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【発明の名称】 プローブカードの針先研磨方法、及びプローブ装置
【発明者】 【氏名】降旗 雄二
【課題】プローブ装置に取り付けられていた針先研磨材を不要としたプローブカードの針先研磨方法、及びプローブ装置を提供する。

【解決手段】ウエーハWの製品領域に作り込まれたICチップ1の電気的特性を測定するために使用されるプローブカード30の、プローブピン32の先端を研磨する方法であって、ウエーハWの非製品領域にプローブピン32の先端を押し付けて研磨する。従来の技術と比べて、プローブ装置に取り付けられていた研磨板や研磨紙が不要であり、これらの調達及びその交換作業にかかるコストや手間を無くすことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の製品領域に作り込まれたICチップの電気的特性を測定するために使用されるプローブカードの針先を研磨する方法であって、
前記基板の電極パッド以外の所定領域に前記プローブカードの針先を押し付けて研磨することを特徴とするプローブカードの針先研磨方法。
【請求項2】
前記所定領域は、前記ICチップが作り込まれていない非製品領域であることを特徴とする請求項1に記載のプローブカードの針先研磨方法。
【請求項3】
前記所定領域は、前記電気的特性の検査の結果、不良品と判定されたICチップのパッシベーション膜で覆われた部分であることを特徴とする請求項1に記載のプローブカードの針先研磨方法。
【請求項4】
基板の製品領域に作り込まれたICチップの電気的特性を測定するプローブ装置であって、
基板を載置するためのステージと、
前記ステージの基板載置面に対して鉛直方向に離れた位置でプローブカードを支持する支持手段と、
前記基板が載置された前記ステージを水平方向及び前記鉛直方向に移動させることによって、前記支持手段によって支持されている前記プローブカードの針先を当該基板の電極パッド以外の所定領域に押し付けて研磨する研磨手段と、を備えたことを特徴とするプローブ装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブカードの針先研磨方法、及びプローブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術としては、例えば特許文献1がある。即ち、この特許文献1には、プローブカードの針先を研磨するための研磨機構を備えたプローブ装置が開示されている。
かかるプローブ装置にあっては、半導体ウエーハ(以下、端に「ウエーハ」という。)の検査によりプローブカードの針先に酸化アルミニウム等の不純物が付着すると、ウエーハを支持するメインチャックがX、Y方向に移動することによって研磨機構がプローブカードの真下に移動する。そして、研磨機構の研磨板がプローブカードの真下にくると、メインチャックがZ方向に沿って上昇することによって研磨板にプローブカードの針先が接触し、さらに、メインチャックがオーバドライブと下降とを繰り返すことによって、針先が研磨板で研磨されるようになっている。
【0003】
つまり、プローブ装置に研磨板が取り付けられており、この研磨板でプローブカードの針先を研磨するようになっている。通常、研磨板の表面は研磨紙で覆われており、針先に付着した酸化アルミニウム等は研磨紙によって針先から削り取られるので、その後の検査を支障なく行うことができる。
【特許文献1】特開2001−33524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、プローブカードの針先研磨を研磨紙上で繰り返し行うと、研磨紙には酸化アルミニウム等が付着して目詰まりするので、その研磨機能は劣化する。そのため、実際の現場では、作業者が研磨紙の表面状態をときどき確認し、その表面に劣化が見られた場合には作業者が研磨紙(以下、「針先研磨材」ともいう。)を取り替えなければならなかった(問題点)。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、プローブ装置に取り付けられていた針先研磨材を不要としたプローブカードの針先研磨方法、及びプローブ装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、発明1のプローブカードの針先研磨方法は、基板の製品領域に作り込まれたICチップの電気的特性を測定するために使用されるプローブカードの針先を研磨する方法であって、前記基板の電極パッド以外の所定領域に前記プローブカードの針先を押し付けて研磨することを特徴とするものである。
また、発明2のプローブカードの針先研磨方法は、発明1の針先研磨方法において、前記所定領域は、前記ICチップが作り込まれていない非製品領域であることを特徴とするものである。ここで、「基板」とは例えばウエーハのことである。また、基板がウエーハの場合、「非製品領域」はウエーハの例えば周縁部領域である。
【0007】
