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【発明の名称】 モーア
【発明者】 【氏名】今西 良造

【氏名】森川 知之

【氏名】上村 勝彦

【氏名】山下 信行

【氏名】黒原 一明

【氏名】大島 博

【要約】 【課題】サイドディスチャージ作業とマルチング作業との両作業を仕上がりのよい状態で行えるようにする。

【解決手段】刈り刃ハウジング11の内部に、刈り刃ハウジング上下向き軸芯Pまわりで回転自在な一対の回転刈り刃が刈り刃ハウジング横方向に並んで位置している。一対の回転刈り刃が互いに逆回転方向に回転する状態に回転駆動される。一対の回転刈り刃からの風に案内作用するよう一対の回転刈り刃の回転域どうしの間に入り込んだバッフル50を備えてある。バッフル50は、刈り刃ハウジング上端側に位置する上バッフル部53と、刈り刃ハウジング下端側に位置する下バッフル部54と、上バッフル部53と下バッフル部54との間に風が通り抜けるよう設けた風路55を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈り刃ハウジングの内部に、刈り刃ハウジング上下向き軸芯まわりで回転自在な一対の回転刈り刃が刈り刃ハウジング横方向に並んで位置し、前記一対の回転刈り刃が互いに逆回転方向に回転する状態に回転駆動されるよう構成したモーアであって、
前記一対の回転刈り刃からの風に案内作用するよう前記一対の回転刈り刃の回転域どうしの間に入り込んだバッフルを備え、
前記バッフルに、刈り刃ハウジング上端側に位置する上バッフル部と、刈り刃ハウジング下端側に位置する下バッフル部と、前記上バッフル部と前記下バッフル部との間に風が通り抜けるよう設けた風路とを備えてあるモーア。
【請求項2】
前記刈り刃ハウジングの横一端部に、開閉自在な刈り草排出口を設けてある請求項1記載のモーア。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、刈り刃ハウジングの内部に、刈り刃ハウジング上下向き軸芯まわりで回転自在な一対の回転刈り刃が刈り刃ハウジング横方向に並んで位置し、前記一対の回転刈り刃が互いに逆回転方向に回転する状態に回転駆動されるよう構成したモーアに関する。
【背景技術】
【0002】
上記したモーアとして、従来、たとえば特許文献1に示されるものがあった。特許文献1に示されるモーアは、ハウジング(刈り刃ハウジングに相当)の横方向に並んだ三枚のブレード(回転刈り刃に相当)と、三枚のブレードの前方に位置したバキュームプレートとを備えている。三枚のブレードのうちの中央に位置したブレードと右側に位置したブレードとは、互いに逆の回転方向に回転するよう駆動される。バキュームプレートは、中央のブレードの回転域と、右側のブレードの回転域との間に入り込んだ排出湾曲部を備えている。排出湾曲部は、一対の回転刈り刃としての中央ブレードと右側ブレードとに対するバッフルとなり、中央ブレードと右側ブレードとからの風に案内作用する。この排出湾曲部の回転域間に入り込んでいる長さは、排出湾曲部の刈り刃ハウジング上下方向での全長(全高)にわたってほぼ同一の長さになっている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−45828号公報(段落〔0055〕、図4,5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
刈り刃ハウジング横方向に並んだ一対の回転刈り刃を互いに逆回転方向に回転駆動される状態で備えたモーアにおいて、刈り刃ハウジングの横一端部に刈り草排出口を設けて、サイドディスチャージ作業を行えるように構成し、刈り刃ハウジング横一端部の刈り草排出口を閉じるか設けないで、マルチング作業を行えるよう構成することがある。すなわち、刈り草排出口を設けることにより、各回転刈り刃によって刈り処理した刈り草を刈り刃ハウジングの横一端部からモーア横外側に放出するサイドディスチャージ作業を行うことができる。刈り刃ハウジング横一端部の刈り草排出口を閉じるか設けないことにより、各回転刈り刃からの刈り草を刈り刃ハウジングの底からモーア下方に放出するマルチング作業を行うことができる。この場合、従来のバッフルに関する技術を採用すると、サイドディスチャージ作業の際、刈り草のモーア横外側への放出性能が低下しがちになるか、マルチング作業の際、刈り草の細断や分散性能が低下しがちになっていた。
