| 【発明の名称】 |
農作業機 |
| 【発明者】 |
【氏名】越智 竜児
【氏名】北井 浩昭
【氏名】藤井 健次
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| 【要約】 |
【課題】走行機体にローリング可能に連結した作業装置を駆動機構によってローリング作動させるとともに、作業装置あるいは走行機体の左右傾斜検出情報に基づいて駆動機構を作動させて、作業装置の対地ローリング姿勢を設定姿勢に修正維持するローリング制御手段を備えた農作業機において、作業装置の左右での重量バランスの崩れや、作業装置自体の重量変動などにかかわらず、応答遅れの少ないローリング制御を行えるようにする。
【構成】作業装置の重量状況を検知する手段を備え、作業装置をローリング作動させる駆動機構の作動速度を検知された重量情報に基づいて変更制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体にローリング可能に連結した作業装置を駆動機構によってローリング作動させるとともに、前記作業装置あるいは走行機体の左右傾斜検出情報に基づいて前記駆動機構を作動させて、作業装置のローリング姿勢を設定姿勢に修正維持するローリング制御手段を備えた農作業機において、 前記作業装置の重量状況を検知する手段を備え、検知された重量情報に基づいて前記駆動機構の作動速度を変更制御する速度制御手段を備えてあることを特徴とする農作業機。 【請求項2】 前記重量情報が、前記作業装置の左右重量バランスの崩れであり、重量の重い側を振り上げ方向に駆動する際の前記駆動機構の作動速度を、重量の軽い側を振り上げ方向に駆動する際の駆動機構の作動速度よりも速くなるように変更制御するよう、前記速度制御手段を設定してある請求項1記載の農作業機。 【請求項3】 前記重量情報が、前記作業装置の重量であり、重量が大きい時の前記駆動機構の作動速度を、重量が小さい時の駆動機構の作動速度よりも速くなるように変更制御するよう、前記速度制御手段を設定してある請求項1または2記載の農作業機。 【請求項4】 前記作業装置が、複数の植付け条のうちの一部を植付け休止可能に構成された苗植付け装置である請求項1〜3のいずれか一項に記載の農作業機。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、乗用型田植機や農用トラクタなどの農作業機に係り、特には、走行機体にローリング可能に連結した苗植付け装置や耕耘装置などの作業装置を駆動機構によってローリング作動させるとともに、作業装置あるいは走行機体の左右傾斜検出情報に基づいて駆動機構を作動させて、作業装置のローリング姿勢を設定姿勢に修正維持するローリング制御手段を備えた農作業機に関する。 【背景技術】 【0002】 上記農作業機の一例である乗用型田植機においては、例えば、特許文献1に示されているように、走行機体に連結した作業装置としての苗植付け装置を電動モータを利用した駆動機構でローリング作動させるよう構成されている。 【特許文献1】特開2000−83420号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 上記苗植付け装置は、苗のせ台を左右に往復移動させながら載置したマット状苗の下端から一株分づつ植付け苗を切り出して植え付けてゆき、横移動ストロークエンドごとに全条のマット状苗を同期して苗のせ台下端に送り出してゆくよう構成されているのであるが、マット状苗の根張り具合や床土部の湿潤具合などによって各条でのマット状苗の下方への滑り抵抗が一定せず、全条での苗送り量が必ずしも均一とはならないことがある。そのために、各条での苗補給タイミングが異なってしまい、苗のせ台における左右の重量バランスが大きく崩れてしまう事態に至る。 【0004】 左右の重量バランスが大きく崩れてしまうと、苗植付け装置を同量だけローリング作動させる際に、重量が重くなっている側を持ち上げ揺動させる速度が、重量が軽くなっている側を持ち上げ揺動させる速度よりも遅くなってしまい、ローリング制御の応答性が低下してしまうことになる。 【0005】 近年の苗植付け装置においては、畦際近くでの少数条植えを行うために、全植付け条のうちの一部の条の植え付け機構を畦際クラッチなどを用いて休止できるようにしている。