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【発明の名称】 圧電発振器
【発明者】 【氏名】笠原 憲司

【氏名】内田 剛史

【要約】 【課題】発熱体を備えた圧電発振器において小型・低背化を図り、さらに組立容易で電力の消費が抑えられる圧電発振器を提供すること。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板とカバーとにより囲まれる空間に発熱体と圧電振動子とを備えた圧電発振器において、
前記基板の表面に形成された凹部と、
前記基板に固着された支持部材と、
前記支持部材により前記圧電振動子の一部または全部が前記凹部内に収まりかつ基板から浮いた状態で支持され、
前記発熱体が圧電振動子の表面に設けられていることを特徴とする圧電発振器。
【請求項2】
前記支持部材が接着剤であることを特徴とする請求項1記載の圧電発振器。
【請求項3】
前記支持部材がリード線であることを特徴とする請求項1記載の圧電発振器。
【請求項4】
基板とカバーとにより囲まれる空間に発熱体と圧電振動子とを備えた圧電発振器において、
前記基板に固着された接着剤により前記圧電振動子が基板から浮いた状態で支持され、
前記発熱体が圧電振動子の表面に設けられていることを特徴とする圧電発振器。
【請求項5】
基板とカバーとにより囲まれる空間に発熱体と圧電振動子とを備えた圧電発振器において、
前記基板に固着されたリード線により前記圧電振動子が基板から浮いた状態で支持され、
前記発熱体が圧電振動子の表面に設けられていることを特徴とする圧電発振器。
【請求項6】
前記空間に感温素子とこの感温素子の出力に基づいて発熱体への供給電力を制御する温度制御部とが設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一に記載の圧電発振器。
【請求項7】
発熱体の一部または全部及び前記感温素子が集積回路の中に組み込まれ、この集積回路が圧電振動子の表面に設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一に記載の圧電発振器。
【請求項8】
集積回路には発振回路と温度制御部とがさらに組み込まれている請求項7記載の圧電発振器。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は圧電振動子を備え、発熱体を用いて周囲の温度変化に対する当該圧電振動子が発する周波数の安定化を図るようにした圧電発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電振動子を備えた圧電発振器の例として水晶振動子を備えた水晶発振器があり、当該水晶発振器の温度に対する周波数安定性を得るための代表的な構成としては、TCXO(温度補償水晶発振器:Temperature Compensated Crystal Oscillator)とOCXO(恒温槽付水晶発振器:Oven Controlled Crystal Oscillator)とが知られている(非特許文献1)。TCXOは、感温素子を用いた温度補償回路が内蔵され当該感温素子の温度検出値に基づいて発振周波数が補正されるように構成されたものであり、後述のOCXOに比べて消費電力が少なく一般に小型軽量であるという利点がある。しかしTCXOは、OCXOと比べると周囲温度の影響を受けやすく、高い周波数安定性が要求される場合には適用しがたい。
【0003】
一方OCXOは、槽内に水晶振動子が封入され、例えばヒータなどの発熱体により加温されることで前記槽内が恒温となり、前記水晶振動子の周囲温度が一定に保たれる構造になっている。図15を用いてその構造をより具体的に説明すると、図中11は基板であり、当該基板11はリードピンである支柱15を介して基板16から浮いた状態で基板16上に固定されている。煩雑になるため図示は省略しているが支柱15は、はんだなどを介して基板11及び16に各電極を介して接続されることで基板11と基板16とは電気的に接続されている。当該基板11上には水晶振動子12、発熱体13、及び感温素子14が設置されている。図中17は発振回路や温度制御回路などが含まれた周辺回路である。そして基板16上には前記基板11、支柱15及び周辺回路17を囲うようにカバー18が設けられており、当該カバー18と基板16とにより囲まれる空間19は水晶振動子12の発振時に恒温となるように構成される。図中10は基板16の裏面に設けられた電極である。
なお既述のように水晶振動子12、発熱体13などが設置された基板11を、支柱15を介して他の基板16上から浮かせて設ける理由は、基板16に直接水晶振動子12及び発熱体13が設けられた構成にすると発熱体13からの熱が基板16に伝わることで当該OCXOの外部へ放熱しやすくなるので、そのような熱放散を抑えて空間19の温度を維持するための消費電力を小さくすることにある。
