| 【発明の名称】 |
耕耘爪および耕耘装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】関 恒治
|
| 【要約】 |
【課題】簡単な構造で且つ爪ホルダーへの挿入が容易で、傾動しないように耕耘軸に固定できる耕耘爪および耕耘装置を提供する。
【構成】耕耘軸10に形成された爪ホルダー30に係止される被係止部21を、一端部に有する耕耘爪20において、被係止部21に、爪ホルダー30の端面31に当接する段部23を形成し、この段部23は、少なくとも被係止部21の、耕耘軸10の周方向両側に形成されており、さらに、段部23は、筒状に形成された爪ホルダー30の端部全周に当接するように形成されているのが好ましい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 耕耘軸に形成された爪ホルダーに係止される被係止部を、一端部に有する耕耘爪において、 前記被係止部に、前記爪ホルダーの端面に当接する段部を形成した ことを特徴とする耕耘爪。 【請求項2】 前記段部は、少なくとも前記被係止部の、前記耕耘軸の周方向両側に形成された ことを特徴とする請求項1に記載の耕耘爪。 【請求項3】 前記段部は、筒状に形成された前記爪ホルダーの端部全周に当接するように形成された ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耕耘爪。 【請求項4】 耕耘機やトラクターの下部に設けられ土地を耕耘する耕耘装置において、 回転自在に支持された耕耘軸と、 前記耕耘軸の外周面に取り付けられ耕耘爪を保持する爪ホルダーと 前記爪ホルダーに係止される被係止部を一端部に有するとともに前記被係止部に前記爪ホルダーの端面に当接する段部が形成された耕耘爪と、を備えた ことを特徴とする耕耘装置。 【請求項5】 前記耕耘爪は、ボルトやネジなどの締結手段により前記爪ホルダーに締結され、 前記耕耘爪の前記被係止部は、前記締結手段の締結方向に沿って縮幅するテーパ状に形成されており、 前記爪ホルダーは、前記被係止部が当接する係止部を有しており、前記係止部は前記被係止部の縮幅形状に沿うテーパ状に形成された ことを特徴とする請求項4に記載の耕耘装置。 【請求項6】 前記耕耘爪は、被係止部のテーパ面と縮幅側端面とが前記爪ホルダーの内表面に当接した状態で固定されている ことを特徴とする請求項5に記載の耕耘装置。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、耕耘機やトラクターの下部に設けられ土地を耕耘するための耕耘爪および耕耘装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来の耕耘装置で、耕耘爪を耕耘作業機の耕耘軸に取り付けるには、耕耘爪の一端部に被係止部を形成するとともに、耕耘軸の外周面に耕耘爪を係止する筒状の爪ホルダーを形成し、耕耘爪の一端部を爪ホルダーに挿入するようになっていた。耕耘爪の被係止部は、断面四角形を呈しており、断面四角形の開口を有する爪ホルダーに挿入されて、ボルト・ナットなどの締結手段で固定されている。爪ホルダーの開口部は、被係止部の断面形状より若干大きく形成されており、所定の隙間(クリアランス)を設けることで、耕耘爪の挿入および引抜きを行い易くしている。そして、耕耘爪を爪ホルダーに固定する際には、耕耘爪を、爪ホルダーの内周面に対して、耕耘軸の回転方向と反対の方向に押し付けた状態で固定するようになっている。これによって、耕耘作業時に、耕耘爪が爪ホルダーに対して傾動しないようにしている(従来技術1)。 【0003】 一方、その他の構成としては、耕耘爪の被係止部を、断面ひし形に形成し、爪ホルダーの内面の形状もひし形に形成したものがあった(例えば、特許文献1参照)。この耕耘爪と爪ホルダーでは、耕耘爪が耕耘作業によって耕耘軸の回転方向と反対の方向に抵抗を受けることで、耕耘爪のひし形状の凸部が爪ホルダーのひし形状の凹部に挟まれて固定されるようになっている(従来技術2)。 