介してフィーダハウス出力軸198と連動連結されており、フィーダハウス出力軸198は、チェーンや伝動ベルトなどの動力伝達手段を介して掻き込みリール23、刈刃装置21、横送りオーガ20と連動連結されている。
【0079】
ところで、図11に示されるように、走行カウンタ軸171とカウンタ軸176とを連動連結する回転伝動手段としての伝動ベルト172は、脱穀部7とグレンタンク65の間に位置するように配置されている。したがって、エンジン68の出力軸68aの回転は、走行カウンタ軸171に伝達された後、脱穀部7とグレンタンク65の間に位置する伝動ベルト172を経て前方に位置するカウンタ軸176へと伝達されるようになっている。また、カウンタ軸176は、前後方向の位置がキャビン6と脱穀部7との間に位置するように配置されている。つまり、ミッションケース入力軸192は、脱穀部7の前方すなわち機体3の前方位置に配置されている。
【0080】
このような構造にすると、機体後部に配置されたエンジン68から機体3の前方位置に設置されたミッションケース17に動力を伝動する動力伝動部の構造がシンプルな構造になる。構造がシンプルになれば、耐久性やメンテナンス性が向上する。そして、機体前方位置にカウンタ軸176を配置すると、カウンタ軸176へのアクセスが容易になるので、その点でもカウンタ軸176のメンテナンスが容易になる。
【0081】
また、機体前方位置にカウンタ軸176を配置すると、車幅方向に延在するカウンタ軸176の車幅方向長さなどのレイアウトの自由度が高くなる。したがって、例えば、カウンタ軸176に連動連結されるミッションケース入力軸192の配置の自由度が高くなる。図13に示されるように、本実施形態では、カウンタ軸176とミッションケース入力軸192との連動連結位置は、走行カウンタ軸171とカウンタ軸176とを連動連結する伝動ベルト172よりも車幅方向左側に配置されている。走行カウンタ軸171とカウンタ軸176とを連動連結する伝動ベルト172の位置は車幅方向のほぼ中央位置であるので、カウンタ軸176とミッションケース入力軸192との連動連結位置すなわち両軸176,192を連動連結させているベルト201車両左側に配置されている。キャビン6が車両のほぼ中央部に配置されるいわゆるセンタキャビンタイプのコンバイン1では、キャビン6内に設置される変速レバー36等の走行用操作具が車両左側に配置されることになるが、本実施形態のように、ミッションケース入力軸192を車両左側に配置できれば、走行操作具およびこれに連結されるミッションケース入力軸192の両方を車両左側に配置することができ、走行操作具とミッションケース入力軸192との間の連結構造のレイアウトを簡素化することができる。特に、ミッションケース入力軸192をキャビン下方に配置すると、ミッションケース入力軸192が走行操作具の下方に配置されることとなり、走行操作具とミッションケース入力軸192との間の連結構造のレイアウトをより簡素化することができる。また、キャビン下側の空間を有効に利用することができる。
【0082】
なお、上記実施形態のコンバインでは、キャビン6の側面視の形状は略四角形であり、キャビン6の床部32は平面になっているが、図14に示されるように、床部32の前部分を、運転席33が設けられている床部32の後部分より低位置にしてもよい。つまり、キャビン6の運転席33に着座してコンバイン1を操縦するオペレータの足元部に位置する床部32の一部を、少なくとも床部32の運転席33を支持する部分よりも低位置に配置してもよい。
【0083】
このように、キャビン床部32の前端側を、運転席33が設置された床部32の後部側よりも低位置にすると、運転席33と、運転席33に着座して操作するオペレータの足元部に位置する床部32の一部との間に、所定のスペースが確保されると共に所定の高低差が確保され、着座環境が向上する。したがって、体格が大きいオペレータ(特に、脚部が長いオペレータ)の場合であっても、運転席33を大きく上昇位置調節することなく、脚部の大腿部と脛部とが略直角となる楽な着座姿勢をとることができる。
【0084】
