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【発明の名称】 畦成形機
【発明者】 【氏名】加賀沢 豪紀

【氏名】横浜 雅透

【氏名】蛯沢 薫

【要約】 【課題】走行機の蛇行に対して畦成形作業部を直進させることが困難であった。

【解決手段】装着フレーム1と、支持フレーム2と、制御部8と、検知部7と、盛土部及び成畦部とを有する畦成形作業部5とを具備し走行機Tに装着され作業する畦成形機であり、走行機Tが畦Rに平行して走行しながら畦Rを成形する標準畦成形作業と、走行機Tが畦Rとの間隔を離隔走行しながら畦を成形する離隔畦成形作業と、走行機Tが畦Rとの間隔を狭めながら幅寄せ走行しながら畦を成形する幅寄せ畦成形作業とを行なうことができ、制御部8は、走行機Tが蛇行走行した場合であっても畦成形作業部5の姿勢を自動的に直線の畦を成形できる向きに制御可能な畦成形機による。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着フレームと、支持フレームと、制御部と、検知部と、盛土部及び成畦部とを有する畦成形作業部とを具備しトラクタ等の走行機に装着され作業する畦成形機であり、
走行機が畦に平行して走行しながら畦を成形する標準畦成形作業と、走行機が畦との間隔を離隔走行しながら畦を成形する離隔畦成形作業と、走行機が畦との間隔を狭めながら幅寄せ走行しながら畦を成形する幅寄せ畦成形作業とを行なうことができるとともに、
制御部は、走行機が蛇行走行した場合であっても畦成形作業部の姿勢を自動的に直線の畦を成形できる向きに制御可能なことを特徴とする畦成形機。
【請求項2】
装着フレームと、支持フレームと、制御部と、検知部と、盛土部及び成畦部とを有する畦成形作業部とを具備し、
支持フレームは、装着フレームから斜め後方へ固定されて延設されており、
畦成形作業部は、支持フレームに移動可能に設けられ、装着フレームとの距離を伸縮させる水平移動手段によって、支持フレームに沿って装着フレームに対して遠近移動可能であり、かつ遠近移動可能である1つの水平回動軸を中心に水平回動手段又はフリー回動によって水平方向に回動可能であり、
水平移動手段及び水平回動手段は、その作動を制御部によって制御されるとともに検知部によって検知され、
制御部は、水平移動手段の移動量と走行機の旋回角度のそれぞれを検知するそれぞれの検知部から受信する信号に基づいて、水平移動手段の伸縮と水平回動手段の固定又はフリー回動を行なう信号をそれぞれの手段に送信して畦成形作業部の姿勢制御を行なうことのできるトラクタ等の走行機に装着され作業する畦成形機であり、
走行機が畦に平行して走行しながら畦を成形する標準畦成形作業と、走行機が畦との間隔を離隔走行しながら畦を成形する離隔畦成形作業と、走行機が畦との間隔を狭めながら幅寄せ走行しながら畦を成形する幅寄せ畦成形作業とを行なうことができるとともに、
制御部は、走行機が蛇行走行した場合であっても畦成形作業部の姿勢を自動的に直線の畦を成形できる向きに制御可能なことを特徴とする畦成形機。
【請求項3】
制御部が、畦成形機の走行機の運転席より遠隔操作可能であり、走行機が畦と平行に走行しながら畦成形する場合の標準作業モードと、畦成形作走行機が畦から離れる方向に走行する場合の離隔作業モードと、走行機が畦との間隔を狭める方向に走行しながら畦成形する幅寄せ作業モードとを有し、走行機の旋回角度変化に自動的に対応する制御部であり、
制御部は離隔作業モードにおいて、水平回動手段がフリー回動の状態で、水平移動手段の短縮とフリー、伸長とフリーのいずれかを交互に数回繰り返す指示信号を水平移動手段に送信し、
幅寄せ作業モードにおいて、水平回動手段がフリー回動の状態で、水平移動手段の伸長とフリー、短縮とフリーとをそれぞれ交互に数回繰り返す指示信号を水平移動手段に送信し、
畦成形作業部が標準作業モードの位置に移動したのを検知すると、標準作業モードを選択する請求項1又は請求項2に記載の畦成形機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、トラクタ等の走行機に連結されて牽引され水田等の畦成形作業を行う畦成形作業方法及びその作業に使用する畦成形機に関する。詳細には水田の圃場直線部の畦を成形しながら畦成形作業部を側方に位置させて行なう畦成形作業において、走行機が、圃場の軟弱性等のため蛇行して畦と平行な直進走行を行なうことが困難な場合でも、直線状の畦を成形できる畦成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