【0004】 さらに、耕耘爪の被係止部に波状の溝部と突部とを設けるとともに、爪ホルダーの内面に波状の溝部と突部とを設けたものがあった(例えば、特許文献2参照)。この耕耘爪と爪ホルダーでは、各溝部と突部とが互いに噛み合って、耕耘爪が爪ホルダーに対して動かないようになっている(従来技術3)。 【特許文献1】特開2000−342009号公報(段落0008,0009、図2) 【特許文献2】特開平7−274604号公報(段落0009,図3) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、前記した従来技術1の耕耘爪と爪ホルダーでは、これらを、耕耘軸が逆回転機能を有する耕耘機に適用すると、耕耘爪に押し付けている方向とは逆の方向に力が加わるために、耕耘爪が爪ホルダーの中でボルトを中心に傾動してしまう。この傾動を繰り返すと、耕耘爪と爪ホルダーの間にがたつきが生じ、このがたつきによる衝撃や摩耗によって爪ホルダーや耕耘爪に変形が生じたり、ボルトが緩んで耕耘爪が爪ホルダーから抜け落ちたりすることがあるといった問題があった。 【0006】 一方、耕耘爪と爪ホルダーを、耕耘軸が一方向にしか回転しない耕耘機に用いる場合であっても、耕耘爪を爪ホルダーに押し付ける方向を間違えた場合には、取付け間違いによる耕耘爪のがたつきが生じて前記したような弊害が生じやすい。さらに、耕耘爪を爪ホルダーに押し付ける工程が必要なために、耕耘爪の取付け作業が煩雑である。 【0007】 また、前記した従来技術2の耕耘爪と爪ホルダーでは、従来技術1の耕耘爪と爪ホルダーと同様に、耕耘爪と爪ホルダー間にクリアランスが形成されているために、耕耘軸を逆回転させると耕耘爪が爪ホルダーの中で傾動することとなり、前記したような弊害が生じる。 【0008】 一方、前記した従来技術3の耕耘爪と爪ホルダーでは、耕耘軸を逆回転させても耕耘爪が爪ホルダーに対して傾動することなく固定することができるようになった。しかし、この耕耘爪と爪ホルダーでは、各部材が複雑な形状のために、製造手間が増加してしまう。また、この耕耘爪と爪ホルダーでは、溝部と突部に大きな力がかかるために、溝部と突部が変形しやすく、わずかな変形でも発生すると、溝部と突部との嵌め合わせができなくなる。さらに、溝部と突部との嵌め合わせを確認しながら耕耘爪と爪ホルダーとを締結する必要があるために、耕耘爪の取付け作業が煩雑である。 【0009】 そこで、本発明では、前記した問題を解決し、簡単な構造で且つ爪ホルダーへの挿入が容易で、傾動しないように耕耘軸に固定できる耕耘爪および耕耘装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 前記課題を解決するための請求項1に係る発明は、耕耘軸に形成された爪ホルダーに係止される被係止部を、一端部に有する耕耘爪において、前記被係止部に、前記爪ホルダーの端面に当接する段部を形成したことを特徴とする耕耘爪である。 【0011】 このような構成によれば、段部が爪ホルダーの端面に当接することで、ボルト・ナットなどの締結手段と段部との複数の位置で耕耘爪が支持されるので、耕耘軸が回転しても、耕耘爪が爪ホルダーに対して傾動することはない。また、段部を形成するだけであるので、構造が簡単で製作も容易である。さらに、被係止部と爪ホルダーとの間にクリアランスを確保できるので、被係止部の爪ホルダーへの挿入が容易である。 【0012】 請求項2に係る発明は、前記段部が、少なくとも前記被係止部の、前記耕耘軸の周方向両側に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の耕耘爪である。 【0013】 このような構成によれば、被係止部の両側で段部が爪ホルダーの端面に当接するので、耕耘爪は、締結手段と、被係止部の両側二箇所の段部の三点で支持されることとなり、より安定された状態で爪ホルダーに固定される。したがって、耕耘爪と耕耘軸との固定強度が大幅に高められる。 【0014】 請求項3に係る発明は、前記段部が、筒状に形成された前記爪ホルダーの端部全周に当接するように形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耕耘爪である。 