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【発明の名称】 パネル型テレビジョン基板
【発明者】 【氏名】岡橋 辰実

【要約】 【課題】一次側と二次側の電圧が異なる電源回路を実装した立設型のプリント基板を備えるパネル型テレビジョンにおいて、キャビネット上部より進入した水が、一次側の電源回路を有する部分へ進入しにくい基板構造を提供する。

【解決手段】一次電源回路19と二次電源回路17との間にパターン無し領域18を設け、同パターン無し領域に略円形の小穴80や断面が略斜め方向に細長な小穴70を有する保水構造を形成する。また基板を鉛直方向より見ると、一次電源回路19のある領域の上辺に位置する小穴80および小穴70は、これらの分布に隙間がないように形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次側と二次側の電圧が異なる電源回路を基板に実装して立設されるパネル型テレビジョン基板において、
上記一次側の電源回路を有する領域である一次電源領域は上記パネル型テレビジョン基板の下端に形成され、上記一次電源領域と上記二次側の電源回路を有する領域である二次電源領域との間に、パターンを形成しない所定幅のパターン無し領域が設けられるとともに、同パターン無し領域には複数の小穴を有する保水構造が設けられ、
上記小穴のうち、上記一次電源領域の上辺幅方向の中央部分にあるものは、略円形に形成され、
上記小穴のうち、上記一次電源領域における上辺幅方向の外側部分および上記一次電源領域の側方にあるものは、断面が略斜め方向に細長に形成されるとともに、下端を上記上辺幅方向の外側に向けて形成され、
上記保水構造は、上記基板を鉛直方向より見ると、上記一次電源領域の上辺に位置する上記小穴の分布に隙間がないように形成されることを特徴とするパネル型テレビジョン基板。
【請求項2】
一次側と二次側の電圧が異なる電源回路を基板に実装して立設されるパネル型テレビジョン基板において、
上記一次側の電源回路に対応する領域である一次電源領域と上記二次側の電源回路に対応する領域である二次電源領域との間に、パターンを形成しない所定幅のパターン無し領域が設けられるとともに、同パターン無し領域には保水構造が設けられることを特徴とするパネル型テレビジョン基板。
【請求項3】
上記保水構造は複数の小穴より成り、当該小穴は上記基板を貫通して形成されることを特徴とする上記請求項2に記載のパネル型テレビジョン基板。
【請求項4】
上記保水構造は複数の小穴より成り、当該小穴は上記基板を貫通せずに形成されることを特徴とする上記請求項2に記載のパネル型テレビジョン基板。
【請求項5】
上記小穴は断面が略斜め方向に細長に形成されることを特徴とする上記請求項3または4に記載のパネル型テレビジョン基板。
【請求項6】
上記保水構造における上記小穴のうち、上記一次電源領域の上辺幅方向の中央部分にあるものは、略円形に形成され、
上記小穴のうち、上記一次電源領域における上辺幅方向の外側部分および同領域の側方にあるものは、断面が略斜め方向に細長に形成されるとともに、下端を上記上辺幅方向の外側に向けて形成されることを特徴とする上記請求項2〜4のいずれかに記載のパネル型テレビジョン基板。
【請求項7】
上記一次電源領域は上記パネル型テレビジョン基板の下端に形成され、
上記保水構造は、上記基板を鉛直方向より見ると、上記一次電源領域の上辺に位置する上記小穴の分布に隙間がないように形成されることを特徴とする上記請求項2〜6のいずれかに記載のパネル型テレビジョン基板。
【請求項8】
上記パネル型テレビジョン基板を備えるパネル型テレビジョンはファンを備え、
上記小穴は上記ファンにより送風されることを特徴とする上記請求項2〜7のいずれかに記載のパネル型テレビジョン基板。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は一次側と二次側の電圧が異なる電源回路を実装した立設型のプリント基板の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一次側と二次側の電圧が異なる電源回路を実装したプリント基板には、一次側と二次側の絶縁を確保するために、一次側と二次側の間に配線を設けない絶縁部分が確保される。しかしながらプリント基板を収容するケースに水が侵入すると、電源回路にエラー・不具合の起こる可能性がある。特に、一次側は二次側よりも高電圧であるため、一次側の電源回路内部に水が入り込むとエラー・不具合の可能性が想定される。特許文献1には、上記絶縁部分に撥水性部材を配置することにより、一次側と二次側の境界部分に水が落ちてきても、一次側と二次側の回路が上記水によるエラー・不具合を起こさないようにするプリント基板について開示されている。
