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【発明の名称】 収穫機
【発明者】 【氏名】里路 久幸

【要約】 【課題】必要な場合には穀稈の刈取作業中に分草体の前方にある刈り取り後の排藁などを押え込みできると共に、必要でない場合には排藁などを押え込みしない部材を備えた収穫機を提供すること。

【解決手段】刈取装置6の前部に分草体10を並列状に複数配置し、各分草体10の前方に圃場面に接当する作用状態と圃場面に接当しない非作用状態とに切り換え自在なガイド体20を設けた。該ガイド体20は分草体10の裏面側に配置された基部から分草体10の長穴10aを貫通して表面側に前方に反り上がった形状の先端部20b側が突出しているので刈取装置6で植立穀稈を刈り取る前に予め圃場面上にある藁屑、泥、雑草、切り藁などがあっても、これらを鎮圧又は左右に分離することができるので、植立穀稈の刈取作業が能率的に行える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場内での植立状態の作物を刈り取る刈取装置(6)を機体フレーム(2)の前方に設けた収穫機において、
刈取装置(6)の前部に分草体(10)を並列状に複数配置し、各分草体(10)の前方に、圃場面に接当ないし接近する作用状態と、圃場面から離間する非作用状態とに切り換え自在なガイド体(20)を設けたことを特徴とする収穫機。
【請求項2】
前記ガイド体(20)は、分草体(10)の裏面側に配置された基部から分草体(10)に設けられた長穴(10a)を貫通して該分草体(10)の表面側に先端部側が突出し、ガイド体(20)の先端部(20b)が前方に反り上がった形状であることを特徴とする請求項1記載の収穫機。
【請求項3】
前記ガイド体(20)は回動軸(20a)を中心に上下方向に回動可能であり、ガイド体(20)の一端が前記作用状態と非作用状態の位置に切り換え可能なリンク機構(22〜25)に接続され、該リンク機構(22〜25)を作動させる操作レバー(26)を操縦席(32)の近傍に設けたことを特徴とする請求項1記載の収穫機。
【請求項4】
前記ガイド体(20)は回動軸(20a)を中心に上下方向に回動可能であり、常時前記作用状態に位置するようにリンク機構(22〜25)を介して弾性体(27)によって付勢されたことを特徴とする請求項1記載の収穫機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、穀類の収穫作業などを行う農業用のコンバインなどの収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
農業用の収穫機の典型例であるコンバインを例にして、以下説明する。
自脱型のコンバインが刈取脱穀作業を開始すると、圃場の穀稈は刈取装置の前端下部にある分草体によって分草作用を受け、次いで穀稈の引起し装置の引き起し作用によって穀稈が倒伏状態から直立状態に引き起こされ、穀稈の株元が刈刃に達すると刈取られ、刈り取られた穀稈が供給搬送装置に受け継がれて順次連続的に後部上方に搬送される。供給搬送装置の後部に搬送された穀稈は扱深さが調節され、次いで脱穀装置のフィードチェンから供給され、脱穀装置において回転する扱胴の扱歯によって脱穀される。そして、脱穀処理物は選別室で選別処理され、選別された穀粒はグレンタンクに一時貯留され、穀粒の貯留量が多くなるとオーガによりコンバインの外部に穀粒が搬出される。
【0003】
尚、下記特許文献1には全穀稈投入型コンバインの刈取装置に関する構成が開示されている。
【特許文献1】特公平8−17626号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来の自脱型のコンバインにおいて、圃場の一行程を刈り取る際、脱穀後の排藁は、機体後部の排藁カッターによって細断されて圃場面上に放出される。そして、この一行程に隣接する穀稈列を刈り取る際に、圃場面に堆積した藁屑を分草体が掬い上げ、この藁屑を立毛穀稈と共に掻き込んで収穫してしまう。この結果、刈取穀稈と共に藁屑を脱穀装置に供給してしまい、脱穀装置が過負荷になって詰まったり、選別不良を起こして穀粒の収穫損失を来たしてしまうような欠点があった。
【0005】
尚、前記特許文献1に記載の刈取装置は、そばや大豆、特にそばの刈り取りに適したコンバインの刈取装置であるが、該刈取装置でそばを収穫する際に刈取装置の下側から分草体よりも前方上方にわたって伸びた茎稈の押し分け案内体を設けることで、絡み合った立毛穀稈の茎部をこの案内体によって押し分け、絡み合った収穫物の茎部が分草体によって無理やり掬い上げられて引きちぎられたり、根こそぎ引き抜かれたりすることを防ぐことができる構成である。
【0006】