【0015】 このような構成によれば、段部が爪ホルダーの開口部を塞ぐ蓋の役目を果たすので、爪ホルダーの内部に土砂が浸入するのを防止できる。したがって、爪ホルダー内で土砂が固まることはなく、耕耘後に耕耘爪の交換を行う際の被係止部の引抜を容易に行うことができる。 【0016】 請求項4に係る発明は、耕耘機やトラクターの下部に設けられ土地を耕耘する耕耘装置において、回転自在に支持された耕耘軸と、前記耕耘軸の外周面に取り付けられ耕耘爪を保持する爪ホルダーと前記爪ホルダーに係止される被係止部を一端部に有するとともに前記被係止部に前記爪ホルダーの端面に当接する段部が形成された耕耘爪と、を備えたことを特徴とする耕耘装置である。 【0017】 このような構成によれば、請求項1に係る発明と同様に、段部が爪ホルダーに当接することで、耕耘軸が回転しても、耕耘爪が爪ホルダーに対して傾動することはない。また、構造が簡単で製作も容易であり、さらに、耕耘爪の被係止部の爪ホルダーへの挿入が容易である。 【0018】 請求項5に係る発明は、前記耕耘爪が、ボルトやネジなどの締結手段により前記爪ホルダーに締結され、前記耕耘爪の前記被係止部は、前記締結手段の締結方向に沿って縮幅するテーパ状に形成されており、前記爪ホルダーは、前記被係止部が当接する係止部を有しており、前記係止部は前記被係止部の縮幅形状に沿うテーパ状に形成されたことを特徴とする請求項4に記載の耕耘装置である。 【0019】 このような構成によれば、段部による傾動防止効果の他に、締結手段で、耕耘爪を爪ホルダーに締結することで、耕耘爪の被係止部のテーパ状部分と爪ホルダーのテーパ状部分とが互いに隙間なく押圧されることとなるので、耕耘爪の傾動を防止できるという効果を得られる。したがって、より一層、耕耘爪の傾動を防止することができ、耕耘爪の耕耘軸に対する固定強度を大幅に高めることができる。 【0020】 請求項6に係る発明は、前記耕耘爪が、被係止部のテーパ面と縮幅側端面とが前記爪ホルダーの内表面に当接した状態で固定されていることを特徴とする請求項5に記載の耕耘装置である。 【0021】 このような構成によれば、段部による傾動防止効果の他に、締結手段で、耕耘爪を爪ホルダーに締結することで、耕耘爪の被係止部のテーパ状部分(テーパ面)と爪ホルダーのテーパ状部分とが互いに隙間なく押圧されることとなるとともに、縮幅側端面と爪ホルダーの内表面とが密着して摩擦力を得られるので、耕耘爪の傾動を防止できるという効果を得られる。したがって、請求項5に係る発明よりも、さらにより一層、耕耘爪の傾動を防止する効果が高まり、耕耘爪の耕耘軸に対する固定強度を大幅に高めることができる。 【発明の効果】 【0022】 本発明によれば、耕耘爪および耕耘装置の構造を簡単なものにできるとともに、耕耘爪の爪ホルダーへの挿入を容易に行うことができ、さらに耕耘爪を傾動しないように耕耘軸に固定できるといった優れた効果を発揮する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0023】 次に、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。 【0024】 図1は本発明に係る耕耘爪および耕耘装置を備えた耕耘機の側面図、図2は本発明に係る耕耘装置を実施するための最良の第一の形態を示した斜視図および耕耘爪と爪ホルダーの断面図、図3は本発明に係る耕耘爪を実施するための最良の第一の形態を示した斜視図および正面図、図4は図2の部分拡大図である。 【0025】 図1に示すように、かかる耕耘装置1は、耕耘機2やトラクターの下部(本実施の形態では耕耘機2の下部)に設けられた、土地3を耕耘するための装置である。耕耘装置1は、耕耘機2に回転自在に支持された耕耘軸10と、耕耘軸10に固定される耕耘爪20と、耕耘軸10の外周面11(図2参照)に取り付けられ耕耘爪20を保持して固定する爪ホルダー30(図2参照)とを備えている。なお、耕耘軸10の回転方向は、矢印Aが正回転方向であり、矢印Bが逆回転方向である。