トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業

【発明の名称】 移植機
【発明者】 【氏名】進 二郎

【要約】 【課題】植付作業機の前方に圃場を整地する整地ロータ等の整地装置を備えた移植機において、植付作業機の下部に備えるフロートの下面が圃場面に接地して滑走可能な状態にあり、且つ整地装置がフロートの下面よりも下方で圃場面に接地する作業位置に設定されて移植作業が行える状態のもとで、フロートの下面からの整地装置の突出量が更に大きくなる方向への調節を容易に行えるようにする。

【解決手段】整地装置27の昇降操作具31の操作に連動して植付作業機5を上昇させるように構成したことによって、当該昇降操作具31を、圃場面に接地する整地装置27の反力を受けることなく低荷重で容易に操作できるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の後部に植付作業機(5)を昇降自在に連結すると共に、該植付作業機(5)の前方に整地装置(27)を設け、前記植付作業機(5)に対する整地装置(27)の相対高さを昇降操作具(31)を操作して変更することにより、当該整地装置(27)を圃場面に接地する作業位置と圃場面から離間する格納位置とに変更可能になした移植機において、前記昇降操作具(31)の操作に連動して植付作業機(5)を上昇させるように構成したことを特徴とする移植機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、植付作業機の前方に圃場を整地する整地装置を備えた乗用型田植機等の移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機体の後部に植付作業機(植付装置)を昇降自在に連結すると共に、機体と植付作業機の間に圃場面を整地する籠型ロータ等の整地装置を設け、この整地装置を圃場面に接地する作業位置と圃場面から離間する格納位置とに変更する操作と、当該整地装置への動力伝達を入切する操作とを、1個の操作レバーによって行えるように構成したものが知られている。(例えば、特許文献1参照)
【特許文献1】特開2006−81521号公報(第5−8頁、図3−図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上述した従来のものでは、機体を走行させながら移植作業が行なえるように植付作業機を下降させた状態、つまり植付作業機の下部に備えるフロートの下面が圃場面に接地して滑走可能な状態にあり、且つ整地装置がフロートの下面よりも下方で圃場面に接地する作業位置に設定されている場合には、前記フロートの下面からの整地装置の突出量が更に大きくなる方向に操作レバーを操作しようとすると、圃場面に接地する整地装置の反力により操作レバーの操作抵抗が著しく増大してその操作が困難になることから、一旦整地装置が圃場面と接地しない高さ位置まで植付作業機を上昇させて、当該整地装置が圃場面の反力を受けない状態とし、しかる後に当該操作レバーを操作するといった作業手順を踏まなければならず面倒であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決することを目的とした本発明は、機体の後部に植付作業機を昇降自在に連結すると共に、該植付作業機の前方に整地装置を設け、前記植付作業機に対する整地装置の相対高さを昇降操作具を操作して変更することにより、当該整地装置を圃場面に接地する作業位置と圃場面から離間する格納位置とに変更可能になした移植機において、前記昇降操作具の操作に連動して植付作業機を上昇させるように構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、機体を走行させながら移植作業が行なえるように植付作業機を下降させ、該植付作業機の下部に備えるフロートの下面が圃場面に接地して滑走可能な状態で、且つ整地装置が圃場面に接地する作業位置に設定されている場合であっても、例えば前記フロートの下面からの整地装置の突出量が更に大きくなる方向に作業者が昇降操作具を操作すると、この昇降操作具の操作に連動して植付作業機を上昇させることができるので、当該昇降操作具を、圃場面に接地する整地装置の反力を受けることなく低荷重で容易に操作することが可能になり、しかも作業手順の簡略化が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、移植機の一例である乗用型田植機1の側面図であって、該乗用型田植機1の機体フレーム2の後部には、油圧シリンダ3を備える昇降リンク機構4が設けてあり、この昇降リンク機構4を介して植付作業機5を昇降可能に連結すると共に、機体フレーム2の下部には、左右一対の前輪6と後輪7を備えている。
