| 【発明の名称】 |
有機電子デバイス用捕捉剤シート及び有機電子デバイス |
| 【発明者】 |
【氏名】川田 靖
【氏名】新井 隆之
【氏名】竹内 安正
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| 【要約】 |
【課題】取り扱いが容易で、水及び酸素に対して強い捕捉能力を有する有機電子デバイス用捕捉剤シートを提供すること。
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記式で示される捕捉剤をシート状部材に被着して成ることを特徴とする有機電子デバイス用捕捉剤シート。 R1R2R3M (R1、R2及びR3は、各々、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、環式アルキル基及、アリール基、アルコキシ基及びカルボキシル基からなる群より選ばれた1種のものであって、互いに同じでも異なっていてもよいが、補足剤として1つ以上のC−M結合を有するように選ばれたものである。Mはアルミニウム又はボロンである。) 【請求項2】 請求項1記載の捕捉剤と他の捕捉剤とを混合した捕捉剤を、前記シート状部材に被着して成ることを特徴とする有機電子デバイス用捕捉剤シート。 【請求項3】 前記他の捕捉剤が、請求項1記載の捕捉剤とは反応しない有機溶媒に溶解することを特徴とする請求項2記載の有機電子デバイス用捕捉剤シート。 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一に記載の捕捉剤とバインダーを混合して前記シート状部材に塗布することを特徴とする有機電子デバイス用捕捉剤シートの製造方法。 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか一に記載の有機電子デバイス用捕捉剤シートを所定の位置に被着させて成ることを特徴とする有機電子デバイス。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、酸素や水分に対して優れた捕捉能力を有する有機電子デバイス用捕捉剤シート、前記有機電子デバイス用捕捉剤シートの製造方法、及び、前記有機電子デバイス用捕捉剤シートを用いた有機電子デバイスに関する。 【背景技術】 【0002】 従来から、有機EL(Eletroluminescence)、有機TFT(Thin Film Transistor)、有機太陽電池等の有機化合物を用いた電子デバイスである有機電子デバイスが開発されている。 これらの有機電子デバイスは、水や酸素の痕跡量の存在によってその性能が鋭敏にしかも著しく悪影響を受ける有機化合物を使用しているため、痕跡量程度の微量の酸素及び/又は水が存在する場合でも、これらの影響を受けて性能が劣化する。 【0003】 これらの有機電子デバイスは、その主要な機能を発揮するために必要な部分に有機材料を用いており、前記有機材料に電子的な働きを行わせることによって前記機能を発揮するように構成された電子素子である。例えば、有機電子デバイスは、有機材料に電子及び正孔の注入、取り出しを繰り返すことによって種々の機能を発現する電子デバイスとして構成されている。すなわち、その有機材料を繰り返して酸化還元反応を行わせることをデバイス作動機構としている。 【0004】 有機材料及びその酸化体又は還元体は、本質的な酸素及び/又は水との化学的反応性が無機材料に対して高く、これが有機材料を劣化させ本来の電子デバイスとしての機能を損ね、性能が劣化する原因となる。 また、有機電子デバイスを配置するには通常密封容器が用いられ、これには極力、酸素及び/又は水分を痕跡量以下に保つことが必要である。従って、有機電子デバイスの作製は、超高真空下及び/又は不活性雰囲気下で製造操作を行っている。 【0005】 さらに有機電子デバイスの構成として、材料由来のアウトガス及び/又は密封容器の封止部分から侵入する劣化因子を捕捉する捕捉剤を電子デバイス内に配することによって、これらの影響を出来るだけ小さくするように配慮している(例えば、特許文献1参照)。 しかしながら、現在までに知られているこれらの捕捉剤は、系内の酸素及び/又は水を除去する能力が十分なものは少ない。また同一の物質によって、水及び酸素を共に捕捉しうる捕捉材は極めて少ない。 【0006】 例えば、有機ELディスプレイは自発光型電子デバイスであり、発光層にむけてエレクトロンとホールを注入し、発光層を励起して、その励起状態から基底状態に遷移する時に発光するメカニズムである。したがって、微量の酸素や水があると、励起エネルギーをクエンチしたり、また、発光分子が水や酸素の攻撃を受けてダークスッポトを形成するため、有機ELデバイスの寿命に対して非常に悪影響を与える。このため、有機ELデバイスには系内に捕捉剤を設置して微量の水分や酸素を吸収させてこれらの影響を排除するようにしている。 