| 【発明の名称】 |
苗移植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】福井 享
【氏名】岡田 卓也
【氏名】神谷 寿
【氏名】是久 正喜
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| 【要約】 |
【課題】走行車体を後進走行に切替操作すると、苗移植機への伝動が自動的に絶たれて、苗植付杆への伝動も中断されて自動停止する。すると、苗植付杆は、定位置で停止できず、植付軌跡の途中で停止しているため、そのまま再開すると、土中にあって破損したり、植え付け開始タイミングが狂ったりする課題がある。
【構成】この発明は、上記課題を解消するために、苗植付杆は、定位置停止クラッチに接続して一定の位置で停止する構成とし、走行車体には、前後進切替装置を後進側に操作すると、関連して前記苗植付杆への伝動が絶たれる構成とし、次操作で前記前後進切替装置を前進側に操作すると、前記定位置停止クラッチが、自動的に入・切り制御操作される構成としている苗移植機である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 移植機(5)の苗植付具(1)は、定位置停止クラッチ(2)を介して伝動され、該クラッチ(2)により伝動を断つと、一定の位置で停止する構成とし、走行車体(3)には、前進走行と後進走行との前後進切替装置(4)を搭載し、該前後進切替え装置(4)を後進側に操作すると、関連して移植機(5)側への伝動が絶たれる構成とし、次操作で前記前後進切替装置(4)を前進側に操作すると前記定位置停止クラッチ(2)が自動的且つ一時的に入りとなって、前記苗植付具(1)を正規の定位置停止位置に戻す制御が行われる構成としたことを特徴とする苗移植機。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、移植機の苗植付具が、定位置停止クラッチを介して伝動され、該クラッチにより伝動を断つと、一定の位置で停止する構成とした苗移植機に関する。 【背景技術】 【0002】 従来から、この種の苗移植機は、走行車体を後進に切替操作すると、車体に連結している移植機が自動的に上昇して非作業位置の高さになる構成となっており、このような、走行車体の後進切替に伴う作業機部分の昇降制御装置は、後進時に作業機が畦やその他の障害物に衝突するのを防止して安全にバック走行を行うために必要である。 【0003】 そして、苗移植機は、上記昇降制御によって上昇すると共に伝動が絶たれて苗植付具が停止する構成となっている。例えば、特許第3092465号特許公報には、走行車体を後進側に操作すると、作業機部分を非作業位置へ上昇させる後進時自動上昇機構を設けた技術構成が開示されている。 【特許文献1】特許第3092465号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 一般に、圃場で苗移植機を走行させながら苗の植え付け作業を行っている場合、圃場の端に達して走行車体を旋回するために後進走行に切替操作すると、苗移植機の部分は、上昇されると共に伝動が中断されて自動停止する。そして、走行車体が、旋回作業を完了して、次工程の植え付け作業を開始するために苗移植機を植え付け高さ位置に降下すると、苗植付杆は、直前の自動停止位置が通常の定位置で止まっていないために、水田の土中にあったり、植え付け開始タイミングが取れない植付軌跡の中間位置で停止していることが多く、次工程を正しくスタートさせるために定位置に揃える必要があり、オペレータが、一度、定位置停止クラッチを手動操作しなければ、次工程の作業に移れない課題があった。 【0005】 更に、苗植付具は、前記後進への切替操作による自動停止で低い位置に停止したまま走行すると、水田の表土や障害物に衝突して植付爪を破損する課題もあった。 【課題を解決するための手段】 【0006】 この発明は、上記課題を解決するために、移植機(5)の苗植付具(1)は、定位置停止クラッチ(2)を介して伝動され、該クラッチ(2)により伝動を断つと、一定の位置で停止する構成とし、走行車体(3)には、前進走行と後進走行との前後進切替装置(4)を搭載し、該前後進切替え装置(4)を後進側に操作すると、関連して移植機(5)側への伝動が絶たれる構成とし、次操作で前記前後進切替装置(4)を前進側に操作すると前記定位置停止クラッチ(2)が自動的且つ一時的に入りとなって、前記苗植付具(1)を正規の定位置停止位置に戻す制御が行われる構成としたことを特徴とする苗移植機であって、後進操作への切替に伴って移植機(5)が自動停止され、苗植付具(1)は、次操作によって前進側に切替操作すると、定位置停止クラッチ(2)が自動的且つ一時的に入りとなって定位置に復帰することができるものとなっている。