| 【発明の名称】 |
作業車の車輪支持構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】小林 鑑明
【氏名】奥山 幹夫
【氏名】網代 成良
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| 【要約】 |
【課題】小型の作業車用に構成したスイングアームを大型の作業車にも使用できるように構成することで、コストの削減を効果的に図れるようにすることにある。
【構成】車体フレーム2に対する車輪3の上下変位を可能にするスイングアーム14を、車体フレーム2に備えた支持部8Aに左右向きの軸心X周りに相対回動可能に支持される回動部14Aと、回動部14Aから軸心Xと交差する方向に延出されたアーム部14Bと、アーム部14Bの延出端に位置する車輪取り付け用の取付部14Cとを有するように形成し、スイングアーム14に、スイングアーム14を揺動駆動するアクチュエータ36が連係される連係部材37を連結し、スイングアーム14に対する連係部材37の連結部62Cを、回動部14Aとアーム部14Bとにわたる長さを有するように形成して回動部14Aとアーム部14Bとに連結してある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車体フレームに対する車輪の上下変位を可能にするスイングアームを、前記車体フレームに備えた支持部に左右向きの軸心周りに相対回動可能に支持される回動部と、前記回動部から前記軸心と交差する方向に延出されたアーム部と、前記アーム部の延出端に位置する車輪取り付け用の取付部とを有するように形成し、 前記スイングアームに、該スイングアームを揺動駆動するアクチュエータが連係される連係部材を連結し、 前記スイングアームに対する前記連係部材の連結部を、前記回動部と前記アーム部とにわたる長さを有するように形成して前記回動部と前記アーム部とに連結してあることを特徴とする作業車の車輪支持構造。 【請求項2】 前記車体フレームの左右に前記スイングアームを配備し、 左右の前記スイングアームの前記軸心周りでの相対揺動が許容されるように左右の前記連係部材を前記アクチュエータに連係し、 左右の前記スイングアームの相対揺動を抑制する相対揺動抑制部材を、左右の前記スイングアームに、左右の前記連係部材を介して取り付けてあることを特徴とする請求項1に記載の作業車の車輪支持構造。 【請求項3】 前記回動部に、前記アーム部が連結されるフランジと前記連結部材が連結されるフランジとを一連に形成してあることを特徴とする請求項1又は2に記載の作業車の車輪支持構造。 【請求項4】 前記支持部に前記回動部を円筒状のブッシュを介して嵌合してあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の作業車の車輪支持構造。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、車体フレームに車輪を上下変位可能に装備するスイングアームと、このスイングアームを揺動駆動するアクチュエータとを備えた作業車の車輪支持構造に関する。 【背景技術】 【0002】 上記のような作業車の車輪支持構造としては、一端部に車輪を備えた側部伝動ケース(スイングアーム)を、ミッションケースから左右向きに延出した駆動軸の軸心周りに上下揺動可能となるように構成し、側部伝動ケースを揺動駆動する第1油圧シリンダ(アクチュエータ)を、側部伝動ケースの揺動支点部(回動部)に連結したアームに連係するようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。 【特許文献1】特開平6−153634号公報(段落番号0012〜0014、図1) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 上記の構成によると、アクチュエータ(第1油圧シリンダ)の作動でスイングアーム(側部伝動ケース)を揺動駆動する場合には、そのスイングアームに作用するモーメントがスイングアームの回動部(揺動支点部)に集中するようになる。そして、車体重量の大きい大型の作業車であるほど、スイングアームに作用するモーメントが大きくなることから、スイングアームの回動部をより高い強度を有するものに構成する必要がある。 【0004】 つまり、上記の構成では、大きさの異なる複数の作業車を製造する上において、各作業車に対応する複数種のスイングアームを用意する必要がある。