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【発明の名称】 コード式草刈機用飛散防止装置
【発明者】 【氏名】山本 惠久

【要約】 【課題】コード式草刈機使用時に、草刈リ作業者側への飛散物の発生がなく、安全で小型軽量なコード式草刈機用飛散防止装置を提供する。

【構成】草刈り作業者側への飛散物が発生する範囲の、切断コードの下方位置に下部カバーを備えて、切断コードが草や地面と接触するのを遮る第一手段と、切断コードの上方、上流位置に棒状ローラーと全周にコード押さえリングを設けて切断コードが上方向に振れないようにする第二手段と、切断コード上方、下流側に旋回角度選択自在の遮断カバーを設け飛散物の飛来を遮る第三手段で構成したコード式草刈機用飛散防止装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
草刈機の軸棒先端の作動軸に取り付けられて回転するローターと切断コードで構成される切断ユニットを有するコード式草刈機に、着脱自在に配するものであって、切断コードの下方位置の草刈り作業者側への飛散物が発生する範囲に下部カバーを備えたことを特徴とするコード式草刈機用飛散防止装置。
【請求項2】
切断コードの上方位置でかつ、草刈リ作業者側への飛散物が発生する範囲の切断コード回転方向上流の位置に、回転中心側から外周側へ回転体を設けたことを特徴とする、請求項1記載のコード式草刈機用飛散防止装置。
【請求項3】
切断コードの上方位置でかつ、草刈り作業者側への飛散物が発生する範囲の切断コード回転方向下流側の、中心側から外周側へ設けた支軸を支点に旋回角度選択自在の遮断カバーを備えたことを特徴とする、請求項1記載のコード式草刈機用飛散防止装置。
【請求項4】
草刈機の軸棒先端の作動軸に取り付けられて回転するローターと切断コードで構成される切断ユニットを有するコード式草刈機に、着脱自在に配するものであって、切断コードの上方位置でかつ、上記切断コードの回転円より小さいリング状の切断コード押さえを備えたことを特徴とするコード式草刈機用飛散防止装置。
【請求項5】
請求項1に記載の草刈機において、請求項1に記載の下部カバーを設けるとともに、切断部材が描く回転円の外周側で下部カバーの下流側にあって草刈飛散物が草刈作業者側に飛来するのを防止できる範囲に、側壁カバーを配置したことを特徴とするコード式草刈機用飛散防止装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、コード式草刈機使用時に、草刈り作業者側への飛散物が発生せず、周囲への上方飛散が少ないコード式草刈機用飛散防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
先ず、図10に基づいてコード式草刈機の機構を説明する。
草刈機は、切断チップや切断コード等の切断部材を回転し草を刈る機械で、小回りが利き作業性が良いため一般家庭においても広く使用されている。本発明の対象であるコード式草刈機は、切断部材に切断コードを使用する形態で、図10の(イ)のように軸棒(2)先端の作動軸(4)にローター(5)と切断コード(6)で構成される切断ユニット(G)を、(ロ)のように装着したものである。そして、(ハ)の(1)のような小型エンジンの回転動力を軸棒(2)の内部を通る駆動軸で先端の作動軸(4)に伝え、ローター(5)を高速回転させることにより切断コード(6a)の張力を保ち、草木を叩き切る方法である。この方法は、切断ユニット(G)が軽く、草刈り幅が広く、石の多い場所でも使用でき、草刈り作業が早いため使用頻度の高い形態である。
しかし、切断コード(6a)が蛇行回転軌道(27b)を描くため飛散物が上向き飛散(10b)や、横方向飛散(10a)を繰り返すため、刈取り面の小石や切断草木片等を全方向に高速で飛散させ、危険を伴う草刈り方法でもある。そこで、このような危険作業を安全に行うため、防護面、前掛け、手袋、安全靴等の保護具が考えられている。
【0003】
コード式草刈機の小石や切断草木片等の飛散対策とし、上記保護具の他、次のような技術や発明がある。
(イ)草刈機は、切断コードの回転軌道の外側で作業者位置側に、図10の(ハ)の(25)のような小さな安全カバーを装備しているのが一般的な仕様である。
