| 【発明の名称】 |
施肥装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】根間 一哲
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| 【要約】 |
【課題】サトウキビやたばこ、野菜等のような農作物の根や畝、溝又は農作物を栽培する前の圃場に連続的かつ自動的に施肥を行なう装置に関し、箱状容器内の全長をフルに利用して、羽根車による処理能力の向上を図り、一度に大量に施肥可能としたり、大施肥量から小施肥量まで、或いは1以上のライン状施肥や全面施肥を選択可能とする。
【構成】肥料を入れる容器の底側に水平の回転軸を配置し、該回転軸で放射方向の羽根を回転させる羽根車を有していること、該羽根の先端の回転軌跡に沿った円弧状の底部を有する円弧凹室を、前記容器の底壁に開けた四角開口の下に設けたこと、前記羽根車は、左右両側の小羽根車と、両小羽根車の間に設けた長羽根車からなり、左右の小羽根車が駆動源と連結されている場合に、長羽根車は駆動源と分離して、空転可能としたことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 肥料を入れる容器の底側に水平の回転軸を配置し、該回転軸で放射方向又は半径方向の羽根を回転させる羽根車を有していること、 該羽根の先端の回転軌跡に沿った円弧状の底部を有する円弧状凹室を、前記容器の底壁に開けた四角開口の下に設けたこと、 前記羽根車は、左右両側の小羽根車と、両小羽根車の間に設けた長羽根車からなり、左右の小羽根車が駆動源と連結されている場合に、長羽根車は、駆動源と分離して、空転可能としたことを特徴とする施肥装置。 【請求項2】 左右両側の小羽根車側が下り勾配となる山形傾斜板を前記容器の底板上に設置して、長羽根車をカバー可能としたことを特徴とする請求項1に記載の施肥装置。 【請求項3】 前記の長羽根車も駆動源と連結された状態において、全羽根車の全長で処理排出される肥料を受ける受け傾斜板を有しており、 該受け傾斜板の排出口を単一にすると共に、ライン状に施肥できるような狭小出口又は円弧状凹室の底の落下排出スリットの全長と同等の全長出口としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の施肥装置。 【請求項4】 前記の長羽根車も駆動源と連結された状態において、全羽根車の全長で処理排出される肥料を受ける受け傾斜板を有しており、 該受け傾斜板の少なくとも排出口側を2分割すると共に狭小出口とし、受け傾斜板から排出施肥される量を2分割可能としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の施肥装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、サトウキビやたばこ、野菜等のような、圃場に植えた農作物の根や畝、溝又は農作物を栽培する前の圃場に連続的かつ自動的に堆肥などの肥料を撒く施肥装置に関する。 【背景技術】 【0002】 本発明の発明者は、特願平9-31222(特許第3260648)として、図1〜図5のような施肥装置を提案した。図1はこの従来の施肥装置を耕運機に搭載した状態の側面図であり、1は耕運機のタイヤ、2はロータ、3は尾輪、4はエンジン、5はエンジン側のプーリ、6は本発明による施肥装置、7は施肥装置側のプーリ、8は該プーリと前記エンジン側のプーリ5とを連結するベルト、9は運転ハンドル、10は開閉弁の遠隔操作レバーをそれぞれ示す。 【0003】 この施肥装置は、箱状の容器Bの底板の下に設けた円弧状の凹室12の中で、放射状羽根を回転させることによって、容器B中の肥料を強制的に砕きながら、ガイド管15中に押し込み、作物の根元に導いて施肥する構造になっている。図2は図1の装置におけるA−A位置における拡大断面図であり、図3は図2におけるB−B方向の縦断面図、図4は図2におけるC−C方向の水平断面図である。四角形の容器Bの内部において、その底板11寄りの位置に、水平の回転軸14を配置し、左右の側壁を貫通させ、一端にプーリ7を固定してある。 