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【発明の名称】 コンバインの刈取装置
【発明者】 【氏名】阿波 雅之

【氏名】渡部 寛樹

【氏名】齋藤 学

【氏名】森本 寛之

【要約】 【課題】本発明の課題は、従来の刈取フレームの補強構造の改良に関し、簡単な構成でもって安価に実施することができ、かつ、穀稈の搬送に支障をきたさないシンプルな構成とする。

【構成】本発明は、横幅方向に分割可能に構成され刈取装置(11)への刈取伝動軸(14)を内装した左右横方向に延びる刈取横フレーム(15)と、該刈取横フレーム(15)に対し直交状態に連結され前記刈取伝動軸(14)への動力伝達軸(17)を内装した前後方向に延びる刈取縦フレーム(18)とからなり、前記刈取横フレーム(15)と刈取縦フレーム(18)との間には、両者の連結状態を補強する補強部材(30)を刈取横フレーム(15)と平行するようにこれに沿わせて設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向に分割可能に構成され刈取装置(11)への刈取伝動軸(14)を内装した刈取横フレーム(15)と、該刈取横フレーム(15)に対し直交状態に連結され前記刈取伝動軸(14)への動力伝達軸(17)を内装した刈取縦フレーム(18)とからなり、前記刈取横フレーム(15)と刈取縦フレーム(18)との間に、両者の連結状態を補強する補強部材(30)を刈取横フレーム(15)と平行姿勢に沿わせて設けてあることを特徴とするコンバインの刈取装置。
【請求項2】
前記補強部材(30)は、横壁部(30a)と縦壁部(30b)とからなるように断面L字型又は断面T字型に形成してあると共に、この補強部材(30)の縦壁部(30b)が刈取横フレーム(15)から突設するリブ(26)とオーバーラップするように保持させて設けてあることを特徴とする請求項1記載のコンバインの刈取装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインの刈取装置に関するものである。
術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、T字型に連結保持させた横向きの入力側基部伝動ケースと、前後向きの刈取縦フレームとを補強用の連結杆によって一体的に連結保持させた構成のものがある(例えば、特許文献1において図1の符号14参照)。
【特許文献1】特開2003−180125号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来構成のものでは、補強用連結杆によって、基部伝動ケースと刈取縦フレームとの交叉部位のコーナー(直角)部を橋渡し状(三角形の斜辺に相当)に連結保持するものであるため、かかる技術を刈取装置側の横向きの刈取横フレームと刈取縦フレームとの補強構成に応用すると、その補強用連結杆が穀稈搬送の障害となり、刈取後の穀稈搬送作用に支障をきたす問題が発生し、また、補強用連結杆の連結構成も複雑となり安価に実施し難い問題がある。
【0004】
本発明の課題は、簡単な構成の補強構造でありながら安価に実施でき、かつ、穀稈の搬送に支障をきたさないシンプルな構成とし、従来の問題点を解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するために、次の如き技術手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の本発明は、左右方向に分割可能に構成され刈取装置(11)への刈取伝動軸(14)を内装した刈取横フレーム(15)と、該刈取横フレーム(15)に対し直交状態に連結され前記刈取伝動軸(14)への動力伝達軸(17)を内装した刈取縦フレーム(18)とからなり、前記刈取横フレーム(15)と刈取縦フレーム(18)との間に、両者の連結状態を補強する補強部材(30)を刈取横フレーム(15)と平行姿勢に沿わせて設けてあることを特徴とするコンバインの刈取装置とする。
【0006】
