| 【発明の名称】 |
電子回路基板へのハンダ粉末の付着方法およびハンダ付電子配線基板 |
| 【発明者】 |
【氏名】荘司 孝志
【氏名】堺 丈和
【氏名】久保田 哲夫
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、電子回路基板上の露出した金属表面に粘着性を付与し、該粘着部にハンダ粉末を付着させ、ハンダ回路を形成する電子回路基板の製造方法において、微細な回路パターンのためのハンダ粉末の付着方法、ハンダ付電子回路基板の製造方法、電子回路基板、並びにハンダ粉末の再使用方法を提供する。
【解決手段】電子回路基板の露出した金属表面を、粘着性付与化合物で処理して粘着性を付与し、該粘着部にハンダ粉末を乾式または湿式において付着させ、脱酸素水、または防錆剤を添加した脱酸素水液体中において余分に付着したハンダ粉末を除去するハンダ粉末の付着方法、これを加熱溶融して回路を形成することからなるハンダ付電子回路基板の製造方法、該製造方法を用いて作成したハンダ付電子回路基板、並びに上記方法において、除去したハンダ粉末を回収して再使用することを特徴とするハンダ付電子回路基板の製造方法の提供。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子回路基板の露出した金属表面を、粘着性付与化合物で処理することにより粘着性を付与し、該粘着部にハンダ粉末を乾式または湿式において付着させ、次いで液体中において余分に付着したハンダ粉末を除去することからなるハンダ粉末の付着方法。 【請求項2】 ハンダ粉末の付着方法のハンダ粉末除去の際に用いる液体が、水である請求項1に記載のハンダ粉末の付着方法。 【請求項3】 ハンダ粉末の付着方法のハンダ粉末除去の際に用いる液体が、脱酸素水である請求項2に記載のハンダ粉末の付着方法。 【請求項4】 ハンダ粉末の付着方法のハンダ粉末除去の際に用いる液体が、防錆剤を添加した脱酸素水である請求項3に記載のハンダ粉末の付着方法。 【請求項5】 電子回路基板を、粘着性付与化合物で処理することにより金属回路露出部のみに粘着性を付与し、該粘着部にハンダ粉末を乾式または湿式において付着させ、次いで振動した液体中において余分に付着したハンダ粉末を除去した後、これを加熱溶融して回路を形成することからなるハンダ付電子回路基板の製造方法。 【請求項6】 電子回路基板上の金属回路露出部を、粘着性付与化合物であるナフトトリアゾール系誘導体、ベンゾトリアゾール系誘導体、イミダゾール系誘導体、ベンゾイミダゾール系誘導体、メルカプトベンゾチアゾール系誘導体及びベンゾチアゾールチオ脂肪酸系誘導体の少なくとも一種を含む溶液に浸漬処理または塗布、処理することにより粘着性を付与する請求項5に記載のハンダ付電子回路基板の製造方法。 【請求項7】 粘着部形成が、処理温度30〜60℃、処理時間5sec〜5minで処理する請求項6に記載のハンダ付電子回路基板の製造方法。 【請求項8】 余分に付着したハンダ粉末の除去方法における振動した液体が、超音波振動を付与された液体である請求項5に記載のハンダ付電子回路基板の製造方法。 【請求項9】 請求項5〜8のいずれか1項に記載の製造方法を用いて作成したハンダ付電子回路基板。 【請求項10】 請求項9に記載のハンダ付電子回路基板に、電子部品を載置する工程と、ハンダをリフローして電子部品を基板に接合する工程とを含むことを特徴とする電子部品の実装方法。 【請求項11】 請求項10に記載の電子部品の実装方法を用いて作成した電子部品を実装した電子回路基板。 【請求項12】 粘着性付与化合物で処理することにより、電子回路基板上の金属回路露出部のみに粘着性を付与し、乾式または湿式において該粘着部にハンダ粉末を付着させ、次いで液体中において付着した余分なハンダ粉末を除去し、除去したハンダ粉末を回収して再使用することを特徴とするハンダ付電子回路基板の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、電子回路基板(プリント配線板も含む。)