トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業

【発明の名称】 モーア
【発明者】 【氏名】今西 良造

【氏名】森川 知之

【氏名】上村 勝彦

【氏名】永井 宏樹

【氏名】小笠原 博之

【氏名】藤井 隆司

【要約】 【課題】一対の回転刈り刃の回転域が重なり合う重合部への草の入り込みを抑制できるのみならず、草詰まりの回避ができるとともに構造簡単に得ることができるようにする。

【解決手段】刈り刃ハウジング前後方向視で一対の回転刈り刃13L,13Rの回転域13LA,13RAが重なり合う重合部23が形成されている。一対の回転刈り刃13L13Rからの風に案内作用するよう一対の回転刈り刃13L,13Rの前方に位置した前バッフル40を備えてある。前バッフル40の一対の回転刈り刃13L,13Rの一方の回転刈り刃13Lの回転域13LAに対向した横一端側部43と、他方の回転刈り刃13Rの回転域13RAに対向した横他端側部44との境界45が重合部23から刈り刃ハウジング横端側に外れて位置している。前バッフル40の横一端側部43が草を重合部23から刈り刃ハウジング横端側に外れた箇所に向けて押圧操作する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈り刃ハウジングの内部に、刈り刃ハウジング上下向き軸芯まわりで駆動回転自在な一対の回転刈り刃が刈り刃ハウジング横方向に並んで位置するとともに、刈り刃ハウジング前後方向視で前記一対の回転刈り刃の回転域が重なり合う重合部が形成され、前記一対の回転刈り刃からの風に案内作用するよう前記一対の回転刈り刃の前方に位置した前バッフルを備えたモーアであって、
前記前バッフルを、この前バッフルの前記一対の回転刈り刃の一方の回転刈り刃の回転域に対向した横一端側部と、他方の回転刈り刃の回転域に対向した横他端側部との境界が前記重合部から刈り刃ハウジング横端側に外れて位置するよう構成し、前記前バッフルの前記横一端側部が草を前記重合部から刈り刃ハウジング横端側に外れた箇所に向けて押圧操作するよう構成してあるモーア。
【請求項2】
前記前バッフルに、前バッフルの下端部から刈り刃ハウジング後方向きに延出した底板を備えてある請求項1記載のモーア。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、刈り刃ハウジングの内部に、刈り刃ハウジング上下向き軸芯まわりで駆動回転自在な一対の回転刈り刃が刈り刃ハウジング横方向に並んで位置するとともに、刈り刃ハウジング前後方向視で前記一対の回転刈り刃の回転域が重なり合う重合部が形成され、前記一対の回転刈り刃からの風に案内作用するよう前記一対の回転刈り刃の前方に位置した前バッフルを備えたモーアに関する。
【背景技術】
【0002】
上記したモーアとして、従来、たとえば特許文献1に示されるものがあった。特許文献1に示されるものは、デッキ(刈り刃ハウジングに相当)の横方向に並ぶ3枚のブレード(回転刈り刃に相当)、ブレードの回転軌跡(回転域に相当)が合流するオーバラップ部(重合部に相当)、ガイド板(前バッフルに相当)を備えている。
【0003】
この種のモーアにおいて、刈り処理しょうとする草が前記重合部に入り込むと、刈り残しなど、刈り処理不良が発生しやすくなる。このため、特許文献1に示されたモーアは、分草板を備え、前記刈り処理不良の抑制を図っている。すなわち、オーバラップ部に前側から入ろうとする芝草を分草板の分離作用によって左右両側に振り分けて分草して後方に送る。
【0004】
【特許文献1】特開2002−153112号公報(段落〔0005〕−〔0008〕、〔0015〕−〔0021〕、図1−3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来の技術を採用すると、分草板を特別に備える必要があった。このため、分草板と前バッフルとによって前向き開口の凹入空間が前バッフルの前側に形成されるとともに、この凹入空間の横幅が後方側に至るほど狭くなり、分草板によって分草された草が分草板と前バッフルの間に詰まる事態が発生しやすくなっていた。また、必要な部材数が多くなっていた。
【0006】
