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【発明の名称】 移植機
【発明者】 【氏名】大角 彰保

【要約】 【課題】乗用型田植機等の移植機の機体側部に装着した予備苗載せ台に、苗箱や苗スクレーパを用いることなく直接予備苗を載置して、この予備苗の形態を崩すことなく当該予備苗載せ台上をスムーズに移動できるようにする。

【解決手段】予備苗載せ台5の予備苗載置面Sに、所定の左右間隔を有して走行機体4の前後方向に連続するリブLを形成することにより、予備苗載せ台5に対する予備苗Nの床土部分の摺接面積を大幅に減少させて、両者5,Nの摺接抵抗(滑り抵抗)を軽減できるように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体(4)の後部に植付作業機(18)を昇降自在に連結すると共に、走行機体(4)の側部に走行機体(4)の前方から後部に亘って延設され、畦際から予備苗(N)を補給できる予備苗載せ台(5)を備えた移植機において、前記予備苗載せ台(5)の予備苗載置面(S)に、所定の左右間隔を有して前後方向に連続するリブ(L)を形成したことを特徴とする移植機。
【請求項2】
走行機体(4)の後部に植付作業機(18)を昇降自在に連結すると共に、走行機体(4)の側部に走行機体(4)の前方から後部に亘って延設され、畦際から予備苗(N)を補給できる予備苗載せ台(5)を備えた移植機において、前記予備苗載せ台(5)底部の予備苗受け部(U)を、所定の左右間隔を有して前後方向に連続する線材またはパイプ材(P)で形成したことを特徴とする移植機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、走行機体の側部に、畦際から予備苗を連続的に補給することができる予備苗載せ台を備えた乗用型田植機等の移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗用型田植機等の移植機においては、畦際から予備苗(マット苗)を連続的に補給する際の作業性を向上させるべく、折畳み式の予備苗載せ台を機体の側部に配設したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−109773号公報(第3−6頁、図1−図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1の折畳み式の予備苗載せ台は、予備苗が育苗されている方形状の苗箱や、この苗箱に育苗されている予備苗を苗スクレーパで掬い取った状態のものを、予備苗載せ台の左右の外枠に軸支した複数の転動ローラ上を移動させながら、植付作業機の苗載せ台に順次予備苗を補給しようとするものであり、前記苗載せ台に苗を補給した後に空になった苗箱または苗スクレーパを溜め置きする収納部や、該収納部を畦際へ移送するための移送手段を設けなければならず、それらの設置スペースを必要とすると共にコスト高となっていた。
また、上述した苗箱や苗スクレーパを用いることなく直接予備苗を転動ローラ上に載置すると、予備苗の床土部分の前後端が転動ローラの間に落ち込んでしまい、当該予備苗の形態が崩れて転動ローラ上を移動させることが困難になることから、更なる改善が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記課題を解決することを目的としたものであって、走行機体の後部に植付作業機を昇降自在に連結すると共に、走行機体の側部に走行機体の前方から後部に亘って延設され、畦際から予備苗を補給できる予備苗載せ台を備えた移植機において、前記予備苗載せ台の予備苗載置面に、所定の左右間隔を有して前後方向に連続するリブを形成したことを第1の特徴としている。
また、走行機体の後部に植付作業機を昇降自在に連結すると共に、走行機体の側部に走行機体の前方から後部に亘って延設され、畦際から予備苗を補給できる予備苗載せ台を備えた移植機において、前記予備苗載せ台底部の予備苗受け部を、所定の左右間隔を有して前後方向に連続する線材またはパイプ材で形成したことを第2の特徴としている。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明によれば、予備苗載せ台の予備苗載置面に、所定の左右間隔を有して前後方向に連続するリブを形成したことによって、前記予備苗載せ台の予備苗載置面に対する予備苗(マット苗)の床土部分の摺接抵抗(滑り抵抗)を軽減させることができるので、当該予備苗は、その形態を崩すことなく予備苗載せ台上をスムーズに移動し、且つ従来の苗箱または苗スクレーパを溜め置きする収納部や、該収納部を畦際へ移送するための移送手段が不要となって、走行機体の省スペース化とコストの低減が図れる。
また、請求項2の発明によれば、予備苗載せ台底部の予備苗受け部を、所定の左右間隔を有して前後方向に連続する線材またはパイプ材で形成したことによって、予備苗載せ台底部おける予備苗の載置面積、即ち予備苗受け部における予備苗の床土部分の摺接面積が大幅に減少し、その摺接抵抗(滑り抵抗)を軽減させることができるで、当該予備苗の形態を崩すことなく予備苗載せ台上をスムーズに移動できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2は、移植機の一例である乗用型田植機1の側面図と平面図であって、この乗用型田植機1は、左右一対の前輪2及び後輪3に支持された走行機体4を有し、その左右一側(本実施例では左側)には、走行機体4の前方から後部に亘って延設される折畳み式の予備苗載せ台5を配設すると共に、他側(右側)には、上下に多段の予備苗台6を備える予備苗載せ台7を設けている。
