| 【発明の名称】 |
ロータリ耕耘装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】斎藤 秀樹
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| 【要約】 |
【課題】ロータリ耕耘装置の後部を覆うリヤカバーを、自動ロック位置、固定位置、及びフリー状態を兼ねる摩擦保持位置に切換えることができるリヤカバー調節手段を提供する。
【構成】ロータリ耕耘装置1のリヤカバー20は、吊りロッド27を介してリヤカバー調節手段30を設けた主カバー18と連結しており、任意の位置で固定できる。リヤカバー調節手段30は、スプリング35、37により付勢された操作ピン33とロックピン32とを有しており、ロックピン32は操作ピン33と独立して作動することができる。リヤカバー調節手段30は、リヤカバー20を上方移動を許容しかつ下方移動を阻止する自動ロック位置と、上下方向ともに揺動を阻止する固定位置と、リヤカバー20の重量が作用する状態では保持しかつ該重量の作用が開放すると自由に上下動するフリー状態となる摩擦保持位置とに切換えることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ロータリ耕耘部の上方を覆う主カバーと、 該主カバーに揺動自在に連結され前記ロータリ耕耘部の後方を覆うリヤカバーと、 前記主カバー及び前記リヤカバーのいずれか一方に連結されると共に他方に摺動自在に支持される吊りロッドと、を備えてなるロータリ耕耘装置において、 前記吊りロッドを摺動自在に支持する部分に配置され、前記リヤカバーを、上方移動を許容しかつ下方移動を阻止する自動ロック位置と、上下方向ともに摺動を阻止する固定位置と、前記リヤカバーの重量が作用する状態では保持しかつ該重量の作用を開放すると自由に上下動するフリー状態となる摩擦保持位置と、に切換え得るリヤカバー調節手段を備えた、 ことを特徴とするロータリ耕耘装置。 【請求項2】 前記ロータリ耕耘部のトップマストに操作手段を設け、該操作手段を前記リヤカバー調節手段に連動して、前記操作手段の操作により前記リヤカバー調節手段を操作してなる、 請求項1記載のロータリ耕耘装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、トラクタ等の走行機体に装着されるロータリ耕耘装置に係り、詳しくは、ロータリの後方を覆うリヤカバーの支持構造に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、ロータリ耕耘装置は、駆動力を受けて回転する爪軸上に多数の耕耘爪が取り付けられたロータリ耕耘部と、ロータリ耕耘部を覆うロータリ耕耘カバーを備えており、圃場面の耕耘に使用されている。ロータリ耕耘カバーは、ロータリ機枠に固定されてロータリ耕耘部の上方を覆う主カバーと、主カバーの後端側に上下方向に揺動自在に連結されてロータリ耕耘部の後方を覆うリヤカバーとを有しており、ロータリ耕耘部にて耕耘された耕耘土の飛散防止などをしている。 【0003】 リヤカバーは、耕耘土の飛散防止以外に、種々の目的に使用される。例えば、代掻き時等のようにリヤカバーを最下げ状態で固定して、耕耘と同時に圃場面を押圧して耕耘土を均平に仕上げたり、ロータリ耕耘装置の後方に畝立て機を連結して、耕耘土の土寄せにより畝立てをする際には、リヤカバーは中段に固定して使用される。また、ロータリ耕耘部に付着した泥を取除くなどの清掃整備時では、清掃整備の邪魔とならないようリヤカバーを上段に固定して使用される。さらに、ロータリ耕耘装置本体をトラクタのヒッチから外して格納庫などに収容する際には、リヤカバーを本体の回止めとして使用する場合もある。 【0004】 これらの目的に使用されるリヤカバーは、任意の揺動位置で固定できる連結機構により主カバーに連結支持されている。