トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業

【発明の名称】 真空播種機
【発明者】 【氏名】岡本 善嗣

【氏名】佐々木 明

【氏名】撰 繁典

【要約】 【課題】苗箱のサイズに応じて播種ロールの高さを簡単に調整することができるようにする。

【構成】本発明の真空播種機1は、ベルトコンベア2の上側に設置された機枠3に対し、軸が水平になるように回転自在に支持された播種ロール20を備え、播種ロール20の周面に設けられた吸引孔に種子を吸着させるとともに播種ロール20を回転駆動することにより種子を搬送し、ベルトコンベア2により搬送されてくる苗箱6に対して播種するように構成されている。そして、機枠3は、ベルトコンベア2に取り付けられたベース枠10と、平行リンク機構11によりベース枠10に対して平行運動をしながら昇降するように支持されるとともに播種ロール20を支持する昇降枠12と、昇降枠12を昇降駆動するための昇降駆動手段13と、播種ロール20の軸が水平になるように昇降枠12の傾きを微調整する傾き微調整手段14とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベア手段の上側に設置された機枠に対し、軸が水平になるように回転自在に支持された播種ロールを備え、該播種ロールの周面に設けられた吸引孔に種子を吸着させるとともに該播種ロールを回転駆動することにより種子を搬送し、前記コンベア手段により搬送されてくる苗箱に対して播種するように構成された真空播種機であって、
前記機枠は、前記コンベア手段に取り付けられたベース枠と、昇降機構により該ベース枠に対して平行運動をしながら昇降するように支持されるとともに前記播種ロールを支持する昇降枠と、該昇降枠を昇降駆動するための昇降駆動手段と、前記播種ロールの軸が水平になるように該昇降枠の傾きを微調整する傾き微調整手段とを備えた真空播種機。
【請求項2】
前記昇降機構は、前記ベース枠に対して前記昇降枠を昇降自在に支持する平行リンク機構である請求項1記載の真空播種機。
【請求項3】
前記昇降機構は、前記ベース枠に対して前記昇降枠を昇降自在に支持する昇降スライド機構である請求項1記載の真空播種機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、播種ロールに種子を吸着し苗箱上に種子を落下させて播種する真空播種機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の真空播種機としては、特許文献1記載のものを例示する。この真空播種機は、図7に示すように、一対の側板81,81の間にホッパー83と支持杆(図示略)が横設されて枠組され、前記側板間に播種ロール82が回転自在に横架され、一側の側板81に駆動部(図示略)が設けられ、前記側板の内側に駆動モーター84が固設され、該駆動モーター84を駆動させることにより播種ロール82が回転され、該播種ロール82の軸部の一端には吸引ホース(図示略)が接続されて、この吸引によりホッパー83内の種子が播種ロール82の吸引孔に吸着されて下方まで搬送されて落下され、ポット(図示略)上に播種されるようになっている。
【0003】
【特許文献1】実開平6−33408号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、植物の種類に応じて種子を播く苗箱のポットのサイズが異なるので、これに応じて苗箱のコンベアに対する播種ロール82の相対高さを調節する必要がある。従来は、コンベアに対する一対の側板81,81の高さをそれぞれ高さ調節ネジで調節するように構成されていることが多い。
【0005】
ところが、播種ロール82の前記相対高さを大きく変更する場合、一対の側板81,81それぞれに対して高さ調節ネジの螺合位置を大きく変更する必要がある。しかも、ホッパー83内の種子が少ない場合でも、播種ロール82の軸方向全長に渡って偏り無く種子が行き渡るようにするためには、播種ロール82の軸が水平になるように微調整する必要もある。このように、従来の真空播種機には、苗箱変更時の操作に手間がかかるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の真空播種機は、
コンベア手段の上側に設置された機枠に対し、軸が水平になるように回転自在に支持された播種ロールを備え、該播種ロールの周面に設けられた吸引孔に種子を吸着させるとともに該播種ロールを回転駆動することにより種子を搬送し、前記コンベア手段により搬送されてくる苗箱に対して播種するように構成された真空播種機であって、
前記機枠は、前記コンベア手段に取り付けられたベース枠と、昇降機構により該ベース枠に対して平行運動をしながら昇降するように支持されるとともに前記播種ロールを支持する昇降枠と、該昇降枠を昇降駆動するための昇降駆動手段と、前記播種ロールの軸が水平になるように該昇降枠の傾きを微調整する傾き微調整手段とを備えている。
【0007】
この構成によれば、前記機枠により前記播種ロールが前記コンベア手段に対して昇降するように支持されるとともに、前記昇降駆動手段により昇降駆動することができるので、前記播種ロールの高さを簡単に変更することができる。しかも、前記播種ロールは、平行運動をすることにより、一定の姿勢のままで昇降するように構成されているので、微調整手段による微調整の手間を大幅に省くことができる。
【0008】
前記昇降機構としては、特に限定されないが、次の態様を例示する。
