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【発明の名称】 畦成形装置
【発明者】 【氏名】蛯沢 薫

【氏名】加賀沢 豪紀

【氏名】樋口 健夫

【要約】 【課題】トラクタに連結して畦を成形する際、畦成形部の直進性を良くすると共に、畦角部成型時にトラクタが旋回し畦から遠ざかっても畦に平行に畦成形部が畦成形可能な畦成形装置を提供する。

【構成】トラクタTに装着される装着フレーム2が、トラクタTに装着される第1フレーム25と、第1フレーム25に対して移動自在であると共に連結部3と回動自在に連結される第2フレーム26とからなる。連結部3による装着フレーム2と畦成形部43との連結は、回動固定あるいは回動自在である。畦成形部43の畦成形方向と平行であると共に連結部3の回動中心を通る直線の近傍位置であって且つ畦成形部43の進行方向後方側に位置する抵抗輪6を備え、畦成型時に畦成形部43からの反力に抗する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体に装着される装着フレームを備え、走行機体の走行位置に対してオフセットした位置で畦を成形可能な畦成形部を備え、畦成形部は連結部によって装着フレームに対して水平方向へ回動自在に連結され、走行機体によって牽引されることで畦成形部が畦を成形可能な畦成形装置において、
連結部による装着フレームと畦成形部との連結は、回動固定あるいは回動自在であり、
畦成形部の畦成形方向と平行であると共に連結部の回動中心を通る直線の近傍位置であって且つ畦成形部の進行方向後方側に位置する抵抗輪を備え、
抵抗輪が畦成形部からの反力に抵抗可能なことを特徴とする畦成形装置。
【請求項2】
走行機体に装着される装着フレームを備え、走行機体の走行位置に対してオフセットした位置で畦を成形可能な畦成形部を備え、畦成形部は連結部によって装着フレームに対して水平方向へ回動自在に連結され、走行機体によって牽引されることで畦成形部が畦を成形可能な畦成形装置において、
装着フレームが、走行機体に装着される第1フレームと、第1フレームに対して移動自在であると共に連結部と回動自在に連結される第2フレームとからなり、
連結部による装着フレームと畦成形部との連結が、回動固定あるいは回動自在であることを特徴とする畦成形装置。
【請求項3】
走行機体に装着される装着フレームを備え、走行機体の走行位置に対してオフセットした位置で畦を成形可能な畦成形部を備え、畦成形部は連結部によって装着フレームに対して水平方向へ回動自在に連結され、走行機体によって牽引されることで畦成形部が畦を成形可能な畦成形装置において、
装着フレームが、走行機体に装着される第1フレームと、第1フレームに対して移動自在であると共に連結部と回動自在に連結される第2フレームとからなり、
連結部による装着フレームと畦成形部との連結は、回動固定あるいは回動自在であり、
畦成形部の畦成形方向と平行であると共に連結部の回動中心を通る直線の近傍位置であって且つ畦成形部の進行方向後方側に位置する抵抗輪を備え、
抵抗輪が畦成形部からの反力に抵抗可能なことを特徴とする畦成形装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、トラクタ等の走行車に装着して使用する畦成形装置に係り、詳細には、畦成形時に走行車に対して回動自在となった畦成形装置の走行を安定させる畦成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
圃場の周囲を形作る畦を手作業によって成形するのは重労働である。
そこで、トラクタ等の走行車に連結させて畦を自動的に成形させる畦成形装置が考えられ、種々の発明が成されている。
そして、圃場は一般的に角部を有する矩形状に成形されているので、畦の自動成形に当っては、トラクタ等の走行車の後方に連結した場合には、該角部を成形するのが困難であった。このため、作業部を反転させた後に後退作業によって畦角部を成形する方法等が行われていた。
【0003】
この問題を解決した発明も種々成されているが、例えば、『オフセット作業機』(特開2004−357633、以後、従来例1という。)がある。
そして、従来例1に表すオフセット作業機は、図15に表すように、畦塗り機101であり、トラクタ等の走行機体180の後部に対して回動自在に取り付けて用いられる。この畦塗り機101は、走行機体180の側方に旋回動可能な単一のオフセットフレーム110を備え、オフセットフレーム110の一端(前端部)で走行機体180と連結される。そして、オフセットフレーム110の他端(後端部)には、作業部130が連結され水平方向に回動可能である。畦の成形は作業部130が行う。