【特許文献1】特開平11−54856
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
パネル型テレビジョンにおいて、一次側と二次側の電圧が異なる電源回路を実装したプリント基板は立設型である。そして一次側の電源回路は一般的に下方に配置される。このような立設型のプリント基板を収容するパネル型テレビジョンのキャビネットでは、上部に通風口が設けられることが一般的であり、上方からの水の浸入が問題となる。このような場合、上方から侵入してくる水が、高電圧の一次側の電源回路を有する部分に侵入しないようにすることが肝要である。このような場合、上記特許文献1のように上記撥水性部材を上記絶縁部分に配置しても、上方から流れてくる水は撥水性部材の上を流れて、一次側の電源回路を有する部分へ浸入してくる。従ってパネル型テレビジョンのように立設型のプリント基板には適さない。
【0004】
本発明では一次側と二次側の電圧が異なる電源回路を実装した立設型のプリント基板において、一次側の電源回路を有する部分への水の浸入を防ぐ基板構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明では、一次側と二次側の電圧が異なる電源回路を基板に実装して立設されるパネル型テレビジョン基板において、上記一次側の電源回路を有する領域である一次電源領域は上記パネル型テレビジョン基板の下端に形成され、上記一次電源領域と上記二次側の電源回路を有する領域である二次電源領域との間に、パターンを形成しない所定幅のパターン無し領域が設けられるとともに、同パターン無し領域には複数の小穴を有する保水構造が設けられ、上記小穴のうち、上記一次電源領域の上辺幅方向の中央部分にあるものは、略円形に形設され、上記小穴のうち、上記一次電源領域における上辺幅方向の外側部分および上記一次電源領域の側方にあるものは、断面が略斜め方向に細長に形設されるとともに、下端を上記上辺幅方向の外側に向けて形設され、上記保水構造は、上記基板を鉛直方向より見ると、上記一次電源領域の上辺に位置する上記小穴の分布に隙間がないように形設される構成としてある。
【0006】
また、上記目的を達成するために、請求項2に記載のパネル型テレビジョン基板は、一次側と二次側の電圧が異なる電源回路を基板に実装して立設され、上記一次側の電源回路に対応する領域である一次電源領域と上記二次側の電源回路に対応する領域である二次電源領域との間に、パターンを形成しない所定幅のパターン無し領域が設けられるとともに、同パターン無し領域には保水構造が設けられる構成としてある。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように、請求項1にかかる発明によれば、基板上部より伝って流れてくる水や小動物の排泄物などの液体を一次電源回路に進入する前に必ず保水するとともに、適宜上記一次電源領域の外に排出し、液体による一次電源回路のエラー・不具合を未然に防ぐことの可能な保水構造を持つパネル型テレビジョン基板を提供することが出来る。
また請求項2または3にかかる発明によれば、基板上部より伝って流れてくる水や小動物の排泄物などの液体は上記パターン無し領域に形設された保水構造に保水されるため、液体による一次電源回路のエラー・不具合を防ぐことの可能なパネル型テレビジョン基板を提供することが出来る。
【0008】
そして請求項4にかかる発明によれば、両面実装基板などでパターン無し領域の裏側にも配線されているものでも、保水構造を形成可能となる。
さらに請求項5にかかる発明によれば、液体を保水するだけでなく、保水した液体が一定量をこえると排出する保水構造を持つパネル型テレビジョン基板を提供することが出来る。
また請求項6にかかる発明によれば、保水構造のうち、上記一次電源領域の上辺幅方向の中央部分にあるものは液体を保水するとともに、上記一次電源領域における上辺幅方向の外側部分および同領域の側方にあるものは液体を上記一次電源領域の外に排出することが可能なパネル型テレビジョン基板を提供することが出来る。
【0009】
