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【発明の名称】 作業車両
【発明者】 【氏名】田辺 稔

【氏名】林 惠一

【要約】 【課題】トラクタにおいて、耕耘機をローリング制御するためのセンサーが泥水がかかることを防止すると共に、制御部材の組み付けの容易性も向上させる。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンを搭載すると共に操縦席が設けられた走行機体と、前記走行機体の後方に配置されかつリンク機構を介して前記走行機体の後部に昇降可能に連結された作業機と、前記作業機を昇降させるために前記走行機体の後部に配置した昇降用アクチェータと、前記走行機体に対する作業機のローリング姿勢を変えるためのローリング制御用アクチェータと、前記走行機体に対する作業機の相対的なローリング角度を検出するための対本機傾斜センサーとが備えられており、
前記対本機傾斜センサーからの信号に基づいてローリング制御用アクチェータの停止制御が行われるようになっている、
という作業車両であって、
前記対本機傾斜センサーは、前記ローリング制御用アクチェータの駆動に基づいて作動する連動手段によって動くセンサー体を備えており、前記センサー体を、前記走行機体の後部に配置されているリア部材の上面側の水平面に沿って動くように配置している、
作業車両。
【請求項2】
前記ローリング制御用アクチェータは伸縮するローリング用シリンダである一方、前記センサー体は水平回動式のセンサーアームであり、更に、前記連動手段は可撓性チューブにワイヤーがスライド自在に挿通されている索道管であって、前記ローリング用シリンダとセンサー体とに索道管が接続されており、ワイヤーを介してローリング用シリンダの動きがセンサー体に伝達されている、
請求項1に記載した作業車両。
【請求項3】
前記走行機体の後部には、前記リア部材の一例としてミッションケースが配置されており、前記ミッションケースの上面箇所に前記対本機傾斜センサーを配置している、
請求項2に記載した作業車両。
【請求項4】
更に、走行機体に対する作業機の上昇量を検出する揚げ高さ検知センサーと、前記昇降用アクチェータを強制駆動するための昇降モータとが備えられており、これら揚げ高さ検知センサーと昇降モータと前記対本機傾斜センサーとの三者が共通のブラケットに取付けられており、前記ブラケットは走行機体の後部に配置されたリア部材に固定されている、
請求項1〜3のうちのいずれかに記載した作業車両。
【請求項5】
前記ブラケットは前記ミッションケースの上面箇所に配置されており、前記ローリング用シリンダは走行機体の前進方向に向かって左右中心線よりも右側に配置されている一方、前記対本機傾斜センサーは前進方向に向かって左右中心線よりも左側に配置しており、ローリング制御用シリンダとセンサーアームとが索道管で連結されており、更に、前記対本機傾斜センサーよりも後方の部位には、水平に対する走行機体のローリング角度を検出するためのローリングセンサーが配置されている、
請求項4に記載した作業車両。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本願発明は、走行機体の後部に作業機が昇降自在及びローリング自在に連結されている作業車両に関するものである。ここで作業車両の代表例としてはロータリ耕耘式トラクタが挙げられるが、これに限定されるものではなく、例えば根菜類の収穫機や走行型芝刈機なども対象になり得る。
【背景技術】
【0002】
作業車両の一例としてのトラクタは、エンジンが搭載された走行機体と、この走行機体の後方に配置されたロータリ式の耕耘機を大きな要素としており、耕耘機は走行機体の後部にリンク機構を介して昇降動及びローリング動可能に連結されている。一般に、前記リンク機構を昇降用油圧シリンダで回動させることで耕耘機の昇降を行っている。耕耘機を昇降させることにより、耕耘深さを調節することができると共に路上走行を支障なく行えるようになっている。
【0003】
また、耕耘機を走行機体に対してローリング(進行方向に向かって左右方向に傾くこと)可能に連結していることの理由の一つは、走行機体が左右に傾いても耕耘機を略水平姿勢に保たせて耕耘深さを一定化するためであり、そこで、耕耘機はローリング制御用油圧シリンダによって走行機体に対する相対的な傾斜角度が調節されている。
【0004】
また、走行機体には、当該走行機体のローリング角度(水平を基準にして、進行方向に向かって左右方向に傾いた角度)を検知するローリングセンサーと、走行機体に対する耕耘機の相対的なローリング角度を検知する対本機傾斜センサーとが備えられており、両センサーの組み合わせにより、例えば水平に対する耕耘機の傾斜姿勢が一定になるようにローリング用シリンダを制御している。
【0005】
より具体的に述べると、対本機傾斜センサーは一般にローリング制御用油圧シリンダの伸縮量を検出する構成になっており、走行機体の傾斜角度との関係で耕耘機の水平に対する角度を演算し、耕耘機が略水平姿勢になるとローリング制御用油圧シリンダの駆動を停止させている。
【0006】
ローリング制御用油圧シリンダの伸縮量を対本機傾斜センサーで検出する点を更に述べると、これは、ローリング制御用油圧シリンダの伸縮量を電気信号に変換する一種のストロークセンサーであり、例えば、ローリング制御用油圧シリンダの伸縮量を電気抵抗の変化として検出する測定器(ポテンショメータ)が利用されている。上記の構成は例えば特許文献1に記載されている(但し、対本機傾斜センサーは図示されてはいない。)。
【特許文献1】特開2001−327203号公報(特に0003,0014)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
