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【発明の名称】 コンバインの刈取装置
【発明者】 【氏名】嶋田 耕治郎

【氏名】新福 勇一

【氏名】林 順二

【氏名】中原 剛

【要約】 【課題】合流部において穀稈の姿勢を容易にそろえることができるコンバインの刈取装置を提供する。

【構成】走行機体1の前方に配置し、前部より、引起し装置13、下部搬送装置25・27、上部搬送装置28・29、縦搬送装置30、刈刃12等を備えた複数条刈のコンバインの刈取装置において、左右の下部搬送装置25・27の合流部を刈取装置の左右中央より左側に設けて縦搬送装置30に受け継ぐ構成であって、左側の上部搬送装置28(フィードチェーン側)の搬送速度v2を右側の上部搬送装置29(操縦席側)の搬送速度v1よりも速く構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体の前方に配置し、前部より、引起し装置、下部搬送装置、上部搬送装置、縦搬送装置、刈刃等を備えた複数条刈のコンバインの刈取装置において、左右の下部搬送装置の合流部を刈取装置の左右中央より左側に設けて縦搬送装置に受け継ぐ構成であって、左側の上部搬送装置(フィードチェーン側)の搬送速度を右側の上部搬送装置(操縦席側)の搬送速度よりも速く構成したことを特徴とするコンバインの刈取装置。
【請求項2】
前記上部搬送装置の左右の搬送体のうち、搬送距離が短い左側の搬送体と該搬送体に対応する下部搬送装置との速度比を、搬送距離が長い右側の搬送体と該搬送体に対応する下部搬送装置との速度比よりも大きくした請求項1に記載のコンバインの刈取装置。
【請求項3】
前記上部搬送装置の左右の搬送体のうち搬送距離が短い左側の搬送体を搬送距離が長い右側の搬送体より下方に設けた請求項2に記載のコンバインの刈取装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインの刈取装置、特に穀稈の穂先部を搬送する左右の上部搬送装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行機体の右側側部に運転席を設けるとともに、左側前端部に刈取部を設け、該刈取部の後方位置に脱穀部を設けて、刈取部には穀稈を刈り取る刈刃装置と、該刈刃装置と、同刈刃装置により刈り取った穀稈を脱穀部側へ搬送する上・下部搬送装置とを設けたものがある。
【特許文献1】特開平10−14362号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、三条刈りコンバインなどのコンバインにおいては、穀稈を上部搬送装置より縦搬送装置へと搬送する際に、左右の上部搬送装置によって搬送距離が異なるため、下部搬送装置の速度が一定であれば穀稈の引起し角度に差が生じてしまい、穀稈が合流部でクロスすることとなり、穀稈詰まり等の原因となっていた。また、左右の上部搬送タインの搬送速度が異なる場合、合流部で左右の搬送装置のタインの高さが同じであると、タイン同士が干渉してしまう。
そこで、本発明は斯かる課題に鑑み、合流部において穀稈の姿勢を容易にそろえることができるコンバインの刈取装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、走行機体の前方に配置し、前部より、引起し装置、下部搬送装置、上部搬送装置、縦搬送装置、刈刃等を備えた複数条刈のコンバインの刈取装置において、左右の下部搬送装置の合流部を刈取装置の左右中央より左側に設けて縦搬送装置に受け継ぐ構成であって、左側の上部搬送装置(フィードチェーン側)の搬送速度を右側の上部搬送装置(操縦席側)の搬送速度よりも速く構成したものである。
【0006】
請求項2においては、前記上部搬送装置の左右の搬送体のうち、搬送距離が短い左側の搬送体と該搬送体に対応する下部搬送装置との速度比を、搬送距離が長い右側の搬送体と該搬送体に対応する下部搬送装置との速度比よりも大きくしたものである。
【0007】
請求項3においては、前記上部搬送装置の左右の搬送体のうち搬送距離が短い左側の搬送体を搬送距離が長い右側の搬送体より下方に設けたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0009】