耕耘作業は、その大半を、耕耘軸10を正回転方向Aに回転させて行っている。 【0026】 耕耘軸10は、円筒状部材(図2参照)であって、図1に示すように、耕耘機2の進行方向に直交する方向に延出するように配置されている。耕耘軸10は、耕耘機2の車幅と略同等の長さを有しており、その両端部が、車幅方向両側に設けられた支持アーム4に軸支されている。耕耘軸10は、耕耘機2の前部に設けられたエンジン5などの駆動装置からの回転動力によって回転するように構成されている。 【0027】 図2に示すように、耕耘爪20は、その基端部(耕耘爪20に固定される側の端部)となる一端部に被係止部21を有しており、この被係止部21を爪ホルダー30に挿入してボルト40a、ワッシャ40b及びナット40cからなる締結手段で締め付けることで、耕耘爪20が爪ホルダー30に固定されている。なお、締結手段は、ボルト40aに限られるものではなく、ネジなどの他のものであってもよい。 【0028】 図2及び図3に示すように、耕耘爪20の被係止部21には、ボルト孔22が形成されている。被係止部21は、締結手段の締結方向、すなわちボルト40aの挿通方向に沿って縮幅するテーパ状に形成されており、断面が略台形(図2(b)、(c)および図3参照)を呈している。被係止部21には、爪ホルダー30の端面31(図2(a)参照)に当接する段部23が形成されている。段部23は、耕耘爪20の胴部24が耕耘軸10の周方向両側に広がって延出して形成されることで構成されている。すなわち、本実施の形態では、段部23は、被係止部21の、耕耘軸10の周方向両側に形成されている。また、段部23の基端側の端面23aが爪ホルダー30の端面31に当接し、この端面23aよりも基端側の被係止部21が、爪ホルダー30内に挿入されることとなる。一方、耕耘爪20の被係止部21とは逆側の先端部(他端部)には、土地3(図1参照)を撹拌する撹拌爪25が形成されている。耕耘爪20は、耕耘軸10の外周面11に複数固定されている。耕耘爪20は、耕耘軸10の周方向に見て所定の角度(例えば、90度)をあけると共に、耕耘軸10の軸方向に所定の間隔をあけて、螺旋状に配置されている。 【0029】 爪ホルダー30は、耕耘軸10の径方向に延出した角筒形の保持具であり、本実施の形態では、断面形状が略コの字形をした2つの部材(第一ホルダー30aおよび第二ホルダー30b)を互いに組み合わせて角筒を形成している。第一ホルダー30aは、耕耘軸10の外周面11に固定されている。第二ホルダー30bは、第一ホルダー30aの内側に収容されるように構成されており、締結部材によって、耕耘爪20と一体的に締結されることで、第一ホルダー30aに固定されている。第一ホルダー30aと第二ホルダー30bとは、耕耘軸10の径方向に同等の長さに形成されており、各先端面が面一となるように構成されている。これら各先端面が、爪ホルダー30の端面31を構成しており、この端面31に耕耘爪20の段部23が当接することとなる。第二ホルダー30bの内側表面は、耕耘爪20の被係止部21が当接する係止部32を構成している。係止部32は、耕耘爪20の被係止部21の表面の縮幅形状に沿うテーパ状に形成されている。第一ホルダー30aと第二ホルダー30bには、ボルト40aが挿通されるボルト孔33a,33bがそれぞれ形成されている。このボルト孔33a,33bのうち、一方のボルト孔33a(第一ホルダー30aのボルト孔)は、ボルト40aを回転させずに固定するために、ボルト40aの頭部と同形の六角形に形成されている。 【0030】 このような構成の耕耘爪20を爪ホルダー30に固定するに際しては、図2(b)に示すように、まず、第二ホルダー30bを第一ホルダー30a内に収容して角筒状の爪ホルダー30を構成するとともに、耕耘爪20の被係止部21を、爪ホルダー30の内部(第一ホルダー30aと第二ホルダー30b間の空間)に挿入する。このとき、被係止部21は、爪ホルダー30の開口断面よりも、小さい断面で形成されているので、爪ホルダー30の内部に容易に挿入できる。