(ロ)また、コード式草刈機の飛散防止カバーとしては、刈払い機(草刈機)の柄に取付けベースを着脱可能に取付け、取付けベースの上側部位にガード板と、刈払い刃の回転方向側の側方部分が下方に曲げられた本体板を取付け、ガード板の後端縁に軟質シートを垂下した刈払い機用ガードが開示されている。この特許文献に開示された発明では、草刈り作業中に飛散する小石等を受け止めることができる。(例えば特許文献1参照)。
(ハ)また、コード式草刈機の飛散防止カバーとしては、切断コードの後方に設けられた上壁部と、上壁部の後端縁に防護部を設け、防護シートを垂らした草刈機の飛散防護カバーが開示されている。この特許文献に開示された発明では、作業者に対して草や小石が飛来するのを防止できる。(例えば特許文献2参照)。
(ニ)また、草刈機を用いて比較的太い竹や潅木を切断するために、回転刃の上方位置に上ガイドを、下流側に突出部を、一定間隔を隔てて配置したガイド装置が開示されている。この特許文献に開示された発明では、太い被切断材を安全かつ効率的に切断することができる。(例えば特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2004−65193号公報
【特許文献2】特開平10−94314号公報
【特許文献3】特開2006−42797号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上に述べた従来の飛散対策の技術や発明は、次のような問題点があつた。
(イ)刈取り面の小石、切断草木片等の飛散物は、回転する切断ユニットより放射線状に拡散し全方向に飛散する、特に左回転の草刈機が主流の現状では草刈リ作業者側への飛散が多く発生し、拡散した飛散物を小さな安全カバーで防ぐことは困難である。
(ロ)また、特許文献1に記載された従来の技術では、高速回転する柔軟な切断コードは、草や地面と接触するたびに上下に振れ蛇行回転軌道を描くため、広範囲に、上向きに飛散する。この上方向飛散は防止できず、周囲も含め危険にさらされる。特に、草刈作業者側への上方飛散は顔面等を直撃し非常に危険である。そのため、重厚な保護具も欠かせない必需品となっている。
(ハ)また、特許文献2、特許文献3に記載された従来の技術では、切断コードの回転軌道の外側や上部を覆う構造で、大きく、切断草木片や飛散物等が装置内に溜まって重くなる課題があった。草刈機による草刈り作業は不自然な姿勢で長時間行い、重い装置は肩、腕、腰、足にしびれを感じるほど苦痛なものである。
【0005】
本発明は、以上のような従来の構成が有していた問題を解決しようとするもので、草刈リ作業者側への飛散物の発生をなくし、軽量で作業性の良いコード式草刈機用飛散防止装置の実現を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして、本発明は前記(イ)の草刈リ作業者側へ飛散物が発生する課題を達成するために、第1の解決手段として請求項1に記載するように、草刈機の軸棒先端の作動軸に取り付けられて回転するローターと切断コードで構成される切断ユニットを有するコード式草刈機に着脱自在に配するものであって、切断コードの下方位置の草刈リ作業者側への飛散物が発生する範囲に、下部カバーを備えたことを特徴とするコード式草刈機用飛散防止装置である。
ここで、作業者側への飛散物の発生する範囲を具体的に図2、図3で説明する。発明者の観察によれば、飛散物は切断コードの回転軌道の接線方向に飛散する傾向がある。このことから、図2において、草刈り作業者位置(M)から見て、軸棒の中心線(CL)と回転軌道(27a)の交点を基準位置(K)0度とすると、通常草刈作業者は、軸棒(2)の左側の(M)位置に立つので、左回りに30度〜90度の範囲が作業者側に飛散する飛散物の発生範囲(Wd)である。面積的に見ると切断コード回転面積の6分の1の範囲である。また、切断コード(6a)の速さは中心側ほど遅くなるため、コード押さえリング(29)内では遠くに飛ぶような飛散物は発生しない。
