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【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】後藤 義昭

【氏名】松尾 理

【要約】 【課題】刈取り部を下降作業位置に迅速に下降させることも、刈取り部の地面への突っ込みを抑制しやすい状態で高刈りすることもできるコンバインを提供する。

【構成】自走機体の前部に揺動昇降自在に連結された刈取り部10に設けた接地部と、刈取り部10の接地部での接地圧が減少するよう刈取り部10に支持作用するバランスバネ21とを備えている。バランスバネ21を、刈取り部10の荷重による弾性変形操作の限界に至ることによって刈取り部10の自走機体に対する下降限界Aを設定するよう構成してある。刈取り部10が上昇ストロークエンドUから下降するに伴ってバランスバネ21が刈取り部10に対する支持作用を開始するときの刈取り部10の自走機体に対する連結高さを変更する調節手段29を備えてある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走機体の前部に刈取り部を揺動昇降自在に連結するとともに、前記刈取り部に設けた接地部と、刈取り部の前記接地部での接地圧が減少するよう刈取り部に支持作用するバランスバネとを備えたコンバインであって、
前記バランスバネを、刈取り部の荷重による弾性変形操作の限界に至ることによって刈取り部の自走機体に対する下降限界を設定するよう構成し、
前記刈取り部が上昇ストロークエンドから下降するに伴って前記バランスバネが刈取り部に対する支持作用を開始するときの刈取り部の自走機体に対する連結高さを変更する調節手段を備えてあるコンバイン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、自走機体の前部に刈取り部を揺動昇降自在に連結するとともに、前記刈取り部に設けた接地部と、刈取り部の前記接地部での接地圧が減少するよう刈取り部に支持作用するバランスバネとを備えたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のコンバインは、接地部とバランスバネとの作用により、刈取り部の地面への突っ込みを抑制した状態で刈取り部を接地部によって接地追従させることが可能になったものである。
この種のコンバインとして、従来、たとえば特許文献1に示されるものがあった。
特許文献1に示されたものは、走行機体の前部に揺動昇降自在に連結された刈取り部、刈取り部のデバイダ支持杆に固定された接地体(接地部に相当)、刈取り部主フレームを揺動操作する油圧シリンダに装着された圧縮コイルバネ(バランスバネに相当)を備えている。圧縮コイルバネは、刈取り部が刈取り作業高さ範囲に下降されていると、油圧シリンダのピストンロッドに装着された接当部材に支持作用し、油圧シリダに作用する荷重を軽減する。
【0003】
【特許文献1】特開2005−34051号公報(段落〔0024〕、図10)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のコンバインにおいて、刈取り部が自走機体に対する昇降範囲のうちの上側部分の域(上側域)に位置すると、バランスバネが刈取り部に支持作用しないよう構成すると、刈取り部を上昇非作業位置から下降作業位置に極力迅速に下降させることができる。すなわち、刈取り部が昇降範囲の上側域を下降する際、バランスバネによる下降抵抗を受けないで迅速に下降し、この分、下降作業位置に迅速に到達する。
このため、刈取り部の自走機体に対する昇降範囲のうち、バランスバネが支持作用しない上側域が極力広くなるよう、バランスバネが刈取り部に支持作用する下側域を狭く設定すると、刈取り部を下降作業位置に極力迅速に下降させることができる。すると、刈り高さを高く設定した高刈り作業の際、刈取り部の地面への突っ込みが発生しやすくなる。