トラクタにおいて、一般には、耕耘機を走行機体に連結するリンク機構は、進行方向に向いて左右中間部に配置されたトップリンクとその左右両側に配置されたロワーリンクとより成る三点リンク機構に構成されている。そして、走行機体の後部にはミッションケース(ハウジング)が配置されていてその内部にトランスミッションが配置されており、ローリング制御用油圧シリンダは進行方向に向いてミッションケースの右又は左の片側に配置されており、ローリング制御用油圧シリンダで一方のロワーリンクを上下動させることで耕耘機のローリング制御が行われている。
【0008】
そして、既述のとおり、対本機傾斜センサーはローリング制御用油圧シリンダの箇所に設けて、ローリング制御用油圧シリンダのストローク(伸縮量)を電気信号に変換しているが、ローリング制御用油圧シリンダはミッションケースの外側に露出しているため、その近傍に設けている対本機傾斜センサーも大きく露出しており、このため、対本機傾斜センサーに、走行等によって跳ね上げられた泥水がかかったり、跳ね上げられた小石が当たったりということがあり、このためスムースな作動が阻害される虞が懸念される。
【0009】
本願発明は、かかる現状を改善することを一つの課題としている。ところで、耕耘機の走行機体には対本機傾斜センサーやローリングセンサーの他に別のセンサーや制御機器類が配置されているが、従来はこれらの各種のセンサー類・機器類は個別に組み付けられており、このため組み付け作業やメンテナンスが面倒な場合があった。本願発明はかかる現状を改善することも課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明はトラクタが含まれる作業車両を対象にしており、この作業車両は、「エンジンを搭載すると共に操縦席が設けられた走行機体と、前記走行機体の後方に配置されかつリンク機構を介して前記走行機体の後部に昇降可能に連結された作業機と、前記作業機を昇降させるために前記走行機体の後部に配置した昇降用アクチェータと、前記走行機体に対する作業機のローリング姿勢を変えるためのローリング制御用アクチェータと、前記走行機体に対する作業機の相対的なローリング角度を検出するための対本機傾斜センサーとが備えられており、前記対本機傾斜センサーからの信号に基づいてローリング制御用アクチェータの停止制御が行われるようになっている」という基本構成になっている。
【0011】
そして、請求項1の発明では、上記構成の下で、前記対本機傾斜センサーは、前記ローリング制御用アクチェータの駆動に基づいて作動する連動手段によって動くセンサー体を備えており、前記センサー体を、前記走行機体の後部に配置されているリア部材の上面側の水平面に沿って動くように配置している。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1において、前記ローリング制御用アクチェータは伸縮するローリング用シリンダである一方、前記センサー体は水平回動式のセンサーアームであり、更に、前記連動手段は可撓性チューブにワイヤーがスライド自在に挿通されている索道管であって、前記ローリング用シリンダとセンサー体とに索道管が接続されており、ワイヤーを介してローリング用シリンダの動きがセンサー体に伝達されている。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2において、前記走行機体の後部には、前記リア部材の一例としてミッションケースが配置されており、前記ミッションケースの上面箇所に前記対本機傾斜センサーを配置している。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1〜3のうちのいずれかの構成に加えて、更に、走行機体に対する作業機の上昇量を検出する揚げ高さ検知センサーと、前記昇降用アクチェータを強制駆動するための昇降モータとが備えられており、これら揚げ高さ検知センサーと昇降モータと前記対本機傾斜センサーとの三者が共通のブラケットに取付けられており、前記ブラケットは走行機体の後部に配置されたリア部材に固定されている。
【0015】
請求項5の発明は、請求項4において、前記ブラケットは前記ミッションケースの上面箇所に配置されており、前記ローリング用シリンダは走行機体の前進方向に向かって左右中心線よりも右側に配置されている一方、前記対本機傾斜センサーは前進方向に向かって左右中心線よりも左側に配置しており、ローリング制御用シリンダとセンサーアームとが索道管で連結されており、更に、前記対本機傾斜センサーよりも後方の部位には、水平に対する走行機体のローリング角度を検出するためのローリングセンサーが配置されている。
【発明の効果】
【0016】
本願発明によると、対本機傾斜センサーは走行機体に設けたミッションケース等のリア部材の上方に配置しているため、作業機のリア部材が対本機傾斜センサーに対する保護部材の役割を果たしており、このため対本機傾斜センサーに泥水がかかったり小石が当たったりする不具合を防止又は著しく抑制できる。その結果、対本機傾斜センサーの作動の確実性を向上できる。
【0017】
また、センサー体のようなアーム部材が例えば鉛直方向に動く構成であると、振動や自重による影響で動きがスムースでなくなる不具合が懸念されるが、本願発明のセンサー体は水平方向(略水平方向)に動くため、自重や振動の影響が極力排されてスムースな動きが確保される。この点も本願発明の利点である。
【0018】
ローリング制御用アクチェータの動きをセンサー体の動きに伝達する伝動手段としては例えばリンク機構なども採用可能であるが、請求項2のように索道管を採用すると、索道管は可撓性を有しているため、他の部材との干渉を回避した状態でセンサー体(センサーアーム)を任意の位置に配置できる利点がある。