【0007】
そして、走行機体4の前側には、ボンネット8で覆われた図示しないエンジンを搭載すると共に、ボンネット8の後方には、ステアリングホイール9、運転操作パネル11、及び主変速レバー12等を備えた操縦部13と、この操縦部13の床面を形成するステップ14、座席15を支持する機体カバー16を設けている。尚、機体カバー16には、座席15後方の左右両側に、前記ステップ14より一段高い平坦な苗供給用スッテプ16a,16aを形成している。
【0008】
また、走行機体4の後方には、昇降リンク機構17を介して植付作業機18を昇降自在に連結している。植付作業機18は、前高後低状に傾斜して設けた苗載せ台19と、該苗載せ台19から苗を掻取って植え付ける複数の植付杆21を備えた移植装置22と、この移植装置22の下方には、植付け田面を整地するフロート23等を設けているが、これらの基本的な構成は何れも従来通りであり詳細な説明を省略する。
【0009】
そして、ボンネット8の左右両側に形成されているフロントステップ24の左側下方には、走行機体4から外側方に延出させて2本の支柱25f,25rを立ち上げると共に、図3に示すように、両支柱25f,25rの上端に前高後低状に固設したステー26に折畳み式の予備苗載せ台5を構成する固定苗台5aを螺設している。
【0010】
この固定苗台5aの前側及び後側には、該固定苗台5aに対して回動可能な第1可動苗台5bと第2可動苗台5cとを連結してあり、予備苗載せ台5は、図1に示すように、第2可動苗台5cと第1可動苗台5bが固定苗台5aの上方に折畳まれた格納姿勢状態と、図2及び図4に示すように、各苗台5a,5b,5cが側面視で前高後低の略一直線状に展開される展開姿勢状態とに姿勢変更できるようになっている。
【0011】
尚、予備苗載せ台5が上述したように展開姿勢状態にある時は、第1可動苗台5bは、ボンネット8より高い位置に展開して走行機体4の前端から大きく突出するので、圃場面からの段差が大きい畦際の道路や畦等から当該予備苗載せ台5へ予備苗(マット苗)Nを補給する際の作業性がよい。また、第2可動苗台5cの終端は、苗供給用スッテプ16a,16aの上方近傍に位置するので、第2可動苗台5cから苗載せ台19への予備苗の供給がスムーズに行える。
【0012】
また、予備苗載せ台5を構成する固定苗台5a、第1可動苗台5b、及び第2可動苗台5cは、図3に例示するように、軽量部材であるアルミ合金製の左右の外枠31,31、またはポリアミド(ナイロン)等の熱可塑性樹脂を用いて射出成形した左右の外枠31,31の間に、苗箱や苗スクレーパを用いることなく長方形の予備苗Nを直接長手方向に載置した状態で移動(搬送)させるために、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を用いて所定幅に射出成形した底板32を装着している。即ち、各苗台5a,5b,5cを構成する前記左右の外枠31,31により予備苗Nの左右への脱落防止枠を形成すると共に、底板32の上面側に予備苗載置面Sを形成している。
【0013】
更に詳しくは、固定苗台5a、第1可動苗台5b、及び第2可動苗台5cの予備苗載置面Sには、所定の左右間隔を有して走行機体4の前後方向に連続するリブLを形成してあり、このリブLによって、予備苗載せ台5を構成する各苗台5a,5b,5cの予備苗載置面Sに対する予備苗Nの床土部分の摺接抵抗(滑り抵抗)を軽減させることができるので、当該予備苗Nは、その形態を崩すことなく予備苗載せ台5上をスムーズに移動し、且つ従来の苗箱または苗スクレーパを溜め置きする収納部や、該収納部を畦際へ移送するための移送手段等が不要となって、走行機体4の省スペース化とコストの低減が図れる。
【0014】
また、予備苗載せ台5を構成する固定苗台5a、第1可動苗台5b、及び第2可動苗台5cの底板32の上面側(予備苗載置面S)に形成したリブLに換えて、図5に示すように、当該底板32に相当する予備苗載せ台5底部の予備苗受け部Uを、所定の左右間隔を有して走行機体4の前後方向に連続する線材またはパイプ材Pを用いて形成してもよく、この場合は、予備苗載せ台5の予備苗載置面積、即ち予備苗載せ台5に対する予備苗Nの床土部分の摺接面積が大幅に減少し、その摺接抵抗(滑り抵抗)を軽減させることができるで、当該予備苗Nの形態を崩すことなく予備苗載せ台5上をスムーズに移動できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】予備苗載せ台を折畳んだ状態の乗用型田植機の側面図。
【図2】予備苗載せ台を展開した状態の乗用型田植機の平面図。
【図3】固定苗台の装着構成を示す一部省略背面図。
【図4】予備苗載せ台を展開した状態の乗用型田植機の側面図。
【図5】予備苗載せ台を展開した状態の乗用型田植機の平面図(第2実施例)。
【符号の説明】
【0016】
4 走行機体
5 予備苗載せ台
18 植付作業機
L リブ
N 予備苗
P パイプ材(線材)
S 予備苗載置面
U 予備苗受け部
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成18年12月5日(2006.12.5)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−136441(P2008−136441A)
【公開日】 平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願番号】 特願2006−327679(P2006−327679)