の露出した微細な金属面のみに、精細にハンダ粉末を付着させる方法及び該電子回路基板に電子部品を取りつけるため、前記ハンダ粉末を溶融して露出金属面にハンダ薄層を形成する方法及びこのハンダ付電子回路基板を使用した電子部品に関する。 【背景技術】 【0002】 近年電子回路基板、例えばプラスチック基板(フィルムもある。)、セラミック基板、あるいはプラスチック等をコートした金属基板等の絶縁性基板上に、電子回路パターンを形成した電子回路基板が開発され、その配線面上にIC素子、半導体チップ、抵抗、コンデンサー等の電子部品をハンダ接合して電子回路を構成させる手段が広く採用されている。 【0003】 この場合、電子部品のリード端子を、回路パターンの所定の部分に接合させるためには、電子回路基板上の露出している導電性回路電極表面に予めハンダ薄層を形成させておき、ハンダペーストまたはフラックスを印刷し、所定の電子部品を位置決め載置した後、ハンダ薄層またはハンダ薄層及びハンダペーストをリフローさせ、ハンダ接続させるのが一般的である。 【0004】 また最近では電子製品の小型化のため、電子回路はファインピッチ化が要求され、小面積内にファインピッチの部品、例えば0.3mmピッチのQFP(Quad Flat Package)タイプのLSI、CSP(Chip Size Package)、0.15mmピッチのFC(Flip Chip)などが多く搭載されている。このため、電子回路基板には、ファインピッチ対応の精細なハンダ回路パターンが要求されている。 【0005】 電子回路基板にハンダ膜によるハンダ回路を形成するためには、メッキ法、HAL(ホットエアーレベラ)法、あるいはハンダ粉末のペーストを印刷しリフローする方法などが行われている。しかし、メッキ法によるハンダ回路の製造方法は、ハンダ層を必要な厚さにするのが困難であり、HAL法、ハンダペーストの印刷による方法は、ファインピッチパターンへの対応が困難である。 【0006】 そのため、回路パターンの位置合わせ等の面倒な操作を必要せずハンダ回路を形成する方法として、電子回路基板の導電性回路電極表面に、粘着性付与化合物を反応させることにより粘着性を付与し、該粘着部にハンダ粉末を付着させ、次いで該電子回路基板を加熱し、ハンダを溶解してハンダ回路を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。 【0007】 特許文献1で開示された方法により、簡単な操作で微細なハンダ回路パターンを形成させ、信頼性の高い回路電子回路基板を提供することが可能となったが、この方法では乾式でハンダ粉末を回路電子回路基板に付着させるため、静電気等により粉末が必要な箇所以外の余分な部分に付着することが避けられず、また電子回路基板の金属露出面にも余分に付着しりすることがあって、ハンダ粉末を付着させた後にこのような余分のハンダ粉末を効率よく除去する技術の開発が求められていた。乾式法によるときは、粉末の飛散等が生じて、回路電子回路基板のファイン化の妨げとなったり、また余分に付着したハンダ粉末は乾式処理においては幾分酸化が進むため、回収したハンダ粉末の再利用にも幾分問題が残っていた。このような問題点は特に微粉のハンダ粉末を用いる場合に顕著となった。 【0008】 【特許文献1】特開平7−7244号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 本発明は、電子回路基板上の露出した金属表面(導電性回路電極表面)を、粘着性付与化合物処理することにより該金属表面に粘着性を付与し、該粘着部にハンダ粉末を付着させ、次いで該電子回路基板を加熱し、ハンダを溶解してハンダ回路を形成する電子回路基板の製造方法において、より微細な回路パターンを実現できるハンダ粉末の付着方法、該方法により付着ハンダ粉末をリフローしたハンダ付電子回路基板の製造方法、微細な回路パターンを有し信頼性の高い電子回路基板、高信頼性、高実装密度を実現できる電子部品を実装した回路電子回路基板並びにハンダ粉末付着において劣化の少ないハンダ粉末の再使用方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意努力検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、 [1] 電子回路基板の露出した金属表面を、粘着性付与化合物で処理することにより粘着性を付与し、該粘着部にハンダ粉末を乾式または湿式において付着させ、次いで液体中において余分に付着したハンダ粉末を除去することからなるハンダ粉末の付着方法、 【0011】 [2] ハンダ粉末の付着方法のハンダ粉末除去の際に用いる液体が、水である上記[1]に記載のハンダ粉末の付着方法、 [3] ハンダ粉末の付着方法のハンダ粉末除去の際に用いる液体が、脱酸素水である上記[2]に記載のハンダ粉末の付着方法、 [4] ハンダ粉末の付着方法のハンダ粉末除去の際に用いる液体が、防錆剤を添加した脱酸素水である上記[3]に記載のハンダ粉末の付着方法、 【0012】 [5] 電子回路基板を、粘着性付与化合物で処理することにより金属回路露出部のみに粘着性を付与し、該粘着部にハンダ粉末を乾式または湿式において付着させ、次いで振動した液体中において余分に付着したハンダ粉末を除去した後、これを加熱溶融して回路を形成することからなるハンダ付電子回路基板の製造方法、 【0013】 [6] 電子回路基板上の金属回路露出部を、粘着性付与化合物であるナフトトリアゾール系誘導体、ベンゾトリアゾール系誘導体、イミダゾール系誘導体、ベンゾイミダゾール系誘導体、メルカプトベンゾチアゾール系誘導体及びベンゾチアゾールチオ脂肪酸系誘導体の少なくとも一種を含む溶液に浸漬処理または塗布、処理することにより粘着性を付与する上記[5]に記載のハンダ付電子回路基板の製造方法、 [7] 粘着部形成が、処理温度30〜60℃、処理時間5sec〜5minで処理する上記[6]に記載のハンダ付電子回路基板の製造方法、 [8] 余分に付着したハンダ粉末の除去方法における振動した液体が、超音波振動を付与された液体である上記[5]に記載のハンダ付電子回路基板の製造方法、 【0014】 [9] 上記[5]〜[8]のいずれかに記載の製造方法を用いて作成したハンダ付電子回路基板、 [10] 上記[9]に記載のハンダ付電子回路基板に、電子部品を載置する工程と、ハンダをリフローして電子部品を基板に接合する工程とを含むことを特徴とする電子部品の実装方法、 [11] 上記[10]に記載の電子部品の実装方法を用いて作成した電子部品を実装した電子回路基板、及び [12] 粘着性付与化合物で処理することにより、電子回路基板上の金属回路露出部のみに粘着性を付与し、乾式または湿式において該粘着部にハンダ粉末を付着させ、次いで液体中において付着した余分なハンダ粉末を除去し、除去したハンダ粉末を回収して再使用することを特徴とするハンダ付電子回路基板の製造方法、を開発することにより上記の課題を解決した。 【発明の効果】 【0015】 本発明によるハンダ粉末の乾式付着、湿式除去からなるハンダ粉末の付着方法及びそれを用いた電子回路基板製造方法により、簡単な操作で微細なハンダ回路パターンを形成すること及び回収ハンダ粉末の再使用が可能となった。特に、微細な回路パターンにおいても隣接する回路パターン間でのハンダ金属による短絡が減少する効果が得られ、電子回路基板の信頼性が著しく向上した。また本発明の電子回路基板の製造方法により、電子部品を実装した回路基板の小型化と高信頼性化が実現でき、優れた特性の電子機器を提供することが可能となった。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 本発明の対象となる電子回路基板は、プラスチック基板、プラスチックフィルム基板、ガラス布基板、紙基質エポキシ樹脂基板、セラミックス基板等に金属板を積層した基板、あるいは金属基材にプラスチックあるいはセラミックス等を被覆した絶縁基板上に、金属等の導電性物質を用いて回路パターンを形成した片面電子回路基板、両面電子回路基板、多層電子回路基板あるいはフレキシブル電子回路基板等である。 