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【発明の名称】 ロータリ耕耘装置
【発明者】 【氏名】平田 光喜

【氏名】中島 健一郎

【氏名】藤田 和正

【要約】 【課題】ロータリ耕耘部による耕耘作業を行う際に、補助作業機等による補助作業をしない場合には、簡単な操作によって、動力取出軸に動力が伝達されるないようにして、動力の無駄を生じないようにすると共に、無用な補助作業機が駆動されて耕耘作業の邪魔になるのを防止できるようにする。

【解決手段】ギヤケースの後部に、ギヤケースから後方に突出する動力取出軸が回転自在に支持され、入力軸の動力を伝動軸を介してギヤケース下方のロータリ耕耘部に伝達すると共に、入力軸の動力で動力取出軸を回転駆動するようにしたロータリ耕耘装置において、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ギヤケース(3)の左右両側に、左右一対のサポートアーム(4)が設けられ、一方のサポートアーム(4)内に伝動軸(13)が設けられ、ギヤケース(3)の前部に、ギヤケース(3)から前方に突出する入力軸(12)が回転自在に支持され、ギヤケース(3)の後部に、ギヤケース(3)から後方に突出する動力取出軸(29)が回転自在に支持され、ギヤケース(3)内に、入力軸(12)の動力を伝動軸(13)と動力取出軸(29)とに伝達する伝動機構(30)が設けられ、入力軸(12)の動力を伝動軸(13)を介してギヤケース(3)下方のロータリ耕耘部(8)に伝達すると共に、入力軸(12)の動力で動力取出軸(29)を回転駆動するようにしたロータリ耕耘装置において、
前記ギヤケース(3)の後部に動力取出ケース(28)が設けられ、動力取出ケース(28)に動力取出軸(29)が回転自在に支持され、動力取出ケース(28)内に、入力軸(12)から動力取出軸(29)に伝達される動力を断続可能にするクラッチ(41,77)が設けられていることを特徴とする特徴とするロータリ耕耘装置。
【請求項2】
ギヤケース(3)内に、入力軸(12)から伝動軸(13)に伝達される動力を断続可能にする第2クラッチ(42)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のロータリ耕耘装置。
【請求項3】
前記ギヤケース(3)内の伝動機構(30)は、ギヤケース(3)に左右方向の軸心廻りに回転自在に支持された第1ベベルギヤ(31)と、動力取出ケース(28)に前後方向の軸心廻りに回転自在に支持された第2ベベルギヤ(32)とを備え、入力軸(12)の動力を伝動軸(13)に伝達するように、第1ベベルギヤ(31)は入力軸(12)に形成したベベルギヤ(26)に噛合されると共に伝動軸(13)に連動連結され、入力軸(12)の動力を動力取出軸(29)に伝達するように、第2ベベルギヤ(32)は第1ベベルギヤ(31)に噛合されると共に動力取出軸(29)に連動連結され、前記第2クラッチ(42)が第1ベベルギヤ(31)と伝動軸(13)との間に設けられ、前記クラッチ(41)が第2ベベルギヤ(32)と動力取出軸(29)との間に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のロータリ耕耘装置。
【請求項4】
前記入力軸(12)と前記動力取出軸(29)とが互いに離間して同一軸心上に配置され、前記ギヤケース(3)内の伝動機構(30)は、ギヤケース(3)に左右方向の軸心廻りに回転自在に支持されたベベルギヤ(71)と、ギヤケース(3)内に入力軸(12)と動力取出軸(29)との同一軸心上に配置された連結軸(72)とを備え、入力軸(12)の動力を伝動軸(13)に伝達するように、ベベルギヤ(71)は、入力軸(12)に形成したベベルギヤ(26)に噛合されると共に伝動軸(13)に連結され、入力軸(12)の動力を動力取出軸(29)に伝達するように、連結軸(72)は入力軸(12)と動力取出軸(29)とに連結され、前記クラッチ(77)が連結軸(72)と動力取出軸(29)との間に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のロータリ耕耘装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリ耕耘装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロータリ耕耘装置には、ギヤケースの左右両側に、左右一対のサポートアームが設けられ、一方のサポートアームの外端側に伝動ケースの上部が連結され、他方のサポートアームの外端側にサイドフレームの上部が連結され、一方のサポートアーム内に伝動軸が設けられ、伝動ケースとサイドフレームとの下部間に、ロータリ耕耘部を構成する爪軸が軸心廻りに回転自在に支持され、入力軸の動力をギヤケース内の伝動機構と伝動軸とを介してロータリ耕耘部に伝達して、爪軸を軸心廻りに回転させるようにしたものがある(例えば特許文献1〜4)。
【0003】
この種の従来のロータリ耕耘装置には、ギヤケースの前部に、ギヤケースから前方に突出する入力軸を回転自在に支持し、ギヤケースの後部に、ギヤケースから後方に突出する動力取出軸を回転自在に支持し、ギヤケース内に、入力軸の動力を伝動軸と動力取出軸とに伝達するベベルギヤ伝動機構を設け、入力軸の動力を伝動軸を介してギヤケース下方のロータリ耕耘部に伝達すると共に、入力軸の動力を動力取出軸に伝達するようにし、この動力取出軸を介して入力軸の動力を、補助作業機に伝達して、耕耘作業と共に、補助作業機による播種作業や施肥作業その他の補助作業をなし得るようにしたものがある(例えば特許文献1〜4)。
【特許文献1】実開昭57−192831号公報
【特許文献2】実開昭59−34157号公報
【特許文献3】実開昭60−49916号公報
【特許文献4】実公昭60−6161号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の場合、動力取出軸が、ギヤケース内のベベルギヤ伝動機構を介して入力軸に連動連結されると共に、ロータリ耕耘部に動力を伝達する伝動軸に連結されていたため、ロータリ耕耘部を駆動するための伝動軸が回転駆動される際には、動力取出軸が回転駆動されるため、常に入力軸からギヤケース内のベベルギヤ伝動機構を介して動力取出軸に動力が伝達されていた。従って、ロータリ耕耘部による耕耘作業を行う際には、補助作業機等による補助作業をしない場合にも動力取出軸から動力が取り出され、動力の無駄を生じるばかりでなく、無用な補助作業機が駆動されて耕耘作業の邪魔になることもあり、不便であった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑み、ロータリ耕耘部による耕耘作業を行う際に、補助作業をしない場合には、簡単な操作によって、動力取出軸に動力が伝達されるないようにして、動力の無駄を生じないようにすると共に、無用な補助作業機が駆動されて耕耘作業の邪魔になるのを防止できるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この技術的課題を解決する本発明の技術的手段は、ギヤケースの左右両側に、左右一対のサポートアームが設けられ、一方のサポートアーム内に伝動軸が設けられ、ギヤケースの前部に、ギヤケースから前方に突出する入力軸が回転自在に支持され、ギヤケースの後部に、ギヤケースから後方に突出する動力取出軸が回転自在に支持され、ギヤケース内に、入力軸の動力を伝動軸と動力取出軸とに伝達する伝動機構が設けられ、入力軸の動力を伝動軸を介してギヤケース下方のロータリ耕耘部に伝達すると共に、入力軸の動力で動力取出軸を回転駆動するようにしたロータリ耕耘装置において、
前記ギヤケースの後部に動力取出ケースが設けられ、動力取出ケースに動力取出軸が回転自在に支持され、動力取出ケース内に、入力軸から動力取出軸に伝達される動力を断続可能にするクラッチが設けられている点にある。
【0007】
また、本発明の他の技術的手段は、ギヤケース内に、入力軸から伝動軸に伝達される動力を断続可能にする第2クラッチが設けられている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記ギヤケース内の伝動機構は、ギヤケースに左右方向の軸心廻りに回転自在に支持された第1ベベルギヤと、動力取出ケースに前後方向の軸心廻りに回転自在に支持された第2ベベルギヤとを備え、入力軸の動力を伝動軸に伝達するように、第1ベベルギヤは入力軸に形成したベベルギヤに噛合されると共に伝動軸に連動連結され、入力軸の動力を動力取出軸に伝達するように、第2ベベルギヤは第1ベベルギヤに噛合されると共に動力取出軸に連動連結され、前記第2クラッチが第1ベベルギヤと伝動軸との間に設けられ、前記クラッチが第2ベベルギヤと動力取出軸との間に設けられている点にある。
