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【発明の名称】 水田作業車
【発明者】 【氏名】児島 祥之

【氏名】岸岡 雄介

【要約】 【課題】搭乗ステップよりも下方側におけるエンジン騒音の抑制を、ボンネット内部の排熱処理能力を増強するための手段を要したり、設計上の自由度を制限されるようなことなく行えるようにする。

【解決手段】乗降用ステップ23をボンネット4の横側方に備えてある水田作業車において、エンジン30が搭載された箇所の横側位置で、かつ、乗降用ステップ23の下方側に、エンジン音の機体左右方向への散逸を規制する遮音板6を配設してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体の前部に搭載したエンジンを内装するボンネットを備え、そのボンネットの後方側に操縦部が設けられているとともに、操縦部の搭乗ステップに連なる乗降用ステップを前記ボンネットの横側方に備えてある水田作業車であって、
前記エンジンが搭載された箇所の横側位置で、かつ、前記乗降用ステップの下方側に、エンジン音の機体左右方向への散逸を規制する遮音板を配設してあることを特徴とする水田作業車。

【請求項2】
ボンネット内でエンジンの後方側にラジエータを配備し、後方のラジエータ側から機体前方側へ向けてエンジン冷却風を送風するラジエータファンを設け、
遮音板がエンジン冷却風の横側方への逃げ出しを規制する冷却風導風板を兼用するようにラジエータファンの送風方向に沿ってラジエータよりも機体前方側に配備してある請求項1記載の水田作業車。

【請求項3】
エンジンとその横側方の遮音板との間の空間に、施肥装置に向けて搬送風を吸引導出する施肥ブロアへの搬送ダクトの吸入口を形成した請求項1または2記載の水田作業車。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、田植機や直播機などのように水田作業を行うもので、走行機体の前部に搭載したエンジンを内装するボンネットを備え、そのボンネットの後方側に操縦部を設けた水田作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の水田作業車では、機体前端を畦に接近させて、機体前方側からボンネット後方の操縦部への乗降が可能であるようにするために、ボンネットの横側部に乗降用ステップが横方向へ張り出した状態で備えられているのが一般的である。
そして、水田の深さに対応させて比較的車輪径を大きく設定している水田作業車は、不整地を走行するものでもあるため、機体重心はできるだけ低く維持しなければならず、機体上におけるエンジンの高さ位置はできるだけ低く位置させたい要望がある。
ところが、機体前端側の前記乗降用ステップは、高い畦への乗り降りを行い易くするために機体の比較的高い位置に設けてあり、この乗降用ステップの上側に配置されるボンネットでは、エンジンの上部側しか覆うことができないため、エンジンの下部側は乗降用ステップの下方側とは云え、ボンネット外へ比較的大きく露出する状態となっていた。
【0003】
このため、エンジン存在箇所の騒音が操縦部に伝播することを抑制することが望まれてはいるが、そのための手段として、操縦部にキャビンを設けることは、機体重量が著しく増大するために水田作業車としては好ましくない。また、ボンネットを乗降用ステップの下側にまで延長することも考えられなくもないが、そうするとボンネット内部の排熱処理能力を増強するための手段が必要となり、コスト増や機体重量増加の要因となりやすい。
【0004】
