トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業

【発明の名称】 作業機
【発明者】 【氏名】涌田 毅

【要約】 【課題】アタッチメントの昇降駆動機構を数少ない部品でコンパクトかつ安価に構成すると共に、アタッチメントの回動角を十分に確保し、アタッチメントをコンパクトに格納できるようにする。

【解決手段】走行機体100に連結されて所定の作業を行う作業機本体2と、作業機本体2に昇降自在に連結され、作業形態に応じて昇降操作されるアタッチメント3とを備える作業機1において、アタッチメント3と一体的に連結される支持プレート26、27を、作業機本体2側で上下回動自在に支持すると共に、支持プレート26の外周部に形成されるギヤ歯26aにピニオンギヤ28を噛み合わせ、該ピニオンギヤ28の回転駆動によりアタッチメント3を昇降させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体に連結されて所定の作業を行う作業機本体と、
該作業機本体に昇降自在に連結され、作業形態に応じて昇降操作されるアタッチメントと
を備える作業機において、
前記アタッチメントと一体的に連結される支持プレートを、前記作業機本体側で上下回動自在に支持すると共に、前記支持プレートの外周部に形成される噛合部に噛合部材を噛み合わせ、該噛合部材の回転駆動により前記アタッチメントを昇降させることを特徴とする作業機。
【請求項2】
前記アタッチメントの昇降をロックするロックピンと、
該ロックピンのロック解除操作を行う操作レバーと、
該操作レバーのロック解除操作を検出し、前記噛合部材を回転駆動させる昇降作動スイッチと
を備えることを特徴とする請求項1記載の作業機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタ等の走行機体に連結されるロータリ等の作業機に関し、特に、畝成形器等のアタッチメントが昇降自在に連結された作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、トラクタ等の走行機体に連結される作業機では、各種の作業形態に対応できるように、各種のアタッチメントが装着可能となっている。例えば、耕耘作業を行うロータリでは、アタッチメントとして畝成形器を装着し、耕耘と同時に畝立てを行うことができるようになっている。
【0003】
また、近年では、作業形態に応じてアタッチメントを着脱する手間を省くために、アタッチメントを昇降可能にした作業機も提案されている(例えば、特許文献1参照)。そして、このような作業機では、作業機本体とアタッチメントとの間に、油圧シリンダ、電動シリンダ等の昇降作動用アクチュエータや、バランススプリング等の昇降補助用弾機を介設することにより、アタッチメントの昇降操作が容易になる。
【特許文献1】特開2006−55113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載される作業機では、回動支点を介して作業機本体に昇降自在に連結されたアタッチメントに対し、直進駆動する油圧シリンダを直接連結し、該油圧シリンダの駆動力でアタッチメントを昇降させるので、作業機の大型化やコストアップを招来するだけでなく、アタッチメントの回動角が制限されるという問題がある。すなわち、アタッチメントを使わない作業では、アタッチメントを上下反転位置まで上昇させ、コンパクトに格納することが理想であるが、特許文献1の作業機では、アタッチメントを上昇させると、回動角の不足によりアタッチメントが後方に大きく突出してしまい、走行や作業の邪魔になるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、走行機体に連結されて所定の作業を行う作業機本体と、該作業機本体に昇降自在に連結され、作業形態に応じて昇降操作されるアタッチメントとを備える作業機において、前記アタッチメントと一体的に連結される支持プレートを、前記作業機本体側で上下回動自在に支持すると共に、前記支持プレートの外周部に形成される噛合部に噛合部材を噛み合わせ、該噛合部材の回転駆動により前記アタッチメントを昇降させることを特徴とする。このようにすると、アタッチメントの昇降駆動機構を数少ない部品でコンパクトかつ安価に構成することができる。しかも、アタッチメントの回動角を十分に確保できるので、アタッチメントを使わない作業においては、アタッチメントを上下反転位置まで上昇させ、コンパクトに格納することが可能になる。