したがって、苗植付具(1)は、次工程の植付作業に移るときには、通常の定位置に待機しているから、走行時に土中にあって破損したり、植え付け開始タイミングを狂わせることなく、正規の定位置から植え付け作動を開始して植え付けができる。 【発明の効果】 【0007】 この出願の発明は、後進操作への切替に伴って苗移植機全体への伝動が絶たれる結果、自動停止されていた苗植付具(1)は、どの位置で停止していても、次操作によって前進側に切替操作されると、自動的に定位置停止クラッチ(2)が入り操作されて定位置に復帰することができる。そして、苗植付具(1)を正規の定位置停止位置に戻した後、苗の植付作業を再開できる。 【0008】 したがって、この発明の苗植付具(1)は、次工程の植え付け作業に移るときには、通常の正規の定位置に停止して待機しており、走行時に土中にあって引きずって破損したり、植え始のタイミングを狂わせることはなく、正規の定位置から植付作動が始動できる優れた特徴がある。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 まず、この出願に係る発明は、実施例の場合、静油圧式無段変速装置10(通称「HST」と呼ばれており、以下「HST10」と呼ぶ。)を後進側に切替操作すると、これに関連して、苗移植機5(実施例の場合「田植装置」であるから、以下「田植装置5」と呼ぶ)への伝動が絶たれて、苗タンク11の左右往復移動を初めとして苗植付具となる苗植付杆1の植付軌跡上の回動も、作動の途中位置で自動停止する。 【0010】 したがって、苗植付杆1は、土中に入った位置で止まったり、植付軌跡の中間位置で止まることが多く、前者の場合には、そのまま進むと植付爪を泥中で引きずって移動し破損したり、後者の場合には、次操作による次の工程の植付開始タイミングが狂って、事後の植付作業がうまくできないことがある。 【0011】 そこで、この発明の実施例は、前記HST10を前進側に切替操作すると、制御機能が働き苗植付杆1の定位置停止クラッチ2が、入・切自動操作され、苗植付杆1が通常の定位置に復帰して待機することになる。したがって、田植装置5の苗植付杆1は、次工程に入って走行車体3が移動しても、泥土中を引きづられて破損することもなく、更に、苗植付杆1のクラッチ2を入れると、植付回動を開始するが、最初の開始タイミングが守られ正しい植え付け作動が始まる。 【0012】 以下、この発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。 まず、田植装置5を連結する走行車体3は、図1、及び図2に示すように、前部には左右一対の前輪12,12を装備し、後部には左右の後輪13,13を軸架して設け、前輪12,12を操舵輪とし、後輪13,13を駆動輪として水田上を走行できる構成としている。そして、操縦座席15は、図面から解るように、走行車体3の中央位置に高く配置して設け、その前側、及び左右両側から後方に至る低い位置には、フロア16を構成している。そして、ステアリングハンドル17は、図面に示すように、前記操縦座席15からフロア16を隔てた前方に設け、パワステ機構を介して前記前輪12,12を、軽く舵取り操作ができる構成としている。 【0013】 そして、田植装置5の各部を操作する操作レバーや操作ペダルの類は、前記ステアリングハンドル17の周囲に集中させて配置し、走行車体3の各装置を操作し易く構成して、楽に田植作業ができるものとしている。 【0014】 そして、HST10は、図1に示すように、前記フロア16の前部低位置に装備し、操縦座席15の下側のエンジン18から伝動されて駆動される構成であって、走行車体3の走行ミッション装置19に接続し、前・後進走行の切替えと、車速の増・減速調節とを行うように構成している。