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【発明の名称】 表面実装型圧電発振器の構造
【発明者】 【氏名】原田 正文
【氏名】永松 昌一
【氏名】安齊 達也
【課題】IC部品下面にアンダーフィルを確実に作業効率よく塗布するためには、IC部品パッケージの側壁とIC部品との間に、ディスペンサ装置のアンダーフィル吐出口の先端を十分に挿入するためのスペースが必要がある。

【解決手段】水晶発振器100のIC部品パッケージ10の第2の容器11の凹部12周囲を囲む側壁17の一辺の隅に近い部分の厚みを薄肉とした薄肉側壁部17aを形成し、この薄肉側壁部17aとIC部品14との間に、薄肉側壁部17a以外の側壁17とIC部品14との間の間隙より広い間隙部12aを形成する。この広い間隙部12aにディスペンサ装置の吐出口を挿入し、IC部品14の下面にアンダーフィル16を流し込む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部底面に接続用電極を有し内部に圧電振動素子を収容して密封した第1の容器を、上方を開口とする凹部内に発振回路用部品を収容すると共に前記凹部側壁の上面に前記第1の容器の接続用電極と対応する接続電極及び外部底面には表面実装用電極とを有する第2の容器の前記凹部開口を覆うように積み重ねて一体化した表面実装型圧電発振器の構造であって、
前記第2の容器の凹部の四方を囲む側壁の一部を薄肉とすることによって、前記側壁の薄肉部の壁面と前記発振回路用部品との間の間隙を広くしたことを特徴とする表面実装型圧電発振器の構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電発振器に関し、特に、発振回路用IC部品を搭載した回路部品パッケージ上に、圧電振動子を収容した振動子パッケージを固定一体化した構造の表面実装型圧電発振器の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯電話機等の移動体通信機器の普及に伴って機器の小型化、低価格化が急速に進んでおり、これらの通信機器に使用される水晶発振器等の圧電発振器に対しても低価格化、小型化及び薄型化の要請が高まっている。
このような発振器への要請に対しては、水晶振動子をパッケージ化するのみならず、振動子以外の発振回路部品を集積化、IC化してパッケージ化した表面実装型の発振器として対応している。
図3は、従来の表面実装型水晶発振器の構造の一例を示す図で、(a)は縦断面図、(b)はIC部品パッケージの外形斜視図ある。
同図(a)に示されるように、本水晶発振器60は、振動子パッケージ30aとIC部品パッケージ40とで構成され、前記IC部品パッケージ40上に振動子パッケージ30を固定した構造を有する。
【0003】
前記振動子パッケージ30aは、上方に開口した積層型セラミック基板で形成された第1の容器31の凹部32内に水晶振動素子33を収容した後、前記凹部32を金属蓋34で密封した構造を有する。
前記水晶振動素子33は、水晶基板の主面上に2つの励振電極を形成し、各励振電極から水晶基板の端縁に延びるリード電極が前記凹部32内に配置したパッド電極35に接続固定される。
前記第1の容器31の外底面には前記パッド電極35及び金属蓋34と導通する底部電極36が設けられている。
前記底部電極36は第1の容器31の外底面四隅に4個設けられており、そのうちの2個はアース用の電極であって、図示しない接続導体を介して金属蓋34と接続され、これを接地し、残りの2個の底部電極36は水晶振動素子33の2つの励振電極とそれぞれ導通している。
【0004】
前記IC部品パッケージ40は、セラミック等の絶縁材科から成る絶縁基板で形成されて上方に開口部を有する第2の容器41の凹部42内底面に設けられたIC部品搭載用パッド電極43上にICチップあるいはICパッケージ(以下、IC部品という)44を載置し、このIC部品44の接続端子電極(図示しない)を超音波フリップチップ工法によって、例えばAuバンプ(図示しない)を介して前記IC部品搭載用パッド電極43に接合した後、アンダーフィル45を塗布して、硬化させ接着した構造を有する。
前記凹部42内に搭載されたIC部品44は、空気と接することによってその電極等に結露が生じてショートを起こす等の不具合を発生するおそれがあるため、凹部42内に絶縁樹脂46を充填することによって外気から遮断される。前記絶縁樹脂46は、溶融した状態でIC部品44の外面全体を被覆するように凹部42内に充填され、その後硬化する。
【0005】
前記凹部42の側壁47上面四隅には、前記第1の容器31の底部電極36と対応する上部電極48が設けられる。そして、第2の容器41外底面四隅には、発振器の入出力端としての表面実装用の外部電極49が設けられる。
前記外部電極49は図示しない接続導体を介してIC部品搭載用パッド電極43及び上部電極48と接続されている。
【0006】