本発明の目的は、前記重合部への草の入り込みを上記した問題発生を回避しながら抑制することができるモーアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本第1発明は、刈り刃ハウジングの内部に、刈り刃ハウジング上下向き軸芯まわりで駆動回転自在な一対の回転刈り刃が刈り刃ハウジング横方向に並んで位置するとともに、刈り刃ハウジング前後方向視で前記一対の回転刈り刃の回転域が重なり合う重合部が形成され、前記一対の回転刈り刃からの風に案内作用するよう前記一対の回転刈り刃の前方に位置した前バッフルを備えたモーアにおいて、
前記前バッフルを、この前バッフルの前記一対の回転刈り刃の一方の回転刈り刃の回転域に対向した横一端側部と、他方の回転刈り刃の回転域に対向した横他端側部との境界が前記重合部から刈り刃ハウジング横端側に外れて位置するよう構成し、前記前バッフルの前記横一端側部が草を前記重合部から刈り刃ハウジング横端側に外れた箇所に向けて押圧操作するよう構成してある。
【0008】
本第1発明の構成によると、重合部に前方から入り込もうとする草が前バッフルの横一端側部によって重合部から刈り刃ハウジング横端側に外れた箇所に向けて押圧操作される。これにより、重合部への草の入り込みが発生しにくくなる。そして、草の重合部への入り込みを防止する押圧手段に前バッフルを利用し、草の重合部への入り込みを抑制できる。
【0009】
従って、前バッフルを草押圧の手段に利用した簡単な構造によって重合部への草の入り込みを抑制し、刈り残しなどが発生しにくい良好な仕上がりの草刈り作業を冒頭に記した草詰まりを回避して能率よく行うことができ、かつ、安価に得ることができる。
【0010】
本第2発明は、本第1発明の構成において、前記前バッフルに、前バッフルの下端部から刈り刃ハウジング後方向きに延出した底板を備えてある。
【0011】
本第2発明の構成によると、前バッフルの横一端側部によって押圧操作された草が、前バッフルの横一端側部を通過した後、底板によって上方から押圧操作される。これにより、前バッフルの横一端側部によって押圧された草は、前バッフルを通過した後にも倒伏姿勢を長く維持し、重合部により入り込みにくくなる。
【0012】
従って、草の重合部への入り込みがより発生しにくく、刈り残しなどが一層発生しにくい良好な仕上がりの草刈り作業を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係るモーア10が装着された乗用型草刈機の全体側面図である。この図に示すように、乗用型草刈機は、左右一対の操向操作自在な前車輪1,1と左右一対の駆動自在な後車輪2,2とによって自走するよう構成し、かつ、ステアリングホィール3および運転座席4を有した運転部を備えた自走車体と、この自走車体の車体フレーム5の前後輪間にリンク機構6を介して連結された本発明の実施例に係るモーア10とを備えている。自走車体は、車体前部に設けたエンジン7を備えるとともに、このエンジン7の車体上下向きの出力軸7aからの出力を伝動ベルト8により、モーア10の刈り刃駆動機構30に伝達する。リンク機構6は、車体フレーム5の前端部とモーア10の刈り刃ハウジング11の後端側とにわたって連結された昇降リンク6aと、この昇降リンク6aの中間部と車体フレーム5とにわたって連結された揺動リンク6bと、この揺動リンク6bの一端部と前記刈り刃ハウジング11の前端側とにわたって連結された連結リンク6cとを備えている。前記昇降リンク6aは、この昇降リンク6aの後端部に連動機構9aを介して連動された昇降レバー9が上下揺動操作されることにより、車体フレーム5に対して上下に揺動操作され、モーア10の後端側を車体フレーム5に対して昇降操作する。昇降リンク6aは、上下に揺動操作されると、揺動リンク6bを車体フレーム5に対して上下に揺動操作し、モーア10の前端側を車体フレーム5に対して昇降操作する。
【0014】