【0004】
このような構造を有するためOCXOは周囲温度の影響を受けにくく、周波数安定性が高いという利点があることから移動体通信機器や伝送通信機器などに使用されているが、近年これらの機器の小型化に伴いOCXOも小型・低背化が要求されている。しかし図15に示す構造のOCXOは、基板16の上に支柱15を介して基板11を浮かせ、この基板11に水晶振動子12を設ける構成であるため、OCXOの小型・低背化を実現することは困難であり、当該OCXOの高さは低いものでも例えば7〜10mm程度になっていた。
【0005】
また既述のような構造とすると当該OCXOを製造する際に基板11と水晶振動子12とが電気的に接続され、さらに当該基板11と基板16とが電気的に接続される必要があるためはんだ付けなどする工程が増えることになる。従ってOCXOの製造工程は複雑になり、製造コストが嵩む一因になるという問題があった。さらに基板11に発熱体13の熱が逃げるため、水晶振動子12の温度を設定温度に維持するための消費電力が大きくなるという問題があり、これらの問題の改善が求められていた。
【0006】
【非特許文献1】水晶デバイスの解説と応用:2002年3月 日本水晶デバイス工業会発行(第18項から20項)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は発熱体を備えた圧電発振器において小型・低背化を図り、さらに組立容易で電力の消費が抑えられる圧電発振器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る圧電発振器は、基板とカバーとにより囲まれる空間に発熱体と圧電振動子とを備えた圧電発振器において、前記基板の表面に形成された凹部と、前記基板に固着された支持部材と、前記支持部材により前記圧電振動子の一部または全部が前記凹部内に収まりかつ基板から浮いた状態で支持され、前記発熱体が圧電振動子の表面に設けられていることを特徴としており、この場合前記支持部材は接着剤またはリード線であってもよい。
【0009】
また他の発明に係る圧電発振器としては、基板とカバーとにより囲まれる空間に発熱体と圧電振動子とを備えた圧電発振器において、前記基板に固着された接着剤により前記圧電振動子が基板から浮いた状態で支持され、前記発熱体が圧電振動子の表面に設けられていることを特徴とする。
【0010】
さらに他の発明に係る圧電発振器としては、基板とカバーとにより囲まれる空間に発熱体と圧電振動子とを備えた圧電発振器において、前記基板に固着されたリード線により前記圧電振動子が基板から浮いた状態で支持され、前記発熱体が圧電振動子の表面に設けられていることを特徴とする。
【0011】
既述の圧電発振器において、前記空間に感温素子とこの感温素子の出力に基づいて発熱体への供給電力を制御する温度制御部とが設けられていてもよく、発熱体の一部または全部及び前記感温素子が集積回路の中に組み込まれ、この集積回路が圧電振動子の表面に設けられていてもよく、その場合集積回路には発振回路と温度制御部とがさらに組み込まれていてもよい
【発明の効果】
【0012】
本発明における圧電発振器によれば、表面に発熱体が設けられた圧電振動子の一部または全部が基板の表面に設けられた凹部内に収まり、かつ基板から浮いた状態で支持部材により支持されている。このため圧電振動子及び発熱体が収容される空間の容積を縮小することができ、結果として当該圧電発振器の小型化・低背化を図ることができる。また発熱体が圧電振動子表面に設けられることから発熱体の熱が基板に放熱されることが抑えられるため、発熱体が当該空間を加温するために必要な発熱量が抑えられ、その結果として消費電力の低下を図ることができる。また基板上に別の基板を浮かせる構造ではないため、基板と基板とを電気的に接続する手間も省けるため製造工程の簡素化を図ることができる。
【0013】
他の発明における圧電発振器によれば、接着剤を利用して圧電振動子を基板から浮かせ、この圧電振動子に発熱体を設けているため圧電振動子を基板から浮かすための支柱が不要になる。圧電振動子はその機能を果たすために一定の構造を有する必要があるため、従来の圧電発振器においては直接支柱により圧電振動子を支持することを避け、前記支柱に支持されるように形成された基板上に圧電振動子が載置されていたがこの支柱が不要になったことにより前記基板も不要になる。それゆえに基板と基板とを電気的に接続する手間が省けるため製造工程の簡素化を図ることができる。また接着剤を利用して圧電振動子を基板から浮かせるため前記基板と支柱とを接続する手間を省くことができるため製造工程の更なる簡素化を図ることができる。また発熱体が圧電振動子表面に設けられることから発熱体の熱が基板へと放熱することが抑えられ、圧電振動子を収容する空間を加温するために必要な発熱量が抑えられるため消費電力の低下を図ることができる。そして基板1枚分、圧電振動子を収容する空間の容積を小さくできるため、当該圧電発振器の小型化・低背化を図ることができる。