【0005】
すなわち、サイドディスチャージ作業の場合、一対の回転刈り刃のうちの刈り草排出口から遠い側に位置する回転刈り刃によって刈り処理された刈り草が、刈り草排出口に近い側の回転刈り刃によって刈り処理された刈り草に合流して刈り草排出口から放出されるよう、刈り草排出口から遠い側の回転刈り刃による刈り草が、刈り草排出口に近い側の回転刈り刃の回転域にスムーズに流入することが好ましい。マルチング作業の場合、各回転刈り刃による刈り草の細断処理が行われるよう、かつ、各回転刈り刃の回転域で刈り草の下方への放出が行われるよう、各回転刈り刃によって刈り処理された刈り草が回転刈り刃の回転域を回流することが好ましい。
ところが、サイドディスチャージ作業の際、刈り草排出口から遠い側の回転刈り刃の回転域で発生した刈り草を刈り草排出口に近い側の回転刈り刃の回転域に流入しやすくするには、バッフルがその流入の障害物になりにくいよう、バッフルの回転域間に入り込む長さを短くする必要があった。すると、マルチング作業の際、各回転刈り刃からの風がバッフルから外れた箇所で互いに他方の回転刈り刃の回転域に向かって流動し、両回転域が連通する箇所で各回転刈り刃からの風が合流し、各回転刈り刃からの刈り草が各回転刈り刃の回転域を回流しにくくなっていた。
これに対し、マルチング作業の際、各回転刈り刃からの風がバッフルから外れた箇所でも各回転刈り刃の回転域に向かって分かれて流動し、各回転刈り刃からの刈り草が各回転刈り刃の回転域を回流しやすくするには、バッフルによる風の案内が確実に行われるよう、バッフルの回転域に入り込む長さを長くする必要があった。すると、サイドディスチャージ作業の際、刈り草排出口から遠い側の回転刈り刃による刈り草が刈り草排出口に近い側の回転刈り刃の回転域に流入しにくくなっていた。
【0006】
本発明の目的は、サイドディスチャージ作業とマルチング作業とのいずれの作業も仕上がりの良い状態で行えるようにできるモーアを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本第1発明は、刈り刃ハウジングの内部に、刈り刃ハウジング上下向き軸芯まわりで回転自在な一対の回転刈り刃が刈り刃ハウジング横方向に並んで位置し、前記一対の回転刈り刃が互いに逆回転方向に回転する状態に回転駆動されるよう構成したモーアにおいて、
前記一対の回転刈り刃からの風に案内作用するよう前記一対の回転刈り刃の回転域どうしの間に入り込んだバッフルを備え、
前記バッフルに、刈り刃ハウジング上端側に位置する上バッフル部と、刈り刃ハウジング下端側に位置する下バッフル部と、前記上バッフル部と前記下バッフル部との間に風が通り抜けるよう設けた風路とを備えてある。
【0008】
本第1発明の構成によると、上バッフル部および下バッフル部の回転域間に入り込む長さを長くし、各回転刈り刃からの風や刈り草がバッフルから外れても各回転刈り刃の回転域に向かって流動するよう上バッフル部と下バッフル部とによる案内によって一方の回転域と他方の回転域とに分かれて流動するようにしながら、一方の回転刈り刃からの風が風路を通り抜けて他方の回転刈り刃の回転域に流動し、一方の回転刈り刃からの刈り草が他方の回転刈り刃の回転域に流入しやすいようにできる。刈り刃ハウジングの横一端部に開閉自在に設けた刈り草排出口を閉じるなど、刈り刃ハウジングの横一端部に刈り草排出口を設けない場合、一対の回転域の圧力差が発生しにくく、前記風路が存在しながらも、各回転刈り刃からの風がバッフルを外れてからも各回転刈り刃の回転域に戻りやすくなる。
【0009】
