| 【発明の名称】 |
コレットおよびこれを用いたワーク搬送装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】横内 義雄
【氏名】平林 茂夫
【氏名】松崎 昇
【氏名】倉田 要一
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| 【要約】 |
【課題】小型化されたワークであっても、ワークを確実に吸着することができるコレット、及びそのコレットを用いたワーク搬送装置を提供すること。
【解決手段】金属部24を有するワーク10を吸着するようにしたコレット40であって、コレット40内にワーク10と接近及び離間する方向に延びる内部空間48と、内部空間48を移動可能な磁石50と、ワーク10に接近する側の内部空間48と外部空間とを隔てる仕切り部52とを備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属部を有するワークを吸着するようにしたコレットであって、 前記コレット内に前記ワークと接近及び離間する方向に延びる内部空間と、 前記内部空間を移動可能な磁石と、 前記ワークに接近する側の前記内部空間と外部空間とを隔てる仕切り部と を備えていることを特徴とするコレット。 【請求項2】 前記仕切り部は、前記内部空間を塞いで封止しないように、外部空間とつながった連通部を有していることを特徴とする請求項1に記載のコレット。 【請求項3】 前記磁石よりも前記ワークと離間する側の前記内部空間に、真空圧が供給されるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のコレット。 【請求項4】 前記磁石よりも前記ワークと離間する側の前記内部空間に、高圧空気が供給されるようにしたことを特徴とする請求項3に記載のコレット。 【請求項5】 前記磁石は、前記ワークと接近する側に向かって付勢力を有する伸縮性部材と接続されていることを特徴とする請求項3または4に記載のコレット。 【請求項6】 前記磁石は、前記ワークと接近及び離間する方向に移動するアクチュエータと接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載のコレット。 【請求項7】 金属部を有するワークを吸着するようにしたコレットと、このコレットを移動させることで前記ワークを搬送するようにした搬送手段とを備えたワーク搬送装置であって、 前記コレットは、 その内側に前記ワークと接近及び離間する方向に延びる内部空間と、 前記内部空間を移動可能な磁石と、 前記ワークに接近する側の前記内部空間と外部空間とを隔てる仕切り部と を備えていることを特徴とするワーク搬送装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ワークを保持するコレット、及びこれを用いたワーク搬送装置に関する。 【背景技術】 【0002】 図11は、ワークを保持している状態の従来のコレットの先端部分の概略縦断面図である(例えば、特許文献1参照)。 このコレット1に保持されるワーク5は例えば電子デバイスであって、この図の場合は圧電振動子の製造過程における状態である。すなわち、全体が矩形状とされ、圧電振動片4を収容するための収容空間S1が開口した状態のパッケージ6である。 【0003】 そして、コレット1は、角錐コレット部3の傾斜面3aにワーク5の角を接しさせて、コレット1に対するワーク5の位置ずれを規制しつつ、角錐部3より内側であって、中央線Cに沿って形成された吸着孔8により真空吸着して、ワーク5を吸着保持するようになっている。 【0004】 【特許文献1】特開2005−93689の公開特許公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 ところが、近年、ハード・ディスク・ドライブ、モバイルコンピュータ、あるいはICカード等の小型の情報機器や、携帯電話等の移動体通信機器などの電気製品については小型薄型化がめざましく、それらに用いられる圧電振動子等の電子デバイスもまた極めて小型化されている。 このため、コレット1は、従来のように中央に吸着孔8を正確に加工することが困難になってきており、また、たとえ吸着孔8を正確に形成できたとしても、その孔の直径が小さくなってしまって、上手くワーク5を吸着できない恐れも生じてきている。 