【0007】
そして、機体フレーム2の前部には、図示しないエンジン等を覆うボンネット8を備えており、エンジンから出力される動力を、図示しない油圧式無段変速装置とトランスミッションケース内の動力伝達装置により、走行動力と植付動力とに分配して左右一対の前輪6と後輪7、及び植付作業機5に伝達するように構成している。
【0008】
また、機体フレーム2の後部上方には、オペレータが着座する座席9が設けてあり、この座席9の前方には各種モニタを表示する操作パネル11を装備すると共に、該操作パネル11の上部にステアリングハンドル12、該ステアリングハンドル12の下方には、操縦部13の床面を形成するステップ14を設けている。
【0009】
更に詳しくは、昇降リンク機構4の後端には、リンクホルダ15が取付けてあり、このリンクホルダ15に備える図示しないローリング軸に、植付作業機5をローリング可能に支持する角パイプ状の植付フレーム16を横設している。そして、植付フレーム16に立設した左右一対の苗載台支持フレーム17によって、前高後低状の傾斜姿勢で左右往復動可能に苗載台18を支持している。
【0010】
また、植付フレーム16の後側下部には、複数の植付伝動ケース19が所定の間隔を存して取り付けてあり、この植付伝動ケース19に内装した図示しないチェン伝動機構及び植付駆動軸等を介して、当該植付伝動ケース19の後端部に組付けられた植付装置(ロータリケース)21の両端部に備える左右一対の移植杆22が回転駆動するようになっている。即ち、植付装置21には、自らの回転に伴って移植杆22を所定の軌跡に沿って回転運動させることができる図示しない遊星ギヤ機構を内装しており、それによって苗載台18上に並置されているマット苗から一株分の苗を掻取って連続的に圃場に移植することができるようになっている。
【0011】
そして、植付伝動ケース19の下方には、植付作業機5を所望の高さに制御する油圧感知フロートとして作用すると共に、圃場面を整地する整地フロートを兼ねるセンターフロート23(図8参照)と、左右の前輪6と後輪7の車輪跡を消して圃場面を整地する整地フロートであるサイドフロート24を支持しており、これらのセンターフロート23とサイドフロート24は、その下面が圃場面に接地して滑走する状態まで植付作業機5を下降させた後、機体を走行させながらの移植作業が行なえるようになっている。
【0012】
また、上述した後輪7とセンターフロート23及びサイドフロート24との空間S、即ち植付作業機5の前方には、図1及び図2に示すように、複数の整地ロータ25a〜25dを植付作業機5の略全幅にわたってロータ軸26に軸支した整地装置27を配設してあり、当該整地ロータ25a〜25dを圃場面に接地させた状態で回転駆動することによって、移植杆22による苗植え付け位置前方の荒れた圃場面や枕地等の荒れた圃場面を整地できるようになっている。
【0013】
次に、整地装置27の支持構造について説明する。植付フレーム16から立設させた左右一対の苗載台支持フレーム17の上部に、操作軸28を回動可能に軸支すると共に該操作軸28の一側端部に、図3に示すような側面視でコの字状のブラケット29を固設し、更にこのブラケット29に、整地装置27を圃場面に接地する作用位置と圃場面から離間した格納位置に変更することができる昇降操作具としての昇降操作レバー31を取り付けている。
【0014】
そして、操作軸28の両端には、回動アーム32が取り付けてあり、この回動アーム32の先端に吊アーム33を垂下させて連結し、該吊アーム33の下端部には、植付フレーム16に取り付けたブラケット34に上下動可能に案内されるシャフト35を連結すると共に、当該シャフト35の下端に固設したボス部35aに整地ロータ25a〜25dのロータ軸26を軸支している。
【0015】
