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【発明の名称】 ロータリ式耕耘機
【発明者】 【氏名】涌田 毅

【要約】 【課題】効率の良い耕耘作業を行うことができるロータリ式耕耘機を提供することを課題としている。

【構成】耕耘爪17と、耕耘爪17の上方を覆うメインカバー18と、前端部がメインカバー18の後端部に回動自在に軸支されたにリアカバー22とを備え、機体1に連結されるロータリ式耕耘機において、側面視で先端が上面側から下面側に至る円弧状に湾曲された左右方向の中空状のステー27によりリアカバー22の前端部を構成し、上記ステー27にリアカバー22の内面側でカバー面を形成する内面板23の前端部を一体的に固着する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耕耘爪(17)と、耕耘爪(17)の上方を覆うメインカバー(18)と、前端部がメインカバー(18)の後端部に回動自在に軸支されたにリアカバー(22)とを備え、機体(1)に連結されるロータリ式耕耘機において、側面視で先端が上面側から下面側に至る円弧状に湾曲された左右方向の中空状のステー(27)によりリアカバー(22)の前端部を構成し、上記ステー(27)にリアカバー(22)の内面側でカバー面を形成する内面板(23)の前端部を一体的に固着してなるロータリ式耕耘機。
【請求項2】
リアカバー(22)を軸支する軸部材(26)が、メインカバー(18)側に軸支される支持軸(34)と、該支持軸(34)を左右方向に突出させて一体的に支持しステー(27)の端部に固着される取付リブ(33)とから構成されてなる請求項1のロータリ式耕耘機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は走行機体等に連結されるロータリ式耕耘機に関する。
【背景技術】
【0002】
耕耘爪と、耕耘爪の上方を覆うメインカバーと、前端部がメインカバーの後端部に回動自在に軸支されたにリアカバーとを備え、機体に連結される特許文献1に示されたロータリ式耕耘機が公知となっている。また、上記ロータリ式耕耘機と略同型の従来のリアカバー取付構造として図7に示すものがあり、メインカバー18の後端にリアカバー22の前端部が支持軸34を介して回動自在に軸支されており、リアカバー22の上面側に取り付けられた吊ロッド44によって回動調節される構造となっている。
【特許文献1】特開平4−304801号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図7に示されたロータリ式耕耘機においては、メインカバー18後端の受部材42内部ではリアカバー22の内面板23の前端が支持軸34の上面にカールされており、そのカール端部46と支持軸34の周面とにより段差部47が形成される。このため耕耘作業時に耕耘爪によって跳ね上げられ、受部材42の内部に入り込んだ土等が、リアカバー22の回動時、上記段差部47によって押し固められ、リアカバー22の回動を妨げる欠点がある。またリアカバー22の回動時、リアカバー22前端部には強い負荷がかかるため、リアカバー22前端部に補強部材48を取り付ける必要がある。この問題は上記特許文献の場合にも共通する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため本発明のロータリ式耕耘機は、第1に耕耘爪17と、耕耘爪17の上方を覆うメインカバー18と、前端部がメインカバー18の後端部に回動自在に軸支されたにリアカバー22とを備え、機体1に連結されるロータリ式耕耘機において、側面視で先端が上面側から下面側に至る円弧状に湾曲された左右方向の中空状のステー27によりリアカバー22の前端部を構成し、上記ステー27にリアカバー22の内面側でカバー面を形成する内面板23の前端部を一体的に固着してなることを特徴としている。
【0005】
リアカバー22を軸支する軸部材26が、メインカバー18側に軸支される支持軸34と、該支持軸34を左右方向に突出させて一体的に支持しステー27の端部に固着される取付リブ33とから構成されてなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
以上のように構成される本発明のロータリ式耕耘機によれば、リアカバーの前端回動部に段差が形成されず、先端部の土詰まりによる回動の妨げが防止されると共に、リアカバー先端が中空状のステーで構成されるので、リアカバー前端の補強部材が不要である。