(1)前記ベース枠に対して前記昇降枠を昇降自在に支持する平行リンク機構である態様。
(2)前記ベース枠に対して前記昇降枠を昇降自在に支持する昇降スライド機構である態様。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る真空播種機によれば、苗箱のサイズに応じて播種ロールの高さを簡単に調整することができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1〜図6は本発明を具体化した一実施形態の真空播種機1を示しており、本機は、コンベア手段としてのベルトコンベア2の上側に設置された機枠3に対し、軸が水平になるように回転自在に支持された播種ロール20を備え、該播種ロール20の周面に設けられた吸引孔21に種子Aを吸着させるとともに該播種ロール20を回転駆動することにより種子Aを搬送し、ベルトコンベア2により搬送されてくる苗箱6に対して播種するように制御装置5により制御されるようになっている。
【0011】
機枠3は、図1〜図3に示すように、ベルトコンベア2の機体に取り付けられたベース枠10と、昇降機構としての平行リンク機構11により該ベース枠10に対して平行運動をしながら昇降するように支持されるとともに播種ロール20を支持する昇降枠12と、該昇降枠12を昇降駆動するための昇降駆動手段13と、昇降枠12の傾きを微調整する傾き微調整手段14とを備えている。
【0012】
平行リンク機構11は、左右一対の上側リンク11aと、該上側リンク11aに平行な左右一対の下側リンク11bとにより、ベース枠10と昇降枠12の間を連結している。
【0013】
昇降駆動手段13は、ベース枠10に前後回動自在に取り付けられた雌ネジ部材16と、該雌ネジ部材16の雌ネジ穴16aに螺入されるとともに、下側リンク11b(又は上側リンク11a)におけるベース枠10から離れた部位に回転自在かつ前後回動自在に連結された雄ネジ軸17と、該雄ネジ軸17の上端に取り付けられた旋回ハンドル18とを備えている。そして、旋回ハンドル18を持って回すと、雌ネジ部材16に対して雄ネジ軸17がその軸長さ方向に相対移動することにより、昇降枠12が昇降駆動されるようになっている。図1は、昇降枠12が下降された状態を示し、図2は昇降枠12が上昇された状態を示している。
【0014】
微調整手段14は、本例では、ベース枠10における播種ロール20の両端側にそれぞれ立設されるとともに、昇降枠12の両側の突部30に設けられた貫通穴30aに挿通された雄ネジ軸31と、該雄ネジ軸31に螺合され、突部30をベース枠10側へ押さえるように締め付けられるナット32とからなっている。両ナット32の締付量を調整することにより、昇降枠12に支持された播種ロール20の軸が水平になるように微調整することができるようになっている。本例の突部30は、昇降枠12の上端側に設けられているので、その周囲のスペースが広く、操作がし易くなっている。
【0015】
昇降枠12には、図4に示すように、周面に吸引孔21が列設され昇降枠12に回転自在に横架された播種ロール20と、播種ロール20の周面に周面が当接し播種ロール20の回転に同期して回転するように設けられた攪拌ロール22と、播種ロール20を駆動ギア38を介して回転駆動する回転駆動手段(図示略)と、播種ロール20の周面に対してエアを吹き付け、該周面から余分な種子Aを取り除くための余分種子除去部23と、余分種子除去部23の略下方に設けられ、播種ロール20の周面から取り除かれた余分な種子Aを受ける余分種子受け24とが装備されている。そして、本例では、播種ロール20の周面と攪拌ロール22の周面との間に形成される断面略V字状の溝29に種子Aが供給されるようになっている。溝29の長さ方向における両端側はそれぞれ図示しないブラシによって種子Aが堰き止められており、播種ロール20及び攪拌ロール22の回転に伴って、該溝29内の種子Aが攪拌されるとともに播種ロール20の吸引孔21に種子Aが吸着されるようになっている。また、余分種子受け24に受けられた種子Aは、回収部25に回収されるようになっている。
【0016】
播種ロール20は、図4及び図5に示すように、周面における軸方向及周方向に間隔をおいて吸引孔21が略配列状に列設されており、軸が水平になるように昇降枠12に着脱可能に装着され、周面が攪拌ロール22の周面で押さえられることにより、昇降枠12に対する外れ止めがなされている。攪拌ロール22は、その軸両端側がレバー22aを介して昇降枠12に支持されることにより、播種ロール20から離間可能になっており、押さえ部材26により播種ロール側へ付勢されている。押さえ部材26は、その軸両端側がレバー26aを介して昇降枠12に支持されており、攪拌ロール22の軸長さ方向における複数箇所を押さえる可撓性の押さえロール26bを有しており、ロックレバー27により回動が阻止されるようになっている。このように、ロックレバー27を解除し、押さえ部材26及び攪拌ロール22を図4に二点鎖線で示すように回動させると、播種ロール20を取り外すことができるようになっており、播種ロール20を簡単に交換することができる。また、攪拌ロール22は、複数の押さえロール26bにより軸方向の複数箇所が確実に押さえられるようになっている。
【0017】