従来では、乗降用ステップよりも下方側における防音手段として、エンジン本体とマフラーとを前後に離間させて配設することにより、エンジンとマフラーからの騒音が夫々分散されて運転者の耳元に届くようにして、運転者が感じる騒音の大きさを低減するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平11−243723号公報(段落〔0020〕、〔0021〕〔0035〕、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1に記載の水田作業車では、エンジン本体とマフラーとを前後に離間させることによってエンジンとマフラーからの騒音を分散させることによって、運転者が感じる騒音の大きさを低減しようとするものであるから、ボンネット部分を乗降用ステップの下側にまで延長するような構成を要さず、ボンネット内部の排熱処理能力を増強するための手段も用いる必要のないものである。
したがって、全体コストの増加や機体重量の増加を招く虞が少ない点では有利なものであるが、単に、エンジン本体とマフラーとを前後に離間させるだけでは、騒音の発生箇所が分散されただけで、全体の音量が低減されたものではなく、また、双方の騒音源が何れも操縦部から遠ざかったという訳でもないので、運転者の感じる騒音としても、十分な騒音低減の効果を期待し難いものであった。
しかも、この構造では、エンジン本体とマフラーとの位置関係について配置上の制約を受けるため、設計上の自由度を制限されるという不都合もあった。
【0007】
本発明は、乗降用ステップよりも下方側におけるエンジン騒音の抑制を、ボンネット内部の排熱処理能力を増強するための手段を要したり、設計上の自由度を制限されるようなことなく行えるようにする点に目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために講じた本発明の技術手段は、次の点に構成上の特徴、及び作用効果がある。
〔解決手段1〕
走行機体の前部に搭載したエンジンを内装するボンネットを備え、そのボンネットの後方側に操縦部が設けられているとともに、操縦部の搭乗ステップに連なる乗降用ステップを前記ボンネットの横側方に備えてある水田作業車において、
前記エンジンが搭載された箇所の横側位置で、かつ、前記乗降用ステップの下方側に、エンジン音の機体左右方向への散逸を規制する遮音板を配設してあることを特徴とする。
【0009】
〔作用及び効果〕
上記構成によれば、ボンネットの横側方に備えてある乗降用ステップの下方側に、エンジン音の機体左右方向への散逸を規制する遮音板が配設されるので、この遮音板が、乗降用ステップの下方側へ露出するエンジン下部からの発生騒音の左右方向への散逸を制限し、乗降用ステップの外側を回り込んで操縦部に到達する騒音を低減することができる。
そして、遮音板は、単なるボンネットの延長ではなく、ボンネットの横側方に位置する乗降用ステップの下方側に配設されるものであるから、ボンネット自体の左右方向幅による制限を受けることなく、乗降用ステップの下側空間に比較的横幅の広いエンジン冷却風通路を形成できる。したがって、この部位にエンジン排熱がこもって排熱処理機能が低減する虞は少なく、特別に排熱処理機能を増強させるための手段を設ける必要もない。
【0010】
〔解決手段2〕
請求項2の記載のように、エンジンとその横側方の遮音板との間の空間に、施肥装置に向けて搬送風を吸引導出する施肥ブロアへの搬送ダクトの吸入口を形成するとよい。
【0011】
〔作用及び効果〕
上記構成によれば、エンジンとその横側方の遮音板との間の空間に、施肥装置に向けて搬送風を吸引導出する施肥ブロアへの搬送ダクトの吸入口が存在して、施肥装置側へ加熱乾燥されたエンジン冷却風を効率良く取り出すことができる。
そして、エンジン音などの騒音振動を含むエンジン冷却風の一部が施肥装置側へ吸引排出されることで、施肥系以外の外部へ散逸する騒音の量も低減し、より一層遮音効果をあげることができる。
【0012】
〔解決手段3〕
請求項3の記載のように、ボンネット内でエンジンの後方側にラジエータを配備し、後方のラジエータ側から機体前方側へ向けてエンジン冷却風を送風するラジエータファンを設け、
前記遮音板がエンジン冷却風の横側方への逃げ出しを規制する冷却風導風板を兼用するようにラジエータファンの送風方向に沿ってラジエータよりも機体前方側に配備するとよい。
【0013】
〔作用及び効果〕