【0006】 本発明は、上述の課題を解決するためのものであり、小型化されたワークであっても、ワークを確実に吸着することができるコレット、及びそのコレットを用いたワーク搬送装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 上述の目的は、第1の発明によれば、金属部を有するワークを吸着するようにしたコレットであって、前記コレット内に前記ワークと接近及び離間する方向に延びる内部空間と、前記内部空間を移動可能な磁石と、前記ワークに接近する側の前記内部空間と外部空間とを隔てる仕切り部とを備えているコレットにより達成される。 【0008】 第1の発明の構成によれば、コレット内には、ワークと接近及び離間する方向に延びる内部空間と、この内部空間を移動可能な磁石とが備えられている。このため、磁石は、内部空間内をワークと接近・離間することができ、接近してワークの金属部に作用し、これによりコレットはワークを吸着することができる。 そして、このコレットは、ワークに接近する側の内部空間と外部空間とを隔てる仕切り部が備えられている。このため、内部空間内の磁石がワークと離間する側に移動しようとすると、外部空間に存在するワークは、仕切り部により磁石の動きに追従することができなくなって、磁石から遠ざかる。したがって、ワークに対する磁石の磁場の影響が小さくなって、ワークはコレットから離れることになる。 かくして、本発明の効果として、小型化されたワークであっても、ワークを確実に吸着することができるコレットを提供することができる。 【0009】 第2の発明は、第1の発明の構成において、前記仕切り部は、前記内部空間を塞いで封止しないように、外部空間とつながった連通部を有している。 第2の発明の構成によれば、仕切り部は、内部空間を塞いで封止しないように、外部空間とつながった連通部を有している。したがって、内部空間内の磁石は、連通部を介して外部に露出し、磁力を確実にワークにかけて、コレットのワークに対する保持力を向上させることができる。 【0010】 第3の発明は、第1または第2の発明の構成において、前記磁石よりも前記ワークと離間する側の前記内部空間に、真空圧が供給されるようにしたことを特徴とする。 第3の発明の構成によれば、磁石よりもワークと離間する側の内部空間に、真空圧が供給されるようにしたので、真空圧を供給すると、磁石はワークと離間する側に吸引され、これにより、上述のように、仕切り部の位置でワークをコレットから切り離せる。また、真空圧の供給を止めると、磁石は例えば自由落下してワークに接近し、磁石がワークを吸着できる。 【0011】 第4の発明は、第3の発明の構成において、前記磁石よりも前記ワークと離間する側の前記内部空間に、高圧空気が供給されるようにしたことを特徴とする。 第4の発明の構成によれば、磁石よりもワークと離間する側の内部空間に、高圧空気が供給されるようにしたので、高圧空気が供給されると、磁石はワークと接近する側に迅速に押されて、磁石がワークを迅速に吸着する。 【0012】 第5の発明は、第3または第4の発明の構成において、前記磁石は、前記ワークと接近する側に向かって付勢力を有する伸縮性部材と接続されていることを特徴とする。 第5の発明の構成によれば、磁石は、ワークと接近する側に向かって付勢力を有する伸縮性部材と接続されている。このため、例えば、磁石よりもワークと離間する側の内部空間に真空圧を供給した後、この真空圧の供給を中止すると、伸縮性部材により磁石はワークと接近する側に押されてワークに確実に接近し、磁石がワークを確実に吸着する。 【0013】 第6の発明は、第1または第2の発明の構成において、前記磁石は、前記ワークと接近及び離間する方向に移動するアクチュエータと接続されていることを特徴とする。 第6の発明の構成によれば、磁石は、ワークと接近および離間する方向に移動するアクチュエータと接続されている。このため、アクチュエータを駆動させて、磁石をワークと接近および離間する方向に移動させて、第1または第2の発明のようにワークを吸着したり離したりすることができる。 