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【発明の名称】 作業車両の外部油圧取出装置
【発明者】 【氏名】宮川 忠弘

【要約】 【課題】作業機を装着する三点リンク機構のトップリンクに油圧式トップリンクを採用し、この油圧式トップリンクに作動油を供給する外部油圧取出装置の方向制御弁を操作する外部油圧操作レバーを操縦部に備える作業車両において、前記油圧式トップリンクに作業機を装着する際の作業性を向上させる。

【解決手段】油圧式トップリンク31に作動油を供給する外部油圧取出装置21の方向制御弁21aの弁スプール27aに直結して、該弁スプール27aを機外から直接操作可能な補助操作レバー33aを設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体に配設した外部油圧取出装置(21)の方向制御弁(21a)を操作する外部油圧操作レバー(24a)を操縦部(7)に備える作業車両(1)において、前記方向制御弁(21a)を機外から直接操作可能な補助操作レバー(33a)を設けたことを特徴とする作業車両の外部油圧取出装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機の油圧アクチュエータや、作業機の連結機構に備える油圧アクチュエータに作動油を供給する外部油圧取出装置を設けた作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業車両の一例であるクローラトラクタにおいては、ウイングハロー、ビッグベーラ、及びプラウ等の作業機を機体後部に装着しての牽引作業が行えるようになっており、これらの作業機は、油圧アクチュエータを介して作動する油圧作動部を有している。例えば、ウイングハローの場合は、レーキ駆動装置、左右のウイング折畳み装置等に異なる油圧アクチュエータを使用しており、所望の油圧アクチュエータへの作動油の供給は、クローラトラクタ側に設けた多連方向制御弁からなる外部油圧取出装置を介してなされる(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−162841号公報(第3−4頁、図7)
【0003】
そして、外部油圧取出装置を構成する多連方向制御弁の多くは機体後部に配設されると共に、図4に示すように、キャビン内の座席6の一側には、外部油圧操作レバー24a,24bが設けてあり、この外部油圧操作レバー24a,24bに連係するワイヤ25a,25b及び揺動アーム26a,26b等を介して、当該外部油圧操作レバー24a,24bに対応する多連方向制御弁21a,21bに備える弁スプール27a,27bを出入(摺動)操作可能に構成している。
【0004】
更に、多連方向制御弁のプレッシャポートとリターンポートに接続可能なクイックカプラー等を介して両ポートに油圧ホースを接続すると共に、これら油圧ホースの他端を所望の油圧アクチュエータのシリンダポートに接続することによって、上述の如く作業機に具備する油圧作動部を、外部油圧操作レバー24a,24bの操作方向に対応させて所望方向に作動させることができるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、キャビンの後方下部には、上述した作業機を装着するためのターンバックル式トップリンクと、リフトアームに連結するリフトロッドを介して支持した左右のロワリンクからなる三点リンク機構を常装しているが、近年は、作業機の装着及び調整作業の容易化を図るべく、前記ターンバックル式トップリンクに換えて油圧式トップリンクを採用するようになってきた。即ち、この油圧式トップリンクは、外部油圧取出装置を構成する多連方向制御弁に油圧ホースを介して接続されると共に、外部油圧操作レバー24aを介して当該トップリンクのピストンロッドを所望の方向へ伸縮作動させることができるようになっている。
【0006】
しかし、このものでは、油圧式トップリンクのピストンロッドの先端を相手側の作業機のトップマスト等と連結する際は、先ず定置された作業機と左右のロワリンクを連結した後、作業者はキャビン内にある外部油圧操作レバー24aを操作しながらピストンロッドを伸作動または縮作動させて、作業機のトップマスト等の連結ポイントにピストンロッドの先端を位置合わせしなければならず、この時作業者は、外部油圧操作レバー24aを操作するために繰り返しキャビンに昇降することを強いられる。