水田等の圃場の畦成形作業において、トラクタ等の走行機に連結されて、走行機の進行方向に沿って進行し畦成形作業を行う畦成形機は、様々な形態が知られている。従来技術としては、走行機の進行方向に対して水平方向に180°回転する畦成形機や、畦成形機が走行機の進行方向に対して側方にオフセットした位置で作業する畦成形機などが公知である。
【0003】
特開昭53−27504号公報(従来技術1)には、「進行方向に対して横方向に出入可能に畦成形装置を設けると共に位置検出装置のセンサーは畦に摺接するように形成し、センサーの移動に伴い位置検出装置が、畦成形装置を出入制御できるように構成した畦成形機」が開示されている。
【0004】
また、作業機が走行機の進行方向に対して側方にオフセットした位置で作業する作業機としては、以下のような公知例がある。特開2004−254522号公報(従来技術2)には、「オフセット作業方法」として、「走行機体にオフセット作業が行えるように装着された作業機による作業方法であって、作業機は水平面内での回動及び移動の自由度を有し、作業機自体の直進性を維持しながら、走行機体が圃場を走行しつつ作業を行う作業部分から走行機体が旋回する圃場隅部分までの仕上げ作業が行う。作業機は、走行機体から見て少なくとも2以上の水平回動、あるいは水平移動と水平回動の自由度を有し、直進性を制御し、前作業跡を基準に行う作業装置、作業機自身の回動変位量度を基準に行う作業装置などを備えている。」が開示されている。
【0005】
更に、特開2004−267012号公報(従来技術3)には、「オフセット作業機」として「作業部のオフセット位置を調整自在にしたオフセット位置調整機構と、作業部の作業方向を回動調整自在にした作業方向調整機構と、作業部と作業部によって作業がなされる基準作業線との位置関係を検出する検出部と、検出部からの検出信号に基づいてオフセット位置調整機構を動作させて作業部のオフセット位置を調整すると共に作業方向調整機構を動作させて作業部の作業方向を調整する制御手段とを備え、作業部の作業位置と作業方向を基準作業線に沿うように制御する」作業機が開示されている。
【0006】
また、特開2005−46040号公報(従来技術4)には、「圃場の隅まで連続的に畦塗り作業を行う畦塗り機及びその作業部位置調整方法」の開示がある。従来技術4の畦塗り機は、「作業部30を旧畦の一辺Faに沿うように設置可能な作業部位置調整装置61を有し、作業部位置調整装置61は、オフセットフレーム10の後端部に回動自在に設けられた作業部30が旧畦の設置位置に設置されたか否かを走行機体から目視確認可能な第1マーカ62と、作業部30の向きが一辺Faと略平行にあるか否かを走行機体から目視確認可能な第2マーカ64と、オフセットフレーム10を旋回動させる旋回シリンダ13及び作業部30を回動させる回動シリンダ57の動作を操作可能なアクチュエータ操作装置67を有している。そして走行機体80に搭乗した作業者Mは、第1マーカ62及び第2マーカ64を目視して作業部30が設置位置に設置され且つ作業部30の向きが一辺Faと平行になるようにアクチュエータ操作手段67を操作する。」との記載がある。
【特許文献1】特開昭53−27504号公報(従来技術1)
【特許文献2】特開2004−254522号公報(従来技術2)
【特許文献3】特開2004−267012号公報(従来技術3)
【特許文献4】特開2005−46040号公報(従来技術4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
畦成形作業は、一般的に旧年の畦と同じ場所で畦成形を行なうため、旧年の畦の崩れた部分や凹凸のある部分を修復して畦成形するのが目的である。そして、作業前の畦面は、雑草や雑草の株など凹凸が多数存在するとともに、崩れた場所も多くある。すなわち、本来断面が台形状であるべき畦は、畦成形作業までは、良くても断面が半円形か、カマボコ前状になっているのが現状である。そのため、従来技術1のように「位置検出装置のセンサーは畦に摺接するように形成し、センサーの移動に伴い位置検出装置が、畦成形装置を出入制御できるように構成」では、畦面にセンサーの摺接する部分の確保ができず実際的なセンサーの追従は困難である課題があった。
【0008】
更に、畦成形作業は、畦に平行して走行しながら畦成形作業を行なうが、雨の後や土質の影響で軟弱な圃場では、重い畦成形作業部を側方のオフセット位置させ走行機を走行させ、更に視認によって畦との平行を確認しながら走行機を操作するため、圃場での走行機の直進性を確保するのが非常に難しく、そのため畦を真っ直ぐに成形する作業が難しい課題があった。