上記構成によれば、エンジン冷却風が後方のラジエータ側から機体前方側へ向けて排出されることにより、ボンネット外へ拡散する騒音が、機体前方側への指向性を持つことになり、後方の操縦部側への騒音の伝播が抑制されることになる。
そして、乗降用ステップの下方側においても、機体横側方へのエンジン冷却風の流れが制限されて機体前方側へ向けられることになるため、やはり騒音も機体前方側への指向性を持つことになり、後方の操縦部側への騒音の伝播が抑制されることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面の記載に基づいて説明する。
〔作業車の全体構成〕
図1には、本発明にかかる水田作業車の一例である乗用型田植機の全体側面が示されている。
この乗用型田植機は、前車輪11及び後車輪12に支持された車体フレーム10の後部に、苗植付装置13を、油圧シリンダ14の作動で昇降揺動するリンク機構15を介して昇降自在に連結し、前記車体フレーム10上には、その後端部に施肥装置16を搭載して、ミッドマウント施肥仕様の走行機体1に構成されている。
【0015】
走行機体1は、その前部に配設される原動部3からの走行用動力を左右の前輪11及び後輪12に伝達する四輪駆動形式に構成されている。この走行機体1の前記施肥装置16よりも前方側における中央部箇所には、左右の前輪11に操向操作可能に連係されたステアリングホイール21や運転座席20などを備えるとともに、車体フレーム10の一部分であるところの搭乗ステップ22が敷設された搭乗運転部2が形成されている。
前記原動部3の左右には、搭乗運転部2に対する機体前方位置からの乗降を可能にする乗降用ステップ23が搭乗ステップ22と同じ高さ位置に敷設されている。
尚、図1及び図2における図中の符号17は、乗降用ステップ23の横外側に位置させて車体フレーム10に支持させた予備苗のせ台を示すものであり、この予備苗のせ台17と前記原動部3の横側部との間に位置する乗降用ステップ23を通って乗降可能に構成されている。
【0016】
〔原動部の構成〕
走行機体1の前部に配設される原動部3は次のように構成されている。
図1乃至図4に示すように、原動部3においては、車体フレーム10の構成要素であるところの、前後向きに配設された左右一対の主フレーム25の前端に車体フレーム10を兼ねるミッションケース26を連結し、ミッションケース26から前方に向けて延設された車体フレーム10の構成要素であるところのエンジンフレーム27に、水冷式3気筒のディーゼルエンジン30を、その出力軸30aが左右向きになる姿勢で防振用の4つのマウントゴム29を介して搭載支持してある。
そして、エンジン30とその後方に立設されたハンドルポスト21Aとの間に、電動モータで駆動される冷却用のラジエータファン32を備えたラジエータ31を前後向きに立設配備してある。
【0017】
前記ラジエータ31の後方に位置するミッションケース26の左側部に、変速装置の一例である静油圧式無段変速装置33をその入力軸33aが左右向きになる姿勢で連結し、エンジン30の出力軸30aと静油圧式無段変速装置33の入力軸33aとをベルト式伝動機構34を介して伝動可能に連結してある。
そして、このベルト伝動機構34によるベルト張力が付与される前記エンジン30の出力軸30aと静油圧式無段変速装置33の入力軸33aとを結ぶ線分と側面視で一致する直線上には、前述のマウントゴム29とは別に、エンジン30の前後方向での移動を制限するための円筒状の横向きマウントゴム29Aが、その円筒部分の中心線を前記線分と平行な姿勢にして設けられている。
この横向きマウントゴム29Aは、平面視では図4に示すように、ベルト式伝動機構34の位置よりも機体内方側に位置して、エンジン30のエンドプレート30Aと、エンジンフレーム27との間に亘って配設してある。
【0018】
上記のエンジン30は、出力軸30aの延出方向の長さが出力軸直交方向の長さよりも長くなる3気筒の比較的大型のものであるが、その長手方向を左右向きにした状態で搭載することから、長手方向を前後向きにして搭載する場合に比較して、走行機体1の前部に形成される原動部3の前後長さを短くすることができる。