すなわち、乗用型草刈機は、草刈り作業を行うものである。つまり、昇降レバー9を上下揺動操作することにより、リンク機構6が車体フレーム5に対して上下に揺動操作され、モーア10を左右一対のゲージ輪12,12が地面に接地した下降作業状態と、前記各ゲージ輪12が地面から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降操作する。モーア10を下降作業状態にして自走車体を走行させると、モーア10は、前記刈り刃ハウジング11の内部に位置する二枚の回転刈り刃13L,13Rを前記刈り刃駆動機構30によって回転駆動し、各回転刈り刃13L,13Rによって芝や草(以下、単に草と称する。)の刈り処理を行い、各回転刈り刃13L,13Rからの刈り芝や刈り草(以下、単に刈り草と称する。)を刈り刃ハウジング11の横一端部からモーア横外側に放出するサイドディスチャージ作業、あるいは各回転刈り刃13L,13Rからの刈り草を刈り刃ハウジング11の底からモーア下方に放出するマルチング作業を行う。
【0015】
次に、モーア10についてさらに詳述する。図2は、モーア10のマルチング作業状態での平面図である。図3は、モーア10のサイドディスチャージ作業状態での平面図である。図4は、モーア10の天板除去状態での平面図である。これらの図に示すように、モーア10は、前記刈り刃ハウジング11と、前記刈り刃駆動機構30と、前記二枚の回転刈り刃13L,13Rと、前記刈り刃ハウジング11の前部の外側に刈り刃ハウジング両横端部に分散配置して設けた前記左右一対のゲージ輪12,12とを備える他、前記刈り刃ハウジング11の後部の外側に刈り刃ハウジング横方向での中央部に配置して設けた障害物乗り越えローラ15を備えている。
【0016】
図5は、刈り刃ハウジング11の底面側からの斜視図である。この図、および図2,4に示すように、刈り刃ハウジング11は、天板16と、この天板16の周縁部から刈り刃ハウジング下方向きに延出した前壁17と後壁18と横壁19とを備えさせ、刈り刃ハウジング11の横方向に並んだ一対の刈り室20L,20Rを備えるよう構成してある。前記前壁17は、各回転刈り刃13L,13Rの回転域13LA,13RAの前側部分の外周に沿った前円弧壁部17aと、前記一対の前円弧壁部17a,17aを連結する直線形の前直線壁部17bとを備えている。前記後壁18は、各回転刈り刃13L,13Rの回転域13LA,13RAの後側部分の外周に沿った円弧形の後円弧壁部18aと、前記一対の後円弧壁部18a,18aを連結する直線形の後直線壁部18bとを備えている。前記横壁19は、前記一方の回転刈り刃13Lの回転域13LAの横側部分の外周に沿った円弧形になっている。前記一対の刈り室20L,20Rは、刈り刃ハウジング11の前後方向に若干位置ずれし合い、かつ、刈り刃ハウジング11の横幅方向での中央部で連通し合っている。各刈り室20L,20Rは、刈り刃ハウジング11の底側で下方向きに開口している。前記一対の刈り室20L,20Rのうち、やや刈り刃ハウジング後方側に位置した方の刈り室20Rは、この刈り室20Rの他方の刈り室20Lに連通している側とは反対側の横端部に連通した前記刈り草排出口14を備えている。図5に示す縁金28は、後壁18の下端に沿わせて刈り刃ハウジング11に装着される。
【0017】
図4,6に示すように、前記二枚の回転刈り刃13L,13Rの一方の回転刈り刃13Lは、前記一対の刈り室20L,20Rの一方の刈り室20Lに、他方の回転刈り刃13Rは、他方の刈り室20Rにそれぞれ位置している。各回転刈り刃13L,13Rは、前記天板16にベアリングホルダ21を介して回転自在に支持された回転支軸22の下端部に一体回転自在に装着されている。すなわち、各回転刈り刃13L,13Rは、前記回転支軸22が備える刈り刃ハウジング上下向き軸芯Pのまわりで回転支軸22と共に回転する。二枚の回転刈り刃13L,13Rは、刈りハウジング前後方向に若干位置ずれした状態で刈り刃ハウジング横方向に並んでおり、刈り刃ハウジング11の前後方向視で一方の回転刈り刃13Lの回転域13LAと、他方の回転刈り刃13Rの回転域13RAとが重なり合った重合部23を形成する。各回転刈り刃13L,13Rは、回転刈り刃13L,13Rの両端部に設けた切断刃24と、各切断刃24の背後側に設けた起風羽根25とを備えている。
【0018】