また、運転席33を大きく上昇位置調節する必要性がないため、オペレータにとって、頭がキャビン6のルーフ142に近接位置することがなく、圧迫感を感じることがない。その上、ステアリングホイール35や変速レバー36(図2参照)などの操作部との相対位置関係がほとんど変わらないため、操作性を良好に確保することができる。
【0085】
また、図14に示されるキャビン6においては、オペレータの足元部に位置する床部32の前部分が、前方へ向けて下り傾斜状態の傾斜面部211となっている。キャビン前面のフロントガラス141の下端部は床部32に達しており、傾斜面部211を形成すると、傾斜面部211を設けない場合と比較して、フロントガラス141の下端位置が下方に下がり、下方への視界が広がる。つまり、傾斜面部211上方に、キャビン6のフロントガラス141の下端部を通して外部前下方あるいは前方直下方向を視認するための視認空間Sが形成されている。
【0086】
このように、フロントガラス141の下端位置が下がって下方の視界が広がると、例えば、オペレータが刈取部4の作動状況を視認しながら操向操作を行う際に、傾斜面部211上方に形成された視認空間Sによりキャビン6のフロントガラス141の下端部に近い部分を通して外部前下方を確実に視認することができて、作業性を向上させることができる。
【0087】
また、上記実施形態のコンバイン1では、キャビン6全体が一体構造であるが、図15に示されるように、キャビン上側のキャビン上部220を、その下側のキャビン本体221に対して着脱自在に取り付けることができる構造でもよい。
【0088】
キャビン本体221は、キャビン支持機枠30に装着されており、キャビン6の大部分を形成している。また、キャビン上部220は、キャビン本体221に着脱自在に取り付けられるものであり、少なくともキャビン6の天井部142を備えている。
【0089】
キャビン上部220をキャビン本体221から取り外すと、その分、コンバインの車高が低くなり、輸送車の荷台への積み込み時のコンバインの取り扱い性が向上する。たとえば、一般道路を輸送する際、必要に応じてキャビン上部220をキャビン本体221から取り外す分割作業を行うことにより、迅速かつ簡単にコンバインの輸送条件を満たすことができる。
【0090】
そして、エアコンユニット本体151は、キャビン本体221に設置されている。その一方で、エアコンユニット本体151に着脱自在に接続されるダクト152はキャビン上部220に取り付けられている。このように、本実施形態のコンバイン1のキャビン6では、分割位置はエアコンユニット本体151の取付位置よりも上方になっている。また、別言すれば、エアコンユニット本体151とダクト152の間の位置になっている。
【0091】
このような位置で分割する分割構造にすると、キャビン上部220をキャビン本体221から離脱させるときに、エアコンユニット本体151の着脱作業が不要である。したがって、予めエアコンユニット本体151からエアコンダクト152を連結解除しておくことにより、その後、キャビン上部220をキャビン本体221から迅速に取り外すことができる。また、キャビン上部220をキャビン本体221に取り付けるときに、同時にダクト152をエアコンユニット本体151側に連結することで、迅速かつ簡単にエアコンユニット本体151とダクト152を接続することができる。
【0092】
また、比較的重量物であるエアコンユニット本体151を固定側であるキャビン本体221に取り付ける一方、比較的軽量物であるエアコンダクト152を取り外し側であるキャビン上部220に取り付けているため、かかるキャビン上部220の取り付け、取り外し作業を楽に行うことができる。
【0093】
なお、キャビン上部220をキャビン本体221側に固定する方法としては、種々の構造を採用することができる。たとえば、キャビン本体221側にキャビン上部220を取り付けたときに当接するフランジ部をキャビン本体221およびキャビン上部220に設けておき、このフランジ部をボルトなどの締結手段によって相互に固定する構造を挙げることができる。この構造であれば、ボルトの着脱作業によって迅速且つ簡単にキャビン上部220をキャビン本体221に対して着脱することができる。
【0094】