したがって、搭乗運転部2からの機体前下方の作業地に対する見通しを良くすることができるようになっており、もって、条合わせなどの作業性の向上を図れるようになっている。又、原動部3の前後長さが短くなる分、機体の全長を短くすることができて機体旋回時に要する旋回スペース(圃場では枕地)の縮小化を図れるようになっている。
【0019】
そして、ラジエータ31及びラジエータファン32は、長手方向が左右向きになるように搭載したエンジン30の後方側に配置されるものであるから、長手方向を左右向きとしたエンジン30の左右一側方に配設した場合に比べて、走行機体1の前部に形成される原動部3の左右長さが長くなり過ぎることを回避できる。
したがって、搭乗運転部2からの機体前下方の作業地に対する見通しが悪くなる、といった不都合や、乗降用ステップ23の左右幅が狭くなって搭乗運転部2に対する機体前方位置からの乗降が行い難くなる、といった不都合を招くことなく、エンジン30の冷却を良好に行えるようになっている。
【0020】
図3乃至図5に示すように、静油圧式無段変速装置33の入力軸33aには、その入力軸33aと一体回転することで機体左外側方の外気を静油圧式無段変速装置33に向けて流動させる冷却ファン35が外嵌装着されており、これによって、静油圧式無段変速装置33の冷却を効果的に行えるようになっている。
又、ラジエータ31の後方にミッションケース26が配設されていることによって、静油圧式無段変速装置33を冷却した後の冷却排風が、ラジエータ31に備えたラジエータファン32の吸引側となるラジエータ31の後方を流動するようになっている。
したがって、その冷却排風の一部がラジエータファン32の作動によって他の外気とともに静油圧式無段変速装置33よりも高温のエンジン30やラジエータ31に供給されるようになることから、エンジン30やラジエータ31に供給する冷却風量を増加させることができ、エンジン30の冷却をより効果的に行えるようになっている。また、この冷却排風の一部は、エンジン30のエアークリーナ36にも吸い込まれるように、吸気用ダクト37の入り口がラジエータ31の後方側における前記静油圧式無段変速装置33からの冷却風排風通路に臨む状態で設けられている。
【0021】
〔ボンネットの構成〕
原動部3に設けられるボンネット4は、図2,図3、及び図6に示されているように、車体フレーム10に固定して設けてある固定ボンネット40と、車体フレーム10に対して前端側で枢支連結された可動ボンネット41とで構成されている。
前記固定ボンネット40には、ステアリングポスト21Aの支持部と、操縦パネル42部分とが一体的に形成されているとともに、搭乗運転部2に面する後面側は、後壁43によって、搭乗運転部2とボンネット4内空間とが隔絶された状態に構成されている。
【0022】
ボンネット4の内部で前記固定ボンネット40の内側に相当する箇所には、前記ラジエータ31の左右横側部とその上部とにわたって門型に形成された支持枠44が、車体フレーム10から立設した状態で設けてあり、この支持枠44で囲繞される内側空間に前記ラジエータ31が配置され、その支持枠44によってラジエータ31が固定されている。
前記支持枠44には、その上部側に設けた横軸芯x周りで上下揺動自在な腕部材45が左右方向の2箇所に設けてあり、この左右一対の腕部材45に可動ボンネット41の後端側が支持されている。
また、この支持枠44には、その左右両側と固定ボンネット40の内壁面との間隙、及び、ラジエータ31の上縁と固定ボンネット40の内壁面との間に存在する無用な間隙部分を埋めるための充填材Bが取り付けてあるとともに、その支持枠44の上部には、外気をラジエータ31の後面側へ導入するための外気導入機構5が設けられている。
【0023】
前記外気導入機構5は、図3、図5、及び図7に示すように、前記支持枠44に固定された上方開放のチャンネル状の後部導入経路形成部材50と、その前方側で、やはり上方開放のチャンネル状に形成された前下がり姿勢の前部導入経路形成部材51とで構成され、このうち、前記前部導入経路形成部材51は、前記可動ボンネット41の左右一対の腕部材45に連結固定してあり、可動ボンネット41の開閉動作に追随して姿勢変更自在に構成されている。