【0014】
さらに他の発明における圧電発振器によればリード線を利用して圧電振動子を基板から浮かせ、この圧電振動子に発熱体を設けている。従って圧電振動子を基板から浮かすための支柱が不要になり、前記支柱が不要になったことによってこの支柱に支持される基板も不要になるため、基板と基板とを電気的に接続する手間が省ける結果として製造工程の簡素化を図ることができる。またリード線を利用して圧電振動子を基板から浮かせているため、当該リード線を介して圧電振動子と基板との電気的接続を行うことができる結果として圧電発振器の構成部品数を抑えることができ、それ故に圧電発振器の製造工程を簡素化することができる。また発熱体が圧電振動子表面に設けられることから発熱体の熱が基板へと放熱することが抑えられ、圧電振動子を収容する空間を加温するために必要な発熱量が抑えられるため消費電力の低下を図ることができる。そして基板1枚分、圧電振動子を収容する空間の容積を小さくできるため、当該圧電発振器の小型化・低背化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る圧電発振器の実施の形態の一例として水晶振動子を備えた水晶発振器について図面を参照しながら説明する。図1は当該水晶発振器の横断平面、縦断側面及び裏面を示している。図中2は水晶振動子、3は基板、4は接着剤、5は集積回路、6はカバーでありこれらの部品により当該水晶発振器が構成される。
【0016】
図2は圧電振動子である水晶振動子2について示した図であり、この例では水晶片と水晶片を励振させるための一対の励振電極とがカード型のパッケージ21内に封入されている。パッケージ21の表面の例えば四隅に電極22が夫々設けられており、各電極22はパッケージ21の内部にて前記励振電極と夫々電気的に接続されている。
【0017】
図1に戻って基板3について説明すると基板3の表面の中央部には前記水晶振動子2を収納するための凹部31が設けられており、当該凹部31の開口部は前記水晶振動子2の表面よりも大きく、凹部31の深さは水晶振動子2の高さよりも大きく形成されている。また凹部31の周囲には集積回路5の電極51に電気的に接続される電極33が設けられている。なお図中34は当該水晶発振器を、水晶発振器が搭載される機器に接続するために設けられた電極であり、基板3の裏面に設けられている。
【0018】
前記凹部31の例えば中央部には接着剤4が固着されている。この接着剤4を介して既述の水晶振動子2が、この水晶振動子2の裏面と凹部31内の平面部とが対向するように基板3上に固着されており、当該水晶振動子2は基板3から浮いた、即ち基板3に直接接触しない状態で凹部31に収納されている。即ち水晶振動子2は接着剤4により凹部31内に浮いた状態で支持されることになる。
【0019】
水晶振動子2の表面の中央部には集積回路5が貼着されており、図3をも参照しながら説明すると当該集積回路5は、水晶振動子2を励振させるための発振回路、増幅回路、抵抗発熱体、感温素子、及び前記感温素子の出力に基づき発熱体の供給電力を制御することで水晶振動子2の温度を予め設定された温度に制御する温度制御部である温度制御回路を含んでいる。集積回路5の表面には例えば複数の電極51及び電極52が設けられており、電極51と前記基板3の電極33とはボンディングワイヤー53を介して、また電極52と水晶振動子2の電極22とは水晶振動子2の入出力信号線であるボンディングワイヤー54を介して夫々電気的に接続されている。この例では集積回路5の電極51と電極52とは電気的に接続されており、これらの電極51、52及びボンディングワイヤー53、54を経由して水晶振動子2と基板3とは電気的に接続されている。なお図1(b)で示すこの水晶発振器の横断平面においては図が煩雑になるのを避けるためにボンディングワイヤー53は省略してある。またこれ以降、他の水晶発振器の横断平面について示す場合も同様の理由でボンディングワイヤー53の図示は省略する。
【0020】
カバー6は基板3と共に恒温槽を形成し、水晶振動子2、基板3上の各電極及び集積回路5を覆い、当該カバー6と基板3とで囲まれる空間61が外部空間と隔離されるように基板3上に設けられている。ここで外部空間と隔離されるということは空間61を密閉空間とすることに限らず、後述するように水晶振動子2が発振し、集積回路5の温度制御回路により制御された抵抗発熱体が発熱する際に当該空間61が断熱材となり、前記抵抗発熱体の熱を受けて当該集積回路5の発振回路及び水晶振動子2の周囲温度が恒温に保たれるように構成されていればよい。