請求項1においては、引起し後の右側と左側の穀稈の穂先が合流部で一致し、同じ程度の立ち上がり角度になり、穀稈の搬送姿勢が左右で異なることがなくなり、スムースに搬送される。また、合流部において穀稈の立ち上がり角度をそろえることが可能となるため、クロスすることなくスムースに搬送される。また、穀稈の姿勢が整うことにより、縦搬送装置での詰まりが減少し、扱胴での扱残し粒を少なくすることが可能である。
【0010】
請求項2においては、合流部において穀稈の立ち上がり角度をそろえることが可能となるため、クロスすることなくスムースに搬送される。
【0011】
請求項3においては、右の搬送体28のタイン28aの流れに左の穀稈を送り込む際、穂先を先行させること無く、穂より下へタイン28aが作用するため穀稈を安定して搬送することが可能となる。また、左右の上部搬送装置28・29のタインが干渉することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係るコンバインの全体的な構成を示した側面図、図2はコンバインの平面図、図3はコンバインの正面図である。図4は刈取装置の上方斜視図、図5は刈取装置の側面図、図6は刈取装置の動力伝達機構を表したスケルトン図、図7は右上部搬送装置及び左上部搬送装置の斜視図、図8は右上部搬送装置及び左上部搬送装置の斜視図、図9は右上部搬送装置の斜視一部断面図である。
【0013】
まず、図1乃至図3を用いて本発明にかかるコンバインの全体的な構成について説明する。
本実施形態における三条刈り用のコンバインは、左右一対の走行クローラ2、2にて支持された走行機体1を備えている。走行機体1の前部には、穀稈を刈り取りながら取り込む刈取装置3が単動式の油圧シリンダ4にて昇降調節可能に装着されている。走行機体1には、フィードチェーン6付きの脱穀装置5と、脱穀後の穀粒を貯溜する穀粒タンク7とが横並び状に搭載されている。本実施形態では、脱穀装置5が走行機体1の進行方向左側に、穀粒タンク7が走行機体1の進行方向右側に配置されている。穀粒タンク7は、走行機体1の後部に設けられた縦軸(実施形態では排出オーガ8の縦オーガ筒9、図1及び図2参照)回りに水平回動可能に構成されている。刈取装置3と穀粒タンク7との間には、操向レバーや運転座席等を有する運転部10が設けられている。運転部10の下方には、動力源としてのエンジン11が配置されている。刈取装置3にて刈り取られた刈取穀稈はフィードチェーン6に受け継ぎ搬送され、脱穀装置5にて脱穀処理される。
【0014】
脱穀装置5における扱室の下方には、扱胴やチャフシーブ等による揺動選別を行うための揺動選別機構(図示せず)と、唐箕ファンによる風選別を行うための風選別機構(図示せず)が配置されている。これら両選別機構にて選別されて一番受け樋(図示せず)に集められた穀粒は、一番コンベヤ及び揚穀コンベヤ(図示せず)を介して穀粒タンク7に集積される。穀粒タンク7の一番物は排出オーガを介して機外に搬出される。
【0015】
なお、フィードチェーン6の後端から排稈チェーン18(図2参照)に受け継がれた排稈は、長い状態で走行機体1の後方に排出されるか、又は排稈カッタ(図示せず)にて適宜長さに短く切断されたのち、走行機体1の後方に排出される。
【0016】
次に、図4及び図5を参照しながら、刈取装置について説明する。
【0017】
刈取装置3は、脱穀装置5の前方に位置する刈取架台(図示せず)に対して上下回動可能に軸支された横長の刈取入力パイプ35(図1、図4及び図5参照)回りに上下回動可能に構成されている。刈取入力パイプ35の中途部には、前方斜め下向きに延びる縦伝動パイプ36が設けられている。該縦伝動パイプ36の中途部と走行機体1の前端部とが、単動式の油圧シリンダ4を介して連結されている。
【0018】
縦伝動パイプ36の先端部(下端部)には、横長の横伝動パイプ37が設けられている。該横伝動パイプ37には、前向きに突出する4本の刈取フレーム38が横伝動パイプ37の長手方向に沿って適宜間隔で並設されている。該刈取フレーム38群の下方には、バリカン式の刈刃装置12が設けられている。各刈取フレーム38の先端部には分草体15が突設されている。
【0019】
また、横伝動パイプ37には、刈り取り条数に合わせて3つの支持パイプとしての中及び左及び右の引起し駆動パイプ39a、39b、39cが前方斜め上向きに延びるように立設されている。当該中及び左及び右の引起し駆動パイプ39a、39b、39c群は、横伝動パイプ37の長手方向(走行機体1の横幅方向)に沿って適宜間隔で並んでいる。中及び左及び右の引起し駆動パイプ39a、39b、39cの各先端部には、圃場に植立した未刈穀稈を引き起こすための穀稈引起し装置13が取り付けられている。本実施形態では、刈取装置3の前部に三条分の穀稈引起し装置13が備えられている。穀稈引起し装置13とフィードチェーン6の前端部との間には、穀稈搬送装置14が配置されている。