すなわち、刈取り部の自走機体に対する昇降範囲のうちのバランスバネが刈取り部に支持作用する下側域が狭くなると、刈取り部が設定刈り高さを現出するための連結高さからバランスバネによる支持作用を受けた状態で上昇し得るストロークが小になる。自走機体が前下がり傾斜した際、刈取り部が接地反力を受けて自走機体に対して上昇する。刈取り部がバランスバネによる支持作用を受けた状態で上昇し得るストロークが小さい状態で、自走機体が前下がりして刈取り部が自走機体に対して上昇した場合、自走機体の前下がり角が小さくても、刈取り部がバランスバネによる支持作用を解除された状態で接地し、刈取り部がこれの荷重のために地面に沈下しやすくなる。
【0005】
本発明の目的は、刈取り部を下降作業位置に迅速に下降させることも、自走機体の前下がり角が大きくても刈取り部の地面への突っ込みを抑制しやすい状態で高刈りすることもできるコンバインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本第1発明は、自走機体の前部に刈取り部を揺動昇降自在に連結するとともに、前記刈取り部に設けた接地部と、刈取り部の前記接地部での接地圧が減少するよう刈取り部に支持作用するバランスバネとを備えたコンバインにおいて、
前記バランスバネを、刈取り部の荷重による弾性変形操作の限界に至ることによって刈取り部の自走機体に対する下降限界を設定するよう構成し、
前記刈取り部が上昇ストロークエンドから下降するに伴って前記バランスバネが刈取り部に対する支持作用を開始するときの刈取り部の自走機体に対する連結高さを変更する調節手段を備えてある。
【0007】
本第1発明の構成によると、刈取り部が上昇ストロークエンドから下降するに伴ってバランスバネが刈取り部に対する支持作用を開始するときの刈取り部の自走機体に対する連結高さを低い側や高い側に変更でき、低い側に変更すれば、刈取り部の自走機体に対する昇降範囲のうち、刈取り部がバランスバネによる支持作用を受けない状態で昇降する上側域が広くなる。すると、上昇非作業位置から下降作業位置に下降させる刈取り部は、上側域をバランスバネによる抵抗を受けないで迅速に下降し、下降作業位置に迅速に到達する。これに対し、高い側に変更すれば、刈取り部の自走機体に対する昇降範囲のうち、バランスバネによる支持作用を受けた状態で昇降する下側域が広くなる。すると、刈り高さを高く設定しても、刈取り部が設定刈り高さを現出すための連結高さからバランスバネによる支持作用を受けた状態で上昇し得るストロークが大になる。この結果、自走機体が前下がり傾斜した際、傾斜角が比較的大きくても、刈取り部がバランスバネによる支持作用を受けながら接地した状態になり、刈取り部の地面への突っ込みが発生しにくくなる。
【0008】
これにより、上昇非作業位置から下降作業位置に下降させる刈取り部を下降作業位置に迅速に到達させて能率よく作業するができる。また、自走機体が前下がり傾斜した場合の傾斜角が大きくても、刈取り部がバランスバネによる支持作用を受けて刈取り部の接地圧が小になり、刈取り部の地面への突っ込みを良好に抑制しながら高刈り作業することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係るコンバインの側面図である。図2は、本発明の実施例に係るコンバインの平面図である。これらの図に示すように、本発明の実施例に係るコンバインは、クローラ式の走行装置1によって自走し、かつ、運転座席2が装備された運転部を有した自走機体と、この自走機体の機体フレーム3の前部に連結された刈取り部10と、前記自走機体の機体フレーム3の後部側に設けた脱穀装置5および穀粒タンク6とを備えている。
【0010】