少数条植えは、全植付け条の左右一方に偏った側の植付け条を休止するので、休止された植付け条の苗は消費されることなく残されることになり、苗のせ台に載置された苗の左右重量バランスが一層大きく崩れ、上記現象が発生しやすくなる。 【0006】 マット状苗の重量は生育具合、床土材の種類、床土部の湿潤具合、などによって大きく異なるので、載置苗を含む苗植付け装置全体の重量は作業状況や植付けの進行具合によって大きく変動することになる。このために、苗植付け装置全体の重量が重い時は重量が軽いときに比べて慣性が大きくなって作動が緩慢になり、ローリング作動の応答性が低下しがちとなる。 【0007】 本発明は、このような点に着目してなされたものであって、作業装置の左右での重量バランスの崩れや、作業装置の重量変動などにかかわらず、応答遅れの少ないローリング制御を好適に行えるようにすることを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0008】 第1の発明は、走行機体にローリング可能に連結した作業装置を駆動機構によってローリング作動させるとともに、前記作業装置あるいは走行機体の左右傾斜検出情報に基づいて前記駆動機構を作動させて、作業装置のローリング姿勢を設定姿勢に修正維持するローリング制御手段を備えた農作業機において、 前記作業装置の重量状況を検知する手段を備え、検知された重量情報に基づいて前記駆動機構の作動速度を変更制御する速度制御手段を備えてあることを特徴とする。 【0009】 上記構成によると、作業装置の左右重量バランスの崩れや、連結した作業装置の違いによる重量の相違、等が重量情報として検知され、例えば、左右重量バランスが崩れている場合、重量の重い側を振り上げ方向に駆動する際の駆動機構の作動速度を、重量の軽い側を振り上げ方向に駆動する際の駆動機構の作動速度よりも速くなるように変更制御することで、応答遅れの少ないローリング制御を行うことができる。また、連結した作業装置の重量が異なっている場合には、重量が大きい時の駆動機構の作動速度を、重量が小さい時の駆動機構の作動速度よりも速くなるように変更制御することで、応答遅れの少ないローリング制御を行うことができる。 【0010】 従って、第1の発明によると、作業装置の左右重量バランスの崩れや、作業装置の重量の変動、などにかかわらず、遅れの少ない好適な応答性でローリング制御を行うことができる。 【0011】 第2の発明は、上記第1の発明において、 前記重量情報が、前記作業装置の左右重量バランスの崩れであり、重量の重い側を振り上げ方向に駆動する際の前記駆動機構の作動速度を、重量の軽い側を振り上げ方向に駆動する際の駆動機構の作動速度よりも速くなるように変更制御するよう、前記速度制御手段を設定してあるものである。 【0012】 上記構成によると、作業装置に装備された消費材の左右での消費具合の差や、作業装置自体の構造、等によって作業装置全体の左右重量バランスが崩れても、重量の重い側を振り上げ方向に駆動する際の応答遅れを少なくすることができる。 【0013】 第3の発明は、上記第1または第2の発明において、 前記重量情報が、前記作業装置の重量であり、重量が大きい時の前記駆動機構の作動速度を、重量が小さい時の駆動機構の作動速度よりも速くなるように変更制御するよう、前記速度制御手段を設定してあるものである。 【0014】 上記構成によると、作業装置に装備された消費材の消費具合に起因して作業装置全体の重量が変動しても、また、重量の異なった作業装置と取り替えても、作業装置の重量が大きい時の応答遅れを減少させることができる。 【0015】 第4の発明は、上記第1〜3のいずれか一つの発明において、 前記作業装置が、複数の植付け条のうちの一部を植付け休止可能に構成された苗植付け装置としてあるものである。 【0016】 上記構成によると、少数条植えを行うと、苗植付け装置に載置された苗の消費が左右において大きく異なることになって、苗植付け装置全体の左右重量バランスが大きく崩れることになるが、ローリング用の駆動機構を左右重量バランスが大きく崩れた状態に対応した制御速度で作動させることで、安定した応答性でローリング制御を行うことができ、本発明の特徴を好適に発揮させることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 図1に、本発明に係る農作業機の一例として施肥装置付きの乗用型田植機の側面図が、図2にその平面図が示されている。