【0020】
穀稈引起し装置13は、分草体15を介して取り込んだ未刈穀稈を起立させる引起しタイン21を有する横回し型穀稈引起しケース22を備え、これら各穀稈引起しケース22の後方下部にはスターホイル23及び掻き込みベルト24が配置されている。該スターホイル23及び掻き込みベルト24は、これらの組に対応する引起しタイン21にて引き起こされた未刈穀稈の根元部を後方に掻き込むためのものである。これらスターホイル23及び掻き込みベルト24にて掻き込まれた未刈穀稈の根元部がバリカン式の刈刃装置12にて切断される。
【0021】
穀稈搬送装置14は、右二条分の刈取穀稈を左斜め後方に搬送する右下部搬送チェーン25と、左一条分の刈取穀稈を右斜め後方に搬送してその根元部を右下部搬送チェーン25の送り終端位置近傍に合流させる左下部搬送チェーン27と、右二条分の刈取穀稈の穂先部を左斜め後方に搬送する右上部搬送タイン29a(右上部搬送装置29)と、左一条分の刈取穀稈の穂先部を右斜め後方に搬送して右上部搬送タイン29aに合流させる左上部搬送タイン28a(左上部搬送装置28)と、右下部搬送チェーン25の送り終端位置近傍にて合流した3条分の刈取穀稈の根元部をフィードチェーン6に受け継ぎ搬送するための縦搬送チェーン(縦搬送装置)30とにより構成されている。縦搬送チェーン30に送られた三条分の刈取穀稈の根元部は、その後フィードチェーン6に受け継がれて挟持搬送される。そして、この刈取穀稈の穂先部が脱穀装置5における扱室内の扱胴17にて脱穀される。
【0022】
次に、縦搬送チェーン30及び右上部搬送タイン29aの駆動伝達機構について図6及び図8を用いて説明する。
【0023】
エンジン11から刈取装置3に向けての動力は、扱胴入力軸や刈取変速機構(いずれも図示せず)及び刈取入力プーリ40等を介して、まず刈取入力パイプ35に内装された刈取入力軸41に伝達される。刈取入力軸41に伝達された動力は、縦伝動パイプ36内の縦伝動軸42を介して横伝動パイプ37内の横伝動軸43に伝達され、次いで、横伝動軸43から、右及び中及び左の引起し駆動パイプ39a、39b、39cに内装された右及び中及び左の引起し伝動軸44a、44b、44cと、刈刃駆動軸45とに動力伝達される。右及び中及び左の引起し伝動軸44a、44b、44cに伝達された動力は、右及び中及び左の引起し入力軸46a、46b、46c及びこれに連結された引起しスプロケット47を介して、穀稈引起し装置13の各引起しタイン21を駆動させる。刈刃駆動軸45に伝達された動力は刈刃装置12を駆動させる。
【0024】
左及び右の引起し伝動軸44c、44aからは、隣接する右及び中及び左の引起し伝動軸44a、44b、44cの間に配置された左右の下部搬送駆動軸48にも動力が分岐して伝達される。左の下部搬送駆動軸48に伝達された動力は、これに連結された駆動スプロケット49を介して、穀稈搬送装置14の左下部搬送チェーン27、穀稈引起し装置13における左側のスターホイル23及び掻き込みベルト24を駆動させる。右下部搬送駆動軸48に伝達された動力は、これに連結された駆動スプロケット49を介して、穀稈搬送装置14の右下部搬送チェーン25、穀稈引起し装置13における右側と中央とのスターホイル23及び掻き込みベルト24を駆動させる。
【0025】
また、前記刈取入力軸41に伝達された動力は、チェーン(またはベルト)33を介して前記刈取入力軸41と平行に設けられた縦搬送駆動軸50に貫設された入力スプロケット34に伝達される。該縦搬送駆動軸50からはベベルギヤ51を介して縦搬送入力軸52に動力を伝達する。該縦搬送入力軸52は前記ベベルギヤ51と噛合するベベルギヤ53を中途部に貫設して上下方向に延びて設けられており、下方の端部には縦搬送チェーン30を駆動するための縦搬送スプロケット54が嵌設されている。また、上方の端部には右上部搬送タイン29aを駆動するための右上部搬送スプロケット56がスプライン嵌合などにより相対回動不能に嵌設されている。従って、右上部搬送タイン29aと縦搬送チェーン30とは同期して駆動される。
【0026】