これにより、サイドディスチャージ作業を行えるようにするに当たり、刈り草排出口から遠い側の回転刈り刃による刈り草を刈り草排出口に近い側の回転刈り刃による刈り草にスムーズに合流させ、各回転刈り刃からの刈り草がモーア横外側に確実に放出されて回収しやすいなど良好な状態で作業できるようにできる。マルチング作業を行えるようにするに当たり、各回転刈り刃による刈り草を各回転刈り刃の回転域で回流させ、各回転刈り刃による刈り草が細断されるとともにモーア下方にモーア横方向に均等に分散した状態で放出される良好な仕上がりで作業できるようにできる。
【0010】
本第2発明は、本第1発明の構成において、前記刈り刃ハウジングの横一端部に、開閉自在な刈り草排出口を設けてある。
【0011】
本第2発明の構成によると、刈り草排出口を開放すると、各回転刈り刃による刈り草が刈り草排出口からモーア横外側に放出され、刈り草排出口を閉じると、各回転刈り刃による刈り草が各回転刈り刃の回転域でモーア下方に放出される。
【0012】
これにより、サイドディスチャージ作業とマルチング作業との両作業を行えるモーアでありながら、刈り草排出口を開閉するだけで操作簡単にサイドディスチャージ作業とマルチング作業とに切り換えられるよう操作性に富んだ状態に得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係るモーア10が装着された乗用型草刈機の全体側面図である。この図に示すように、乗用型草刈機は、左右一対の操向操作自在な前車輪1,1と左右一対の駆動自在な後車輪2,2とによって自走するよう構成し、かつ、ステアリングホィール3および運転座席4を有した運転部を備えた自走車体と、この自走車体の車体フレーム5の前後輪間にリンク機構6を介して連結された本発明の実施例に係るモーア10とを備えている。自走車体は、車体前部に設けたエンジン7を備えるとともに、このエンジン7の車体上下向きの出力軸7aからの出力を伝動ベルト8により、モーア10の刈り刃駆動機構30に伝達する。リンク機構6は、車体フレーム5の前端部とモーア10の刈り刃ハウジング11の後端側とにわたって連結された昇降リンク6aと、この昇降リンク6aの中間部と車体フレーム5とにわたって連結された揺動リンク6bと、この揺動リンク6bの一端部と前記刈り刃ハウジング11の前端側とにわたって連結された連結リンク6cとを備えている。前記昇降リンク6aは、この昇降リンク6aの後端部に連動機構9aを介して連動された昇降レバー9が上下揺動操作されることにより、車体フレーム5に対して上下に揺動操作され、モーア10の後端側を車体フレーム5に対して昇降操作する。昇降リンク6aは、上下に揺動操作されると、揺動リンク6bを車体フレーム5に対して上下に揺動操作し、モーア10の前端側を車体フレーム5に対して昇降操作する。
【0014】
すなわち、乗用型草刈機は、草刈り作業を行うものである。つまり、昇降レバー9を上下揺動操作することにより、リンク機構6が車体フレーム5に対して上下に揺動操作され、モーア10を左右一対のゲージ輪12,12が地面に接地した下降作業状態と、前記各ゲージ輪12が地面から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降操作する。モーア10を下降作業状態にして自走車体を走行させると、モーア10は、前記刈り刃ハウジング11の内部に位置する二枚の回転刈り刃13L,13Rを前記刈り刃駆動機構30によって回転駆動し、各回転刈り刃13L,13Rによって芝や草(以下、単に草と称する。)の刈り処理を行い、各回転刈り刃13L,13Rからの刈り芝や刈り草(以下、単に刈り草と称する。)を刈り刃ハウジング11の横一端部からモーア横外側に放出するサイドディスチャージ作業、あるいは各回転刈り刃13L,13Rからの刈り草を刈り刃ハウジング11の底からモーア下方に放出するマルチング作業を行う。
【0015】
次に、モーア10についてさらに詳述する。図2は、モーア10のマルチング作業状態での平面図である。図3は、モーア10のサイドディスチャージ作業状態での平面図である。図4は、モーア10の天板除去状態での平面図である。これらの図に示すように、モーア10は、前記刈り刃ハウジング11と、前記刈り刃駆動機構30と、前記二枚の回転刈り刃13L,13Rと、前記刈り刃ハウジング11の前部の外側に刈り刃ハウジング両横端部に分散配置して設けた前記左右一対のゲージ輪12,12とを備える他、前記刈り刃ハウジング11の後部の外側に刈り刃ハウジング横方向での中央部に配置して設けた障害物乗り越えローラ15を備えている。