また、エアコンユニット本体151とダクト152との接続部も同様の構造で接続するようにしてもよい。すなわち、エアコンユニット本体151にダクト152を接続したときに当接するフランジ部をエアコンユニット本体151およびダクト152に設けておき、このフランジ部をボルトなどの締結手段によって相互に固定する構造にしてもよい。このような構造にすると、エアコンユニット本体151から送風される冷風などのエアを漏れなくキャビン6のルーフ142の送風部に送風することができる。
【0095】
なお、キャビン上部220が分割される構造では、フロントガラス141をキャビン本体221側のみに設け、分割されるキャビン上部220にフロントガラス部分を設けないようにすることができる。つまり、キャビン前面のフロントガラス141の上端をキャビン本体221の上端と一致させる構造を採用することができる。このような構造にすると、分割されるキャビン上部220側にフロントガラスの一部を設ける必要がなく構造が簡単である。
【0096】
また、キャビン上部220側にフロントガラス141の一部を設ける構造にしてもよい。たとえば、キャビン上部220をキャビン本体221に取り付けたときに、キャビン本体221側のフロントガラス141の上端と、キャビン上部220のフロントガラス141の下端が突き合わせ状態になる構造にすることができる。このように、キャビン上部220側にフロントガラス141の一部を設けると、上方について広い視界が確保される。なお、突き合わせ状態になるキャビン上部220側のフロントガラス141とキャビン本体221側のフロントガラス141との間にシール部材を装着するようにしてもよい。このようにすると、キャビン6内の気密性が確保され、エアコンによる空調効率を向上させることができる。
【0097】
また、キャビン上部220側のフロントガラス141とキャビン本体221側のフロントガラス141がオーバラップする構造にしてもよい。この場合において、キャビン上部220側のフロントガラス141の方をキャビン本体221側のフロントガラスより外側に配置させる構造にすると、キャビン6内への風雨の侵入が防止される。
【0098】
なお、キャビン上部220が分割される構造では、キャビン側面のドアの上端をキャビン本体221側の上端と一致させる構造を採用することができる。このような構造にすると、分割されるキャビン上部220側に、ドアの一部を設ける必要がなく構造が簡単である。
【0099】
次に、本発明に係るコンバインの別の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
(第2実施形態)
図17は、本実施形態の普通型コンバインの平面図であり、図18は左側面図であり、図19は、背面図である。
【0100】
図18に示されるように、本実施形態のコンバイン1Aは、第1実施形態同様、穀稈を刈り取る刈取部4と刈取穀稈を搬送する搬送部5と、搬送部5からの刈取穀稈を脱穀する脱穀部7とを備えている。そして、搬送部5と脱穀部7の間に、搬送部5から搬出された刈取穀稈を脱穀部7に送る受継部230を備えている。
【0101】
受継部230は、搬送部5の後方に配置されたビータ室231を備えており、ビータ室231内には、第1ビータ241および第2ビータ242が設置されている。つまり、受継部230は、刈取穀稈搬送用のビータを複数備えている。第1ビータ241および第2ビータ242は、いずれも回転軸が車幅方向に延びる状態で設置されている。そして、両ビータ241,242は、図17に示されるように、矢印Aの向き(左側面視で左回り)に回転する。
【0102】
そして、第1ビータ241は、搬送部5から送出された刈取穀稈の搬送を受継いでいるものであり、搬送部5から後方に送られた刈取穀稈をさらに後方に搬送する。また、第1ビータ241は、フィーダハウス24よりも高い位置に設置されている。より具体的には、第1ビータ241の回転軸の高さ位置は、フィーダハウス24内に設置された搬送コンベア25の後端(基端)側のスプロケット25aの回転軸の高さ位置よりも高い位置に配置されている。
【0103】