【0017】 本発明は、例えば上記電子回路基板上の導電性回路電極表面を粘着性付与化合物で処理することにより該電極表面に粘着性を付与し、該粘着部にハンダ粉末を付着させ、静電気などで目的とする導電性回路電極表面以外に付着した余分のハンダ粉末、必要以上に導電性回路電極表面付着した余分のハンダ粉末を、液体中において効率よく除去し、次いで該電子回路基板を加熱し、付着しているハンダを溶融してハンダ回路を形成するハンダ付電子回路基板の製造方法である。 【0018】 回路を形成する導電性物質としては、ほとんどの場合銅が用いられているが、本発明ではこれに限定されず、後述する粘着性付与物質により表面に粘着性が得られる導電性の物質であればよい。これらの物質として、例えば、Ni、Sn、Ni−Al、ハンダ合金等を含む物質が例示できる。 【0019】 本発明で用いることが好ましい粘着性付与化合物としては、ナフトトリアゾール系誘導体、べンゾトリアゾール系誘導体、イミダゾール系誘導体、べンゾイミダゾール系誘導体、メルカプトべンゾチアゾール系誘導体及びべンゾチアゾールチオ脂肪酸等が挙げられる。これらの粘着性付与化合物は特に銅に対しての効果が強いが、他の導電性物質にも粘着性を付与することができる。 【0020】 べンゾトリアゾール系誘導体は一般式(1)で表される。 【化1】
【0021】 本発明においては、一般式(1)のR1〜R4は、独立に水素原子、炭素数が1〜16、好ましくは、5〜16のアルキル基、アルコキシ基、F、Br、Cl、I、シアノ基、アミノ基またはOH基を表す。 これらの化合物は、一般式(1)で示されるべンゾトリアゾール系誘導体としてはR1〜R4は、一般には炭素数が多いほうが粘着性が強い。 【0022】 ナフトトリアゾール系誘導体は一般式(2)で表される。 【化2】
【0023】 本発明においては、一般式(2)のR5〜R10は、独立に水素原子、炭素数が1〜16、好ましくは、5〜16のアルキル基、アルコキシ基、F、Br、Cl、I、シアノ基、アミノ基またはOH基を表す。 【0024】 イミダゾール系誘導体は一般式(3)で表される。 【化3】
【0025】 本発明においては、一般式(3)のR11、R12は、独立に水素原子、炭素数が1〜16、好ましくは、5〜16のアルキル基、アルコキシ基、F、Br、Cl、I、シアノ基、アミノ基またはOH基を表す。 【0026】 べンゾイミダゾール系誘導体は一般式(4)で表される。 【化4】
【0027】 本発明においては、一般式(4)のR13〜R17は、独立に水素原子、炭素数が1〜16、好ましくは、5〜16のアルキル基、アルコキシ基、F、Br、Cl、I、シアノ基、アミノ基またはOH基を表す。 一般式(3)及び一般式(4)で示されるイミダゾール系誘導体及びべンゾイミダゾール系誘導体のR11〜R17においても、一般には炭素数の多いほうが粘着性が強い。 【0028】 メルカプトべンゾチアゾール系誘導体は一般式(5)で表される。 【化5】
【0029】 本発明においては、一般式(5)のR18〜R21は、独立に水素原子、炭素数が1〜16、好ましくは、5〜16のアルキル基、アルコキシ基、F、Br、Cl、I、シアノ基、アミノ基またはOH基を表す。 【0030】 べンゾチアゾールチオ脂肪酸系誘導体は一般式(6)で表される。 【化6】