【0009】
従来技術2乃至4に係る作業機は、畦等の被作業面に対して作業部のオフセット位置を調整したり、作業部の作業方向を調整したりする制御手段を有する技術であるが、走行機、あるいは機枠(装着フレーム)と作業部との間の距離は一定しており、作業部を機枠に対して水平方向に回動させることにより、被作業面と作業部の間隔を調整する装置又は方法である。しかしながら従来技術2乃至5には、圃場の軟弱性などの理由によって起こり易い走行機の蛇行走行に対して、畦成形機の直進性を確保する部材や装置の開示がなく、蛇行する走行機に対して畦成形機の直進の安定性がないという課題があった。
【0010】
また、従来技術2乃至4に係る作業機では、走行機が畦から離隔する方向に蛇行した場合、畦成形作業部の畦方向への圧力は、非常に小さくなり、そのため畦方向への成形圧力が減少するため、圃場の土質などの影響を受けやすく堅固な畦を成形できない課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、装着フレームと、支持フレームと、制御部と、検知部と、盛土部及び成畦部とを有する畦成形作業部とを具備しトラクタ等の走行機に装着され作業する畦成形機を使用して畦を成形する畦成形機であり、
走行機が畦に平行して走行しながら畦を成形する標準畦成形作業と、走行機が畦との間隔を離隔走行しながら畦を成形する離隔畦成形作業と、走行機が畦との間隔を狭めながら幅寄せ走行しながら畦を成形する幅寄せ畦成形作業とを行なうことができるとともに、
制御部は、走行機が蛇行走行した場合であっても畦成形作業部の姿勢を自動的に直線の畦を成形できる向きに制御可能なことを特徴とする畦成形機を提案する。
【0012】
また、装着フレームと、支持フレームと、制御部と、検知部と、盛土部及び成畦部とを有する畦成形作業部とを具備し、
支持フレームは、装着フレームから斜め後方へ固定されて延設されており、
畦成形作業部は、支持フレームに移動可能に設けられ、装着フレームとの距離を伸縮させる水平移動手段によって、支持フレームに沿って装着フレームに対して遠近移動可能であり、かつ遠近移動可能である1つの水平回動軸を中心に水平回動手段又はフリー回動によって水平方向に回動可能であり、
水平移動手段及び水平回動手段は、その作動を制御部によって制御されるとともに検知部によって検知され、
制御部は、水平移動手段の移動量と走行機の旋回角度のそれぞれを検知するそれぞれの検知部から受信する信号に基づいて、水平移動手段の伸縮と水平回動手段の固定又はフリー回動を行なう信号をそれぞれの手段に送信して畦成形作業部の姿勢制御を行なうことのできるトラクタ等の走行機に装着され作業する畦成形機であり、
走行機が畦に平行して走行しながら畦を成形する標準畦成形作業と、走行機が畦との間隔を離隔走行しながら畦を成形する離隔畦成形作業と、走行機が畦との間隔を狭めながら幅寄せ走行しながら畦を成形する幅寄せ畦成形作業とを行なうことができるとともに、
制御部は、走行機が蛇行走行した場合であっても畦成形作業部の姿勢を自動的に直線の畦を成形できる向きに制御可能なことを特徴とする畦成形機を提案する。
【0013】
制御部が、畦成形機の走行機の運転席より遠隔操作可能であり、走行機が畦と平行に走行しながら畦成形する場合の標準作業モードと、畦成形作走行機が畦から離れる方向に走行する場合の離隔作業モードと、走行機が畦との間隔を狭める方向に走行しながら畦成形する幅寄せ作業モードとを有し、走行機の旋回角度変化に自動的に対応する制御部であり、
制御部は離隔作業モードにおいて、水平回動手段がフリー回動の状態で、水平移動手段の短縮とフリー、伸長とフリーのいずれかを交互に数回繰り返す指示信号を水平移動手段に送信し、
幅寄せ作業モードにおいて、水平回動手段がフリー回動の状態で、水平移動手段の伸長とフリー、短縮とフリーとをそれぞれ交互に数回繰り返す指示信号を水平移動手段に送信し、
畦成形作業部が標準作業モードの位置に移動したのを検知すると、標準作業モードを選択する0011欄又は0012欄に記載の畦成形機を提案する。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、圃場において畦の直線状成形を行なう場合、圃場の軟弱性や、重い畦成形作業部のため走行機が蛇行した場合であっても、走行機が畦に平行して走行しながら畦を成形する標準畦成形作業と、走行機が畦との間隔を離隔走行しながら畦を成形する離隔畦成形作業と、走行機が畦との間隔を狭めながら幅寄せ走行しながら畦を成形する幅寄せ畦成形作業とを制御部によって自動的に行なうことができ、畦成形作業部の姿勢を自動的に直線の畦を成形できる向きに制御可能であるため、走行機の蛇行にかかわらず、成形される畦の直進性を確保することができる。