【0014】 また、上述の目的は、第7の発明によれば、金属部を有するワークを吸着するようにしたコレットと、このコレットを移動させることで前記ワークを搬送するようにした搬送手段とを備えたワーク搬送装置であって、前記コレットは、その内側に前記ワークと接近及び離間する方向に延びる内部空間と、前記内部空間を移動可能な磁石と、前記ワークに接近する側の前記内部空間と外部空間とを隔てる仕切り部とを備えているワーク搬送装置により達成される。 【0015】 第7の発明の構成によれば、ワーク搬送装置は、コレットを移動させることでワークを搬送するようにした搬送手段を有するため、コレットで吸着されたワークを搬送することができる。 そして、コレットは、その内側にワークと接近及び離間する方向に延びる内部空間と、内部空間を移動可能な磁石と、ワークに接近する側の内部空間と外部空間とを隔てる仕切り部を備えている。したがって、コレットは、第1の発明と同様に磁石の内部空間の移動に応じて、ワークを吸着したり離したりして、ワークを搬送できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 図1および図2は、本発明の第1の実施形態に係るワーク搬送装置を用いて搬送されるワーク10の例示として、弾性表面波装置(以下、「SAW(Surface Acoustic Wave)デバイス」という)を示しており、図1はSAWデバイスの概略平面図、図2は図1のA−A線切断端面図である。 なお、図1は、理解の便宜のため、後述する蓋体を透視して図示している。 【0017】 ワーク10は、パッケージ20内に部品を収容するようになっている。 パッケージ20は、例えば複数のセラミックベースを積層して焼結されることで形成されており、全体が矩形状あるいは箱状となっている。このパッケージ20は、図2に示すように、中央付近を凹状とすることで、上部に開口した開口部28を有する収容空間Sが設けられ、この収容空間Sは周囲の壁部20bに囲まれるようになっている。 【0018】 また、パッケージ20は、開口部28側の端面(壁部20bの端面)20aに、ロウ材24を用いて蓋体26を接合し、これにより収容空間Sが封止されている。 ロウ材24には、低融点ガラスやシームリング等が利用できるが、本実施形態では、後述するように、コレット内の磁石がパッケージ20を確実に吸着する金属部となるように、シームリングが採用されている。 【0019】 具体的には、ロウ材24は、例えば、開口部側の端面20aにタングステンメタライズを施してニッケルメッキをし、その上にコバールからなるシームリングを接着させている。また、このロウ材24は、開口部側の端面20aの全周に施されているので、図1の平行斜線の部分で示すように、平面視において、対向する二辺が平行となるように形成されている。 そして、このシームリングとニッケルメッキ及び金メッキが周縁に施された金属製の蓋体26とが電気溶接されて、蓋封止されている。 【0020】 このようなパッケージ20の収容空間Sには、圧電素子12等が収容されている。 圧電素子12は、例えば水晶で矩形状に形成され、その表面に、すだれ状電極である櫛型電極(IDT(Inter Digital Transducer))16及び反射器18,18が備えられたSAWチップとなっている。 この圧電素子12は、弾性表面波の伝搬面に応力が生じないようにするため、IDT16や反射器18,18が設けられていない領域が、接着剤22を用いて収容空間S内に接合されており、片持ち式にパッケージ20に接合されている。 接着剤22は、本実施形態では、例えば、エポキシ、ウレタン、シリコーン、ポリイミド、その他の熱硬化性樹脂接着剤や、これらに導電フィラーとして銀を添加した所謂銀ペースト等の導電性接着剤が用いられている。 【0021】 また、圧電素子12は、図1に示されるように、ボンディングパッド17,17・・・や、金線等でなるボンディングワイヤ15,15・・・を介して、半導体集積回路14と電気的に接続され、これにより、本実施形態のワーク10はSAW発振器となっている。なお、半導体集積回路14は、収容空間Sの内側に接着剤(図示せず)を用いて接合されており、好ましくは、圧電素子12の特性に応じた温度補償用のデータが書き込まれ、温度検出手段としてのサーモセンサ(図示せず)を備えている。 【0022】 次に、以上のようなワーク(SAWデバイス)10の製造工程を説明する。 図3はSAWデバイスを形成する一般的な製造工程を示しており、この図3及び図1、図2を用いて概説する。 先ず、図1及び図2で示したパッケージ20を形成する(図3のST1)。