また、切断ユニットの回転速度に左右されるが、図3の(イ)のように、草刈時の衝撃により曲がった切断コードは、点線で示す蛇行回転時切断コード(6b)のように一旦ローター(5)に巻付き、4分の1周程度で復元する。このことから、コード式草刈機は、草を切る範囲と切断コードの曲がる範囲と復元する範囲を繰返しながら蛇行回転(27b)をしているものと思われる。逆に言えば、草刈機の切断性を保つためには、復元する範囲も必要である。この復元範囲と作業者側への飛散物の発生する範囲を同じ位置に設定すれば、切断性を落とすことなく、作業者側への飛散物の発生を止めることができる。
【0007】
前記(ロ)の作業者側への上方飛散の課題を達成するための、本発明第2の解決手段は、請求項2に記載するように、切断コードの上方位置でかつ、草刈り作業者側への飛散物が発生する範囲の切断コード回転方向上流の位置に、回転中心側から外周側へ回転体(実施例では棒状ローラー)を設けたことを特徴とする請求項1記載のコード式草刈機用飛散防止装置である。
【0008】
前記(ロ)の周囲への上方飛散の課題を達成するための、本発明第3の解決手段は、請求項4に記載するように、草刈機の軸棒先端の作動軸に取り付けられて回転するローターと切断コードで構成される切断ユニットを有するコード式草刈機に、着脱自在に配するものであって、切断コードの上方位置でかつ、上記切断コードの回転円より小さいリング状の切断コード押さえを備えたことを特徴とするコード式草刈機用飛散防止装置である。
【0009】
前記(ハ)の装置が重い課題を達成するために、請求項3に記載するように、本発明の第4の解決手段として、切断コードの上方位置でかつ、草刈り作業者側への飛散物が発生する範囲の切断コード回転方向下流側の、中心側から外周側へ設けた支軸を支点に旋回角度選択自在の遮断カバーを備えたことを特徴とする請求項1記載のコード式草刈機用飛散防止装置である。
【0010】
前記(ハ)の装置が重くなる課題を達成するために、請求項5に記載するように、本発明の第5の解決手段として、請求項1に記載の草刈機において、請求項1に記載の下部カバーを設けるとともに、切断部材が描く回転円の外周側で下部カバーの下流側にあって草刈飛散物が草刈作業者側に飛来するのを防止できる範囲に側壁カバーを配置したことを特徴とする飛散防止装置である。
【0011】
前記第1の解決手段による作用は次の通りである。すなわち、切断コードと刈取面の間に下部カバーを設けたことにより、草刈り作業者側に飛来する飛散物の発生する範囲のみ、切断コードと刈取面の草や地面が接触しないようにできる。
【0012】
前記第2の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、蛇行回転した切断コードを、間隔を狭めた棒状ローラーと下部カバー間を通過させることにより、強制的に押さえ、平らな回転に戻すことができる。
【0013】
前記第3の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、蛇行回転しようとする切断コードは、上方に切断コードの回転円より小さいリング状の切断コード押さえがあるため遮られ、上方向に大きく跳ね上がることはない。
【0014】
前記第4の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、切断コード回転軌道上に、回転軌道を遮るように垂直な遮断カバーを設けたことにより、草刈り作業者側に飛散する飛散物の発生直後を最小面積で有効に遮断することができる。
【0015】
前記第5の課題解決手段による作用は次の通りである。下部カバーと側壁カバーを分離したことにより、切断屑等が下部カバー部では素通りし、側壁カバーでは落下しやすくなるため飛散防止内に残らなくなる。
【発明の効果】
【0016】
上述したように請求項1の発明、すなわち、下部カバーは、草刈り作業者側へ切断屑や小石等の飛散物を発生させないため、防護面、前掛け、手袋、安全靴等の重厚な保護具が不要となり、防塵メガネや長靴程度の軽装で草刈り作業ができる。
また、下部カバーを設ける範囲は切断コード回転軌道の6分の1の範囲である、草刈機の軸棒を左右に旋回させ、切断コード回転軌道の接触部分、即ち、およそ半分の範囲で草を刈る機構と、前述したように草の切断、曲がり、復元の切断コードの動きからして草刈機の草刈り能力が低下することはない。