【0031】 本発明においては、一般式(6)のR22〜R26は、独立に水素原子、炭素数が1〜16、好ましくは、1または2のアルキル基、アルコキシ基、F、Br、Cl、I、シアノ基、アミノ基またはOH基を表す。 一般式(6)で示されるべンゾチアゾールチオ脂肪酸系誘導体においては、R22〜R26は炭素数1または2が好ましい。 【0032】 本発明において、電子回路基板上の導電性回路電極表面に粘着性を付与するに際し、上記の粘着性付与化合物の少なくとも一つを水または酸性水に溶解し、好ましくはpH3〜4程度の微酸性に調整して用いる。pHの調整に用いる物質としては、導電性物質が金属であるときは塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸をあげることができる。また有機酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、リンゴ酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸等が使用できる。該粘着性付与化合物の濃度は厳しく限定はされないが溶解性、使用状況に応じて適宜調整して用いるが、好ましくは全体として0.05質量%〜20質量%の範囲内の濃度が使用しやすい。これより低濃度にすると粘着性膜の生成が不十分となり、性能上好ましくない。 【0033】 処理温度は室温よりは若干加温したほうが粘着性膜の生成速度、生成量が良い。粘着性付与化合物濃度、金属の種類などにより変わり限定的でないが、一般的には30℃〜60℃位の範囲が好適である。処理時間は限定的でないが、作業効率から5秒〜5分間位の範囲になるように他の条件を調整することが好ましい。 【0034】 なおこの場合、溶液中に銅(1価または2価)をイオンとして100〜1000ppmを共存させると、粘着性膜の生成速度、生成量などの生成効率が高まるので好ましい。 【0035】 処理すべき電子回路基板は、ハンダ不要の導電性回路部分をレジスト等で覆い、回路パターンの導電性回路電極部分(基板上、露出した金属表面)のみが露出した状態にしておき、粘着性付与化合物溶液で処理するのが好ましい。 ここで使用する前述の粘着性付与化合物溶液に電子回路基板を浸漬するか、または溶液を塗布若しくはスプレーなどをすると、導電性回路表面が粘着性が付与される。 【0036】 本発明の電子回路基板の製造方法に使用するハンダ粉末の金属組成としては、例えばSn−Pb系、Sn−Pb−Ag系、Sn−Pb−Bi系、Sn−Pb−Bi−Ag系、Sn−Pb−Cd系が挙げられる。また最近の産業廃棄物におけるPb排除の観点から、Pbを含まないSn−In系、Sn−Bi系、In−Ag系、In−Bi系、Sn−Zn系、Sn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−Sb系、Sn−Au系、Sn−Bi−Ag−Cu系、Sn−Ge系、Sn−Bi−Cu系、Sn−Cu−Sb−Ag系、Sn−Ag−Zn系、Sn−Cu−Ag系、Sn−Bi−Sb系、Sn−Bi−Sb−Zn系、Sn−Bi−Cu−Zn系、Sn−Ag−Sb系、Sn−Ag−Sb−Zn系、Sn−Ag−Cu−Zn系、Sn−Zn−Bi系が好ましい。 【0037】 上記の具体例としては、Snが63質量%、Pbが37質量%の共晶ハンダ(以下63Sn/37Pbと表す。)を中心として、62Sn/36Pb/2Ag、62.6Sn/37Pb/0.4Ag、60Sn/40Pb、50Sn/50Pb、30Sn/70Pb、25Sn/75Pb、10Sn/88Pb/2Ag、46Sn/8Bi/46Pb、57Sn/3Bi/40Pb、42Sn/42Pb/14Bi/2Ag、45Sn/40Pb/15Bi、50Sn/32Pb/18Cd、48Sn/52In、43Sn/57Bi、97In/3Ag、58Sn/42In、95In/5Bi、60Sn/40Bi、91Sn/9Zn、96.5Sn/3.5Ag、99.3Sn/0.7Cu、95Sn/5Sb、20Sn/80Au、90Sn/10Ag、90Sn/7.5Bi/2Ag/0.5Cu、97Sn/3Cu、99Sn/1Ge、92Sn/7.5Bi/0.5Cu、97Sn/2Cu/0.8Sb/0.2Ag、95.5Sn/3.5Ag/1Zn、95.5Sn/4Cu/0.5Ag、52Sn/45Bi/3Sb、51Sn/45Bi/3Sb/1Zn、85Sn/10Bi/5Sb、84Sn/10Bi/5Sb/1Zn、88.2Sn/10Bi/0.8Cu/1Zn、89Sn/4Ag/7Sb、88Sn/4Ag/7Sb/1Zn、98Sn/1Ag/1Sb、97Sn/1Ag/1Sb/1Zn、91.2Sn/2Ag/0.8Cu/6Zn、89Sn/8Zn/3Bi、86Sn/8Zn/6Bi、89.1Sn/2Ag/0.9Cu/8Znなどが挙げられる。