なお、このパッケージ形成の際には、開口部側の端面20aに、上述したシームリング等でなるロウ材24を接着しておく。 次いで、このパッケージ20の収容空間Sに露出した内側底面に接着剤22を塗布し、その上に予め形成しておいた圧電素子12を載置して軽く加重をかけて仮止めをする(図3のST2)。 次いで、蓋封止されていないパッケージ20を、後述するワーク搬送装置を用いて、加熱炉に搬送し(図3のST3)、接着剤22を加熱して(図3のST4)、圧電素子12をパッケージ20に確実に接合固定する。 そして、パッケージ20の開口側端面20aに設けたシームリングでなるロウ材24と金属製の蓋体26とを電気溶接して、蓋封止する(図3のST5)。 【0023】 次に、上述のワーク10を搬送するためのワーク搬送装置について説明する。 図4は、ワークを加熱炉に搬送(図3のST3)する際におけるワーク搬送装置30の概略図である。 図4に示されるように、ワーク搬送装置30は、コレット40と、このコレット40を移動させることでワークを搬送する搬送手段32とを備えている。 【0024】 搬送手段32は、X−Y軸方向に移動可能なX軸方向移動手段34と、Y軸方向移動手段36とを備えている。 Y軸方向移動手段36には、例えば、駆動時の摩擦が小さく、スティックスリップが少ない等の利点を有するエアスライドが用いられている。エアスライドは、スライドテーブル36aが、アクチュエータでY軸方向に可動する際、空気軸受によりエアスライドガイド36bと接触せずに可動するようになっている。 【0025】 このエアスライドを用いたY軸方向移動手段36は、X軸方向移動手段34と接続されており、X軸方向移動手段34は、例えばボールねじが用いられたアクチュエータによりX軸方向に移動可能な装置となっている。 なお、本実施形態の搬送手段32は以上のような構成になっているが、本発明はこれに限られるものではなく、ワークをX−Y軸方向あるいはこれにθ軸方向の動きを加えて搬送可能としたアームロボット等の装置であっても勿論よい。 【0026】 コレット40は、ワーク搬送装置30の先端に取り付けられており、その先端部は、水平方向についてワーク10の外形と略同じ外形を有している。具体的には、コレット40はワーク10に接続するためのコレット取付け部39に取り付けられている。すなわち、コレット取付け部39にはコレット40を嵌入するための嵌入孔(図示せず)が開けられており、鍔部44が密着するようにして、その嵌入孔(図示せず)にシャンク部42が嵌入されている。なお、このシャンク部42は、好ましくは、嵌入孔内で回転しないように、平面状に面取りされた平取部42a(図5参照)を有しており、嵌入孔の形状もこの平取部42aに対応した形状となっている。 【0027】 そして、本実施形態の場合、このコレット取付け部39は、真空供給手段38および高圧供給手段33と接続されている。真空供給手段38は、後述するコレット40内の磁石を吸着するために真空圧を供給する手段であり、例えば真空ポンプが用いられている。具体的には、真空供給手段38に接続された管38aと、シャンク部42内の通気路46とが、コレット取付け部39内の空間(図示せず)で連通されている。また、高圧供給手段33は、後述するコレット40内の磁石を押圧するために高圧空気を供給する手段であり、コンプレッサーや、コンピュータ(図示せず)で制御されたレギュレーター等が用いられている。具体的には、高圧供給手段33に接続された管33aと、シャンク部42内の通気路46とが、コレット取付け部39内の空間(図示せず)で連通されている。 【0028】 なお、コレット取付け部39は、Y軸方向移動手段36に接続されたアーム37と、バネ等の伸縮部材35を利用して接続されており、これにより、コレット40をワークに接触させた際に生じる衝撃を和らげるようになっている。 【0029】 次に、コレット40について詳細に説明する。 図5はコレット40の概略斜視図、図6は図5のB−B線切断断面図、図7はコレット40の底面図である。なお、図6では理解の便宜のためにワークを点線で示している。 コレット40は、後述する磁石50を除いて、全体が非金属性の例えばプラスチックから形成されており、その内側に、ワークと接近及び離間する方向(図5および図6のY軸方向)に延びる内部空間48を有している。 