そして請求項7にかかる発明によれば、基板上部より伝って流れてくる水や小動物の排泄物などの液体を、一次電源回路に進入する前に必ず保水する保水構造を持つパネル型テレビジョン基板を提供することが出来る。
さらに請求項8にかかる発明によれば、保水構造にて保水された液体を速やかに蒸発させ、保水構造の保水能力を回復させることの出来るパネル型テレビジョン基板を提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)パネル型テレビジョンの構成:
(2)保水構造:
(3)保水構造の変形例:
(4)まとめ:
【0011】
(1)パネル型テレビジョンの構成:
以下、本発明の一実施形態にかかるパネル型テレビジョンについて説明する。図1は、パネル型テレビジョンを斜め前方より見た斜視図である。同図において、パネル型テレビジョン10は、キャビネット12と液晶パネル13と脚部14とから構成されている。キャビネット12は、表示面が前面側に露出するように液晶パネル13を保持している。脚部14は、キャビネット12を支持しており、それにより液晶パネル13の表示面が略鉛直に配向させられている。
【0012】
図2はパネル型テレビジョンを斜め後方より見た斜視図である。同図において、パネル型テレビジョン10の背面側におけるキャビネット12は中央部が背面側に厚く形成されており、厚く形成された部分の上部には放熱などの目的で空気穴21が設けられている。空気穴21はキャビネット12内部の熱を外に逃がすために形成されるとともに、キャビネット12の内部に水やペットの排泄物などが大量に流れ込むことが無いような構造になっている。空気穴21の形状としては図2ではスリット状のものを図示しているが、網目状や、複数の小穴など様々な形状が採用可能である。
【0013】
図3は、パネル型テレビジョン10を背面から見た平面図である。同図において、キャビネット12内部の中空空間には各種基板が配設されている。例えば、アンテナ入力端子16aをキャビネット12の外部に突出させるチューナ基板16が備えられており、同チューナ基板16にて入力した放送電波を所定形式の映像信号に変換することが可能となっている。また、キャビネット12内部の左下端には、コンセント20を外部に導出する電源基板15が立設されており、家庭用の電源からパネル型テレビジョン10の各部にて使用可能な電源に変換して供給している。なお、図3において、キャビネット12を一部破断させて電源基板15を図示しているが、実際には電源基板15はキャビネット12の内部に収容されている。
【0014】
そして、電源基板15は商用電源のAC電圧を入力して上記商用電源よりも低いDC電圧、またはAC電圧を出力する一次電源回路19と、上記一次電源回路より出力される上記商用電源よりも低いDC電圧、またはAC電圧を入力してパネル型テレビジョン10の各部で使用可能な電圧に変換して供給する二次電源回路17とを備えている。一次電源回路にかかる電圧は二次電源回路にかかる電圧よりも高圧である。
【0015】
一次電源回路19と二次電源回路17との間には、一次電源回路19を囲うようにパターンを形成しない所定幅のパターン無し領域18が設けられ、一次電源回路と二次電源回路とを電気的に絶縁している。パターン無し領域18は電気機器を対象とする安全規格である、IEC/EN60950、601010、60601などに規定される空間距離や沿面距離に基づいて形成される。ここで、パターン無し領域18を挟んで一次電源回路19のある側を一次電源領域、二次電源回路17のある側を二次電源領域とする。
【0016】
上記一次電源領域には一次電源回路19および商用電源から電圧を供給するためのコンセント20につながるケーブルが接続されており、同コンセントより供給されるAC電圧をより低いAC電圧やDC電圧に変換して二次電源回路17に供給する。なお映像出力回路やチューナー回路などのキャビネット内部に設置される各種回路は、一次電源回路19と絶縁されていればいかなる形態で実装されていてもよく、電源基板15と同一の基板上の上記二次電源領域に実装されていても構わないし、電源基板15から独立した基板に実装されていてもよい。また本実施例において一次電源回路19はパネル型テレビジョンの左下端に配置されているが、一次電源回路は他の回路から絶縁されてさえいればどこに配置されていてもよく、右下であっても上部中央であっても、その他のいかなる位置にあっても構わない。
【0017】
(2)保水構造:
図4に本実施例における電源基板20の上面部分図を示す。同図は電源基板15の左下の一部を示したものであり、上記一次電源領域は左下の縦横両辺に左辺と下辺とが接する略長方形状に形成され、同一次電源領域の上辺と右辺とを囲う形でパターン無し領域18が形成される。そしてパターン無し領域18のさらに外側を、二次電源回路19を備える二次電源領域としてある。同図において、パターン無し領域18には断面が略円形の複数の小穴50が設けられている。図4においては、この複数の小穴50が上記保水構造を構成する。
【0018】
パターン無し領域18における小穴50は、上の列に横一列で等間隔な小穴50を形成され、その一段下の列は横方向に上の列と小穴50の直径分だけ左右にずらして小穴が形成される。むろん、小穴50は、電源基板を鉛直方向より見るとき、上記一次電源領域の上辺に位置する小穴50の分布に隙間がないように配置されればよく、ずらす幅は小穴50の直径であっても、小穴50の半径であっても構わない。すなわち小穴50は、液体が上方より下方へと伝い、上記一次電源領域に進入しようとすると、小穴50の何れかを必ず経由するように配置されればよい。
【0019】
また、図5および図6は本実施例における電源基板20の縦断面図である。図5及び図6において左側が部品を実装する実装面で、右側が半田付けをする半田面である。どちらの面が実装面であるかを示すため、部品の一例として上記一次電源領域および上記二次電源領域に抵抗を示してある。図5の小穴50aは基板の実装面から半田面まで貫通し、図6の小穴50bは実装面から半田面まで貫通しないくぼみとして形成されている。小穴50aおよび50bは図4の小穴50に対応する。
【0020】
二次電源領域から伝ってくる液体はパターン無し領域18を通過する際に、液体が重力や表面張力に逆らって細い管の中に吸い上げられる現象である毛管現象がはたらき、小穴50に吸い込まれる。そして入り込んだ液体は小穴50の開口部分で表面張力がはたらくため、小穴50から流れ出ないように保水される。保水された液体は自然蒸発や、パネル型テレビジョンの各部品の発する熱による蒸発により、保水構造の保水能力が回復する。従ってパターン無し領域18に形成される小穴50は、穴の容量に見合う量の液体を溜めておくことの可能な保水機能を持つ。
【0021】
さらに図7のように、パターン無し領域18に対応するキャビネット12の内部にファン60を備えさせパターン無し領域18に送風する構成としてもよい。小穴50に溜め込まれた液体は上述したように時間を経て蒸発するが、小穴50の保水できる容量には上限があるため、新たな液体が流れてくる前に蒸発させ、保水能力を回復させたほうがよい。そこで、ファン60により送風すると、蒸発速度が上がり小穴50の保水能力の回復が早まる。むろんパネル型テレビジョンの一種であるプラズマテレビなどのように、もともと冷却ファンを備えているのであれば、同ファンより送られる風をパターン無し領域に当たるように調整すれば、別途ファンを用意しなくとも構わない。
【0022】
実際にユーザーがパネル型テレビジョンを使用しているときに誤って水をかけてしまうと、キャビネット12の空気孔21よりキャビネット12内部に水が進入する可能性がある。そして進入した水がキャビネット12内部に立設された電源回路を含む基板の表面に付着すると、付着した水は基板表面を伝い下方へと流れる。もしも本発明のような保水構造を持たない基板であれば、水は一次電源回路に進入し、一次電源回路の部品にエラー・不具合の起こる恐れがある。
【0023】
しかし本実施例の保水構造を持った基板であれば、水が上記一次電源領域の上まで流れて来ると、まずパターン無し領域18を通過する。そして、パターン無し領域18を通過する水は毛細管現象により小穴50に吸い込まれる。吸い込まれた水は小穴50の開口部にてはたらく表面張力により小穴50内部からは漏れにくくなり小穴50の中に保たれる。ここでファン60より送風されると小穴50に保水された水は自然蒸発とあいまって速やかに蒸発し、蒸発した水のほとんどは空気孔21よりキャビネット12の外部へと排出される。
【0024】
(3)保水構造の変形例1:
図8に、本実施例における電源基板20の変形例の上面部分図を示す。同図は図4と同じく、電源基板15の左下端を示したものであり、上記一次電源領域は左辺と下辺とが基板の左辺と下辺とに接する略長方形状に形成され、上記一次電源領域の残りの上辺と右辺とを囲う形でパターン無し領域18が形成される。そして、パターン無し領域18のさらに外側に二次電源回路19を備える二次電源領域が形成される。同図において、パターン無し領域18には断面が略円形の複数の小穴80および断面が細長なスリット状の穴である複数の小穴70が設けられている。図8においては、この複数の小穴80および小穴70が保水構造を構成する。