【0015】
また、制御部が予め入力されたプログラムにより、水平移動手段の移動量と走行機の旋回角度から受信する信号に基づいて、水平移動手段の伸縮と水平回動手段の固定又はフリー回動を行なう信号をそれぞれの手段に送信して畦成形作業部の姿勢制御を自動的に行なうことができるため、走行機の蛇行にかかわらず、成形される畦の直進性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この発明の実施形態の畦成形機について、この発明の畦成形機の実施形態の平面説明図である図1及び図2、同じく正面図を示す図3、同じく側面図を示す図4、同じく畦成形作業部への動力伝達装置を示す一部切欠して内部を開示した平面部分断面である図5、同じく油圧ポンプと水平移動手段及び水平移動手段への油圧制御回路を示す油圧制御回路図である図6、この発明の畦成形機が圃場直線部から圃場角部に至り、更に曲がって直線畦を形成する作業説明平面図である図7、制御部と各部材の接続説明図である図8、同じく走行機が蛇行した場合の作業時のフローチャートである図9、同じく走行機を標準作業位置に復帰させる場合のフローチャートである図10に基づいて説明する。
【0017】
この発明の1つの実施形態である畦成形機は、トラクタ等の走行機Tに連結される装着フレーム1と、装着フレーム1から斜め後方へ角度を有して固定されて延設される支持フレーム2と、支持フレーム2に移動可能に設けられ、装着フレーム1との距離を伸縮させる水平移動手段4によって装着フレーム1に対して遠近移動可能な作業部移動部3と、作業部移動部3に設けられた水平回動軸54を中心に水平回動手段6によって水平方向に対して回動自在な畦成形作業部5と、水平移動手段4の直線移動変位を検知するストロークセンサー70と走行機Tの旋回角度(畦成形作業部5の回動変位)を検知する回動検知用ポテンショメーター71とを有する検知部7と、水平移動手段4の移動量と走行機Tの旋回角度を検知する検知部7から受信する信号に基づいて水平移動手段4の伸縮と水平回動手段5の固定又はフリー回動を行ない畦成形作業部の姿勢制御を行なう制御部8と、トラクタからの動力を伝達する動力伝達装置9とを有する。
【0018】
装着フレーム1は、トラクタTとの装着部であるロアピン10とトップブラケット11によってトラクタ後部の三点リンクヒッチに連結され、走行機によって牽引走行される場合走行方向に対して直角方向に設けられているフレーム枠12とからなる。装着フレーム1は、反トラクタ側に斜め後方へ角度を有して固定されて延設される支持フレーム2を設ける。
【0019】
支持フレーム2は、装着フレーム1のフレーム枠12の長手方向に対して約30〜50度角程度の角度を有して斜め後方に固定される。支持フレーム2は、この実施形態では装着フレーム1のフレーム枠12の長手方向に対して約45度角程度の角度を有し後方に向かって左側斜め後方に固定されて設けられ、略水平に平行な2本のフレームからなる。他の実施形態としては1本、又は3本以上のフレーム、あるいは板状体で形成してもよい。
【0020】
支持フレーム2には、作業部移動部3を支持フレーム2に沿って移動可能に設ける。作業部移動部3は、支持フレーム2に移動可能に設けた移動板状体30と移動板状体30から下方に設けられる移動垂直枠31とからなる。移動垂直枠31には後述する伝動移動枠93を連結して設けている。作業部移動部3は、支持フレーム2の側方に設けた水平移動手段4によって移動され装着フレーム1との距離を伸縮させる。作業部移動部3は、移動板状体30に畦成形作業部5の水平回動軸54を垂直方向へ設けている。畦成形作業部5の水平回動軸54に、検知部7の回動検知用ポテンショメーター71を設けており、走行機Tの旋回角度を検知する。
【0021】
水平移動手段は、この実施形態では油圧シリンダーからなる移動スライドシリンダー4からなる。移動スライドシリンダー4は、そのシリンダー本体40の後端部を装着フレーム1の左端部に固定して設け、シリンダーロッド41の前端部を作業部移動部3に固定して設けられており、装着フレーム1に取り付けられている油圧ポンプ15によって図6に示される移動用シリンダー切換えバルブ42、移動用シリンダーフリーロックバルブ43を介して作動される。水平移動手段は、他の実施形態では電動シリンダー、エアシリンダー等で構成されてもよく、伸縮移動可能な装置であればよい。作業部移動部3は、水平移動手段である移動スライドシリンダー4のシリンダーロッド41の伸長によって装着フレーム1から離れる方向に移動し、シリンダーロッド41の短縮によって装着フレーム1へ近づく方向へ移動される。