【0017】
上述したように請求項2の発明、すなわち、棒状ローラーは、切断コードの蛇行回転を平らな回転に戻すため、草刈り作業者側への草、小石等の上方向飛散がなくなる。これにより、大型の上部カバーが不要となり小型軽量化が達成できる。
【0018】
上述したように請求項4の発明、すなわち、リング状の切断コード押さえは、切断コードの蛇行回転を防ぐため、周囲も含め、草、小石等の上方向飛散が少なくなる。これにより、飛散物の飛散範囲が狭くなり、周囲も含め安全が確保できる。
【0019】
上述したように、請求項3の発明、すなわち、遮断カバーは、拡散前の最小の面積で作業者側への飛散物を効率的に止めることができる。これにより、カバーの小型軽量化が達成できる。
【0020】
上述したように、請求項5の発明、すなわち、下部カバーと側壁カバーを分離したことにより、切断屑等が飛散防止装置内に残り難くなり、装置が重くなることがない。
【0021】
上述したように、本発明は作業者側への飛散物の発生がなくなるとともに、周囲への飛散範囲も狭くなり、安全で小型軽量なコード式草刈機用飛散防止装置を提供できる。更に、切断コードを地面に接地させて、草の生え際からの草刈りが可能になり、小回りの利く簡易除草機として草刈機の用途が広がる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下本発明の実施の形態を、図1〜図13に基づいて説明する。
【0023】
図11は本発明の実施状態を示す斜視図である。
図11のように、本発明の飛散防止装置(A)を用いるコード式草刈機(28)は、小型エンジン(1)と、その回転動力を伝える駆動軸を内部に通し、先端にコード式切断ユニット(G)などの切断部材を取り付けるための作動軸を有するギャーボックスを固定する軸棒(2)と、その軸棒(2)の草刈り作業者位置に草刈機を操作するU字型のハンドル(33)を設けた一般的な草刈機である。(B)は本発明の遮断カバー部、(C)は固定金具部、(D)は下部カバー部、(E)はコード押さえローラー部、(F)はコード押さえリング部の配置を示す。
【0024】
図1は本発明の要部を示す斜視図である。
図1において、(A)は本発明のコード式草刈機用飛散防止装置である。草刈機の軸棒(2)の先端に取付金具(26a)を介して固定する。コード式草刈機用飛散防止装置(A)の主な構成部品は、発生直後の飛散物を止める遮断カバー(8)と、飛散防止装置を固定する取付金具(26a)と、作業者側への飛散物の発生を防ぐ下部カバー(121)と、切断コード(6)の上下振れを防止するリング(29)と棒状ローラー(7)である。
【0025】
図4は、飛散防止装置組立斜視図で、各部分の配置を示す。(B)は遮断カバー部、(C)は固定金具部、(D)は下部カバー部、(E)はコード押さえローラー部、(F)はコード押さえリング部である。以下、それぞれの構成を説明する。
【0026】
図5は、遮断カバー部分解斜視図である。支軸B1(17)と、支軸B2(18)からなる支軸B(16)に、スプリング(9)と厚めのビニール板でできた遮断カバー(8)の支点になる軸受パイプ(31)を順次通したカバー部分と、雌ネジを両端に切り込んだ支軸B3(34)から構成されるものである。軸受パイプ(31)の支軸B2(18)側の端面には、支軸B2(18)の縦棒に合う凸凹の溝が設けてあり、スプリング(9)の圧力で支軸b2(18)の縦棒の上部に喰い込み、遮断カバー(8)の開放角度を選べる。支軸B1(17)、支軸B2(18)、支軸B3(34)の両端はそれぞれ長ネジが設けてあり、長さ調整可能に接続されている。支軸B1(17)の固定金具部(C)側のネジ部に、図9の(イ)のコード押さえリング(F)の取付孔(29a)を通し、図6の(イ)に示す長ナット(30)を支軸B1(17)にねじ込むことにより一体に接続する。そして、ナット(24)を締め込んで緩み止めをする。
支軸B3(34)側も同様に、図7に示す下部カバー(121)の取付孔B2(20)にボルト(23)を通して締め付けることにより、固定金具部(C)と下部カバー部(D)の遮断カバー部(B)側を一体に接続固定する。
【0027】