そのため、部品管理や製造コストの削減などを図る上において改善の余地がある。 【0005】 又、部品管理や製造コストの削減などを図るために、大きさの異なる各作業車にスイングアームを共通部品として使用する場合には、大型の作業車用に構成したスイングアームを小型の作業車に使用することになり、スイングアームを共通部品とすることによるコストの削減が図り難くなる。 【0006】 本発明の目的は、小型の作業車用に構成したスイングアームを大型の作業車にも使用できるように構成することで、スイングアームを共通部品とすることによるコストの削減を効果的に図れるようにすることにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 上記の目的を達成するため、本発明のうちの請求項1に記載の発明では、車体フレームに対する車輪の上下変位を可能にするスイングアームを、前記車体フレームに備えた支持部に左右向きの軸心周りに相対回動可能に支持される回動部と、前記回動部から前記軸心と交差する方向に延出されたアーム部と、前記アーム部の延出端に位置する車輪取り付け用の取付部とを有するように形成し、前記スイングアームに、該スイングアームを揺動駆動するアクチュエータが連係される連係部材を連結し、前記スイングアームに対する前記連係部材の連結部を、前記回動部と前記アーム部とにわたる長さを有するように形成して前記回動部と前記アーム部とに連結してある。 【0008】 この特徴構成によると、連係部材の連結部をスイングアームの回動部とアーム部とにわたって連結することで、連係部材の連結部が、スイングアームの揺動支点側を補強する補強部材として機能するようになる。 【0009】 これによって、スイングアームの回動部に補強用のリブを新たに設ける、あるいは、回動部の肉厚を大きくする、などの改良を施すことなく、スイングアームにおける揺動支点側の強度を向上させることができる。 【0010】 又、連係部材の連結部をスイングアームの回動部とアーム部とにわたって連結することで、アクチュエータの作動でスイングアームを揺動駆動する場合には、そのスイングアームに作用するモーメントが、連係部材を介して回動部とアーム部とに分散されることになる。 【0011】 これによって、スイングアームに作用するモーメントが回動部に集中するように構成した場合に比較して、スイングアームの耐久性を向上させることができる。 【0012】 又、車体重量の大きい大型の作業車に使用することで、スイングアームの揺動駆動時にスイングアームに作用するモーメントが大きくなったとしても、それに起因してスイングアームの回動部やアーム部が破損する虞を効果的に抑制することができる。 【0013】 つまり、スイングアームと連係部材との連結構造に改良を加えることで、スイングアームを、小型の作業車に対応するように構成しても、大型の作業車に使用することができるようになる。 【0014】 従って、小型の作業車用に構成したスイングアームを大型の作業車にも使用することができるようになり、スイングアームを共通部品とすることによるコストの削減を効果的に図ることができる。 【0015】 本発明のうちの請求項2に記載の発明では、上記請求項1に記載の発明において、前記車体フレームの左右に前記スイングアームを配備し、左右の前記スイングアームの前記軸心周りでの相対揺動が許容されるように左右の前記連係部材を前記アクチュエータに連係し、左右の前記スイングアームの相対揺動を抑制する相対揺動抑制部材を、左右の前記スイングアームに、左右の前記連係部材を介して取り付けてある。 【0016】 この特徴構成によると、左右の連係部材を、左右のスイングアームに対する相対揺動抑制部材の取り付けを可能にする連結部材に兼用することができる。 【0017】 従って、左右のスイングアームに対する相対揺動抑制部材の取り付けを可能にする専用の連結部材を設ける場合に比較して、構成の簡素化及びコストの削減を図ることができる。 【0018】 本発明のうちの請求項3に記載の発明では、上記請求項1又は2に記載の発明において、前記回動部に、前記アーム部が連結されるフランジと前記連結部材が連結されるフランジとを一連に形成してある。 【0019】 この特徴構成によると、回動部に連結用として備えられるフランジを一連に形成する、というフランジを有効利用した改良を施すことで、回動部に補強用のリブを新たに設ける、あるいは、回動部の肉厚を大きくする、などの改良を施すことなく、回動部の強度を向上させることができる。 