発明3のプローブカードの針先研磨方法は、発明1の針先研磨方法において、前記所定領域は、前記電気的特性の検査の結果、不良品と判定されたICチップのパッシベーション膜で覆われた部分であることを特徴とするものである。
発明1〜3によれば、従来の技術と比べて、プローバの針先を研磨するためにプローブ装置に取り付けられていた針先研磨材が不要である。それゆえ、針先研磨材の調達及びその交換作業にかかるコストや手間を無くすことができる。
【0008】
発明4のプローブ装置は、基板の製品領域に作り込まれたICチップの電気的特性を測定するプローブ装置であって、基板を載置するためのステージと、前記ステージの基板載置面に対して鉛直方向に離れた位置でプローブカードを支持する支持手段と、前記基板が載置された前記ステージを水平方向及び前記鉛直方向に移動させることによって、前記支持手段によって支持されている前記プローブカードの針先を当該基板の電極パッド以外の所定領域に押し付けて研磨する研磨手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
このような構成であれば、従来の技術と比べて、プローバの針先を研磨するためにプローブ装置に取り付けられていた針先研磨材が不要である。それゆえ、針先研磨材の調達及びその交換作業にかかるコストや手間を無くすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係るプローブカードの針先研磨方法、及びプローブ装置について説明する。
図1は本発明の実施の形態に係るプローブ装置100の構成例を示すブロック図である。このプローブ装置100は、ウエーハWに作り込まれた複数個のICチップの電気的特性を個々に検査するための検査装置である。図1に示すように、このプローブ装置100は、ウエーハWを載置するためのチャックステージ10と、プローブカード30と、プローブカード30を保持するためのカードホルダー40と、このプローブカード30に接続するテストヘッド50と、ステージ移動機構70と、アライメント機構80と、コントローラ90と、データ格納部95等から構成されている。
【0011】
図1に示すチャックステージ10は例えば金属製であり、そのウエーハ載置面12には吸着用の孔部が複数個設けられている。また、プローブカード30は、その基体がプリント基板からなるものである。図1に示すように、このプローブカード30は、複数本のプローブピン32を備えている。これらのプローブピン32の配置は、検査対象であるICチップの電極パッドの配置に対応している。これらのプローブピン32は、例えばタングステン等の金属製である。
【0012】
さらに、カードホルダー40はプローブ装置100の筐体に固定されている。このカードホルダー40によって、プローブカード30は、チャックステージ10のウエーハ載置面に対して鉛直方向に離れた位置(即ち、図1ではチャックステージ10の上方)で固定される。また、この固定状態で、プローブカード30のプローブピン32はチャックステージ10側に向けられている。
【0013】
テストヘッド50は、所定の検査プログラムに従ってプローブカード30に所定の電気信号を出力し、又は戻りの電気信号を受けることによって、ウエーハWに作り込まれたICチップの電気的特性を測定するものである。
ステージ移動機構70は、必要に応じて、チャックステージ10を水平方向(X,Y方向)や垂直方向(Z方向)に移動させ、θ方向(即ち、鉛直線回り)に回転させる装置である。アライメント機構80は、ウエーハWに作り込まれた複数個のICチップのうちの任意のICチップ又はウエーハW面内の所定領域と、プローブピン32とを位置合わせするためのものである。アライメント機構80は、例えばチャックステージ10に載置されたウエーハWのICチップ側の面内を撮像可能なカメラ(図示せず)を1台又は複数台有し、これらのカメラでウエーハW面内のアライメントマークを撮像することによって、上記ICチップや所定領域を認識し、その位置情報を取得するようになっている。
【0014】
コントローラ90は例えばCPU(central processing unit)からなる。このコントローラ90は、テストヘッド50と、ステージ移動機構70と、アライメント機構80と、データ格納部95等に接続し、プローブ装置100のステータスを管理すると共に、その動作全般を制御する機能を有している。
データ格納部95は例えばRAM(random access memory)、ROM(read only memory)、ハードディスク等で構成されている。このデータ格納部95には、所定の検査プログラムと、プローブピン32の先端を研磨処理するためのプログラム(以下、「研磨処理プログラム」という。)とが格納されている。また、このデータ格納部95には、プローブ装置100によって検査されたICチップの良品、不良品に関する情報(即ち、検査結果に関する情報)も格納されるようになっている。
【0015】