そして、HST10は、前記ステアリングハンドル17の側部に配置している主変速操作レバー20によって操作可能とし、ニュートラル位置を基準として前方側に倒し操作すれば正回転して伝動し前進走行となり、後方側に切替えて倒し操作すれば、逆回転して伝動するから後進走行する構成となっている。 【0015】 更に、主変速操作レバー20は、前進側(前方)に倒伏操作をすると、順次同方向の倒し角度に応じて前進速度が増速され、逆に、ニュートラル位置を越えて後方側に切替え、後進走行としてそのまま後方に倒し操作をすると、倒し角度に応じて後進速度が増速される構成となっている。 【0016】 以上述べたように、本願発明の「前後進切替装置4」とは、実施例で説明したHST10が相当しており、これを切替操作する主変速操作レバー20も主要な構成要素となる。 つぎに、田植装置5について、図1、及び図2に基づいて具体的に説明する。 【0017】 まず、田植装置5は、実施例の場合、6条植の田植装置を示しているが、走行車体3の後部に設けた縦方向の取付機枠23に前部を連結した四点平行リンク機構24の後部に連結し、下側の整地フロートで受け、植付圃場面の凹凸に順応しながら上下に昇降自由になる構成に支持している。 【0018】 そして、苗植付杆1は、図1、及び図2に示すように、田植装置5の後部で地面に近い低い位置に軸装して設け、卵形の植付軌跡を描きながら回動して一定位置の前板25の苗取出口26と圃場面との間を循環回動して、一株の苗を挟持して圃場面に植え付けができる構成としている。そして、苗タンク11は、定位置にある上記苗取出口26に対して、左右方向に往復横移動しながら一株分の苗を供給できるように構成している。 【0019】 そして、植付クラッチケース28は、図1に示すように、走行車体3の後部に装置し、定位置停止クラッチ2を内装して設け、ケース28から植付伝動軸29を介して前記苗植付杆1に植付回転動力を伝動する構成としている。この場合、植付クラッチケース28は、図4に示すように、入力軸30とクラッチ軸31との間には、4組の変速ギヤ32,33,34,35と1組の偏心ギヤ36とが組み込まれ、植付速度の変更で株間調節をしたり、その他特殊な植え方のときに使用する構成となっているが、本件出願の発明には直接関係しないから説明を省略する。 【0020】 そして、定位置停止クラッチ2は、前記クラッチ軸31に設けた駆動側係合突起2aに系脱移動する出力側の植付伝動軸29上に摺動自由にした定位置停止カム2bが、植付停止ピン2cの抜き差し操作とばね力とで定位置で切となる構成としている。実施例において、植付停止ピン2cは、図4、及び図5に示すように、制御モータ38から減速装置39を経由して作動する制御作動アーム40によって入・切制御操作される構成としている。 【0021】 以上のように、定位置停止クラッチ2は、図4において、クラッチ軸31の駆動側係合突起2aと定位置停止カム2bとが係合状態で伝動中に、苗植付杆1の切信号が出力されて制御モータ38が駆動されると、減速装置39を介して制御作動アーム40が切り側に植付停止ピン2cを押し込んで定位置停止カム2bをばね力に抗しながら切り側に誘導案内して定位置でクラッチ切にすることになる。 【0022】 このとき、苗植付杆1は、植付伝動軸29を介して伝動されているが、定位置停止クラッチ2が切り位置に達すると、伝動が中断して6条全部が揃って植付軌跡の上部の正規の定位置において停止することになる。 【0023】 なお、実施例では、田植装置5の昇降スイッチと植付ボタンとは、前記主変速操作レバー20の握り部に設けられており、手動による昇降操作と苗植付杆1のクラッチ操作とができる構成としている。 【0024】 そして、田植装置5は、該主変速操作レバー20の操作によって走行車体3を後進走行に切替操作をすると、図外の制御機構が働いて、オートリフトが働いて上昇しながら、全ての伝動が自動的に絶たれる構成となっている。そして、田植装置5は、次操作で主変速操作レバー20を前進側に切替操作をすると、図外の制御機構が働いて、制御モータ38が自動的に制御操作されて制御作動アーム40が作動して植付停止ピン2cを制御作動して、一度、定位置停止クラッチ2を入りにして伝動し、次の瞬間にクラッチ2を切に制御作動するのである。 【0025】 したがって、田植装置5の各苗植付杆1は、前回の自動停止によってどの位置に停止していても、一度伝動されて植付軌跡上を回動してすぐに停止するが、今度は定位置停止クラッチ2が働いているから、通常の正規の定位置で停止し、待機することができる。 