そして、第一ホルダー30a側から、ボルト40aを差し込み、第一ホルダー30aのボルト孔33a、被係止部21のボルト孔22、第二ホルダー30bのボルト孔33bへと順次挿通させる。その後、図2(c)に示すように、ボルト40aにワッシャ40bとナット40cを装着して、ナット40cを螺合させる。このとき、ボルト40aの頭部は、六角形のボルト孔33aに嵌まって、回転が規制されているので、ナット40cを回転させるだけで、締付けを行うことができる。 【0031】 このように、ナット40cによる締付けが完了すると、耕耘爪20の被係止部21と爪ホルダー30の係止部32とが互いに押圧される。被係止部21と係止部32は、互いに対応するテーパ状に形成されているので、締め付けられることによって、被係止部21が所定の位置に固定されて、さらに被係止部21の位置が規制される。 【0032】 また、このように、耕耘爪20を耕耘軸10に固定すると、図4に示すように、段部23の端面23aが、爪ホルダー30の端面31と当接する。これによって、ボルト40a、ワッシャ40bおよびナット40cからなる締結手段と段部23の端面23aとの複数の位置で耕耘爪20が支持される。特に、本実施の形態では、段部23は、被係止部21の、耕耘軸10の周方向両側に形成されているので、被係止部21の両側で段部23が爪ホルダー30の端面31に当接する。したがって、耕耘爪20は、締結手段と、二箇所の段部23の三点で支持されることとなり、構造的に安定性が高く、耕耘爪20と耕耘軸10との固定強度が非常に高い。そして、耕耘爪20と耕耘軸10の三つの接点は、耕耘軸10の回転方向A,Bを含む面内に含まれるので、図4中、白抜き矢印に示すように耕耘軸10の回転によって発生する応力に効果的に対抗できる。また、段部23が被係止部21の両側に形成されているので、耕耘軸10が正逆回転を繰り返して行っても、耕耘爪20が爪ホルダー30に対して傾動するのを確実に防止することができる。そのために、耕耘爪20にがたつきが生じることはなく、耕耘爪20および爪ホルダー30に衝撃や摩耗が発生しない。よって、耕耘爪20や爪ホルダー30に変形が生じたり、ボルト40a・ナット40cが緩んで耕耘爪20が爪ホルダー30から抜け落ちたりすることを防止できる。さらに、本実施の形態では、耕耘爪20の被係止部21および爪ホルダー30の係止部32をテーパ状に形成して、締結部材で締め付けて押さえつけているので、耕耘軸10の回転方向両側に対して、耕耘爪20が爪ホルダー30を押圧することとなる。したがって、耕耘爪20の傾動防止効果が大幅に向上している。 【0033】 また、本実施の形態によれば、耕耘爪20に段部23を形成するだけであるので、例えば従来技術3のものと比較すると、構造が簡単で、製作も容易である。さらに、被係止部21と爪ホルダー30の内面との間にクリアランスを確保できるとともに、従来技術3のように、溝同士の位置合せを行う必要もないので、被係止部21の爪ホルダー30への挿入が容易である。 【0034】 さらに、段部23が、爪ホルダー30の開口部の一部を覆うように配置されているので、爪ホルダー30内に浸入する土砂量を低減することができる。これによって、土砂の詰まりを低減できるとともに、耕耘爪20や爪ホルダー30の錆を低減することが可能となり、耕耘爪20の交換時に被係止部21を爪ホルダー30から容易に引き抜くことができる。 【0035】 また、本実施の形態では、ボルト40aの頭部が、第一ホルダー30aのボルト孔33aで係止されるとともに、爪ホルダー30内に収容されている。したがって、ボルト40aの頭部は爪ホルダー30の表面から突出することはなく、その部分に泥などがひっかかって付着するのを防止できるので、耕耘爪20の交換作業が容易になる。 【0036】 図5は、爪ホルダーと耕耘爪との接合状態の他の形態を示した断面図である。図2の形態では、耕耘爪20の被係止部21と爪ホルダー30との間に隙間があるのに対して、本実施形態では、耕耘爪20は、被係止部21のテーパ面21aと縮幅側端面21bとが、爪ホルダー30の第二ホルダー30bの内表面30cに当接した状態で固定されていることを特徴とする。