【0025】
小穴80は図4における小穴50と同じく毛細管現象により液体を吸い込むとともに、小穴50内部に入り込んだ液体は表面張力により流出しにくくなるため、保水することができる。一方小穴70は毛細管現象により液体を吸い込むが、一定量以上の液体が小穴70に入り込むと、表面張力よりも液体に作用する重力が勝り下端より水が流出する。このように小穴80は保水能力とともに排水能力も併せ持つ。
【0026】
ただし下端が上記一次電源領域に向いていると上記一次電源領域に液体を流してしまうため、小穴70の下端は上記二次電源領域に向けて形成されなければならない。穴形成部位によっては、上記一次電源領域に液体を流さないように小穴70を形成することが出来ない部位もあるため、そのような部位には略円形の小穴80を形成する。具体的には図8においてパターン無し領域18の右上部分および右側方部分には小穴70が右下がりに形成され、左上部分には小穴70が左下がりに形成され、それ以外の部分には小穴80が形成される。むろん当該構成に加えて図7のようにファン60を備えさせ、ファン60によりパターン無し領域18に送風する構成としても構わない。
【0027】
本変形例においては、キャビネット12内部に進入した水が基板表面を伝い下方へと流れ、上記一次電源領域の上まで流れて来て、パターン無し領域18を通過する。ここまでは上記実施例と同じである。ここで図8におけるパターン無し領域18の右上部分および右側方部分に流れてきた水は右下がりに形成された小穴70に保水され、小穴70の内部を穴の形状に従って右斜め下へと流れていく。小穴70に一定量の水が入り込むまでは、入り込んだ水に作用する表面張力が重力を上回るので、水が流れ出ることは無い。
【0028】
しかし一定量を超える水が入り込むと、入り込んだ水に作用する重力が表面張力を上回るので、パターン無し領域18と上記二次電源領域との境目付近の小穴70の下端より流出し、水が流れてもエラー・不具合などの起こる可能性の少ない上記二次電源領域を流れ下り、基板の下端に達する。一方、パターン無し領域18の左上部分に流れてきた水は左下がりに形成された小穴70に保水され、穴の形状に従って左斜め下へと流れていく。そして一定量を超える水が小穴70に入り込むと基板左端に位置する小穴70の下端より流出し、基板の左側面を流れ下り基板の下端に達する。また、パターン無し領域80の上中央部に流れてきた水は毛細管現象により小穴80に吸い込まれ、吸い込まれた水は小穴80の開口部にはたらく表面張力により小穴50内部に保水されるとともに、ファン60からの送風により速やかに蒸発する。
【0029】
(4)まとめ:
つまり、一次電源回路19と二次電源回路17との間にパターン無し領域18を設け、同パターン無し領域に略円形の小穴80や断面が略斜め方向に細長な小穴70を有する保水構造を形成する。また基板を鉛直方向より見ると、一次電源回路19のある領域の上辺に位置する小穴80および小穴70は、これらの分布に隙間がないように形成する。
【0030】
以上説明したように本実施例に対応する請求項2にかかる発明は、一次側と二次側の電圧が異なる電源回路を基板に実装して立設されるパネル型テレビジョン基板において、上記一次側の電源回路に対応する領域である一次電源領域と上記二次側の電源回路に対応する領域である二次電源領域との間に、パターンを形成しない所定幅のパターン無し領域が設けられるとともに、同パターン無し領域には保水構造が設けられる構成としてある。
【0031】
このときキャビネット12上部より進入し、パネル型テレビジョン基板の一部である電源基板15を伝い流れる液体が上記一次電源領域へと流れてきたとき、上記一次側の電源回路に対応する領域である一次電源領域と上記二次側の電源回路に対応する領域である二次電源領域との間に設けられたパターンを形成しない所定幅のパターン無し領域にて、保水構造に保水される。ここで保水構造としては液体を吸い込み、保水することが可能であればいかなる形態のものであってもよく、小穴であっても、クラックであっても、スポンジ状であっても構わない。
【0032】