【0019】
請求項3のように、走行機体トランスミッションが内蔵されたミッションケース(ハウジング)の上面部に対本機傾斜センサーを配置すると、ミッションケースはその機能からしてある程度の面積があってかつ頑丈な構造であるため、泥水や小石等から対本機傾斜センサーを確実に保護できる利点がある。
【0020】
請求項4のように構成すると、対本機傾斜センサーと揚げ高さ検知センサーと昇降用モータとの三者がブラケットを介して一つにユニット化されているため、これらの部材の組み付け作業やメンテナンス、交換・修理の手間を格段に軽減できる。なお、請求項4の他の構成としては、対本機傾斜センサーと揚げ高さ検知センサーと昇降用モータとのうち2つの部材をブラケットに取り付けることや、これら3つの部材に加えて他の部材(例えばローリングセンサー)をブラケットに取り付けるといったことも可能である。
【0021】
ところで、既述のように索道管は可撓性があるが、曲げの曲率がある程度に小さくなるとチューブ内でワイヤーがスムースに動きにくくなる性質がある(動きにくくなる曲率の絶対値はワイヤーの外径や素材等の種々の要因によって相違する。)。そして、請求項5のように構成すると、ローリング制御用シリンダと対本機傾斜センサーとが走行機体の中心を挟んで左右に振り分けて配置されているため、索道管を曲げるにおいてその曲率を大きくすることができ、その結果、ワイヤーのスムースなスライドを確保できる利点がある(換言すると、索道管の取り回しが容易である。)。
【0022】
なお、トラクタにおいては、ローリング用シリンダは走行方向に向いてハウジング(ミッションケース)の右側に配置されていることが多いので、請求項5の構成を採用すると、大幅な設計変更をせずとも本願発明の利点を享受できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本願発明をトラクタに適用した実施形態を図面に基づいて説明する。図1はトラクタの左側面図、図2はトラクタの平面図、図3は作業機用昇降機構の概略左側面図、図4は作業機用昇降機構の概略平面図、図5は図2のV−V視側面断面図、図6は耕耘機の概略背面図、図7は油圧回路図、図8は本願発明の傾斜センサーを含むユニットの斜視図である。以下の説明で位置を示す文言として「前・後・左・右」の文言を使用するが、これらの文言はトラクタの前進方向を向いた状態を基準にしている。
【0024】
(1).トラクタの概要・走行機体
図1及び図2に示すように、トラクタは走行機体1とその後方に配置したロータリー式の耕耘機2とを備えており、走行機体1は左右一対の前車輪3と同じく左右一対の後車輪4とで支持されている。耕耘機2は請求項に記載した作業機の一例である。前記走行機体1の前部には、ボンネット6で覆われたディーゼル式エンジン5が搭載されている。
【0025】
走行機体1の上面にはキャビン7が設置され、該キャビン7の内部には、操縦座席8と、前車輪3の操向方向を左右に動かすようにした操縦ハンドル(丸ハンドル)9とが設置されている。キャビン7の外側部には、オペレータが乗降するステップ10が設けられ、該ステップ10より内側で且つキャビン7の底部より下側には燃料タンク11が配置されている。
【0026】
操縦ハンドル9は、操縦座席8の前方に位置する操縦コラム60上に設けられている。操縦コラム60の右方には、耕耘機2を所定高さまで強制的に昇降操作するためのレバー式の自動昇降スイッチ62と、走行機体1を制動操作するための左右ブレーキペダル63とが配置されている。操縦コラム60の左方には、走行機体1の進行方向を前進と後進とに切り換え操作するための前後進切換レバー64と、クラッチペダル65とが配置されている。
【0027】
操縦座席8の左右両側にはサイドコラム61が配置されており、右サイドコラム61には、変速操作用の主変速レバー66、耕耘機2の高さ位置を手動で変更調節するための作業機昇降レバー67、及び、耕耘機2の目標耕耘深さを予め設定する耕深設定手段としての耕深設定ダイヤル68等が配置されている。左サイドコラム61には、副変速レバー69及びPTO変速レバー70が配置されている。左サイドコラム61の前方にはデフロックペダル71が配置されている。
【0028】
本実施形態では、作業機昇降レバー67は、その前傾操作にて耕耘機2が下降して後傾操作にて上昇する設定になっている。また、耕深設定ダイヤル68を図2の平面視において時計回りに回動させると、耕耘機2の目標耕耘深さが深くなる設定になっている。
【0029】
更に、図1に示すように、走行機体1は、フロントバンパ12及び前車軸ケース13を有するエンジンフレーム14と、エンジンフレーム14の後部にボルトで取り外し可能に固定された左右の機体フレーム16とを備えており、これらエンジンフレーム14と機体フレーム16とで車台が構成されている。
【0030】
機体フレーム16の後部には、請求項に記載したリア部材の一例として、エンジン5からの回転動力を適宜変速して前後四輪3,4に伝達するためのミッションケース17が搭載されている。後車輪4は、ミッションケース17の外側面から外向きに突出するように装着された後車軸ケース18(図3,4参照)を介して取り付けられている。左右の後車輪4の上方は、機体フレーム16に固定されたフェンダ19(図19参照)で覆われており、左右フェンダ19の上面に前述した左右サイドコラム61が取り付けられている。
【0031】
図3及び図4に示すように、ミッションケース17の後部上面には、耕耘機2を昇降動するための油圧式の作業機用昇降機構20が着脱可能に取り付けられている。耕耘機2は、ミッションケース17の後部に、一対の左右ロワーリンク21及びトップリンク22からなる3点リンク機構を介して連結されている。
【0032】