【0020】 従って、回動部の大型化や形状の複雑化を招くことなく回動部の強度を向上させることができる。 【0021】 本発明のうちの請求項4に記載の発明では、上記請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記支持部に前記回動部を円筒状のブッシュを介して嵌合してある。 【0022】 この特徴構成によると、支持部と回動部との間におけるがたつきや凝着を効果的に抑制することができる。 【0023】 従って、スイングアームの左右向きの軸心周りでの上下揺動をより円滑に行える。 【発明を実施するための最良の形態】 【0024】 図1には作業車の一例である6条植え用の歩行型田植機の全体側面が、図2にはその概略平面が示されており、この歩行型田植機は、リコイルスタータ式の空冷エンジン1を車体フレーム2の前部に搭載し、そのエンジン1からの走行用動力で駆動される左右一対の車輪3を車体フレーム2の左右に配備し、エンジン1からの作業用動力で駆動される6条植え用の苗植付装置4を車体フレーム2の後部に装備し、その苗植付装置4の後方に操縦部5を備えて構成されている。 【0025】 エンジン1は、シリンダヘッド(図示せず)が前傾姿勢で装備された嵩低型に構成されている。又、その出力軸6が左右向きで右外方に向けて突出するように姿勢設定されている。 【0026】 図1〜5に示すように、車体フレーム2は、エンジン1が搭載されるエンジンフレーム7、前部にエンジンフレーム7がボルト連結されたミッションケース8、ミッションケース8の後端部から後方に向けて延設された主フレーム9、主フレーム9の後端部にボルト連結された動力分配ケース10、動力分配ケース10の左右両側部から左右外方に向けて延設された左右の連結フレーム11、対応する連結フレーム11の延出端部にボルト連結された左右の植付伝動ケース12、及び、動力分配ケース10から後上方に向けて延設されたハンドルフレーム13、などから構成されている。 【0027】 左右の各車輪3は、左右の対応するスイングアーム14などを介して、車体フレーム2に対する上下変位が可能となるように車体フレーム2に装備されている。 【0028】 図1及び図2に示すように、苗植付装置4は、6条分のマット状苗を載置するように形成された苗載台15が、動力分配ケース10に内装した横送り機構(図示せず)の作動で左右方向に一定ストロークで往復移動し、動力分配ケース10の左右両側下部と左右の各植付伝動ケース12の左右両側下部とにそれぞれ配備したクランクアーム式の各植付機構16が、苗載台15とともに往復移動する対応するマット状苗の下端部から所定量の苗を切り取って、左右に並設された3つの整地フロート17で整地された圃場泥部に植え付け、苗載台15が左右の各ストローク端に到達するごとに、縦送り機構18が作動して、苗載台15に対して全てのマット状苗を所定ピッチで下方に縦送りするように構成されている。 【0029】 操縦部5には、平面視コの字状で左右の両端部が後方に向けて延出する姿勢でハンドルフレーム13の上端部に連結された操縦ハンドル19などが装備されている。 【0030】 図3〜6に示すように、ミッションケース8は、その上部に左右向きで右外方に向けて突出する入力軸20が配備されており、その入力軸20とエンジン1の出力軸6とにわたって架設したベルト式の伝動装置21を介してエンジン1からの動力が伝達される。 【0031】 図示は省略するが、ミッションケース8には、入力軸20から伝動方向下手側への伝動を断続する主クラッチ、主クラッチを介して伝達される動力を走行用と作業用とに分岐する中継軸、中継軸からの走行用動力を変速する走行用変速装置、中継軸からの作業用動力を変速する株間変速装置、及び、走行用変速装置から対応する左右の車輪3への伝動を断続する左右一対のサイドクラッチ、などが内装されている。 【0032】 ミッションケース8の左右両側下部には、横外方に向けて膨出する円筒状の伝動ケース8Aが一体形成されている。左右の各伝動ケース8Aには、対応するサイドクラッチを介して伝達される走行用動力の取り出しを可能にする走行用出力軸22が内装されている。 【0033】 ミッションケース8の後上部には、主フレーム連結用の連結部8Bが一体形成されている。連結部8Bの中央には、株間変速装置からの作業用動力の取り出しを可能にする作業用出力軸(図示せず)が装備されている。 【0034】 主フレーム9は、伝動ケースとしての機能を有するように鋼管製の角パイプ材などによって構成されている。