前記振動子パッケージ30aとIC部品パッケージ40とは、平面形状がほぼ同一の略長方形であり、振動子パッケージ30aの底部電極36とIC部品パッケージ40の上部電極48とがはんだ付けによって接続されると共に、同図(b)のIC部品パッケージの外形斜視図に示されるように、IC部品パッケージ40の第2の容器41の側壁47の上面の上部電極48が存在しない領域の適所と、これと対面する振動子パッケージ30aの外底面との間を、絶縁性接着剤50により接合して一体化して、本水晶発振器60が構成される。
本水晶発振器60は、携帯電話等の機器のマザーボードに設けられた電極パターン上に、IC部品パッケージ40の外部電極49がはんだリフローによってはんだ付けされて使用される。
【特許文献1】特開2004−64651号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記IC部品パッケージ40においては、機械的、電気的信頼性を確保するために、第2の容器41の凹部42内底面に設けられたIC部品搭載用パッド電極43上にIC部品44を超音波フリップチップ工法によって、Auバンプを介して接合した後、IC部品44下面にアンダーフィル45を塗布して接着し、さらに、前記IC部品44の外面全体を被覆するように凹部42内に絶縁樹脂46を充填する作業が行われる。
したがって、前記アンダーフィル45をIC部品44の上面を汚すことなく、確実にIC部品44下面に流し込むためには、ディスペンサ装置のアンダーフィル吐出口の先端を、IC部品パッケージ40の側壁46とIC部品44との間に、十分に挿入する必要がある。
そのため、IC部品パッケージ40の側壁46とIC部品44との間に、所定の間隔をとる必要があり、前記IC部品パッケージ40の小型化の妨げになっているという問題があった。
本発明は、上記問題の解決のためになされたものであって、IC部品パッケージの側壁とIC部品との間に必要な所定の間隙をもち、且つ、小型の表面実装型圧電発振器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1においては、外部底面に接続用電極を有し内部に圧電振動素子を収容して密封した第1の容器を、上方を開口とする凹部内に発振回路用部品を収容すると共に前記凹部側壁の上面に前記第1の容器の接続用電極と対応する接続電極及び外部底面には表面実装用電極とを有する第2の容器の前記凹部開口を覆うように積み重ねて一体化した表面実装型圧電発振器の構造であって、前記第2の容器の凹部の四方を囲む側壁の一部を薄肉とすることによって、前記側壁の薄肉部の壁面と前記発振回路用部品との間の間隙を広くしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、圧電振動素子を収容した第1の容器を、発振回路用IC部品を収容した第2の容器に積み重ねて一体化した表面実装型圧電発振器であって、前記第2の容器の側壁の一部を薄肉とすることによって、この薄肉の側壁部分と発振回路用IC部品との間の間隙を広くした。
これによって、フリップチップ工法によって前記第2の容器の内底面に装着した前記発振回路用IC部品の下面にアンダーフィルを流し込む際に、前記広い間隙部分から容易にディスペンサ装置のアンダーフィル吐出口を挿入することができる。
したがって、作業効率よく、確実にアンダーフィルによる発振回路用IC部品の固着が可能となると共に、従来のように発振回路用IC部品と側壁壁面との間隙を全体に広くする必要がなくなり、第2の容器の外形を小型化することができる。
したがって、本発明の表面実装型圧電発振器の構造によれば、小型で機械的、電気的に信頼性の高い表面実装型圧電発振器を提供する上で著効を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。図1は本発明かかわる表面実装型圧電発振器としての水晶発振器の実施の一形態例を示す図で、(a)は縦断面図であり、(b)は振動子パッケージの底部電極の配置図(上方からの透視図)である。
同図(a)に示されるように、本水晶発振器100は、振動子パッケージ30とIC部品パッケージ10とで構成され、前記IC部品パッケージ10上に振動子パッケージ30を固定した構造を有する。
前記振動子パッケージ30は、第1の容器31と、前記第1の容器31の凹部32内に配置されたパッド電極35に水晶振動素子33を装着し、金属蓋34で前記凹部32を密封する構造を有し、前記第1の容器31の外底面には底部電極36a、36bが設けられている。そして、この振動子パッケージ30は、前記底部電極36a、36bを除いて、図3に示される従来の水晶発振器60と同じ符号で表される振動子パッケージ30aと全く同一の構成、機能を有しているので、共通部分の各部位の説明は省略する。
【0011】
同図(b)の底部電極の配置図に示されるように、前記第1の容器31の外底面には2個の底部電極36aと1個の底部電極36bが設けられており、前記底部電極36aは水晶振動素子33の2つの励振電極と図示しない接続導体を介して接続され、前記底部電極36bはアース用の電極であって、前記金属蓋34と接続されている。尚、図3を用いて説明した振動子パッケージ30aと同様に、アース用の底部電極を2つ備えてもかまわない。