また請求項3にかかる発明では、上記請求項2に記載のパネル型テレビジョン基板において、上記保水構造は複数の小穴より成り、当該小穴は上記基板を貫通して形設される構成としてある。
上記のように構成した請求項3の発明において、基板上部より伝って流れてくる水や小動物の排泄物などの液体は上記パターン無し領域に形設された保水構造に保水されるため、液体による一次電源回路のエラー・不具合などを未然に防ぐことの可能なパネル型テレビジョン基板を提供することが出来る。
そして請求項4にかかる発明では、上記請求項2に記載のパネル型テレビジョン基板において、上記保水構造は複数の小穴より成り、当該小穴は上記基板を貫通せずに形設される構成としてある。このとき、両面実装基板などでパターン無し領域の裏側にも配線されているものでも、保水構造を形成可能となる。
【0033】
さらに請求項5にかかる発明では、上記請求項3または4に記載のパネル型テレビジョン基板において、上記小穴は断面が略斜め方向に細長に形設される構成としてある。このとき、液体を保水するだけでなく、保水した液体が一定量をこえると排出する保水構造を持つパネル型テレビジョン基板を提供することが出来る。
【0034】
また請求項6にかかる発明では、上記請求項2〜4のいずれかに記載のパネル型テレビジョン基板において、上記保水構造における上記小穴のうち、上記一次電源領域の上辺幅方向の中央部分にあるものは、略円形に形設され、上記小穴のうち、上記一次電源領域における上辺幅方向の外側部分および同領域の側方にあるものは、断面が略斜め方向に細長に形設されるとともに、下端を上記上辺幅方向の外側に向けて形設される構成としてある。このとき、液体を保水するとともに、適宜、上記一次電源領域の外に排出する保水構造を持つパネル型テレビジョン基板を提供することが出来る。
【0035】
そして請求項7にかかる発明では、上記請求項2〜6のいずれかに記載のパネル型テレビジョン基板において、上記一次電源領域は上記パネル型テレビジョン基板の下端に形成され、上記保水構造は、上記基板を鉛直方向より見ると、上記一次電源領域の上辺に位置する上記小穴の分布に隙間がないように形設される構成としてある。このとき、基板上部より伝って流れてくる水や小動物の排泄物などの液体を、一次電源回路に進入する前に必ず保水する保水構造を持つパネル型テレビジョン基板を提供することが出来る。
【0036】
さらに請求項8に記載の発明では、上記請求項2〜7のいずれかに記載のパネル型テレビジョン基板において、上記パネル型テレビジョン基板を備えるパネル型テレビジョンはファンを備え、上記小孔は上記ファンにより送風される構成としてある。このとき、保水構造にて保水された液体を速やかに蒸発させ、保水構造の保水能力を回復させることの出来るパネル型テレビジョン基板を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】パネル型テレビジョンの前面の斜視図である。
【図2】パネル型テレビジョンの背面の斜視図である。
【図3】パネル型テレビジョンの背面図である。
【図4】パネル型テレビジョンの電源回路を含む基板における部分平面図である。
【図5】パネル型テレビジョンの電源回路を含む基板における部分断面図である。
【図6】パネル型テレビジョンの電源回路を含む基板における変形例の部分断面図である。
【図7】パネル型テレビジョンの変形例の部分断面図である。
【図8】パネル型テレビジョンの電源回路を含む基板における変形例の部分平面図である。
【符号の説明】
【0038】
10…パネル型テレビジョン
12…キャビネット
13…液晶パネル
14…脚部
15…電源基板
16…チューナー基板
16a…チューナー端子
17…二次電源回路
18…パターン無し領域
19…一次電源回路
20…コンセント端子
21…空気穴
50,50a,50b,70,80…小穴
60…ファン
【出願人】 【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
【出願日】 平成17年9月26日(2005.9.26)
【代理人】 【識別番号】100096703
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 俊之


【公開番号】 特開2007−88397(P2007−88397A)
【公開日】 平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願番号】 特願2005−278793(P2005−278793)