【0030】 内部空間48は、ワーク10と離間する側(図6の上側)において、真空供給手段38および高圧供給手段33(図4参照)に接続されている通気路46とつながっており、これにより、内部空間48の後述する磁石50よりも図6の上側に、真空圧および高圧空気が供給されるようになっている。 また、内部空間48の内径L2は通気路46の内径L1よりも大きく形成されており、これにより、内部空間48の通気路46側には下向きの段部48aが形成されている。 【0031】 そして、この内部空間48には移動可能な磁石50が設けられている。この磁石50は、ワーク10をコレット40に吸着させる手段であり、本実施形態では永久磁石が用いられている。具体的には、磁石50は一つのみ設けられており、その幅方向(X方向)の寸法は、通気路46の内径L1よりも大きく形成されており、好ましくは、内部空間48の内径L2と略同じか或いは僅かに小さくなっている。これにより、内部空間48内での揺動を抑制して、ワーク10と接近及び離間する方向(Y軸方向)にのみ移動可能となっている。また、磁石50の高さ寸法(Y軸方向の寸法)は、少なくとも磁石50が内部空間48の通気路46側(図6の上側)にあるとき、後述する仕切り部52に位置するワーク10に対して与える磁力が弱くなって、磁石50がワーク10を吸着しなくなるような高さ寸法を有している。 【0032】 そして、コレット40は、磁石50がワーク10に接近する側の内部空間48と外部空間とを隔てる仕切り部52を有している。 図8は仕切り部52を備える部品54の概略斜視図であり、この図8及び図5ないし図7により、仕切り部52を説明する。 仕切り部52は、磁石50が内部空間48から落下しないように設けられると共に、ワーク10が内部空間48に挿入してこないようにするための手段である。 本実施形態の仕切り部52は、内部空間48が形成された部品に接合された部品54に備えられている。この仕切り部52が備えられている部品54は、水平方向について、後述する連通部56の部分を除いて、ワーク10の外形と略同じ外形となっている。また、部品54の内部空間48側(図8の上面)の形状は、磁石50が水平に収まるように、内部空間48の内径と同様の寸法で形成され、磁石50の水平方向の形状に略対応して形成されている。 【0033】 そして、仕切り部52は、図7及び図8に示すように、内部空間48を完全に塞いで封止しないように、外部空間とつながった連通部56を有している。このため、連通部56からは内部空間48内の磁石50の一部(図7の平行斜線で示す部分)が外部に露出するようになっており、連通部56は、磁石50のワーク10に及ぼす磁力を向上させている。なお、連通部56は仕切り部52が備えられている部品54の一部を切り欠くようにして形成されている。 【0034】 さらに、この連通部56はワーク10の金属部に対応して配置されている。すなわち、図5や図7に示すように、連通部56は、パッケージの開口部側の端面20aに設けられたシームリング等でなるロウ材24(図2参照)に対応した位置に設けられている。 本実施形態の場合、連通部56は、複数設けられており、平面視において対向する二辺が平行となるように形成されたロウ材24に対応して、図7に示すように、平面視において平行な二辺の各々に長方形状に形成されており、より具体的には、図5ないし図8に示すように、パッケージ20の長手方向に沿って設けられた二箇所のロウ材24に対向して配置されるようになっている。 【0035】 これにより、磁石50がワーク10に及ぼす磁力について、仕切り部56の連通部56以外の領域に比べて連通部56からの磁力の方が大きいので、連通部56の位置を金属部(ロウ材24)の位置に対応させることで、コレット40に対してワーク10の位置がずれないようにしている。 なお、連通部56の位置、数、形状は上述に限られるものではなく、例えば、保持力は弱まるかも知れないが、パッケージ20の短手方向に沿って設けられた二箇所のロウ材24に対向して配置してもよく、また、例えば、ロウ材24の4辺に対応させて4箇所に設けても勿論よい。 【0036】 本発明の第1の実施形態は以上のように構成されており、コレット40は、ワーク10と接近及び離間する方向に延びる内部空間48を有すると共に、内部空間48内を移動可能な磁石50を有する。