主フレーム9の前端部には、ミッションケース8の連結部8Bに対して後方からボルト連結されるフランジ9Aと、上下の両端部がフランジ9Aの上下に延出してミッションケース8の連結部8Bに対して左右の横外方からボルト連結される左右一対のブラケット9Bとが溶接されている。 【0035】 これによって、主フレーム9にフランジ9Aのみを備えてミッションケース8に連結する場合に比較して、ミッションケース8に片持ち状にボルト連結される主フレーム9のミッションケース8に対する連結強度の向上が図られている。 【0036】 図1及び図3〜6に示すように、主フレーム9の上方には予備苗台23が配備されており、この予備苗台23は、車体フレーム2に立設した予備苗フレーム24で支持されている。予備苗フレーム24は、その前下端に備えた単一の連結部24Aが、主フレーム9の左右のブラケット9Bとともに、ミッションケース8の連結部8Bにボルト連結され、その後下端に備えた左右一対の連結部(図示せず)が、動力分配ケース10の左右両側上部にボルト連結されている。 【0037】 図6及び図7に示すように、ミッションケース8の左右の各走行用出力軸22から取り出された走行用動力は、対応するスイングアーム14に内装した軸式の伝動装置25などを介して左右の車輪3に伝達される。 【0038】 各伝動装置25は、対応する走行用出力軸22の延出端にスプライン嵌合された小径の第1ベベルギヤ26、第1ベベルギヤ26に噛合する大径の第2ベベルギヤ27、第2ベベルギヤ27がスプライン嵌合された第1伝動軸28、第1伝動軸28にスプライン継手29を介して連動連結された第2伝動軸30、第2伝動軸30の一端部に一体形成された小径の第3ベベルギヤ30Aに噛合する大径の第4ベベルギヤ31、及び、第4ベベルギヤ31がスプライン嵌合された車軸32、などを備えて、車軸32に連結された車輪3に、ミッションケース8からの走行用動力を、第1ベベルギヤ26と第2ベベルギヤ27とからなる減速比の小さい第1減速部33と、第3ベベルギヤ30Aと第4ベベルギヤ31とからなる減速比の大きい第2減速部34とを介して減速伝動するように構成されている。 【0039】 図示は省略するが、ミッションケース8の作業用出力軸から取り出された作業用動力は、主フレーム9に内装した伝動軸を介して動力分配ケース10の入力軸に伝達され、その入力軸から、動力分配ケース10に内装したトルクリミッタや作業クラッチなどを介して、動力分配ケース10の下部に左右向きに配備した植付駆動軸兼用の中継軸に伝達され、この中継軸から、その左右両端部に連結された植付機構16に伝達される一方で、チェーン式の動力分配機構を介して横送り機構や縦送り機構18などに分配され、動力分配機構の分配軸から、左右の各連結フレーム11に内装した伝動軸や、左右の各植付伝動ケース12に内装したチェーン式の伝動機構を介して、各植付伝動ケース12の下部に左右向きに配備した植付駆動軸に伝達され、各植付駆動軸から、それらの左右両端部に連結された植付機構16に伝達される。 【0040】 左右の各連結フレーム11は、伝動ケースとしての機能を有するように鋼管製の丸パイプ材などによって構成されている。 【0041】 図1〜8に示すように、左右の各スイングアーム14は、内装した伝動装置25とともに、ミッションケース8の各伝動ケース8A及び左右の走行用出力軸22の中心である左右向きの軸心Xを支点にした上下方向への相対揺動が許容されている。又、左右のスイングアーム14にわたって、それらの上下方向への相対揺動を抑制する帯状の板バネ(相対揺動抑制部材の一例)35が架設されている。 【0042】 各スイングアーム14の揺動支点側には、左右のスイングアーム14と、スイングアーム14を揺動駆動する単一の昇降シリンダ(アクチュエータの一例)36との操作連係を可能にする連係部材37が連結されている。これらの連係部材37は、昇降シリンダ36のピストンロッド36Aに、その突端に天秤揺動可能にピン連結された上下一対の天秤アーム38や、その天秤アーム38の両端から対応する連係部材37にわたる左右の連係アーム39、などを介して操作連係されている。 【0043】 昇降シリンダ36は、エンジン1の下方に、ミッションケース8の下面よりも低い位置から連係部材37に向かう後上がり姿勢で配備されている。昇降シリンダ36には、低圧でも作動するシリンダ径の大きい単動型の油圧シリンダが採用されている。昇降シリンダ36に対する作動油の流動は、ミッションケース8の上部に載置した制御弁40によって制御される。