【0008】
また、本発明の他の技術的手段は、前記入力軸と前記動力取出軸とが互いに離間して同一軸心上に配置され、前記ギヤケース内の伝動機構は、ギヤケースに左右方向の軸心廻りに回転自在に支持されたベベルギヤと、ギヤケース内に入力軸と動力取出軸との同一軸心上に配置された連結軸とを備え、入力軸の動力を伝動軸に伝達するように、ベベルギヤは、入力軸に形成したベベルギヤに噛合されると共に伝動軸に連結され、入力軸の動力を動力取出軸に伝達するように、連結軸は入力軸と動力取出軸とに連結され、前記クラッチが連結軸と動力取出軸との間に設けられている点にある。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ギヤケースの後部に動力取出ケースが設けられ、動力取出ケースに動力取出軸が回転自在に支持され、動力取出ケース内に、入力軸から動力取出軸に伝達される動力を断続可能にするクラッチが設けられているので、ロータリ耕耘部による耕耘作業を行う際に、補助作業機等による補助作業をしない場合には、クラッチによる簡単な切換操作によって、動力取出軸に動力が伝達されるないようにして、動力の無駄を生じないようにするなすことができると共に、無用な補助作業機が駆動されて耕耘作業の邪魔になるのを防止できるようになる。しかも、補助作業機等による補助作業をする必要がある場合には、クラッチによる簡単な接続操作によって、動力取出軸に動力が伝達されるようになして、ロータリ耕耘部による耕耘作業と同時に補助作業を行うことができ、便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図2及び図3において、1はロータリ耕耘装置であり、このロータリ耕耘装置1は、トラクタ等の車両の後部等に、三点リンク機構等を介して着脱自在に連結される機枠2を備えている。
この機枠2は、左右方向中央部のギヤケース3から左右両側にサポートアーム4を突設すると共に、左側のサポートアーム4の外端側に伝動ケース5の上部を連結し、且つ右側のサポートアーム4の外端側にサイドフレームの上部を連結して、背面視門型状に主構成されている。
【0011】
ギヤケース3の上部には、トップマスト7が固定され、このトップマスト7の前上部には、三点リンク機構のトップリンク等が連結される上連結部15が設けられ、左右のサポートアーム4には、それぞれブラケット16が固定され、この左右各ブラケット16には、三点リンク機構の左右ロワーリンク等が連結される下連結部17が設けられている。
前記機枠2の下部側には、ロータリ耕耘部8が設けられている。このロータリ耕耘部8は、伝動ケース5とサイドフレームとの下部間に、左右方向の軸心廻りに回転自在に支持された爪軸9と、この爪軸9に、左右方向に亘って取り付けられた多数の耕耘爪10とを備えている。
【0012】
機枠2のギヤケース3には、トラクタのPTO軸からユニバーサルジョイント等を介して動力を入力する入力軸12が設けられ、この入力軸12から入力された動力は、左側のサポートアーム4内の伝動軸13を介して伝動ケース5内のチェーン伝動機構に伝達されると共に、このチェーン伝動機構から爪軸9に伝達されて、該爪軸9が軸心回りに矢示A方向に回転駆動されるようになっている。
図1及び図2において、左側のサポートアーム4内に設けられた伝動軸13の右端側は、ギヤケース3の前後方向中央部に左右方向に挿入配置され、伝動軸13の右端部は、ギヤケース3の右側壁に形成した軸受凹部20に、ベアリング21を介して軸心廻りに回転自在に保持されている。
【0013】
ギヤケース3の前部に、円筒状の入力ケース23がボルト等の固定具により固定して設けられ、入力ケース23は、ギヤケース3の前壁から前方突出されている。入力軸12は、入力ケース23に挿通されてベアリング25を介して前後方向の軸心廻りに回転自在に支持され、入力軸12はギヤケース3の前壁及び入力ケース23から前方突出され、これによりギヤケース3の前部に、入力軸12がギヤケース3から前方に突出した状態で回転自在に支持されている。入力軸12の後端部にベベルギヤ26が形成されている。