そして、前記ピストンロッドの先端と作業機のトップマスト等を連結ピンを用いて連結した後、作業機の前後姿勢を所定の作業姿勢に調整するために、リフトシリンダを介して左右のロワリンクを上動させて作業機を地面から引き離した状態で、再び外部油圧操作レバー24aを操作してピストンロッドを伸作動または縮作動させる必要があり、この時作業者は、再び外部油圧操作レバー24aを操作すべく繰り返しキャビンに昇降しなければならず、特にクローラトラクタが大型の作業車両であることから極めて作業性が悪かった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決することを目的としたものであって、機体に配設した外部油圧取出装置の方向制御弁を操作する外部油圧操作レバーを操縦部に備える作業車両において、前記方向制御弁を機外から直接操作可能な補助操作レバーを設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、外部油圧取出装置の方向制御弁を機外から直接操作可能な補助操作レバーを設けたことによって、例えば機体後部に配設した外部油圧取出装置の近傍に、この外部油圧取出装置から作動油を供給する油圧アクチュエータとしての油圧式トップリンクを備え、該油圧式トップリンクを介して作業機を装着する場合、作業者は、手に届く範囲にある補助操作レバーを操作して、油圧式トップリンクのピストンロッドの先端と、作業機側のトップマスト等の連結ポイントを容易に位置合わせすることができるようになると共に、両者を連結した後に作業機の前後姿勢を所定の作業姿勢に調整することも、前記補助操作レバーを用いて簡単に行えるようになる。したがって、上述の如く連結ポイントの位置合わせや作業機の前後姿勢を調整する際は、作業者が繰り返し操縦部に昇降して外部油圧操作レバーを操作することが不要となり作業性が大きく向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は、作業車両であるクローラトラクタ1の平面図、また図2は、同じく背面図であって、このクローラトラクタ1は、機体フレーム2上に通常の農業用トラクタと同様にエンジン3を内装するボンネット4、及びキャビン5等を備えており、該キャビン5内には、オペレータが着座する座席6(図4参照)を始め、各種操作レバーやスイッチ類を配置した操縦部7が設けられている。
【0010】
そして、キャビン5の後方下部には、各種の作業を行う作業機を装着する三点リンク式の作業機昇降機構8を常装している。また、9L,9Rは、左右一対のクローラ式走行装置であり、該クローラ式走行装置9L,9R上に機体フレーム2を支持している。
【0011】
また、図3は、クローラトラクタ1の油圧回路図であって、作業機昇降機構8に備える左右一組のリフトシリンダ10,10は、そのシリンダチューブ10aの下端部を機体の後部壁11に固設した左右一対のステー12,12に夫々枢支する一方、ピストンロッド10bの上端部をリフトアーム13,13に連結している。更に詳しくは、ステー12,12の上部には、リフトアームブラケット14を横設してあり、このリフトアームブラケット14に挿通する支軸15の両端部に、左右一対のリフトアーム13,13を上下揺動自在に一体的に連結すると共に、両リフトアーム13,13の略中間部にリフトシリンダ10のピストンロッド10bを連結してある。
【0012】
そして、左右一対のステー12,12の下部に左右一組のロワリンク16,16を夫々枢支すると共に、両ロアリンク16,16の略中間部とリフトアーム13,13の先端とを図示しないリフトロッドを介して連結している。尚、左右何れかのリフトロッドには、リフトロッドシリンダ(複動式油圧シリンダ)17(図3参照)を介設してあり、このリフトロッドシリンダ17を伸縮作動させることによって、機体の傾きに関係なく作業機の左右傾斜を一定に保持するローリング制御を実行できるようになっている。
【0013】
更に、リフトアームブラケット14の中央下部には、図示しないトップリンクを枢支する支持部18が設けてあり、このトップリンクと左右一組のロワリンク16,16によって構成される三点リンク機構と、該三点リンク機構をリフトロッドを介して吊持する左右一対のリフトアーム13,13と、両リフトアーム13,13を強制的に上下揺動させるリフトシリンダ10,10によって、昇降作動可能な作業機昇降機構8を構成している。
【0014】