制御弁40は、操縦部5に備えた昇降レバー41に操作連係されている。 【0044】 この構成から、昇降レバー41を人為操作すると、その操作に応じて制御弁40の作動状態が切り換わって昇降シリンダ36が伸縮作動するようになり、この伸縮作動によって、左右のスイングアーム14が車体フレーム2に対して上下方向に一体揺動するようになって、左右の車輪3が車体フレーム2に対して上下方向に一体変位することになる。 【0045】 つまり、昇降レバー41の人為操作によって、各整地フロート17が圃場泥面に接地する作業位置と、各整地フロート17が圃場泥面から離間する非作業位置とにわたって、左右の車軸32を支点にして車体を圃場泥面に対して昇降変位させることができる。 【0046】 又、圃場耕盤の傾斜や起伏などに起因して、左右いずれかの車輪3に対する接地反力が増大する場合には、その増大する接地反力で、左右の車輪3が板バネ35の作用に抗して相対変位するようになり、よって、車体の左右方向での姿勢が水平姿勢又は略水平姿勢に維持される。逆に、左右いずれかの車輪3に対する接地反力が低下する場合には、板バネ35の作用で左右の車輪3が相対変位するようになり、よって、車体の左右方向での姿勢が水平姿勢又は略水平姿勢に維持される。 【0047】 つまり、左右のスイングアーム14、板バネ35、左右の連係部材37、上下一対の天秤アーム38、及び、左右の連係アーム39などによって、車体の左右方向での姿勢を水平姿勢又は略水平姿勢に維持するローリング機構42が構成されている。 【0048】 そして、昇降シリンダ36にシリンダ径の大きい油圧シリンダを採用したことで、昇降シリンダ36の全長を短くすることができ、その分、各スイングアーム14から延出する連係部材37の長さを長くして、左右のスイングアーム14を上下揺動させる際に要する駆動力を小さくすることができる。 【0049】 図5、図9及び図10に示すように、ピストンロッド36Aと上下の天秤アーム38との間には、上下の天秤アーム38の揺動範囲を制限することで、車体の許容範囲以上のローリングを規制する規制機構43が介装されている。 【0050】 規制機構43は、ピストンロッド36Aの突端から相対揺動不能に延出された固定アーム44、固定アーム44の延出端に相対揺動可能にピン連結された上下一対の揺動リンク45、及び、上下の天秤アーム38を一体揺動可能に連結するとともに上下の揺動リンク45の遊端に形成した長孔45Aに操通される連係ピン46、などによって、長孔45Aの長さ範囲で車体のローリングを許容するように構成されている。 【0051】 図3及び図4に示すように、制御弁40は、左右中央に位置する整地フロート17の前端部に、操作アーム47や連係ロッド48などを介して操作連係されている。 【0052】 この連係構造によって、制御弁40は、左右中央の整地フロート17が、予め設定した基準姿勢から後部支点周りに上昇揺動すると、その揺動に連動して、圃場泥面に対して車体を上昇させる(車体フレーム2に対して左右のスイングアーム14を下降揺動させる)上昇状態に切り換わる。逆に、左右中央の整地フロート17が基準姿勢から後部支点周りに下降揺動すると、その揺動に連動して、圃場泥面に対して車体を下降させる(車体フレーム2に対して左右のスイングアーム14を上昇揺動させる)下降状態に切り換わる。そして、それらの切り換え操作で左右中央の整地フロート17が基準姿勢に復帰すると、その復帰に伴って、圃場泥面に対して車体を昇降停止させる(車体フレーム2に対して左右のスイングアーム14を揺動停止させる)中立状態に切り換わる。 【0053】 つまり、この連係構造によって、圃場泥面に対する車体の高さ位置を、圃場耕盤の起伏などにかかわらず、整地フロート17が基準姿勢となる所定の高さ位置に維持することができ、これによって、各植付機構16による苗の植え付けを、予め設定した植え付け深さで安定して行える。 【0054】 図9及び図10に示すように、左右の各連係アーム39には、左右のスイングアーム14が急激に上下揺動した場合に発生する衝撃を吸収する緩衝機構49が備えられている。 【0055】 各緩衝機構49は、連係アーム39の一端部に形成した長孔39Aと一端部に溶接した受具39B、長孔39Aを介して連係アーム39を上下の天秤アーム38に相対揺動可能に連結する連結ピン50、受具39Bと連結ピン50とで連係アーム39に対して摺動可能に支持される摺動部材51、受具39Bと摺動部材51との間に介装される弾性ゴム52、及び、摺動部材51の一端部との螺合で受具39Bに対する摺動部材51を抜け止めするナット53、などによって構成され、摺動部材51に対するナット53の螺合調節で弾性ゴム52の基準圧縮状態を設定変更することができる。 