このため、図6に示すように、磁石50は、内部空間48内をワーク10と接近・離間することができ、接近してワーク10の金属部(ロウ材24)に作用し、これによりコレット40はワーク10を吸着することができる。 そして、このコレット40は、ワーク10に接近する側の内部空間48と外部空間とを隔てる仕切り部52が備えられている。このため、内部空間48内の磁石50がワーク10と離間する側に移動(図6の点線の位置に移動)すると、外部空間に存在するワーク10は、仕切り部52により磁石50の動きに追従することができなくなって、磁石50から遠ざかる。したがって、ワーク10に対する磁石の磁場の影響が小さくなって、ワーク10はコレット40から離れることになる。 【0037】 また、このように磁石50を用いてワーク10を吸着するようにしたことで、真空ポンプ等でワーク10を真空吸着するタイプのコレットが、気流によりワーク10に載置された部品の位置をずらしてしまうという問題を解決することもできる。特に、ワーク10がSAWデバイスの場合、図3のように、圧電振動片をパッケージに完全に接合固定しない状態で加熱炉に搬送するため(図3のST3)、真空吸着により収容空間内に気流が発生して、圧電振動片の位置がずれてしまう恐れが高くなってしまうが、本実施形態の場合は、気流が発生しないので、そのような恐れを防止することができる。 【0038】 図9は、本発明の第1の実施形態の第1の変形例を示すコレット60の概略断面図であり、図6の概略断面図に対応している。この図において、第1の実施形態で用いた符号と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複した説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。 この図のコレット60が図4ないし図8のコレット40と相違する点は、磁石50の移動手段についてのみである。 【0039】 すなわち、コレット60は、磁石50がワーク10と接近する側(図9の下側)に向かって付勢力を有する伸縮性部材62と接続されている。 具体的には、伸縮性部材62は、例えばバネから形成されており、その伸縮方向とワーク10と接近離間する方向とが一致するようになっている。 この伸縮性部材62は、伸縮方向の一端が、内部空間48のワーク10と離間する側(図9の上側)、或いは通気路46の内部空間48側に接続されており、伸縮方向の他端が、磁石50の中央付近に接続されている。 【0040】 そして、伸縮性部材62は、外部から力を加えない状態では、磁石50をワーク10と接近する側(図9の内部空間48の下側)に配置させるようになっており、内部空間48の磁石50よりも上側(通気路46側)に真空圧を供給することにより、磁石50をワーク10と離間する側(図9の内部空間48の上側)に移動させるようになっている。 なお、図9のコレット60の場合は、内部空間48の磁石50よりも上側に、高圧空気を供給するようにはなっていない。 【0041】 本発明の第1の実施形態の第1の変形例は以上のように構成されており、このため、第1の実施形態と同様の作用効果を発揮する。 すなわち、ワーク10を吸着させたい場合は、伸縮性部材62によって、迅速かつ確実に磁石50を仕切り部52の位置まで移動させることができる。そして、ワーク10をコレット60から離したい場合は、真空圧を内部空間48に供給して、磁石50を通気路46側に移動させて、ワーク10の追従を仕切り部52の位置で制限することができる。 また、このように伸縮性部材62を用いることで、高圧空気を内部空間48に供給するためのコンプレッサーやレギュレーター等といった高価な装置を不要とできる。 【0042】 図10は、本発明の第1の実施形態の第2の変形例を示すコレット70の概略断面図であり、図6の概略断面図に略対応している。この図において、第1の実施形態で用いた符号と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複した説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。 この図のコレット70が図4ないし図8のコレット40と相違する点は、磁石50の移動手段についてのみである。 【0043】 すなわち、コレット70は、磁石50が、ワーク10と接近および離間する方向に移動するアクチュエータ72と接続されている。 