この前部導入経路形成部材51、及び後部導入経路形成部材50と前記可動ボンネット41及び固定ボンネット40の夫々の天井側内面とによって、ラジエータ31よりも機体前方側からラジエータ31の後方側に向けて外気の導入を案内する冷却風導入路Rを構成している。
【0024】
可動ボンネット41の上面側の上端近くには、図3及び図6,図7に示すように、機体進行方向の前方側に向けて開口する外気導入口46が形成されている。この外気導入口46は、図3に示すように、ボンネット4を閉じた状態で前記外気導入機構5の直前に位置するように形成してあり、この状態で外気がスムースに冷却風導入路Rに導かれるように、かつ、ボンネット4内でラジエータファン32から供給されるエンジン冷却風がボンネット4外へ逃げ出すことを制限するように位置設定されている。
【0025】
可動ボンネット41の前部における中央箇所には、前記ラジエータファン32から排出されるエンジン冷却風が機体の前方側、もしくは前方下方側へ向けて排出されるように案内するガイド面47aを有した複数個の中央排出口47が形成されている。
また、可動ボンネット41の前部で左右横側方より箇所の下部には、前記ラジエータファン32から排出されるエンジン冷却風を機体の前方下方側へ向けて排出するための側部排出口48が形成されている。この側部排出口48には、外部からの泥土や塵埃の侵入を制限しながら排気するための防塵網が設けられている。
【0026】
可動ボンネット41で覆われた空間うち、可動ボンネット41の下縁よりも下方側で、エンジン30を支持するエンジンフレーム27の前側フレーム28部分には、図3及び図4に示すように、前側フレームの前縁側に凹入部分28aを形成してある。つまり、この凹入部分28aと乗降用ステップ23の下縁との間に形成される間隙を、エンジン冷却風の下向き排出口49として利用するように構成したものであり、この下向き排出口49から吹き出されるエンジン冷却風は、機体の前方側で下向きに排出される。
機体前端部の中央箇所には、センターマーカー53が乗降用ステップ23に横軸芯周りで揺動可能に装着されている。図6における符号54は前照灯である。
【0027】
〔遮音板〕
前記搭乗ステップ22及び乗降用ステップ23の下方側では、エンジン30を支持するエンジンフレーム27の左右横側方に、予備苗のせ台17を支承するための予備苗支持フレーム18を連結固定してある。さらに、その予備苗支持フレーム18の横側方への延長箇所の途中位置には、乗降用ステップ23の横外側端近くを支持するためのステップ支持フレーム19の下端側が溶接して連設されている。
【0028】
左側のエンジンフレーム27とその横外側方箇所に設けられたステップ支持フレーム19との間に、機体後方側の施肥装置16に向けて搬送風を吸引導出する施肥ブロア(図外)への搬送ダクト16aの先端側を位置させてある。この搬送ダクト16aは、その先端の吸入口16bを、前記ラジエータ31よりも機体前方側でエンジン30側に向けて開口させてあり、ある程度加温されたエンジン冷却風の一部を吸引して施肥装置16側へ供給するように構成してある。
そして、前記予備苗支持フレーム18の下方側と、前記ステップ支持フレーム19の横外側とにわたって後述する遮音板6が付設してあり、この遮音板6によってエンジン音の機体左右方向への散逸を規制するように構成してある。
【0029】
右側のエンジンフレーム27とその横外側方箇所に設けられたステップ支持フレーム19との間に、エンジン30の排気マニホールドに接続されたマフラー38を前後向き姿勢で配設してある。
このマフラー38は、その後端側の排気口38aが、平面視でラジエータ31の後方側に位置し、かつ、ラジエータ31の後方側で前記静油圧式無段変速装置33に対する冷却風路として、機体の左側から右側へ送風するように設けられた冷却ファン35による送風路の終端側に臨む状態で位置している。