【0021】
以上のように構成された水晶発振器においては、集積回路5の発振回路によって水晶振動子2が発振し、その発振出力は、集積回路5の増幅回路により増幅されて当該水晶発振器から出力される。この発振が行われている際に例えば当該水晶発振器の外部の温度が変化して空間61内の温度が変化した場合、集積回路5の感温素子がその温度変化を察知し、温度制御回路に信号を送り、当該温度制御回路によりその温度変化を補償するように抵抗発熱体への供給電力をコントロールすることで、周波数の安定化が図られる。
【0022】
この実施形態に係る水晶発振器によれば、基板3とカバー6とにより囲まれる空間61の内部において、抵抗発熱体を備えた集積回路5が貼着された水晶振動子2が接着剤4により基板3に設けられた凹部31内に収まり、かつ基板3から浮いた状態で支持されている。従って前記空間61の容積を縮小することができ、結果として当該水晶発振器の小型化・低背化を図ることができる。また集積回路5が水晶振動子2表面に設けられることで前記抵抗発熱体の発する熱が基板3に放熱されることが抑えられるので抵抗発熱体が空間61を加温するために必要な発熱量が抑えられる結果として低消費電力化を図ることができる。また空間61内において基板3上に別の基板を浮かせる構造ではないため、基板3とこの別の基板とを電気的に接続する手間も省けるため製造工程の簡素化を図ることができる。また接着剤4により水晶振動子2が基板3から浮いた状態で支持されているため、支柱及び水晶振動子2が載置される基板を設ける必要が無く、従って前記支柱と前記基板とを接続する必要が無い。その結果として水晶発振器の製造工程の簡素化を図ることができる
【0023】
本実施形態では発振回路、増幅回路、抵抗発熱体、感温素子及び温度制御回路が集積化された集積回路5を水晶振動子2表面に貼着させていることから当該水晶発振器を構成する部品数を少なくすることができるため、製造工程の簡略化を図ることができる。また構成部品を集積化することにより当該水晶発振器のさらなる小型化も図ることができる他に、この集積回路5が水晶振動子2と同じ空間61内に設けられることから、水晶振動子2の発振時に水晶振動子2の周囲温度と共にこれらの集積回路5に含まれる各回路及び感温素子の周囲温度も安定化される結果、当該水晶発振器が発する信号の周波数の安定化が図られる。
【0024】
既述の実施形態において水晶振動子2は基板3から浮いた状態で支持されていれば凹部31にその一部のみが収納された状態でも水晶発振器の高さを小さくすることができ、本発明の効果を達成できることから凹部31は必ずしも水晶振動子2の高さより大きく形成されなくてもよい。
また既述したようにこの水晶発振器においては水晶振動子2が発振する際に集積回路5の発振回路及び水晶振動子2の周囲温度が恒温に保たれていればよいため例えば凹部31は貫通孔として形成されてもよく、その場合例えばこの水晶発振器が搭載される機器が基板を備えその基板に水晶発振器が載置されることによって前記機器と当該水晶発振器とが接続されるようになっており、この接続が行われると前記基板により凹部31(貫通孔)が塞がれるようになっていてもよい。
【0025】
ところで既述の実施形態において水晶振動子2は基板3に直接接触しない状態で凹部31内に収納されていればよく、例えば図4(a)で示すように凹部31内に接着剤4を介して固着されたスペーサ35を設け、前記スペーサ35上にさらに接着剤4を供給し、このスペーサ35上の接着剤4を介して水晶振動子2が基板3から浮いた状態で支持されるようにしてもよい。
また例えば図4(b)で示すように凹部31の中央部に突起36が設けられており、突起36を覆うように接着剤4が供給され、前記接着剤4を介して突起36上に水晶振動子2が固着されていてもよい。
【0026】
図1に示した水晶発信器においては電極51、52及びボンディングワイヤー53、54を経由して水晶振動子2と基板3とは電気的に接続された構成とすることで基板3と水晶振動子2との電気的接続にかかる手間を省いているが例えば図5に示すように集積回路5に電極52を設ける代わりに基板3の例えば凹部31の周囲に電極37を設け、ボンディングワイヤー54を前記電極37と水晶振動子2の電極22とに接続することで水晶振動子2と基板3とが電気的に接続されるようにしてもよい。なおこの図5に示した水晶発振器においては水晶振動子2と集積回路5とは、基板3側の電極33,37及びボンディングワイヤー53,54を経由して電気的に接続されており、これらのような違いを除いて図5に示した水晶発振器は図1で示した水晶発振器と同様に構成されている。