具体的には、アクチュエータ72は、例えば、シリンダ内に図示しないモータと、このモータで回転する図示しないボールねじと、このボールねじの回転によって移動する図示しないナットを有している。そして、このナットと接続された棒状部78が、コレット取付け部39の中心に設けられた空間76、及びコレット70のシャンク部46の中心に設けられた空間74を通って、内部空間48まで挿入されており、磁石50と接続されている。 なお、図10のコレット70の場合は、内部空間48の磁石50よりも上側に、真空圧や高圧空気が供給されるようにはなっていない。 【0044】 本発明の第1の実施形態の第2の変形例は以上のように構成されており、このため、第1の実施形態と同様の作用効果を発揮する。 すなわち、ワーク10を吸着させたい場合は、アクチュエータ72を作動させて棒状部78に接続された磁石50を仕切り部52の位置まで移動させることができる。そして、ワーク10をコレット60から離したい場合は、アクチュエータ72を作動させて棒状部78に接続された磁石50を通気路46側に移動させて、ワーク10の追従を仕切り部52の位置で制限することができる。 【0045】 本発明は上述の実施形態に限定されない。各実施形態や各変形例の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。 例えば、図1及び図2では圧電素子12の例としてSAWチップを図示したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、片持ち式にパッケージに接合される音叉型圧電振動片やATカット振動片等であってもよい。 また、図1および図2では、半導体集積回路が収容されたSAW発振器を図示したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、半導体集積回路14が収容されていない圧電振動子であっても勿論よい。 また、磁石をワークと接近離間する方向に移動させる手段を、上述した図4ないし図10で示した移動手段の組み合わせとしてもよく、例えば、磁石50をワーク10に近づけるための手段として、図4の高圧供給手段33と図9の伸縮性部材62とを併用してもよい。 【図面の簡単な説明】 【0046】 【図1】本発明の第1の実施形態に係るワーク搬送装置を用いて搬送されるワークの例示として、SAWデバイスの概略平面図。 【図2】図1のA−A線切断端面図。 【図3】SAWデバイスを形成する一般的な製造工程。 【図4】ワークを加熱炉に搬送する際におけるワーク搬送装置の概略図。 【図5】コレットの概略斜視図。 【図6】図5のB−B線切断断面図。 【図7】コレットの底面図。 【図8】仕切り部を備える部品の概略斜視図。 【図9】本発明の第1の実施形態の第1の変形例を示すコレットの概略断面図。 【図10】本発明の第1の実施形態の第2の変形例を示すコレットの概略断面図。 【図11】ワークを保持している状態の従来のコレットの先端部分の概略縦断面図。 【符号の説明】 【0047】 10・・・ワーク、24・・・金属部、30・・・ワーク搬送装置、40・・・コレット、48・・・内部空間、50・・・磁石、52・・・仕切り部、56・・・連通部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002369 【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年7月29日(2005.7.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095728 【弁理士】 【氏名又は名称】上柳 雅誉
【識別番号】100107076 【弁理士】 【氏名又は名称】藤綱 英吉
【識別番号】100107261 【弁理士】 【氏名又は名称】須澤 修
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| 【公開番号】 |
特開2007−36085(P2007−36085A) |
| 【公開日】 |
平成19年2月8日(2007.2.8) |
| 【出願番号】 |
特願2005−220161(P2005−220161) |
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