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【発明の名称】 水晶振動子及び水晶発振器
【発明者】 【氏名】飯田 浩章

【要約】 【課題】水晶振動子や水晶発振器の周波数を安定化させるためには、水晶振動子を恒温槽に入れて高温に維持することにより、周囲の温度の影響を少なくする構造がとられていたが、形状が大きく電力を消費していた。

【解決手段】本発明では、少なくとも基板や容器に流路を設け、液体媒体を流し循環することで、温度制御して水晶振動子の温度を一定にすることにより周波数を安定化させることができるようになった。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水晶振動子と発振回路とからなる水晶発振器において、
少なくとも該水晶振動子を載置し該発振器を構成する回路部品を載置する基板に、温度制御装置により温度制御した液体媒体を循環させる流路を設けたことを特徴とする水晶発振器。
【請求項2】
水晶振動板を内蔵した水晶振動子において、
水晶振動子容器底面に温度制御装置により温度制御した液体媒体を循環させる流路を設けたことを特徴とする水晶振動子。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、液体媒体で温度制御する水晶振動子と水晶発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
高安定水晶発振器においては、高温仕様の場合ヒーター等で水晶振動子を加熱して広範囲な温度範囲で周波数を一定にするようにしている。これは常温よりも高温側に水晶振動子のターニングポイント(極点)を設定し、より低い温度範囲においてはヒーターで加熱して、温度変化の少ないターニングポイント付近の温度を維持することにより周囲温度の変化に対して一定の温度を維持することで周波数の安定化を図っている。
通常ATカット水晶振動子の場合には、60℃〜90℃の間に周波数温度特性の極点を設定している。
【0003】
しかし、水晶振動子ばかりを加熱しても基板や周辺部品の温度特性の影響を受けることにより、温度特性が保たれない場合もある。
これは基板からの発熱や他の部品からの発熱などにより、水晶振動子や発振回路部品にも影響がでてしまうおそれがある。
【0004】
そこで本発明にあたり、少なくとも基板の流路に温度制御された液体媒体を流して温度を一定化することにより、より一層安定した周波数の水晶振動子や水晶発振器を得ることが出来るようになる。
【0005】
【特許文献1】特開2005―124129号公報
【0006】
なお出願人は前記した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を、本件出願時までに発見するに至らなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、今までは水晶振動子を高温で加熱し、水晶振動子の温度特性の頂点と恒温槽の温度の極点を合わせて、外気温度による変化に影響を受けないようにしていたが、加温にすることで高温に維持するため、電力を要し、また保温のために構造体が大きくなる欠点があった。
【0008】
特許文献1には、恒温槽を用いた水晶発振器が示されている。水晶振動子には恒温槽を被せヒータ等を制御して一定温度に維持することで外気温度の変化による周波数の安定度を得ている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、水晶振動子と発振回路とからなる水晶発振器において、少なくとも該水晶振動子を載置し該発振器を構成する回路部品を載置する基板に、温度制御装置により温度制御した液体媒体を循環させる流路を設けた水晶発振器である。
また水晶振動板を内蔵した水晶振動子において、水晶振動子容器底面に温度制御装置により温度制御した液体媒体を循環させる流路を設けた水晶振動子である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によって、恒温槽を持たないでも外気温度の影響を少なくでき、安定した周波数を得ることが出来る。恒温槽がないため、小型でしかも周波数の安定した水晶振動子や水晶発振器が得られる。今までの恒温槽では、高温仕様で一定温度にして安定化させていたが、高温に限らず常温や、使う環境に近い温度に設定することが出来るため、エネルギー消費の少ない状況を提供することが出来るようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら実施例を説明する。
図1は、本発明の実施例を示す断面図である。基板1はファインセラミックからなり、基板の層内に液体を流通する層を形成している。
基板1には本例では水晶振動子2の容器3が予め用意され、励振電極をつけた水晶振動子が導電性接着剤などで基板1の導電膜のある固着個所に載置、固定されている。水晶振動子以外の基板には回路部品4が載置されている。水晶振動子2と基板1は、基板1の層間に流路5を流れる液体媒体によって温度制御される。液体媒体は、ピエゾポンプやモーターなどにより循環する。温度制御は、温度制御装置6により行われペルチェ素子などを用いてもよい。また必要に応じてヒートシンクを設けている。
【0012】
図2は、本発明の他の実施例で、水晶振動子2の容器7が基板から独立しているが、水晶振動子の容器底部にも基板1と同じように基板の層間に液体媒体が流れる流路5を形成してあり、基板1と同様水晶振動子の容器も液体媒体を介して温度制御している。
本実施例では、同じ液体媒体を回路基板と水晶振動子の容器に直列に接続して流すことにより、両方の温度制御をおこなっている。温度制御回路と基板や容器の流路等をパイプやホースで接続して液体媒体を流している。
【0013】
本発明は、温度制御を水晶振動子の特性に合わせて設定することにより、周囲温度の変化に対して安定な周波数特性を得ることが出来る。
なお基板は、ファインセラミックを例に挙げたが、ガラスや水晶、金属であってもよい。
また液体媒体は、水やアルコール等が用いられるが、他の液体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明は、水晶振動子の恒温化をすることにより、発振周波数を安定化させられるが、他にも発振器全体の温度を制御することが出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施例を示す断面図である。
【図2】図2は、他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0016】
1 基板
2 水晶振動子
3 容器
5 流路
6 温度制御装置
【出願人】 【識別番号】000104722
【氏名又は名称】京セラキンセキ株式会社
【出願日】 平成17年6月30日(2005.6.30)
【代理人】
【公開番号】 特開2007−13744(P2007−13744A)
【公開日】 平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願番号】 特願2005−193176(P2005−193176)