図2は、刈り刃駆動機構30の平面視での構造を示している。図6は、刈り刃駆動機構30の正面視での構造を示している。これらの図に示すように、刈り刃駆動機構30は、前記天板16の後端部に刈り刃ハウジング上下向きの取り付け姿勢で回転自在に支持された入力軸31と、この入力軸31に一体回転自在に支持された伝動プーリ32と、前記各回転刈り刃13L,13Rの回転支軸22に一体回転自在に支持された刈り刃駆動プーリ33と、前記伝動プーリ32と前記各刈り刃駆動プーリ33とにわたって巻回された伝動ベルト34とを備えている。前記入力軸31は、前記伝動ベルト8が巻回された入力プーリ35を前記伝動プーリ32よりも入力軸上端側に位置させて一体回転自在に備えている。前記伝動ベルト34は、天板16に回転自在に支持された案内プーリ36と、前記入力軸31にテンションアーム37を介して支持されたテンションプーリ38とにも巻回されている。
すなわち、刈り刃駆動機構30は、エンジン7から伝動ベルト8を介して入力プーリ35に伝動されて駆動される入力軸31の駆動力を伝動ベルト34によって各刈り刃駆動プーリ33に伝達して各回転支軸22を回転駆動し、これによって各回転刈り刃13L,13Rを回転駆動する。一方の回転刈り刃13Lを回転支軸22の軸芯Pまわりで回転方向A(図4参照)に回転するよう駆動し、他方の回転刈り刃13Rを回転支軸22の軸芯Pまわりで前記一方の回転刈り刃13Lの回転方向Aとは逆の回転方向B(図4参照)に回転するよう駆動する。
【0019】
図2,3,6に示すように、刈り刃ハウジング11は、刈り刃ハウジング外側の前記刈り草排出口14が位置する側の横端部に設けた蓋体26を備えている。この蓋体26は、前記回転刈り刃13Rの回転支軸22から揺動自在に延出された支持アーム26aに支持されており、この支持レール26aと共に移動操作されることにより、刈り草排出口14を開閉する。図2,6に示すように、刈り刃ハウジング11は、天板16の刈り草排出口14の近くに支持された放出ガイド27を備えている。放出ガイド27は、上下揺動自在に支持されており、下降作用姿勢に切り換えられることにより、刈り草排出口14から放出される刈り草を横外向きに飛散するよう案内する。
【0020】
図4,5に示すように、刈り刃ハウジング11は、刈り刃ハウジング内側の前記一対の回転刈り刃13L,13Rの前方に配置した前バッフル40を備えている。図4は、前バッフル40の平面視での構造を示している。図5は、前バッフル40の斜視での構造を示している。図8は、前バッフル40の縦断面構造を示している。図9は、前バッフル40の横断平面図である。これらの図に示すように、前バッフル40は、前バッフル40の上端部に連結された取り付けブラケット41と、この取り付けブラケット41を前記前直線壁部17bに締め付け連結した連結ボルト42とを介して前直線壁部17bに連結された屈曲板によって構成してある。前バッフル40は、刈り刃ハウジング横方向での横一端側に位置した横一端側部43と、刈り刃ハウジング横方向での横他端側に位置した横他端側部44と、前記横一端側部43と横他端側部44との境界45を形成した屈曲点とを備えている。
【0021】
前記横一端側部43は、前記刈り草排出口14を備えない刈り室13LAの前記前円弧壁部17aの内面に滑らかに連続し、かつ、前記刈り室20Lに位置する回転刈り刃13Lの回転域13LAに対向した平坦面形の案内面43aを備え、前記回転刈り刃13Lからの風を回転域13LAに向けて流動するよう案内面43aによって案内する。前記横他端側部44は、前記刈り草排出口14を備えた刈り室20Rの前記前円弧壁部17aの内面に滑らかに連続し、かつ、前記刈り室20Rに位置する回転刈り刃13Rの回転域13RAに対向した平坦面形の案内面44aを備え、前記回転刈り刃13Rからの風を刈り草排出口14に向けて流動するよう案内面44aによって案内する。前記横一端側部43は、前記案内面43aとは反対側に位置した刈り刃ハウジング前方向きの押圧面43bを刈り刃ハウジング前後向きに対して傾斜した状態で備えている。前記境界45は、前記重合部23から刈り刃ハウジング11の前記刈り草排出口14が位置する方の横端側に外れて位置し、前記押圧面43bの刈り刃ハウジング横方向で端であって、前記境界45が位置する側での端が前記重合部23から刈り刃ハウジング11の前記刈り草排出口14が位置する方の横端側に外れて位置している。
前バッフル40は、この前バッフル40の下端部から刈り刃ハウジング後方向きに延出した底板46を備えている。