【0056】 図3〜8に示すように、左右の各スイングアーム14は、その支持部として機能する伝動ケース8Aに左右向きの軸心X周りに相対回動可能に支持される回動部14Aと、回動部14Aから左右向きの軸心Xと直交する方向に延出されたアーム部14Bと、アーム部14Bの延出端に位置する車輪取り付け用の取付部14Cとを有するように形成されている。 【0057】 回動部14Aは、伝動ケース8Aの延出端に形成した被嵌合部分8aに相対回動可能に外嵌するボス54Aや、アーム部14Bがボルト連結されるフランジ54B、などが鋳造によって一体形成された継手部材54で構成されている。 【0058】 アーム部14Bは、回動部14Aにボルト連結されるフランジ55Aが一端部に溶接され、取付部14Cがボルト連結されるフランジ55Bが他端部に溶接された鋼管製の丸パイプ55で構成されている。 【0059】 取付部14Cは、アーム部14Bにボルト連結されるフランジ56Aが一体形成された第1部材56と、第1部材56にボルト連結される第2部材57とで構成されている。 【0060】 伝動ケース8Aの被嵌合部分8aは、継手部材54のボス54Aを相対回動可能に外嵌支持しながら走行用出力軸22を相対回転可能に内嵌支持するように、肉厚の大きいものに形成されている(図7参照)。 【0061】 継手部材54は、ボス54Aに対向するボス54Cがボールベアリング58を介して走行用出力軸22に相対回動可能に支持されるとともに、走行用出力軸22の端部に螺合されたナット59によって、ボールベアリング58を介して抜け止め支持されている(図7参照)。 【0062】 つまり、ミッションケース8の伝動ケース8Aと走行用出力軸22とで、スイングアーム14を左右向きの軸心X周りに上下揺動可能に支持するように構成されており、これによって、各スイングアーム14を、対応する伝動ケース8Aと走行用出力軸22による高い支持強度で支持することができる。 【0063】 図3〜10に示すように、左右の各連係部材37は、連係アーム39に連結ピン61を介して連結されるボス62Aが溶接された側面視略三角形状の板金部材62で構成されている。 【0064】 尚、左右の各連係アーム39には、対応する連係部材37の連結位置の変更を可能にする複数の連結孔39Cが形成されている(図9及び図10参照)。 【0065】 各板金部材62は、高い強度を有するように底縁部を除く各縁部に補強用のリブ62Bが屈曲形成されている。そして、スイングアーム14に連結される底縁部(連結部の一例)62Cの長さが、継手部材54(回動部14A)のボス54Aに左右向きの軸心Xと直交するように形成した連係部材連結用のフランジ54Dと、丸パイプ55(アーム部14B)における一端側の車体内方側に溶接した連係部材連結用のブラケット55Cとにわたる長さを有するように形成され、その底縁部62Cの前端側に、継手部材54のフランジ54Dに対する板金部材62の車体内方側から横方向でのボルト連結を可能にする一対の第1連結孔62Dが穿設され、その底縁部62Cの後端側に、丸パイプ55のブラケット55Cに対する板金部材62の車体内方側から横方向でのボルト連結を可能にする一対の第2連結孔62Eが穿設されている。 【0066】 つまり、左右の各連係部材37は、その底縁部62Cが、対応するスイングアーム14の回動部14Aとアーム部14Bとにわたる長さを有して、それらに連結されることで、スイングアーム14の揺動支点側を補強する補強部材として機能するようになっており、これによって、スイングアーム14の回動部14Aなどに補強用のリブを新たに設けるなどの改良を施すことなく、スイングアーム14における揺動支点側の強度を向上させることができる。 【0067】 又、スイングアーム14に作用するモーメントが、連係部材37を介して回動部14Aとアーム部14Bとに分散されることから、例えば、そのモーメントが回動部14Aに集中するように構成した場合に比較して、回動部14Aとして強度の低いものを採用しても、スイングアーム14の耐久性を向上させることができる。 