【0016】
図5は、刈り刃ハウジング11の底面側からの斜視図である。この図、および図2,4に示すように、刈り刃ハウジング11は、天板16と、この天板16の周縁部から刈り刃ハウジング下方向きに延出した前壁17と後壁18と横壁19とを備えさせ、刈り刃ハウジング11の横方向に並んだ一対の刈り室20L,20Rを備えるよう構成してある。前記前壁17は、各回転刈り刃13L,13Rの回転域13LA,13RAの前側部分の外周に沿った前円弧壁部17aと、前記一対の前円弧壁部17a,17aを連結する直線形の前直線壁部17bとを備えている。前記後壁18は、各回転刈り刃13L,13Rの回転域13LA,13RAの後側部分の外周に沿った円弧形の後円弧壁部18aと、前記一対の後円弧壁部18a,18aを連結する直線形の後直線壁部18bとを備えている。前記横壁19は、前記一方の回転刈り刃13Lの回転域13LAの横側部分の外周に沿った円弧形になっている。前記一対の刈り室20L,20Rは、刈り刃ハウジング11の前後方向に若干位置ずれし合い、かつ、刈り刃ハウジング11の横幅方向での中央部で連通し合っている。各刈り室20L,20Rは、刈り刃ハウジング11の底側で下方向きに開口している。前記一対の刈り室20L,20Rのうち、やや刈り刃ハウジング後方側に位置した方の刈り室20Rは、この刈り室20Rの他方の刈り室20Lに連通している側とは反対側の横端部に連通した前記刈り草排出口14を備えている。図5に示す縁金28は、後壁18の下端に沿わせて刈り刃ハウジング11に装着される。
【0017】
図4,6に示すように、前記二枚の回転刈り刃13L,13Rの一方の回転刈り刃13Lは、前記一対の刈り室20L,20Rの一方の刈り室20Lに、他方の回転刈り刃13Rは、他方の刈り室20Rにそれぞれ位置している。各回転刈り刃13L,13Rは、前記天板16にベアリングホルダ21を介して回転自在に支持された回転支軸22の下端部に一体回転自在に装着されている。すなわち、各回転刈り刃13L,13Rは、前記回転支軸22が備える刈り刃ハウジング上下向き軸芯Pのまわりで回転支軸22と共に回転する。二枚の回転刈り刃13L,13Rは、刈りハウジング前後方向に若干位置ずれした状態で刈り刃ハウジング横方向に並んでおり、刈り刃ハウジング11の前後方向視で一方の回転刈り刃13Lの回転域13LAと、他方の回転刈り刃13Rの回転域13RAとが重なり合った重合部23を形成する。各回転刈り刃13L,13Rは、回転刈り刃13L,13Rの両端部に設けた切断刃24と、各切断刃24の背後側に設けた起風羽根25とを備えている。
【0018】
図2は、刈り刃駆動機構30の平面視での構造を示している。図6は、刈り刃駆動機構30の正面視での構造を示している。これらの図に示すように、刈り刃駆動機構30は、前記天板16の後端部に刈り刃ハウジング上下向きの取り付け姿勢で回転自在に支持された入力軸31と、この入力軸31に一体回転自在に支持された伝動プーリ32と、前記各回転刈り刃13L,13Rの回転支軸22に一体回転自在に支持された刈り刃駆動プーリ33と、前記伝動プーリ32と前記各刈り刃駆動プーリ33とにわたって巻回された伝動ベルト34とを備えている。前記入力軸31は、前記伝動ベルト8が巻回された入力プーリ35を前記伝動プーリ32よりも入力軸上端側に位置させて一体回転自在に備えている。前記伝動ベルト34は、天板16に回転自在に支持された案内プーリ36と、前記入力軸31にテンションアーム37を介して支持されたテンションプーリ38とにも巻回されている。
すなわち、刈り刃駆動機構30は、エンジン7から伝動ベルト8を介して入力プーリ35に伝動されて駆動される入力軸31の駆動力を伝動ベルト34によって各刈り刃駆動プーリ33に伝達して各回転支軸22を回転駆動し、これによって各回転刈り刃13L,13Rを回転駆動する。一方の回転刈り刃13Lを回転支軸22の軸芯Pまわりで回転方向A(図4参照)に回転するよう駆動し、他方の回転刈り刃13Rを回転支軸22の軸芯Pまわりで前記一方の回転刈り刃13Lの回転方向Aとは逆の回転方向B(図4参照)に回転するよう駆動する。
