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【発明の名称】 ストロボ昇圧ユニット
【発明者】 【氏名】佐藤 裕之

【要約】 【課題】基板に対してストロボ昇圧トランスの実装が容易であるとともに、実装基板の面積の縮小と薄型化を図ることができるストロボ昇圧ユニットを提供することにある。

【解決手段】プリント基板11に少なくとも昇圧トランス12、昇圧コントロールIC18を実装したストロボ昇圧ユニットにおいて、昇圧トランス12を、コイルを巻装した中央の軸部13aと両側の腕部13bとからなるH型コア13と、軸部13aと平行して設けられ腕部13b間に架け渡されるI型コア14とから構成し、プリント基板11に、前記H型コア13の軸部13aに巻装して得られたコイル層15の一部と嵌合する逃げ孔16を設け、H型コア13のコイル層15の一部を逃げ孔16に嵌合した状態で、昇圧トランス12を前記プリント基板11に実装したことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板に少なくとも昇圧トランス、昇圧コントロールICを実装したストロボ昇圧ユニットにおいて、
前記昇圧トランスを、コイルが巻装される中央の軸部と両側の腕部とからなるH型コアと、前記軸部と平行して設けられ前記腕部間に架け渡されるI型コアとから構成し、
前記プリント基板に、前記H型コアの軸部に巻装して得られたコイル層の一部と嵌合する逃げ孔を設け、
前記H型コアのコイル層の一部を前記逃げ孔に嵌合した状態で、前記昇圧トランスを前記プリント基板に実装したことを特徴とするストロボ昇圧ユニット。
【請求項2】
前記昇圧トランスを構成するH型コアの軸部は、前記昇圧トランスの前記プリント基板に対する実装面方向に偏倚して設けられ、前記H型コアの軸部に巻装された前記コイル層の上面は前記I型コアの上面と略同一であることを特徴とする請求項1記載のストロボ昇圧ユニット。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、デジタルカメラ等の携帯用電子機器に内蔵されるストロボ昇圧ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラにおけるストロボユニットは、発光部としてキセノンランプが使用され、キセノンランプを発光させるためのストロボ昇圧ユニットとしてプリント基板に昇圧トランス、昇圧コントロールIC、ローパスフィルター等の回路部品が実装されている。
【0003】
デジタルカメラは、小型・軽量化が要求され、カメラ本体に組み込まれるストロボ昇圧ユニットも面積の縮小化及び高さの薄型化が要求されている。プリント基板に実装される回路部品の中で昇圧トランスが面積的にも厚さ的にも大きく、ストロボ昇圧ユニットの小型化が困難となっている。昇圧トランスの小型化は可能であるが、キセノンランプを発光させる性能に影響を及ぼし、小型化に限度がある。
【0004】
そこで、プリント基板に切り込みと開口を形成し、トランスを構成するE型磁心の3つの脚部をプリント基板の裏面側から表面側に向って切り込みと開口に嵌合する。そして、プリント基板の表面側に突出したE型磁心の3つの脚部上に、I型磁心を当接してE型磁心とI型磁心とを組合わせる。さらに、ヘアピン形状の留め金具によってE型磁心とI型磁心とを固定して実装基板の面積を小さくするとともに、実装基板全体の小型化を図ったものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−40425号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した特許文献1は、E型磁心とI型磁心とでプリント基板を上下方向から組合わせ、留め金具によって挟持する構造であるので実装基板の面積を小さくすることができるが、E型磁心とI型磁心とがプリント基板の上下方向に突出する構造である。しかもE型磁心の脚部をプリント基板の裏面側から表面側に向って切り込みと開口に嵌合し、プリント基板の表面側に突出したE型磁心の3つの脚部上に、I型磁心を当接してE型磁心とI型磁心とを組合わせる構造であり、組立作業性が悪いという事情がある。
【0006】
この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、基板に対してストロボ昇圧トランスの実装が容易であるとともに、実装基板の面積の縮小と薄型化を図ることができるストロボ昇圧ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、前記目的を解決するために、請求項1は、プリント基板に少なくとも昇圧トランス、昇圧コントロールICを実装したストロボ昇圧ユニットにおいて、前記昇圧トランスを、コイルが巻装される中央の軸部と両側の腕部とからなるH型コアと、前記軸部と平行して設けられ前記腕部間に架け渡されるI型コアとから構成し、前記プリント基板に、前記H型コアの軸部に巻装して得られたコイル層の一部と嵌合する逃げ孔を設け、前記H型コアのコイル層の一部を前記逃げ孔に嵌合した状態で、前記昇圧トランスを前記プリント基板に実装したことを特徴とする。
【0008】
請求項2は、請求項1の前記昇圧トランスを構成するH型コアの軸部は、前記昇圧トランスの前記プリント基板に対する実装面方向に偏倚して設けられ、前記H型コアの軸部に巻装された前記コイル層の上面は前記I型コアの上面と略同一であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、プリント基板に対してストロボ昇圧トランスの実装が容易であるとともに、実装基板の面積の縮小とストロボ昇圧ユニットの薄型化を図ることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1〜図3はストロボ昇圧ユニットの第1の実施形態を示す。図1に示すように、プリント基板11の上面には昇圧トランス12、昇圧コントロールIC18、ローパスフィルター19及びダイオード等の付随した各種電子部品20が実装され、ストロボ昇圧ユニットが構成されている。