【0068】 図3、図7及び図8に示すように、継手部材54は、アーム部連結用のフランジ54Bと連係部材連結用のフランジ54Dとが、略L字状に連なるように一連に形成されており、これによって、継手部材54に補強用のリブを新たに設けることによる形状の複雑化や、継手部材54の肉厚を大きくすることによる大型化などを招くことなく、それらのフランジ54B,54Dを分離して形成する場合に比較して、継手部材54(回動部14A)の強度を向上させることができる。 【0069】 図5〜8に示すように、継手部材54において、伝動ケース8Aの被嵌合部分8aに外嵌するボス54Aは、被嵌合部分8aに対する嵌合面積が大きくなるように、その左右向きの軸心Xに沿う方向の長さが、連係部材連結用のフランジ54Dから更に外方(車体内方側)に向けて延出する長いものに形成されている。 【0070】 一方、伝動ケース8Aの被嵌合部分8aは、継手部材54に対する支持面積が大きくなるように、その左右向きの軸心Xに沿う方向の長さが、継手部材54におけるボス54Aのフランジ形成部分から延出端にわたる長いものに形成されている。 【0071】 そして、伝動ケース8Aの被嵌合部分8aと継手部材54のボス54Aとの間には、それらと略同じ長さを有する円筒状に形成された合成樹脂製のすべり軸受からなるブッシュ63が介装されている(図7参照)。 【0072】 つまり、左右向きの軸心Xに沿う方向の長さが長くなるように形成した伝動ケース8Aの被嵌合部分8aと継手部材54のボス54Aとを、それらと略同じ長さを有するブッシュ63を介して相対回動可能に嵌合したことで、伝動ケース8Aの被嵌合部分8aと継手部材54のボス54Aとの間における嵌合面積を大きくして、それらの間におけるがたつきが効果的に抑制された安定した支持を行えるようにしながら、伝動ケース8Aの被嵌合部分8aと継手部材54のボス54Aとの凝着を効果的に抑制することができる。 【0073】 これによって、左右の伝動ケース8Aによる対応するスイングアーム14の支持を、より安定性の良い状態で行えるようにしながら、各スイングアーム14の左右向きの軸心X周りでの上下揺動をより円滑に行わせることができるようになり、結果、左右のスイングアーム14を一体的に上下揺動させる昇降操作、及び、左右のスイングアーム14が相対的に上下揺動するローリング動作を円滑に行わせることができる。 【0074】 図4〜8に示すように、板バネ35の左右両端部には、丸パイプ55(アーム部14B)のブラケット55Cに、ブラケット55Cとの間に連係部材37を介装した状態で車体内方側から横方向にボルト連結される連結部35Aが屈曲形成されている。 【0075】 つまり、連係部材37と板バネ35とを、丸パイプ55(アーム部14B)のブラケット55Cに、一対のボルト64で共締め連結するように構成されており、これによって、例えば、連係部材37と板バネ35とを丸パイプ55(アーム部14B)に個別に連結する場合に比較して構成の簡素化を図ることができる。 【0076】 しかも、板バネ35を左右のスイングアーム14に対して横方向からボルト連結するように構成したことで、板バネ35の各連結部35Aに穿設した連結孔35Bの融通で、板バネ35を、その左右の平坦面部35Cを対応するスイングアーム14におけるアーム部14Bの中心に平行に沿わせた適正な連結姿勢で、左右のスイングアーム14に容易に連結することができる。 【0077】 又、板バネ35を左右のスイングアーム14に対して上下方向からボルト連結する場合に比較して、左右のスイングアーム14が相対揺動した際にボルト64に作用する捻れ力や曲げ力を大幅に軽減することができ、よって、ボルト64の耐久性が向上し、左右の各スイングアーム14と板バネ35との連結部の信頼性が向上する。 【0078】 図3、図5、図6及び図8に示すように、スイングアーム14において、回動部14A及び取付部14Cは、左右の双方に兼用可能な対称形状に形成されている。 【0079】 〔別実施形態〕 【0080】 〔1〕作業車としては、車体フレーム2に車輪3を上下変位可能に装備するスイングアーム14と、このスイングアーム14を揺動駆動するアクチュエータ36とを備えるものであれば、6条植え用以外の歩行型田植機であってもよく、又、歩行型管理機や歩行型草刈機あるいは乗用型田植機やトラクタなどであってもよい。又、歩行型の作業車としては一輪式に構成したものであってもよい。 【0081】 〔2〕支持部8Aを、ミッションケース8又は主フレーム9などから左右外方に向けて延設した丸パイプや丸棒などで構成するようにしてもよい。又、支持部8Aが筒状である場合には、支持部8Aに、スイングアーム14の回動部14Aを、左右向きの軸心X周りに相対回動可能に内嵌するようにしてもよい。 