また本発明に用いるハンダ粉末として、異なる組成のハンダ粉末を2種類以上混合したものでもよい。 【0038】 上記のハンダ粉末の中でもPbフリーハンダ、特に好ましくはSnおよびZn、又はSnおよびZnおよびBiを含有するハンダから選ばれた合金組成を用いて本発明の電子回路基板を作製した場合、Sn−Pb系のハンダと同等レベルまでリフロー温度が下げられるため、実装部品の長寿命化がはかられ、また部品の多様化にも対応できる。 【0039】 ハンダ粉末の粒径としては、日本工業規格(JIS)には、ふるい分けにより53〜22μm、45〜22μm及び38〜22μm等の規格が定められている。本発明のハンダ粉末の平均粒径測定には通常、JISにより定められた、標準ふるいと天秤による方法を用いることができる。また、この他にも、顕微鏡による画像解析や、エレクトロゾーン法によるコールターカウンターでも行うことができる。コールターカウンターについては「粉体工学便覧」(粉体工学会編、第2版p19〜p20)にその原理が示されているが、粉末を分散させた溶液を隔壁にあけた細孔に通過させ、その細孔の両側で電気抵抗変化を測定することにより粉末の粒径分布を測定するもので、粉径の個数比率を再現性良く測定することが可能である。本発明のハンダ粉末の平均粒径は上述の方法を用いて定めることができる。 【0040】 本発明では粘着性を付与した電子回路基板へのハンダ粉末の付着を従来法の乾式または湿式で行い、余分に付着したハンダ粉末の除去を液体中で行うことを特徴とする。余分のハンダ粉末の除去を液体中で行うことにより、除去作業中にハンダ粉末が静電気により粘着性のない部分に付着したり、またハンダ粉末が静電気により凝集したりするのを防ぎ、ファインピッチの回路基板や、また微粉のハンダ粉を用いることが可能となる。 ハンダ粉末の付着工程を乾式で行うときは、プラスチック基板などの静電を帯びやすい電子回路基板は、余分のハンダ粉末を除去するためにプラスチック表面を刷毛などでこすると静電が発生しやすく、ハンダ粉末が微細であると粘着性を付与しない部分にも付着しやすく、必要でない部分にハンダ粉末が付着して回路パターン間で短絡などを生じやすい。本発明においてはこの問題を液体中で余分のハンダ粉末の除去を行うことにより静電等によるトラブルを解決した。 【0041】 また粘着性を付与した電子回路基板へのハンダ粉末の付着を液体中で行う場合には、ハンダ粉末を分散させた液体中にプリント配線板を浸すことにより行う。ハンダ粉末を付着させる際に、はんだ粉末分散液に振動、好ましくは0.1Hz〜数kHzの振動、特に好ましくは低周波振動を加えて付着させることが好ましい。液体中でハンダ粉末を付着させる際の、液体中のハンダ粉末の濃度は、好ましくは0.5〜10見かけ容積%の範囲内、より好ましくは、3〜8見かけ容積%の範囲内とする。 本発明では、ハンダ粉末の付着に用いる液体として、水を用いるのが好ましい。また液体中の溶存酸素によりハンダ粉末が酸化するのを防ぐため、液体に防錆剤を添加するのが好ましい。 【0042】 乾式または湿式において付着させた余分のハンダ粉末除去工程に使用する液体としては、水またはこれと水溶性の低沸点の有機溶媒の混合溶媒などが使用出来る。環境汚染などの問題を考慮すると好ましいものは水である。 ハンダ粉末のリサイクルを考慮するときは、液体中の溶存酸素によりハンダ粉末が酸化するのを防ぐため、脱酸素水および/または防錆剤を添加した水が好ましい。脱酸素水としては、加熱して脱ガスした水、あるいは炭酸ガス、窒素などの不活性ガスでバブリングした水が使用出来る。また防錆剤を添加した水あるいは脱酸素水に防錆剤を添加した水であっても良い。