【0026】 以上のように構成した実施例の作用を、図3に示すフローチャートに基づいて説明する。 まず、田植装置5は、走行車体3を走行させながら植付作業を行い、圃場の端に達して旋回する場合、オペレータが主変速操作レバー20を後進の位置に切替操作をする。すると、田植装置5は、オートリフトが働いて自動的に上昇しながら伝動が絶たれて苗タンク11は勿論苗植付杆1もその位置で自動停止される。 【0027】 つぎに、田植装置5は、次工程に移るために主変速操作レバー20を前進側に切替操作をすると、制御機構が作動して、入力軸30からクラッチ軸31に回転動力が伝動され、図5で説明した制御モータ38が駆動され、定位置停止クラッチ2を入・切の制御操作が行われて途中位置で自動停止していた苗植付杆1を正規の定位置に戻して停止する。 【0028】 このように、実施例は、主変速操作レバー20を後進操作に切替操作するのに伴って田植装置5全体への伝動が絶たれる結果、自動停止されていた苗植付杆1は、どの位置で停止していても、次操作によってレバー20を前進側に切替操作すると、制御機構が働いて自動的に定位置停止クラッチ2が入・切、制御操作され通常の定位置に復帰することができる。 【0029】 したがって、実施例の苗植付杆1は、次工程の植付作業に移るときには、通常の正規の定位置で待機しており、走行時に泥土中を引きづられて植付爪が破損したり、植え始めのタイミングを狂わせることはなく、定位置から植付作動を開始できるものとなっている。 【0030】 つぎに、本件実施例である走行車体3、及び田植装置5が装備している各実施例を説明する。 まず、走行車体3は、作業中の旋回時にステアリングハンドル17の操舵角度を、一定角度以上操舵すると、オートリフトが働く機構を採用している。現実にオートリフトが要求されるのは、圃場で車体3を旋回するときであって、例えば、変形田等で進路を変更する場合にはオートリフトは不要で、ハンドル17を切る度に田植装置5が自動的に上昇しては困る。 【0031】 実施例は、ステアリングハンドル17の操舵操作力が前輪12,12側に伝達されるピットマンアームと油圧昇降レバーとの間に油圧ダンパー、又はエアーダンパー、或いは、ストッパー付きのライニングを介装して設け、ピットマンアームの作動が所定角度以下の切れ角では伝わらない構成としている。これを換言すると、油圧昇降レバーは、ハンドルの操舵角度を大きくして圃場の端などで車体を旋回するときに田植装置5が正確に自動上昇できる構成をねらったものである。 【0032】 つぎに、苗植付杆1の停止を適確に行う実施例を説明する。 苗植付杆1は、クラッチを切ると、苗植付杆1自体の慣性力によって植付回動を継続しようと働いてシャクリ現象が起こるが、これを防止するものである。実施例は、ロックタイプトルクダイオードを植付部入力軸、又は、植付けクラッチケース28の入力軸に装備した構成として苗植付杆1に接続して構成している。 【0033】 そして、ロックタイプトルクダイオードは、入力軸を回転すると出力軸が回転して出力するが、入力軸を停止すると出力軸が共にロック状態となって回転できない状態に保持できる構成となっている。したがって、苗植付杆1は、伝動の途中位置に該装置を設けると、シャクリ現象を止めて適確に定位置で停止できる装置となる。 【0034】 つぎに、走行車体3は、作業中の旋回時にステアリングハンドル17の操舵角度を、一定角度以上操舵すると、オートリフトが働く機構を採用していると、既に説明したが、現実に、変形田等で進路を変更する場合、誤作動でオートリフトが働き田植装置5が中途半端に自動上昇して、畦畝に衝突して傾斜した場合の対策について実施例を説明する。 【0035】 まず、畦畝に田植装置5が衝突したことを検出する手段として、田植装置5に装備している各種の制御装置の検出装置を利用する。例えば、 1、田植装置5が上昇できなくなったことを検出するスイングスプリング部に設けたセンサ(スイッチ)。 【0036】 2、衝突して上昇し傾斜したことを検出するローリング制御用のスロープセンサ。 3、昇降制御用のポテンショメーター(上げスピードの急激な変化を検出する)。 4、その他、衝撃(加速度)センサ。 【0037】 等が利用できる。 つぎに、田植装置5の破損を未然に防止する緊急手段として、 a、HSTを強制的にニュートラル位置に切替操作する制御。走行停止。 【0038】 b、エンジンを自動停止する制御。