【0012】
プリント基板11は、本実施形態では横寸法aが12mm,縦寸法bが15mm,厚さcが0.8mmであり、プリント基板11の一部には矩形状の逃げ孔16が貫通して設けられている。そして、この逃げ孔16に前記昇圧トランス12の一部を嵌合させた状態で昇圧トランス12がプリント基板11に実装固定されている。
【0013】
昇圧トランス12について説明すると、H型コア13と2本のI型コア14を備えている。H型コア13は中央部に断面が矩形状の軸部13aを有し、この軸部13aの長手方向の両端部には断面が矩形状の腕部13bが形成されている。軸部13aは横方向に幅広の矩形状で、その下面13cが腕部13bの下面13dと面一となるように下側(プリント基板11に対する実装面側)に偏倚している。
【0014】
さらに、H型コア13の軸部13aには一次巻線と二次巻線からなるコイル層15が設けられている。また、H型コア13の腕部13bの両端面間にはI型コア14が架け渡されている。I型コア14は、本実施形態では高さ寸法dが1.2mmであり、H型コア13の腕部13bと略同一断面積を有する断面が矩形状で、H型コア13の軸部13aに巻装されたコイル層15の左右両側面に接近または接触して設けられている。さらに、コイル層15の上面15aはH型コア13の腕部13bの上面及びI型コア14の上面14bと同一面もしくはそれより若干低く形成されている。
【0015】
このように構成されたH型コア13の腕部13bの下面13d及び2本のI型コア14の下面14aは同一面に形成され、プリント基板11に対する実装面17に形成されている。そして、H型コア13の軸部13aに巻装されたコイル層15の一部は実装面17より下方に突出している。
【0016】
従って、昇圧トランス12をプリント基板11に実装する際に、昇圧トランス12の実装面17から下方に突出しているコイル層15をプリント基板11に設けられた逃げ孔16に嵌合すると、コイル層15の厚さに相当する分がプリント基板11の内部に吸収された状態に収容される。このため、昇圧トランス12の実装面17、つまりH型コア13の腕部13bの下面13d及び2本のI型コア14の下面14aはプリント基板11の上面に密着した状態になり、接着剤等によって固定することができる。
【0017】
このようにプリント基板11に対して昇圧トランス12を実装することにより、プリント基板11の上面から突出する突出高さは、I型コア14の高さ寸法dである1.2mmとなる。従って、プリント基板11の厚さc+I型コア14の高さ寸法dとなり、0.8+1.2=2.00mmとなる。プリント基板11に実装される昇圧コントロールIC18、ローパスフィルター19及びダイオード等の付随した各種電子部品20は、昇圧トランス12の高さ寸法より低いため、ストロボ昇圧ユニットを2.00mm厚の薄型とすることができる。
【0018】
また、昇圧トランス12はコイル層15が浮いている構造のため、昇圧トランス12自体の耐振動性は損なわれない。さらに、昇圧トランス12は入力平均電流300mA、電圧3.7V、充電時間10秒とすると、11ジュールのエネルギーが得られ、効率を60%と想定すると、150μFのMCを300Vまで昇圧できる。
【0019】
なお、前記実施形態においては、H型コア13の軸部13aに一次巻線と二次巻線からなるコイル層15を形成し、H型コア13の腕部13bの両端面間にI型コア14を架け渡してからプリント基板11に実装した。しかし、H型コア13の軸部13aに一次巻線と二次巻線からなるコイル層15を形成した後、プリント基板11に実装し、その後、H型コア13の腕部13bの両端面間にI型コア14を架け渡してもよい。
【0020】
なお、この発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の第1の実施形態のストロボ昇圧ユニットを示し、(a)は平面図、(b)は矢印A方向から見た側面図。
【図2】同実施形態を示し、図1のB−B線に沿う断面図。
【図3】同実施形態の昇圧トランスを示し、(a)はコイル層を断面した平面図、(b)はC−C線に沿う断面図、(c)はD−D線に沿う断面図。
【符号の説明】
【0022】
11…プリント基板、12…昇圧トランス、13…H型コア、13a…軸部、13b…腕部、14…I型コア、15…コイル層、16…逃げ孔
【出願人】 【識別番号】592074441
【氏名又は名称】東京コイルエンジニアリング株式会社
【出願日】 平成17年7月8日(2005.7.8)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊

【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司

【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100092196
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 良郎


【公開番号】 特開2007−19326(P2007−19326A)
【公開日】 平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願番号】 特願2005−200482(P2005−200482)