左右ロワーリンク21の前端部は、ミッションケース17の後部の左右側面にロワーリンクピン25を介して回動可能に連結されている。トップリンク22の前端部は、作業機用昇降機構20の後部のトップリンクヒッチ26にトップリンクピン27を介して連結されている。更に、例えば図3に示すように、ミッションケース17の後側面の左右中間部からは、耕耘機2にPTO駆動力を伝達するためのPTO軸23が後向きに突出している。
【0033】
図3及び図4に示すように、作業機用昇降機構20は、後述する昇降制御油圧シリンダ28にて回動操作される一対の左右リフトアーム29を備えている。進行方向に向かって左側に配置されたロワーリンク21とリフトアーム29とは、左リフトロッド30を介して連結されている。
【0034】
他方、進行方向に向かって右側に配置されたロワーリンク21とリフトアーム29とは、右リフトロッドとしての複動形のローリング制御用油圧シリンダ32を介して連結されている。すなわち、図4に示すように、ローリング制御用油圧シリンダ32の上部32aが横長のアッパーピン29aによって右リフトアーム29に相対回動可能に連結されており、また、ローリング制御用油圧シリンダ32におけるピストンロッド33の下端部33aは、右ロワーリンク21の前後中途部に左右横長のロアーピン21aで相対回動可能に連結されている。
【0035】
ローリング制御用油圧シリンダ32は請求項に記載したローリング制御用アクチェータの一例である。なお、正確には、外筒(シリンダ)とピストンロッドとでシリンダ装置が構成されていると言うべきであるが、一般にはピストンロッドも含めてシリンダと称しているので、本願発明(本実施形態)では、シリンダ32はシリンダ装置の意味としての外筒としての意味との両方を含めて使用している。
【0036】
(2).耕耘機の構成
図1に示すように、耕耘機2における下リンクフレーム35の前端と左右一対のロワーリンク21とは、下ヒッチピン35aで相対回動可能に連結されている。トップリンク22の各後端側と上リンクフレーム34の前端側とは、上ヒッチピン34aで相対回動可能に連結されている。
【0037】
図1、図2、図5及び図6に示すように、耕耘機2は、横長筒状のメインビーム36と、メインビーム36の左右側端部にそれぞれ上端側が連結されたチェンケース37及び軸受板38と、チェンケース37及び軸受板38の下端側に左右両端部が回転自在に軸支された耕耘爪軸39と、耕耘爪軸39に放射状にて着脱可能に取り付けられた複数の耕耘爪40と、耕耘爪40の回転軌跡の上方を覆うように配置された耕耘上面カバー41と、耕耘爪40の回転軌跡の左右側方を覆うように配置された左右耕耘サイドカバー42と、耕耘爪40の回転軌跡の後方を覆うように配置された耕耘リヤカバー43と、メインビーム36に前端側を取り付けて後方に長く延びた耕深調節フレーム44と、上リンクフレーム34の後端側と耕深調節フレーム44の前後方向の中間部とをつなぐ伸縮調節可能な耕深調節軸45等を備えている。
【0038】
下リンクフレーム35はメインビーム36に一体的に連結されている(図2及び図6参照)。トップリンク22は、ターンバックル22aの回転によって全体の長さを変更調節(伸縮)可能となるように構成されている(図3及び図4参照)。上リンクフレーム34の前後方向の中間部は、耕深支点軸34bを介してメインビーム36に回動可能に連結されている(図1参照)。
【0039】
耕深調整フレーム44の前端側はメインビーム36に一体的に連結されている。耕深調整ハンドル45a(図1参照)の回転操作して耕深調整軸45を伸縮させると、一対の左右ロワーリンク21及びトップリンク22にて支持された耕耘機2が前傾又は後傾姿勢に変化し、これにより、耕耘爪40が昇降して耕耘深さが変わる。
【0040】
図1、図5及び図6に示すように、メインビーム36の左右中央部には、PTO軸23からの駆動力を入力するためのギヤケース46が配置されている。PTO軸23とギヤケース46の前面側のPTO入力軸46aとは、両端に自在継手が備えられた伸縮自在なドライブシャフト46bを介して連結されている。
【0041】
PTO軸23からの動力は、ギヤケース46に内蔵されたベベルギヤ(図示せず)、メインビーム36に内蔵された回転軸(図示せず)、チェンケース37に内蔵されたスプロケット及びチェン(図示せず)等を介して耕耘爪軸39に伝達され、耕耘爪40を図1及び図5において反時計方向に回転させる。
【0042】
図5及び図6に示すように、耕耘機2は左右方向に長い上面カバー41を備えており、この上面カバー41の後端部には、枢着軸47を介して耕耘リヤカバー43の前端側が連結されている。上面カバー41の上面後部には、後傾姿勢の一対の左右ハンガーフレーム48が立設されている。耕耘リヤカバー43の上面の後端側と左右ハンガーフレーム48とは1対の左右ハンガー機構49を介して上下動可能に連結されている。各ハンガーフレーム48の上端部には受圧軸体48aが水平軸線(中心線)回りに回動可能に配置されている。
【0043】
各ハンガー機構49における細長い丸棒形のハンガーロッド50は、受圧軸体48aに水平軸線(中心線)と直交する方向に摺動可能に貫通している。ハンガーロッド50の下端部は、支軸53により、耕耘リヤカバー43の後部上面に設けられたブラケット54に回動自在に連結されている(図5参照)。ハンガーロッド50の上端側には下降規制ピン51が設けられている。受圧軸体48aと下降規制ピン51の間のハンガーロッド50には、ドーナツ形の下降規制板52がハンガーロッド50の軸線方向に摺動可能に被嵌している。
【0044】
また、ハンガーロッド50の下部側(支軸53より上側)には、上昇規制ピン55が配置されている。受圧軸体48aと上昇規制ピン55との間のハンガーロッド50には、ドーナツ形の上下座板56,57を介して、耕耘リヤカバー43に鎮圧力を付与するための鎮圧用圧縮バネ58が被嵌されている。