【0007】
また、中空状のステーによる前端強化により、両端にのみ軸部材を設ければ足りる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は本発明を適用したトラクタ及びロータリ式耕耘機の側面図であり、図2は本発明を適用したロータリ式耕耘機の平面図である。走行機体1には上部に設けられたトップリンク2と、下部に設けられた左右のロアリンク3,3とを介してオートヒッチ4が装着されている。オートヒッチ4にはロータリ式耕耘機6が着脱自在且つ昇降自在に連結されている。走行機体1側の駆動力は図示しないヨークジョイントを介してロータリ式耕耘機6側へと伝導される。
【0009】
ロータリ式耕耘機6のパワーライン及びフレーム部の中央部には、ギアケース7が設けられている。ギアケース7の左側部には左アーム8の基端部、右側部には右アーム9の基端部が固着されている。左アーム8の左端部にはチェーンケース11、右アーム9の右端部にはサイドプレート12がそれぞれ下方に向けて設置されている。
【0010】
ギアケース7の上方には一対のトップマスト13が設けられている。トップマスト13の前方斜め上方に突出する突出部13aには上部連結部14が連結されている。上部連結部14はトップリンク2の後端を回動自在に軸支し、オートヒッチ4の上部に取り付けられている。左アーム8及び右アーム9にはそれぞれ、下部連結部16が連結されている。各下部連結部16は、対応するロアリンク3の後端を回動自在に軸支し、オートヒッチの対応する側面側の下端部に取り付けられている。以上のようにしてロータリ耕耘機6はオートヒッチ4に連結されている。
【0011】
チェーンケース11及びサイドプレート12の下端部には図示しないロータリ軸が回転自在に軸支され、ロータリ軸には複数組の耕耘爪17が一体回転するように軸装されている。上記耕耘爪17上方をカバーするメインカバー18は、チェーンケース11とサイドプレート12との間で回動自在に支持されている。メインカバー18の後側中央部はトップマスト13の中央部にロッド19により吊り下げ状態に連結され、レバー21によってロッド19の上端部の固定位置を変更することにより、メインカバー18の後端を昇降調整する。メインカバー18の後端にはリアカバー22の前端が回動自在に軸支されている。
【0012】
走行機体1側から前述のヨークジョイントを介して伝動された駆動力は、ギアケース7を介して左アーム8内の駆動軸、チェーンケース12内のチェーンへと順次伝動され、ロータリ軸を回転駆動させる。そして、走行機体1を走行させながらロータリ軸に軸装された耕耘爪17により圃場内の土等を耕耘し、リアカバー22によって耕耘した土等を均していく。
【0013】
図3(A)はステーへの軸部材の取り付け状態を表す斜視図であり、(B)はリアカバーの側面図である。リアカバー22は内面がカバー面を形成する内面板23と、内面板23の左右両側にそれぞれ前後方向に取り付けられた内面板補強用の補強リブ24と、軸部材26と、内面板23の前端に取り付けられ軸部材26を支持するステー27とを備えている。
【0014】
内面板23は、側面視においてへの字形に屈曲又は湾曲しており、後側が反り返るように円弧状に湾曲している。後端は内面板23の外面に接触するまで後側を湾曲させ、袋部28を形成している。各補強リブ24は下向きのチャネル状断面に形成され、その上面には左右に並べられた2枚1組の吊上プレート29が取り付けられている。
【0015】
ステー27は1枚の金板を屈曲又は湾曲させて筒状片状に形成してなり、その上面は側面視V字形の山型に屈曲形成された凸部27aとなっている。該凸部27aの後方壁の下端には後向きに略直角に折り曲げられた後方フラップ27bが延設されている。
【0016】
上記凸部27aの下降傾斜した前端は、上面側から下面側に向かって側面視円弧状に折り曲げられた円筒片部27cを形成している。該円筒片部27cの下辺部後方には上記フラップ27bと同方向の前方フラップ27dが延設され、両フラップ27b,27dの間は一定幅の空隙部(不連続部)27eが形成されている。さら上記ステー27の前端部左右両端にはコーナー部を切欠いた切欠部27fが形成されている。
【0017】