このコンバインは、稲、麦などの収穫を行うものである。すなわち、刈取り部10が有する前処理部フレーム11と前記機体フレーム3とにわたって設けた昇降操作機構50により、前記前処理部フレーム11が前記機体フレーム3の前部に位置する支持体4に対して自走機体横向きの軸芯Xまわりで揺動操作され、刈取り部10は、これの前部に自走機体横方向に並べて設けてある複数の橇形の接地部18が地面に接地し、かつ、前記接地部18の後側に位置する一つの刈取り装置12が地面近くに位置した下降作業状態と、前記接地部18が地面から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降操作される。刈取り部10を下降作業状態にして自走機体を走行させると、刈取り部10は、この刈取り部10の前部に自走機体横方向に並んで位置する複数の分草具14によって植立穀稈を刈り取り対象と非刈取り対象とに分草するとともに刈取り対象の植立穀稈を各分草具14の後方に位置する引き起こし経路15に案内し、各引き起こし経路15に案内された植立穀稈を引き起こし装置16によって引き起こし処理するとともにバリカン形の前記刈取り装置12によって刈取り処理し、刈取り装置12からの刈取り穀稈を供給装置17によって機体後方向きに搬送して脱穀装置5の脱穀フィードチェーン5aの始端部に供給する。脱穀装置5は、脱穀フィードチェーン5aによって刈取り穀稈の株元側を挟持して機体後方向きに搬送しながら穂先側を扱室(図示せず)に供給し、その穂先側を回動する扱胴(図示せず)によって脱穀処理する。穀粒タンク6は、脱穀装置5から搬送された脱穀粒を回収し、貯留していく。
【0011】
図1,2,3に示すように、前記前処理部フレーム11は、前記支持体4に基部11bが前記軸芯Xまわりで回動自在に支持された伝動ケースで成るメインフレーム11aと、このメイフレーム11aの先端部の自走機体横方向に並ぶ複数箇所から機体前方向きに延出した分草杆13とを備えている。前記各分草具14は、前記分草杆13の延出端部に設けてある。前記各接地部18は、前記分草具14の後方近くで前記分草杆13の下部に設けてある。
【0012】
図3は、前記昇降操作機構50の自走機体正面視での構造を示す。図4は、前記昇降操作機構50の自走機体側面視での構造を示す。これらの図に示すように、昇降操作機構50は、前記支持体4に固定された左右一対のブラケット52,52に連結軸部53bが自走機体横向きの軸芯53aまわりで回動自在に連結された揺動操作体53と、この揺動操作体53の遊端側軸部53dに固定されたブラケット58と機体フレーム3に固定されたブラケット54とにわたって連結された油圧式単動シリンダで成る昇降シリンダ51とを備えている。前記揺動操作体53の前記遊端側軸部53dと、揺動操作体53に固定された左右一対のブラケット56,56に支持された係止ロッド55とが前記メインフレーム11aを挟んでいることにより、揺動操作体53がメインフレーム11aに一体揺動自在に係止している。揺動操作体53の遊端側軸部53dは、メインフレーム11aに設けた保護プレート11cに当接してメインフレーム11aに押し上げ作用する。係止ロッド55は、仲介部材57を介してメインフレーム11aに係止作用する。図3,4に示す如く前記左右一対のブラケット56,56に回転自在に支持された螺旋軸60は、電動モータ61によって正回転方向や逆回転方向に回転操作され、横送り部材62を介してメインフレーム11aをこのメインフレーム11aと支持体4の連結軸に兼用の入力軸63に沿わせて移動操作する。すなわち、螺旋軸60は、刈取り部10を自走機体に対して中割り作業用の連結位置と回り刈り作業用の連結位置とに位置変更する。
【0013】
すなわち、昇降操作機構50は、昇降シリンダ51に油圧が供給されると、昇降シリンダ51が油圧によって伸長操作されて揺動操作体53を介してメインフレーム11aを上昇揺動操作することにより、刈取り部10を上昇操作し、昇降シリンダ51から油圧が排出されると、昇降シリンダ51が刈取り部10の重量によって短縮操作されてメインフレーム11aを下降揺動操作することにより、刈取り部10を下降操作する。
【0014】
図10は、昇降操作機構50の油圧回路を示す。この図に示すように、前記昇降シリンダ51の制御弁Vは、「中立」に切り換え操作されると、昇降シリンダ51に対する油圧の供給及び排出を停止する。制御弁Vが「中立」に操作された状態においても、昇降シリンダ51は、接地部18に作用する接地反力の大きさによっては、この接地反力と、バランスバネ21による上昇操作力との合力のために、かつ、圧油の気泡含有などのために若干伸長操作される。すなわち、制御弁Vが「中立」に操作された状態においても、接地部18に作用する接地反力の変化により、昇降シリンダ51が若干伸縮し、その分、刈取り部10が自走機体に対して昇降する。