【0007】 しかしながら、現在までに知られている捕捉剤は系内の水分を除去しうる捕捉剤が大部分で、系内の酸素を除去しうる捕捉剤には適当なものがなく、そのため水分と酸素をともに除去できる捕捉剤が求められている。 特許文献2には、水及び酸素に非常に高い反応性を持つアルカリ(土類)金属類を捕捉剤として用いる発明が開示されているが、アルカリ(土類)金属はその取り扱いが著しく危険を伴う煩雑なものであり、デバイス内に配する場合もその方法が限定されている。 【0008】 また、アルカリ(土類)金属の水及び/又は酸素の捕捉機構を考察すると、特に水との反応によって水素を発生することになり、水素の高い蒸気圧は有機電子デバイスの封止を破壊する高い可能性がある。 さらに、これらを配したデバイスが廃棄処分や事故などで破壊され、通常の大気雰囲気中の高濃度な水及び/又は酸素に晒された場合、自然発火の可能性があり危険なものである。それ故、一般的な捕捉材として使用するには適当ではない。 【0009】 一方、特許文献3に記載された発明では、有機EL層を構成する材料を捕捉剤として用いることを特徴としている。しかし、水及び/又は酸素との反応速度は電子ないし正孔を授受している、すなわち励起状態にある有機材料の方が著しく速い。そのため捕捉剤として提案されている有機材料が本質的にその機能を高く保持しているか疑問であり、さらに透明性に関してもヘテロ元素(酸素、窒素、硫黄など)を含む有機材料が劣化した場合に着色してしまうことは一般的に知られており、捕捉剤層が薄いとしても問題となる可能性がある。 このように、従来の捕捉剤は、酸素及び水素の双方を捕捉できるものはあまりなく、あったとしても取扱が危険なものである。 【0010】 【特許文献1】特開2004−103524号公報 【特許文献2】特開2002−008852号公報 【特許文献3】特開2006−004721号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0011】 本発明は、取り扱いが容易で、水及び酸素に対して強い捕捉能力を有する有機電子デバイス用捕捉剤シートを提供することを課題としている。 また、本発明は、取り扱いが容易で、水及び酸素に対して強い捕捉能力を有する有機電子デバイス用捕捉剤シートの製造方法を提供することを課題としている。 また、本発明は、取り扱いが容易で、水や酸素の影響が小さく長寿命な有機電子デバイスを提供することを課題としている。 【課題を解決するための手段】 【0012】 本発明によれば、下記化学式で示される捕捉剤をシート状部材に被着して成ることを特徴とする有機電子デバイス用捕捉剤シートが提供される。 R1R2R3M 但し、R1、R2及びR3は、各々、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、環式アルキル基及、アリール基、アルコキシ基及びカルボキシル基からなる群より選ばれた1種のものであって、互いに同じでも異なっていてもよいが、補足剤として1つ以上のC−M結合を有するように選ばれたものである。Mはアルミニウム又はボロンである。 【0013】 ここで、前掲の捕捉剤と他の捕捉剤とを混合した捕捉剤を、前記シート状部材に被着して成るように構成してもよい。 また、前記他の捕捉剤が、前掲の捕捉剤とは反応しない有機溶媒に溶解するものであるようにしてもよい。 【0014】 また、本発明によれば、前記いずれか一に記載の捕捉剤とバインダーを混合して前記シート状部剤に塗布することを特徴とする有機電子デバイス用捕捉剤シートの製造方法が提供される。 また、本発明によれば、前記いずれか一に記載の有機電子デバイス用捕捉剤シートを所定の位置に被着させて成ることを特徴とする有機電子デバイスが提供される。 【発明の効果】 【0015】 本発明の有機電子デバイス用捕捉剤シートは、取り扱いが容易で、水分捕捉能及び酸素捕捉能ともに優れた捕捉剤を使用している。したがって、有機電子デバイスに使用することにより、有機電子デバイスに悪影響を与える水分や酸素を除去することが可能になる。よって、有機電子デバイスの長寿命化を図ることが可能になる。 また、本発明によれば、簡単な方法によって有機電子デバイス用捕捉剤シートを製造することが可能になる。 また、本発明の有機電子デバイスによれば、水や酸素による寿命低下を抑制することができるため、取り扱いが容易で、長寿命化が可能になるという効果を奏する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 前記問題点を解決するために種々検討した結果、捕捉剤として優れた性能を持つ下記化学式(1)で表される化合物を見出した。前記、捕捉剤をバインダー(粘着剤)と混合してシート状部材に塗布し捕捉剤シートを作製し、有機電子デバイス中の所望の位置に前記捕捉剤シートを貼付し、前記有機電子デバイス中の水分や酸素を吸収・吸着して捕捉する。 