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【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】嘉本 政司

【要約】 【課題】操縦部の床面の下方スペースを形成する運転フレーム内に配置した複数の油圧バルブを覆うカバーに、クローラ走行装置によって跳ね上げられた泥水が溜まらないように改良すると共に当該油圧バルブのメンテナンス性も向上させる。

【構成】複数の油圧バルブ34の外側方と下方とを一体的に覆うシート状の可撓性材料からなる着脱自在なカバー35を運転フレーム31内に設け、このカバー35に泥水が溜まった場合でもその前後空間から泥水を容易に除去できるようにすると共に、油圧バルブ34をメンテナンスする際は、従来の平板状の下部カバーを廃止した運転フレーム31の下部空間Sを利用して広い作業空間を確保できるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操縦部(16)の床面(21)の下方スペースを形成する運転フレーム(31)内に複数の油圧バルブ(34)を設置したコンバインにおいて、前記運転フレーム(31)内に複数の油圧バルブ(34)の外側方と下方とを一体的に覆う着脱自在なカバー(35)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
カバー(35)がシート状の可撓性材料からなる請求項1に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、操縦部の床面の下方スペースを形成する運転フレーム内に、複数の油圧バルブを配置したコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコンバインでは、操縦部の床面の下方スペースを形成する運転フレーム(ステップフレーム)内に、複数の油圧バルブを集約して設置すると共に、運転フレームの前面プレートを着脱可能に構成することによって、当該油圧バルブや油圧配管のメンテナンス性を向上させたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、操縦部の床面を形成するフロアパネルを開閉自在に構成することによって、フロアパネルの下方に配置された複数の油圧バルブや油圧配管のメンテナンス性を向上させたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−198501号公報(第3−4頁、図2−図4)
【特許文献2】特許第3502191号公報(第3頁、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そして、上述した従来の両特許文献の運転フレームは方形状の枠体からなり、その下部には、クローラ走行装置によって跳ね上げられた泥水が、運転フレーム内に設置した油圧バルブや制御装置等のユニットにかかることを防止するために、運転フレームの下部に平板状の下部カバーを設けている。しかし、この下部カバー上には、運転フレームの隙間から進入する泥水が溜まり易く、その除去作業に手間が掛かるといった不具合を有していた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決することを目的としたものであって、操縦部の床面の下方スペースを形成する運転フレーム内に複数の油圧バルブを設置したコンバインにおいて、前記運転フレーム内に複数の油圧バルブの外側方と下方とを一体的に覆う着脱自在なカバーを設けたことを第1の特徴としている。
【0006】
そして、カバーがシート状の可撓性材料からなることを第2の特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、運転フレーム内に複数の油圧バルブの外側方と下方とを一体的に覆う着脱自在なカバーを設けたことによって、従来運転フレームの下部に設けられていた平板状の下部カバーを廃止して泥水が溜まることを防止するものでありながら、前記カバーにより油圧バルブに泥水がかかることを防止することができる。また、前記カバーに泥水が溜まった場合でもその前後空間から容易に除去することができる。更に、前記カバーは簡単に着脱可能であり、油圧バルブをメンテナンスする際は、当該カバーを取り外すことにより、従来の平板状の下部カバーを廃止した運転フレームの下部空間を利用して広い作業空間を確保できるので作業性が向上する。