また、整地装置27の昇降操作レバー31が設けられている側の苗載台支持フレーム17には、昇降操作レバー31用の複数段の係止溝36aを備えるレバーガイド36が設けてあり、当該昇降操作レバー31に備える係止片31aを前記係止溝36aの所望の位置に係止することによって、整地ロータ25a〜25dが圃場面から離間する格納位置と、整地ロータ25a〜25dが圃場面に接地する複数段の作用位置とに多段調節することができるようになっている。尚、図中符号30は、作業者により昇降操作レバー31の操作がなされたことを検知するレバーガイド36に設けた昇降操作検出スイッチであって、この昇降操作検出スイッチ30によって、実際に昇降操作レバー31による整地装置27の高さ調節がなされる直前の操作、即ち昇降操作レバー31に備える係止片31aがレバーガイド36の所定の係止溝36aから外れた瞬間を検出することができる。
【0016】
更に詳しくは、昇降操作レバー31を上下方向に回動操作することによって操作軸28の両端に取り付けた回動アーム32が回動し、それに連動する吊アーム33に連結すると共にブラケット34に案内されるシャフト35を介して、整地ロータ25a〜25dが昇降操作されるようになっており、次いで昇降操作レバー31を左右方向に操作して、その係止片31aを上述のレバーガイド36に備える係止溝36aの所望の位置に係止することによって、整地ロータ25a〜25dの位置決めがなされ、例えば整地ロータ25a〜25dの作用位置においては、当該整地ロータ25a〜25dは、センターフロート23及びサイドフロート24の下面からの出量を10〜40mmの範囲で調節することが可能であり、それによって植付作業におけるマット苗の植付深さよりも浅い表層部分を整地することができる。
【0017】
次に、整地装置27の伝動系について説明する。機体フレーム2の後部下方に配設したリヤアクスルケース41の前側には、図示しない油圧式無段変速装置とトランスミッションケース内の動力伝達装置を介して伝達されるエンジンの動力を、後輪7の駆動力と整地ロータ25a〜25dの駆動力とに分配する伝動機構と、この整地ロータ25a〜25dへの駆動力の伝達を断接するクラッチ機構を備えた分配ケース42を設けている。そして、分配ケース42内の伝動機構により分岐された一方の動力が、伝動軸43を介して整地ロータ25a〜25dを回転駆動する駆動ケース44内の伝動機構に伝達されるようになっている。
【0018】
また、座席9後方の左右一側には、上述した整地ロータ25a〜25d(整地装置27)への駆動力の伝達を断接するクラッチ機構を入/切操作するクラッチレバー45が設けてあり、このクラッチレバー45を介して前記クラッチ機構を入り操作することにより、整地ロータ25a〜25dを車速に対して1.5〜2.5倍程度の周速で回転させる一方、前記クラッチ機構を切り操作することにより、整地ロータ25a〜25dへの駆動力の伝達を断つことができるようになっている。
【0019】
以上説明した整地装置27によって、移植杆22による苗植え付け位置前方の荒れた圃場面や枕地等の荒れた圃場面を整地しながら苗の植え付けを行なう場合は、先ず整地ロータ25a〜25dが圃場面と接地しない高さ位置まで植付作業機5を上昇させ、次いで昇降操作レバー31を下方に回動操作することにより、整地ロータ25a〜25dがセンターフロート23の下面よりも下方で圃場面に接地する作用位置となるように調節し、更にクラッチレバー45により整地装置27のクラッチ機構を入り操作して、当該整地ロータ25a〜25dに駆動力を伝達可能な状態とする。
【0020】
しかる後に、センターフロート23の下面が圃場面に接地する状態まで植付作業機5を下降させ、次いでクラッチレバー45により植付クラッチを入り操作して乗用型田植機1の走行を開始すると、該乗用型田植機1の走行に伴って整地ロータ25a〜25dが回転駆動され、荒れた圃場面が掻き均されて均平に整地された後に、移植杆22により苗載台18上に並置されているマット苗から一株分の苗を掻取って連続的に圃場に移植する作業が行われるようになっている。
【0021】