従来の捕捉剤が水分のみの吸収能力しかなかったが、本発明の実施の形態に係る捕捉剤は水分以外の酸素の吸収に対しても優れた能力を有する特徴がある。そのため、従来、有機電子デバイス用に検討されてきた種々の捕捉剤より優れており、又、安全に使用できる。 尚、有機電子デバイスは、その主要な機能を発揮するために必要な部分に有機材料を用いており、前記有機材料に電子的な働きを行わせることによって機能を発揮するように構成された電子素子である。 【0017】 以下に本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明する。本発明の実施の形態に係る有機電子デバイス用補足剤シートに用いる捕捉剤は、下記式(1)で表される化合物である。 R1R2R3M ・・・(1) 但し、R1、R2及びR3は、各々、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、環式アルキル基及、アリール基、アルコキシ基及びカルボキシル基からなる群より選ばれた1種のものであって、互いに同じでも異なっていてもよいが、補足剤として1つ以上のC−M結合を有するように選ばれたものである。Mはアルミニウム又はボロンである。 【0018】 R1、R2、R3の基は、炭素数が1〜20好ましくは2〜18であり、同一でも異なっていてもよい。これらの化合物は水分、酸素などがこのC−M結合と反応することにより、有機電子デバイス用捕捉剤としての有用な役割を果たす。 例えば、水との反応は、 C−M + H2O → C−H + M(OH) 酸素も同様にC−M結合で、次のように反応する。 2C−M + O2 → 2C−O−M 【0019】 R1、R2及びR3の具体例としては、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、の如き炭素数1〜18のアルキル基、プロペニル基、ブテニル基、オクテニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基の如き不飽和基を有するアルケニル基、プロピニル基、フェニルエチニル基の如きアルキニル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基の如き脂環式アルキル基、フェニル基、ベンジル基の如きアリール基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、などを好適に挙げることができる。 これらアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基は直鎖状でもよく環状でもよく、また分岐していてもよい。 【0020】 前記式(1)で示される化合物の具体例としては、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリシクロプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ‐t−ブチルアルミニウム、トリ−2−メチルブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリ(2−エチルヘキシル)アルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリベンジルアルミニウム、ジメチルフェニルアルミニウム、ジブチルフェニルアルミニウム、ジイソブチルフェニルアルミニウム、メチルジフェニルアルミニウム、エトキシヂエチルアルミニウム、エトキシジ−n−オクチルアルミニウム、トリエチルボラン、トリブチルボラン、トリ−n−オクチルボラン、トリ−n−ドデシルボラン、トリフェニルボランなどを挙げることができる。これらの化合物は、単独でも、あるいは2種類以上の化合物を混合して使用することもできる。 【0021】 水分、酸素などとの反応で発生する生成物の蒸気圧を考えると、炭素数が6以上の基で好ましくはトリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリ−n−ドデシルアルミニウム、などである。 本発明の実施の形態に用いられる捕捉剤は、前記式(1)で示した捕捉剤に他の捕捉剤(水分は捕捉するが酸素は捕捉しない捕捉剤である乾燥剤を含む。)を混合することもできる。前記他の捕捉剤としては、化学的に水分子と反応するもの、物理的に水分子を吸着するもの、その他いずれのものでもよい。 【0022】 化学的に水分子と反応するものとしては、金属酸化物、硫酸塩、金属ハロゲン化物、有機金属化合物などが挙げられる。金属酸化物としては、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。硫酸塩としては、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウムなどが挙げられる。