【0022】
70はストロークセンサー(直線変位センサー)であり、移動スライドシリンダー4の適宜位置に設けられている。
【0023】
畦成形作業部5は、作業部移動部3の下方に延設される水平回動軸54を中心に水平方向に水平回動手段又はフリー回動によって回動可能である。水平回動軸54には、検知部7の回動検知用ポテンショメーター71を設けており、水平回動軸54の角変位によって走行機Tの相対的角度を検知する。
【0024】
水平回動手段は、この実施形態では油圧シリンダーからなる回動シリンダー6からなる。回動シリンダー6は、そのシリンダー本体60の後端部を移動垂直枠31の水平回動軸54の近傍から延設されるシリンダーフレーム32に回動可能に設け、シリンダーロッド61の前端部を畦成形作業部5の作業部フレーム53に回動可能に連結しており、
装着フレーム1に取り付けられている油圧ポンプ15によって図6に示される回動用シリンダー切換えバルブ62、回動用シリンダーフリーロックバルブ63を介して作動される。水平回動手段は、電動シリンダー、エアシリンダー等で構成されてもよく、伸縮移動可能な装置であればよい。畦成形作業部5は、水平回動手段である回動シリンダー6のシリンダーロッド61の伸縮によって水平回動軸54を回動中心として回動する。
【0025】
図6の油圧制御回路に示されるように水平移動手段である移動スライドシリンダー4は、移動用シリンダー切換えバルブ42の切換によって伸縮又は固定し、移動用シリンダーフリーロックバルブ43の切換によって固定状態又はフリー状態となる。同様に水平回動手段である回動シリンダー6は、回動用シリンダー切換えバルブ62の切換によって伸縮又は固定して回動又は固定させ、回動用シリンダーフリーロックバルブ63の切換によって固定状態又はフリー状態となる。これらの切換は制御部8からの指示信号によって制御されている。なお図6において、符号150はリリーフバルブであり、一定圧力以上が係ると圧力を逃がし一定圧力以下とする逃し弁である。
【0026】
畦成形作業部5は、畦成形作業時に作業進行方向前方側に設けられる盛土部50と、盛土部50の後方向側に設けられる畦上面削土部51と、成畦部52とからなる。盛土部50は、掘削爪501を多数設けた盛土回転軸(盛土ロータリ)500を有する。盛土回転軸500は、成型畦と略直交する方向に設けられ、その回転はダウンカット方向(前進する方向)へ回転する。盛土回転軸500が、成型畦と略直交する方向に設けられているため、盛土回転軸が成形畦と平行方向に設けられた構成のものと比較して畦成形作業部5の直進性が良好である。畦上面削土部51は、中央回転軸510の軸周囲に設けた上面削土爪511とを有する。成畦部52は、畦斜面成形用の円錐面を有する畦成形体521と、畦成形回転軸520と、畦上面成形用の円筒面を有する上面ローラ522を有する。
【0027】
前部案内輪13は、回転可能な円板状面を少なくとも周辺部に有する薄い円板体であり、中央を前部案内輪支持フレーム131に設けた前部案内輪回転軸130を回転中心として回転可能に支持され、畦とは反対側の牽引機の走行する圃場側位置に設けられている。前部案内輪回転軸130は、作業時進行方向とは略直交する方向に設けられるとともに、盛土部50の盛土回転軸500の近傍に平行に設けられるが、畦成形時の反作用力に抗する方向に前後左右に若干の角度を持たせるように設けることもできる。前部案内輪13は、トラクタ等の走行機の操縦席からの遠隔操作により上下可動に設けることも可能である。
【0028】
後部案内輪14は、回転可能な円板状面を少なくとも周辺部に有する薄い円板体であり、中央を後部案内輪支持フレーム141に設けた後部案内輪回転軸140により回転可能に支持され、畦とは反対側の牽引機の走行する圃場側位置に設けられている。後部案内輪回転軸140は、作業時進行方向とは略直交する方向に設けられるとともに成畦部52の畦成形回転軸520の近傍に平行に設けられ、第2チェーンケース97に固定されている。142は、調整ハンドルである。調整ハンドル142を手動で回転させて、後部案内輪14の上下位置を変えることができ、この上下位置の調整により全体の水平姿勢も調節する。
【0029】
検知部7は、ストロークセンサー(直線変位センサー)70と、回動検知用ポテンショメーター71とからなる。ストロークセンサー70は、移動スライドシリンダー4の適宜位置に設けられ、移動スライドシリンダー4のシリンダーロッド41の伸縮を検知し、その検知信号を制御部8へ送信する。回動検知用ポテンショメーター71は、走行機Tの相対的な角度を検知して、その検知信号を制御部8へ送信する。