オフセットフレーム110は、作業部130との連結部である後端部に回転動自在に配設された上下に延びる駆動軸を有する。この駆動軸は、オフセットフレーム110内に配設された巻き掛け伝動機構を介して走行機体180からの駆動力が伝達される。そして、駆動軸には、回転中心軸と同軸上に連結された回転軸が設けられ、回転軸に作業部130が水平回動自在に配設され作業部130は回動自在となっている。作業部130は、圃場の周辺に形成された旧畦の上部を切り崩す天場処理部136と、切り崩された土の土盛りを行なう前処理部140と、盛られた土を切り崩された旧畦上に塗り付ける整畦部144を具備している。また、オフセットフレーム110は、走行機体180とは走行機体側回動軸201によって、作業部130とは回動軸131によって、それぞれ両端で連結されてなる。
【0004】
そして、このように構成するオフセット作業機101は、図16に表すように、走行機体180後部に連結され、図16中下方位置から直線的に圃場の一辺Fa(畦)を成形して行く。そして、角部へ差し掛かると作業部130は、それぞれ走行機体180自体が走行機体180b、走行機体180c、走行機体180dと回転して行くのに対し、作業部130b、作業部130c、作業部130dと走行機体180に対して旋回動し順次畦の直線部を成形していく。このとき、走行機体180と作業体130とは、オフセットフレーム110の走行機体180側に設けた走行機体側回動軸201と作業部130側に設けた回動軸131とが回動することによって変位し、走行機体180と作業部130とは相互に同じ方向へ移動しない。
従って、作業部130は畦の角部へ差し掛かると、走行機体180との角度を増してやがて角部では直角となる。
【特許文献1】特開2004−357633号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来例1では、走行機体180の進行方向に作業部130を牽引している時に、補助輪200が走行機体側回動軸201の進行方向後方あるいはその近傍に位置していないので、補助輪200が抵抗となり、作業部130が本来成形すべき畦Faから離れる方向へ変位しようとする力が加わる。これにより、走行機体180の進行方向を強制的に調整する必要であったり、何もしない場合には、畦Faが湾曲して成形されてしまうというような問題点を有し、いずれも直進性の不安定さによって発生する問題点である。更に、図16に表すように、走行機体180が旋回を開始すると、旋回による走行機体180の進行方向の牽引力のうち、牽引される作業部130および補助輪200を進行させたい方向の分力は作業部130および補助輪200を前進させるために作業するが、畦と垂直方向の分力は、作業部130および補助輪200を畦から遠ざける方向に働く。しかしながら、従来例1では、走行機体180が作業部130を牽引する際の牽引力の作用点が回動軸201であり、作業部130を進行させたい方向に対して、牽引される作業部130および補助輪200が回動軸201を挟んで走行機体180の反対側に位置するので、牽引されている作業部130および補助輪200は、回動軸201を中心に後方へ回動しようとする抵抗となり、走行機体180の旋回時は強制的に回動規制が必要であるという問題点を有した。また、補助輪200を回動軸201を挟んで作業部130と反対側に設置すると、走行機体180に牽引される畦塗り機101全体の幅が大きくなってしまうという問題点を有するばかりか、走行機体180が前記畦から離れようとする分力に対する抗力が大きくなり作業部130の進行方向を畦から離れる方向へ向かわせてしまい畦を直線状に形成できないという問題点を有した。
従って、畦部の成形時には走行機体180の操作により一層の注意が必要となり作業者の負担が増してしまうという問題点を有した。
また、従来例1では、畦の角部に近づき走行機体180が旋回した際に、走行機体180が畦から遠ざかっても作業部130が畦と平行に畦を成形しながら移動可能とするために、走行機体180側の走行機体側回動軸201および作業部130側の回動軸131を設け、オフセットフレーム110によって走行機体180と作業部130との間の距離を調整していた。しかしながら、回動軸が2点となることで、それぞれの回動軸131、201に角度調整機構やリンク機構等の附帯機構が必要となるので、構造の複雑化や製造コストの増加等の問題点を有した。