そして、この右側においても、前記予備苗支持フレーム18の下方側と、前記ステップ支持フレーム19の横外側とにわたって後述する遮音板6が付設してあり、この遮音板6によってエンジン音の機体左右方向への散逸を規制するように構成してある。
【0030】
前記左右の遮音板6は、図8及び図11に示すように、夫々が金属板で構成された遮蔽板材60と、その機体内方側に向く面60aに付設された吸音物質からなる吸音材61との組み合わせで構成されている。
前記遮蔽部材60は、図11(イ)に示す左側遮蔽板材60Lと、図11(ロ)に示す右側遮蔽板材60Rとの夫々に、前記予備苗支持フレーム18及びステップ支持フレーム19を挿通可能な切り欠き部62を形成してある。そして、前記切り欠き部62に挿通される予備苗支持フレーム18に固定の下部取付ブラケット18a、及び上部取付ブラケット18bに対して連結ボルトを用いて連結するための連結孔63,63と、乗降用ステップ23の裏面側の取付ブラケット23aに対して連結可能な連結孔64を形成してある。
【0031】
前記遮音板6のうち、左側遮音板材60Lは、図9に示すように前端側がエンジン30の前端と同程度の位置にあり、後端側が前記搬送ダクト16aの吸引口16bよりも後方に位置するように配設してある。この後端側の位置はラジエータ31と同程度の前後方向位置でもある。
前記遮音板6のうち、右側遮音板材60Rは、図10に示すように前端側がエンジン30の前端と同程度の位置にあり、後端側が前記マフラー38の後端排気口よりも後方側へ延出されている。前記マフラー38の後端排気口は前後方向でラジエータ31と同程度の位置でもある。
【0032】
遮音板6がこのように配置されていることにより、前記ラジエータファン32から機体の前方側へ向けて送り出されるエンジン冷却風が、乗降用ステップ23の下方側で機体の横外方へ拡散することを抑制して、機体前方側へ案内しながら排出することができる。つまり、遮音板6が機体横外方への音の散逸を制限する機能と、エンジン冷却風の機体横外方への拡散を制限する機能とを兼ね備えることになる。
【0033】
〔別実施形態〕
以下、本発明の別実施形態を列記する。
[1] 水田作業車としては、直播機や藺草移植機あるいは除草剤散布車などであってもよい。
[2] 外気導入口46はボンネット4の上面側に形成されるものに限らず、横側面箇所であってもよく、その両方であってもよいが、外気導入口46の開口が前向きである方がボンネット内騒音の後方側への伝播を抑制する上で望ましい。
[3] 遮音板6は全体が一連の板材で構成されたものに限らず、2つ、もしくは3つ以上の多数個の分割体から構成されたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】乗用型田植機の全体側面図
【図2】乗用型田植機の全体平面図
【図3】機体前部を示す側面図
【図4】機体前部を示す平面図
【図5】機体前部を示す断面図
【図6】ボンネットを示す正面図
【図7】ボンネット上部の外気導入機構部分を示す断面図
【図8】機体前部のステップ下方を示す平面図
【図9】機体前部のステップ下方を示す左側面図
【図10】機体前部のステップ下方を示す右側面図
【図11】遮音板を示し、(イ)が左側の遮音板の正面図と側面図、(ロ)が右側の遮音板の正面図と側面図
【符号の説明】
【0035】
1 走行機体
2 搭乗運転部
3 原動部
4 ボンネット
30 エンジン
31 ラジエータ
33 静油圧式無段変速装置
40 固定ボンネット
41 可動ボンネット
46 外気導入口
6 遮音板
60 遮蔽板材
61 吸音材
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成19年4月23日(2007.4.23)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎


【公開番号】 特開2008−263886(P2008−263886A)
【公開日】 平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願番号】 特願2007−112944(P2007−112944)