連結機構は、主カバーに設けた取付ブラケットにリヤカバーに連結する吊りロッドを嵌挿支持し、吊りロッドに形成した係合孔に取付ブラケットより係合ピンを進退させて係合して、リヤカバーの位置を固定できるように構成されている。本連結機構は、ロータリ耕耘装置のトップマストに取付けた操作具とワイヤを介して連結しており、トラクタ上の作業者により各耕耘作業に応じた操作が可能となっている(特許文献1)。 【0005】 また、前記連結機構を改良し、リヤカバーの移動を完全に止めるロック状態と、リヤカバーの移動を完全に自由とするフリー状態と、一方向の移動を許容するオートハンガー状態と、に保持できるものがある。係る連結機構は、多数の係合凹部が形成された吊りロッドに、先端に傾斜面を形成した係合ピンが係合することにより、リヤカバーを各位置で固定できると共に、リヤカバーの一方向の動きを許容しながら他方向の動きを阻止できる構造となっている(例えば、特許文献2、及び特許文献3)。 【0006】 【特許文献1】特開平9−168304号公報 【特許文献2】特許第3431979号公報 【特許文献3】特開2004−16087号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 しかし、上記特許文献1に記載されるロータリ耕耘装置は、例えば、下方位置にあるリヤカバーを上昇させた位置で固定する場合には、作業者によりリヤカバーを持上げ、吊りロッドに形成した係合孔と係合ピンとの位置合わせをした後、リヤカバーの位置を維持しながら片手でトップマストに取付けた操作具を操作して係合孔に係合ピンを係合させる必要がある。このため、各作業を片手により同時に行わなければならず、リヤカバーの上昇固定作業を困難にしていた。また、耕耘土の均平をする際には、上方位置で固定されたリヤカバーをフリー状態、或いは下方位置に切換えるが、前記係合孔内に挿入された係合ピンには、リヤカバーの重量が作用しており、係合ピンの抜出し操作するにはリヤカバーの自重に抗する大きな力が必要となり、係合ピンの抜出し操作具を強固な構造にせざるを得なかった。 【0008】 また、上記特許文献2及び3に記載されるロータリ耕耘装置では、先端に傾斜面を形成した係合ピンの作用により、リヤカバーを下方位置から上方へ向けての移動を許容しているが、特に、特許文献2に記載されるロック装置では、リヤカバーの移動を固定するロック位置と、リヤカバーの移動を完全に自由とするフリー位置と、リヤカバーの一方向の移動を許容するオートハンガー状態との3態様に設定することは可能であるものの、ロック位置及びオートハンガー状態からフリー位置に切換えるモードを有しておらず、上述抜出し操作具と同様に、リヤカバーの重量に抗してロック装置を操作しなければならず、ロック装置を強固な構造にする必要があった。また、特許文献3に記載される後部リヤカバー支持装置では、リヤカバーの揺動を自由にするフリー状態と、リヤカバーの揺動を固定するロック状態と、リヤカバーの上方移動のみを固定するセミロック状態との3態様に設定することは可能であるが、ロック状態及びセミロック状態からフリー状態に切換えるモードを有しておらず、上記と同様の課題を有している。 【0009】 そこで、本発明は、リヤカバーに連結する吊りロッドの固定位置を調節するリヤカバー調節手段を設け、リヤカバーを自動ロック位置、固定位置、及び摩擦保持位置に切換えることを可能とし、もって上記した課題を解決したロータリ耕耘装置を提供することを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0010】 前記目的を達成するため、請求項1に係る本発明は、ロータリ耕耘部(13a)の上方を覆う主カバー(18)と、 該主カバーに揺動自在に連結され前記ロータリ耕耘部(13a)の後方を覆うリヤカバー(20)と、 前記主カバー(18)及びリヤカバー(20)のいずれか一方に連結されると共に他方に摺動自在に支持される吊りロッド(27)と、を備えてなるロータリ耕耘装置(1)において、 前記吊りロッド(27)を摺動自在に支持する部分(25)に配置され、前記リヤカバー(20)を、上方移動を許容しかつ下方移動を阻止する自動ロック位置(例えば、図4)と、上下方向ともに摺動を阻止する固定位置(例えば、図5)と、前記リヤカバー(20)の重量が作用する状態では保持しかつ該重量の作用を開放する自由に上下動するフリー状態となる摩擦保持位置(例えば、図3、図6)と、に切換え得るリヤカバー調節手段(30)を備えた、 ことを特徴とするロータリ耕耘装置にある。 