【0027】
ところで接着剤4は既述のように水晶振動子2と凹部31の平面部との間に供給される他に、例えば図6に示すように水晶振動子2の表面に例えばドーム状に、かつそのドームの端部が凹部31の周囲にかかるように供給されることによって水晶振動子2を基板3から浮いた状態で支持するようにしてもよい。
【0028】
また既述の実施形態において支持部材としては接着剤4に限られず、図7に示す水晶発振器のように例えば水晶振動子2の入出力信号線である板状のリード線7が用いられてもよい。このリード線7の材質としては例えば熱伝導率が低い金属であるコバールなどが用いられ、図8にも示すように例えば4本のリード線7の夫々の一端は前記水晶振動子2の電極22に例えば銀ロウ71を介して固着されている。そして前記リード線7の夫々の他端は銀ロウ72を介して基板3側の電極37に固着されることで当該電極37と水晶振動子2の電極22とが電気的に接続されると共に、水晶振動子2が当該水晶振動子2の裏面と凹部31の平面部とが対向し、基板3から浮いた、即ち基板3に直接接触しない状態で凹部31に収納される。即ち水晶振動子2はリード線7により凹部31内に浮いた状態で支持されることになる。
なおこの図7の水晶発振器の各部位の寸法を示すと、基板3の厚さ(高さ)は例えば約2mmであり、カバー6の高さは約2.5mmである。また当該水晶発振器の高さは例えば約4.5mmである。
【0029】
この図7で示す水晶発振器におけるその他の各部の構成としては図5で示した水晶発振器の各部の構成と同様であり、このように支持部材としてリード線7を用いると集積回路5の電極51と基板3の電極33とを例えばボンディングワイヤーなどで別途電気的に接続する必要がなくなるため水晶発振器の構成部品数が減少し、製造工程を簡素化することができる。
【0030】
図7で示した水晶発信器において水晶振動子2及びリード線7の構造としては既述のものに限られず、例えばリード線7と水晶振動子2とが一体的に形成されていてもよい。具体的には例えば図9で示されるように水晶振動子2のパッケージ21の表面に電極を設けず、パッケージ21内部において水晶振動子2の励振電極に一端が電気的に接続されているリード線7の他端がパッケージ21の側面から外へ突き抜けた構造のものが用いられてもよい。
【0031】
また既述した実施形態においては発振回路、増幅回路、抵抗発熱体、感温素子及び温度制御回路が集積化された集積回路5に組み込まれていなくてもよい。一例を挙げると、図10の水晶発振器は水晶振動子2の表面に集積回路5を設ける代わりに抵抗発熱体81及び感温素子82を水晶振動子2の表面に設け、発振回路83、増幅回路84、及び温度制御回路85を基板3上に設けて構成されている。なお図中81a、82aは前記抵抗発熱体81及び感温素子82に夫々設けられた電極であり、これらの電極81a、82aはボンディングワイヤー53を介して基板3側の電極33に夫々電気的に接続されている。
【0032】
この図10の水晶発振器の各部位の寸法を示すと、基板3の厚さ(高さ)は例えば約2mmであり、カバー6の高さは約2.5mmである。各回路、感温素子82及び抵抗発熱体81の高さは例えば夫々1.5mm以下である。また当該水晶発振器の高さは例えば約4.5mmである。
【0033】
なおこの図10に示した水晶発振器の場合、感温素子82も水晶振動子2上に設けられる代わりに基板3上に設けられていてもよい。また当該水晶発振器は恒温槽内(空間61)に各回路及び感温素子82が設けられる構成とすることで、各回路及び感温素子82の周囲温度を安定化させて水晶発振器が発する信号の周波数の安定性の向上を図っているが、カバー6の外に発振回路83、増幅回路84及び温度制御回路85が設けられた構成としてもよく、このような構成とした場合空間61の容積を縮小できる。従って当該空間61を加温するために必要な抵抗発熱体81の発熱量を抑えられるので、低消費電力化を図ることができる。
【0034】
次に他の実施の形態について図11を用いて説明する。図11は既述の実施形態と同様に水晶発振器の一例について示した図であるが、既述の実施形態と異なり基板3には凹部31が設けられていない。水晶振動子2は最初に説明した実施の形態で用いたものと同様であり、例えば基板3の中央部に支持部材である接着剤4が供給され、この接着剤4を介して水晶振動子2が基板3上に固着されることで当該接着剤4が水晶振動子2を保持し、前記水晶振動子2が基板3から浮いた、即ち基板3に直接接触しない状態で基板3上に設けられている。なおこの図11で示す水晶発振器におけるその他の各部の構成としては図5で示した水晶発振器の各部の構成と同様である。