補強部材15は、刈取横フレーム15と平行姿勢に沿わせているので、この刈取横フレーム15上を通過する穀稈の搬送作用に支障をきたしにくい。また、この補強部材30の刈取横フレーム15に対する連結手段としては、刈取縦フレーム18の刈取横フレーム15に対する取付ボルト及び分割可能な刈取横フレームの分割フランジを締付固定する締付ボルトを共用することができ、安価に実施することができる。
【0007】
請求項2記載の本発明は、前記補強部材(30)は、横壁部(30a)と縦壁部(30b)とからなるように断面L字型又は断面T字型に形成してあると共に、この補強部材(30)の縦壁部(30b)が刈取横フレーム(15)から突設するリブ(26)とオーバーラップするように保持させて設けてあることを特徴とする請求項1記載のコンバインの刈取装置とする。
【0008】
補強部材30の縦壁部30bが刈取横フレーム15から突設したリブ26とオーバーラップしているので、刈取横フレーム15と補強部材30との隙間が埋められ、泥土やワラ屑の溜まりが少なくなる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の本発明によれば、刈取横フレーム15と刈取縦フレーム18との間に設ける補強部材30は、刈取横フレーム15と平行姿勢に沿わせているので、この刈取横フレーム15上を通過する穀稈の搬送作用に支障をきたしにくく、刈取後の穀稈搬送作用が円滑に行なえ、刈取作業の能率を向上させることができる。また、補強部材30の取付手段として別個に取付部品を設ける必要がなく、刈取縦フレーム18の刈取横フレーム15に対する取付ボルトや、分割可能な刈取横フレーム15の取付用締付ボルトを共用することができて部品点数が少なくて済、安価に実施することができる。
【0010】
また、請求項2の本発明によれば、請求項1の発明効果を奏するものでありながら、補強部材30の縦壁部30bが刈取横フレーム15から突設したリブ26とオーバーラップするように保持されているので、刈取横フレーム15と補強部材30との隙間を少なくすることができ、泥土やワラ屑などの溜まりを未然に防止することができて、刈取作業を円滑に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、図1〜図3に示すコンバインの構成について述べる。
走行クロ−ラ1を具備する車体2上には、前部に昇降可能な刈取部3を、後部に脱穀装置(脱穀部)4を搭載している。刈取部3の横側部には前側に操作ボックス5、その後側に運転席6が設置され、その後方には収穫された穀粒を一時的に貯溜するグレンタンクGが装備されている
刈取部3は、穀稈を左右に分草する分草体9と、分草後の4条の穀稈を引き起す引起し装置10と、引起し後の穀稈を刈り取るバリカン式の刈取装置11と、刈取後の穀稈を揚上搬送し穂先側を脱穀装置4の扱室内に供給し株元側をフィードチエン13に受け渡す揚上搬送装置12とからなる。
【0012】
次に刈取部を支持するフレーム構造について説明すると、横幅方向に分割可能に構成され刈取装置11及び引起し装置10への刈取伝動軸14を内装した左右横方向に延びる刈取横フレーム(刈取横伝動ケース)15と、該刈取横フレームに対し直交状態に連結され前記刈取伝動軸14へベベルギヤ16を介して動力伝達する動力伝達軸17を内装した前後方向に延びる刈取縦フレーム18、該刈取縦フレーム18の基部(後端)側に装着され前記動力伝達軸17への刈取入力軸19を内装した左右横方向に延びる刈取入力伝動ケース20とからなる構成になっている。刈取入力軸19の外端には刈取入力プーリ19aが固着されている。刈取入力伝動ケース20は、車体2側から立設された刈取懸架台29に架設してあり、刈取入力軸19を支点として刈取部3が上下回動する構成としている。刈取入力軸19から分岐して別の伝動機構21を設けて前記揚上搬送装置12を駆動する構成としている。刈取入力伝動ケース19と刈取縦フレーム18とは補強フレーム22によって両者の連結状態を補強する構成としている。
【0013】