走行停止。 c、田植装置の上昇を中断する制御(上昇中断後、下降制御)。 以上のように、田植装置5は、1〜4の検出手段とa〜cの具体的な制御による緊急手段とを結合して破損防止を図ることができる。 【0039】 その一例を記載すると、スロープセンサは、田植装置5が誤作動による上昇中に、畦畝に衝突してひっかかった状態で異常に傾斜すると、これを検出して図外の制御機構に検出情報を入力し、コントローラが制御信号をアクチュエータに出力して、HST10をニュートラル位置に制御操作するか、又は、エンジン18を自動停止する構成とするのである。その結果、田植装置5は、その位置で停止し、それ以上の破損事故が起きることはない。 【0040】 つぎに、図6、乃至図8に基づいて田植装置5のスタート時の制御について実施例を説明する。 通常、田植装置5は、図7に示すように、油圧シリンダ50を伸長させて四点平行リンク機構24を下降しながら田植装置5を水田面に接地させた後、後輪13,13を始動して前進走行を開始すると、田植装置5側が沈下して、逆に前輪12,12が、図面に示すように、表土面から上方に浮き上がり(高さH)現象が起きる。この現象は、後輪13,13の駆動トルクによって発生することが知られている。 【0041】 そこで、実施例は、走行車体3に制御機構を設けて、前記油圧シリンダ50が田植装置5を下降するために伸長するとき、通常の降下長さに前輪浮上防止距離(前輪12,12の上昇高さHに相当する深さ)を加えた長さを伸長するように作動油の送油量を増加する制御を行う構成としている。したがって、田植装置5は、そのとき、前輪浮上防止距離分だけ沈下した状態に押し下げられた位置に達する。そして、図示しない制御機構は、走行車体3のスタートが完了して通常の走行作業に移行すると、油圧シリンダ50の作動油の増量分を減量して通常の伸長長さに復帰する制御構成としている。図7は、従来装置のスタート時の状態を示し、図8は、実施例に係る走行車体3のスタート時の状態を示している。 【0042】 したがって、この実施例に係る田植装置5は、図6のフローチャートに示すように、前輪12,12の立ち上がりが未然に防止されて安全に田植作業を開始することができる特徴がある。 【0043】 つぎに、ステアリングハンドル17による操舵操作と、この操作に連動してサイドクラッチ、及びサイドブレーキを効かせて狭い圃場でも小回りのできる田植装置5の走行車体3について、図9、及び図10に基づいて実施例を説明する。 【0044】 まず、サイドクラッチ55,55は、図9に示すように、走行車体3の後輪13,13に装備され、一方側の切操作によって伝動が絶たれて旋回外側の駆動される後輪13によって旋回するが、これをステアリング操舵機構と併設して小回りの効く旋回装置が実現している。この場合、サイドクラッチ55,55は、図9の概略機構図に示すように、ステアリングハンドル17によって操作されるピットマンアーム56から連動スプリング57、サイドクラッチアーム58を介して操作可能に連動する構成としている。この場合、連動スプリング57の初張力は、サイドクラッチ55側のクラッチ板の密着時のスプリング張力より大としている。 【0045】 そして、実施例は、ステアリングハンドル17を旋回操作すると、ピットマンアーム56が操作されて回動して前輪12,12の操舵を行うと同時に、一方側の連動スプリング57から片側のサイドクラッチアーム58を操作して、旋回内側のサイドクラッチ55を切とする。 【0046】 したがって、走行車体3は、前輪12,12の操舵作用に、後輪13,13の一方(旋回内側)のサイドクラッチ55が切となって伝動が停止して、前後両車輪の総合で小回りの効く旋回を行なうことができる。 【0047】 そして、図10に示す実施例は、サイドクラッチ55に加えて、更に、サイドブレーキ60を働かせ、より小回りの効く旋回機構を実現せんとするものである。 この実施例の場合、四輪駆動が前提であるが、フロントミッションケース61内に左右のサイドクラッチ55を設け、該サイドクラッチ55から出力した後輪伝動軸62をリヤケース63のサイドブレーキ60に接続して構成している。この実施例は、図示を省略したが、サイドブレーキ制御機構を採用しており、選択ダイヤルによりブレーキ旋回を行うことができる構成としている。 