余分種子除去部23は、図4及び図5に示すように、播種ロール20の上方に、播種ロール20の軸と平行に延びるように昇降枠12に取り付けられたパイプ28を有し、該パイプ28の周面には、播種ロール20の軸方向における吸引孔21の配設位置に対応する位置と、該配設位置同士の中間に対応する位置とにエア噴出孔28aが設けられている。そして、パイプ28内に供給される圧縮エアをエア噴出孔28aから播種ロール20の周面に向けて噴出させることにより、播種ロール20の周面に付着した余分な種子Aを吹き飛ばし、播種ロール20の周面に余分な種子Aが付着して回ることを防止するようになっている。特に播種ロール20の回転が速い場合や、播種ロール20の軸方向における吸引孔21のピッチが広い場合に該中間に余分な種子Aが付着し易いが、本構成では、播種ロール20の吸引孔21の配設位置同士の中間にもエアを吹き付けるようにしているので、これらの場合にも対応することができる。
【0018】
余分種子受け24は、図4及び図6に示すように、播種ロール20の下方に、播種ロール20の軸と平行に延びるように昇降枠12に取り付けられた一対の横フレーム35に載置されている。一方の横フレーム35には、その表面にシリコン樹脂層35aを設けており、本例のシリコン樹脂層35aは、一方の横フレーム35に被せたシリコン樹脂チューブからなっている。これにより、余分種子受け24の位置を種子Aの大きさや播種ロール20の直径に応じて適宜調節可能にするとともに、位置決めしたところからずれないようにしている。また、一方の横フレーム35には、苗箱6の中心位置を合わせるための目印35bが設けられており、苗箱6を搬送する位置の調節が容易にできるようになっている。
【0019】
回収部25は、図4に示すように、余分種子受け24上の種子を吸引し、内蔵されたフィルタ25aで漉し取ることにより回収するようになっている。フィルタ25aは、回収部25のケース体からワンタッチで着脱可能に構成されており、フィルタ25aの掃除が容易にできるようになっている。
【0020】
制御装置5は、苗箱6の搬送方向前側における最初のポット7の前縁に対する最初の播種位置(最初のポット7の中心位置)であるスタート位置V1と、搬送方向におけるポット7同士のピッチである穴ピッチV2と、搬送方向における総ポット数である縦列穴総数V3とを設定する設定手段37を備え(図1参照)、該設定手段37に各数値を設定すれば、ベルトコンベア2の搬送速度と播種ロール20の回転速度を自動的に計算し、ベルトコンベア2及び播種ロール20を制御するようになっている。また、制御装置5は、播種ロール20の吸引孔21の位置と苗箱6のポット7の位置とを検出し、ポット7に対して播種するように構成されている。本例における播種ロール20の吸引孔21の位置検出手段は、播種ロール20を駆動する駆動ギア38の周方向に等間隔をおいて設けられた4つの被検知部39と、該被検知部39が近接している(吸引孔が所定位置にある)ことを検知する近接センサー40とを備えている。これにより、吸引孔21の位置を正確に検出し、ポット7に対して正確に播種することができるようにしている。なお、本例における苗箱6やポット7の位置検出手段については公知の構成を適宜採用できるので説明を省く。
【0021】
以上のように構成された本例の真空播種機1によれば、図1及び図2に示すように、機枠3により播種ロール20がベルトコンベア2に対して昇降するように支持されるとともに、昇降駆動手段13により昇降駆動することができるので、播種ロール20の高さを簡単に変更することができる。しかも、播種ロール20は、平行運動をすることにより、一定の姿勢のままで昇降するように構成されているので、微調整手段14による微調整の手間を大幅に省くことができる。
【0022】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)昇降機構として、平行リンク機構11に代えて昇降スライド機構(例えば、上下方向に延びるガイドレールと、該ガイドレールに沿って昇降スライドする昇降スライド体とからなる機構)を採用すること。
(2)昇降駆動手段13において、雄ネジ軸17を電動モータ等の駆動源で駆動するように構成すること。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明を具体化した一実施形態に係る真空播種機が高さの低い苗箱に対して播種している状態を示す側面図である。
【図2】同真空播種機が高さの高い苗箱に対して播種している状態を示す側面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】同真空播種機の要部を示す側断面図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】図4のVI−VI線断面図である。
【図7】従来の真空播種機を示す断面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 真空播種機
2 ベルトコンベア
3 機枠
5 制御装置
6 苗箱
7 ポット
10 ベース枠
11 平行リンク機構
11b 下側リンク
11a 上側リンク
12 昇降枠
13 昇降駆動手段
14 微調整手段
20 播種ロール
21 吸引孔
A 種子
【出願人】 【識別番号】000100469
【氏名又は名称】みのる産業株式会社
【出願日】 平成18年6月21日(2006.6.21)
【代理人】 【識別番号】100108958
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 英一


【公開番号】 特開2008−50(P2008−50A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−171714(P2006−171714)