【0011】 請求項2に係る本発明は、前記ロータリ耕耘部(13a)のトップマスト(9)に操作手段(40)を設け、該操作手段を前記リヤカバー調節手段(30)に連動して、前記操作手段(40)の操作により前記リヤカバー調節手段(30)を操作してなる、 請求項1記載のロータリ耕耘装置にある。 【0012】 なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するものであり、これにより特許請求の範囲の記載に何等影響を及ぼすものではない。 【発明の効果】 【0013】 請求項1に係る本発明によると、リヤカバーに連結された吊りロッドは、リヤカバー調節手段を介して主カバーに支持されているので、リヤカバー調節手段により、リヤカバーを上方移動を許容しかつ下方移動を阻止する自動ロック位置と、上下方向ともに摺動を阻止する固定位置と、前記リヤカバーの重量が作用する状態では保持しかつ該重量の作用を開放すると自由に上下動するフリー状態となる摩擦保持位置と、に切換えることができる。よって、固定位置又は自動ロック位置にあるリヤカバーは、摩擦保持位置を経た後にフリー状態となるので、リヤカバー調節手段を操作するための機構が簡略化できると共に、リヤカバーが不用意に下降することがなくなり、作業の安全性を確保することができる。 【0014】 請求項2に係る本発明によると、リヤカバー調節手段は、ロータリ耕耘部本体のトップマストに設けた操作手段により操作されるので、例えば、トラクタを操行操舵する作業者が、運転台に居ながら操作手段を操作してリヤカバーの位置を切換えることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。ロータリ耕耘装置1は、図1及び図2に示すように、トラクタ(走行機体)2の後方に3点リンク装置3を介して昇降自在に連結される。3点リンク装置3は、2本のロワーリンク3aと、1本のトップリンク3bとを有しており、2本のロワーリンク3aは、トラクタ機体2の後部左右にピンにて連結されると共に、リフトロッド5を介してリフトアーム6に連結している。またトップリンク3bは、トラクタ2の後部中央に設けられたブラケット7に連結されており、これらロワーリンク及びトップリンクのロータリ側は、ヒッチ8に連結されている。上記左右のリフトロッド5の一方は、油圧シリンダ(図示せず)が介在しており、該油圧シリンダの伸縮により、トラクタ2に対してロータリ耕耘装置1を左右方向に揺動自在に制御している。 【0016】 ロータリ耕耘装置1は、トップマスト9及び伝動ケース12等からなる耕耘部本体10を有しており、該耕耘部本体が前記ヒッチ8に装着される。該耕耘部本体10の伝動装置12には、トラクタ2のPTO軸からの出力がヨークを介して入力されており、その動力を、チェーンケース11内のチェーンを介して耕耘軸13に動力伝達する。耕耘軸13には多数の耕耘爪13aが取付けられており、これら耕耘爪13aの回転によりロータリ耕耘が行われる。また、耕耘部本体10から後方に延びるアーム15を介してツールバー16が配置されており、該ツールバー16はハンドル17により高さ調節自在となっている。 【0017】 前記耕耘機体10には、上記耕耘爪13aの上部を覆うようにロータリ主カバー18が前後方向調整自在に配置されており、該ロータリ主カバー18の後部にはリヤカバー20が横方向(機体左右方向)に延びる軸21を中心に揺動自在に支持されている。また、前記ロータリ主カバー18には、耕耘爪13aの両側方を覆うようにサイドカバー22が取付けられている。