この乗用型田植機は、前輪1および後輪2を備えて4輪駆動走行可能に構成された走行機体3の後部に、平行四連リンク構造のリンク機構4を介して8条植え仕様の苗植付け装置(作業装置)5が昇降自在に連結され、機体後部に施肥装置6が装備されるとともに機体前部の左右に予備苗のせ台7を備えた構造となっており、前記リンク機構4を油圧シリンダ8で上下に駆動揺動することで苗植付け装置5を昇降制御することができるようになっている。苗植付け装置5は、リンク機構4の後端部に前後方向支点X周りにローリング自在に連結されるとともに、リンク機構4の後端上部に備えたローリング用の駆動機構9によって苗植付け装置5が後述のようにローリング制御される。 【0018】 前記走行機体3の前部にはエンジン10が搭載され、その出力が前後進の無段変速が可能な油圧式無段変速装置(HST)11に伝達され、その変速出力がミッションケース12に入力され、図示されない副変速装置でギヤ変速された後、ミッションケース12に支持された左右の前輪1に伝達されるとともに、ミッションケース12から後方に取出された走行系動力が伝動軸13を介して後部伝動ケース14に伝達され、後部伝動ケース14に支持された左右の後輪2に伝達されるようになっている。油圧式無段変速装置11からミッションケース12に伝達された変速出力の内の正転動力が作業用動力として分岐され、ミッションケース12に内装された図示されない株間変速装置でギヤ変速された後、ミッションケース12の後方から取り出され、伝動軸15および伸縮伝動軸16を介して苗植付け装置5に伝達されるようになっている。 【0019】 図2,図3に示すように、前記苗植付け装置5は、横長角筒状の植付けフレーム21、走行機体3から取り出された作業用動力を受けるフィードケース22、一定ストロークで左右に往復横移動する苗のせ台23、8組の回転式の植付け機構24、および、後部左右に2条分づつの前記植付け機構24を備えた4個の植付けケース25、田面Tの植付け箇所を均平整地する5個の整地フロート26、等を備えている。 【0020】 並列配備された5個の整地フロート26のうちの中央のものは、苗植付け装置5の田面Tに対する高さを検知する接地センサSFとして利用されている。図8に示すように、前記接地センサSFの後部部支点q周りの上下揺動変位がポテンショメータ27で電気的に検知され、その検知情報が制御装置28に入力されて演算処理され、接地センサSFの上下揺動姿勢が設定姿勢となるように前記油圧シリンダ8の作動を司る電磁式の制御弁29を作動させることで、苗植付け装置5の田面Tに対する高さを一定に維持して、植付け深さを安定維持する自動植付け深さ制御が実行されるようになている。 【0021】 前記油圧シリンダ8は、圧油の供給によってピストンロッド8aが短縮作動して苗植付け装置5を上昇させ、制御弁29が開かれると苗植付け装置5の自重によってピストンロッド8aが伸長作動する単動型が利用されている。図7に示すように、油圧シリンダ8の先端部外周には制御弁29に接続される圧油給排用の配管接続部8bが溶接固定されるとともに、油圧シリンダ8の底部を構成する基端連結金具8cに配管接続部8dがねじ込み固定されている。図9の油圧回路図に示すように、この配管接続部9dは前記油圧式無段変速装置11のチャージ油路30および作動油タンクとして機能するミッションケース12の底部に配管31を介して連通接続されており、油圧シリンダ8が伸縮作動することで、ボトム側の油室bが、ミッションケース12に貯留された作動油(潤滑油)を吸引してチャージ油路30に送り出すポンプ作用を発揮し、専用のチャージポンプを要することなくチャージ油路30への油補充が行われるようになっている。 【0022】 図5に示すように、前記フィードケース22には、ミッションケース12から取り出された作業用動力を受ける入力軸32が前方に向けて突設されるとともに、入力軸32にベベルギヤ連動された横向きの中間軸33、苗のせ台移動用の横送り駆動軸34、中間軸33と同心に配備された苗縦送り駆動軸35、および、植付け機構駆動用の出力軸36が装備されている。中間軸33と横送り駆動軸34とがギヤ変速機構37を介して連動連結されるとともに、横送り駆動軸34と苗縦送り駆動軸35とがギヤ連動され、更に、中間軸33と出力軸36とが1:1の伝動比でチェーン連動されている。なお、ギヤ変速機構37はスライドキー式に構成されており、出力軸36の回転速度に対して横送り駆動軸34の回転速度を3段に変速して、苗のせ台横送りストロークに対する苗取り出し回数を切換え選択できるよう構成されている。 