【0006】
そこでこの発明は、上記問題点に鑑み、走行機体による直進の安定性を向上させると共に、圃場における畦の角部までを走行機体が圃場の中のみの移動によって可能な畦成形装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明では、上記課題を解決するため、直進の安定性を図るために、
【0008】
走行機体に装着される装着フレームを備え、走行機体の走行位置に対してオフセットした位置で畦を成形可能な畦成形部を備え、畦成形部は連結部によって装着フレームに対して水平方向へ回動自在に連結され、走行機体によって牽引されることで畦成形部が畦を成形可能な畦成形装置において、
連結部による装着フレームと畦成形部との連結は、回動固定あるいは回動自在であり、
畦成形部の畦成形方向と平行であると共に連結部の回動中心を通る直線の近傍位置であって且つ畦成形部の進行方向後方側に位置する抵抗輪を備え、
抵抗輪が畦成形部からの反力に抵抗可能なことを特徴とする畦成形装置を提案する。
【0009】
従ってこの発明による畦成形装置は、走行機体の走行方向と畦成形部の畦成形方向とが平行に移動される場合、即ち、走行機体が畦に対して平行に走行される場合には、畦成形部が連結保持手段によって回動しないように固定される。また抵抗輪は、装着フレームの進行方向後方に位置し、走行機体の走行方向と同一方向に移動される。圃場の角部、即ち、直線上の畦の終点部に近づくにつれ、走行機体の進行方向を畦から離れる方向へ旋回させる場合に、連結保持手段による装着フレームに対する畦成形部の回動固定保持を解除させる。これにより、走行機体の進行方向が畦から離れても、畦成形部は走行機体とは別の方向へ直進可能となる。
このとき、畦成形部は、走行機体から回動自在な連結状態となるため、畦からの反力(畦成形部自体の畦成形作用によって発生する力や圃場から受ける力も含む。以下、単に反力という。)により、畦から離れる側へ即ち圃場側へ移動しようとするが、抵抗輪が畦成形部の進行方向と同一方向で且つ畦成形部と装着フレームとの回動中心を通る直線上にあるので、畦成形部の畦からの反力に抗して畦成形部を直進させるように作用する。
またこの発明では、
【0010】
走行機体に装着される装着フレームを備え、走行機体の走行位置に対してオフセットした位置で畦を成形可能な畦成形部を備え、畦成形部は連結部によって装着フレームに対して水平方向へ回動自在に連結され、走行機体によって牽引されることで畦成形部が畦を成形可能な畦成形装置において、
装着フレームが、走行機体に装着される第1フレームと、第1フレームに対して移動自在であると共に連結部と回動自在に連結される第2フレームとからなり、
連結部による装着フレームと畦成形部との連結が、回動固定あるいは回動自在であることを特徴とする畦成形装置を提供する。
【0011】
従ってこの畦成形装置では、走行機体が畦の角部に近づき旋回を開始して畦成形部が成形している畦から離れ始める。この時、装着フレームの第2フレームが第1フレームに対して移動自在なので、走行機体の進行方向後方へ移動し装着フレームが伸張する。これにより、連結部を介して第2フレームに連結されている畦成形部は、第2フレームと共に走行機体の進行方向後方側へ移動されるので、畦から離れる走行機体に反して畦成形部は畦と平行に移動し、順次畦を成形可能である。
更にこの発明では、
【0012】
走行機体に装着される装着フレームを備え、走行機体の走行位置に対してオフセットした位置で畦を成形可能な畦成形部を備え、畦成形部は連結部によって装着フレームに対して水平方向へ回動自在に連結され、走行機体によって牽引されることで畦成形部が畦を成形可能な畦成形装置において、
装着フレームが、走行機体に装着される第1フレームと、第1フレームに対して移動自在であると共に連結部と回動自在に連結される第2フレームとからなり、
連結部による装着フレームと畦成形部との連結は、回動固定あるいは回動自在であり、
畦成形部の畦成形方向と平行であると共に連結部の回動中心を通る直線の近傍位置であって且つ畦成形部の進行方向後方側に位置する抵抗輪を備え、
抵抗輪が畦成形部からの反力に抵抗可能なことを特徴とする畦成形装置を提供する。
【0013】