本ロータリ主カバー18及びリヤカバー20の外側における左右2箇所には、それぞれ主カバーブラケット25及びリヤカバーブラケット26が固設しており、リヤカバーブラケット26に枢支されると共に主カバーブラケット25に摺動自在に吊りロッド27が配置して、リヤカバー20を下方、即ち圃場面に向けて押圧する位置、或いは上方の位置に固定することができる。 【0018】 主カバーブラケット25には、吊りロッド27の摺動位置を固定するリヤカバー調節手段30が設けられており、リヤカバー20の揺動位置を固定することができる。なお、リヤカバー調節手段30は、トップマスト9に取付けた操作レバー(操作手段)40にワイヤ36を介して連結しており、操作レバーを操作してリヤカバー20の揺動位置を変更することができる。 【0019】 ついで、リヤカバー調節手段30について説明する。リヤカバー調節手段30は、前記主カバーブラケット25に、ロータリ耕耘装置2の横方向に向けて穿孔した取付け孔25aに、回転自在に挿入されている。リヤカバー調節手段30は、図3(A)、図4(A)、図5(A)、及び図6(A)に示すように、前記吊りロッド27を支持するロックケース31と、該ロックケース内で該ケース軸方向に摺動自在に挿入されたロックピン32と、ロックピン32の摺動位置を操作する操作ピン33とを有している。 【0020】 ロックケース31は略円筒状部材であり、一方の端部31aが、取付け孔25aの一方と位置を合わせて配置している。また、主カバーブラケット25、25の間にあるロックケース31には、径方向に貫通して吊りロッド27が摺動自在に挿通する吊りロッド挿通孔31bが穿孔している。さらに、ロックケース31の軸方向には、内径差を設けた貫通孔が形成されており、小径に形成されたロックピン摺動孔31dが前記吊りロッド挿通孔31bと交差する位置に、該ロックピン摺動孔31dよりも大きな内径を有する操作ピン摺動孔31eが、ロックケース31の他方の端部31c側に向けて配置している。 【0021】 ロックピン摺動孔31dには、先端32aを前記吊りロッド挿通孔31bの近傍に合わせたロックピン32が配置している。該ロックピン32の先端32aは傾斜した面に形成されており、ロックピン摺動孔31dを軸方向に移動した際に、吊りロッド挿通孔31bから傾斜面を突出できる。また、ロックピン32の後端32bは、操作ピン摺動孔31e内に位置して操作ピン摺動孔31eの内径と略同じ外径の係合突起が形成されており、ロックピン32に遊嵌するロックピンスプリング35の一端が当接している。本ロックピンスプリング35の他端は、操作ピン摺動孔31eとロックピン摺動孔31dとの段差部に当接されて、ロックピン32を吊りロッド挿通孔31bから離間する方向に付勢している。ロックピン32の周面には、ロックケース31に対しロックピン32の回動を阻止する少なくとも1つの面32cが形成されている。この場合に、面32cと対向するロックピン摺動孔31d側にも、面32cに摺接する面が形成されている必要があるが、例えば、ロックピン32及びロックピン摺動孔31dの断面形状を、矩形、或いは楕円形状などの非円形により成形した場合には、ロックケース31に対してロックピン32が回動することはないので、面32cを省略することもできる。このように回止めされたロックピン32は、先端32aに形成した傾斜面が一定の向きに保持されながらロックピン摺動孔31d内を摺動して、前記吊りロッド挿通孔31bから先端32aを序々に突出することができる。なお、先端32aは、吊りロッド27の周面に多数個が形成された係合孔27aの一つに挿入して、吊りロッド27の位置を固定できる。 【0022】 ロックケース31の操作ピン摺動孔31eに挿入されたロックピン32の後端32b側には、操作ピン33が摺動自在に配置している。操作ピン33は略円柱状に形成された部材であり、前端側近傍には、径方向に向けて係合突起33cが突設していると共に、後端側33bには、操作レバー42に連結する操作ワイヤ36が接続されている。