【0023】 出力軸36から取り出された動力が、各植付けケース25の前部に軸伝達されて植付け機構24が2条単位で駆動されるようになっている。図2に示すように、各植付けケース25の後部には、左右の植付け機構24への動力伝達を断続する畦際クラッチ38が装備されており、これら畦際クラッチ38の一部を切り操作することで、左側6条の少数条植え、左側4条の少数条植え、左側2条の少数条植え、右側6条の少数条植え、右側4条の少数条植え、右側2条の少数条植え、が選択できるようになっている。 【0024】 横送り駆動軸34の外端部には、外周に往復螺旋溝39を備えたネジ軸40が同心に連結され、往復螺旋溝39に係合された駒部材41を回動自在に内装したスライダ42が横スライド可能にネジ軸40に外嵌装着され、このスライダ42に苗のせ台23が連結部材47を介して連結されている。従って、横送り駆動軸34が一定方向に回転することでスライダ42がネジ軸40に沿って一定ストロークで往復ネジ送り移動され、これに連れて苗のせ台23が往復横移動されるのである。 【0025】 苗のせ台23の各条ごとの苗載置部には、載置した苗Fを下方の苗取出し位置まで縦送りする苗送りベルト43が装備されるとともに、苗送りベルト43を駆動する苗送り軸44が苗のせ台23の背部下方に横架されている。前記苗縦送り駆動軸35には、苗のせ台23の横移動ストロークに相当する間隔をもって左右一対の駆動アーム45が備えられるとともに、前記苗送り軸44には図示されない一方向回転クラッチを介して受動アーム46が外嵌装着されており、苗のせ台23が左または右の横送りストロークエンドに到達するたびに、一定方向に連続回動している駆動アーム45の一方によって受動アーム46が所定方向に所定角度だけ接当揺動され、受動アーム46の所定方向への揺動が図示されない一方向回転クラッチを介して苗送り軸44に伝達され、これによって苗送りベルト43が所定量づつ下方に回動されるようになっている。なお、駆動アーム45から外れた受動アーム46は図示されない復帰バネによって元の待機位置まで復帰揺動されて、次の接当揺動に備えられる。 【0026】 図10に示すように、苗のせ台23における各条の苗載置幅W1に対して載置された苗Fの横幅W2が小さいと、苗のせ台23が反転移動する際に苗Fが苗のせ台23に対して逆方向に相対横ずれして左右いずれかに偏ってしまう。このために、図10(ロ),(ハ)に示すように、苗のせ台23の横移動ストロークエンドで最終回の苗取り出し(n)、苗の下方への送り出し、および、次行程での最初の苗取出し(1)が順次行われ、その後、図10(ニ)に示すように、苗のせ台23が逆方向に移動される際に、上記のように苗Fの相対横ずれが発生して、苗Fが苗のせ台移動方向に対して逆方向に偏ってしまう。この状態で2回目の苗取り出し(2)が行われると、苗Fの実質横移動量が苗Fの後方への相対横ずれ量δだけ少なくなり、2回目の苗取出し(2)の横幅が小さくなってしまう。このような不具合を回避するために、前記往復螺旋溝39が以下のように改造されている。 【0027】 図11に、往復螺旋溝39の展開図が示されている。ネジ軸40が180°回転するごと(図では90°と270°の位相)に苗取り出しが実行されるようネジ軸40と植付け機構24との伝動比が設定されており、最終回の苗取出し(n)と、苗Fの下方への送り出しが行われた後の次行程の初回の苗取出し(1)は横方向同一位置で行われ、1回目の横移動ピッチP’が以降の横移動ピッチPよりも大きくなるように往復螺旋溝39の横移動初期におけるリード角が部分的に大きく設定されている。 【0028】 これによって、苗のせ台23の反転移動に伴う苗Fの横ずれによって初回の苗Fの横移動量が上記横ずれ量δだけ少なくなっても、1回目の苗のせ台横移動量ピッチP’が大きくなっているので、苗Fの実質横移動量は通常の横移動ピッチPに近いものとなり、2回目の苗取出し(2)の横幅が小さくなってしまうことはないのである。ただし、苗Fが各条の苗載置部に隙間なく載置装填されて、苗のせ台23の反転移動時にも苗Fの横ずれが発生しない状態では、1行程の苗のせ台横移動における2回目の苗取出し幅は以降の回の苗取出し幅より大きくなる。 【0029】 図4に示すように、ローリング用の前記駆動機構9は、リンク機構4の後端上部に連結したブラケット50に前後向き支点a周りに左右揺動可能に支持されたローリング駆動アーム51と、これをギヤ減速機構52を介して揺動駆動する電動モータ53とから構成されている。