第2ビータ242は、第1ビータ241の後方に設置されている。第2ビータ242は、第1ビータ241から後方に送出された刈取穀稈をさらに後方に脱穀部7に送り込む。そして、第2ビータ242は、第1ビータ241よりも高い位置に設置されている。つまり、第2ビータ242は、第1ビータ241の後方斜め上方の位置に配置されており、第2ビータ242の回転軸の高さ位置は、第1ビータ241の回転軸の高さ位置よりも高い位置に配置されている。また、第2ビータ242は、脱穀部7よりも低い位置に設置されており、第2ビータ242の回転軸の高さ位置は、脱穀部7の扱胴42の回転軸の高さ位置よりも低い位置に設置されている。
【0104】
ビータ室231は、ビータ241,242の下側に配置された底板232と、ビータ上側に配置された上板233と、左側板234および右側板235(図17参照)とを備えており筒形状になっている。そして、ビータ室231のコンバイン前進方向前側に、フィーダハウス24が接続される開口231aを備えている。より具体的には、開口231aは、ビータ室231の前方の下部に設けられており、開口231aの上端位置は、第1ビータ241の回転軸よりも下方に位置し、開口231aの下端位置は、第1ビータ241の外周の下端位置よりも下方に位置している。他方、脱穀部7側である後側は、脱穀部7に連なっている。
【0105】
底板232は、フィーダハウス24との接続に用いられる接続板部232aと、第1ビータ241の形状に沿って曲がっている第1湾曲板部232bと、第2ビータ242の形状に沿って曲がっている第2湾曲板部232cとを備えている。
【0106】
底板232の接続板部232aは、前方に向けて前下がりに傾斜する状態で設置されている。そして、フィーダハウス24とビータ室231を接続した状態では、接続板部232aの上にフィーダハウス24の後端下側板部24aが重ねられる。したがって、フィーダハウス24によって送られてきた刈取穀稈は、このフィーダハウス24の後端下側板部24aとビータ室231の底板232の接続板部232aとの接続部に送られ、ここから後端下側板部24aおよび接続板部232aに沿って第1ビータ241側すなわち後方斜め上側に送られる。
【0107】
底板232の第1湾曲板部232bは、接続板部232aの後方に連なっており、第1ビータ241の下方に位置している。したがって、接続板部232aから第1ビータ241側に送られた刈取穀稈は、第1ビータ241と第1湾曲板部232bとの間を通り、第1湾曲板部232bに沿って後方に送られる。第1湾曲板部232bは、少なくともその後ろ部分に、後方斜め上側に傾斜した第1傾斜部236を備えている。したがって、第1湾曲板部232bに沿って後方に送られた刈取穀稈は、第2ビータ242に向けて後方斜め上方に送られる。
【0108】
底板232の第2湾曲板部232cは、第1湾曲板部232bの後方に連なっており、第2ビータ242の下方に位置している。したがって、第1ビータ241から第2ビータ242側に送られた刈取穀稈は、第2ビータ242と第2湾曲板部232cとの間を通り、第2湾曲板部232cに沿って後方に送られる。第2湾曲板部232cは、少なくともその後ろ部分に、後方斜め上側に傾斜した第2傾斜部237を備えている。したがって、第2湾曲板部232cに沿って後方に送られた刈取穀稈は、脱穀部7の扱室41に向けて後方斜め上方に送られる。
【0109】
このような構成にすると、搬送部5の刈取穀稈送出し位置に対する脱穀部7への刈取穀稈送込み位置の設定について自由度が高まる。つまり、脱穀部7や選別部8の配置について自由度が高まる。
【0110】
また、第2ビータ242を第1ビータ241より後方斜め上方に配置すると、脱穀部7への刈取穀稈送込み位置を高い位置に設定することが可能になる。本実施形態のコンバイン1Aのように、センターキャビンタイプのコンバインでは、キャビン6下に搬送部5が配置されており、搬送部5が低い位置になったり、搬送部5の刈取穀稈送出し位置が低い位置になることがある。搬送部5の刈取穀稈送出し位置が低くなると、脱穀部およびその下方の選別部の高さ位置を低くする必要が生じ、搭載できる脱穀部および選別部の大きさや能力が制限される。この点、本実施形態によれば、キャビン6下の高さが低くなり、搬送部5の刈取穀稈送出し位置が低くなっても、脱穀部7への刈取穀稈送込み位置の高さの低下が防止される。これにより、搭載できる脱穀部や選別部の大きさや能力が制限されることが防止され、必要な大きさや能力の脱穀部や選別部を搭載できる。