しかし、前記特許文献1の刈取装置は、全稈投入型コンバインに設けられ、通常、圃場面に対して刈取装置を所定量浮上させて穀稈の穂先側だけを刈り取るものであり、この茎稈押し分け案内体は茎稈を押し分けるだけであって、圃場面に堆積した藁屑を押さえ込む思想は存しない。また、自脱型のコンバインにこの茎穀稈押し分け案内体を設けた場合には、この茎稈押し分け案内体が前方へ突出するために、例えば畦に接近する際に邪魔になって、この畦際の植立穀稈を刈り取ることができない欠点が残る。
【0007】
本発明の課題は、必要な場合には穀稈の刈取作業中に分草体の前方に堆積した排藁などを押え込んで分草体による掬い上げを少なくできると共に、必要でない場合には排藁などを押え込みしない部材を備えた収穫機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記課題は次の構成により解決される。
請求項1記載の発明は、圃場内での植立状態の作物を刈り取る刈取装置(6)を機体フレーム(2)の前方に設けた収穫機において、刈取装置(6)の前部に分草体(10)を並列状に複数配置し、各分草体(10)の前方に、圃場面に接当ないし接近する作用状態と、圃場面から離間する非作用状態とに切り換え自在なガイド体(20)を設けた収穫機である。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記ガイド体(20)は、分草体(10)の裏面側に配置された基部から分草体(10)に設けられた長穴(10a)を貫通して該分草体(10)の表面側に先端部側が突出し、ガイド体(20)の先端部(20b)が前方に反り上がった形状である請求項1記載の収穫機である。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記ガイド体(20)は回動軸(20a)を中心に上下方向に回動可能であり、ガイド体(20)の一端が前記作用状態と非作用状態の位置に切り換え可能なリンク機構(22〜25)に接続され、該リンク機構(22〜25)を作動させる操作レバー(26)を操縦席(32)の近傍に設けた請求項1記載の収穫機である。
【0011】
請求項4記載の発明は、前記ガイド体(20)は回動軸(20a)を中心に上下方向に回動可能であり、常時前記作用状態に位置するようにリンク機構(22〜25)を介して弾性体(27)によって付勢された請求項1記載の収穫機である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、刈取装置6で植立穀稈を刈り取る前に圃場面上に藁屑、泥、雑草、切り藁などがあっても、これらを作用状態にあるガイド体20で鎮圧又は左右に分離することができるので、このガイド体20の後方に配置される分草体10によってこの藁屑などを掬い上げてしまうことが少なくなり、この藁屑などを刈取穀稈と共に脱穀装置へ供給して選別不良を起こすような問題が少なくなり、植立穀稈の刈取脱穀作業が能率的に行える。また、ガイド体20を非作用状態として圃場面から離間させることによって、刈取装置6を畦に接近させて、畦際の植立穀稈を刈り取ることができ、刈取作業の能率を高めることができる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、ガイド体20の先端部20bにより圃場面上の藁屑、泥、雑草、切り藁などを円滑に鎮圧又は左右に分離して、これらのすくい上げを防止でき、刈取脱穀作業を能率良く行なうことができる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、ガイド体20の作用状態と非作用状態の切り換えを操縦席32から遠隔操作で行えるのでガイド体20の操作が容易となり刈取脱穀作業を能率良く行なうことができる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、ガイド体20の先端部20bで圃場面上にある藁屑、泥、雑草、切り藁などをバネ27の付勢力により押さえ付けて、分草体10でこれらのものがすくい上げられることを少なくできると共に、このガイド体20が圃場面からの突き上げを受けた場合に、ガイド体20がバネ27の付勢力に抗して上昇回動して退避できるため、ガイド体20及びその支持部の破損を少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態を収穫機の典型例であるコンバインを例にして、以下図面と共に説明する。
図1に本発明の実施の形態の穀類の収穫作業を行うコンバインの右側面図を示し、図2はコンバインの正面図を示す。図3はコンバインの分草体付近の拡大右側面図を示し、図4はコンバインの分草体部分の拡大正面図を示す。なお、本実施例ではコンバインの前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右といい、前後方向をそれぞれ前、後という。
【0017】