ところが、上述の如く植付作業機5の下部に備えるセンターフロート23の下面が圃場面に接地して滑走可能な状態にあり、且つ整地ロータ25a〜25dがセンターフロート23の下面よりも下方で圃場面に接地する作業位置に設定されている場合には、センターフロート23の下面からの整地ロータ25a〜25dの突出量が更に大きくなる方向、即ち整地ロータ25a〜25dが下方に移動するように昇降操作レバー31を操作しようとすると、圃場面に接地する整地ロータ25a〜25dの反力により昇降操作レバー31の操作抵抗が著しく増大してその操作が困難になるので、一旦整地ロータ25a〜25dが圃場面と接地しない高さ位置まで植付作業機5を上昇させて、当該整地ロータ25a〜25dが圃場面の反力を受けない状態とし、しかる後に当該昇降操作レバー31を操作するといった作業手順を踏まなければならず面倒であった。
【0022】
そこで、上記不具合を解決すべく本発明では、整地ロータ25a〜25dの昇降操作レバー31を作業者が操作した時、即ちレバーガイド36に備える複数段の係止溝36aの1つから、昇降操作レバー31に備える係止片31aが外れたことを昇降操作検出スイッチ30でもって検出した時は、植付作業機5を一時的に上昇させることにより整地ロータ25a〜25dが圃場面の反力を受けない状態として、当該昇降操作レバー31を低荷重で容易に操作できるようにした植付作業機5の昇降制御を設けている。この昇降制御について以下説明する。
【0023】
図4に示すブロック図のように、乗用型田植機1に備える制御部51は、CPU、ROM、RAM等を備えて構成されており、当該制御部51の入力側に接続される各種センサ及びスイッチ類、及び出力側に接続される出力装置について説明する。
【0024】
乗用型田植機1は、図5に示すように、植付作業機5の昇降操作と植付クラッチの入/切操作を行う上下及び前後揺動可能なクイックアップレバー52を備えており、該クイックアップレバー52の上下方向の操作によって植付作業機5の昇降、及び図示しない植付クラッチの入・切がなされると共に、前後方向の操作によって図示しない左右の線引きマーカの作動開始順序が選択できるようになっている。
【0025】
また、図6に示すように、植付作業機5を昇降させる油圧シリンダ3の伸縮動作を制御する油圧コントロールバルブ53の近傍には、クイックアップレバー52の上方または下方への操作に基づいて回転駆動するリフタカムモータ54を配設してあり、このリフタカムモータ54の出力軸に固設したピニオンギヤ54aと、リフタカム55の一側に形成したセクタギヤ55aとを歯合させると共に、図示しないバルブ操作板の係合ピンと係合する第1カム部をリフタカム55に設け、この第1カム部がバルブ操作板の係合ピンに係合した状態で、当該リフタカム55がスリーブ軸56を中心として回動するように構成することによって、油圧コントロールバルブ53をリフタカムモータ54の回転駆動に応じて、上げ・固定・下げ・植付の4ポジションに移動制御できるようにしている。
【0026】
そして、図4に示すように、制御部51の入力側には、上述したリフタカム55の回動角度を検出するリフタカムポテンショメータ61、植付作業機5の上昇高さを検出するリフト角ポテンショメータ62、クイックアップレバー52の上方または下方への操作を検出するクイックアップレバー上げスイッチ63とクイックアップレバー下げスイッチ64、センターフロート23の油圧感度を調節する油圧感度調節ダイヤル65(図7参照)、図示しないオルタネータの出力パルスをカウントすることによりエンジンの回転数を検知する(エンジン回転)パルスユニット66、機体(機体フレーム2)の前後傾斜角度を検出するピッチングセンサ67、リフタカム55の一側に形成したセクタギヤ55aの回動量及び回動方向を検出する感知ワイヤポテンショメータ68、及び作業者により昇降操作レバー31の操作、即ち整地装置27の昇降操作がなされたことを検知する昇降操作検出スイッチ30を所定の入力インタフェース回路を介して接続している。
【0027】
一方、制御部51の出力側には、クイックアップレバー52の上方または下方への操作に基づいて回転駆動するリフタカムモータ54と油圧感度調節ダイヤル65の設定変更に連動してセンターフロート23(フロート感度調節ワイヤ69)の出量を調節する感知ワイヤモータ71(図8)を所定の出力インタフェース回路を介して接続している。
【0028】