【0004】 該回転軸14には、左右L、Rの2個所において、放射方向の羽根13を複数枚取り付けてある。図3においては、3枚羽根になっているが、羽根の枚数は限定されない。各羽根13は、回転軸14に直接溶接などで放射状に固定してもよいが、図3のように予め円筒Cの外周に放射状に固定し、該円筒C中に回転軸14を挿通し、側方からボルトなどで固定してもよい。 【0005】 容器Bの底板11には、図4に示すように四角い窓孔状の開口11hを開け、その下側に円弧状の凹室12を一体的に設けてある。そして、この円弧状凹室12の中に放射状羽根13が入っている。放射状羽根13は、その外周の外径がD1、幅がW1とすると、幅W1よりも外径D1が大きい。また、該放射状羽根13を収納する円弧状凹室12の幅W2は、放射状羽根13の幅W1よりわずかに大きく、長さD2は放射状羽根13の外径D1よりわずかに大きい。したがって、円弧状凹室12中で放射状羽根13が回転したとき、放射状羽根13の先端の回転軌跡と円弧状凹室12の内周壁との間には、わずかの隙間しかできない。 【0006】 そして、この円弧状凹室12の下部に、肥料などの排出用の孔12aを開けてある。この排出孔12aの下には、開閉弁16を連結し、この開閉弁16の下端にホース15を連結してある。左右のホース15・15の下端は、両側に生えている作物の根元に向けて、耕運機の一部に支持される。図1、図3のように、開閉弁16の操作レバー17は、容器Bを耕運機のフレームに取り付ける前足18側に引っ張りコイルスプリング19で引っ張られており、また操作レバー17と運転ハンドル9側の遠隔操作レバー10との間はワイヤー20で連結されている。 【0007】 遠隔操作ワイヤー20をフリーにし、弁操作レバー17を引っ張りコイルスプリング19で引っ張った状態が、開閉弁16の密閉状態となっている。したがって、耕運機を運転しながら、遠隔操作レバー10を操作してワイヤー20を引っ張ると、弁操作レバー17が回動して、開閉弁16が開く。このとき、弁操作レバー17の回動角が大きいほど、開閉弁16の開度が大きくなるので、弁操作レバー17を途中で停止させ、ロックすることで、施肥量を調節設定できる。なお、遠隔操作ワイヤー20がフリーの際に開閉弁16を全開状態とし、遠隔操作ワイヤー20を引っ張ると、開閉弁16が徐々に閉じるようにしてもよい。 【0008】 図5はこの施肥量調節機構の実施形態を示す分解斜視図であり、片方のみを図示してある。遠隔操作レバー10の根元に前記のワイヤー20を連結してあり、しかも六角ボルトの頭状の角柱体21を固定してある。一方、耕運機側、例えば運転ハンドル9側などに、前記の角柱体21が入る正六角形の凹孔22の開いた凹状体23が固定されている。 【0009】 この構造において、角柱体21の矢印21aで示す基準位置部が前記の凹孔22の「0」位置に合うように挿入した場合に、ワイヤー20が最も開放され、引っ張りコイルスプリング19のバネ力によって開閉弁16が全閉するように設定しておく。次に、角柱体21を凹孔22から離脱させて、遠隔操作レバー10を手前に引いて6分の1回転させ、基準位置部21aが「1」位置と合うように、凹孔22中に挿入すると、遠隔操作レバー10の回転量に応じてワイヤー20で弁操作レバー17が引っ張られて回転し、開閉弁16が開く。 【0010】 このようにして、遠隔操作レバー10をさらに引いて、基準位置部21aを凹孔22の「2」位置に合うように挿入すると、開閉弁16がさらに開いて施肥量が増え、「3」位置に合うように挿入すると、施肥量は最大となる。なお、逆に0を開閉弁16の全開状態とし、1、2、3と数値が増えると、開閉弁16が次第に閉じるようにしてもよい。角柱体21の中心に開けられた貫通孔に支持棒24を挿通し、この支持棒の一端を凹孔22の中心の孔に挿入し固定する構造なため、角柱体21はこの支持棒24に支持された状態で回転したり、凹孔22に出入りでき、安定した操作が可能となる。なお、図示例とは逆に、耕運機側に角柱体21を固定し、遠隔操作レバー10側に凹状体23を取り付けることもできる。 