金属ハロゲン化物としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ストロンチュウムなどが挙げられる。有機金属化合物としては、トリアシルシクロボロキシン、アルミニュウムオキサイドオクチレートなどが挙げられる。 物理的に吸着するものとしては、ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナなどが挙げられる。 【0023】 前記式(1)で表される捕捉剤と混合するその他の捕捉剤は、前記式(1)の捕捉剤をトルエン、キシレン、パラフィン、流動パラフィン、デカリン、ジグライムなどの非水溶媒である芳香族有機溶媒、脂肪族溶媒、エーテル系溶媒などに溶解した溶液中に均一に溶解、分散でき、少なくとも沈殿しないものが好ましい。特に好ましいのはボロンオキサイドオクチレート、アルミニウムオキサイドオクチレートなどである。 【0024】 本発明の実施の形態に用いられる捕捉剤のバインダーの種類としては、無機系の材料でも良く、有機系の材料でも良い。 無機系バインダーとしては、アルコキシシランのポリマーが挙げられる。アルコキシシランとしてはテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメトキジメチルシラン、ジメトキシジエチルシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジメトキシメチルフェニルシランなどが挙げられる。また、塗膜強度を向上させるために、少量のアルコキシジルコニウムを添加することもできる。 【0025】 アルコキシシランのポリマーはアルコキシシランに水を0.1mol%以上添加し、さらに触媒として酸あるいはアルカリをごく微量添加させ反応を起こさせる。触媒を添加せずに加熱することにより重合反応を起こさせることも可能である。反応溶液を高温で濃縮乾燥することにより重合体を得ることができるが、溶媒に再溶解して保存することが好ましい。 【0026】 有機系バインダーとしては、前記式(1)の捕捉剤と反応しない重合体を用いることができる。重合体としては、樹脂及び弾性体である。 樹脂としては、例えばアクリル樹脂、スチレン樹脂等である。アクリル樹脂はアクリル基を有するモノマーを重合して得られる樹脂であり、またアクリル基を有するモノマーあるいはオリゴマーを塗布成膜後に熱、光などの手段で反応させて得られる樹脂である。スチレン系樹脂はスチレン基を有する樹脂であり、またスチレン基の一部を混入させた樹脂である。 【0027】 弾性体としては各種のゴムであり、例えばポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレンーブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴム、エチレンープロピレンゴム、アクリロニトリルブタジジエンゴムなどである。 また有機バインダーとして液状ポリマー、石油樹脂を用いることが出来る。液状ポリマーとしては、液状ポリブテン、液状ポリブタジエンなどがあげられる。石油樹脂としては、日石ネオポリマーなどが上げられる。 【0028】 また有機系バインダーと無機系バインダーを混合してもよく、あらかじめ反応させたハイブリットタイプの樹脂でも良い。ハイブリットタイプの樹脂としてはカネカゼムラック等アクリルシリコン系が挙げられる。 これらの透明樹脂を有機溶媒に溶解することにより塗膜形成用溶液を作製できる。樹脂溶液の濃度は10wt%以上、好ましくは20〜80wt%用いる。 【0029】 捕捉剤シートの作製はバインダー溶液に式(1)の捕捉剤を含む捕捉剤をバインダーの固形分に対し10wt%以上、好ましくは20〜80wt%添加し十分に攪拌する。均一になった溶液をシート状部材に塗布してシートを作製した後、使用した溶媒を減圧下で除去して、目的とする捕捉剤シートを得る。捕捉剤シートには必要に応じて表面保護フィルムをラップし、使用時に表面保護フィルムをはがして使用することにより、捕捉剤の性能を落とすことなく保持できる。なお、これらの一連の作業は不活性雰囲気下で行なうことが望ましい。 【0030】 以上のように、本発明の実施の形態に係る捕捉剤シートは、水分捕捉能及び酸素捕捉能ともに極めて優れた捕捉剤を使用している。また、前述したアルカリ(土類)金属のような危険性はないため、取り扱いが容易である。したがって、有機電子デバイスに容易に使用することが可能になり又、有機電子デバイスに悪影響を与える水分や酸素を低減することが可能になる。 【0031】 また、有機電子デバイスの適当な所定位置に両面テープや接着剤等によって被着して使用することにより、有機電子デバイスの長寿命化に非常に効果を発揮する。