【0019】
図2,3,6に示すように、刈り刃ハウジング11は、刈り刃ハウジング外側の前記刈り草排出口14が位置する側の横端部に設けた蓋体26を備えている。この蓋体26は、前記回転刈り刃13Rの回転支軸22から揺動自在に延出された支持アーム26aに支持されており、この支持レール26aと共に移動操作されることにより、刈り草排出口14を開閉する。図2,6に示すように、刈り刃ハウジング11は、天板16の刈り草排出口14の近くに支持された放出ガイド27を備えている。放出ガイド27は、上下揺動自在に支持されており、下降作用姿勢に切り換えられることにより、刈り草排出口14から放出される刈り草を横外向きに飛散するよう案内する。
【0020】
図4,5に示すように、刈り刃ハウジング11は、刈り刃ハウジング内側の前記一対の回転刈り刃13L,13Rの前方に配置した前バッフル40を備えている。図4は、前バッフル40の平面視での構造を示している。図5は、前バッフル40の斜視での構造を示している。図8は、前バッフル40の縦断面構造を示している。図9は、前バッフル40の横断平面図である。これらの図に示すように、前バッフル40は、前バッフル40の上端部に連結された取り付けブラケット41と、この取り付けブラケット41を前記前直線壁部17bに締め付け連結した連結ボルト42とを介して前直線壁部17bに連結された屈曲板によって構成してある。前バッフル40は、刈り刃ハウジング横方向での横一端側に位置した横一端側部43と、刈り刃ハウジング横方向での横他端側に位置した横他端側部44と、前記横一端側部43と横他端側部44との境界45を形成した屈曲点とを備えている。
【0021】
前記横一端側部43は、前記刈り草排出口14を備えない刈り室13LAの前記前円弧壁部17aの内面に滑らかに連続し、かつ、前記刈り室20Lに位置する回転刈り刃13Lの回転域13LAに対向した平坦面形の案内面43aを備え、前記回転刈り刃13Lからの風を回転域13LAに向けて流動するよう案内面43aによって案内する。前記横他端側部44は、前記刈り草排出口14を備えた刈り室20Rの前記前円弧壁部17aの内面に滑らかに連続し、かつ、前記刈り室20Rに位置する回転刈り刃13Rの回転域13RAに対向した平坦面形の案内面44aを備え、前記回転刈り刃13Rからの風を刈り草排出口14に向けて流動するよう案内面44aによって案内する。前記横一端側部43は、前記案内面43aとは反対側に位置した刈り刃ハウジング前方向きの押圧面43bを刈り刃ハウジング前後向きに対して傾斜した状態で備えている。前記境界45は、前記重合部23から刈り刃ハウジング11の前記刈り草排出口14が位置する方の横端側に外れて位置し、前記押圧面43bの刈り刃ハウジング横方向で端であって、前記境界45が位置する側での端が前記重合部23から刈り刃ハウジング11の前記刈り草排出口14が位置する方の横端側に外れて位置している。
前バッフル40は、この前バッフル40の下端部から刈り刃ハウジング後方向きに延出した底板46を備えている。
すなわち、前バッフル40は、重合部23に入り込もうとする草を横一端側部43の押圧面43bによって重合部23から刈り刃ハウジング横端側に外れた箇所に向けて押圧操作し、横一端側部43を通過した後の草を横一端側部43によって押圧された倒伏姿勢に維持するよう底板46によって上方から押圧操作する。
【0022】
図4,5に示すように、刈り刃ハウジング11は、刈り刃ハウジング内側の前記一対の回転域13LA,13RAの刈り刃ハウジング後側部分どうしの間に設けた後バッフル50を備えている。
図5は、後バッフル50の斜視での構造を示している。図8は、後バッフル50の縦断面構造を示している。図10は、後バッフル50の平面図である。図11は、後バッフル50の斜視図である。図12は、後バッフル50の横断平面図である。これらの図に示すように、後バッフル50は、後バッフル50の内部に連結された取り付けブラケット51と、この取り付けブラケット51を前記後直線壁部18bに連結した連結ボルト52とを介して後直線壁部18bに連結された構造体によって構成してあり、天板16の内面と同じ配置高さに上端が位置するよう刈り刃ハウジング上端側に位置した上バッフル部53と、刈り刃ハウジング11の下端と同じ配置高さに下端が位置するよう刈り刃ハウジング下端側に位置した下バッフル部54と、この下バッフル部54と前記上バッフル部53との間に設けた風路55とを備えている。