この様な脱酸素水および/または防錆剤を添加した水を使用するときは、除去したハンダ粉末表面の酸化が防止されるため、回収して再利用するのに都合がよい。防錆剤を使用したときは後で水洗の必要などがあることがあるので、脱酸素水の使用が好ましい。 【0043】 本発明では、液体中で行う余分のハンダ粉末の除去を、液体中に電子回路基板を浸したりスプレーするにより行うことが出来る。余分のハンダ粉末の除去は刷毛などで電子回路基板表面を軽くなでることでも良いが、液体に振動、好ましくは0.1Hz〜数百Hzの振動、または超音波を加えるのが好ましい。液体中でハンダ粉末を除去する際の液体中のハンダ粉末は簡単に沈降するので 、飛散せず容易に回収できる。 【0044】 本発明に使用するハンダ粉末は酸化を防止するため、ハンダ粉末の表面をコーティングするのが好ましい。ハンダ粉末のコーティング剤としては、ベンゾチアゾール誘導体、炭素数4〜10のアルキル基を側鎖にもつアミン類、チオ尿素、シランカップリング剤、鉛、スズ、金、無機酸塩及び有機酸塩のうちの少なくとも1種を用いて行うのが好ましく、有機酸塩としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸から選ばれる少なくとも1つを用いるのが好ましい。 本発明の処理方法は、前述したハンダプリコート回路基板のみならず、BGA接合用等のバンプ形成としても有効に使用できるものであり、本発明の電子回路基板に当然含まれるものである。 【0045】 余分のハンダ粉末を除去し、且つ粘着部にハンダ粉末を付着した電子回路基板は次ぎに乾燥し、次いでリフロー工程により付着ハンダ粉末を加熱、溶融してハンダ付電子回路基板とする。この加熱は粘着部に付着しているハンダ粉末が溶融すればよいのでハンダ粉末の融点などを考慮して簡単に処理温度、処理時間等を定めることが出来る。 【0046】 液体中で電子回路基板から除去した余分なハンダ粉末は、簡単に液体から分離出来るのでこれを集め、非酸化性雰囲気下で乾燥し、ハンダ粉末の乾式付着工程にリサイクルする。乾燥に際し出来ればハンダ粉末の表面を前記のコーティング剤等でコーティングするのが好ましい。または粉末を水中で付着する方法をとる場合は沈殿させた粉末を回収しそのまま利用する。 【0047】 本発明で作製したハンダ付電子回路基板は、電子部品を載置する工程と、ハンダをリフローして電子部品を接合する工程とを含む電子部品の実装方法に好適に用いることができる。例えば本発明で作製したハンダ付電子回路基板の、電子部品の接合を所望する部分に、印刷法等でハンダペーストを塗布し、電子部品を載置し、その後加熱してハンダペースト中のハンダ粉末を溶融し凝固させることにより電子部品を回路基板に接合することができる。 【0048】 本発明方法によって得られたハンダ付電子回路基板と電子部品の接合方法(実装方法)としては、例えば表面実装技術(SMT)を用いることができる。この実装方法は、まずハンダペーストを印刷法により電子回路基板、例えば回路パターンの所望する箇所に塗布する。次いで、チップ部品やQFPなどの電子部品をハンダペースト上に載置し、リフロー熱源により一括してハンダ接合をする。リフロー熱源には、熱風炉、赤外線炉、蒸気凝縮ハンダ付け装置、光ビームハンダ付け装置等を使用することができる。 【0049】 本発明のリフローのプロセスはハンダ合金組成で異なるが、91Sn/9Zn、89Sn/8Zn/3Bi、86Sn/8Zn/6BiなどのSn−Zn系の場合、プレヒートとリフローの2段工程で行うのが好ましく、それぞれの条件は、プレヒートが温度130〜180℃、好ましくは、130〜150℃、プレヒート時間が60〜120秒、好ましくは、60〜90秒、リフローは温度が210〜230℃、好ましくは、210〜220℃、リフロー時間が30〜60秒、好ましくは、30〜40秒である。なお他の合金系におけるリフロー温度は、用いる合金の融点に対し+20〜+50℃、好ましくは、合金の融点に対し+20〜+30℃とし、他のプレヒート温度、プレヒート時間、リフロー時間は上記と同様の範囲であればよい。 