次に、図3に基づいてクローラトラクタ1の油圧回路について説明すると、当該油圧回路は、作動油を貯留する作動油タンクTと、この作動油タンクT内の作動油を圧送するエンジン3によって駆動される作業機用油圧ポンプ19と、機体に装備する作業機昇降機構8用の作業機油圧装置20と、油圧アクチュエータを介して作動する油圧作動部を有するウイングハロー、ビッグベーラ、及びプラウ等の作業機に作動油を供給すべく、多連方向制御弁からなる外部油圧取出装置(補助コントロールバルブユニット)21を備えており、この外部油圧取出装置21は、キャビン5の後方下部(機体後部)に配設してある。
【0015】
そして、外部油圧取出装置21を構成する多連方向制御弁21a,21bのセンターバイパス油路22を介して、作業機用油圧ポンプ19と作業機油圧装置20が接続されており、該作業機油圧装置20によって上述のリフトシリンダ10,10及びリフトロッドシリンダ17の動作制御がなされると共に、リフトシリンダ10,10の縮小動作速度を調整する作業機下降速度調整弁23等を備えている。
【0016】
尚、作業機油圧装置20は、作業機用油圧ポンプ19から供給される作動油を分流する分流弁20aと、一方の分流油路に接続されるリフトアーム制御弁20bと、他方の分流油路に接続されるリフトロッド制御弁20cとを込み込んだもので、一つのアッセンブリとして構成している。
【0017】
また、図4に示すように、キャビン内の座席6の一側に外部油圧操作レバー24a,24bを設けると共に、この外部油圧操作レバー24a,24bに連係するワイヤ25a,25b及び揺動アーム26a,26b等を介して、当該外部油圧操作レバー24a,24bに対応する多連方向制御弁21a,21bに備える弁スプール27a,27bを出入(摺動)操作可能に構成していた。
【0018】
そして、多連方向制御弁21a,21bの作動油取り出しポートと戻りポートに接続可能なクイックカプラー28,28等を介して油圧ホース32a,32bを接続すると共に、これら油圧ホース32a,32bの他端を所望の油圧アクチュエータに接続することによって、作業機に備える油圧作動部、例えば、ウイングハローに具備するレーキ駆動装置や左右のウイング折畳み装置等を、外部油圧操作レバー24a,24bの操作方向に対応させて所望方向に作動させることができるようになっていた。
【0019】
ところで、キャビン5の後方下部(機体後部)には、上述したように作業機を装着するための三点リンク機構を備えており、この三点リンク機構を構成するトップリンクとして、ターンバックル式トップリンクが広く採用されていたが、近年は、作業機の装着及び調整作業の容易化を図るべく、前記ターンバックル式トップリンクに換えて油圧式トップリンク(油圧アクチュエータ)31(図3参照)が広く採用されるようになってきた。
【0020】
そして、この油圧式トップリンク31のシリンダポートは、図3及び図4に示すように、外部油圧取出装置21を構成する多連方向制御弁21aのプレッシャポートP1とリターンポートT1に、油圧ホース32a,32bを介して接続してあり、キャビン5内の外部油圧操作レバー24aを介して当該トップリンク31のピストンロッドを所望の方向へ伸縮作動させることができるようになっていた。
【0021】
しかし、このものでは、油圧式トップリンク31のピストンロッドの先端を相手側の作業機のトップマスト等と連結する際は、先ず定置された作業機と左右のロワリンク16,16を連結した後、作業者はキャビン5内にある外部油圧操作レバー24aを操作しながらピストンロッドを伸作動または縮作動させて、作業機のトップマスト等の連結ポイントにピストンロッドの先端を位置合わせしなければならず、この時作業者は、外部油圧操作レバー24aを操作するために繰り返しキャビン5に昇降することを強いられる。
【0022】
そして、前記ピストンロッドの先端と作業機のトップマスト等を連結ピンを用いて連結した後、作業機の前後姿勢を所定の作業姿勢に調整するために、リフトシリンダ10,10を介して左右のロワリンク16,16を上動させて作業機を地面から引き離した状態で、再び外部油圧操作レバー24aを操作してピストンロッドを伸作動または縮作動させる必要があり、この時作業者は、再び外部油圧操作レバー24aを操作すべく繰り返しキャビン5に昇降しなければならず、特にクローラトラクタ1が大型の作業車両であることから極めて作業性が悪かった。
【0023】