【0048】 以上のように、後輪駆動の場合には、ステアリングハンドル17による前輪12,12の操舵操作に加えて、駆動する後輪13,13がサイドクラッチ55,55によって旋回し、更に、四輪駆動においては、ステアリング操作とサイドクラッチで前輪12,12が旋回し、それに加えて、サイドブレーキ60,60によって後輪13,13の一方(旋回内側)がブレーキターンの状態になって、狭い圃場における小回り旋回、超小回り旋回が可能となる。 【0049】 つぎに、図11、乃至図13に基づいて、田植装置5を連結した走行車体3をブレーキ停止状態にして止めた時でも、油圧ポンプ64が駆動可能な実施例を説明する。 通常、乗用田植機は、ブレーキペダル65を踏み込んで四輪(前輪12,12、後輪13,13)にブレーキをかけると、HST10が中立に切替えられて四輪に制動力が働いて走行車体3が停止し、同時に、HST10側に併設されている油圧ポンプ64も停止する構成となっている。この場合、油圧ポンプ64は、図12、又は図13に示すように、エンジン18からベルトテンションクラッチ66によって伝動される構成としているが、四輪にブレーキをかけるとメインテンション67が切れて伝動が中断する構成となっている。したがって、従来の乗用田植機では、四輪に制動力をかけて走行車体3を停止すると、油圧昇降レバー68を上げ操作しても田植装置5が上昇できない問題があった。 【0050】 そこで、図12に示す実施例は、油圧昇降レバー68を上げ側に操作すると、これに連動して作動する補助テンション69が作動して前記ベルトテンションクラッチ66を入りにして、油圧ポンプ64を駆動して、作動油を送油可能な状態になり、上昇することができる構成としている。 【0051】 又、図13の実施例は、制御モータ70がベルトテンションクラッチ66を入り・切り操作する構成であって、ブレーキペダル65を踏み込み操作をして四輪12,13に制動力をかけたとき、クラッチ66を切り状態にするが、油圧昇降レバー68を上げ側に操作すると、関連して入りに切り替えられて油圧ポンプ64を伝動する構成にしている。 【0052】 このように、図13に示す実施例の場合、前記ベルトテンションクラッチ66は、ブレーキペダル65を踏み込んだとき、制御モータ70の制御で切操作する構成にし、つぎに、前記油圧昇降レバー68の上げ操作に関連して前記制御モータ70を入操作する構成にしている。したがって、ベルトテンションクラッチ66は、油圧昇降レバー68の上げ操作に関連して制御モータ70を制御してメインテンション67を入りに切替えて油圧ポンプ68を駆動することができるものとした。 【0053】 以上述べたように、実施例は、四輪を制動して走行車体3を停止した状態でも油圧昇降レバー68を上げ側に操作すると、伝動が切れていたベルトテンションクラッチ66が、関連して入りに切り替えられて油圧ポンプ64を伝動状態にし、送油作動が可能となって油圧機構を作動し田植装置5を上下昇降することができるものとなった。 【図面の簡単な説明】 【0054】 【図1】苗移植機の側面図 【図2】苗移植機の平面図 【図3】定位置停止クラッチ制御のフローチャート 【図4】植付クラッチケースの内部断面図 【図5】制御モータの側面図 【図6】昇降油圧制御のフローチャート 【図7】田植装置の側面図 【図8】田植装置の側面図 【図9】ハンドル、ピットマンアーム、サイドブレーキの連動概略図 【図10】サイドクラッチとサイドブレーキとの連動概略図。 【図11】乗用田植機の側面図 【図12】ベルトテンションクラッチの側面図 【図13】制御モータで操作するベルトテンションクラッチの側面図 【符号の説明】 【0055】 1 苗植付杆 2 定位置停止クラッチ 3 走行車体 4 前後進切替装置 5 苗移植機。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年9月15日(2006.9.15) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2008−67656(P2008−67656A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月27日(2008.3.27) |
| 【出願番号】 |
特願2006−250826(P2006−250826) |
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