【0023】
上バッフル部53は、刈り草排出口14を備えない刈り室20Lに対向した第一湾曲案内面53aと、刈り草排出口14を備えた刈り室20Rに対向した第二湾曲案内面53bとを備えている。第一湾曲案内面53aは、刈り草を刈り室20Lの回転域13LAの外周に沿って回流するよう、かつ、刈り草を刈り室20Lの上部から下部に下降するようそれぞれ流動案内する湾曲面になっている。第二湾曲案内面53bは、刈り草を刈り室20Rの回転域13RAの外周に沿って回流するよう、かつ、刈り草を刈り室20Rの上部から下部に下降するようそれぞれ流動案内する湾曲面になっている。上バッフル部53の先端53cは、下バッフル部54の先端54cよりも刈り刃ハウジング前後方向での内側により深く入り込んでいる。
【0024】
下バッフル部54は、刈り草排出口14を備えない刈り室20Lに対向した第一湾曲案内面54aと、刈り草排出口14を備えた刈り室20Rに対向した第二湾曲案内面54bとを備えている。第一湾曲案内面54aは、回転刈り刃13Lからの風を刈り室20Lで回流するよう流動案内する湾曲面になっている。第二湾曲案内面54bは、回転刈り刃13Rからの風を刈り室20Rで回流するよう流動案内する湾曲面になっている。
【0025】
風路55は、後バッフル50の前記下バッフル部54と前記上バッフル部53とを連結している連結部分56によって形成され、回転刈り刃13Lの起風羽根25によって発生した風に、前記連結部分56の外側面56aに沿って下バッフル部54と上バッフル部53の間を通り抜け、刈り室20Rに流入して回転刈り刃13Rからの風に合流する風を発生させる。前記外側面56aは、回転刈り刃13Lからの風を刈り室20Rに流入しやすい方向に流動するよう流動案内する。
【0026】
図6,7に示すように、刈り刃ハウジング11は、前記各ベアリングホルダ21を覆ったホルダカバー60を備えている。ホルダカバー60は、ベアリングホルダ21を全周囲にわたって覆うよう円筒状に構成され、ホルダカバー60の上端側に設けた連結フランジ部61で天板16にボルト連結されている。ホルダカバー60は、前記連結フランジ部61に連なった凹入形の湾曲案内面62を備えている。湾曲案内面62は、回転刈り刃13L,13Rによって切断され、刈り室20L,20Rの上部に上昇して軸芯Pに向けて流動した刈り草をホルダカバー60に沿って刈り室20L,20Rの中心部に落下するよう流下案内する。
【0027】
すなわち、モーア10は、エンジン7の出力を伝動ベルト8によって刈り刃駆動機構30に入力し、この刈り刃駆動機構30によって一方の回転刈り刃13Lを軸芯Pまわりで回転方向Aに、他方の回転刈り刃13Rを軸芯Pまわりで回転方向Bにそれぞれ回転駆動し、各回転刈り刃13L,13Rの切断刃24によって草刈りを行う。重合部23に入り込もうとする草を前バッフル40の横一端側部43の押圧面43bによって重合部23から刈り刃ハウジング横端側に外れた箇所に向けて押圧操作し、この横一端側部43を通過した草を底板46による上方からの押圧操作によって横一端側部43の押圧操作による倒伏姿勢に維持し、重合部23への草の入り込みを抑制しながら草刈りを行う。このように草刈りを行うとき、各回転刈り刃13L,13Rの起風羽根25によって風を発生させる。
刈り草排出口14を開放してあると、回転刈り刃13Rによって発生した風を後円弧壁部18a、後バッフル50における下バッフル部54の第二湾曲案内面54b、前バッフル40の横他端側部44、前湾曲壁部17aによる流動案内によって刈り草排出口14に流動させ、回転刈り刃13Lによって発生した風を後バッフル50の風路55によって刈り室20Rに流入させ、回転刈り刃13Rからの風に合流させて刈り草排出口14に流動させる。これにより、各回転刈り刃13L,13Rからの刈り草を各回転刈り刃13L,13Rからの風によって刈り草排出口14に搬送し、この刈り草排出口14からモーア10の横外側に放出する。すなわち、サイドディスチャージ作業を行う。