更に詳しくは、座席9下方の機体フレーム2の一側には、図8に示すように、油圧コントロールバルブ53の取付ブラケット72からプレート状のベース73を後方に延出してあって、このベース73に回動可能にセクタギヤ74を軸着すると共に、このセクタギヤ74に歯合するピニオンギヤ75を備えた感知ワイヤモータ71を装着し、更にセクタギヤ74の回動方向の両端部にピン76,77を固設している。そして、一側(後側)のピン76から油圧コントロールバルブ連動ワイヤ78、連係リンク79、戻しスプリング81等を介して、油圧コントロールバルブ53の作動アーム82に接続すると共に、他側(前側)のピン77からはフロート感度調節ワイヤ69、感知プレート83等介してセンターフロート23に接続した作業装置としての油圧感知制御機構Dを備えている。
【0029】
次に、上述した制御部51による植付作業機5の昇降制御の第一実施例を図9に示すフローチャートに基づいて詳細に説明する。
【0030】
先ず、ステップS1では、クイックアップ(作業機操作)レバー52が、下げまたは上げ操作されたか、あるいは操作されていないかをクイックアップレバー上げ/下げスイッチ63,64によって判断し、クイックアップレバー52が下げ操作されていればステップS2に進み、クイックアップレバー52が上げ操作されていればステップS3に進み、またクイックアップレバー52が操作されていなければステップS4に進む。
【0031】
ステップS2では、リフタカム55の位置、即ちリフタカム55に連動する油圧コントロールバルブ53のポジションが上げ位置にあるか否かをリフトカムポテンショメータ61によって判断し、リフタカム55が上げ位置にあればステップS5に進んで、リフタカムモータ54によるリフタカム55の回動動作を固定(停止)してステップS1に戻る一方、リフタカム55が上げ位置になければステップS6に進む。
【0032】
ステップS6では、リフタカム55(油圧コントロールバルブ53)の位置が固定位置にあるか否かをリフトカムポテンショメータ61によって判断し、リフタカム55が固定位置にあればステップS7に進んで、リフタカムモータ54によってリフタカム55を下げ方向に回動させてステップS1に戻る一方、リフタカム55が固定位置になければステップS8に進む。
【0033】
ステップS8では、リフタカム55(油圧コントロールバルブ53)の位置が植付位置にあるか下げ位置にあるかをリフトカムポテンショメータ61によって判断し、リフタカム55が植付位置にあればステップS1に戻る一方、リフタカム55が下げ位置にあればステップS9に進む。
【0034】
ステップS9では、植付作業機5の下降動作が停止したか否かをリフト角ポテンショメータ62によって判断し、植付作業機5の下降動作が停止していなければステップS10に進んで、クイックアップレバー52の更なる下降操作による植付クラッチの入り待ち状態としてステップS1に戻る一方、植付作業機5の下降動作が停止していればステップS11に進む。
【0035】
そして、ステップS11では、リフタカムモータ54によってリフタカム55を植付位置まで回動させてステップS1に戻る。
【0036】
また、ステップS3では、リフタカム55(油圧コントロールバルブ53)が上げ位置にあるか否かをリフトカムポテンショメータ61によって判断し、リフタカム55が上げ位置にあればステップS1に戻る一方、リフタカム55が上げ位置になければステップS12に進む。
【0037】
ステップS12では、リフタカム55(油圧コントロールバルブ53)の位置が固定位置にあるか否かをリフトカムポテンショメータ61によって判断し、リフタカム55が固定位置にあればステップS13に進んで、リフタカムモータ54によってリフタカム55を上げ方向に回動させてステップS1に戻る一方、リフタカム55が固定位置になければステップS14に進む。
【0038】
ステップS14では、リフタカム55(油圧コントロールバルブ53)の位置が植付位置にあるか下げ位置にあるかをリフトカムポテンショメータ61によって判断し、リフタカム55が植付位置にあればステップS15に進んで、リフタカムモータ54によってリフタカム55を下げ方向に回動させてステップS1に戻る一方、リフタカム55が下げ位置にあればステップS16に進む。
【0039】