【0015】
図3,5に示すように、機体フレーム3の前部にバランス支持手段20を設けてある。図3は、バランス支持手段20の自走機体正面視での構造を示す。図5は、バランス支持手段20の側面図を示す。図6は、バランス支持手段20の縦断側面図である。図7は、バランス支持手段20の縦断平面図である。図8は、バランス支持手段20のバランスバネ21が配設された部位の正面図である。これらの図に示すように、バランス支持手段20は、機体フレーム3に固定されたバネ受け台26と、このバネ受け台26に固定されている一対の支軸27,27に支持された基端側バネホルダ25および先端側バネホルダ28と、前記基端側バネホルダ25と前記先端側バネホルダ28とバネカバー30との内部に設けたコイルバネで成るバランスバネ21と、前記基端側バネホルダ25と先端側バネホルダ28とにわたって装着された調節手段としての調節ネジ軸29とを備えている。
【0016】
一対の支軸27,27は、先端側バネホルダ28を摺動自在に支持している。バネカバー30は、伸縮自在になっている。調節ネジ軸29は、基端側バネホルダ25および先端側バネホルダ28のネジ軸孔25a,28aを摺動自在に挿通している。この調節ネジ軸29は、先端側バネホルダ28の外面側に係止するように構成した設けた頭部29aと、基端側バネホルダ25の外面側に係止するように構成して装着された調節ネジ29bとを備えており、調節ネジ29bが回動操作されることにより、先端側バネホルダ28と基端側バネホルダ25との連結間隔を変更し、バランスバネ21のバネ受け台26に組み付けられた状態での長さL(以下、組み付け長さLと呼称する。)を変更調節する。
【0017】
図9は、前記メインフレーム11aの自走機体に対する連結高さを刈取り部10の自走機体に対する連結高さとして示す側面図である。図11(イ)、(ロ)、(ハ)は、バランスバネ21の組み付け長さLを中間長さL1よりも長い長さL2に調節された状態にあるバランス支持手段20と、刈取り部10の自走機体に対する連結高さとの関係を示す側面図である。図11(ニ)、(ホ)、(ヘ)は、バランスバネ21の組み付け長さLを中間長さL1よりも短い長さL3に調節された状態にあるバランス支持手段20と、刈取り部10の自走機体に対する連結高さとの関係を示す側面図である。図12(イ)、(ロ)、(ハ)は、バランスバネ21の組み付け長さLを中間長さL1に調節された状態にあるバランス支持手段20と、刈取り部10の自走機体に対する連結高さとの関係を示す側面図である。
【0018】
これらの図に示すように、バランスバネ21の組み付け長さLを中間長さL1よりも長い長さL2に調節された場合、刈取り部10が自走機体に対する上昇ストロークエンドの連結高さUから下降操作され、連結高さH2まで下降すると、遊端側軸部53dが先端側バネホルダ28に当接し、バランスバネ21の刈取り部10に対する支持作用が開始し、かつ、刈取り部10の荷重がバランスバネ21に掛かり始まる。刈取り部10が連結高さH2からさらに下降操作されると、バランスバネ21が刈取り部10の荷重によって初期弾性変形状態からさらに弾性変形操作され、刈取り部10の連結高さH2からの下降量が増大するほど、バランスバネ21の弾性変形量が増大する。刈取り部10が連結高さA(分草具14の先端が地面Gよりも低く位置した連結高さ)まで下降すると、バランスバネ21が刈取り部10の荷重による弾性変形操作の限界に至り、バランスバネ21は、このときの刈取り部10の連結高さAを自走機体に対する下降限界として設定する。そして、刈取り部10が全昇降範囲のうちの連結高さH2から連結高さA(下降限界)までの部位に位置すると、バランスバネ21は、遊端側軸部53dを介してメインフレーム11に支持作用し、刈取り部10の接地部18での接地圧を減少させる。
【0019】