すなわち、前バッフル40は、重合部23に入り込もうとする草を横一端側部43の押圧面43bによって重合部23から刈り刃ハウジング横端側に外れた箇所に向けて押圧操作し、横一端側部43を通過した後の草を横一端側部43によって押圧された倒伏姿勢に維持するよう底板46によって上方から押圧操作する。
【0022】
図4,5に示すように、刈り刃ハウジング11は、刈り刃ハウジング内側の前記一対の回転域13LA,13RAの刈り刃ハウジング後側部分どうしの間に設けた後バッフル50を備えている。
図5は、後バッフル50の斜視での構造を示している。図8は、後バッフル50の縦断面構造を示している。図10は、後バッフル50の平面図である。図11は、後バッフル50の斜視図である。図12は、後バッフル50の横断平面図である。これらの図に示すように、後バッフル50は、後バッフル50の内部に連結された取り付けブラケット51と、この取り付けブラケット51を前記後直線壁部18bに連結した連結ボルト52とを介して後直線壁部18bに連結された構造体によって構成してあり、天板16の内面と同じ配置高さに上端が位置するよう刈り刃ハウジング上端側に位置した上バッフル部53と、刈り刃ハウジング11の下端と同じ配置高さに下端が位置するよう刈り刃ハウジング下端側に位置した下バッフル部54と、この下バッフル部54と前記上バッフル部53との間に設けた風路55とを備えている。
【0023】
上バッフル部53は、刈り草排出口14を備えない刈り室20Lに対向した第一湾曲案内面53aと、刈り草排出口14を備えた刈り室20Rに対向した第二湾曲案内面53bとを備えている。第一湾曲案内面53aは、刈り草を刈り室20Lの回転域13LAの外周に沿って回流するよう、かつ、刈り草を刈り室20Lの上部から下部に下降するようそれぞれ流動案内する湾曲面になっている。第二湾曲案内面53bは、刈り草を刈り室20Rの回転域13RAの外周に沿って回流するよう、かつ、刈り草を刈り室20Rの上部から下部に下降するようそれぞれ流動案内する湾曲面になっている。上バッフル部53の先端53cは、下バッフル部54の先端54cよりも刈り刃ハウジング前後方向での内側により深く入り込んでいる。
【0024】
下バッフル部54は、刈り草排出口14を備えない刈り室20Lに対向した第一湾曲案内面54aと、刈り草排出口14を備えた刈り室20Rに対向した第二湾曲案内面54bとを備えている。第一湾曲案内面54aは、回転刈り刃13Lからの風を刈り室20Lで回流するよう流動案内する湾曲面になっている。第二湾曲案内面54bは、回転刈り刃13Rからの風を刈り室20Rで回流するよう流動案内する湾曲面になっている。
【0025】
風路55は、後バッフル50の前記下バッフル部54と前記上バッフル部53とを連結している連結部分56によって形成され、回転刈り刃13Lの起風羽根25によって発生した風に、前記連結部分56の外側面56aに沿って下バッフル部54と上バッフル部53の間を通り抜け、刈り室20Rに流入して回転刈り刃13Rからの風に合流する風を発生させる。前記外側面56aは、回転刈り刃13Lからの風を刈り室20Rに流入しやすい方向に流動するよう流動案内する。
【0026】
図6,7に示すように、刈り刃ハウジング11は、前記各ベアリングホルダ21を覆ったホルダカバー60を備えている。ホルダカバー60は、ベアリングホルダ21を全周囲にわたって覆うよう円筒状に構成され、ホルダカバー60の上端側に設けた連結フランジ部61で天板16にボルト連結されている。ホルダカバー60は、前記連結フランジ部61に連なった凹入形の湾曲案内面62を備えている。湾曲案内面62は、回転刈り刃13L,13Rによって切断され、刈り室20L,20Rの上部に上昇して軸芯Pに向けて流動した刈り草をホルダカバー60に沿って刈り室20L,20Rの中心部に落下するよう流下案内する。
【0027】