【0008】
そして、請求項2の発明によれば、カバーがシート状の可撓性材料からなるので、運転フレーム内に設置した複数の油圧バルブの外形形状に沿わせて折り曲げながらコンパクトに取り付け可能であり、また安価に構成できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、コンバイン11の側面図であって、コンバイン11は、左右一対のクローラ走行装置12で機体フレーム13を支持すると共に、機体フレーム13の前方には穀稈を刈取りながら図示しない脱穀部まで搬送する前処理部14を備えている。
【0010】
また、前処理部14の後方には、オペレータが着座する座席15と各種操作具を備える操縦部16を配設すると共に、座席15後部の一側には穀粒タンク17、他側には脱穀部を設けている。そして、脱穀部において脱穀/選別処理した穀粒を穀粒タンク17内に一時的に貯留すると共に、穀粒タンク17内に一時的に貯留された穀粒は、縦搬送パイプ18を経て起伏動作可能な穀粒排出オーガ19の排出口19aから機外に排出できるようになっている。
【0011】
また、座席16前方の床面を形成する搭乗ステップ21の前側には、機体の操向及び前処理部14の昇降操作を行うマルチステアリングレバー22を備える操縦塔23を立設している。尚、座席16左側のサイドパネル21には、主変速レバー24、副変速レバー25、及び作業機・刈取クラッチレバー26等のコンバイン11の操縦に必要な複数の操作レバーやスイッチ類を配置している。
【0012】
そして、座席16下方の機体フレーム13上に図示しないエンジンを搭載すると共に、その前方に操縦部16の床面である搭乗ステップ21が形成されており、この搭乗ステップ21は、図2に示すように、複数の角パイプを格子状に溶接してなる機体フレーム13の右側前端部に支持した方形状(箱状)の運転フレーム31の上部に形成されている。
【0013】
また、運転フレーム31を構成する外側板31aの下部には、上述した搭乗ステップ21よりも一段低い位置に乗降用の補助ステップ33を設けている。この補助ステップ33は、平面視で略コの字状に曲げ形成した帯状プレートからなり、運転フレーム31の外側板31aから突出させた状態で、その両端を当該外側板31aの外面に固設すると共に、作業者が足を乗せる部分(上部)には、滑り防止用の鋸歯状の切欠き33aを設けている。尚、前記外側板31aの中央には、補助ステップ33に臨む方形の大穴Hが設けてあり、この大穴Hによって作業者の搭乗ステップ21への乗降時における当該補助ステップ33への足載せを容易にしている。
【0014】
更に、運転フレーム31の内部、即ち搭乗ステップ21の下方には、前処理部14を昇降作動させる図示しない油圧シリンダ、穀粒排出オーガ19を起伏作動させる油圧シリンダ32、及び図示しないトランスミッションケースに備える左右のサイドクラッチを作動させる油圧シリンダ等へ作動油を給排するための複数の油圧(ソレノイド)バルブ34を図3〜図5に示す如く設置している。
【0015】
そして、上述した複数の油圧バルブ34の外側方と下方とを、折り曲げ形成することにより一体的に覆う着脱自在なカバー35を設けている。このカバー35は、ポリエステル繊維の織物を軟質な塩化ビニル樹脂でコーティングしたシート状の可撓性材料からなり、その上部を、搭乗ステップ21を構成するフラットプレート21aの略中央部下面に溶接した断面L字状のプレート36にボルト37,37を用いて螺設すると共に、その下端部は、運転フレーム31を支持する機体フレーム13の構成部材である2本の角パイプ38a,38bのうち、内側の角パイプ38aの上面に溶着したクランプ39,39を用いて繋縛できるように構成している。
【0016】
即ち、前記クランプ39,39は、厚さ0.8mm程度の一般冷延鋼板に塩化ビニル樹脂の被覆を施したものであって、指先で所望の形状に容易に曲げ加工することが可能であり、当該クランプ39,39の溶着位置に対応するようにカバー35側に繋縛孔(不図示)を設けておけば、この繋縛孔へのクランプ39,39の繋縛及びその解除を簡単に行なうことができる。
【0017】