図6は、本発明の飛散防止装置を草刈機の軸棒(2)に固定する固定金具部(C)である。(イ)は、固定金具部組み立て斜視図で、草刈機の軸棒(2)を把持する一対の取付金具(26a)と取付金具(26a)に遮断カバー部(B)、コード押さえローラー部(E)を一体に固定するための取付フレーム(26b)で、先端に接続固定用長ナット(30)を設けている。
(ロ)は、その分解斜視図である。取付フレーム(26b)は棒状の金属を草刈機軸棒先端のギャーケースを迂回するように曲げ加工して、先端にねじ部を設け、長ナットで遮断カバー部(B)、コード押さえローラー部(E)の支軸(B1)、(E1)を接続する。ターンバックル(22)はコード押さえローラー部(E)の開きと高さを調整するもので、取付金具(26a)の取付孔B1(19)のボルト(23)と取付フレーム(26b)に設けた固定ネジ部に取付孔(22a)を通して組立て、ネジの緊張により間隔を調整する。
【0028】
図7は、下部カバー部(D)の斜視図である。下部カバー(121)は扇形の板で。遮断カバー部(B)側には、支軸B3(34)のボルト(23)を通す取付孔B2(20)が設けてある。同様にコード押さえローラー部(E)側には、支軸E3(35)のボルト(23)を通す取付孔E2(15)が設けてある。それぞれのボルト(23)の締め付けにより、遮断カバー部(B)とコード押さえローラー部(E)と下部カバー部(D)が接続固定される。
【0029】
図8は、コード押さえローラー部(E)の分解斜視図である。パイプ状の棒状ローラー(7)に支軸E1(12)と支軸E2(13)からなる支軸E(11)を通したローラー部と、雌ネジを両端に設けた支軸E3(35)から構成されるものである。下部カバー部(D)の取付孔E2(15)にボルト(23)を通して締め付け、固定金具部(C)と下部カバー部(D)のコード押さえ部(E)側を接続固定する。以下、固定金具部との接続は遮断カバー部(B)と同様に、コード押さえリング(F)の取付孔(29a)を通し、長ナット(30)を介して固定金具部に接続する。下部カバー部(D)側も、同様に、図7に示す取付孔E2(15)にボルト(23)を通して締め付けることにより、固定金具部(C)と下部カバー部(D)のコード押さえ部(E)側を一体に接続固定する。
【0030】
図9はコード押さえリング部(F)の斜視図である。通常、草刈り時最適とされる切断コードの長さは15センチメートル前後、ローターの直径は10センチくらいで、切断コードの回転円は30〜40センチメートルぐらいである。また、ローターの自動コード繰り出しは長さは、5センチメートルぐらいであることと、切断コードの磨耗を考慮して、コード押さえリング(29)の直径は20〜30センチメートルぐらいが適当である。
図9の(イ)は、棒状の金属をリング状(29)に加工し、上部に取付孔(29a)を設けた形で、図5の遮断カバー部(B)の支軸B1(17)と、図8のコード押さえローラー部(E)の支軸E1(12)に、上部の取付孔(29a)を通し、図6の(イ)の長ナット(30)で一体に固定する。
図9の(ロ)は、上記リング(29)を板状にして、複数の取付孔(29c)を設け、遮断カバー(8)、下部カバー(121)、コード押さえローラー(7)を一体にしたセットしたものを、任意の位置に取り付けられるようにしたものである。切断屑等の飛散物は切断コード回転円の接線方向に飛ぶことから、下部カバー(121)の設置位置を変えることにより、任意の方向に飛散物が飛散しないようにできる。
【0031】
次に、飛散防止装置の変形例に付いて図12、図13を参照しながら説明する。
【0032】
図12は、請求項5の形態で、請求項1に記載の下部カバー(121)を設けるとともに、切断部材が描く回転円の外周側で下部カバーの下流側にあって草刈飛散物が草刈作業者側に飛来するのを防止できる範囲に側壁カバー(3)を配置したことを特徴とする飛散防止装置である。下部カバー(121)の取付軸横棒に回転ローラーをそれぞれ配置した形である。形は大きくなるが屑の溜りや、作業者側への飛散物は発生しない。側壁カバー(3)の取付けは、取付けパイプ(3a)で下部カバー(121)の下流側に接続し、支柱ボルト(3b)、固定金物(3c)で軸棒(2)に取り付ける。
【0033】