【0011】 図2における左右両側の弁操作レバー17、17と図5の1組の遠隔操作レバー10とをワイヤー20で連結すれば、両方の弁操作レバー17、17を一緒に開閉操作できる。これに対し、図5の施肥量調節機構を2組設けて、左右両側の弁操作レバー17、17ごとに独立して、施肥量調節機構の遠隔操作レバー10、10と連結すれば、左の弁操作レバー17と右の弁操作レバー17とを別々に開閉操作できる。 【0012】 この施肥装置は、耕運機のエンジンの回転力がプーリ7を介して回転軸14に伝わり、放射状羽根13が円弧状凹室12中で常時回転する。そのため、容器B中の堆肥などの有機肥料は、放射状羽根13によって円弧状凹室12中に押し込まれるが、このとき粉砕されていない固まり状の肥料は、容器底板11と円弧状凹室12との間のエッジ12eに挟まれて粉砕される。したがって、開閉弁16を閉じて、肥料が排出されない状態においても、エンジンが回転している限り、容器B中の肥料の粉砕が連続的に行なわれる。エンジンと施肥装置との間にクラッチを介在させた場合は、クラッチが接続状態の間は、連続的に肥料の粉砕が行なわれる。なお、クラッチを設けると、エンジンの手動による始動時に、施肥装置の負荷がかからないので、始動が楽になる。 【0013】 放射状羽根13が前記のエッジ12eを通過する際の粉砕や排出孔への押し込みを確実にするために、放射状羽根13の回転中心と前記エッジ12eとを、同じ程度の高さにするのがよいが、図示のように、前記エッジ12eを放射状羽根13の回転中心位置より低くして、円弧状凹室12を浅くしてもよい。円弧状凹室12の上側開口11hは、その縦横とも、放射状羽根13の外寸よりわずかに大きいため、放射状羽根13によって円弧状凹室12中に押し込まれた肥料は、円弧状凹室12から漏れ出すことなく、確実に排出孔12aに押し込まれる。したがって、細かい粉粒状の肥料や粉粒状の農薬などを散布する場合に特に有効である。排出孔12aを通過した肥料は、開閉弁16によって施肥量が制御された後、ホース15によって、作物の根元など、目的の施肥位置に案内移送され、施肥される。 【0014】 図3に示されているように、容器B中の肥料が、円弧状凹室12中に移動し易くするために、底板11を回転軸14側が低くなるように、逆ハの字状に傾斜させてある。12tは、傾斜底の頂端である。また、図2に鎖線で示すように、左右の放射状羽根13・13側が低くなるような、山状の傾斜底にすると、更に効果的である。容器Bの中に肥料を入れた後、その上から中蓋25を載せて、肥料に荷重をかけると、粉砕および排出がより円滑に行なわれる。なお、26は外蓋である。 【特許文献1】特許第3260648 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0015】 しかしながら、このような構造では、排出孔12aやガイド管15によって施肥量が制限されてしまう。或いは、左右の羽根車13、13による処理能力以上の施肥量を供給することができない。本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、箱状容器B内の全長をフルに利用して、羽根車による処理能力の向上を図り、一度に大量に施肥可能としたり、大施肥量から小施肥量まで、或いは1以上のライン状施肥や全面施肥を選択可能とすることにある。 【課題を解決するための手段】 【0016】 本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1は、肥料を入れる容器の底側に水平の回転軸を配置し、該回転軸で放射方向又は半径方向の羽根を回転させる羽根車を有していること、 該羽根の先端の回転軌跡に沿った円弧状の底部を有する円弧状凹室室を、前記容器の底壁に開けた四角開口の下に設けたこと、 前記羽根車は、左右両側の小羽根車と、両小羽根車の間に設けた長羽根車からなり、左右の小羽根車が駆動源と連結されている場合に、長羽根車は、駆動源と分離して、空転可能としたことを特徴とする施肥装置である。前記羽根は、必ずしも板状である必要はなく、棒状体でもよい。 