図3に示すように、前記植付けフレーム21の左右から立設された支柱54の上端に亘って支持枠55が横架され、この支持枠55の左右箇所に装着されたガイド部材56が、苗のせ台23の背部に補強枠を兼ねて横架連結された案内レール57に係合されて、苗のせ台23の上部が左右移動可能に係合案内されている。前記ローリング駆動アーム51の上方遊端部と前記支持枠55の左右箇所とが融通バネ58を介して連結されている。 【0030】 このような構成によると、苗植付け装置5はローリング駆動アーム51に対して融通バネ58を介して所定小範囲で自由ローリング可能に弾性支持されることになり、苗植付け装置5が整地フロート26を介して田面Tに接地している状態では、走行機体3が多少左右傾斜しても弾性融通の範囲内で苗植付け装置5は田面Tに接地追従するようになっている。 【0031】 前記駆動機構9の電動モータ53は、苗植付け装置5に装備された後述する傾斜角検出手段からの検出情報に基づいて作動制御され、走行機体3が耕盤の凹凸等によって左右に傾斜して苗植付け装置5が傾斜しかかっても、その傾斜を復元させる方向に苗植付け装置5がローリング制御されて、常に設定されたローリング姿勢(一般に水平)に安定維持され、もって、各植付け機構24による植付け深さに差異の少ない植付けが行われるようになっている。なお、前記ローリング駆動アーム51の揺動位置がポテンショメータ60で検出され、ローリング駆動アーム51の設定された揺動位置に至るとそれ以上の揺動を阻止するように電動モータ53が停止制御されて、ローリング駆動アーム51の揺動範囲が制限されるようになっている。 【0032】 リンク機構4の後端上部に連結した前記ブラケット50と苗のせ台23の背面における前記案内レール57の左右箇所とに亘って復帰用バネ59が張設されており、苗のせ台23の横移動によって移動方向側の復帰用バネ59が伸ばされることで、苗のせ台横移動に伴うローリング用の支点X周りの重量バランスの崩れを是正する方向の回動力が伸長された復帰用バネ59によってもたらされるようになっている。 【0033】 苗植付け装置5の左右方向の傾斜角度を検知する手段としては、重力式の角度センサ61と、左右方向の角速度を検知する振動ジャイロ型の角速度センサ62とが利用されて、ローリング用の支点X近くにおいて植付けフレーム21に取付けられている。図8の制御ブロック図に示すように、両センサ61,62からの検出信号は前記制御装置28に入力され、苗植付け装置5をローリング制御するための検出傾斜角度θが以下のようにして算出され、ローリング制御が実行される。 【0034】 図13の制御ブロック図に示すように、前記角度センサ61で検出された傾斜角度(θ1)と、前記角速度センサ62で検出された角速度(dθj/dt)を積分処理して得られた傾斜角度(θ2)とが加算され、この演算値が検出傾斜角度(θ)とされる。 【0035】 上記のようにして算出された検出傾斜角度(θ)は、傾斜角度設定器63によって設定された目標傾斜角度(θ0)と比較演算され、両者の偏差(|θ0-θ|)が予め入力設定されている不感帯(ε)より大きいと、その偏差が不感帯内に収まる方向に電動モータ53が通電制御されることで、苗植付け装置5が目標傾斜角度(θ0)に安定維持されるのである。 【0036】 なお、田植機においては、ほとんどの植付け田面Tが水平であるので、前記目標傾斜角度(θ0)を水平に設定することで、苗植付け装置5を田面Tと平行な水平姿勢に維持して全条での植付け深さを均一にすることができるが、畦際において田面Tが左右に傾斜しているような水田における畦際での植付け作業においては、傾斜角度設定器63を調節して目標傾斜角度(θ0)を田面Tの傾斜に合わせて調整することで、傾斜した田面Tと平行な植付けを行って植付け深さを均一化を図ることができるものとなる。 【0037】 電動モータ53の作動速度が、苗植付け装置5における左右重量バランスの崩れ、および、苗植付け装置5の重量変動に基づいて変更制御されるようになっており、その制御フローが図12に示されている。 【0038】 脈動的に変動する前記検出傾斜角度(θ)のピーク値の分布から、苗植付け装置5の重量バランスが左右いずれかの方向に崩れていることが検知され、その重量バランスの崩れ度合いが判断される。