従ってこの畦成形装置では、走行機体が畦の角部に近づき旋回を開始して畦成形部が成形している畦から離れ始める。この時、装着フレームの第2フレームが第1フレームに対して移動自在なので、走行機体の進行方向後方へ移動し装着フレームが伸張する。これにより、連結部を介して第2フレームに連結されている畦成形部は、第2フレームと共に走行機体の進行方向後方側あるいは進行方向斜め後方側へ移動されるので、畦から離れる走行機体に反して畦成形部は畦と平行に移動し、順次畦を成形可能である。同時に、抵抗輪が常に連結部の回動中心を通り畦成形部の走行方向と平行な直線上に位置するので、走行機体が旋回して畦から離れても、抵抗輪が畦成形部の畦からの反力に抗して畦成形部を直進させるように作用する。
【発明の効果】
【0014】
従ってこの発明によれば、畦成形装置に前記の通り抵抗輪を備えるので、畦成形部が畦形成時に畦から受ける反力に抗して畦成形部を直進させることが可能であり、畦形成時にその成形方向を安定させることが可能となり、畦成形装置による圃場の直線部および角部における畦形成の作業を容易にすることができるという効果を有する。
【0015】
また、この発明によれば、畦成形装置が、装着フレームを走行機体と連結する第1フレームおよび畦成形部と連結する連結部と回動自在で且つ第1フレームに対して移動可能な第2フレームにより構成するので、走行機体が旋回して走行機体と畦成形部とが離れていっても、畦成形部は畦と平行に移動可能となるので、走行機体に対して畦成形部が回動するための回動軸が1箇所でも良好な畦の成形が可能である。
更に、装着フレームを走行機体と連結する第1フレームおよび畦成形部と連結する連結部と回動自在で且つ第1フレームに対して移動可能な第2フレームにより構成し、合わせて抵抗輪を畦成形装置に前記の通り抵抗輪を備えることで、走行機体が旋回し畦から離れ装着フレームの第2フレームが走行機体の進行方向後方へ移動しても、抵抗輪の抗力によって畦成形部を畦に沿って平行に移動させることが可能であるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、この発明を実施するための最良の形態である実施例1を図面に基づいて説明する。図1はこの発明の実施形態である畦成形装置を表す平面説明図であり、図2は同正面説明図であり、図3は同右側面説明図であり、図4は畦成形装置が走行機体と同一方向に進む状態を表す平面説明図であり、図5は畦成形装置が走行機体と稍角度を成して進む状態を表す平面説明図であり、図6は畦成形装置が走行機体と90°の角度を成した状態を表す平面説明図であり、図7は畦成形装置が走行機体と90°以上の鈍角を成した状態を表す平面説明図であり、図8は図4の状態を表す圃場における全体説明図であり、図9は図5の状態を表す圃場における全体説明図であり、図10は図5から図6の状態への移行途中を表す圃場における全体説明図であり、図11は図6の状態を表す圃場における全体説明図であり、図12は図7の状態を表す圃場における全体説明図であり、図13は各工程を表す説明図であり、図14は実施例2である畦成形装置を表す平面説明図である。
【0017】
1は、畦成形装置である。畦成形装置1は、図1に表すように、装着フレーム2と連結部3と成形部4とからなる。
尚、図1は、実施例1である畦成形装置1を表す平面説明図であるが、図2が同正面図を表すので、図2との位置関係では本来図1を上下逆にするべきであるが、畦成形装置1に装着される走行機体であるトラクタTが図1上方に装着され、図1の上方が通常のトラクタT進行方向となるため、解り易くするために敢て上下逆に記載した。
従って、以下の説明において、前後方向は図1に表す上下方向であり、前方は図1に表す上方として説明する。
【0018】
装着フレーム2は、中央部に設ける入力ケース21によってトラクタT等から動力を受領可能であり、入力ケース21からは入力軸21aを前方へ突設する。そして、装着フレーム2に設けるトップマスト22と入力ケース21の両側に設けたロアピン23とがトラクタTに設ける3点リンク機構(図示せず)に連結される。そして、トラクタTのPTO軸からの駆動力は、入力軸21aが受領し、入力軸21aに続けて連結されるユニバーサルジョイント等からなる動力伝達手段5を介して成形部4へ伝達される。この発明においては、これらの動力伝達手段は、従来例と異なるところがなく、従来からの畦成形装置同様に成形部4へ動力が伝達されれば足りるので、特に詳説はしない。勿論、トラクタTから伝達された動力の動力伝達は、チェーン等の他の手段によってもよく、成形部4へ適切に動力が伝達されれば良い。
【0019】