【0017】 このように、容器中の羽根車が、左右両側の小羽根車と両小羽根車の間に設けた長羽根車からなり、計3組の羽根車を有している。そして、左右両側の小羽根車が駆動源と連結されている場合に、長羽根車は駆動源と分離して、空転可能としてある。そのため、長羽根車が空転状態にすると、左右の小羽根車の回転だけで、肥料の粉砕・排出の処理が行われる。この場合の肥料処理能力は最小である。長羽根車も駆動源と連結して、長羽根車も回転可能にした場合の肥料処理能力は最大となる。 【0018】 請求項2は、左右両側の小羽根車側が下り勾配となる山形傾斜板を前記容器の底板上に設置して、長羽根車をカバー可能としたことを特徴とする請求項1に記載の施肥装置である。したがって、長羽根車の空転時に、このように左右の小羽根車側が下り勾配となる山形傾斜板を前記容器の底板上に設置して、長羽根車をカバーすると、容器中の肥料が残り少なくなった場合は、総て勾配の低い左右の小羽根車側に滑り落ちるので、容器内の肥料を全部無駄なく処理し排出できる。 【0019】 請求項3は、前記の長羽根車も駆動源と連結された状態において、全羽根車の全長で処理排出される肥料を受ける受け傾斜板を有しており、 該受け傾斜板の排出口を単一にすると共に、ライン状に施肥できるような狭小出口又は円弧状凹室の底の落下排出スリットの全長と同等の全長出口としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の施肥装置である。このように、前記の長羽根車も駆動源と連結された最大処理能力の状態において、全羽根車の全長で排出される肥料を全部受ける受け傾斜板を有しているので、総ての羽根車で粉砕処理し排出した肥料を全部受けることができる。そして、この受け傾斜板の排出口を単一にしてあるので、全羽根車から受けた総ての肥料を単一の排出口から圃場に供給し施肥できる。この場合が、最大施肥量となる。また、図9(1)のように単一の排出口が狭小出口の場合は、全部寄せ集めてライン状に施肥できる。この狭小出口は施肥位置に応じて配置でき、図9(1)のように中央に配置してもよいし、左寄り又は右寄りに配置してもよい。これに対し、図9(3)のように、円弧状凹室の底の落下排出スリットの全長と同等の全長出口の場合は、落下排出スリットの全長から均一に分散状態に施肥されることとなり、全面施肥が可能となる。 【0020】 請求項4は、前記の長羽根車も駆動源と連結された状態において、全羽根車の全長で処理排出される肥料を受ける受け傾斜板を有しており、 該受け傾斜板の少なくとも排出口側を2分割すると共に狭小開口とし、受け傾斜板から排出施肥される量を2分割可能としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の施肥装置である。このように、前記受け傾斜板の少なくとも排出口側を2分割すると共に狭小開口にしてあるので、受け傾斜板中の肥料が左右2本のライン状に施肥される。その結果、それぞれの排出口から排出される量を半減可能となり、また排出口を左右2か所に設けるので、最大処理能力の半分の量ずつ左右に分割して、同時に2本のライン状の施肥が可能となる。 【発明の効果】 【0021】 請求項1のように、容器中の羽根車が、左右両側の小羽根車と両小羽根車の間に設けた長羽根車からなり、計3組の羽根車を有していて、左右両側の小羽根車が駆動源と連結されている場合に、長羽根車は駆動源と分離して、空転可能としてある。そのため、長羽根車が空転状態にすると、左右の小羽根車の回転だけで、肥料の粉砕・排出の処理が行われる。この場合の肥料処理能力は最小である。 【0022】 請求項2のように、長羽根車の空転時に、左右の小羽根車側が下り勾配となる山形傾斜板を前記容器の底板上に設置して、長羽根車をカバーすると、容器中の肥料が残り少なくなった場合は、総て勾配の低い左右の小羽根車側に滑り落ちるので、容器内の肥料を全部無駄なく処理し排出できる。 【0023】 請求項3のように、受け傾斜板の単一の排出口が狭小開口の場合は、全部寄せ集めてライン状に施肥できる。これに対し、円弧状凹室の底の落下排出スリットの全長と同等の全長開口の場合は、落下排出スリットの全長から圃場上に肥料を落下させて、均一に分散状態に散布した場合と同様な状態となり、全面施肥が可能となる。 