【0050】 上記のリフロープロセスを窒素中でも大気中でも実施することが可能である。窒素リフローの場合は酸素濃度を5見かけ容積%以下、好ましくは0.5見かけ容積%以下とすることで大気リフローの場合よりハンダ回路へのハンダの濡れ性が向上し、ハンダボールの発生も少なくなり安定した処理ができる。 【0051】 この後、該電子回路基板を冷却し表面実装が完了する。この実装方法による電子部品接合物の製造方法においては、電子回路基板の両面に接合を行ってもよい。なお、本発明の電子部品の実装方法に使用することができる電子部品としては、例えば、LSI、抵抗器、コンデンサ、トランス、インダクタンス、フィルタ、発振子・振動子等があげられるが、これらに限定されるものではない。 【実施例】 【0052】 最小電極間隔が30μmのプリント配線板を作製した。導電性回路には銅を用いた。 粘着性付与化合物溶液として、一般式(3)のR12のアルキル基がC11H23、R11が水素原子であるイミダゾール系化合物の2質量%水溶液を、酢酸によりpHを約4に調整して用いた。該水溶液を40℃に加温し、これに塩酸水溶液により前処理した前記プリント配線板を3分間浸漬し、銅回路表面に粘着性物質を生成させた。 【0053】 次いで該プリント配線板を、乾式において平均粒径約10μmの96.5Sn/3.5Agハンダ粉末を電極に接触させ付着した。その後表の条件で余分な部分に付着した粉末を除去した。次いで乾式においてエアジェットで吹き飛ばす方法、振動を付与した脱酸素水中で余分のハンダ粉末を除去する方法、及びプリント基板に振動を付与しながら脱酸素水のシャワーで洗浄する方法を行った。 このプリント配線板を240℃のオーブンに入れ、ハンダ粉末を溶融し、銅回路露出部上に厚さ約10μmの96.5Sn/3.5Agハンダ薄層を形成し、観察をおこなった。結果を表1に示す。 【0054】 【表1】
【産業上の利用可能性】 【0055】 基板上の金属露出部に粘着性を付与し、該粘着部にハンダ粉末を付着させ、次いで液体中で余分に付着した半田粉末を除去し、除去した該電子回路基板を加熱し、ハンダを溶解してハンダ回路有するハンダ付電子回路基板の製造方法は、微細な回路パターンにおいても隣接する回路パターン間でのハンダ金属による短絡が減少する効果が得られ、信頼性が著しく向上したハンダ付電子回路基板を製造することが出来た。 この結果、微細な回路パターンを有し信頼性の高い電子部品を実装した回路基板の小型化と高信頼性化が実現でき、電子回路基板、高信頼性、高実装密度を実現できる電子部品を実装した回路基板、優れた特性の電子機器を提供することが可能となった。 除去した余分のハンダ粉末は回収して、ハンダ粉末付着工程にリサイクル使用出来るのでハンダ粉末の使用率も高くすることが出来た。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002004 【氏名又は名称】昭和電工株式会社 【識別番号】390023216 【氏名又は名称】株式会社タイセー
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| 【出願日】 |
平成17年7月11日(2005.7.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094178 【弁理士】 【氏名又は名称】寺田 實
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| 【公開番号】 |
特開2007−19389(P2007−19389A) |
| 【公開日】 |
平成19年1月25日(2007.1.25) |
| 【出願番号】 |
特願2005−201567(P2005−201567) |
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