【0082】 〔3〕スイングアーム14としては、伝動装置25を内装しないように形成したものであってもよく、又、ベルト式やチェーン式の伝動装置を内装するように形成したものであってもよい。 【0083】 〔4〕スイングアーム14としては、回動部14Aとアーム部14Bと取付部14Cとを一体形成したものであってもよい。又、アーム部14Bが、回動部14Aから左右向きの軸心Xに対する直交方向以外の交差方向に延出するように形成したものであってもよい。 【0084】 〔5〕スイングアーム14を、その全体が左右の双方に兼用可能な対称形状となるように形成してもよく、又、兼用不能な非対称形状となるように形成してもよい。 【0085】 〔6〕左右のスイングアーム14を、左右向きの軸心X周りに独立揺動可能に装備するようにしてもよい。又、左右のスイングアーム14の相対揺動又は独立揺動を、支持部8Aとスイングアーム14とにわたって装備した左右の捩りバネで抑制するように構成してもよい。 【0086】 〔7〕アクチュエータ36として、油圧モータあるいは電動モータや電動シリンダなどを採用するようにしてもよい。又、左右の各スイングアーム14に対応して一対のアクチュエータ36を装備するようにしてもよい。 【0087】 〔8〕昇降シリンダ36を、ミッションケース8の上面よりも高い位置から連係部材37に向かうように配備してもよい。 【0088】 〔9〕連係部材37としては、スイングアーム14の回動部14Aとアーム部14Bとにわたる長さを有してそれらに連結される連結部62Cを備えるものであれば、くの字状や一直線状などに形成したものであってもよい。 【0089】 〔10〕左右の各連係部材37に、スイングアーム14に対する連結孔62D,62Eとは別に、相対揺動抑制部材35のボルト連結を可能にする専用の連結孔を穿設して、左右の連係部材37を、左右のスイングアーム14に対する相対揺動抑制部材35の取り付けを可能にする連結部材に兼用するように構成してもよい。 【0090】 〔11〕相対揺動抑制部材35を、左右の連係部材37を介さずに左右のスイングアーム14に取り付けるように構成してもよい。又、相対揺動抑制部材35を、左右の連係部材37又は左右のスイングアーム14に対して上下方向から連結するように構成してもよい。 【0091】 〔12〕ブッシュ63としては、真鍮製や青銅製あるいはセラミック製のすべり軸受などからなるものであってもよい。又、伝動ケース8Aの被嵌合部分8aと継手部材54のボス54Aとの間に、複数のブッシュ63を左右方向に並設して、その全体長さが、伝動ケース8Aの被嵌合部分8a及び継手部材54のボス54Aと略同じ長さを有するようにしてもよい。 【図面の簡単な説明】 【0092】 【図1】歩行型田植機の全体左側面図 【図2】歩行型田植機の概略全体平面図 【図3】スイングアームの操作構造を示す要部の側面図 【図4】スイングアームの操作構造を示す要部の縦断側面図 【図5】スイングアームの操作構造を示す要部の平面図 【図6】車体フレーム及びスイングアームの構成を示す要部の縦断背面図 【図7】スイングアームの構成を示す要部の横断平面図 【図8】スイングアームと連係部材と板バネの連結構造を示す要部の分解斜視図 【図9】昇降シリンダと連係部材の連係構造を示す要部の横断平面図 【図10】昇降シリンダと連係部材の連係構造を示す要部の分解斜視図 【符号の説明】 【0093】 2 車体フレーム 3 車輪 8A 支持部 14 スイングアーム 14A 回動部 14B アーム部 14C 取付部 35 相対揺動抑制部材 36 アクチュエータ 37 連係部材 54B フランジ(アーム部連結用) 54D フランジ(連係部材連結用) 62C 連結部 63 ブッシュ X 軸心
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成18年8月24日(2006.8.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2008−48662(P2008−48662A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月6日(2008.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願2006−227963(P2006−227963) |
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