ステップS16では、植付作業機5の下降動作が停止したか否かをリフト角ポテンショメータ62によって判断し、植付作業機5の下降動作が停止していればステップS13に進む一方、植付作業機5の下降動作が停止していなければステップS17に進む。
【0040】
そして、ステップS17では、リフタカムモータ54によるリフタカム55の回動動作を固定(停止)してステップS1に戻る。尚、上述したステップS1〜ステップS17の制御は、クイックアップレバー52による通常の植付作業機5の昇降と植付クラッチの入・切制御に相当するものである。
【0041】
更に、ステップS4では、整地装置27(整地ロータ25a〜25d)の昇降操作レバー31が操作されたか否かを昇降操作検出スイッチ30のON/OFFによって判断し、昇降操作レバー31が操作されたならば、ステップS18に進む一方、昇降操作レバー31が操作されていなければステップS19に進む。
【0042】
ステップS18では、リフタカムモータ54によってリフタカム55(油圧コントロールバルブ53)を上げ方向に回動させると共に、植付作業機5を所定時間上昇させる上昇タイマーをセットしてステップS1に戻る。この時、機体を走行させながら移植作業が行なえるように植付作業機5を下降させると共に、該植付作業機5の下部に備えるセンターフロート23の下面が圃場面に接地して滑走可能な状態で、且つ整地装置27が圃場面に接地する作業位置に設定されている場合であっても、前記センターフロート23の下面からの整地装置27の突出量が更に大きくなる方向に作業者が昇降操作レバー31を操作すると、この昇降操作レバー31の操作に連動して植付作業機5を所定時間(所定高さ)上昇させることができるので、当該昇降操作レバー31を、圃場面に接地する整地装置の反力を受けることなく低荷重で容易に操作することが可能になり、しかも作業手順の簡略化が図れる。
【0043】
また、ステップS19では、上述した上昇タイマーが0(ゼロ)になったか否かを判断し、0(ゼロ)になったならばステップS20に進んで、リフタカムモータ54によるリフタカム55の回動動作を固定(停止)してステップS1に戻る一方、上昇タイマーが0(ゼロ)になっていなければステップS21に進む。
【0044】
ステップS21では、植付クラッチ入待ち状態にあるか否かをリフトカムポテンショメータ61によって判断し、植付クラッチ入待ち状態になければステップS1に戻る一方、植付クラッチ入待ち状態にあればステップS22に進む。
【0045】
ステップS22では、植付作業機5の下降動作が停止したか否かをリフト角ポテンショメータ62によって判断し、植付作業機5の下降動作が停止していなければステップS1に戻る一方、植付作業機5の下降動作が停止していればステップS23に進む。
【0046】
そして、ステップS23では、リフタカムモータ54によってリフタカム55を植付位置まで回動させてステップS1に戻る制御を実行するようになっている。
【0047】
また、図10及び図11に示すフローチャートは、整地装置27の昇降操作レバー31の操作に感知ワイヤモータ71を連動させて、一時的にフロート感度調節ワイヤ69を引っ張ることによりセンターフロート23の先端側を持ち上げ、それによって強制的に植付作業機5を上昇させる当該植付作業機5の昇降制御(油圧感知制御)の第二実施例を示すものであって、以下このフローチャートに基づいて詳細に説明する。
【0048】
この第二実施例においては、先ず図10に示すフローチャートの如く、油圧感知目標値を設定するサブルーチン制御を実行する。即ち、ステップS1では、エンジン回転数Ep、ピッチングセンサ67の検出値Ps、油圧感度調節ダイヤル65の設定値Yd、油圧感度の最鈍感設定値Mを読み取ってステップS2に進む。
【0049】
ステップS2では、リフタカム55(油圧コントロールバルブ53)の位置が上げ位置にあるか、或いは下げ位置または植付位置にあるかをリフトカムポテンショメータ61によって判断し、リフタカム55が上げ位置にあればステップS3に進んで、油圧感知を所定時間規制する感知規制タイマーをセットしてステップS6に進む一方、リフタカム55が下げ位置または植付位置にあればステップS4に進む。
【0050】
ステップS4では、整地装置27の昇降操作レバー31が操作されたか否かを昇降操作検出スイッチ30のON/OFFによって判断し、昇降操作レバー31が操作されたならばステップS3に進む一方、昇降操作レバー31が操作されていなければステップS5に進む。