装着フレーム2は、トラクタTと連結されるトップマスト22等を含む装着フレーム本体24と、装着フレーム本体24から前後方向へ固設する第1フレーム25と、第1フレーム25と摺動自在に設ける第2フレーム26と、第1フレーム25と第2フレーム26とに両端が回動自在に連結され第2フレーム26を伸縮自在とするフレーム摺動手段27とからなる。従って、第2フレーム26は、フレーム摺動手段27の伸縮作用により第1フレーム25に摺動可能となる。
【0020】
連結部3は、連結部本体31の一端が回動軸32によって装着フレーム2の第2フレーム26と水平方向へ回動自在に連結される。また、連結部本体31の他端は、成形部4が固定される。
これら、装着フレーム2および連結部3は畦成形装置1の上部に水平方向に位置されている。また、装着フレーム2の第1フレーム25および第2フレーム26は、トラクタTの進行方向、即ち前後方向に設けてあり、第2フレーム26は前後方向に摺動可能となっている。更にまた、トラクタTの進行方向と畦の成形方向が同一方向の場合に連結部3の両端、即ち回動軸32と成形部4側とは前後方向に対して水平方向に直角な左右方向へ位置している。
【0021】
成形部4は、成形前(進行方向前方)の旧畦の側部を切崩すと共に旧畦上部に土を盛る盛土装置41と、同旧畦上部の表層を削土する上部処理部42と、盛土装置41および上部処理部42によって切崩した旧畦の天場および側部を塗りつける畦成形部43とからなる。盛土装置41および上部処理部42は、それぞれ旧畦の側部および上面を進行方向と直交する水平方向に回転軸を有して回転し切崩すようにロータリー刃を有して成り、それぞれ動力伝達手段5とチェーンやスプロケット(いずれも図示せず)等によってトラクタTの動力によって回転可能に連結される。また、畦成形部43は、笠を横にしたような略円錐形状から成る側部塗付け部43aと該側部塗付け部43aの頂部側に連結された小径の円筒形状からなる上面塗付け部43bとからなり、盛土装置41等と同様に動力伝達手段5とチェーンやスプロケット(いずれも図示せず)等によってトラクタTから動力を得て回転可能である。尚、成形部4による畦Faの成形は従来からある手法を用いればよく、本発明の重要部分ではないので詳述しない。
そして、盛土装置41および上部処理部42並びに畦成形部43は、動力伝達機構が内蔵される成形部フレーム44によって連結部3の下方に位置し、且つ、各部の回転中心がトラクタTの進行方向と畦Faの成形方向が同一方向の場合に、連結部3の両端方向、即ち前後方向に対して水平方向に直角な左右方向となるよう配置されている。
【0022】
6は、抵抗輪である。抵抗輪6は円錐形状から成り、連結部3の連結部本体31に一端が固定される抵抗輪支持フレーム7の先端72に固定され垂直方向に回動自在に設ける。抵抗輪6は円錐形状の最外周部の回転面が、垂直方向であり且つ回動軸32を通る畦成形部43の進行方向と平行な線に一致して設ける。従って、抵抗輪支持フレーム7も、抵抗輪6がこのように畦形成部43の進行方向と平行に移動しながら回転可能となるよう連結部本体31に固定される。
【0023】
抵抗輪6を、垂直方向であり且つ回動軸32を通る畦成形部43の進行方向と平行な線に一致するように設けることで、抵抗輪6は畦成形部43が受ける畦からの反力によって進行方向を変えようとする力に抗することができる。更に、このように抵抗輪6を設けることで、畦Faの角部に近付きトラクタTが旋回しながら畦成形部43が畦を成形する際でも抵抗輪6が畦成形部43を直進させるように作用する。
即ち、抵抗輪6が、回動軸32を通る畦成形部43の進行方向と平行な線ではなく、これより畦成形部43側に位置した場合には、回動軸32を中心に畦成形部43を後方に回動させようとする(平面視時計回り、即ち畦Faから離れる方向へ回動させようとする)力が作用する。従来例1では、このような構成となっている。
また、これとは反対に、抵抗輪6が回動軸32を通る畦成形部43の進行方向と平行な線より畦成形部43と反対側に位置した場合には、回動軸32を中心に畦成形部43を前方に回動させようとする(平面視反時計回り、即ち畦Faへ押付ける方向へ回動させようとする)力が作用する。これらに対し、本実施例のように、抵抗輪6が回動軸32を通る畦成形部43の進行方向と平行な線に一致するように位置した場合には、回動軸32を中心に畦成形部43を回動させるのではなく、畦成形部43を直進させようとする力が作用する。
尚、一般的に用いられている程度の回動可能に構成された畦成形装置1において、畦成形部43を直進させようとする力が作用できる抵抗輪6の設置位置は、発明者の実験によれば、回動軸32を通る畦成形部43の進行方向と平行な線とそれぞれ左右方向に15cm程度の範囲が有効であった。従って、抵抗輪6の設置位置は、この範囲の回動軸32を通る畦成形部43の進行方向と平行な線の近傍であって、且つ垂直方向であれば有効である。