【0045】
耕耘機2が地面から離れた高さに持ち上げられたときは、耕耘リヤカバー43の後端側が枢着軸47回りに下向きに回動する。すると、下降規制ピン51が下降規制板52に当接して、下降規制板52が受圧軸体48aに当接する結果、耕耘リヤカバー43がその後端側を最下降させた姿勢に維持される。
【0046】
一方、耕耘機2が耕耘位置にあるとき、すなわち耕耘機2を地面に降ろして耕耘爪40を着地させたときや耕耘作業中においては、耕耘リヤカバー43の後端側が、耕耘された耕土との接地圧にて枢着軸47回りに上方に回動することになる。また、耕耘リヤカバー43の後端側が枢着軸47回りに上方に回動したときは、上昇規制ピン55及び下座板57を介して鎮圧用圧縮バネ58が圧縮されて、耕耘リヤカバー43の後端側の上向き回動が鎮圧用圧縮バネ58の付勢力にて規制される。このため、耕耘爪40から耕耘リヤカバー43の後方に排出される耕土量が制限されたり、地面が耕耘リヤカバー43の移動にて均平に均されたりすることになる。
【0047】
(3).油圧回路及び駆動機構
次に、図7を参照してトラクタの油圧回路75を説明する。トラクタの油圧回路75中には、エンジン5からの動力にて作動する作業機用油圧ポンプ76が配置されている。作業機用油圧ポンプ76は、作業機用昇降機構20内にある昇降制御アクチュエータとしての昇降制御油圧シリンダ28に作動油を供給制御するための昇降用油圧切換弁77と、ローリング制御用油圧シリンダ32に作動油を供給制御するための傾斜制御電磁弁78とに、分流弁79を介して接続されている。
【0048】
昇降用油圧切換弁77は、作業機昇降レバー67の操作にて切り換え作動可能に構成されている。傾斜制御電磁弁78は、作業機昇降機構20の上面部に配置されたローリングセンサー72及び対本機傾斜センサー73(図3及び図4参照)の検出結果に基づいて自動的に切り換え作動する。ローリングセンサー72の取付け構造は本実施形態の中核な成すものであり、詳細は後述する。
【0049】
作業機昇降レバー67の操作にて昇降用油圧切換弁77を切り換えると、昇降制御油圧シリンダ28が伸縮駆動してリフトアーム29が回動する。すると、ロワーリンク22を介して耕耘機2が昇降動する。また、ローリングセンサ72からの信号に基づいて傾斜制御電磁弁78が作動するとローリング制御油圧シリンダ32が伸縮動し、すると、右ロワーリンク21が昇降する。すると、耕耘機2が走行機体2に対して左右に傾斜することになる。
【0050】
走行機体1に対する耕耘機2の相対的な傾斜角度は対本機傾斜センサー73によって検出されており、ローリングセンサー72が検出された走行機体1の傾斜角度と対本機傾斜センサー73で検出された耕耘機2の相対傾斜角度とによって耕耘機2の水平に対する絶対的傾斜角度が演算され、絶対的傾斜角度が所定角度(例えば水位姿勢である0度)になると傾斜制御電磁弁78の作動が停止する。なお、油圧回路75には、リリーフ弁や流量調整弁、チェック弁、オイルクーラ、オイルフィルタ等も備えている(図7参照)。
【0051】
(4).駆動調節機構の構造
作業機用昇降機構20の上部には、昇降制御油圧シリンダ28の駆動を司る駆動調節機構80が配置されている。この駆動調節機構80は、耕耘機2の耕耘深さ調節に際して昇降用油圧切換弁77の切り換えを機械的に行うためのものである。次に、駆動調節機構80について、図3、図4及び図8〜図12を参照して説明する。図8は耕深調節機構80の概略斜視図、図9は図8の IX-IX視背面図、図10は昇降モータと当接アームとの関係を示す右側面図、図11は耕深設定ダイヤル及び作業機昇降レバーの概略斜視図、図12はセンサーユニットの斜視図である。
【0052】
本実施形態の駆動調節機構80は、作業機昇降レバー67や耕深設定ダイヤル68からの操作力、及びリフトアーム29や耕耘リヤカバー43からのフィードバック作用力を適宜変換して、昇降用油圧切換弁77のスプールにつながる連動ロッド85に伝達するもので、その詳細は下記のとおりである。
【0053】
図4、図8及び図9に示すように、駆動調節機構80は、作業機用昇降機構20を構成する昇降ケース74の右側面部に回動可能に軸支された左右横長の入力軸部材81、この入力軸部材81と同心状に延びるようにして昇降ケース74の左側面部に回動可能に軸支されたフィードバック軸部材82、入力軸部材81とフィードバック軸部材82との間に位置していて、2つのリンク片83a,83bの中途部を縦向きの合流ピン84にて回動可能に枢着してなる平面視X字状のクロスリンク83、及び、合流ピン84から前向きに突出した連動ロッド85を備えている。
【0054】
詳細は図示していないが、連動ロッド85の中途部は、昇降ケース74の上部内面に前後スライド可能に吊支されている。従って、クロスリンク83も連動ロッド85と共に前後スライド可能になっている。また、連動ロッド85の先端には、昇降用油圧切換弁77のスプールがバネ手段の弾性付勢力にて常時当接している。
【0055】
入力軸部材81は、左右横長の入力内軸86と、入力内軸86に左右抜け不能で且つ相対回転可能に被嵌された入力外筒軸87とからなる同心状の二重軸構造になっている。入力内軸86のうち入力外筒軸87からの外向き突出部位には、作業機昇降レバー67の基端部に形成されたボス部67aが相対回転可能に被嵌している。このため、作業機昇降レバー67は入力内軸86回りに前後傾動可能になっている。
【0056】
入力内軸86のうち作業機昇降レバー67のボス部67aより外側の部位には、下向きに延びる当接アーム88が固着されている一方、作業機昇降レバー67のボス部67aには、当接アーム88に後方から当接可能なL字押圧アーム67bが下向きに突設されている。当接アーム88は、図示しないバネ手段の弾性付勢力にて、L字押圧アーム67bに向かう後ろ向きの回動方向に常時付勢されている。