バランスバネ21の組み付け長さLを中間長さL1に調節された場合、刈取り部10が自走機体に対する上昇ストロークエンドの連結高さUから下降操作され、前記連結高さH2よりも低い連結高さH1まで下降すると、遊端側軸部53dが先端側バネホルダ28に当接し、バランスバネ21の刈取り部10に対する支持作用が開始し、かつ、刈取り部10の荷重がバランスバネ21に掛かり始まる。刈取り部10が連結高さH1からさらに下降操作されると、バランスバネ21が刈取り部10の荷重によって初期弾性変形状態からさらに弾性変形操作され、刈取り部10の連結高さH1からの下降量が増大するほど、バランスバネ21の弾性変形量が増大する。刈取り部10が連結高さA(分草具14の先端が地面Gよりも低く位置した連結高さ)まで下降すると、バランスバネ21が刈取り部10の荷重による弾性変形操作の限界に至り、バランスバネ21は、このときの刈取り部10の連結高さAを自走機体に対する下降限界として設定する。そして、刈取り部10が全昇降範囲のうちの連結高さH1から連結高さA(下降限界)までの部位に位置すると、バランスバネ21は、遊端側軸部53dを介してメインフレーム11に支持作用し、刈取り部10の接地部18での接地圧を減少させる。
【0020】
バランスバネ21の組み付け長さLを中間長さL1よりも短い長さL3に調節された場合、刈取り部10が自走機体に対する上昇ストロークエンドの連結高さUから下降操作され、前記連結高さH1よりも低い連結高さH3まで下降すると、遊端側軸部53dが先端側バネホルダ28に当接し、バランスバネ21の刈取り部10に対する支持作用が開始し、かつ、刈取り部10の荷重がバランスバネ21に掛かり始まる。刈取り部10が連結高さH3からさらに下降操作されると、バランスバネ21が刈取り部10の荷重によって初期弾性変形状態からさらに弾性変形操作され、刈取り部10の連結高さH3からの下降量が増大するほど、バランスバネ21の弾性変形量が増大する。刈取り部10が連結高さA(分草具14の先端が地面Gよりも低く位置した連結高さ)まで下降すると、バランスバネ21が刈取り部10の荷重による弾性変形操作の限界に至り、バランスバネ21は、このときの刈取り部10の連結高さAを自走機体に対する下降限界として設定する。そして、刈取り部10が全昇降範囲のうちの連結高さH3から連結高さA(下降限界)までの部位に位置すると、バランスバネ21は、遊端側軸部53dを介してメインフレーム11に支持作用し、刈取り部10の接地部18での接地圧を減少させる。
【0021】
バランスバネ21の組み付け長さをいずれの長さに調節された場合も、刈取り部10は、バランスバネ21の支持作用を受け始める前記連結高さH1,H2,H3と、下降限界の連結高さAとの間の連結高さで、前記連結高さH3よりも低い連結高さH0に位置すると、刈取り装置12による刈り高さが標準刈り高さになる連結高さになる。
【0022】
これにより、調節ネジ軸29は、調節ネジ29bが回動操作されることにより、バランスバネ21の組み付け長さLを変更調節し、刈取り部10が上昇ストロークエンドの連結高さUから下降するに伴ってバランスバネ21が刈取り部10に対する支持作用を開始するときの刈取り部10の自走機体に対する連結高さを変更する。
【0023】
つまり、作業を行うに当たり、制御弁Vに制御手段70を介して連係された昇降レバー76(図10参照)によって制御弁Vを「下降」に切り換え操作する。すると、昇降シリンダ51が制御弁Vによって排油されて短縮作動し、刈取り部10が下降する。刈取り部10の下降によって接地部18が接地すると、制御弁Vを「中立」に切り換え操作する。すると、刈取り部10が接地部18によって接地支持されるとともに標準刈り高さを現出するための連結高さの状態になる。また、遊端側軸部53dと先端側バネホルダ28とが当接してバランスバネ21が刈取り部10に支持作用し、刈取り部10の接地部18での接地圧が減少される。これにより、刈取り部10は、接地部18の接地反力の変化に敏感に応答して自走機体に対して上昇する状態で、かつ、刈取り部10の自走機体に対する下降限界がバランスバネ21によって設定された状態で接地部18によって接地追従する。このため、刈取り部10は、分草具14の土中への突っ込みを抑制しながら、かつ、刈取り装置12による刈り高さを一定またはほぼ一定にしながら刈取り作業する。