【0111】
なお、第1ビータ241および第2ビータ242は、コンバイン車幅方向に延在する軸体によって軸支されているものであるが、少なくともいずれか一方のビータを回転軸直角方向に移動可能な状態で軸支してもよい。このようにすると、ビータの高さやビータの軸間距離を調整することができるようになり、刈取穀稈を効率よく搬送できるように調整できる。たとえば、少なくともいずれか一方のビータを底板232に対して近接離間方向に移動できれば、刈取穀稈の種類や状態に応じて、ビータの位置をより適した位置に調節することができる。また、第1ビータ241と第2ビータ242の軸間距離の調節が可能であれば、第1ビータ241と第2ビータ242の間の空間の広さを調節できる。両ビータ241,242は同じ向き(図17では左回り)に回転するので、両ビータ241,242の間に位置する刈取穀稈は、第1ビータ241から上向きの力を受ける一方で第2ビータ242からは下向きの力を受ける。したがって、両ビータ241,242間の距離が近すぎると、両ビータ241,242間の空間が狭くなり、両ビータ241,242から力を受けて刈取穀稈の穀粒をいためるおそれがある。他方、両ビータ241,242間の距離が遠すぎると、第1ビータ241から第2ビータ242に刈取穀稈を効率よく受継ぐことができなくなる。この点、両ビータ241,242の軸間距離を調節できれば、これらの設定を行うことができる。
【0112】
また、図18に示されるように、本実施形態のコンバイン1Aは、第1実施形態同様、走行部2の前方に配置された刈取部4と、刈取部4で刈取られた刈取穀稈を搬送する搬送部5と、搬送部5の上方に車幅方向略中央部に位置するように配置されたキャビン6と、キャビン後方に配置された刈取穀稈を脱穀する脱穀部7と、脱穀された穀粒が貯留されるグレンタンク65とを備えている。
【0113】
図19に示されるように、グレンタンク65の車両進行方向左側の端部は、脱穀部7の左側の端部の上方に位置しており、グレンタンク65の右側の端部は、収納位置に位置する排出オーガ67の右側の端部の下方に位置している。つまり、グレンタンク65の車幅方向の大きさは、コンバインの全幅にわたっており、グレンタンク65の少なくとも一部が脱穀部7の上方に配置されている。そして、揚穀装置57がコンバイン1Aの左側部に配置されている。
【0114】
グレンタンク65は、その左側壁65aの下端から内側下方に傾斜する左側傾斜底板65bと、右側壁65cの下端から内側下方に傾斜する右側傾斜底板65dとを備えている。両傾斜底板65b,65dの下端は、前後方向に延びる横搬出用オーガ250に達している。つまり、グレンタンク65の下端部にグレンタンク65内の穀粒を排出する横搬出用オーガ250が設置されている。そして、グレンタンク65の下端部は、横搬出用オーガ250に対して回転自在に連結されている。したがって、グレンタンク65は、横搬出用オーガ250を回転軸として、横搬出用オーガ250の回転軸回りに回動自在になっている。
【0115】
なお、横搬出用オーガ250は、グレンタンク65内の穀粒を、横搬出用オーガ250の後端に位置する縦搬送用オーガ66の下端に搬送するものである。したがって、横搬出用オーガ250によって縦搬送用オーガ66の下端に搬送された穀粒は、縦搬送用オーガ66を経て排出オーガ67に送られ、排出オーガ67から運搬車等へと排出される。
【0116】
また、横搬出用オーガ250は、脱穀部7の扱胴42の側方に配置されている。つまり、グレンタンク65の下端は、脱穀部7の側方に配置されている。より具体的には、グレンタンク65の下端は、扱胴42の下端よりも上方に配置されている。したがって、グレンタンク65は、深さ方向の寸法に比べて、幅方向の寸法や前後方向寸法が大きくなっている。グレンタンクが脱穀部の右側方に配置された従来のコンバインでは、グレンタンク内に貯留された穀粒の量に比例してコンバイン右側の重量が重くなるので、コンバインのバランス、特にコンバインの左右バランスを良好な状態に維持することが容易でなかった。この点、本実施形態では、コンバイン1Aの全幅にわたって穀粒が貯留されるようになっている。つまり、脱穀部7側(車両左側)にも穀粒が貯留されるようになっている。このような構造にすると、貯留された穀粒の量がコンバインの左右バランスに及ぼす影響が最小限に抑制されている。したがって、コンバインのバランス、特に左右バランスを良好な状態に維持することが容易である。つまり、コンバインの左右バランスが良くなる。