【0035】
この図11の水晶発振器の各部位の寸法を示すと、基板2の厚さ(高さ)は例えば約1mmであり、カバー6の高さは約3.5mmである。各回路、感温素子82及び抵抗発熱体81の高さは例えば夫々2.5mm以下である。また当該水晶発振器の高さは例えば約4.5mmである。
【0036】
この図11の水晶発振器によれば、接着剤4を利用して水晶振動子2を基板3から浮かせ、この水晶振動子2に抵抗発熱体を備えた集積回路5を設けている。
このため基板3の上に別の基板を支持しなくてよいので、基板3とこの別の基板とを電気的に接続する手間が省けるため製造工程の簡素化を図ることができる。また前記集積回路5が水晶振動子2に貼着されているため、当該集積回路5の抵抗発熱体が発する熱が基板3へと放熱することが抑えられる。従って抵抗発熱体が前記空間61を加温するために必要な発熱量が抑えられる結果として、低消費電力化を図ることができる。また基板1枚分、水晶振動子2を収容する空間61の容積を縮小できる結果として当該水晶発振器の小型化・低背化を図ることができる。
【0037】
なお図11に示した水晶発信器において支持部材としては接着剤4に限らず例えば図12に示すようにリード線7を用いて前記水晶振動子2が基板3から浮いた、即ち基板3に直接接触しない状態で基板3上に設けられているようにしてもよい。この例のリード線7は図13に示すように細長いプレートを途中で内側、外側に2度カギ型に屈曲させて、両端部が並行でかつ段差を有する形態となるように成形されている。各リード線7の一端は例えば銀ロウ71を介して水晶振動子2の裏面側の電極22に固着され、他端は基板3表面の電極37に銀ロウ72を介して固着されることで、当該リード線7が水晶振動子2を保持し、水晶振動子2は基板3から浮いた状態で当該基板3上に固定されている。なお図12に示した水晶発振器におけるその他の各部は図10に示した水晶発振器の各部と同様に構成されている。
【0038】
図12に示した水晶発振器においてもリード線7及び水晶振動子2が一体的に形成されているものが用いられてもよく、例えば図14に示すようにパッケージ21の側面を4本のリード線7が外部へと突き抜けており、さらに各リード線7はパッケージ21の外部において下方へと屈曲され、各リード線7の端部はパッケージ21の下面よりも下方において外方に屈曲されているような構造のものが用いられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施の形態に係る水晶発振器の構造を示す説明図である。
【図2】前記水晶発振器に用いられる水晶振動子の一例を示す説明図である。
【図3】前記水晶振動子と前記水晶発振器に用いられる集積回路の一例を示した説明図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係る水晶発振器の構造を示す縦断側面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る水晶発振器の構造を示す説明図である。
【図6】本発明の他の実施の形態に係る水晶発振器の構造を示す説明図である。
【図7】本発明の他の実施の形態に係る水晶発振器の構造を示す説明図である。
【図8】前記水晶発振器に用いられる水晶振動子及びリード線の構成の一例を示した説明図である。
【図9】前記水晶発振器に用いられる水晶振動子及びリード線の構成の他の例を示した説明図である。
【図10】本発明の他の実施の形態に係る水晶発振器の構造を示す説明図である。
【図11】本発明の他の実施の形態に係る水晶発振器の構造を示す説明図である。
【図12】本発明の他の実施の形態に係る水晶発振器の構造を示す説明図である。
【図13】前記水晶発振器に用いられる水晶振動子及びリード線の構成の一例を示した説明図である。
【図14】前記水晶発振器に用いられる水晶振動子及びリード線の他の構成の例を示した説明図である。
【図15】従来用いられている水晶発振器の構造を示す説明図である。
【符号の説明】
【0040】
2 水晶振動子
3 基板
31 凹部
4 接着剤
5 集積回路
6 カバー
7 リード線
【出願人】 【識別番号】000232483
【氏名又は名称】日本電波工業株式会社
【出願日】 平成17年6月24日(2005.6.24)
【代理人】 【識別番号】100091513
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 俊夫


【公開番号】 特開2007−6270(P2007−6270A)
【公開日】 平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願番号】 特願2005−185437(P2005−185437)