【0030】
制御部8は、図8に示す如く予備ターンスイッチ、旋回作業スイッチ、幅寄せ作業スイッチ、位置復帰スイッチ等を有する操作部と、ストロークセンサー(直線変位センサー)70と回動検知用ポテンショメーター71の各検知部7、水平回動手段6を構成する回動シリンダロックソレノイド、回動シリンダフリーソレノイド、回動シリンダ短縮ソレノイド、回動シリンダ伸長ソレノイド及び水平移動手段を構成するスライドシリンダロックソレノイド、スライドシリンダフリーソレノイド、スライドシリンダ短縮ソレノイド、スライドシリンダ伸長ソレノイド、及びタイマー、ブザーの各部材とそれぞれ接続している。
【0031】
畦成形作業部5への動力伝達装置9は、図5に示すようにトラクタ等からの回転を入力する入力軸90から第1ジョイント91によって装着フレーム1のフレーム枠12の長手方向に対して約45度角程度の角度を有し後方に向かって左側斜め後方に曲げられて設けられる伝動シャフト92に連結している。回転可能な伝動シャフト92は、この実施例では六角シャフトから成る。伝動シャフト92には、伝動シャフト92の長手方向に移動可能な伝動移動枠93を設けており、伝動移動枠93は移動垂直枠31に取り付けられており、移動スライドシリンダー4によって装着フレーム1に対して遠近移動する。
【0032】
伝動移動枠93の内部には、伝動シャフト92に沿って往復移動可能で、かつ回転を伝動可能な第1スプロケット930と、第1スプロケット930と第2スプロケット931とを連結し回転を伝動させる第1チェーン932と、第2スプロケット931の回転軸である移動回転軸94とを設けている。移動回転軸94は、角度の変更が可能な回動ジョイント95を介して畦成形作業部5の各回転軸である盛土部50の盛土回転軸(盛土ロータリ)500、畦上面削土部51の中央回転軸510及び成畦部52の畦成形回転軸520へ、それぞれ第1チェーンケース96、第2チェーンケース97内の各スプロケット及びチェーンを介して連結し、回転を伝動する。
【0033】
この発明の実施形態である移動スライドシリンダー4及び回動シリンダー6の作動は、油圧ポンプ15、油圧バルブ等を介して行なわれるが、この作動の制御は走行機Tの運転席から操作できる制御部(図示せず)によって遠隔操作する。制御部は、走行機Tが畦Rと平行に走行する場合の標準作業モードと、走行機Tが畦Rから離れる方向に走行する場合の離隔作業モードと、走行機Tが畦Rとの間隔を狭める方向に走行しながら畦成形する幅寄せ作業モードとを有している。
【0034】
畦成形作業部5への回転力の伝動は、図示されていないがトラクタ出力軸(PTO軸)から動力伝達装置9の入力軸90へ伝達され、第1ジョイント91を介して伝動シャフト92へ伝動され伝動シャフト92が回転する。伝動シャフト92には、伝動シャフト92の長手方向に移動可能な伝動移動枠93が設けられており移動スライドシリンダー4によって装着フレーム1に対して遠近移動する。
【0035】
伝動シャフト92の回転は、伝動移動枠93の内部に設けられている第1スプロケット930から第1チェーン932を介して第2スプロケット931を回転させる。第2スプロケット931の回転により、回転軸である移動回転軸94を回転させ、角度の変更が可能な回動ジョイント95を介して畦成形作業部5の各回転軸である盛土部50の盛土回転軸(盛土ロータリ)500、畦上面削土部51の中央回転軸510及び成畦部52の畦成形回転軸520を回転させる。
【0036】
盛土部50の盛土回転軸500を回転させて掘削爪501により土を掘り上げ、中央回転軸510の回転により上面削土爪511が回転させ畦上面の削土を行ない、同時に畦成形部52の畦成形回転軸520を回転させ畦成形体521及び上面ローラ522を回転させ畦の斜面及び上面を形成する。
【0037】
次にこの発明の実施形態である畦成形機が、直線状の畦を形成する畦成形作業について、平面説明図である図7と、同じく制御部と各部材の接続説明図である図8と、走行機が蛇行した場合の作業時のフローチャートである図9、同じく走行機を標準作業位置に復帰させる場合のフローチャートである図10に基づいて説明する。
【0038】