【0117】
また、本実施形態のように、グレンタンク65の一部を脱穀部7の上部に配置すると、グレンタンク65の底板の形状によっては、脱穀部7の上方に貯留された穀粒がグレンタンク65の下端部に設置された横搬出用オーガ250のところまで落下せず、グレンタンク65内に残留してしまう可能性がある。この点、グレンタンク65を横搬出用オーガ250の回転軸回りに回動自在にしておけば、グレンタンク65を回動させることで、落下しにくい位置に残留した穀粒を横搬出用オーガ250のところに確実に落下させることができる。
【0118】
脱穀部7は、上述したように、刈取穀稈を脱穀する扱胴42が収容される扱室41を備えており、扱室41は、開閉自在に設置された扱室カバー41aを備えている。そこで、グレンタンク65の回動動作を扱室カバー41aに伝達する連結部材を備えて、グレンタンク65の回動に連動して扱室カバー41aを開閉することができるようにしてもよい。このようにすると、グレンタンク65を回動させると同時に扱室カバー41aを開くことができるので、扱室カバー41aを直接開く必要がなく、扱室カバー41aの開閉作業が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明に係る第1実施形態のコンバインを示す平面図である。
【図2】図1に示されるコンバインを示す側面図である。
【図3】図1のコンバインのフレームを示す平面図である。
【図4】図3に示されるフレームを示す側面図である。
【図5】図3に示されるフレームを示す正面図である。
【図6】図4に示されるフレームの拡大側面図である。
【図7】図1に示されるコンバインのキャビンを示す部分側面図である。
【図8】図7のキャビンを示す背面図である。
【図9】図7のキャビンを示す説明用の正面図である。
【図10】図9のキャビンを示す説明用の平面図である
【図11】図1のコンバインの駆動系を示す平面図である。
【図12】図11のコンバインを示す側面図である。
【図13】図11のコンバインの駆動伝達系を示す説明図である。
【図14】キャビンの別の形態を示す側面図である。
【図15】キャビンのさらに別の形態を示す側面図である。
【図16】図15のキャビンを示す背面図である。
【図17】第2実施形態のコンバインを示す平面図である。
【図18】図17に示されるコンバインを示す側面図である。
【図19】図17に示されるコンバインを示す背面図である。
【符号の説明】
【0120】
1 コンバイン
3 機体
4 刈取部
5 搬送部
6 キャビン
7 脱穀部
8 選別部
9 穀粒貯留部
11 排藁処理部
12 原動機部
17 ミッションケース
24 フィーダハウス
25 搬送コンベア
30 キャビン支持機枠
32 床部
41a 扱室カバー
42 扱胴
57 揚穀装置
58 揚穀コンベア
61 揚穀筒
68 エンジン
68a 出力軸
71 シャシフレーム
89 連結体
100 左側乗降ステップ体
110 右側乗降ステップ体
142 ルーフ
143 アウターカバー
144 インナーカバー
151 エアコンユニット
152 ダクト
171 走行カウンタ軸
176 カウンタ軸
191 第1選別駆動軸
192 ミッションケース入力軸
196 コンベア軸
198 フィーダハウス出力軸
230 受継部
231 ビータ室
241 第1ビータ
242 第2ビータ
250 横搬出用オーガ
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
【出願日】 平成18年6月20日(2006.6.20)
【代理人】 【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎


【公開番号】 特開2008−32(P2008−32A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−170784(P2006−170784)