また、前記アタッチメントの昇降をロックするロックピンと、該ロックピンのロック解除操作を行う操作レバーと、該操作レバーのロック解除操作を検出し、前記噛合部材を回転駆動させる昇降作動スイッチとを備えることを特徴とする。このようにすると、昇降作動時以外におけるアタッチメントの回動をロックし、噛合部材側の負荷を軽減できるだけでなく、回動ロック状態における噛合部材の回転駆動も防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。図1〜図4において、1は作業機であって、該作業機1は、走行機体100に連結されて所定の作業を行う作業機本体2と、作業機本体2に昇降自在(回動自在)に連結され、作業形態に応じて昇降操作されるアタッチメント3と、アタッチメント3を昇降作動させる昇降作動部4とを備えて構成されている。
【0007】
作業機本体2は、トラクタ等の走行機体100に連結されて所定の作業を行うように構成されている。例えば、本実施形態の作業機本体2は、機体の走行に伴って圃場を耕耘するロータリであって、走行機体100の後部に3点式の昇降リンク機構101(トップリンク102及びロアリンク103)を介して昇降自在に連結されるオートヒッチ104に対して着脱自在に装着されるようになっている。また、走行機体100の後部には、作業動力を出力するPTO軸105が突設されており、このPTO軸105の動力がヨークジョイント106を介して作業機本体2に伝動されてようになっている。
【0008】
ロータリからなる作業機本体2は、ヨークジョイント106からPTO動力を入力するギヤケース5と、ギヤケース5の上部に設けられるトップマスト6と、ギヤケース5から左右に延設されるパイプフレーム7、8と、一方のパイプフレーム7の先端に設けられるチェンケース9と、他方のパイプフレーム8の先端に設けられるサイドフレーム10と、チェンケース9とサイドフレーム10の間に回転自在に軸支され、PTO動力で回転駆動される耕耘軸11と、耕耘軸11の上方を覆うロータリカバー12と、ロータリカバー12の後端に上下回動自在に設けられるリヤカバー13とを備えるものであり、ロータリとしての構成及び作用は従来通りとなっている。
【0009】
さらに、作業機本体2の後部には、アタッチメント3を装着可能なツールバー14が左右に延出するように設けられている。ツールバー14は、平面視H型の回動フレーム15を介して左右のパイプフレーム7、8で上下回動自在に支持されると共に、トップマスト6と回動フレーム15の間に介設される高さ調節装置16の伸縮操作により高さ調節が可能となっている。
【0010】
アタッチメント3は、昇降作動部4を介してツールバー14に上下回動自在にに連結され、作業形態に応じて昇降操作されるようになっている。例えば、アタッチメント3が畝成形器である場合は、アタッチメント3を下降させると、耕耘作業と同時に畝立て作業を行うことが可能になり、また、アタッチメント3を上昇させると、通常の耕耘作業を行うことが可能になる。
【0011】
図5〜図8に示すように、昇降作動部4は、第一サポート17、第二サポート18、電動モータ19及び回動ロック機構20を備えて構成されている。第一サポート17は、ツールバー14に後方から嵌合する側面視コ字状のブラケット21と、該ブラケット21の外周部に一体的に溶着されるガイドプレート22とを備えており、ツールバー14及びブラケット21を貫通するピン23でツールバー14に固定されるようになっている。ガイドプレート22は、平面視で前後方向に沿っており、その左右両側面には、ツールバー14を中心とする円形のガイド凸部22aが形成されている。
【0012】
第二サポート18は、アタッチメント3を取付けるアタッチメント取付部材24と、アタッチメント取付部材24のプレート部を挟み込み、複数のボルト25を介して一体的に連結される左右一対の支持プレート26、27とを備えている。左右の支持プレート26、27は、アタッチメント取付部材24から上方に延出する側面視C型の延出部を有し、その内周部が前記ガイド凸部22aに対して回動自在に嵌合可能となっている。すなわち、左右の支持プレート26、27は、ガイド凸部22aに嵌合し、かつ、ガイドプレート22を左右から挟み込む状態で互いに連結されることにより、ガイド凸部22a(ツールバー14)を中心としてアタッチメント3を回動自在に支持するようになっている。アタッチメント3の回動角度に制限はないが、180°程度の回動角度を確保することが好ましい。このようにすると、図2に示すように、アタッチメント3を上下反転位置まで回動させてコンパクトに格納することが可能になる。