【0024】
刈取り部10が地面付近まで下降したとき、接地部18が地面に接地するまでに制御弁Vを「中立」に切り換え操作する。すると、昇降シリンダ51が刈取り部10を標準刈り高さよりも高刈りの連結高さで支持する。これにより、刈取り部10は、標準刈りよりも高刈りの刈取り作業を行う。この場合も、刈取り部10は、バランスバネ21によって支持された状態になっており、自走機体の前後傾斜や作業地面の起伏によって接地部18が接地し、強い接地反力が作用した場合、この接地反力によって自走機体に対して上昇する。このように、高刈りに設定した場合、調節ネジ軸29によるバランスバネ21の組み付け長さ調節により、刈取り部10の下降に伴ってバランスバネ21が支持作用を開始するときの刈取り部10の連結高さを高い側に調節する。すると、自走機体が前下がり傾斜するなどによって接地部18が接地し、接地反力とバランスバネ21による支持力とによって刈り取り部10が自走機体に対して軽く上昇し得る上昇ストロークが大になる。
【0025】
このように刈取り部10を下降作業位置に下降操作する際、調節ネジ軸29によるバランスバネ21の組み付け長さ調節により、刈取り部10の下降に伴ってバランスバネ21が支持作用を開始するときの刈取り部10の連結高さを低い側に調節してあれば、刈取り部10が遊端側軸部53dと先端側バネホルダ28との当接が発生する連結高さまではバランスバネ21による抵抗を受けないで迅速に下降し、この分下降作業位置に迅速に到達する。
【0026】
刈取り部10を上昇させる場合、昇降レバー76によって制御弁Vを「上昇」に切換え操作する。すると、昇降シリンダ51が制御弁Vから油圧を供給されて伸長操作され、刈取り部10が上昇する。刈取り部10が上昇ストロークエンドなど所望の連結高さまで上昇すると、制御弁Vを「中立」に切換え操作する。すると、昇降シリンダ51が停止し、刈取り部10が所望の連結高さになる。
【0027】
図13は、第二実施構造を備えた接地部18の側面図である。この図に示すように、第二実施構造を備えた接地部18は、前端部18aが前上がり傾斜し、後端部18bが後上がり傾斜した橇体によって構成してある。前端部18aも後端部18bも分草杆13に対して非接触状態になっている。
【0028】
図14は、第三実施構造を備えた接地部18の側面図である。この図に示すように、第三実施構造を備えた接地部18は、前端から後端まで直線状に形成された橇体によって構成してある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】コンバイン全体の側面図
【図2】コンバイン全体の平面図
【図3】昇降操作機構、バランス支持手段の正面図
【図4】昇降操作機構の側面図
【図5】バランス支持手段の側面図
【図6】バランス支持手段の縦断側面図
【図7】バランス支持手段の縦断平面図
【図8】バランスバネ配設部の正面図
【図9】刈取り部の連結高さを示す側面図
【図10】昇降シリンダの油圧回路図
【図11】刈取り部とバランスバネとの関係を示す側面図
【図12】刈取り部とバランスバネとの関係を示す側面図
【図13】第二実施構造を備えた接地部の縦断側面図
【図14】第三実施構造を備えた接地部の縦断側面図
【符号の説明】
【0030】
10 刈取り部
18 接地部
21 バランスバネ
29 調節手段
U 上昇ストロークエンド
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成18年8月8日(2006.8.8)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎


【公開番号】 特開2008−35803(P2008−35803A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−215756(P2006−215756)