【0024】 請求項4のように、前記受け傾斜板の少なくとも排出口側を2分割すると共に狭小開口にしてあるので、受け傾斜板中の肥料が左右2本のライン状に施肥される。その結果、それぞれの排出口から排出される量を半減可能となり、また排出口を左右2か所に設けるので、最大処理能力の半分の量ずつ左右に分割して、同時に2本のライン状の施肥が可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0025】 次に本発明による施肥装置が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。本発明の施肥装置は、図1の施肥装置6のように耕運機の上に搭載するのでなく、鎖線で示すように耕運機の前方に搭載する。耕運機の左右の車輪の間にも施肥可能とするためである。トラクターなどの自走機の後部に搭載することも可能で、搭載形態は任意である。図6は本発明による施肥装置の縦断面図で、図2に対応する位置を示している。本発明の場合も、図2の左右の羽根車13・13に対応する小羽根車13a、13bを有しているが、両小羽根車13aと13bの間に、羽根の長い又は多い長羽根車13cを有している。左右の小羽根車13a、13bは、回転軸14に常時連結されていて、常に回転軸14によって回転駆動されるが、長羽根車13cは、回転軸14に対し連結したり、離脱したりでき、選択的に回転駆動される。 【0026】 まず、図6から図8において、長羽根車13cが小羽根車13a、13bと共に回転駆動される場合を説明する。図7は、この長羽根車13cつき施肥装置の水平断面図で、図4に対応している。本発明の場合は、左右の小羽根車13a、13bと長羽根車13cの3組が全部入るように、全長がW3の長四角の上側開口11Hを開けてある。したがって、図8の円弧状の凹室12も、3組の羽根車13a、13b、13cを収容できるような全長W3のサイズにしてある。そして、全長W3の円弧状凹室12の底の全長W3に渡って、幅Xのスリット12Sを開けてある。したがって、このように長羽根車13cも回転駆動する場合は、図2のような左右のホース15・15は使用せず、スリット12Sの全長から、粉砕処理した肥料を落下させて、傾斜板27の上端で受ける。 【0027】 いま、回転軸14によって小羽根車13a、13bと長羽根車13cを一斉に回転させると、容器B中の肥料が小羽根車13a、13bと長羽根車13cの回転によって粉砕される。すなわち、各羽根車13a、13b、13cの羽根先端と円弧状凹室12の上側開口11Hのエッジ12e間に堆肥などが挟まれて粉砕される。こうして、上側開口11Hの全長W3を利用して大量に粉砕処理した後、円弧状凹室12の底に開けたスリット12Sの全長W3から粉末状の肥料が落下して、容器Bの下側の圃場全面に均一に分散施肥される。スリット12Sから落下した肥料が横風で飛ばされたりすることなく、土壌の上に円滑に落下し施肥されるように、幅がほぼW3の傾斜板27を用いるのがよい。この傾斜板27の左右両端には、鎖線位置まで立ち上がっているバリア壁b1、b2を設けて、外側に飛散消失しないようにする。この傾斜板27の平面図を図9に示す。 【0028】 長さW3の全長にわたった施肥するのでなく、全長W3のスリット12Sから落下排出した肥料を全部単一の狭い出口開口から排出することによって、溝中や畝上にライン状に施肥することもできる。あるいは、2分割して、左右2か所にライン状に施肥してもよい。図9(1)のように、長さW3のスリット12Sの下に配置した傾斜板27の左右のバリア壁b1、b2をV字状に配置して、幅W4の狭い排出口27Oから排出されるようにすると、スリット12Sの全長W3から落下した肥料を全部1か所に集めてライン状に施肥できる。このときが最大の肥料濃度となる。 【0029】 図9(2)のように、長さW3のスリット12Sの下に配置した傾斜板において、スリット12Sより排出口寄りの位置に、V字状の傾斜板を27a、27bのように2組設けてW字状の傾斜板にすると、スリット12Sから落下した肥料を2分割して施肥できる。