【0013】
電動モータ19は、ガイドプレート22の前端部に取り付けられ、その駆動に応じてピニオンギヤ(噛合部材)28を正逆回転させるようになっており、このピニオンギヤ28は、一方の支持プレート26の外周部に形成されるギヤ歯(噛合部)26aに噛み合わされている。従って、電動モータ19によりピニオンギヤ28を回転駆動させると、ガイド凸部22aを中心として支持プレート26が回動し、アタッチメント3が昇降するようになっている。
【0014】
回動ロック機構20は、ガイドプレート22に形成される二つのロック孔22b、22cと、支持プレート26、27に形成されるピン挿通孔26b、27bと、該ピン挿通孔26bを介して、いずれかのロック孔22b、22cに選択的に挿通可能なロックピン29と、一方の支持プレート26に設けられ、ロックピン29を左右方向スライド自在に支持するロックピンガイド30と、ロックピン29をロック孔22b、22cの挿通方向に付勢するスプリング31とを備えて構成されている。
【0015】
すなわち、一方のロック孔22bは、アタッチメント3が下降状態(作業状態)のとき、ピン挿通孔26b、27bに連通するように形成され、また、他方のロック孔22cは、アタッチメント3が上昇状態(格納状態)のとき、ピン挿通孔26b、27bに連通するように形成されており、いずれかの連通位置でピン挿通孔26bを介してロック孔22b、22cにロックピン29を挿通することにより、アタッチメント3の回動がロックされるようになっている。
【0016】
ロックピン29のロック解除操作は、図9に示すように、トップマスト6に設けられる操作レバー32で行うようになっている。具体的に説明すると、操作レバー32は、トップマスト6に前後回動自在に設けられると共に、ワイヤケーブル33を介してロックピン29に連結されている。したがって、操作レバー32を前方に引くと、ロックピン29がロック孔22b、22cから抜け、アタッチメント3の回動ロックが解除される。なお、トップマスト6は、通常、図3に示すように、作業機1を上昇させると、走行機体100上から手が届く位置にあるので、オペレータは、走行機体100から降りることなく、走行機体100上から操作レバー32を操作することができる。
【0017】
さらに、本実施形態の作業機1は、操作レバー32のロック解除操作を検出する昇降作動スイッチ34と、ロックピン29のロック孔22b、22cへの挿通を検出するリミットスイッチ35とを備えると共に、昇降作動スイッチ34を電動モータ19のONスイッチとして機能させ、リミットスイッチ35を電動モータ19のOFFスイッチとして機能させることにより、電動モータ19のON/OFF操作を自動化している。
【0018】
つまり、アタッチメント3を昇降させる場合、オペレータは、走行機体100に乗った状態で作業機1を上昇操作し、トップマスト6に設けられる操作レバー32を前方に引き操作する。操作レバー32が前方に引かれると、ロックピン29が一方のロック孔22b、22cから抜けると同時に、昇降作動スイッチ34がONし、電動モータ19が上昇方向又は下降方向に駆動を開始する。アタッチメント3の昇降作動が始まったら、オペレータは操作レバー32から手を離す。操作レバー32が非操作状態になると、スプリング31の付勢力でロックピン29がガイドプレート22の側面に押し付けられた状態を維持する。そして、アタッチメント3が180°回動して作業位置又は格納位置に到達すると、ロックピン29が他方のロック孔22b、22cに入り、アタッチメント3の回動がロックされる。また、このとき、ロックピン29がリミットスイッチ35を押し、電動モータ19の駆動が停止される。このようにすると、電動モータ19のON/OFF操作を自動化できるだけでなく、回動ロック状態における電動モータ19の駆動を防止することができる。
【0019】
次に、上記のような電動モータ19のON/OFF制御を実現する具体的な構成及び制御手順について、図10及び図11を参照して説明する。電動モータ19のON/OFF制御は、アナログ回路を用いて実現してもよいが、本実施形態では、図10に示すように、マイコンからなる制御部36を用いて実現する。制御部36には、前述する電動モータ19、昇降作動スイッチ34及びリミットスイッチ35が接続されており、図11に示す処理が実行される。
【0020】