ギヤケース3の後部に、円筒状の動力取出ケース28がボルト等の固定具により固定して設けられ、動力取出ケース28はギヤケース3の後壁から後方突出されている。動力取出ケース28に動力取出軸29が挿通されてベアリング27を介して前後方向の軸心廻りに回転自在に支持され、動力取出軸29は、ギヤケース3の後壁及び動力取出ケース28から後方に突出されている。これにより、ギヤケース3の後部に、動力取出軸29がギヤケース3から後方に突出した状態で回転自在に支持されている。
【0014】
ギヤケース3内に、入力軸12の動力を伝動軸13と動力取出軸29とに伝達する伝動機構30が設けられている。従って、入力軸12の動力を伝動軸13を介してギヤケース3下方のロータリ耕耘部8に伝達すると共に、入力軸12の動力で動力取出軸29を回転駆動するように構成されている。
ギヤケース3内の伝動機構30は、ギヤケース3に左右方向の軸心廻りに回転自在に支持された第1ベベルギヤ31と、動力取出ケース28に前後方向の軸心廻りに回転自在に支持された第2ベベルギヤ32とを備える。
【0015】
第1ベベルギヤ31はギヤケース3内の右側に配置され、ギヤケース3の右側壁に形成した軸受筒部34にベアリング35を介して軸心廻りに回転自在に保持されている。軸受筒部34は前記軸受凹部20と同一軸心状に形成され、第1ベベルギヤ31と前記伝動軸13は同一の左右方向の軸心廻りに回転自在に支持されていて、第1ベベルギヤ31の筒部が伝動軸13の右端部に間隔をおいて外嵌されている。
第1ベベルギヤ31は入力軸12のベベルギヤ26に噛合されると共に伝動軸13に後述する第2クラッチ42を介して連動連結され、入力軸12の動力を伝動軸13に伝達するように構成されている。
【0016】
第2ベベルギヤ32は動力取出ケース28に前方突出状に挿通されて、動力取出ケース28にベアリング38を介して前後方向の軸心廻りに回転自在に支持されている。第2ベベルギヤ32の後端部に前記動力取出軸29の前端部が軸心廻りに相対回転自在に挿通されている。第2ベベルギヤ32は第1ベベルギヤ31に噛合されると共に動力取出軸29に後述する第1クラッチ41を介して連動連結され、入力軸12の動力を動力取出軸29に伝達するように構成されている。
動力取出ケース28内に、入力軸12から動力取出軸29に伝達される動力を断続可能にする第1クラッチ41が設けられ、ギヤケース3内に、入力軸12から伝動軸13に伝達される動力を断続可能にする第2クラッチ42が設けられている。
【0017】
第1クラッチ41は、第2ベベルギヤ32と動力取出軸29との間に設けられ、動力取出軸29の前端部に前後摺動自在に外嵌されたスライド筒44を有し、スライド筒44の内周面に内スプライン45が形成され、スライド筒44の前端部にギヤ46が形成されている。また、動力取出軸29の前端部外周面に、スライド筒44の内スプライン45に対応するスプライン47が形成され、第2ベベルギヤ32の後端部にスライド筒44のギヤ46に対応するギヤ48が形成されており、スライド筒44を前方に移動することにより、スライド筒44がスプラインを介して動力取出軸29にスプライン嵌合した状態で、スライド筒44のギヤ46が第2ベベルギヤ32のギヤ48に噛合して、入力軸12から第1ベベルギヤ31及び第2ベベルギヤ32を介して動力取出軸29に動力が伝達される接続状態になり、スライド筒44を後方に移動することにより、スライド筒44のギヤ46が第2ベベルギヤ32のギヤ48から外れて、入力軸12から動力取出軸29に動力が伝達されなくなる切断状態になるように構成されている。
【0018】
スライド筒44を前後操作するための操作杆51が動力取出ケース28に設けられている。動力取出ケース28に挿通孔52が設けられ、操作杆51は動力取出ケース28に挿通孔52を介して内外貫通状に挿通され、操作杆51の内端部は係合部材53を介してスライド筒44の係合溝に係合されており、操作杆51の前後操作によりスライド筒44を前後にスライド移動できるようになっている。