【0024】
尚、抵抗輪6は、抵抗輪支持フレーム7の中間部に設けた高さ調整部71によって抵抗輪6の上下方向の高さを変更可能である。この高さ調整部71は、ハンドル72を回動させることで調整ネジ部73が回動されて上下方向へ移動可能とし、抵抗輪支持フレーム7の中間部に設けた回動可能な回動点74を中心に抵抗輪支持フレーム7の抵抗輪6側を上下動させることで行う。このように抵抗輪支持フレーム7設け、抵抗輪6を上下動可能とすることで、畦成形時に抵抗輪6が地面に差込まれる量を調整可能となるので、畦成形部43が畦Faから受ける反力に対する抵抗輪6の抗力を調整可能となる。
また、この実施例では図示しないが、抵抗輪6を畦成形部43の進行方向や垂直方向に対して角度を付けられるよう、調整ねじ(図示せず)等によって構成する抵抗輪角度調節機構を設けても良く、これにより、抵抗輪支持フレーム7同様、畦成形部43の直進性を保ち且つ畦成形部43が畦Faから受ける反力を調節可能となる。
【0025】
8はリンク機構である。リンク機構8には、一端が連結部本体31の回動軸32側に回動自在に軸8aによって連結され、他端には回動自在な軸8bおよび軸8cを設けた第1リンクプレート81を設ける。従って、第1リンクプレート81は連結部本体31に対して水平方向に回動自在となる。
また軸8bには、長短を調整可能な第2リンクプレートに相当する可変長リンク82の一端が連結される。可変長リンク82は、伸縮可能なシリンダからなる。そして可変長リンク82の他端は、連結部本体31と成形部4側で軸8dによって回動自在に連結される。
【0026】
また、リンク機構8には、第1リンクプレート81の軸8cと回動自在に一端が連結され、他端が第2フレーム26と回動軸32より前方で軸8eによって回動自在に連結される第3リンクプレート83を設ける。
【0027】
従って、リンク機構8は、第1リンクプレート81および可変長リンク82による連結部3側に連結されて構成するリンク機構と、回動軸32が設けてある第2フレーム26と回動軸32および軸8a間と第1フレーム25とによる装着フレーム2側に連結されて構成するリンク機構とからなる。リンク機構8の可変長リンク82は実質的に、成形部4を走行機体と同一方向へ向けて移動させる場合に回動固定保持させる連結保持手段を形成する。
従って、連結部3と装着フレーム2とが連結される回動軸32は、リンク機構8によって連結部3および成形部4を回動されるが、リンク機構8の可変長リンク82の動きによって所定の位置で回動固定可能となっている。この実施例では、リンク機構8によって回動軸32が回動を制御されるが、例えば、回動軸32に回動を固定するための係止部を設け、畦成形部43とトラクタTとが同一方向となる位置で回動軸32の回動を係止部によって係止するように構成する等でも良い。また、回動軸32は、連結部3および成形部4が抵抗無く左右方向へ回動しては困る場合などには、可変長リンク82が単に回動軸32の回動に適宜抵抗を持たせるように可変長リンク82に作用させる構成や、ダンパー機構等を設けて適宜抵抗を持って回動させる構成としても良い。これによって、トラクタTの走行方向の分力を畦成形方向に変換するので、トラクタの走行方向の分力を有効に利用できる。
【0028】
このように構成するリンク機構8の作用並びに各部の作用を、図4乃至図7に基づき説明する。尚、説明のために、トラクタTと装着フレーム2との進行方向を図中矢示Aによって表し、成形部4の進行方向、即ち畦成形部43の進行方向を図中矢示Bによって表す。
図4は、トラクタTの進行方向(以下、単にA方向という。)と畦成形部43の進行方向(以下、単にB方向という。)とが一致している図であり、畦Faの中央付近を成形している場合を表す。そして、畦Faの中央付近を成形している場合の畦Faと各装置との位置関係は図8に表すとおりである。
図4および図8に表す状態では、トラクタTが畦成形装置1を牽引してトラクタTの動力により畦成形装置1が畦Faを成形している。この状態では、A方向とB方向とが一致した状態でリンク機構8の可変長リンク82はその長さを可変させずに固定している。この可変長リンク82の固定は、トラクタTの操縦者からの支持により、図示しない制御手段が行う。そして、図4および図8に表す状態では、抵抗輪6は回動軸32を通るA方向の線C上に位置している。
【0029】