図7においてTは走行機(トラクタ等)、Rは畦部、1は装着フレーム、2は支持フレーム、5は畦成形作業部、54は畦成形作業部5の水平回動軸である。図7に示す実施例の蛇行走行は、走行機Tが一点鎖線で分けたA部では、平行に走行しているが、B部、C部では畦から離れる方向へ蛇行し、次ぎにD部、E部、F部では畦に近づく方向の走行となり、G部では標準畦成形作業に復帰して畦Rと平行な走行となる。図7に示す蛇行では、図9の左側のフローチャートとなる。逆に蛇行が最初に畦に接近する走行となり、その後畦から離れる走行という蛇行の場合は、図9の右側のフローチャートとなる。
【0039】
走行機Tに牽引される畦成形機は、走行機Tが畦Rと平行に走行し成形作業を行なう場合、支持フレーム2は常に走行方向に向かって斜め後方、この実施形態では右斜め後方に固定されて延設された状態にある。
【0040】
A部は、通常の直線状畦Rを成形する標準畦成形作業を示し、畦成形作業部5は、走行機Tの走行方向後方斜め右側へオフセットした状態で作業する。制御部8は、走行機が畦と平行に走行しながら畦成形する場合の標準作業状態である。この状態は、畦成形作業部5が移動スライドシリンダー4のシリンダーロッド41を比較的短縮させ、支持フレーム2の装着フレーム1に間隔をおいて近い位置に設け、畦成形作業部5を走行機T右側へオフセットした状態で回動シリンダー6を固定し水平回動軸54を基準位置に固定して畦成形作業を行なう。
【0041】
直進モードスイッチを入れて畦成形作業をする場合を説明すると、検知部7からの信号により制御部8は、それぞれの移動スライドシリンダー4及び回動シリンダー6の基準位置を確認する。同時に制御部8は、予め組み込まれた制御信号によって回動シリンダー6の圧力を抜き、シリンダー圧をフリーにして回動シリンダー6のシリンダーロッド61の動きをフリーにさせ、畦成形作業部5の水平回動をフリーの状態にする。
【0042】
制御部8は、回動検知ポテンショメータ71からの信号によって水平回動軸54が基準位置から回動角度が変化、増加又は減少したことを認識する。水平回動軸54が基準位置から回動角度が増加した場合、すなわち蛇行が畦より離れる方向への蛇行の場合図9において左側の方の流れに行き、水平回動軸54が基準位置から回動角度が減少した場合、すなわち蛇行が畦へ近づく方向への蛇行の場合図9において右側の方の流れに行く。
【0043】
B部の状態のように走行機Tの蛇行が畦より離れる方向への蛇行の場合、制御部8は、水平回動軸54が基準位置から回動角度が増加していることを認識し、移動スライドシリンダー4へ指示信号を送る。すると、移動スライドシリンダー4のシリンダーロッド41は、短縮とフリーとを交互に数回繰り返す。この実施例では各0.5秒ずつ繰り返す(C部)。
【0044】
走行機Tは、操縦者はハンドルを操作して離隔走行からハンドルを戻し畦に近くなる方向へハンドルを切る(D部、E部)と制御部8は幅寄せ作業モードとなる。この方向転換によって水平回動軸54が基準位置から回動角度が減少に転じると、制御部8が水平回動軸54の基準位置から回動角度の減少を認識し、逆に移動スライドシリンダー4のシリンダーロッド41の伸長とフリーとを交互に数回繰り返す。この実施例では各0.5秒ずつ繰り返す。この自動制御によって平回動軸54の回動角が基準位置となると、その信号を受信した制御部8は、移動スライドシリンダー4に停止の信号を送る。
【0045】
図示しないが走行機Tの蛇行が畦へ近づく方向への蛇行の場合、制御部8は、水平回動軸54が基準位置から回動角度が減少していることを認識し、移動スライドシリンダー4へ指示信号を送る。すると移動スライドシリンダー4のシリンダーロッド41は、伸長とフリーとを交互に数回繰り返す。この実施例では各0.5秒ずつ繰り返す。
【0046】
走行機Tは、操縦者の操作によって畦への近接走行からハンドルを操作し畦から離れる方向へハンドルを切る。この方向転換によって水平回動軸54が基準位置から回動角度が増加に転じると、制御部8が水平回動軸54の基準位置から回動角度の増加を認識し、逆に移動スライドシリンダー4のシリンダーロッド41は短縮とフリーとを交互に数回繰り返す。この実施例では各0.5秒ずつ繰り返す。この自動制御によって平回動軸54の回動角が基準位置となると、その信号を受信した制御部8は、移動スライドシリンダー4に停止の信号を送る。このような制御部8の自動制御によって畦成形作業部5は、走行機Tが畦と平行に走行しながら畦成形する場合の標準作業モード(G部)に戻る。
【0047】
直進モードで畦成形作業を行ない、一本の畦の成形作業後に畦成形作業部5が移動した状態で停止しても、図10に示すように標準位置復帰スイッチを操作することで自動的に畦成形作業部5が、元の標準作業位置に移動し復帰する。予め設定されているスライド基準位置と比較して、そのプラス、マイナスを検知して、プラスの場合は移動スライドシリンダー4のシリンダーロッド41を短縮してスライド基準位置まで戻して移動スライドシリンダー4を停止させる。又逆に移動スライドシリンダー4のシリンダーロッド41のスライド位置がスライド基準位置よりマイナスの場合は、移動スライドシリンダー4のシリンダーロッド41を伸長させてスライド基準位置まで戻して移動スライドシリンダー4を停止させる。