本操作ピン33には、一端側を係合突起33cに当接し、他端をロックケース31の端部31cに設けたエンドキャップ38に当接した操作ピンスプリング37が遊嵌しており、該操作ピンスプリング37により、前記ロックピン32を吊りロッド挿通孔31bの方向に付勢している。なお、操作ピンスプリング37の付勢力は、前記ロックピンスプリング35の付勢力に対して強く設定されており、操作ピン33に操作ワイヤ36からの力が作用しない場合には、操作ピンスプリング37がロックピンスプリング35を圧縮して、操作ピン33を介してロックピン32を係合方向に移動することができる。 【0023】 ついで、上述したリヤカバー調節手段30を操作する操作手段について説明する。操作手段40は、図3(B)、図4(B)、図5(B)、及び図6(B)に示すように、トップマスト9の片側面に固設した操作ケース41に、操作レバー42を軸支して構成されている。操作ケース41は、略矩形に形成された箱型部材であり、一方の側面には、前記リヤカバー調節手段30と連結する操作ワイヤ36のワイヤガイド36aが長さを調節自在にボルト固定されており、対向する側面近傍には、操作レバー42を揺動自在に軸支する軸41aが設けられている(図3(B)を参照)。軸41aに軸支された操作レバー42は、軸41aを中心に短尺側42aと長尺側42bとを有しており、短尺側42aには前記操作ワイヤ36が連結していると共に、長尺側42bには、作業者により掴持されるハンドル部が形成している。この場合に、短尺側42aとワイヤ36との連結は、ワイヤ36の撓みを吸収できる構造により連結している。また、長尺側42bの略中央部には、操作レバー42の長手方向に長孔42cが穿孔しており、トップマスト9の一側面に突設した3つの係合ピン9a、9b、9cと選択的に係合可能となっている。係合ピン9a、9b、9cは、前記軸41aを中心とする同一円周上に配置しており、操作レバー42を時計回り方向に傾倒して、係合ピン9aに長孔42cを係合させると、操作ワイヤ36を最も引出してフリー状態(摩擦保持位置)で固定することができる(図3(A)(B)を参照)。 【0024】 摩擦保持位置では、リヤカバー調節手段30を操作して、操作ピン33を吊りロッド挿通孔31bから最も離間した位置で保持している。同様に、係合ピン9bに長孔42cを係合させると、操作ワイヤ36は中間位置で固定され、操作ピン33を吊りロッド挿通孔31b方向に一段近づけた自動ロック位置で保持できる(図4(A)(B)を参照)。さらに、係合ピン9cに長孔42cを係合させると、操作ワイヤ36は押出された位置で固定され、操作ピン33を最も吊りロッド挿通孔31bに近づけた固定位置で保持できる(図5(A)(B)を参照)。なお、この場合に、係合ピン9a、9b、9cと操作レバー42の長孔42cとの係合解除は、操作レバー42を操作レバー42の剛性に抗してトップマスト9の一側面から離間する方向に操作して行われる。 【0025】 ついで、以上の構成によるロータリ耕耘装置の作用について説明する。トラクタ2に連結されたロータリ耕耘装置1は、トラクタ2からの動力を受けた耕耘爪13aが回転駆動して圃場面を耕耘する。通常の耕耘作業では、リヤカバー20が、耕耘爪13aの回転により散らされた耕耘土を受け止めて周囲への飛散を防ぎ、また、耕耘により隆起した耕耘土を押圧して、耕耘後の圃場面を均平に仕上げている。畝立て作業など圃場面の均平が必要でない耕耘時には、リヤカバー20を圃場面から離間した位置で固定して、圃場面を均平せずに耕耘作業が進行する。さらに、耕耘部の清掃や整備作業などでは、リヤカバー20を持上げた状態で固定される。ロータリ耕耘装置1をトラクタ2から分離して格納庫などに格納する場合には、分離したロータリ耕耘装置本体の転倒を防ぐため、上方位置に固定したリヤカバー20によりロータリ耕耘装置1の後部側が支持される。 【0026】 以上のように、各作業状態に応じてリヤカバー20の位置を切換えるには、操作手段40に設けた操作レバー42の傾倒操作により行われる。