図5および図9に表す状態は、トラクタTが進行方向にある畦に乗上げてしまうのでその手前でトラクタTの進行方向を変更した状態を表し、A方向とB方向とは一致せずB方向に対しA方向がおおよそ30°変位した状態を表す。
図4および図8の様なA方向とB方向とが一致した状態から角度を付ける時には、トラクタTの操縦者の指示により可変長リンク82が可変可能にされ、トラクタTが旋回を始める。すると、トラクタTの旋回に伴い、A方向は時々刻々と変化して行くが、可変長リンク82は長さを変えて移動し、やがて図5および図9に表す状態となる。また、トラクタTが旋回を開始するとトラクタTは畦Faから遠ざかることとなり、これに伴い回動軸32の位置もFaから遠ざかってしまうので、フレーム摺動手段27を作動させ第2フレーム26を第1フレーム25に対して伸張させる。このフレーム摺動手段27の作用により、トラクタTが畦Faから遠ざかっても回動軸32を畦Faと略平行に移動させることが可能となる。尚、フレーム摺動手段27の作動は、トラクタTの操縦者が予めトラクタTと油圧系統等で連結されたフレーム摺動手段27を操作して行っても良く、制御機構によってトラクタTの旋回量と移動量とから自動的に伸張量を算出して伸張させるような自動制御としても良く、適宜選択すれば良い。
そして、図9の状態となるまでのA方向に対するB方向の変化によって畦成形部43は畦Faからの反力により進行方向がB方向とならない方向に向おうとするが、成形部4の牽引支点となる連結部3の回動軸32と抵抗輪6との位置が畦成形部43の進行方向と平行となっているので、抵抗輪6の作用により、B方向への直進性を保とうとし、より直進しやすくなっている。
【0030】
更に畦Faの成形が進み、図10に表すような位置を経由して、図6に表すように、A方向とB方向とが90°の角を成す状態となる。この状態までは、リンク機構8の可変長リンク82が伸縮することのみで、抵抗輪6の作用も有って成形部4即ち畦成形部43が適正な方向に導かれて畦Faを成形する。ただし、図6に表すようなA方向とB方向とが90°の角を成す状態でも、この実施例ではトラクタが圃場からはみ出さないようにハンドルを切って行くので、畦成形部43は未だ畦Faの角部に到達していない。
【0031】
そこで、畦成形装置1は、A方向とB方向とが90°を成す状態から可変長リンク82の長さを可変しても図5に表す様なA方向とB方向の関係になるだけであるが、ここでフレーム摺動手段27を図6中矢示Dで表す方向に伸張する。すると、フレーム摺動手段27が伸張することで第2フレーム26が矢示D方向へ移動し図11のような伸張状態となる。第3リンクプレート83の第1フレーム25と連結した軸8eが移動しないのに対し、第3リンクプレート83と連結されている第1フレーム25は、第3リンクプレート83と連結されている端部とは反対の端部が第2フレーム26と軸8aによって連結されているので、鋭角を成している第1リンクプレート81と第3リンクプレート83とはそのなす角度を広げていき互いに伸びる方向へ移動される。
【0032】
すると、図11に表すような、フレーム摺動手段27を伸張させて第2フレーム26を後方へ移動させて第1リンクプレート81と第3リンクプレート83との角度が広がった状態で、第2リンクである可変長リンク82を縮小させると、リンク機構8の作用によって、図7に表すように、A方向とB方向とが鈍角を成す側へ畦成形装置1が移動されるので、図6に表すA方向とB方向とが90°を成してフレーム摺動手段27を伸張してから後は、可変長リンク82を更に縮小させてA方向とB方向とを鈍角とさせ、これから後はトラクタTを前進ではなく装着フレーム2側へ後退移動させる。
【0033】
すると、トラクタTの後退移動に伴い、可変長リンク82は縮小を進めるA方向とB方向との鈍角が更に開いていく。このときトラクタTの後退移動に伴い、畦成形装置1は後退することなく依然として畦Faの成形を進めて、やがて図12に表すように畦成形装置1の成形部4が畦Faの角部へ達し、圃場にある一辺の畦Faの成形が終了する。
【0034】
以下に、図14に基づき実施例2を説明する。図14は、実施例2を表す平面説明図であり、実施例1の図1に対応する。
実施例2に表す畦成形装置1は、装着フレーム2の第1フレーム25および第2フレーム26が、実施例1に比してトラクタTの進行方向斜め後方(即ち成形しようとする畦Fa側)へ向けて設けてある以外は、実施例1と同様である。
そして、実施例2では、実施例1と異なり連結部3に設ける回動軸32の位置を成形部4側に位置させることが可能となるので、畦成形装置1全体をコンパクトに構成することができる。