具体的には、被係止部21のテーパ面21aを構成するテーパ状部分の幅が、第二ホルダー30bの内表面30cの底部近傍の幅と同等になるように、被係止部21が形成されている。そして、耕耘爪20の被係止部21と爪ホルダー30の第二ホルダー30bとを、ボルト40a・ナット40cで締め付けることによって、被係止部21のテーパ面21aと縮幅側端面21bとが、爪ホルダー30の第二ホルダー30bの内表面30cに、隙間なく当接して押圧される。なお、その他の構成については、図2の(c)と同様であるので、同じ符号を付して、その説明を省略する。 【0037】 このような構成によれば、被係止部21は、縮幅側端面21bと、その両側のテーパ面21a,21aの三面で、第二ホルダー30bの内表面に密着することとなる。これによって、耕耘爪20の被係止部21と爪ホルダー30の第二ホルダー30b間の摩擦力を得ることができる。したがって、耕耘爪の傾動を確実に防止できるという効果を得られ、耕耘爪20の耕耘軸10に対する固定強度を大幅に高めることができる。さらに、被係止部21と第二ホルダー30b間に隙間がないので、泥が隙間に侵入するのを防止できる。これによって、耕耘爪20が第二ホルダー30bに接着されることがなく、耕耘爪20の交換時には、ボルト40a・ナット40cを取り外せば、円滑に耕耘爪20を取り外すことができ、交換作業が容易になる。 【0038】 図6は本発明に係る耕耘爪を実施するための最良の第二の形態を示した斜視図および正面図である。 【0039】 図6(a)および(b)に示すように、かかる実施の形態の耕耘爪50は、段部51が、被係止部21の、耕耘軸10の周方向両側のみならず、周方向に直交する方向の両側にも形成されている。すなわち、被係止部21の周囲の全周に亘って段部51が形成されており、この段部51は、その端面51aが爪ホルダー30の開口部の全周に亘って、端面31に当接する。すなわち、耕耘爪50の段部51が、爪ホルダー30の開口部を塞ぐように構成されている。なお、その他の構成については、図1乃至図3に示した実施の形態と同様であるので、同じ符号を付して、その説明を省略する。本実施の形態では、段部51の端面51aの方が、爪ホルダー30の端面31より大きく、段部51が爪ホルダー30の端面31の略全面を覆うように構成されているが、これに限られるものではなく、段部の端面の方が、爪ホルダー30の端面31より小さくても、段部が、爪ホルダー30の開口部の周囲の全周に渡って端面31に当接していればよい。 【0040】 かかる実施の形態によれば、耕耘爪50の傾動を防止できるなどの、前記実施の形態と同様の作用効果の他に、耕耘爪50の段部51が爪ホルダー30の開口部を塞ぐ蓋の役目を果たすので、爪ホルダー30の内部に土砂が浸入するのを確実に防止できる。したがって、耕耘爪50と爪ホルダー30間に土砂が詰まって固まることはなく、耕耘後に耕耘爪50の交換を行う際の被係止部21の引抜を容易に行うことができる。 【0041】 図7は本発明に係る耕耘装置を実施するための最良の第三の形態を示した斜視図および耕耘爪および爪ホルダーの断面図である。 【0042】 図7(a)および(b)に示すように、かかる実施の形態の耕耘爪55は、被係止部56に形成されたボルト孔57の一端部に、ボルト40aの頭部を係止するための凹部57aを形成したことを特徴とする。凹部57aは、ボルト40aの頭部の形状と同形の六角形に形成されており、ボルト40aの頭部が嵌まることで、ボルト40aの回転を規制するようになっている。凹部57aは、テーパ状に形成された断面略台形状の被係止部56の長辺側に形成されており、ボルト40aの軸部が、被係止部56の短辺側と当接する爪ホルダー58側に延出するように構成されている。 【0043】 爪ホルダー58は、耕耘軸10の径方向に延出しており、断面形状が略コの字形に形成された部材にて構成されている。爪ホルダー58は、その一端部が耕耘軸10の外周面11に固定され、他端部が耕耘爪55の被係止部56の段部23が当接する端面59を構成している。爪ホルダー58の内側は、耕耘爪55の被係止部56が当接する係止部60を構成している。