本発明の飛散防止装置は、遮断カバー部(B)、下部カバー部(D)、コード押さえローラー部(E)、コード押さえリング部(F)を、図4で示す長ナット(30)で簡単に着脱できる。そして、本発明の各構成部分を脱着することにより、草刈作業場所、目的別に最適な形態で使用できる。その別形態を図13で説明する。
【0034】
図13の(イ)は、本実施の変形形態で、コード押さえリング部(F)を外し、飛散防止装置の間略化を狙ったものである。周囲への上方飛散はあるが、作業者側への飛散物は発生しなく、周囲への飛散が許せる場所の草刈には有効である。
【0035】
図13の(ロ)は、本実施の変形形態である。今まで述べてきた対策は、草刈作業者側(M)に飛来する飛散物の発生する範囲(WD)において、切断コード(6)が刈取り面に接触しないように、下部カバー部(D)を設ける基本的な使用方法であるが、同様の作用は、刈取り面レベル(GL)に対し、切断ユニットの下端面レベル(LL)を草刈作業者側(M)から見て右下がりに傾け、(WD)位置で、切断コードが刈取り面に接触しないように注意すれば可能である。このことから、飛散防止装置の更なる軽量化を目的に下部カバー部(D)を外し、切断ユニットの下端面レベル(LL)を傾ける形態が可能である。このレベルの調整は、図には表示していないが、草刈機のギャーケース固定ボルトを緩め、取り付け位置を回せば簡単にできる。また、今ひとつの方法は、操作ハンドル(33)の固定ボルトを緩め、操作ハンドルの取り付け角度の調整で行うことも可能である。
【0036】
図6の(ハ)は、上記(イ)の実施形態において、更に、遮断カバー部(B)、コード押さえローラー部(E)を外し、コード押さえリング部(F)だけにし、軽量化を図ったものである。この装置は、機構が簡単でコスト的にも安価な装置が実現できる。
【0037】
以下、上記構成の作用と動作を、図2と図3の斜視図に基づいて説明する。
【0038】
図2は、本発明の要部の作用と動作を示す斜視図である。図2において、回転時切断コード(6a)は、一点鎖線片矢印のような平らな回転軌道(27a)を描くが、コード押さえリング(29)がない場合は、地面や草等に当ると太点線で描くように上方向に曲がり(6b)、点線矢印で示す蛇行回転軌道(27b)を描く、すなわち、図3の(イ)の現象である。そして、飛散物は上向き飛散(10b)になる。しかし、棒状ローラー(7)と下部カバー(121)の間を通る時、強制的に押さえられるため、草刈り作業者側への飛散物発生範囲(Wd)では平らな回転になる。
また、コード押さえリング(29)がある場合は、図3の(ロ)のように切断コードはコード押さえリング(29)に遮られ、先端部だけの曲がり(6B)になる。上方飛散は少なくなる。
【0039】
図2において、草刈リ作業者側への飛散物発生範囲(Wd)では、切断コード(6a)が下部カバー(121)の上を通り、刈取面の草や地面等と接触しないため、作業位置範囲(Wm)側への飛散物は発生しない。
また、コード押さえリング(29)がある場合は、先端部だけの曲がり(6B)になるため、周囲の上方飛散も少なくなる。
【0040】
しかし、図2において、一部の切断屑は、切断コード(6a)に巻き込まれ、下部カバー(121)の上に乗り、後続切断コード(6a)に飛ばされるが、遮断カバー(8)に遮られるため、作業位置範囲(Wm)側への飛散はほとんどない。なお、通常草刈リ作業時の遮断カバー(8)の下端は、下部カバー(121)と接触しない程度に、支軸B2(18)の縦棒ラインに対し30度くらい後方に傾ける。また、草の生え際からの切断を行う簡易除草では、遮断カバー(8)を垂直に下げ、下部カバー(121)に軽く接触させる。遮断カバー(8)の角度調整は、図5のスプリング(9)と軸受パイプ(31)位置で分かるよう、軸受パイプ(31)をナット(24)側に押し付けてスプリング(9)を圧縮し、軸受パイプ(31)端部の凸凹の溝と支軸B2(18)の縦棒とを合わせて任意の角度に設定する。
【0041】
図2に示す、切断コード(6a)の回転軌道(27a)即ち、刈取り面の大きさを変えた時は、図5に示す遮断カバー部の支軸B(16)と、図8に示すコード押さえローラー部の支軸E(11)の長さを変えて、下部カバー(121)の位置を移動する。