すなわち、モーア10は、エンジン7の出力を伝動ベルト8によって刈り刃駆動機構30に入力し、この刈り刃駆動機構30によって一方の回転刈り刃13Lを軸芯Pまわりで回転方向Aに、他方の回転刈り刃13Rを軸芯Pまわりで回転方向Bにそれぞれ回転駆動し、各回転刈り刃13L,13Rの切断刃24によって草刈りを行う。重合部23に入り込もうとする草を前バッフル40の横一端側部43の押圧面43bによって重合部23から刈り刃ハウジング横端側に外れた箇所に向けて押圧操作し、この横一端側部43を通過した草を底板46による上方からの押圧操作によって横一端側部43の押圧操作による倒伏姿勢に維持し、重合部23への草の入り込みを抑制しながら草刈りを行う。このように草刈りを行うとき、各回転刈り刃13L,13Rの起風羽根25によって風を発生させる。
刈り草排出口14を開放してあると、回転刈り刃13Rによって発生した風を後円弧壁部18a、後バッフル50における下バッフル部54の第二湾曲案内面54b、前バッフル40の横他端側部44、前湾曲壁部17aによる流動案内によって刈り草排出口14に流動させ、回転刈り刃13Lによって発生した風を後バッフル50の風路55によって刈り室20Rに流入させ、回転刈り刃13Rからの風に合流させて刈り草排出口14に流動させる。これにより、各回転刈り刃13L,13Rからの刈り草を各回転刈り刃13L,13Rからの風によって刈り草排出口14に搬送し、この刈り草排出口14からモーア10の横外側に放出する。すなわち、サイドディスチャージ作業を行う。
刈り草排出口14を蓋体26によって閉じてあると、回転刈り刃13Lによって発生した風を前バッフル40の横一端側部43と、前円弧壁部17aと、横壁19と、後円弧壁部18aと、後バッフル50における下バッフル部54の第一湾曲案内面54aとによる流動案内によって刈り室20Lで回流させ、この風と、後バッフル50における上バッフル部53の第一湾曲案内面54aによる流動案内とによって刈り草を回転刈り刃13Lによる切断作用を受けやすいように刈り室20Lで回流させ、回転刈り刃13Lによる刈り草の細断処理を行わせる。一方、回転刈り刃13Rによって発生した風を前バッフル40の横他端側部44と、前円弧壁部17aと、蓋体16の内面と、後円弧壁部18aと、後バッフル50における下バッフル部54の第二湾曲案内面54bとによる流動案内によって刈り室20Lで回流させ、この風と、後バッフル50における上バッフル部53の第二湾曲案内面53bによる流動案内とによって刈り草を回転刈り刃13Rによる切断作用を受けやすいように刈り室20Rで回流させ、回転刈り刃13Rによる刈り草の細断処理を行わせる。これにより、各回転刈り刃13L,13Rによる刈り草を各回転刈り刃13L,13Rによって細断処理し、刈り刃ハウジング11の各刈り室20L,20Rの底からモーア10の下方に放出する。すなわち、マルチング作業を行う。
【0028】
〔別実施例〕
上記した実施例の如く二枚の回転刈り刃13L,13Rを備えたモーアの他、回転刈り刃を三枚以上備えたモーアにも本発明は適用することができる。この場合、複数枚の回転刈り刃のうちの隣り合った一対の回転刈り刃が、本発明が呼称する一対の回転刈り刃に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】乗用型草刈機の全体側面図
【図2】モーアのマルチング作業状態での平面図
【図3】モーアのディスチャージ作業状態での平面図
【図4】モーアの天板除去状態での平面図
【図5】刈り刃ハウジングの斜視図
【図6】モーアの縦断正面図
【図7】モーアの縦断側面図
【図8】刈り刃ハウジングの縦断側面図
【図9】前バッフルの横断平面図
【図10】後バッフルの平面図
【図11】後バッフルの斜視図
【図12】後バッフルの横断平面図
【符号の説明】
【0030】
11 刈り刃ハウジング
13L,13R 回転刈り刃
13LA,13RA 回転域
23 重合部
40 前バッフル
43 前バッフルの横一端側部
44 前バッフルの横他端側部
45 境界
46 底板
P 回転刈り刃の回転軸芯
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成18年10月16日(2006.10.16)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎


【公開番号】 特開2008−92909(P2008−92909A)
【公開日】 平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願番号】 特願2006−281185(P2006−281185)