係止部60は、耕耘爪55の被係止部56の表面の縮幅形状に沿うテーパ状に形成されている。また、爪ホルダー58には、ボルト40aが挿通されるボルト孔61が形成されている。 【0044】 このような構成の耕耘爪55を爪ホルダー58に固定するに際しては、まず、耕耘爪55を爪ホルダー58の内側部分に挿入し(図7(b)参照)、耕耘爪55のボルト孔57にボルト40aを挿入する。そして、図7(c)に示すように、爪ホルダー58側から、ボルト40aの軸部に、ワッシャ40bとナット40cを装着し、ナット40cを螺合させる。このとき、ボルト40aの頭部は、被係止部21のボルト孔57の凹部57aに嵌まって、回転が規制されているので、ナット40cを回転させるだけで、締付けを行うことができる。 【0045】 このような構成によれば、耕耘爪55の傾動を防止できるなどの第一の実施の形態と同様の作用効果を得られる他に、第一の実施の形態と比較して、爪ホルダー58の部品点数が少ないので、構造が簡単となるとともに、取付け作業の容易化および、耕耘装置1の軽量化を達成できる。また、爪ホルダー58の片面が開放されているので、土砂が付着したとしても容易に除去することが可能であり、さらに、耕耘爪55の交換時に、耕耘爪55をボルト40aの延出方向にずらすだけで容易に取り外すことができる。 【0046】 図8は本発明に係る耕耘装置を実施するための最良の第四の形態を示した斜視図、図9は本発明に係る耕耘爪を実施するための最良の第四の形態を示した斜視図および正面図である。 【0047】 図8に示すように、本実施の形態は、ボルト40aの差込み方向(挿入方向)が、耕耘軸10の軸方向に対して、直交するように構成された形態である。爪ホルダー75は、第一の実施の形態と同様の形状の第一ホルダー75aと第二ホルダー75bとで構成されている。これら第一ホルダー75aおよび第二ホルダー75bは、耕耘軸10の軸方向に延びるように広がって横向きに配置されている。これに対応して、爪ホルダー75の開口部は、耕耘軸10の軸方向に沿って横方向に広がるように構成されている。 【0048】 そのため、図8及び図9に示すように、耕耘爪70は、回転方向に沿って広がる胴部71に対して、被係止部72が直交して横方向に広がるように構成されている。被係止部72の、耕耘軸10の周方向両側(図9における上下両側)には、爪ホルダー75の端面76に当接する段部73がそれぞれ形成されている。段部73は、被係止部72の幅で形成されており、段部73で対抗可能な応力を高めている。 【0049】 このような構成によれば、耕耘爪70の傾動を防止できるなどの第一の実施の形態と同様の作用効果を得られる他に、耕耘爪70の固定時に、ボルト40aに装着したナット40cを、耕耘軸10に対して平行ではなく、耕耘機2(図1参照)の前後方向に向けることができるので、インパクトドライバー77を用いて作業を行うことができ、強固な締付けを容易に行うことができる。 【0050】 図10は本発明に係る耕耘装置を実施するための最良の第五の形態を示した斜視図、図11は本発明に係る耕耘爪を実施するための最良の第五の形態を示した斜視図および正面図である。 【0051】 図10に示すように、本実施の形態は、ボルト40aの差込み方向(挿入方向)が、耕耘軸10の軸方向に対して、斜めに傾斜(本実施の形態では略45度)するように構成された形態である。爪ホルダー85は、第一の実施の形態と同様の形状の第一ホルダー85aと第二ホルダー85bとで構成されている。これら第一ホルダー85aおよび第二ホルダー85bは、耕耘軸10の軸方向に対して傾斜するように配置されている。これに対応して、爪ホルダー85の開口部は、斜めに広がるように構成されている。 【0052】 そのため、図10及び図11に示すように、耕耘爪80は、回転方向に沿って広がる胴部81に対して、被係止部82が傾斜して横方向に広がるように構成されている。被係止部82の、耕耘軸10の周囲全周には、爪ホルダー85の端面86の全周に当接する段部83が形成されている。 