操作杆51と動力取出ケース28との間に位置決め機構55が設けられている。位置決め機構55は、操作杆51に形成した2つの係合溝と係合溝に係脱自在に係合する球体とを有し、第1クラッチ41が接続状態になる接続位置と第1クラッチ41が切断状態になる切断位置とに操作杆51を位置決めするように構成されている。
【0019】
第2クラッチ42は、第1ベベルギヤ31と伝動軸13との間に設けられ、伝動軸13の右端部に摺動自在に外嵌されたスライド筒57を有している。スライド筒57は、伝動軸13の右端部に摺動自在に外嵌されると共に第1ベベルギヤ31に摺動自在に内嵌されている。スライド筒57の外周面に外スプライン59が形成され、スライド筒57の内周面に内スプライン60が形成されている。第1ベベルギヤ31の内面に、スライド筒57の外スプライン59に対応するスプライン61が形成され、伝動軸13の右端部の外周面に、スライド筒44の内スプライン60に対応するスプライン62が形成されており、スライド筒57を右に移動することにより、スライド筒57がスプライン59,61を介して第1ベベルギヤ31にスプライン嵌合すると共に、伝動軸13の右端部にスプライン60,62を介してスプライン嵌合して、入力軸12から伝動軸13に動力が伝達される接続状態になり、図1に鎖線で示すように、スライド筒57を左に移動することにより、スライド筒57の第1ベベルギヤ31へのスプライン嵌合が外れて、入力軸12から伝動軸13に動力が伝達されなくなる切断状態になるように構成されている。
【0020】
そして、スライド筒57を前後操作するための図示省略の操作部材がギヤケース3の外部に設けられており、操作部材は、スライド筒57の係合溝に係合された係合部材63に連動連結されており、操作部材の操作によって、スライド筒57を左右にスライド移動できるようになっている。
ギヤケース3の後方にウォシャポンプ65が設けられている。ウォシャポンプ65はステー64を介して動力取出ケース28に支持固定されている。ウォシャポンプ65の入力軸66は連結筒67を介して動力取出軸29に連結されており、動力取出軸29の回転動力によってウォシャポンプ65が駆動され、近くのタンク等の水を吸水ホースで吸水して、吐出ホースから水を放出することができるようになっている。なお、入力軸12、第2ベベルギヤ32、動力取出軸29、連結筒67及びウォシャポンプ65の入力軸66は同一軸心上に配置されている。
【0021】
上記実施の形態によれば、トラクタのPTO軸からユニバーサルジョイント等を介して入力軸12が回転駆動されると、入力軸12の回転動力は、第1ベベルギヤ31、第2クラッチ42を介して伝動軸13に伝達され、伝動軸13を軸心廻りに回転させる。その結果、入力軸12から入力された動力は、伝動軸13を介して爪軸9に伝達されて、該爪軸9が軸心回りに回転駆動される。また、同時に、入力軸12の回転動力は、第1ベベルギヤ31、第2ベベルギヤ32、第1クラッチ41を介して動力取出軸29に伝達され、動力取出軸29を軸心廻りに回転させる。その結果、ロータリ耕耘部8の駆動と同時にウォシャポンプ65が駆動される。従って、近くのタンク等の水を吸水ホースで吸水して、吐出ホースから水を放出することができ、洗車ポンプ機のあるところまでわざわざ移動しなくても、このウォシャポンプ65を使用してロータリ耕耘装置1を洗車することができ、非常に便利である。
【0022】
そして、操作杆51の操作によって、第1クラッチ41のスライド筒44を後方に移動すると、第1クラッチ41が切断されて、入力軸12の回転動力は動力取出軸29に伝達されなくなり、ウォシャポンプ65の駆動が停止する。従って、ロータリ耕耘部8による耕耘作業を行う際に、ウォシャポンプ65を使用しない場合には、第1クラッチ41の簡単な切換操作によって、動力取出軸29に動力が伝達されないようにして、動力の無駄を生じないようにすると共に、無用なウォシャポンプ65の駆動によって耕耘作業の邪魔になるのを防止できる。また、耕耘作業と同時にウォシャポンプ65による補助作業をする必要があれば、操作杆51の操作によって、スライド筒44を前方に移動すると、第1クラッチ41が接続されて、入力軸12の回転動力は動力取出軸29に伝達されるようになるので、第1クラッチ41の簡単な接続操作によって、ロータリ耕耘部8による耕耘作業と同時にウォシャポンプ65による補助作業を行うことができ、便利である。
【0023】