そこで、本発明では、上述した課題を解決すべく、図5及び図6に示すように、多連方向制御弁21a,21bの弁スプール27a,27bに連結する従来の揺動アーム26a,26bを機体の後方に向けて延出させることにより、前記弁スプール27a,27bに直結した状態で、該弁スプール27a,27bを機外から直接操作可能な補助操作レバー33a,33bとなし、それによって、外部油圧取出装置21の近傍に備える、この外部油圧取出装置21から作動油を供給する油圧式トップリンク31を介して作業機を装着する場合、作業者は、手に届く範囲にある補助操作レバー33aを操作して、油圧式トップリンク31のピストンロッドの先端と、作業機側のトップマスト等の連結ポイントを容易に位置合わせすることができるようになると共に、両者を連結した後に作業機の前後姿勢を所定の作業姿勢に調整することも、前記補助操作レバー33aを操作して簡単に行えるようになる。したがって、上述の如く連結ポイントの位置合わせや作業機の前後姿勢を調整する際は、作業者が繰り返し操縦部7に昇降して外部油圧操作レバー24aを操作することが不要となり作業性が大きく向上する。
【0024】
また、クローラトラクタ1の操縦部7の図示しないフロントガラスの上部前側には、夜間作業時に使用する複数の作業灯34,・・・をキャビン5の外枠に取り付けている。ところが、この作業灯の光がボンネット4の上面に反射してオペレータが眩しさを感じることがあり、その対策として、一般的に光沢塗装されるボンネット4を、その上面(図1において斜線で示す部分)のみ艶消し塗装を施すことにより、当該作業灯の反射光を軽減させてもよい。
【0025】
また、キャビン5前面側の図示しない支柱には、図1及び図2に示すように、左右のサイドミラー35L,35Rが取り付けてある。このサイドミラー35L,35Rは、図7(a),(b)に示すように、前記支柱に固設したブラケット36に螺設可能なプレート状のベース37を介して取り付けてあり、更に詳しくは、前記ベース37の先端に固設したボス37aに、略逆U字状に曲げ形成した棒状アーム38の基端部を嵌装して回動自在に支持すると共に、該棒状アーム38の先端に当該サイドミラー35L,35Rを螺設できるように構成している。
【0026】
そして、上述したベース37には、このベース37を図中に示す矢印B,Cの如く機体の左右方向にスライド調節できる長穴37bを設けてあり、この長穴37bの調整代により、図8に示すように、先ずサイドミラー35R(35L)を通常使用位置DからE矢印方向(外側方向)に引き出してF位置とし、次いでF位置からG矢印方向(機体後側方向)に棒状アーム38の基端部を支点としてH位置まで回動させると、オペレータは、通常の運転姿勢でクローラ9aの外端Jを当該サイドミラー35R(35L)によって確認することができ、それにより機体の幅寄せ作業等が容易に行えるようになる。
【0027】
尚、機体を車庫等に格納する時は、サイドミラー35R(35L)を通常使用位置Dに戻せば、当該サイドミラー35R(35L)と周辺近接物との衝突を避けることができる。また、図9に示すものは、略逆U字状に曲げ形成した棒状アーム38上部の直線部分の中途部にターンバックル39を介装することにより、このターンバックル39を介してサイドミラー35L,35Rを機体の左右方向にスライド調節できるようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】クローラトラクタの一部破断平面図。
【図2】クローラトラクタの背面図。
【図3】クローラトラクタの油圧回路図。
【図4】従来の外部油圧操作レバーの構成を示す斜視図。
【図5】図1におけるA部(外部油圧取出装置)詳細。
【図6】図1におけるB部(外部油圧取出装置)詳細。
【図7】(a),(b)サイドミラーの左右スライド調節方法を示す概略背面図。
【図8】サイドミラーの位置調整方法を示す概略平面図。
【図9】サイドミラーの左右スライド調節方法の他例を示す概略背面図。
【符号の説明】
【0029】
1 作業車両
7 操縦部
21 外部油圧取出装置
21a 方向制御弁
24a 外部油圧操作レバー
33a 補助操作レバー
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成19年2月21日(2007.2.21)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−199975(P2008−199975A)
【公開日】 平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願番号】 特願2007−40682(P2007−40682)