【0057】
入力内軸86のうち昇降ケース74内の基端部には、下向きに延びる入力伝達アーム89が固着されている。図9に示すように、入力伝達アーム89の先端部(下端部)には、クロスリンク83における上側の昇降用リンク片83aの右端部に折り曲げ形成された右下向き片に後方から当接可能な昇降入力押圧ピン90が固着されている。
【0058】
入力外筒軸87における昇降ケース74からの外向き突出部位には、耕深入力筒軸91がキーを介して相対回転不能に被嵌している。耕深入力筒軸91には耕深入力アーム92が下向き突設されている。詳細は後述するが、耕深入力アーム92は、正転用索道管128及び逆転用索道管129を介して耕深設定ダイヤル68に連動連結されている。
【0059】
入力外筒軸87のうち昇降ケース74内の中途部には、下向きに延びる入力伝動アーム93が固着されている。入力伝動アーム93の先端部(下端部)には、クロスリンク83における下側の耕深用リンク片83bの右端部に折り曲げ形成された右上向き片に後方から当接可能な耕深入力押圧ピン94が固着されている。
【0060】
なお、作業機昇降レバー67のボス部67aと、耕深入力筒軸91及び入力外筒軸87との間には皿バネ等からなる弾性部材95が介装されており、弾性部材95の弾性復原力による摩擦摺動抵抗を利用して、作業機昇降レバー67及び耕深設定ダイヤル68が任意の操作位置で保持される。
【0061】
他方、フィードバック軸部材82も、前述した入力軸部材81と同様の二重軸構造になっており、左右横長のフィードバック内軸96と、フィードバック内軸96に左右抜け不能で且つ相対回転可能に被嵌されたフィードバック外筒軸97とを備えている。フィードバック内軸96のうちフィードバック外筒軸97からの外向き突出部位には、下向きに延びる昇降フィードバックアーム98が固着されている。図3及び図4に示すように、昇降フィードバックアーム98の先端部(下端部)は、中継ロッド105を介してリフトアーム29の基部に連動連結されている。
【0062】
フィードバック内軸96のうち昇降ケース74内の基端部には、下向きに延びるフィードバック伝達アーム99が固着されている。フィードバック伝達アーム99の先端部(下端部)には、昇降用リンク片83bの左端部に折り曲げ形成された左下向き片に後方から当接可能な昇降フィードバック押圧ピン100が固着されている。
【0063】
フィードバック外筒軸97における昇降ケース74からの外向き突出部位には、耕深フィードバック筒軸101がキーを介して相対回転不能に被嵌している。耕深フィードバック筒軸101には耕深フィードバックアーム102が下向き突設されている。詳細は図示していないが、耕深フィードバックアーム102の先端部(下端部)は、中間ロッド106(図3及び図4参照)、中間リンク機構及び接続ワイヤ107(図5参照)を介して、耕耘リヤカバー43に連動連結されている。
【0064】
フィードバック外筒軸97のうち昇降ケース74内の中途部には、下向きに延びるフィードバック伝動アーム103が固着されている。フィードバック伝動アーム103の先端部(下端部)には、耕深用リンク片83bの左端部に折り曲げ形成された左上向き片に後方から当接可能な耕深フィードバック押圧ピン104が固着されている。
【0065】
作業機昇降レバー67を前後傾動操作すると、そのボス部67aに下向き突設されたL字押圧アーム67b及び当接アーム88が入力内軸86回りに回動して、入力内軸86自身をその軸心回りに回動して、入力伝達アーム89の昇降入力押圧ピン90を昇降用リンク片83aの右下向き片に接近・離反させる。
【0066】
このとき、リフトアーム29の状態(上下回動角度)は、中継ロッド105を介して昇降フィードバックアーム98にフィードバックされ、フィードバック内軸96をその軸心回りに回動させ、フィードバック伝達アーム99の昇降フィードバック押圧ピン100を昇降用リンク片83aの左下向き片に接離させる。
【0067】
すると、設定側である作業機昇降レバー67の操作力と、フィードバック側であるリフトアーム29のフィードバック作用力とがクロスリンク83にて合成され、この合成力にて連動ロッド85が前後方向にスライド移動する。その結果、昇降用油圧切換弁77が切り換え作動して昇降制御油圧シリンダ28を伸縮駆動させ、リフトアーム29ひいては耕耘機2が作業機昇降レバー67の前後傾動操作量に比例して昇降回動する。
【0068】
耕深設定ダイヤル68を正逆回転操作すると、正転用索道管128又は逆転用索道管129を介して、耕深入力アーム92付きの耕深入力筒軸91及び入力外筒軸87を入力内軸86回りに回動させ、入力伝動アーム93の耕深入力押圧ピン94を耕深用リンク片83bの右上向き片に接近・離反離させる。
【0069】
すると、耕耘リヤカバー43の状態(上下回動角度)は、接続ワイヤ107、中間リンク機構及び中間ロッド106を介して、耕深フィードバックアーム102にフィードバックされ、フィードバック外筒軸97をフィードバック内軸96回りに回動させ、フィードバック伝動アーム103の耕深フィードバック押圧ピン104を耕深用リンク片83bの左上向き片に接近・離反させる。
【0070】
すると、設定側である耕深設定ダイヤル68の操作力と、フィードバック側である耕耘リヤカバー43のフィードバック作用力とがクロスリンク83にて合成され、この合成力にて連動ロッド85が前後方向にスライド移動する。その結果、昇降用油圧切換弁77が切り換え作動して昇降制御油圧シリンダ28を伸縮駆動させ、リフトアーム29ひいては耕耘機2が、耕深設定ダイヤル68にて設定された目標耕耘深さを維持するように昇降動するのである。
【0071】