また、図示省略の操作部材の操作によって、第2クラッチ42のスライド筒57を右側に移動すると、第2クラッチ42が切断されて、入力軸12の動力は、動力取出軸29のみに伝達されて伝動軸13に伝達されなくなるため、ウォシャポンプ65のみが駆動し、ロータリ耕耘部8の駆動が停止する。従って、ウォシャポンプ65を使用してロータリ耕耘部8が停止した状態のロータリ耕耘装置1を洗車することができ、非常に便利である。また、このときロータリ耕耘部8による耕耘作業を再開する必要があれば、操作部材の操作によって、スライド筒57を右側に移動すると、第2クラッチ42が接続されて、入力軸12の動力は伝動軸13に伝達されるようになるため、第2クラッチ42の簡単な接続操作によって、ウォシャポンプ65による補助作業と同時にロータリ耕耘部による耕耘作業をスムーズに行うことができ、便利である。
【0024】
図4及び図5は他の実施形態を示し、左側のサポートアーム4内に設けられた伝動軸13の右端部側は、ギヤケース3の左側の中途部まで挿入されている。入力軸12と動力取出軸29とが互いに前後に離間して同一軸心上に配置されている。入力軸12の動力を伝動軸13と動力取出軸29とに伝達するギヤケース3内の伝動機構30は、ギヤケース3に左右方向の軸心廻りに回転自在に支持されたベベルギヤ71と、ギヤケース3内に入力軸12と動力取出軸29との前後方向の同一軸心上に配置された連結軸72とを備える。
ベベルギヤ71はギヤケース3内の左側に配置され、ギヤケース3の左側壁に形成した軸受筒部74にベアリング75を介して軸心廻りに回転自在に保持されている。また、ベベルギヤ71は伝動軸13の右端部にスプライン嵌合されている。連結軸72はギヤケース3内に前後方向に配置され、連結軸72の前端部が入力軸12にスプライン嵌合されて、入力軸12に連結され、連結軸72の後端部が円筒状の支持筒体73にスプライン嵌合されている。支持筒体73は、動力取出軸29の前方に配置されると共に、入力軸12、連結軸72及び動力取出軸29と同一軸心上に配置され、動力取出ケース28にベアリング76を介して前後方向の軸心廻りに回転自在に支持されている。
【0025】
動力取出ケース28内に、入力軸12から動力取出軸29に伝達される動力を断続可能にするクラッチ77が設けられている。このクラッチ77は、前記実施形態における第1クラッチ41と略同様の構成であり、連結軸72と動力取出軸29との間に設けられ、動力取出軸29の前端部に前後摺動自在に外嵌されたスライド筒44を有し、スライド筒44の内周面に内スプライン45が形成され、スライド筒44の前端部にギヤ46が形成されている。また、動力取出軸29の前端部外周面に、スライド筒44の内スプライン45に対応するスプライン47が形成され、支持筒体73の後端部にスライド筒44のギヤ46に対応するギヤ48が形成されており、スライド筒44を前方に移動することにより、スライド筒44がスプライン45,47を介して動力取出軸29にスプライン嵌合した状態で、スライド筒44のギヤ46が支持筒体73のギヤ48に噛合して、入力軸12から連結軸72及び支持筒体73を介して動力取出軸29に動力が伝達される接続状態になり、スライド筒44を後方に移動することにより、スライド筒44のギヤ46が支持筒体73のギヤ48から外れて、入力軸12から動力取出軸29に動力が伝達されなくなる切断状態になるように構成されている。
【0026】
そして、前記実施形態における第1クラッチ41の場合と同様に、スライド筒44を前後操作するための操作杆51が動力取出ケース28に設けられている。動力取出ケース28に挿通孔52が設けられ、操作杆51は動力取出ケース28に挿通孔52を介して内外貫通状に挿通され、操作杆51の内端部は係合部材53を介してスライド筒44の係合溝に係合されており、操作杆51の前後操作によりスライド筒44を前後にスライド移動できるようになっている。また、前記実施形態における第1クラッチ41の場合と同様に、操作杆51と動力取出ケース28との間に位置決め機構55が設けられ、位置決め機構55は、第1クラッチ41が接続状態になる接続位置と第1クラッチ41が切断状態になる切断位置とに操作杆51を位置決めするように構成されている。その他の点は前記実施の形態の場合と同様の構成である。
【0027】