通常の耕耘作業などにより、リヤカバー20を下方位置に切換えるには、操作レバー42を係合ピン9aのフリー状態(摩擦保持位置)に合わせる(図3(A)(B))。摩擦保持位置では、操作レバー42により操作ワイヤ36が引かれ、操作ワイヤ36に繋がるリヤカバー調節手段30の操作ピン33が操作ピンスプリング37を圧縮する方向に移動する。操作ピン33の移動により、操作ピン33に当接するロックピン32は、ロックピンスプリング35の付勢力により操作ピン33と同一の方向、すなわち、吊りロッド挿通孔31bから離間する方向に移動する。 【0027】 フリー状態では、ロックピン32の先端32aは吊りロッド挿通孔31bから離間した位置にあるので、吊りロッド27は吊りロッド挿通孔31bを貫通する方向に自由に移動でき、リヤカバー20は自重により下方位置に移動する。また、耕耘作業中に、リヤカバー20が圃場面と接触などして、リヤカバー20を持上げる方向の力が作用した場合には、吊りロッド27が吊りロッド挿通孔31b内を摺動して自由な位置まで移動できる。 【0028】 次に、リヤカバー20による耕耘土の均平が必要でない場合には、リヤカバー20を圃場面から浮かせた状態で耕耘が行われる。本状態に切換えるには、上述した摩擦保持位置にある操作レバー42を、係合ピン9bの自動ロック位置に合わせる(図4(A)(B))。自動ロック位置では、操作レバー42により操作ワイヤ36が一段階押し出され、操作ピンスプリング37の付勢力により操作ピン33が吊りロッド挿通孔31b側に移動する。操作ピン33の作動により、ロックピンスプリング35を圧縮してロックピン32を押し出し、先端32aの傾斜面は吊りロッド挿通孔31bに突出した位置で保持される。 【0029】 自動ロック位置にあるロックピン32は、操作ピンスプリング37の付勢力に抗して操作ピン33を押し戻すことができるので、ロックピン32の先端32aに形成した傾斜面に、吊りロッド27の係合孔27aが当接した際には、傾斜面に作用するロックピン32の摺動方向に分力された力により、ロックピン32を吊りロッド挿通孔31bから離間する方向に移動させる。 【0030】 一方、先端32aの傾斜していない部位に係合孔27aが当接した際には、ロックピン32にせん断方向の力を作用させるのみでロックピン32を摺動させる分力は発生せず、ロックピン32が吊りロッド挿通孔31bから移動することはない。すなわち、リヤカバー20を持ち上げるなど、リヤカバー20に上昇方向力が作用した際には、吊りロッド27の係合孔27aがロックピン32の先端32a傾斜面に作用して、ロックピン32を吊りロッド挿通孔31bから離間する方向に移動させて、リヤカバー20の上方移動が可能となる。逆に、リヤカバー20の自重などにより、係合孔27aがロックピン32の先端32aの傾斜していない面に作用する場合には、ロックピン32は移動することなく、リヤカバー20の位置を固定する。以上のように、自動ロック位置では、リヤカバー20の上方移動を許容するが、下方移動を阻止する状態を形成できる。 【0031】 次に、リヤカバー20を圃場面から浮かせた状態で固定して、リヤカバー20の上下揺動を阻止するには、操作レバー42を係合ピン9cの固定位置に合わせる(図5(A)(B))。固定位置では、操作レバー42により操作ワイヤ36が完全に押し出されて、操作ワイヤ36に繋がるリヤカバー調節手段30の操作ピン33が、操作ピンスプリング37を伸長する方向に移動する。操作ピン33の作動により、操作ピン33に当接するロックピン32は、ロックピンスプリング35を圧縮して吊りロッド挿通孔31bから完全に突出し、係合孔27a内に挿入された状態で吊りロッド27を固定する。固定位置では、ロックピン32の周面が係合孔27a内に挿入しているので、リヤカバー20に上下方向の力が加わった場合でも、吊りロッド27が上下揺動することはなく、リヤカバー20の位置を固定できる。 