そして内面板23の後方上面には既述のように補強リブ22が、前端部上面には前後のフラップ27b,27dがその下面に沿う当接状態で、それぞれ溶接等により一体固着されており、ステー27の下面の空隙部27eはこれによって塞がれ全体として左右方向の中空の筒状態を形成している。また補強リブ22の前端もステー27の背面及び後方フラップ27bの上面に溶接等によって一体固着されている。
【0018】
さらに筒状のステー27の左右の開口端には、軸部材26が支持軸34を前記切欠部27fにおいて左右両側に突出させるように溶接等により固着して取り付けられている。軸部材26は、前記ステー27の各開口端に溶接される横向きの略台形状に形成された取付リブ33の前端に、支持軸34をT字形に一体固着するようにロストワックス法等により形成されている。
【0019】
支持軸34の前端周面には、図4に示すようにリアカバー22の塗装後又はメッキ後の逆吊り状態でのチェーンコンベア等での搬送・乾燥中に、ステー27内部の塗料、溶剤、メッキ洗浄剤等の液体の排出と、支持軸34の潤滑用油(グリス)溜りを兼ねた溝36が軸方向に凹設されており、支持軸34の内端側は、円筒片部27cの内面に沿って差し込まれた状態で固着されている。
【0020】
図5はメインカバー及びリアカバーの斜視図であり、図6はメインカバーにリアカバーを軸支した状態を表す側面図である。メインカバー18は、耕耘爪17の上部を覆い内面がカバー面を形成する天板37と、耕耘爪17の左右の側面をそれぞれカバーする側板38とを備えている。
【0021】
天板37外面の後側には、左端から右端に亘って取付台39が取り付けられている。取付台39は側面視への字形の板状部材で、天板37外面上に溶接等で一体的に固着された状態で、後端側は天板37の後端部と略平行になっており、後端は天板37の後端よりも後方に突出している。取付台39の上面にはブラケット41が設けられており、天板37外面の後端には、全長に亘って側面視コの字形断面の受部材42が取り付けらており、両端は側面板38によって塞がれている。
【0022】
上記受部材42内の左右両端内には軸パイプ43,43が内向きに突設され、リアカバー22の両端の支持軸34,34がそれぞれ挿入され、リアカバー22がメインカバー18に回動自在に軸支されている。そしてメインカバー18のブラケット41に吊ロッド44の基端部が回動自在に支持され、先端部がリアカバー22の吊上プレート29に連結されることにより、リアカバー22が吊支えられる。吊ロッド44の基端側の連結位置を変更してリアカバー22先端の昇降調整を行う。
【0023】
上記構成によるロータリ式耕耘機6によれば、中空状のステー27がリアカバー22前端部を構成し、ステー27前側が上面側から下面側に至る連続した曲面を形成し、ステー27の内部に軸部材26を取り付け、ステー27の左右両側から支持軸34を突出させ、リアカバー22の回動部がステー27前端になる。
【0024】
このためリアカバー22の回動部には段差部47が形成されず、リアカバー22の回動が妨げられることが防止されるとともに、ステー27がリアカバー22の前側の強度を向上させ、補強部材48が不要になる。また回動部近くの補強部材48が不要になることにより、リアカバー22の回動動作はさらにスムーズになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】トラクタの及びロータリ式耕耘機の側面図である。
【図2】ロータリ式耕耘機の平面図である。
【図3】(A)はステーへの軸部材の取り付け状態を表す斜視図であり、(B)はリアカバーの側面図である。
【図4】リアカバーの製造工程の一部を示す側面図である。
【図5】メインカバー及びリアカバーの斜視図である。
【図6】メインカバーにリアカバーを軸支した状態を表す側面図である。
【図7】従来のロータリ式耕耘機に関するもので、メインカバーにリアカバーを軸支した状態を表す側面図である。
【符号の説明】
【0026】
1 走行機体(機体)
17 耕耘爪
18 メインカバー
22 リアカバー
23 内面板
26 軸部材
27 ステー
33 取付リブ
34 支持軸
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成18年7月31日(2006.7.31)
【代理人】 【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠


【公開番号】 特開2008−29290(P2008−29290A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−208282(P2006−208282)