刈取横フレーム15は、横幅方向に分割可能に構成されてあり、実施例では15a,15b,15cの三体に分割され、互いに対向する分割フランジ部23,23を接合させて締付ボルト24により締付固定する構成としている。また、前記刈取縦フレーム18と刈取横フレーム15との連結構成は、取付ボルト25によって一体的に締付固定する構成としている。
【0014】
なお、前記刈取伝動軸14からは、刈刃駆動軸27を介して刈取装置11を駆動し、引起し駆動軸28を介して引起し装置10を駆動するように連動構成している。
そして、前記刈取横フレーム15と刈取縦フレーム18との間には、両者の連結状態を補強する補強部材30を刈取横フレーム15と平行するようにこれに沿わせて設けるが、刈取横フレーム15の背部に沿わせることで、該フレーム15の上面を通過する穀稈の搬送に支障なきよう配置構成し、刈取縦フレーム18の刈取横フレーム15に対する取付ボルト25及び刈取横フレーム15の分割可能な分割体15a,15b,15cに対する接合固定用締付ボルト24を介して強固に締付固定する構成としている。
【0015】
また、かかる補強部材30は、横壁部30aと縦壁部30bとからなるように断面(若しくは側面視)L字型又はT字型に構成してあり、しかも、この左右両端部には刈取横フレーム15の左右側における分割フランジ部23,23を越えた位置で取り付けるための取付片31を突設した構成としている。そして、この補強部材30は、縦壁部30bが刈取横フレーム15から突設するリブ26とオーバーラップするように接合保持させた構成とし、泥土やワラ屑の溜まりを防ぐようにしている。
【0016】
更に、補強部材30は、図4、図5に示すように、左右二つに分割してあり、上方を通過する穀稈搬送に邪魔にならないように、左側を右側よりも短くした構成としている。
図9に示すように、引起し装置10の左右側引起しケース10L,10Rに対する中央側引起しケース10C,10Cの背部には、引起し後の穀稈を凭しかけた状態で後側方に向けて案内する案内カバー体35が設けられている。この案内カバー体35は、従来は一体構成であったものを、上部カバー体35uと下部カバー体35dとに分割可能に構成し、図10、図11に示す如く、上下カバー体にラップ代を設けて隙間をなくし、しかも、両者間には段差を設けると共にこの段差が左側ほど大きくなるように構成することで、穂先やワラ屑のひっかかり防止及び穀稈流れの円滑性向上を図るようにしている。
【0017】
図13に示すように、揚上搬送装置12の終端部位から穀稈の穂先側部を脱穀部4の入口受板37上に案内落下させる引継ゴム板38が設けられている。従来は、引継ゴム板38の垂れ下がりを防止するため、これを下から支持する支持プレートを揚上搬送装置側から突設していたが、本例では、この支持プレート39を入口受板37側から突設することで、引継ゴム板の揚上搬送装置の動き(扱ぎ深さ調節)に伴う大きな変化をなくして、穀稈の引継搬送がスムースに行えるようにしている。
【0018】
図15に示すように、最も左側に位置する分草体9Lを横軸芯40回りに前後方向に回動固定可能に構成し、中割り作業時には分草体9Lを通常位置(仮想線の状態位置)より前方位置(実線位置)に起立させ係止杆41により固定して使用する構成としている。立毛穀稈の中割り作業時は左側(未刈り地側)分草体の先端がどの位置を分草しているのか確認し難く作業者は不安であった。分草体を起立させることで、分草体上部にて立毛穀稈を分けることになり、分草体による中割分草作用状態を容易に確認することができる。
【0019】