以上説明したように、操縦部16の床面21の下方スペースを形成する運転フレーム31内に複数の油圧バルブ34を設置したコンバイン11において、前記複数の油圧バルブ34の外側方と下方とを、折り曲げ形成することにより一体的に覆う着脱自在なカバー35を運転フレーム31内に設けたことによって、従来運転フレーム31の下部に設けられていた平板状の下部カバーを廃止して、当該カバー35により泥水が油圧バルブ34にかかることを防止できる。また、前記カバー35に泥水が溜まった場合でもその前後空間から容易に除去することができる。更に、前記カバー35は簡単に着脱可能であり、油圧バルブ34をメンテナンスする際は、当該カバー35を取り外すか、或いはクランプ39,39の繋縛を解除してカバー35の下端部を持ち上げることにより、従来の平板状の下部カバーを廃止した運転フレーム31の下部空間Sと、運転フレーム31の外側板31aに設けた大穴Hを利用して広い作業空間を確保できるので作業性が向上する。
【0018】
更に、前記カバー35がシート状の可撓性材料からなるので、運転フレーム31内に設置した複数の油圧バルブ34の外形形状に沿わせて折り曲げながらコンパクトに取り付け可能であり、また安価に構成できる利点がある。
【0019】
ところで、図6は、操縦部16をやや後側から見た斜視図であって、搭乗ステップ21の前端部左側に走行用クラッチペダル41を配設すると共に、この走行用クラッチペダル41をコンバイン11のオペレータが踏み込み操作する際に邪魔にならないように、搭乗ステップ21の前端部中央、即ち操縦塔23の上側を覆うメータパネルを兼ねた上部カバー42を装着するプレート状の壁体43の下部中央に油差し44用のホルダ45を設けてあり、それによって搭乗ステップ21の前端部左右両側(油差し44用のホルダ45の両側)にオペレータの左右の足を置くスペースを確保している。
【0020】
また、操縦塔23の前側は、前照灯46を内装したフロントパネル47で覆われており、このフロントパネル47の下部は、図3〜図5に示すように、運転フレーム31の前端部左右両側に突設した位置決めピン48,48を利用して位置決めされると共に、当該フロントパネル47の上部は、その左右両側を、平面視でコの字状に曲げ形成されている壁体43の上部にノブ付ボルト49を用いて固定(装着)できるようになっている。
【0021】
更に詳しくは、フロントパネル47の下部には、図7に示すように、上述した位置決めピン48,48に対応する的孔51,51を設けている。この的孔51,51は、図中に実線で示すように、フロントパネル47を固定した状態Aにおいて先端部の傾斜面Sに直交するように穿設してあり、当該的孔51,51を位置決めピン48,48に嵌装する際は、フロントパネル47を図中に二点鎖線で示すように機体の前方側にやや傾倒させた状態Bとすることによって、作業者は、フロントパネル47の上側から位置決めピン48,48に対応する的孔51,51を視認しながら、図8に示すC矢印の方向から簡単にフロントパネル47を位置決め(装着)することができる。更に、フロントパネル47の的孔51,51にグロメット52(図7参照)を嵌着しておけば、フロントパネル47の装着ガタを軽減することができる。
【0022】
また、上述した位置決めピン48,48の突出高さを左右異なる高さに形成することにより、先ず高い方の位置決めピン48に対応するフロントパネル47の的孔51を嵌装し、次いで低い方の位置決めピン48に対応するフロントパネル47の的孔51を嵌装できるように構成すれば、同時に左右二つの的孔51,51を位置決めピン48,48に嵌装
するための煩わしい調節が不要となり作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】機体フレーム上に形成した運転フレームの斜視図。
【図3】フラットプレートを取り外した状態の運転フレームの斜視図。
【図4】一部を省略した運転フレームの内部を示す側面図。
【図5】一部を省略した運転フレームの内部を示す正面図。
【図6】操縦部をやや後側から見た斜視図。
【図7】フロントパネル下部の位置決め構造を示す側断面図。
【図8】フロントパネルの位置決め(装着)方法を示す側面図。
【符号の説明】
【0024】
16 操縦部
21 床面
31 運転フレーム
34 油圧バルブ
35 カバー
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成18年6月22日(2006.6.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−56(P2008−56A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−172020(P2006−172020)