【0051】
ステップS5では、ステップS1において読み取ったエンジン回転数Ep、ピッチングセンサ67の検出値Ps、油圧感度調節ダイヤル65の設定値Ydに基づいて油圧感知目標値(Yd+Ps×α+Ep×β)を算出してステップS6に進む。尚、前記α及びβは係数である。
【0052】
ステップS6では、上述した感知規制タイマーが0(ゼロ)になったか否かを判断し、0(ゼロ)になったならばステップS1に戻る一方、感知規制タイマーが0(ゼロ)になっていなければステップS7に進み、このステップS7では、油圧感知目標値を油圧感度の最鈍感設定値Mとして、ステップS1に戻るサブルーチン制御を実行するようになっている。
【0053】
そして、図11に示す植付作業機5の昇降制御(油圧感知制御)、即ちメインルーチン制御のフローチャートにおいては、既述したサブルーチン制御における油圧感知目標値を
ステップS1で設定してステップS2に進む。
【0054】
ステップS2では、リフタカム55(セクタギヤ55a)の回動量及び回動方向を検出する感知ワイヤポテンショメータ68の検出値と油圧感知目標値の差を偏差としてステップS3に進む。
【0055】
ステップS3では、既述した偏差の値が油圧感知制御機構Dに備える油圧コントロールバルブ53の不感帯内、または不感帯外にあるか否かをリフトカムポテンショメータ61によって判断し、不感帯内にあればステップS4に進んで感知ワイヤモータ71を停止させてステップS1に戻る一方、不感帯外にあればステップS5に進む。
【0056】
ステップS5では、感知ワイヤポテンショメータ68の検出値がステップS1で設定した油圧感知目標値と同じか小さい場合はステップS6に進んで、センターフロート23の油圧感度が鈍感になる方向に感知ワイヤモータ71を作動させてステップS1に戻る一方、感知ワイヤポテンショメータ68の検出値がステップS1で設定した油圧感知目標値よりも大きい場合はステップS7に進む。
【0057】
そして、ステップS7では、センターフロート23の油圧感度が敏感になる方向に感知ワイヤモータ71を作動させてステップS1に戻る制御を実行する。この時、感知ワイヤモータ71により一時的にフロート感度調節ワイヤ69が引っ張られ、それによってセンターフロート23の先端側が持ち上げられて強制的に植付作業機5が上昇するようになっている。
【0058】
即ち、上述した植付作業機5の昇降制御(油圧感知制御)の第二実施例も、機体を走行させながら移植作業が行なえるように植付作業機5を下降させると共に、該植付作業機5の下部に備えるセンターフロート23の下面が圃場面に接地して滑走可能な状態で、且つ整地装置27が圃場面に接地する作業位置に設定されている場合であっても、前記センターフロート23の下面からの整地装置27の突出量が更に大きくなる方向に昇降操作レバー31を操作する直前、即ち昇降操作レバー31に備える係止片31aがレバーガイド36の所定の係止溝36aから外れた瞬間を昇降操作検出スイッチ30によって検出し、それに連動して植付作業機5を所定時間(所定高さ)上昇させることができるので、当該昇降操作レバー31を、圃場面に接地する整地装置の反力を受けることなく低荷重で容易に操作することが可能になる。尚、センターフロート23の下面からの整地装置27の突出量が更に大きくなる方向に実際に昇降操作レバー31を操作した時点で、植付作業機5を所定時間(所定高さ)上昇させるように構成してもよい。
【0059】
ところで、上述した第一実施例及び第二実施例では、整地装置27の昇降は、作業者が昇降操作レバー31を手持ち操作することにより行っていたが、この手持ち操作による整地装置27の昇降操作に変えて、図12に示す第三実施例の如く電動シリンダ(アクチュエータ)86を用いて整地装置27の昇降を行えるように構成してもよく、その場合は、図示するように昇降リンク機構4の後端に取り付けられているリンクホルダ15に電動シリンダ86を装着すると共に、該電動シリンダ86に連係する平行リンク機構87を介して整地装置27の昇降を行えるようにすればよい。
【0060】