上記実施の形態によれば、トラクタのPTO軸からユニバーサルジョイント等を介して入力軸12が回転駆動されると、入力軸12の回転動力は、ベベルギヤ71を介して伝動軸13に伝達され、伝動軸13を軸心廻りに回転させる。その結果、入力軸12から入力された動力は、伝動軸13を介して爪軸9に伝達されて、該爪軸9を軸心回りに回転駆動される。また、同時に、入力軸12の回転動力は、連結軸72、支持筒体73及びクラッチ77を介して動力取出軸29に伝達され、動力取出軸29を軸心廻りに回転させる。その結果、ロータリ耕耘部8の駆動と同時にウォシャポンプ65が駆動される。従って、近くのタンク等の水を吸水ホースで吸水して、吐出ホースから水を放出することができ、洗車ポンプ機のあるところまでわざわざ移動しなくても、このウォシャポンプ65を使用してロータリ耕耘装置1を洗車することができ、非常に便利である。
【0028】
そして、操作杆51の操作によって、スライド筒44を後方に移動すると、クラッチ77が切断されて、入力軸66の回転動力は動力取出軸29に伝達されなくなり、ウォシャポンプ65の駆動が停止する。従って、ロータリ耕耘部8による耕耘作業を行う際に、ウォシャポンプ65を使用しない場合には、クラッチ77の簡単な切換操作によって、動力取出軸29に動力が伝達されないようにして、動力の無駄を生じないようになすと共に、無用なウォシャポンプ65の駆動によって耕耘作業の邪魔になるのを防止できる。また、耕耘作業と同時にウォシャポンプ65による補助作業をする必要があれば、操作杆51の操作によって、スライド筒44を前方に移動すると、クラッチ77が接続されて、入力軸12の回転動力は動力取出軸29に伝達されるようになるので、クラッチ77の簡単な接続操作によって、ロータリ耕耘部8による耕耘作業と同時にウォシャポンプ65による作業を行うことができ、便利である。
【0029】
なお、前記図4及び図5の実施形態の場合、入力軸12から伝動軸13に伝達される動力を断続可能にするクラッチを設けていないが、これに代え、前記図1〜図3の実施形態の場合と同様に、入力軸12から伝動軸13に伝達される動力を断続可能にする第2クラッチを、ギヤケース3内に設けるようにしてもよい。この場合、例えば、第2クラッチを、伝動軸13とベベルギヤ71との間に設けるようにすればよい。
なお、前記実施形態では、ギヤケース3の後方にウォシャポンプ65が設けられ、ウォシャポンプ65の入力軸66は動力取出軸29に連結されており、補助作業としてウォシャポンプ65による洗車等の作業ができるようになっているが、これに代え、補助作業機として、播種機や施肥機その他の補助作業機をギヤケース3の後方に設け、動力取出軸29でこの補助作業機を駆動できるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施の形態を示すロータリ耕耘装置の拡大背面断面図である。
【図2】同ロータリ耕耘装置の背面断面図である。
【図3】同ロータリ耕耘装置の側面図である。
【図4】他の実施形態を示すロータリ耕耘装置の背面断面図である。
【図5】同図4の要部を拡大した背面断面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 ロータリ耕耘装置
3 ギヤケース
4 サポートアーム
8 ロータリ耕耘部
12 入力軸
13 伝動軸
26 ベベルギヤ
28 動力取出ケース
29 動力取出軸
31 第1ベベルギヤ
32 第2ベベルギヤ
41 第1クラッチ
42 第2クラッチ
71 ベベルギヤ
77 クラッチ
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成19年3月29日(2007.3.29)
【代理人】 【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄

【識別番号】100120341
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 幹雄


【公開番号】 特開2008−245547(P2008−245547A)
【公開日】 平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願番号】 特願2007−89187(P2007−89187)