このように構成する実施例2では、実施例1同様に作業して畦Faを形成する。
【0035】
尚、実施例1および実施例2において、可変長リンク82は、適宜抵抗力を有する伸縮可能なシリンダ(これにより、回動軸32を適宜抵抗を持って回動するように構成している)からなるが、可変長リンク82の伸縮を、自動制御によって行ってもよく、この場合には、トラクタTの操縦者がトラクタTの方向を変更させた角度を第2フレーム26と連結部3との成す角度やトラクタTのハンドルを回転させたハンドル量等から可変長リンク82の長さを最も良い長さ(畦成形部43の移動方向が成形したい畦Faの方向と一致するような長さ)に制御すればよい。
また、この場合には、A方向とB方向とが所定角度(例えば90°)を成したことを検知する検知手段を設けておき、検知した該角度が所定角度(例えば90°)となったことと、これを受けて操縦者がトラクタTの後退移動させるように操作したことを検知し、フレーム摺動手段27を伸張させ、可変長リンク82を伸縮させることで、A方向とB方向とが鈍角になるように畦成形部43を移動させ、トラクタTの後退移動に伴って畦Faを更に角部へ向けて進行させ畦Faを角部まで成形するように構成してもよい。
【0036】
更にまた、実施例1および実施例2において、圃場の状態や畦Faの状態によって畦成形部43の畦Faからの反力が異なるため、圃場によって、該反力を受ける抵抗輪6の圃場内への差込み深さを、高さ調整部71によって調整し、抵抗輪6が適宜抵抗を受けるように調整することも可能である。
【0037】
尚、図13は、図4乃至図7、および、図8乃至図12の各状態を同一図面上に表した説明図であり、トラクタTおよび畦成形装置1の各過程における移動方向を同一図面上で見ることができる工程図である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
上述のような実施例の畦成形部43は、圃場の畦部をトラクタ等の走行体に取付けて自動的に成形させるのに有効であり、特に圃場に角部を有する畦部を成形するのに有効に利用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明の実施例である畦成形装置を表す平面説明図
【図2】この発明の実施例である畦成形装置を表す正面説明図
【図3】この発明の実施例である畦成形装置を表す右側面説明図
【図4】畦成形装置が走行機体と同一方向に進む状態を表す平面説明図
【図5】畦成形装置が走行機体と稍角度を成して進む状態を表す平面説明図
【図6】畦成形装置が走行機体と90°の角度を成した状態を表す平面説明図
【図7】畦成形装置が走行機体と90°以上の鈍角を成した状態を表す平面説明図
【図8】図4の状態を表す圃場における全体説明図
【図9】図5の状態を表す圃場における全体説明図
【図10】図5から図6の状態への移行途中を表す圃場における全体説明図
【図11】図6の状態を表す圃場における全体説明図
【図12】図7の状態を表す圃場における全体説明図
【図13】各工程を表す説明図
【図14】実施例2である畦成形装置を表す平面説明図
【図15】従来例1を表す斜視説明図
【図16】従来例1を表す作業過程説明図
【符号の説明】
【0040】
1 畦成形装置
2 装着フレーム
21 入力ケース
21a 入力軸
22 トップマスト
23 ロアピン
24 装着フレーム本体
25 第1フレーム
26 第2フレーム
27 フレーム摺動手段
3 連結部
31 連結部本体
32 回動軸
4 成形部
41 盛土装置
42 上部処理部
43 畦成形部
5 動力伝達手段
6 抵抗輪
7 抵抗輪支持フレーム
71 高さ調整部
72 ハンドル
73 調整ネジ部
74 回動点
8 リンク機構
8a乃至8e 回動軸
81 第1リンクプレート
82 可変長リンク
83 第3リンクプレート
【出願人】 【識別番号】000171746
【氏名又は名称】株式会社ササキコーポレーション
【出願日】 平成18年7月27日(2006.7.27)
【代理人】 【識別番号】100086184
【弁理士】
【氏名又は名称】安原 正義

【識別番号】100059591
【弁理士】
【氏名又は名称】安原 正之


【公開番号】 特開2008−29240(P2008−29240A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−204972(P2006−204972)