【0048】
移動スライドシリンダー4のシリンダーロッド41がスライド基準位置まで戻ると、制御部8は、予め設定されている回動角基準位置と比較し、そのプラス角位置、マイナス各位置を検知して、プラス各位置の場合は回動シリンダー6のシリンダーロッド61を短縮させ回動角基準角まで戻して回動シリンダー6を停止させる。又逆に回動シリンダー6のシリンダーロッド61の回動角位置が回動角基準位置よりマイナスの場合は、回動シリンダー6のシリンダーロッド61を伸長させて回動角基準位置まで戻して回動シリンダー6を停止させる。
【0049】
上述したように制御部8によって、走行機Tの旋回角度変化に自動的に対応し、走行機Tが蛇行しても畦成形作業部5は直進作業状態を維持することができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
この発明は、水田等の矩形の圃場等の場所において、その周囲に設ける畦成形作業を行う場合に利用できる。特に、水田等の畦の直線部分を蛇行せずに直線状に容易に成形でき、非常に容易かつ短時間に畦成形作業を完了できるため作業効率が高く利用可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】この発明の畦成形機の実施形態の平面説明図
【図2】図1と同じく平面説明図であり、移動スライドシリンダーのシリンダーロッドが図1より伸長した状態の平面説明図
【図3】同じく正面図
【図4】同じく側面図
【図5】同じく畦成形作業部への動力伝達装置を示す一部切欠して内部を開示した平面部分断面説明図
【図6】同じく油圧ポンプと水平移動手段及び水平移動手段への油圧制御回路を示す油圧制御回路図
【図7】この発明の実施形態である畦成形機が、圃場の畦直線部から圃場隅部に至り、更に曲がって直線畦を形成する作業説明平面図
【図8】同じく制御部と各部材の接続説明図
【図9】同じく走行機が蛇行した場合の作業時のフローチャート
【図10】同じく走行機を標準作業位置に復帰させる場合のフローチャート
【符号の説明】
【0052】
1 装着フレーム(機枠)
10 ロアピン
11 トップブラケット
12 フレーム枠
13 前部案内輪
130 前部案内輪回転軸
131 前部案内輪支持フレーム
14 後部案内輪
140 後部案内輪回軸
141 後部案内輪支持フレーム
142 調整ハンドル
15 油圧ポンプ
150 リリーフ弁
2 支持フレーム
3 作業部移動部
30 移動板状体
31 垂直移動枠
32 シリンダーフレーム
4 移動スライドシリンダー
40 シリンダー本体
41 シリンダーロッド
42 移動シリンダー用切換えバルブ
43 移動シリンダー用フリーロックバルブ
5 畦成形作業部
50 盛土部
500 盛土回転軸
501 掘削爪
51 上面削土部
510 中央回転軸
511 上面削土爪
52 成畦部
520 畦成形回転軸
521 畦成形円錐体
522 上面ローラ
53 作業部フレーム
54 水平回動軸
6 回動シリンダー
60 シリンダー本体
61 シリンダーロッド
62 回動シリンダー用切換えバルブ
63 回動シリンダー用フリーロックバルブ
7 検知部
70 ストロークセンサー
71 回動検知用ポテンショメーター
8 制御部
9 動力伝達装置
90 入力軸
91 第1ジョイント
92 伝動シャフト(六角シャフト)
93 伝動移動枠
930 第1スプロケット
931 第2スプロケット
932 第1チェーン
94 伝動軸
95 第2ジョイント
96 第1チェーンケース
97 第2チェーンケース
T 走行機(トラクタ)
R 圃場の直線状畦
【出願人】 【識別番号】000171746
【氏名又は名称】株式会社ササキコーポレーション
【出願日】 平成19年5月30日(2007.5.30)
【代理人】 【識別番号】100086184
【弁理士】
【氏名又は名称】安原 正義

【識別番号】100059591
【弁理士】
【氏名又は名称】安原 正之


【公開番号】 特開2008−295334(P2008−295334A)
【公開日】 平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願番号】 特願2007−143371(P2007−143371)