【0053】 このような構成によれば、耕耘爪80の傾動を防止できるなどの第一の実施の形態と同様の作用効果を得られる他に、ボルト40aが傾斜するように、爪ホルダー85を形成しているので、耕耘爪80の固定時に、ボルト40aに装着したナット40cを、隣接する爪ホルダー85の位置からずれた方向に向けることができる。したがって、インパクトドライバー77を用いて締付け作業を行うことができ、強固な締付けを容易に行うことができる。特に、本実施の形態は、爪ホルダーが螺旋状ではなく、耕耘軸10の同一円周上にリング状に配置されている場合に、他の耕耘爪とインパクトドライバー77との干渉を防止できるので有効である。 【0054】 なお、前記第四および第五の実施の形態では、爪ホルダー75,85を、ボルト40aの挿入方向が耕耘軸10の軸方向に対して直角あるいは45度に交わるよう固着した例を示したが、これは耕耘軸10と非平行に固着することの例示にすぎない。要するに、爪ホルダー75,85の固着方向は、インパクトドライバー77が、他の爪ホルダーあるいは耕耘爪と干渉せずに、その先端部品がナット40cに嵌りやすいように適宜変えるのが望ましい。 【0055】 以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、前記実施の形態では、被係止部がテーパ状に傾斜して形成されているが、これに限られるものではなく、爪ホルダーに挿入可能であれば、断面長方形あるいは、それ以外の形状であってもよいのは勿論である。 【0056】 また、図5で示した、被係止部21のテーパ面21aと縮幅側端面21bとが、爪ホルダー30の第二ホルダー30bの内表面30cに当接した状態で固定されているといった形態は、前記第二乃至第五の実施形態にも適用できるのは勿論である。 【図面の簡単な説明】 【0057】 【図1】本発明に係る耕耘爪および耕耘装置を備えた耕耘機の側面図である。 【図2】本発明に係る耕耘装置を実施するための最良の第一の形態を示した(a)は斜視図、(b)は耕耘爪および爪ホルダーの固定前の断面図、(c)は耕耘爪および爪ホルダーの固定時の断面図である。 【図3】本発明に係る耕耘爪を実施するための最良の第一の形態を示した(a)は斜視図、(b)は正面図である。 【図4】図2の部分拡大図である。 【図5】爪ホルダーと耕耘爪との接合状態の他の形態を示した断面図である 【図6】本発明に係る耕耘爪を実施するための最良の第二の形態を示した(a)は斜視図、(b)は正面図である。 【図7】本発明に係る耕耘装置を実施するための最良の第三の形態を示した(a)は斜視図、(b)は耕耘爪および爪ホルダーの固定前の断面図、(c)は耕耘爪および爪ホルダーの固定時の断面図である。 【図8】本発明に係る耕耘装置を実施するための最良の第四の形態を示した斜視図である。 【図9】本発明に係る耕耘爪を実施するための最良の第四の形態を示した(a)は斜視図、(b)は正面図である。 【図10】本発明に係る耕耘装置を実施するための最良の第五の形態を示した斜視図である。 【図11】本発明に係る耕耘爪を実施するための最良の第五の形態を示した(a)は斜視図、(b)は正面図である。 【符号の説明】 【0058】 1 耕耘装置 10 耕耘軸 11 (耕耘軸の)外周面 20 耕耘爪 21 被係止部 21a テーパ面 21b 縮幅側端面 23 段部 30 爪ホルダー 30c 内表面 31 端面 32 係止部
|
| 【出願人】 |
【識別番号】305010089 【氏名又は名称】関農機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成19年7月17日(2007.7.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064414 【弁理士】 【氏名又は名称】磯野 道造
【識別番号】100111545 【弁理士】 【氏名又は名称】多田 悦夫
|
| 【公開番号】 |
特開2008−61644(P2008−61644A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2007−185338(P2007−185338) |
|