重量バランスが崩れていると、下がっている側(重い側)を振り上げ方向に駆動する際の作動速度が速くなるように、重量バランスの崩れ度合いに応じて予めマップデータなどで設定された特性に基づいて電動モータ53の作動速度(v1)が割り出される(♯1〜♯3)。 【0039】 このように構成することで、苗のせ台23の左右における苗消費量に差がでて、苗植付け装置5の左右重量バランスが発生しても、重い側を振り上げ作動させる速度が速くなることで応答の遅れが是正され、目標傾斜角度(θ0)への復帰が速やかに行われることになる。 【0040】 角速度センサ62で検出された角速度(dθj/dt)に基づいて苗植付け装置5の固有振動数nが演算される。固有振動数nは質量(重量)の増大に連れて小さくなるので、演算された固有振動数nの変動から苗植付け装置5の重量変動が検知される。なお、苗植付け装置5の重量変動は載置した苗Fの積載量によって起因し、苗消費が進んで苗植付け装置5の重量が減少するに連れて固有振動数nが増大することになる。苗植付け装置5の重量が大きいほど慣性が大きくなり、駆動機構9の作動に対する応答性が低下するので、これを是正するために、演算した固有振動数nが小さくなるほど(苗植付け装置5の重量が大ききなるほど)電動モータ53の作動速度を速くするよう、予めマップデータなどで設定された特性に基づいて作動速度(v2)が割り出される(♯1,♯4,♯5)。 【0041】 苗植付け装置5の重量バランスの崩れ度合に基づいて割り出された作動速度(v1)と苗植付け装置5の重量変動に基づいて割り出された作動速度(v2)のうちの大きい方が実作動速度(v)に設定され、電動モータ53が通電制御される。 【0042】 〔他の実施例〕 (1)苗植付け装置5の重量変動をローリング用の支点Xに備えた圧力センサや、リンク機構4に備え歪センサなどで直接に検知してローリング作動速度の変更制御に利用することもできる。 【0043】 (2)苗植付け装置5の重量は載置した苗Fの重量によって変動するので、各条に載置された苗Fの量を接触式センサあるいは光学センサで検知して、苗植付け装置5の重量変動を演算してローリング作動速度の変更制御に利用することもできる。 【0044】 (4)上記実施例では、走行機体3の後部に作業装置としての苗植付け装置5を連結した乗用型田植機を例示したが、走行機体3の後部に直播装置や除草装置をローリング制御可能に連結した各種の水田用農作業機に適用することもできる。 【0045】 (5)本発明を、走行機体3の後部に作業装置5としてロータリ耕耘装置をローリング制御可能に連結した農用トラクタに本発明を適用することもできる。この場合は、走行機体3に左右傾斜の検知手段を装備し、走行機体3の左右傾斜角度から作業装置5の左右傾斜角度を割り出し、作業装置5の左右傾斜角度を所定の対地目標傾斜角度にするためのローリング修正量を演算する形態で実施することもできる。 【図面の簡単な説明】 【0046】 【図1】乗用型田植機の全体側面図 【図2】乗用型田植機の全体平面図 【図3】苗植付け装置の機体前方からみた正面図 【図4】ローリング用の駆動機構を示す縦断側面図 【図5】フィードケースの縦断正面図 【図6】苗のせ台横送り駆動構造を示す背面図 【図7】苗植付け装置昇降用の油圧シリンダを示す横断平面図(イ)と、一部切欠き側面図(ロ) 【図8】制御ブロック図 【図9】油圧回路図 【図10】苗のせ台横送りと苗取り出しの関係を示す概略平面図 【図11】苗のせ台横送り用のネジ軸における往復螺旋溝と横送りピッチとの関係を示す展開図 【図12】ローリング作動速度制御のフロー図 【図13】ローリング制御のブロック図 【符号の説明】 【0047】 3 走行機体 5 作業装置(苗植付け装置) 9 駆動機構
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成18年7月25日(2006.7.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2008−22825(P2008−22825A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月7日(2008.2.7) |
| 【出願番号】 |
特願2006−202198(P2006−202198) |
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