図16及び図17に示す実施例は、刈取装置11と揚上搬送装置12との間に設けられる2条の刈取穀稈を揚上搬送装置の始端部に送り込む掻込装置42の構成例を示す。掻込装置42は、主として左右一対の掻込スターホイル43,43と、該掻込スターホイル43,43の上側から前方に向けて平面視ハの字状に配置された掻込ベルト44,44とからなり、2条の刈取穀稈を掻込ベルト44,44により後方に掻き寄せ、掻込スターホイル43,43で後方に掻き込んで揚上搬送装置12の始端部に引き継がせるように構成している。そして、掻込スターホイル43,43の上側近接位置には左側掻込ガイド板45Lと右側掻込ガイド板45Rが配設されている。従来は、図19に示すように、短稈を刈る時、揚上搬送装置始端の穂先側搬送部が穂先に作用せず、根元側搬送部のみでのキャッチングとなり、穀稈が垂直姿勢で引継搬送されないと取りこぼしが発生し、右側方向へ倒れてしまう問題があった。本例では、図16及び図17に示すように、左側掻込ガイド板45Lの途中部位から右側掻込ガイド板45Rの終端部に沿うようにピアノ線状のガイド杆46を設ける。しかも、このガイド杆46は左右掻込ガイド板45L,45Rよりも上方に高い位置で、且つ、掻込ベルト44よりも下側位置に設けることで、短稈の右方向への倒れを防止することができ、ほぼ垂直姿勢を保って揚上搬送装置の始端へ良好に引き継がせることができるようになった。
【0020】
また、刈取部は左右横方向に移動自在に構成しているが、この刈取部の左右移動により揚上搬送装置(扱ぎ深さ調整用搬送装置に相当し、これは始端側を上下に移動調節する)もそれに追従して左右移動する構成としている。これにより、図17、図18に示すように、先端に長穴状のガイド溝47aを設けたガイドステー47が揚上搬送装置12の始端部から突設されてあり、そして、このガイドステー47を挿通支架するスライドガイド杆48は、これと一体的に固着支持した支持パイプ49を介して引起し駆動軸28内装の引起し駆動用パイプ50に溶接手段等によって一体化した構成としている。これによれば、支持構成が安定し、強度も確保でき、刈取部の左右移動に伴う揚上搬送装置の追従移動がスムースに行える。
【0021】
図20〜図22は、刈取前処理部(分草体、引起し装置、刈取装置、掻込装置等)3Fを左右横方向にスライド移動させる左右スライド機構の構成例を示すもので、刈取縦フレーム18の前端部に設けた電磁石51を備えたガイドレール52に対し、刈取前処理部側に設けたガイドフレーム53を横方向スライド自在に装架し、ガイドレール52に備えた電磁石51の電磁力(吸引力又は反発力)を利用して刈取前処理部を浮上させ(即ち、ガイドフレーム53が図22(イ)の状態から(ロ)の状態に浮上する。)、左右方向のスライド抵抗を低減させてスライド移動がスムースに行えるようにしている。なお、ガイドレール52の前後の端部にはスライド抵抗の少ない樹脂材54又はローラ等を設けておくとより良い効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】コンバインの側面図
【図2】コンバインの平面図
【図3】コンバインの正面図
【図4】刈取部の要部の一部破断せる平面図
【図5】同上要部の背面図
【図6】同上要部の左側断面図
【図7】刈取横フレームの左側断面図
【図8】同上右側断面図
【図9】コンバイン要部の正面図
【図10】引起し装置の要部の背面図
【図11】図10のS−S線断面図
【図12】案内カバー体の分解背面図
【図13】コンバイン要部の平面図
【図14】入口受板及び引継ゴム板の斜視図
【図15】刈取部の要部の側面図
【図16】刈取部要部の左側面図
【図17】刈取部要部の平面図
【図18】刈取部要部の右側面図
【図19】刈取部要部の従来例を示す一部の平面図
【図20】刈取前処理部の要部の斜視図
【図21】同上要部の(イ)側面図及び(ロ)側面図
【図22】同上要部の側面図
【符号の説明】
【0023】
3 刈取部 11 刈取装置
14 刈取伝動軸 15 刈取横フレーム
17 動力伝達軸 18 刈取縦フレーム
23 分割フランジ部 24 締付ボルト
25 取付ボルト 26 リブ
30 補強部材
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成18年8月29日(2006.8.29)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−54519(P2008−54519A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−232097(P2006−232097)