その方法を、図5と図8を用いて説明する。図5と図8において、それぞれの支軸は雌ネジ、雄ネジが切られ、長さ調整可能に連結されている。図5の支軸B1(17)と支軸B2(18)、図8の支軸E1(12)と支軸E2(13)のネジの締め込み調整により、それぞれの支軸の長さを変え、下部カバー(121)の位置を移動する。また下部カバー(121)の高さ調整も同様に、図5の支軸B2(18)と支軸B3(34)、図8の支軸E2(13)と支軸E3(35)のネジの締め込み調整により長さを変えて調整する。これにより、軸棒(2)と下部カバー(121)の取付け角度を一定に保ちながら、下部カバー(121)の位置と高さ調整ができる。そして、図2のように下部カバー(121)が草刈リ作業者側への飛散物発生範囲(Wd)に必然的に設定される。
通常の草刈作業においては、刈取り面の大きさを調整する必要はなく、最大寸法で作製すれば、この機構は不要となり、構造が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の要部を示す斜視図
【図2】本発明の要部の作用と動作を示す斜視図
【図3】切断コードの動きを示す斜視図(イ)切断コードの蛇行回転状態を示す斜視図(ロ)本発明のコード押さえリングの作用と切断コードの動きを示す斜視図
【図4】飛散防止装置組立斜視図
【図5】本発明の遮断カバー部分解斜視図
【図6】本発明の固定金具部の斜視図(イ)固定金具部組立斜視図(ロ)上記分解斜視図
【図7】下部カバー部斜視図
【図8】遮断カバー部分解斜視図
【図9】本発明の要部を機能別に分解した斜視図のコード押さえローラー部分解斜視図(イ)コード押さえリング部斜視図(ロ)板状コード押さえリングと、本発明の主要部を取付た状態の斜視図
【図10】コード式草刈機の機構と、従来の安全カバーの取り付け状態を示す斜視図(イ)は草刈機の軸棒と作動軸とコード式切断ユニットの位置関係を示す斜視図(ロ)は上記組立斜視図(ハ)はコード式機草刈機に従来の安全カバーを取り付けた状態を示す斜視図
【図11】本発明の実施状態を示す斜視図
【図12】本発明の別の実施状態で、側壁カバーを併用した形態の斜視図
【図13】本発明の軽量化を目的にした、別の実施状態を示す斜視図(イ)コード押さえローラー部を外した実施状態を示す斜視図(ロ)下部カバー部を外した実施状態を示す斜視図(ハ)コード押さえリングのみ使用する場合の実施状態を示す斜視図
【符号の説明】
【0043】
1・・・小型エンジン 2・・・軸棒 3・・・側壁カバー 4・・・作動軸 5・・・ローター 6・・・切断コード 6a・・・回転時切断コード 6b・・・蛇行回転時切断コード 7・・・棒状ローラー 8・・・遮断カバー 9・・・スプリング 10a・・・横方向飛散 10b・・・上向き飛散 11・・・支軸E 12・・・支軸E1 13・・・支軸E2 14・・・取付孔E1 15・・・取付孔E2 16・・・支軸B 17・・・支軸B1 18・・・支軸B2 19・・・取付孔B1 20・・・取付孔B2 22・・・ターンバックル 22a・・・取付孔 23・・・ボルト 24・・・ ナット 25・・・安全カバー 26a・・・取付金具 26b・・・取付フレーム 27a・・・回転軌道 27b・・・蛇行回転軌道 28・・・コード式草刈機 29・・・リング 29a・・・リング取付孔 30・・・長ナット 31・・・軸受パイプ32・・・支軸 33・・・ハンドル 34・・・支軸B3 35・・・支軸E3 121・・・下部カバー A・・・コード式草刈機用飛散防止装置 B・・・遮断カバー部 C・・・固定金具部 D・・・下部カバー部 E・・・コード押さえローラー部 F・・・コード押さえリング部 G・・・コード式切断ユニット K・・・基準位置 M・・・草刈作業者位置 CL・・・軸棒中心線 Wd・・・飛散物発生範囲 Wm・・・作業位置範囲
【出願人】 【識別番号】304029147
【氏名又は名称】山本 惠久
【出願日】 平成19年6月22日(2007.6.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−22847(P2008−22847A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2007−165033(P2007−165033)