図1に示すコンバイン1の機体フレーム2の下部には、ゴムなどの可撓性材料を素材として無端帯状に成型したクローラ4により、乾田はもちろんのこと、湿田においても沈下しないで走行できる構成の走行装置3を備え、機体フレーム2の前部には刈取装置6を搭載し、機体フレーム2の上部には脱穀装置7を搭載する。
【0018】
図示しないエンジンの始動の後、主変速レバー8によりコンバイン1を前進操作させ、刈取・脱穀クラッチ(図示せず)が「入」になると、刈取作業と脱穀作業が開始される。圃場に植立する穀稈は、刈取装置6の前端下部にある複数の分草体10によって分草作用を受け、次いで穀稈引起装置11の引起し作用によって倒伏状態にあれば直立状態に引起こされ、穀稈の株元が刈刃12に達して刈取られる。
【0019】
本実施例の刈取装置6の後側に、刈取穀稈をフィードチェン14へ引き継ぐ穀稈供給搬送装置13(図5)が設けられる。刈取装置6で刈り取った穀稈は、扱深さの調節などをしながら脱穀装置7に搬送され、機体側方のフィードチェン14と挟扼杆15に挟まれて脱穀装置7内の図示しない扱室内の扱胴等で穀稈の脱穀を行った後、排藁などから選別された穀粒は一番揚穀筒(図示せず)を経てグレンタンク16へ搬送される。グレンタンク16に貯留された穀粒は、オーガ18を経由してコンバイン1の外部へ搬送される。
【0020】
本実施例のコンバインの分草体10には次のような特徴点がある。
コンバインは植立穀稈の刈取作業中は分草具が倒れた穀稈などを分けて圃場面に沿って前進するが、本実施例のコンバイン1には分草体10の前方にガイド体20を設けている。リンク機構を介してガイド体20を支持するロッド24にはガイド体20を圃場面に向けて付勢するバネ27を備えているので、このガイド体20を圃場面に接当ないし接近させた状態で前進走行することによって、刈取装置6の刈刃12で植立穀稈を刈り取る前に予め圃場面の藁屑、泥、雑草、切り藁などを鎮圧又は左右に分離する機能がある。
【0021】
図3に示すように、分草杆21の先端に分草体10が固定されているが、図4に示すように長手方向を前後に向けて設けたガイド体20とその回動軸20aはコンバイン1の正面視で分草体10の横幅内に配置して、回動軸20aは後方に傾斜した分草体10の裏面側の基部に配置され、ガイド体20は分草体10に上下方向に設けられた長穴10a(図4)を貫通して分草体10の裏面側から表面側に先端部側が突出している。従ってガイド体20は回動軸20aを中心に上下方向に回動可能な構成である。
【0022】
また回動軸20aの前方側のガイド体20の先端部20bは反り上がった形状をしており、また回動軸20aの後方側のガイド体20の先端部20cはリンク22を介してL字状アーム23と連結している。L字状アーム23は分草杆21に取り付けた突起部21aの回動支点を中心に回動自在である。L字状アーム23のリンク22との連結部とは反対側の端部は刈取装置6の上部に一端が支持され、下向きに設けられたロッド24の先端部と連結しており、該ロッド24とL字状アーム23の端部との接当部はロッド24側に取り付けられたバネ27で常時下方に付勢されている。
【0023】
このようにガイド体20は、脱穀済みの排藁がカッターによって裁断されて圃場面上に放出された切り藁や、カッターによって裁断されずにドロッパに所定量集積してから圃場面に放出された長藁等を、その先端部20bの反り上がった形状部分で、バネ27の付勢力により押さえ付けて、分草体10でこれらのものがすくい上げられることを防止する機能がある。特に長稈の刈り取り作業時に未刈稈(地)側に藁が落下していて、これを分草体10がすくい上げると、コンバイン1の前進動作に伴う連続刈取作業が出来ないことがある。また湿田作業では該刈取条の前行程での植付条の穀稈の刈取中に走行したクローラ4が沈下して未刈稈(地)側の穀稈の株元付近で隆起してしまった泥をガイド体20で鎮圧することで、分草体10で前記隆起した泥をすくい上げることが無いようにする機能もある。
【0024】
さらにガイド体20の回動軸20aはコンバイン1の正面視で分草体10の本体カバー内に配置しているので、回動軸20aに藁屑が引っかかるおそれがない。また、ガイド体20は分草体10の横幅内に配置されているので、ガイド体20に藁屑などがからみつくことも防止できる。
【0025】
また、ガイド体20は上下回動自在であり、ガイド体20の上下回動支点20aは、ガイド体20の接地面より後方で反力(F)を受ける部分(上向きに反りのある先端部20bのアール部分)より上方(高さL)にあり、しかもバネ27により常に圃場面側に付勢されているので、圃場の凹凸にガイド体20の接地面が容易に追従可能となり、ガイド体20に前進方向から推力(F)がかかった時、ガイド体20を接地側に押し付ける方向に分力(T)が作用し、T=F×Lの回動トルク(T)でガイド体20を下方に押し付け、前記藁屑などを分草体10がすくい上げるのを防ぐことができ、また地面とガイド体20の間に藁屑などが詰ったとしても、バネ27の付勢力に抗してガイド体20の先端部20b側を上方に回転させることで容易に藁屑などを除去できる。