V字状傾斜板27a、27bのそれぞれのバリア壁b1、b2の配置によって、施肥位置は自由に設定できる。すなわち、実線のように、左右のバリア壁b1、b2を左右対称位置に設けてV字状にしてもよいし、鎖線のように、左右のバリア壁b1、b2を外側に寄せることもできる。この場合は、狭小の排出口27aO、27bOの間隔が拡がるので、ライン状の施肥位置の間隔を拡げることができる。また、スリット12Sから落下した肥料が半分ずつ排出口27aO、27bOからライン状に施肥されるので、各ライン毎の肥料濃度も2分の1となる。 【0030】 図9(3)は、施肥装置の下の土壌上に全面均一に施肥する場合で、スリット12Sの全長W3から落下した肥料をそのまま分散状態に施肥する。傾斜板27の傾斜途中に、一定間隔で仕切り板P…を立てておくと、肥料が傾斜板27上を落下する途中で風などで片寄るのを防止でき、下端の排出口27Oから均一に肥料を落下させることができる。この排出口27OはV字状に絞ってないので、開口幅は、スリット12Sの全長W3とほぼ同じ寸法である。この実施形態における肥料濃度が最も低い。なお、この場合の肥料は、ライン状とはならず、土壌全面に分散される。 【0031】 図9のようにスリット12Sの全長から肥料を排出する場合は、すべての羽根車すなわち小羽根車13a、13bと長羽根車13cを全部回転駆動するので、これらすべての羽根車が駆動源に接続されている。これに対し、左右の小羽根車13a、13bだけを使用する場合は、長羽根車13cは駆動源から切り離されている。このように、長羽根車13cを駆動源に対し断続するには、クラッチ機構を介在させるなど、種々の手法が可能であるが、図示実施形態では同軸構造を採っている。 【0032】 図8からも明らかなように、例えば3枚の羽根13…は円筒Cの外周に放射状に固定してあり、該円筒C中に回転軸14を挿通し、側方からボルトb…などで固定してある。あるいは、ピンを圧入してもよい。図10は長羽根車13cの他の実施形態を示す側面図とC−C断面図で、長羽根車13cにおける各小羽根13…は全部、1本の長い円筒Cの外周に取付け固定してある。各羽根13…は、図6、図7のような長羽根と異なり、多数の小羽根車を一体に連結した構造になっている。しかも、それぞれの羽根13…を例えば30度おきに円周方向に角度を次第にずらすことによって、螺旋状に配列してある。 【0033】 その結果、図6、図7のような長い羽根13Lで一斉に堆肥などを粉砕する場合と違って、多数の小羽根13…で30度おきに軸心方向に断続的に破砕位置が移動するので、破砕する際の駆動源の負荷が軽減されると共に、破砕がより円滑に行われる。図示例では、隣接する羽根13…は、軸芯方向に間隔Dを置いてあるが、もっと接近させたり、隙間が発生しない程度に密接させることもできる。各羽根13…自体の幅も任意である。また、板状でなく、棒状の羽根でもよい。図示例は、放射方向に3枚の羽根を有しているが、半径方向に1本の羽根を有している構造も可能である。回転速度を3倍にすれば、同じ機能となるからである。 【0034】 あるいは、隣接する羽根13・13間の鎖線位置で円筒Cをカットして、多数の小羽根車に分割することも可能である。この場合は、小羽根車13aや13bを多数用意しておいて、それぞれの羽根13…の角度を例えば30度おきにずらした状態で、ボルトb…で回転軸14に固定した場合と同様な構造となる。各羽根車ごとにボルトb…で回転軸14に固定するのが面倒な場合は、各羽根車の円筒部C同士を連結しておけば、回転軸14に固定するボルトbは1本で足りる。 【0035】 次に、長羽根車13cを使用しない場合は、長羽根車13cが回転しないように、長羽根車13cの組のみ、ボルトb…を外して回転軸14から分離すれば、長羽根車13cは空転するので、左右の小羽根車13a、13bだけを駆動可能となる。その結果、小羽根車13a、13bのそれぞれで処理できる少量の肥料が左右から排出、施肥される。この場合は、図2のように左右のガイド管15・15を使用できるが、前記スリット12Sの両端に漏斗状のホッパーを設けて、ガイド管15・15に導くこともできる。