そして、電動シリンダ86は、図7に示すように、操作パネル11に設けた当該電動シリンダ86の伸縮動作切換スイッチ、即ちこのスイッチの押し操作を繰り返すことにより整地装置27の昇降動作を切り換える整地装置昇降スイッチ91と、整地装置27の上昇高さを設定する整地装置高さ調節ダイヤル92を介して伸縮とストロークの調整がなされると共に、図13に示すような制御部51を構成すればよい。
【0061】
即ち、上述した第三実施例の制御部51の入力側には、第一実施例及び第二実施例と同様に、リフタカム55の回動角度を検出するリフタカムポテンショメータ61、植付作業機5の上昇高さを検出するリフト角ポテンショメータ62、クイックアップレバー52の上方または下方への操作を検出するクイックアップレバー上げスイッチ63とクイックアップレバー下げスイッチ64、センターフロート23の油圧感度を調節する油圧感度調節ダイヤル65(図7参照)、図示しないオルタネータの出力パルスをカウントすることによりエンジンの回転数を検知する(エンジン回転)パルスユニット66、機体(機体フレーム2)の前後傾斜角度を検出するピッチングセンサ67、リフタカム55の一側に形成したセクタギヤ55aの回動量及び回動方向を検出する感知ワイヤポテンショメータ68、また第三実施例特有の作業者の押し操作により整地装置27の上昇高さを調節する整地装置昇降スイッチ91、整地装置27の上昇高さを設定する整地装置高さ調節ダイヤル92、及び整地装置27の高さ位置を検出する整地装置ポテンショメータ93(図12参照)を所定の入力インタフェース回路を介して接続する。
【0062】
一方、制御部51の出力側には、第一実施例及び第二実施例と同様に、クイックアップレバー52の上方または下方への操作に基づいて回転駆動するリフタカムモータ54と油圧感度調節ダイヤル65の設定変更に連動してセンターフロート23(フロート感度調節ワイヤ69)の出量を調節する感知ワイヤモータ71(図8)、また整地装置27を昇降させる第三実施例特有の電動シリンダ86を所定の出力インタフェース回路を介して接続することによって、植付作業機5を一旦上昇させてから整地装置27を昇降調節できるようになり、アクチュエータである電動シリンダ86に過負荷が掛かることを防止すると共に、当該電動シリンダ86を介して低い操作荷重で整地装置27の昇降調節が行なえるようになる。
【0063】
尚、第一実施例及び第二実施例共、昇降操作レバー31の操作に連動して植付作業機5を所定時間または所定高さ上昇させた後、リフタカム55(油圧コントロールバルブ53)の位置を固定位置において自動ロックできるように構成すると、一旦上昇した植付作業機5は下降することがないので整地装置27の昇降調節を安全且つ容易に行うことができる。また、第三実施例に前記自動ロックを採用すると、電動シリンダ86や該電動シリンダ86に連係する平行リンク機構87に過大な負荷を与えることなく整地装置27の昇降調節を行なえる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】乗用型田植機の側面図。
【図2】整地ロータの支持構造を示す背面図。
【図3】昇降操作レバーの構造を示す側面図。
【図4】制御部のブロック図(第一、第二実施例)。
【図5】クイックアップレバーの操作方法を示す斜視図。
【図6】油圧コントロールバルブ周辺の構成を示す側面図。
【図7】操作パネルの平面図。
【図8】油圧感知制御機構の構成を示す側面図。
【図9】植付作業機の昇降制御(第一実施例)を示すフローチャート。
【図10】油圧感知目標値を設定するサブルーチン制御を示すフローチャート。
【図11】植付作業機の昇降制御(第二実施例)を示すフローチャート。
【図12】植付作業機(第三実施例)の構成を示す側面図。
【図13】制御部のブロック図(第三実施例)。
【符号の説明】
【0065】
5 植付作業機
27 整地装置
31 昇降操作具
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成18年10月12日(2006.10.12)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−92866(P2008−92866A)
【公開日】 平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願番号】 特願2006−278592(P2006−278592)