【0012】
また、同図(a)に示されるように、前記IC部品パッケージ10は、セラミック等の絶縁材科から成る絶縁基板で形成されて上方に開口部を有する第2の容器11の凹部12の内底面に設けられたIC部品搭載用のパッド電極13上に発振回路用のIC部品14を超音波フリップチップ工法によって装着した後にアンダーフィル15で接着し、前記凹部12内に絶縁樹脂16を充填した構造を有する。
前記凹部12の四方を囲む側壁17の上面には、後述のように、上部電極18a、18bが設けられる。そして、第2の容器11の外底面四隅には、発振器の入出力端としての表面実装用の外部電極19が設けられる。
前記外部電極19は図示しない接続導体を介してIC部品搭載用パッド電極13及び上部電極18a、18bと接続されている。
【0013】
図2は、本発明の主たる特徴を示す前記水晶発振器100のIC部品パッケージ10の構造の説明図で、(a)は外形斜視図であり、(b)は縦断面図である。
同図(a)に示されるように、第2の容器11の凹部12周囲を囲む側壁17の一辺の隅に近い部分の厚みが薄肉となっており(以下、この部分を薄肉側壁部17aという)、このため、この薄肉側壁部17aとIC部品14との間に、薄肉側壁部17a以外の側壁17とIC部品14との間の間隙より広い間隙部12aが形成される。
このような構造の前記側壁17の上面四隅のうち、前記薄肉側壁部17aと対角の位置には、接地用の上面電極18bが設けられ、他の対角線の位置には水晶振動子励振信号用の上部電極18a、18aが設けられる。
前記水晶振動子励振信号用の上部電極18a、18a及び接地用の上面電極18bは、それぞれ前記第1の容器31の2個の底部電極36aと1個の底部電極36bと対応する位置に設けられる。
【0014】
前記第2の容器11内底面に設けられた前記パッド電極13上に、前記IC部品14の接続端子電極14aがフリップチップ工法によってAuバンプ20を介して接合された後、前記アンダーフィル15が、前記広い間隙部12aに挿入された図示しないディスペンサ装置の吐出口より前記IC部品14の下面に流し込まれる。
前記アンダーフィル15の硬化後、前記絶縁樹脂16がIC部品14全体を被覆するように前記広い間隙部12aを含む凹部12内に充填される。なお、図2(a)においては、簡略のため、前記絶縁樹脂16の図示を省略している。
【0015】
前記第2の容器11の側壁17の上面のうち薄肉側壁部17aが形成されている隅の部分と、上部電極18a、18bが存在しない適所と、それらの領域と対面する振動子パッケージ30の外底面との間が、絶縁性接着剤21により接合されて一体化して、本水晶発振器100が構成される。
本水晶発振器100は、携帯電話等の機器のマザーボードに設けられた電極パターン上に、IC部品パッケージ10の外部電極19がはんだリフローによってはんだ付けされて使用される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明かかわる表面実装型圧電発振器としての水晶発振器の実施の一形態例を示す図で、(a)は縦断面図、(b)は振動子パッケージの底部電極の配置図(上方からの透視図)。
【図2】本発明の水晶発振器100のIC部品パッケージ10の構造の説明図で、(a)は外形斜視図、(b)は縦断面図。
【図3】従来の表面実装型水晶発振器の構造の一例を示す図で、(a)は縦断面図、(b)はIC部品パッケージの外形斜視図。
【符号の説明】
【0017】
10・・IC部品パッケージ、11・・第2の容器、12・・凹部、12a・・広い間隙部、
13・・IC部品搭載用のパッド電極、14・・IC部品、14a・・接続端子電極、
15・・アンダーフィル、16・・絶縁樹脂、17・・側壁、17a・・薄肉側壁部、
18a、18b・・上部電極、19・・外部電極、20・・Auバンプ、21・・絶縁性接着剤、
30、30a・・振動子パッケージ、 31・・第1の容器31、 32・・凹部、
33・・水晶振動素子、 34・・金属蓋、 35・・パッド電極、
36、36a、36b・・底部電極、40・・IC部品パッケージ、41・・第2の容器、
42・・凹部、 43・・IC部品搭載用パッド電極、
44・・ICチップあるいはICパッケージ(IC部品)、45・・アンダーフィル45、
46・・絶縁樹脂、 47・・側壁、 48・・上部電極、 49・・外部電極、
50・・絶縁性接着剤、60・・水晶発振器、100・・水晶発振器
【出願人】 【識別番号】000003104
【氏名又は名称】エプソントヨコム株式会社
【出願日】 平成17年7月21日(2005.7.21)
【代理人】
【公開番号】 特開2007−28454(P2007−28454A)
【公開日】 平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願番号】 特願2005−210685(P2005−210685)