前記右上部搬送スプロケット56から、左上部搬送装置28へと動力を伝達している。すなわち、図7乃至図9に示すように、右上部搬送スプロケット56の中心に中空状に形成されたボス部56aの上部軸孔56bに、回動軸57がスプライン嵌合などにより相対回転不能に貫設されており、駆動スプロケット58は前記回動軸57にスプライン嵌合などにより相対回転不能に嵌設されており、前記回動軸57は上部チェーンケース60に軸受等を介して固定されている。前記駆動スプロケット58と入力スプロケット59の間にはチェーン61が巻回されており、該入力スプロケット59の中心には第一駆動軸71が相対回転不能に貫設されている。
【0027】
前記駆動スプロケット58、入力スプロケット59及びチェーン61は上部チェーンケース60に内装されている。該上部チェーンケース60は軸受62を介して前記駆動スプロケット58を回動可能に支持しており、前記回動軸57は上部チェーンケース60へ貫設している。
該上部チェーンケース60は通常時にはボルト63により、下方の右上部搬送装置29に固定されている。このような構成によって、右上部搬送装置29の右上部搬送タイン29aを交換する際には、ボルト63を外して前記駆動スプロケット58と回動軸57を上方にずらすことにより、スプライン嵌合された回動軸57をボス部56aから抜くことができる。つまり、右上部搬送装置29から上部チェーンケース60を取り外すことができ、後述する伝動パイプ71a・72a・73a及び左上部搬送装置28を外して、右上部搬送装置29のメンテナンス等が可能となる。具体的には、右上部搬送装置29の上方のスペースを確保することが可能なので、カバーを外して容易に右上部搬送タイン29aやスプロケット等をメンテナンスすることが可能となる。
【0028】
前記入力スプロケット59の中心には第一駆動軸71がスプライン嵌合などにより相対回転不能に貫設されている。該第一駆動軸71は後述する第二駆動軸72、第三駆動軸73等を介して左上部搬送装置28へ駆動を伝達する。前記第一駆動軸71、第二駆動軸72、第三駆動軸73は後述する第一駆動パイプ71a、第二駆動パイプ72a、第三駆動パイプ73a、第一継手87、第二継手88等からなる吊りフレーム74に内設されている。
【0029】
ここで、前記右上部搬送タイン29aと左上部搬送タイン28aの配置について説明する。
図4、図7、図8に示すように、前記右上部搬送タイン29aは前部が車両進行方向右側に位置しており、後部が左側に位置するように平面視で走行機体の長手中心線に対して傾斜しており、かつ、前部が低くて後部が高くなるように側面視及び正面視で傾斜している。一方、左上部搬送タイン28aは前部が車両進行方向左側に位置しており、後部が右側に位置するように平面視で走行機体の長手中心線に対して傾斜しており、かつ、前部が低くて後部が高くなるように側面視及び正面視で傾斜している。該左上部搬送タイン28aの後端は右上部搬送タイン29aに穀稈を合流させるために、右上部搬送タイン29aの中途部に接近するように配置されている。
【0030】
前記左上部搬送タイン28aは、右上部搬送タイン29aよりもやや下方に配置している。すなわち図8に示すように合流部において距離hだけ上下方向にずらして配置している。このように構成することにより、左上部搬送タイン28aが穀稈のより根元側を保持することになるため、穀稈の穂先が先行することなく、安定して搬送することが可能となる。また、後述するように、左右のタインの搬送速度が異なっても穀稈の合流部で左右のタインが干渉することがないため、破損などを防止することが可能となる。
【0031】
次に、前記右上部搬送タイン29aと左上部搬送タイン28aの回動する速度、つまり左右の搬送装置の搬送速度の差について、図7を用いて説明する。前記右上部搬送タイン29aの回動する速度v1に対し、前記左上部搬送タイン28aの回動する速度v2が速くなるように設定している。右上部搬送タイン29aの始端から右上部搬送タイン29aと左上部搬送タイン28aが合流する地点までの距離L1と、左上部搬送タイン28aの始端から合流地点までの距離L2では、L1の方が長いため、左及び右の下部搬送チェーン25・27の速度が同じ場合、右上部搬送タイン29aと左上部搬送タイン28aの速度が同じでは、穀稈の引起し角度に違いが生じる。すなわち、穀稈の穂先側を引起し装置の前端から合流部まで搬送する間に穀稈の姿勢が略直立状とする時に、右上部搬送タイン29aと左上部搬送タイン28aの搬送速度が同じであれば、左上部搬送タイン28aで搬送された穀稈は合流部において引起し角度が小さくなる。このように、左右の搬送装置で搬送された穀稈の搬送姿勢が異なると、詰まりの原因となるだけでなく、穂先位置が異なるために脱穀効率も低下してしまうのである。