【0032】 なお、摩擦保持位置は、上述した自動ロック位置、又は固定位置にあるリヤカバー20を、フリー状態に移行させる際にも使用させる(図6(A)(B))。摩擦保持位置に切換えるには、自動ロック位置、又は固定位置にある操作レバー42を、係合ピン9aに合わせる。摩擦保持位置では、操作ワイヤ36が引き出され、操作ピン33がフリー状態と同様の作動をするが、ロックピン32には、吊りロッド27からの力がせん断方向に作用しているので移動せず、操作ピン33とロックピン32は操作ピン33から離間した位置にある。この状態のロックピン32には、ロックピンスプリング35の付勢力が作用しているので、吊りロッド27からのせん断力が無くなると、ロックピン32は操作ピン33と当接する方向に移動してフリー状態に移行する。 【0033】 すなわち、自動ロック位置、又は固定位置にあるリヤカバー20を持ち上げるなどして、吊りロッド27の係合孔27aとロックピン32との係合力を弱めると、ロックピンスプリング35の付勢力が勝り、ロックピン32が吊りロッド挿通孔31bから抜け出してフリー状態になる。摩擦保持位置では、操作レバー42が、操作ピン33を介して間接的にロックピン32を抜き出し操作するので、ロックピン32に係合力が作用している場合であっても容易に操作レバー42を操作できる。また、操作ピン33には大きな力が作用しないので、操作レバー42を簡易な構造、特に操作ワイヤ36を簡素化することができる。さらに、自動ロック位置又は固定位置からフリー状態へ切換えるには、操作レバー42を操作しても直ちにリヤカバー20が移動することはなく、外力、特に、リヤカバー20を作業者により持ち上げるなどすることによりフリー位置に切換わるので、不用意にリヤカバー20が作動するなど、リヤカバー20及びリヤカバー20の保持構造に過大な力が作用することがなくなる。 【0034】 最後に、上記に示した本発明による実施の形態は、ロータリ耕耘装置の最良の形態を一実施の形態として記載したものであるが、主カバーブラケット25に取付けたリヤカバー調節手段30を、リヤカバーブラケット26に取り付けることもできる。また、操作手段40は、例えば特許文献2、及び特許文献3に記載されるように、リヤカバー調節手段30に直接設けることもできる。さらに、本発明の思想は広く圃場にて使用される農用作業機へ転用可能であることを付言する。 【図面の簡単な説明】 【0035】 【図1】ロータリ耕耘装置の構成を示す側面図である。 【図2】ロータリ耕耘装置を後方から見た図である。 【図3】フリー位置にあるリヤカバー調節手段の断面を示す図である。 【図4】自動ロック位置にあるリヤカバー調節手段の断面を示す図である。 【図5】固定位置にあるリヤカバー調節手段の断面を示す図である。 【図6】摩擦保持位置にあるリヤカバー調節手段の断面を示す図である。 【符号の説明】 【0036】 1 ロータリ耕耘装置 13a ロータリ耕耘部 18 主カバー 20 リヤカバー 25 主カバーブラケット 27 吊りロッド 30 リヤカバー調節手段
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月11日(2006.8.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082337 【弁理士】 【氏名又は名称】近島 一夫
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| 【公開番号】 |
特開2008−43230(P2008−43230A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月28日(2008.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2006−220227(P2006−220227) |
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