【0026】
また、図3に示すようにガイド体20が圃場面に接地するとき、分草体10の接地面と同一高さで接地する構成としていることが、ガイド体20により前記圃場面の藁屑、泥、雑草、切藁などを鎮圧又は左右に分離した後、後方の分草杆21も連続して鎮圧又は左右に分離できる機能の助けになる。
【0027】
また、図3に示すようにガイド体20には、該ガイド体20が接地時に分草体10の前面に当たる当接部20dを設けているので、接地時にガイド体20の後方を分草杆21で支持できるので、支持が確実となり強度が向上できる。
【0028】
ガイド体20の回動軸20aを分草体10に配置して、ガイド体20と分草体10を一体構成とすることで、分草体10を交換するだけでガイド体20を含めた状態でユニット交換、組立が出来る。また必要に応じてガイド体20を分草体10から取り外してガイド体20を配置しない仕様に変更することが容易に出来る。
【0029】
また、図4に示すように分草体10が正面視で鉛直方向に対して左右方向に所定角度傾斜している場合でも、該分草体10の傾斜面に沿ってガイド体20が回動軸20aを支点として回動するように分草体10に取り付けている。
そのため、植立穀稈を分草するときのガイド体20も鉛直面に対して左右方向に所定角度で傾斜することとなり、このガイド体20が正面視で鉛直方向に回動する構成に比べて分草性が向上する。
【0030】
また、図1のコンバインの刈取装置の変形例である図5のコンバイン1の平面図に示すように、刈取装置6に支持された分草杆21に回動支点28aを備え、左右方向に回動自在のワイヤ取付部材28を設け、該ワイヤ取付部材28の左右方向の一端にバネ29を連結し、該バネ29の他端を刈取装置6の基部に接続しておき、該ワイヤ取付部材28の左右方向の他端にワイヤ31の一端を接続し、該ワイヤ31の他端を操縦席32で押し引き操作ができる構成にする。
こうしてワイヤ31を操縦席32で押し引き操作することでワイヤ取付部材28を介して直進状態の分草具10とガイド体20を右側に傾けて穀稈の刈取幅を増やすことができる。
【0031】
ガイド体20を回動軸20aを支点として上方に回動させると、ガイド体20は作用状態から非作用状態に切り替えた状態になる。前記非作用状態への切り替えは、図1に示すように、ロッド24の上端を回動自在に支持するアーム25を操作レバー26で操縦席32から手動操作して行う。このようにガイド体20を取り外すこと無く、圃場条件に応じてガイド体20を作用状態と非作用状態とに切り替えて使用する事が出来る。また、ガイド体20の非作用状態では分草体10の前面上方にガイド体20の先端部20bを接当させて保持するとコンバイン1の収納時にガイド体20が刈取装置6の引起装置11の障害となる事が無い。
【0032】
なお、ガイド体20を非作用状態に回動した時には、操作レバー26部に設けたロック装置で該操作レバー26の操作位置を固定することによって、ガイド体20を非作用状態に保持することができる。
【0033】
また、図6の分草具部分の拡大右側面図に示すように、ガイド体20を起立姿勢とし、排藁などの鎮圧時の作用状態と倉庫などへの収納時の非作用状態との中間部である、植立穀稈を押し分けながら分草するガイド位置(立稲分草ガイド位置)(図6の(イ)位置)で保持できる構成を採用してもよい。
【0034】
図7(a)に示すように、圃場内の植立穀稈の刈取時に最初に圃場の最外周部を周り刈りする場合又は圃場内の植立穀稈群の中を直進しながら刈り取る中割時に、立稲分草ガイド位置にあるガイド体20により未刈稈を前方に押して分草体10の先端の視界性を確保することができる。立稲分草ガイド位置にガイド体20が無いと図7(b)に示すように植立穀稈群が分草体10の先端部分に倒れかかり、視界性を遮るので分草体10の分草度合いを視覚的に確認することができないおそれがある。
【0035】
なお、立稲分草ガイド位置にガイド体20を保持するためには、操作レバー26を所定位置でロックする。即ち、図8(図8(a)は操作レバー付近の側面図、図8(b)は図8(a)の矢印A方向から見た操作ガイドの図)に示すように、刈取装置6側に固定した操作ガイド44の縁部に、操作レバー26の回動方向に沿って所定の間隔をおいて3つの係止溝44a1,44a2,44a3を切り欠き形成し、この各係止溝に操作レバー26を係合させることによって、それぞれ作用位置(作用状態)と立稲分草ガイド位置と非作用位置(非作用状態)とに切り換え保持できる構成とする。
【0036】