そこで、左上部搬送タイン28aの速度v2を右上部搬送タイン29aの速度v1よりも速くすることにより、短い距離でも穂先側を立ち上げることを可能とすることで、合流部での穀稈の角度を同じにすることができる。左上部搬送タイン28aと右上部搬送タイン29aの速度比は右上部搬送タインの合流部までの距離L1と左上部搬送タインの距離L2との比と同一である。
【0032】
また、左及び右の下部搬送チェーン25・27の速度が異なる場合には、右の下部搬送チェーン25の搬送速度v3(図6参照)に対する上部搬送タイン29aの搬送速度v1の速度比よりも、左の下部搬送チェーン27の搬送速度v4(図6参照)に対する上部搬送タイン28aの搬送速度v2の速度比を大きくすることにより、前述した効果を得ることが可能となる。この場合、左上部搬送タイン28aの左下部搬送チェーン27に対する相対速度と右上部搬送タイン29aの右下部搬送チェーン25に対する相対速度の比が、右上部搬送タイン29aの合流部までの距離L1と左上部搬送タインの距離L2との比と同一である。
【0033】
以上のように、走行機体1の前方に配置し、前部より、引起し装置13、下部搬送装置25・27、上部搬送装置28・29、縦搬送装置30、刈刃12等を備えた複数条刈のコンバインの刈取装置において、左右の下部搬送装置25・27の合流部を刈取装置の左右中央より左側に設けて縦搬送装置30に受け継ぐ構成であって、左側の上部搬送装置28(フィードチェーン側)の搬送速度v2を右側の上部搬送装置29(操縦席側)の搬送速度v1よりも速く構成した。このように構成することにより、引起し後の右側と左側の穀稈の穂先が合流部で一致し、同じ程度の立ち上がり角度になり、穀稈の搬送姿勢が左右で異なることがなくなり、スムースに搬送される。また、合流部において穀稈の立ち上がり角度をそろえることが可能となるため、クロスすることなくスムースに搬送される。また、穀稈の姿勢が整うことにより、縦搬送装置での詰まりが減少し、扱胴での扱残し粒を少なくすることが可能である。
【0034】
また、前記上部搬送装置の左右の搬送体28・29のうち、搬送距離が短い左側の搬送体28と該搬送体28に対応する下部搬送装置27との速度比を、搬送距離が長い右側の搬送体29と該搬送体29に対応する下部搬送装置25との速度比よりも大きくした。このように構成することにより、合流部において穀稈の立ち上がり角度をそろえることが可能となるため、クロスすることなくスムースに搬送される。
【0035】
また、前記上部搬送装置の左右の搬送体28・29のうち搬送距離が短い左側の搬送体28を搬送距離が長い右側の搬送体29より下方に設けた。このように構成することにより、右の搬送体28のタイン28aの流れに左の穀稈を送り込む際、穂先を先行させること無く、穂より下へタイン28aが作用するため穀稈を安定して搬送することが可能となる。また、左右の上部搬送装置28・29のタインが干渉することがない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施例に係るコンバインの全体的な構成を示した側面図。
【図2】コンバインの平面図。
【図3】コンバインの正面図。
【図4】刈取装置の上方斜視図。
【図5】刈取装置の側面図。
【図6】刈取装置の動力伝達機構を表したスケルトン図。
【図7】右上部搬送装置及び左上部搬送装置の斜視図。
【図8】右上部搬送装置及び左上部搬送装置の斜視図。
【図9】右上部搬送装置の斜視一部断面図。
【符号の説明】
【0037】
1 走行機体
3 刈取装置
13 穀稈引起し装置
28 左上部搬送装置
29 右上部搬送装置
71 第一駆動軸
72 第二駆動軸
73 第三駆動軸
74 吊りフレーム
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
【出願日】 平成18年6月21日(2006.6.21)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎


【公開番号】 特開2008−53(P2008−53A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−171884(P2006−171884)