刈り草排出口14を蓋体26によって閉じてあると、回転刈り刃13Lによって発生した風を前バッフル40の横一端側部43と、前円弧壁部17aと、横壁19と、後円弧壁部18aと、後バッフル50における下バッフル部54の第一湾曲案内面54aとによる流動案内によって刈り室20Lで回流させ、この風と、後バッフル50における上バッフル部53の第一湾曲案内面54aによる流動案内とによって刈り草を回転刈り刃13Lによる切断作用を受けやすいように刈り室20Lで回流させ、回転刈り刃13Lによる刈り草の細断処理を行わせる。一方、回転刈り刃13Rによって発生した風を前バッフル40の横他端側部44と、前円弧壁部17aと、蓋体16の内面と、後円弧壁部18aと、後バッフル50における下バッフル部54の第二湾曲案内面54bとによる流動案内によって刈り室20Lで回流させ、この風と、後バッフル50における上バッフル部53の第二湾曲案内面53bによる流動案内とによって刈り草を回転刈り刃13Rによる切断作用を受けやすいように刈り室20Rで回流させ、回転刈り刃13Rによる刈り草の細断処理を行わせる。これにより、各回転刈り刃13L,13Rによる刈り草を各回転刈り刃13L,13Rによって細断処理し、刈り刃ハウジング11の各刈り室20L,20Rの底からモーア10の下方に放出する。すなわち、マルチング作業を行う。
【0028】
図13は、第二実施構造を備えた後バッフル50の横断平面図である。この図に示すように、第二実施例の後バッフル50と、先の実施例の後バッフル50とを比較すると、下バッフル部54と上バッフル部53との点では同一の構成を備え、風路55の点で相違した構成を備えている。
第二実施例の後バッフル50の風路55は、連結部分56の頂点56bを下バッフル部54の第二湾曲案内面54bと、上バッフル部53の第二湾曲案内面53bとを結ぶ線上に配置することによって構成してある。
【0029】
〔別実施例〕
上記した実施例の如く二枚の回転刈り刃13L,13Rを備えたモーアの他、回転刈り刃を三枚以上備えたモーアにも本発明は適用することができる。この場合、複数枚の回転刈り刃のうちの隣り合った一対の回転刈り刃が、本発明が呼称する一対の回転刈り刃に相当する。
【0030】
後バッフル50に替え、一対の回転刈り刃13L,13Rの前方側に配置する前バッフルを備えるモーアの場合にも本発明は適用することができる。従って、これら後バッフル50と前バッフルとを総称してバッフル50と呼称する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】乗用型草刈機の全体側面図
【図2】モーアのマルチング作業状態での平面図
【図3】モーアのサイドディスチャージ作業状態での平面図
【図4】モーアの天板除去状態での平面図
【図5】刈り刃ハウジングの斜視図
【図6】モーアの縦断正面図
【図7】モーアの縦断側面図
【図8】刈り刃ハウジングの縦断側面図
【図9】前バッフルの横断平面図
【図10】後バッフルの平面図
【図11】後バッフルの斜視図
【図12】後バッフルの横断平面図
【図13】第二実施構造を備えた後バッフルの横断平面図
【符号の説明】
【0032】
11 刈り刃ハウジング
13L,13R 回転刈り刃
13LA,13RA 回転域
50 バッフル
53 上バッフル部
54 下バッフル部
55 風路
P 回転刈り刃の回転軸芯
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成18年10月16日(2006.10.16)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎


【公開番号】 特開2008−92908(P2008−92908A)
【公開日】 平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願番号】 特願2006−281184(P2006−281184)