或いは、雨樋状のガイド手段の上端を前記スリット12Sの両端の下に配置してもよい。 【0036】 このように、長羽根車13cを使用しないで、左右の小羽根車13a、13bだけで施肥する場合は、図6に示すような山形傾斜板28を容器B内に装着して、長羽根車13cの上に被せるのがよい。この山形傾斜板28は、左右の小羽根車13a、13b側が下り勾配となる形状をしているため、容器B中の肥料が残り少なくなった場合は、山形傾斜板28の傾斜の下側に滑降して来て、左右の小羽根車13a、13bで破砕排出されるので、容器B内の肥料を残らず全部使用できる。したがって、山形傾斜板28は着脱式にして、長羽根車13cを使用する際は取り外すのがよい。 【0037】 図示実施形態では円弧状凹室12は浅く、回転軸14の位置よりも下側にエッジ12eが位置しているが、円弧状凹室12の上側開口11Hのエッジ12eと回転軸14との相対高さは任意であり、回転軸中心よりもエッジeが高くても、同等でもよい。 【産業上の利用可能性】 【0038】 以上のように、左右の小羽根車と中間位置の長羽根車からなり、左右の小羽根車は常時駆動源と連結されているが、長羽根車は駆動源と分離して空転可能としたため、肥料容器内の全長をフルに利用して、羽根車による処理能力を向上させると共に、一度に大量に施肥可能としたり、大施肥量から小施肥量まで、施肥能力を複数段階に選択でき、或いは1以上のライン状施肥や全面施肥を選択できるなど、多種多様な施肥が可能で、植物の種類や成長段階などに応じたいろいろな施肥形態を選択できる。 【図面の簡単な説明】 【0039】 【図1】図1〜図5は従来の施肥装置で、図1は耕運機に搭載した状態の側面図である。 【図2】図1の装置のA−A位置における拡大断面図である。 【図3】図2におけるB−B方向の縦断面図である。 【図4】図2におけるC−C方向の水平断面図である。 【図5】施肥量調節機構の実施形態を示す分解斜視図である。 【図6】本発明による施肥装置の縦断面図で、図2に対応している。 【図7】長羽根車つき施肥装置の水平断面図で、図4に対応している。 【図8】本発明の施肥装置における受け傾斜板の側面図である。 【図9】受け傾斜板の各種実施形態を示す平面図である。 【図10】長羽根車の他の実施形態(分割羽根式)を示す側面図とC−C断面図である。 【符号の説明】 【0040】 4 エンジン 6 本発明による施肥装置 10 開閉弁の遠隔操作レバー B 箱状の容器 11 底板 11h 窓孔状開口 11H 長四角の上側開口 12 円弧状の凹室 C 円筒 b ボルト 13 放射状羽根 13a、13b 小羽根車 13c 長羽根車 14 回転軸 15 ガイド管(ホース) 16 開閉弁 17 開閉弁の操作レバー 20 ワイヤー 21 角柱状体 22 凹孔 23 ロック筒 24 支持棒 27 傾斜板 28 山形傾斜板
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| 【出願人】 |
【識別番号】597007008 【氏名又は名称】根間 一哲
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| 【出願日】 |
平成18年6月29日(2006.6.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076082 【弁理士】 【氏名又は名称】福島 康文
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| 【公開番号】 |
特開2008−5783(P2008−5783A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月17日(2008.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2006−180438(P2006−180438) |
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