なお、耕深設定ダイヤル68にて目標耕耘深さを設定してから耕耘作業を実行する場合は、原則として、作業機昇降レバー67を最下降位置まで前傾操作しておく。
【0072】
ところで、本実施形態では、昇降ケース74の右側面のうち当接アーム88より前方の部位に、横軸回りに回動可能な回動ディスク111を有する昇降モータ110が取り付けられている(図4、図8及び図10参照)。昇降モータ110の回動ディスク111と当接アーム88の先端部(下端部)とは連結リンク112を介して連結されている。
【0073】
また、昇降モータ110の近傍箇所には、感知アーム115付きの揚げ高さセンサ(アーム位置センサ)114が配置されている。この揚げ高さ検知センサー114はポテンショメータ式のものであり、連結リンク112の先端に形成された突出片113との当接によってロータを回転させて、ロータの回動角度から当接アーム88の回動位置、ひいてはリフトアーム29の上下回動角度と耕運機2の高さを検出する。
【0074】
耕耘機2が耕耘位置にある状態で、操縦コラム60の左方に配置された前後進切換レバー64を後進側に操作すると、昇降モータ110の駆動にて連結ロッド112が前方に引っ張られ、当接アーム88及び入力内軸86が強制的に図10の反時計回りに回動する。そうすると、入力伝達アーム89の昇降入力押圧ピン90が昇降用リンク片83aの右下向き片を押圧して、連動ロッド85を前向きにスライド移動させる。
【0075】
その結果、昇降用油圧切換弁77が切り換わって昇降制御油圧シリンダ28を伸長駆動させ、リフトアーム29ひいては耕耘機2を強制的に非耕耘位置(地面から離れた所定高さ)まで上昇させることになる。かかる動作態様は、操縦コラム60の右方に配置された自動昇降スイッチ62を上昇側に操作した場合にも行われる。
【0076】
その後、自動昇降スイッチ62を下降側に操作すると、前述の態様とは逆に、強制昇降モータ110の駆動にて連結ロッド112が後方に押しやられ、当接アーム88(及び入力内軸86)が、L字押圧アーム67bに当たるまで強制的に図10の時計回りに回動する。そして、結果的に、昇降制御油圧シリンダ28を短縮駆動させ、リフトアーム29ひいては耕耘機2を、耕深設定ダイヤル68にて設定された目標耕耘深さまで強制的に下降させることになる。
【0077】
なお、右フェンダ19より機体中央側の箇所にはレバーガイド板116が配置されている(図4、図8及び図11参照)。作業機昇降レバー67は、レバーガイド板116の中央付近に形成された昇降用ガイド溝116a、及び右サイドコラム61に形成された昇降用コラムガイド溝61aを貫通して、右サイドコラム61の上面に突出している。
【0078】
主変速レバー66も、レバーガイド板116の前部に形成された主変速用ガイド溝116b、及び右サイドコラム61に形成された主変速用コラムガイド溝61bを貫通して、右サイドコラム61の上面に突出している。また、レバーガイド板116の後部に形成された貫通穴116cには、正転用ワイヤ128及び逆転用ワイヤ129を挿通させている。
【0079】
図11に示す符号121は耕深設定用のダイヤル摘み121、符号122は摘み121と一体的に回転する回転プーリ体122、符号124はダイヤルブラケット124である。なお、図10に示すように、正転用索道管128及び逆転用索道管129は可撓性チューブ128a,129aにワイヤー128b,129bがスライド自在に挿通されているもので、可撓性チューブ128a,129a及びワイヤー128b,129bの端部は部材に固定されている。
【0080】
(5).対本機傾斜センサー・センサーユニット
次に、本願発明の核心である対本機傾斜センサー73とその周辺部の構成について、図3,4,12を参照して説明する。まず、主として図12に基づいて説明する。
【0081】
対本機傾斜センサー73はローリング制御油圧シリンダ32の伸縮動を電気信号(例えば抵抗値)として検出するものであり、ロータ(図示せず)の回転を電気信号に変換するポテンショメータ式の測定器73aと、センサー体の一例として測定器73aのロータに固定された回動式のセンサーアーム73bと、センサーアーム73bを回動支点73cを挟んだ一方の側から引っ張る引っ張りばね73dとを備えている。
【0082】
そして、対本機傾斜センサー73は金属板製のブラケット131に取付けられている。ブラケット131は昇降ケース74の上面の箇所に左右長手の状態で配置されており、このブラケット131のうち右側の端部に測定器73aが固定されている。測定器73aはロータの軸線が上下に延びるように配置されており、その大部分がブラケット131の下方に位置している。他方、センサーアーム73bはブラケット131の上方において略前後方向に延びるように配置されている。従って、センサーアーム73bが水平回動すると測定器のロータが回転する。
【0083】
センサーアーム73bは後端寄りの部位が測定器73aのロータに固定されており、引っ張りばね73dはセンサーアーム73bが平面視で時計回り方向に回動する方向に引っ張られるように配置されている。そして、ブラケット131の前端には上向き片131aを形成してこれに前向きに延びる補助片132を固定し、補助片132に、索道管133を構成するチューブ133aの一端部が固定されており、かつ、索道管133を構成するワイヤー133bの一端部はセンサーアーム73bの先端部に係止(または固定)されている。
【0084】
従って、ワイヤー133bが他端から引っ張られるとセンサーアーム73bは平面視で反時計回りに水平回動し、かつ、ワイヤー133bに対する引っ張り力が解除されるとセンサーアーム73bは引っ張りばね73dによって時計回り方向に戻り回動する。
【0085】