例えば捕捉剤シートを貼付したキャップガラスで有機電子デバイスを封止することにより、封止後のデバイス中の微量の水分や酸素を、シートに含まれる捕捉剤によって吸収、吸着し、有機物の劣化を防いで、有機電子デバイスの寿命を大幅に延長することができる。 【0032】 また、本実施の形態に係る有機電子デバイス用捕捉剤シートは、シート状のため、有機電子デバイスの形状に応じて適当な形と大きさに裁断し、有機電子デバイス内の好適な位置に被着して配設することができる。したがって、有機電子デバイスの長寿命化を図ることが可能になるばかりでなく、有機電子デバイスの性能を阻害することなく使用できるという効果を奏する。 【0033】 尚、本実施の形態に係る有機電子デバイス用捕捉剤シートは、有機EL(Eletroluminescence)パネル、有機TFT(Thin Film Transistor)、有機太陽電池、有機光電変換膜を用いたCMOSセンサ(有機CMOSセンサ)等、有機材料を用いた各種の有機電子デバイスに適用可能である。 【実施例】 【0034】 次に、本発明の実施例について説明するが、これらに限定されるものではない。 [実施例1] 十分に乾燥した液状ポリマー(日石ポリブテン、LV−100)の50wt%トルエン溶液100グラムにトリデシルアルミニウム100グラムを均一に溶解した。片面に粘着剤を塗布したテープの裏面側に本溶液を塗布した後、減圧下で溶媒を除去して捕捉剤シートを作成した。捕捉剤層の厚さは0.7mm厚にコントロールした。 【0035】 前記捕捉剤シートを貼付したキャップガラスを用いて封止した有機ELは、良好な発光輝度を示し、発光寿命も良好であった。 また、前記有機電子デバイス用捕捉剤シートの脱水性能を測定した。100cm2に成形した捕捉剤シートを、湿度5.0%に調整した密閉容器(内容積640cm3)に入れ、容器内に静置した湿度センサーで容器内の湿度の経時変化を測定した。 【0036】 本実施例1に係る捕捉剤シートの水分捕捉能の測定結果を図1に示す。図1において、グラフAは本実施例1の捕捉剤シートの特性を示すもので、比較対象として、同面積の既存のシート型捕捉剤(ダイニック株式会社製HD−SO5)の特性を併記している。 本実施例1の捕捉剤シートは、前記既存のシート型捕捉剤に比べて優れた吸湿能力を示した。 【0037】 また、前記捕捉剤シートの酸素捕捉能を測定した。100cm2に成形した捕捉剤シートを、酸素濃度10.0%に調整した密閉容器(内容積640cm3)に入れ、容器内に静置した酸素濃度センサーで容器内の酸素濃度の経時変化を測定した。測定結果を図2に示す。図2において、グラフAは本実施例1の捕捉剤シートの特性を示すもので、比較対象として、同面積の既存のシート型捕捉剤(ダイニック株式会社製HD−SO5)の特性を併記している。 本実施例1の捕捉剤シートは、前記既存のシート型捕捉剤には無い、優れた酸素捕捉能力を示した。 【0038】 [実施例2] 十分に乾燥した液状ポリマー(日石ポリブテン、LV−100)の50wt%トルエン溶液200グラムにトリデシルアルミニウム100グラムとトリアシルシクロトリボロキシン50グラムを均一に溶解した。片面に粘着剤を塗布したテープの反対側に本溶液を塗布した後、減圧下で溶媒を除去して捕捉剤シートを作成した。捕捉剤層の厚さは0.7mm厚にコントロールした。本実施例2においても、前記実施例1と同様に、優れた水分捕捉能及び酸素捕捉能を示した。 【産業上の利用可能性】 【0039】 本発明の有機電子デバイス用捕捉剤シートは、捕捉剤として前記式(1)に示した捕捉剤が使用でき、又、有機ELパネル、有機TFT、有機太陽電池、有機CMOSセンサ等の有機材料を用いた各種の有機電子デバイスに利用可能である。 【図面の簡単な説明】 【0040】 【図1】本発明の実施例に係る有機電子デバイス用捕捉剤シートの捕水性能特性を示す図である。 【図2】本発明の実施例に係る有機電子デバイス用捕捉剤の脱酸素能特性を示す図である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】597114270 【氏名又は名称】株式会社国際基盤材料研究所
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| 【出願日】 |
平成18年2月10日(2006.2.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099726 【弁理士】 【氏名又は名称】大塚 秀一
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| 【公開番号】 |
特開2007−214017(P2007−214017A) |
| 【公開日】 |
平成19年8月23日(2007.8.23) |
| 【出願番号】 |
特願2006−33659(P2006−33659) |
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