図11に示すように、制御部36は、まず、昇降作動スイッチ34のOFFからONへの切換りを判断し(S11)、この判断結果がYESの場合は、昇降作動フラグをONにする(S12)。次に、昇降作動フラグのONを判断し(S13)、該判断結果がYESの場合は、格納フラグがONであるか否かを判断する(S14)。この格納フラグは、アタッチメント3を作業位置まで回動させたときにOFF、格納位置まで回動させたときにONとされるフラグであり、そのON/OFFに基づいて電動モータ19の回転駆動方向が判断される。すなわち、格納フラグがONの場合は、アタッチメント3の下降操作であると判断し、電動モータ19を下降方向に駆動させる(S15)。そして、電動モータ19の下降駆動中は、リミットスイッチ35のONを判断し(S16)、該判断結果がYESになったら、電動モータ19の駆動を停止すると共に(S17)、昇降作動フラグ及び格納フラグをOFFにする(S18、S19)。一方、格納フラグがOFFの場合は、アタッチメント3の上昇操作であると判断し、電動モータ19を上昇方向に駆動させる(S20)。そして、電動モータ1の上昇駆動中は、リミットスイッチ35のONを判断し(S21)、該判断結果がYESになったら、電動モータ19の駆動を停止すると共に(S22)、昇降作動フラグをOFFにし(S23)、格納フラグをONにする(S24)。
【0021】
叙述の如く構成された本実施形態によれば、走行機体100に連結されて所定の作業を行う作業機本体2と、作業機本体2に昇降自在に連結され、作業形態に応じて昇降操作されるアタッチメント3とを備える作業機1において、アタッチメント3と一体的に連結される支持プレート26、27を、作業機本体2側で上下回動自在に支持すると共に、支持プレート26の外周部に形成されるギヤ歯26aにピニオンギヤ28を噛み合わせ、該ピニオンギヤ28の回転駆動によりアタッチメント3を昇降させるようにしたので、アタッチメント3の昇降駆動機構を数少ない部品でコンパクトかつ安価に構成することができる。しかも、アタッチメント3の回動角を十分に確保できるので、アタッチメント3を使わない作業においては、アタッチメント3を上下反転位置まで上昇させ、コンパクトに格納することが可能になる。
【0022】
また、アタッチメント3の昇降をロックするロックピン29と、ロックピン29のロック解除操作を行う操作レバー32と、操作レバー32のロック解除操作を検出し、電動モータ19を駆動させる昇降作動スイッチ34とを備えているので、昇降作動時以外におけるアタッチメント3の回動をロックし、電動モータ19の負荷を軽減できるだけでなく、回動ロック状態における電動モータ19の駆動も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】アタッチメント作業状態(下降状態)を示す作業機の側面図である。
【図2】アタッチメント格納状態(上昇状態)を示す作業機の側面図である。
【図3】作業機上昇状態を示す側面図である。
【図4】作業機の平面図である。
【図5】アタッチメント作業状態(下降状態)を示す昇降作動部の側面図である。
【図6】アタッチメント格納状態(上昇状態)を示す昇降作動部の側面図である。
【図7】昇降作動部(回動ロック機構)の一部切欠き背面図である。
【図8】昇降作動部の平面図である。
【図9】トップマスト部分の側面図である。
【図10】制御部の入出力を示すブロック図である。
【図11】昇降作動処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0024】
1 作業機
2 作業機本体
3 アタッチメント
4 昇降作動部
17 第一サポート
18 第二サポート
19 電動モータ
20 回動ロック機構
21 ブラケット
22 ガイドプレート
26 支持プレート
26a ギヤ歯
27 支持プレート
28 ピニオンギヤ
29 ロックピン
32 操作レバー
34 昇降作動スイッチ
35 リミットスイッチ
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成18年10月19日(2006.10.19)
【代理人】 【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫


【公開番号】 特開2008−99612(P2008−99612A)
【公開日】 平成20年5月1日(2008.5.1)
【出願番号】 特願2006−285215(P2006−285215)