ブラケット131の左端には、2段階状に曲がった階段式の下向き片131b,131cを一体に曲げ形成しており、その上部の下向き片131bには昇降モータ110を固定し、下部の下向き片131cには揚げ高さセンサー114を固定している。昇降モータ110は前後方向に延びる姿勢であり、その回転ディスク111の回転軸は左右方向に延びている。また、揚げ高さセンサー114はロータの回転軸心が左右方向に延びる状態で配置されている。
【0086】
ブラケット131を共通の要素として、対本機傾斜センサー73と昇降モータ110と揚げ高さセンサー114とが一つに纏まったセンサーユニット130が構成されている。ブラケット131は、ボルト133で昇降ケース74(図3,4参照)に固定されている。なお、昇降ケース74もミッションケース17の一部と見なすことができる。
【0087】
図3に示すように、ローリング制御油圧シリンダ32の下部には上支持体134が固定されており、この上支持片134に索道管132を構成するチューブ133aの他端部が固定されている。
【0088】
また、ローリング制御油圧シリンダ32におけるピストンロッド33の下部(摺動しない部分)33aには下支持片135が固定されており、この下支持体145に、索道管132を構成するワイヤー133bの他端部が係止(又は固定)されている。索道管133のワイヤー133bは上下支持体134,135の間の部位において蛇腹管136によってカバーされている。図3では蛇腹管136の上端が上支持体134の下方に位置するように描いているが、実際には蛇腹管136の上端は上支持体134に固定されている。
【0089】
以上の構成において、ローリング制御油圧シリンダ32は走行機体1の前進方向に向いて走行機体1の左右中心線よりも右側に配置されているので、ローリング制御油圧シリンダ32が伸び作動すると耕運機2は右が下がって左が上がるように傾斜し、ローリング制御油圧シリンダ32が縮み作動すると耕運機2は右が上がって左が下がるように傾斜する。
【0090】
そして、ローリング制御油圧シリンダ32の伸縮動が索道管133を介して対本機傾斜センサー73におけるセンサーアーム73bの水平回動に変換され、センサーアーム73bの水平回動が測定器73aにおいて電気信号となって制御部に送られる。そして、既述のとおり、ローリングセンサー72で検知した走行機体の1の絶対的な傾斜角度と、対本機傾斜センサー73によって検知した走行機体1に対する耕運機2の相対的な傾斜角度とを変数として制御装置で演算することにより、耕運機2を例えば略水平状態に保持されるように制御される。
【0091】
本実施形態のようにセンサーユニット130を昇降ケース74の前部に配置すると、昇降ケース74の高さが高いことと、昇降ケース74の前部は地面から遠くて操縦座席8で確実に覆われていることとにより、対本機傾斜センサー73や揚げ高さセンサー114に対するカバー機能(保護機能)が格段に高い利点がある。
【0092】
(6).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも具体化できる。例えば、対本機傾斜センサーのセンサーアームは水平回動式には限らず、例えば長手方向に移動する構成であってもよい。センサーアームの移動を電気信号に変換する測定器の構成もセンサーアームの形式に応じて選択したらよい。ローリングセンサーをブラケットに取り付けることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】トラクタの左側面図である。
【図2】トラクタの平面図である。
【図3】作業機用昇降機構の概略左側面図である。
【図4】作業機用昇降機構の概略平面図である。
【図5】図2のV−V視側面断面図である。
【図6】耕耘機の概略背面図である。
【図7】トラクタの油圧回路図である。
【図8】耕深調節機構の概略斜視図である。
【図9】図8のIX−IX視背面断面図である。
【図10】昇降モータと当接アームとの関係を示す右側面図である。
【図11】耕深設定ダイヤル及び作業機昇降レバーの概略斜視図である。
【図12】センサーユニットの斜視図である。
【符号の説明】
【0094】
1 走行機体
2 作業機の一例としての耕耘機
8 操縦座席
17 リア部材の一例としてのミッションケース(ハウジング)
20 作業機用昇降機構
21 ロアリンク
22 トップリンク
28 昇降制御アクチュエータの一例としての昇降制御油圧シリンダ
29 リフトアーム
32 ローリング制御用アクチェータの一例としてのローリング制御油圧シリンダ
72 ローリングセンサー
73 対本機傾斜センサー
73a 測定器
73b センサー体の一例としてのセンサーアーム
73d 付勢手段の一例としての引っ張りばね
74 ミッションケースの一部を構成する昇降ケース
110 昇降用モータ
114 揚げ高さ検知センサー
130 センサーユニット
131 ブラケット
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
【出願日】 平成19年2月27日(2007.2.27)
【代理人】 【識別番号】100079131
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 暁夫

【識別番号】100096747
【弁理士】
【氏名又は名称】東野 正

【識別番号】100099966
【弁理士】
【氏名又は名称】西 博幸

【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一


【公開番号】 特開2008−206456(P2008−206456A)
【公開日】 平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願番号】 特願2007−46829(P2007−46829)