また、図9(a)に示すようにガイド体20はコンバイン1の後進時には非作用状態に収納するために、刈取装置6の上方部に支持させて上下方向に配置したロッド24の駆動用モータ35を図9(b)の制御ブロック図に示すコントローラ36により駆動制御することで行う構成にしてもよい。前記コントローラ36による駆動制御は、例えばクローラ4に設けた車輪回転方向を検出する後進検出センサ38によって機体の後進が検出されたときに、ガイド体20を設定した高さまで上昇回動させるようにして行なわれる。
【0037】
このように、コンバインの後進時にガイド体20を上昇回動させることによって圃場面とガイド体20との上下間隔が大きくなり、ガイド体20と圃場面との間に挟まっている藁屑等を引きずることなく後進できる。
【0038】
また超音波センサ又はポテンショメータからなる刈取高さセンサ39により刈取装置6の全体の対地高さ又は対機体高さを検出し、刈取装置6の上昇操作によってこの検出結果が所定の高さとなったときにガイド体20を設定した高さに上昇回動できるようにしておくこともできる。
【0039】
さらに路上走行時にはガイド体20を非作用状態に収納する構成とする。これは走行速度検出センサ42の検出値に基づき所定の走行速度以上でコンバイン1が走行中であると、路上走行中であると判断され刈取り作業を行わないので、ガイド体20を非作用状態にして機体全長を短くして安全走行を可能にする。
【0040】
同様に刈取装置6への動力を切断する刈取クラッチ(図示せず)を切ることで、ガイド体20を非作用状態に自動収納する構成にして、刈取り作業時以外は機体全長を短くすることができる。なお、刈取クラッチ切りは刈取クラッチ検出センサ41で検出する。
【0041】
また、ガイド体20は、旋回時には設定高さに上昇させておき、ガイド体20と圃場面の間に挟まっている藁屑を引きずらないようにする。さらに、左右車輪の回転数差の検出又は操向レバー40の左右傾動角度の検出による旋回検出センサ43で旋回中であることを検出するとガイド体20を非作用状態に自動収納する構成にしても良い。こうしてガイド体20と圃場面との間に挟まっている藁屑等を引きずることなく旋回できる。また機体全長を短く出来る。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は植立作物の刈取幅を大きくすることができるので、圃場などの大きさに合わせて刈取作業がし易く、コンバインとして利用可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施例の穀類の収穫作業を行うコンバインの右側面図である。
【図2】図1のコンバインの正面図である。
【図3】図1のコンバインの分草体部分の拡大右側面図である。
【図4】図1のコンバインの分草体部分の拡大正面図である。
【図5】図1のコンバインの変形例の平面図である。
【図6】図1のコンバインの分草体部分の拡大右側面図である。
【図7】図1のコンバインの分草体部分の平面図(図7(a))と従来の分草体部分の平面図(図7(b))である。
【図8】図1のコンバインの分草体のガイド体の位置を保持する機構を説明する図(図8(a)は操作レバー付近の右側面図、図8(b)は図8(a)の矢印A方向から見た図)である。
【図9】本発明の一実施例の穀類の収穫作業を行うコンバインの右側面図(図9(a))とその制御ブロック図(図9(b))である。
【符号の説明】
【0044】
1 コンバイン 2 機体フレーム
3 走行装置 4 クローラ
6 刈取装置 7 脱穀装置
8 主変速レバー 10 分草体
10a 長穴 11 穀稈引起装置
12 刈刃 13 穀稈供給搬送装置
14 フィードチェン 15 挟扼杆
16 グレンタンク 18 オーガ
20 ガイド体 20a 回動軸
20b 先端部 20c 先端部
20d 当接部 21 分草杆
21a 突起部 22 リンク
23 L字状アーム 24 ロッド
25 アーム 26 操作レバー
27 バネ 28 ワイヤ取付部材
28a 回動支点 29 バネ
31 ワイヤ 32 操縦席
35 駆動用モータ 36 コントローラ
38 後進検出センサ 39 刈取高さセンサ
41 刈取クラッチ検出センサ 42 走行速度検出センサ
40 操向レバー 43 旋回検出センサ
44 操作ガイド 44a 係止溝
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成18年12月28日(2006.12.28)
【代理人】 【識別番号】100096541
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 孝義

【識別番号】100133318
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 向日子


【公開番号】 特開2008−161124(P2008−161124A)
【公開日】 平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願番号】 特願2006−354641(P2006−354641)