次に、このプローブ装置100における、プローブピン32の先端の研磨方法について説明する。図1に示したプローブ装置100では、ウエーハWに作り込まれたICチップの電気的特性を検査する際に、ICチップの電極パッド(例えばアルミニウムによって形成されている)表面に形成された酸化アルミニウム等をプローブピン32によって削り取り、プローブピン32と電極パッドとを電気的に導通させて検査を行うが、このような検査を繰り返し行うとプローブピン32の先端に絶縁性の酸化アルミニウムが付着して、プローブピン32と電極パッドとの間の導通が悪くなる場合がある。そこで、このプローブ装置100では、一定の検査回数ごとに、または一定期間ごとに、プローブピン32の先端を研磨して、その先端から酸化アルミニウム等を除去する。
【0016】
図1において、まず始めに、研磨処理プログラムを読み込んだコントローラ90の制御下で、アライメント機構80が非製品領域を認識し、その位置情報を取得する。次に、アライメント機構80によって取得された位置情報がコントローラ90に送信される。そして、この送信された位置情報に基づいて、コントローラ90はステージ移動機構70を制御してチャックステージ10を移動させ、ウエーハWの非製品領域にプローブピン32の先端を押し付ける。
【0017】
即ち、コントローラ90の制御下で、ステージ移動機構70はチャックステージ10をX方向、Y方向に移動させ、又はθ方向に回転させる。これにより、チャックステージ10に載置されたウエーハWの非製品領域が、プロープピン32の直下に配置される。次に、コントローラ90の制御下で、ステージ移動機構70はチャックステージ10をZ方向に上昇させ、ウエーハWの非製品領域をプローブピン32の先端に接触させる。そして、チャックステージ10の上昇下降を複数回繰り返して、プローブピン32の先端を非製品領域に複数回押し付ける。
【0018】
図2は、ウエーハWにおける非製品領域3の一例を示す平面図である。図2に示すように、非製品領域3とは、ICチップ1が形成される領域(即ち、製品領域)以外の領域のことであり、ICチップ1が形成される領域を取り囲むようにしてウエーハWの周縁部に画定されている。プローブ検査時には、この非製品領域3は、パッシベーション膜(例えば、酸化シリコン膜や窒化シリコン膜等からなる。)で覆われていたり、半導体基板がむき出しとなっていたりする。
【0019】
つまり、非製品領域3の表面は、酸化アルミニウム等よりも硬い材質で構成されている。従って、プローブピン32の先端は非製品領域3に押し付けられることによって研磨され、酸化アルミニウム等の不純物が取り除かれる。図1に示したプローブ装置100では、このようなプローブピン32先端の研磨処理を行った後で、例えば、プローブ検査を再開する。
【0020】
このように、本発明の実施の形態によれば、従来の技術と比べて、プローブ装置に取り付けられていた研磨板や研磨紙が不要である。それゆえ、研磨板や研磨紙の調達及びその交換処理にかかるコストを無くすことができる。
この実施の形態では、ウエーハWが本発明の「基板」に対応し、チャックステージ10が本発明の「ステージ」に対応している。また、カードホルダー40が本発明の「支持手段」に対応し、ステージ移動機構70、アライメント機構80及びコントローラ90が本発明の「研磨手段」に対応している。さらに、プローブピン32の先端が本発明の「プローブカードの針先」に対応している。
【0021】
なお、この実施の形態では、本発明の「所定領域」が非製品領域3である場合について説明した。しかしながら、本発明の「所定領域」はこれに限られることはない。本発明の「所定領域」は、例えば、プローブ装置100による電気的特性の検査の結果、不良品と判定されたICチップのパッシベーション膜でも良い。即ち、図3に示すように、ウエーハWに作り込まれた複数のICチップのなかで、不良品と判定されたICチップ(以下、「不良チップ」という。)1bが存在する場合には、データ格納部95に格納された検査結果に関する情報に基づいて不良チップ1bを特定し、その不良チップ1bのパッシベーション膜上にプローブピン32を押し付けて、その先端を研磨する。不良チップ1bは製品として出荷されず、ダイシング後に廃棄されるので、プローブピン32との接触によってパッシベーション膜にスクラッチやクラックが生じても何ら問題はない。
【0022】
図4は、不良チップ1bにおけるプローブピン32先端の研磨方法を示す概念図である。図4に示すように、プローブピン32先端の研磨処理に不良チップ1bを用いる場合には、プローブピン32と不良チップ1bとの位置関係を半ピッチずらして、プローブピン32の先端がパッシベーション膜5と接触し、且つ電極パッド2とは接触しないようにする。このような構成であれば、プローブピン32の先端は不良チップ1bのパッシベーション膜5によって研磨されるので、酸化アルミニウム等の不純物が取り除かれる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は本発明の実施の形態に係るプローブ装置100の構成例を示す図。
【図2】ウエーハWにおける非製品領域3の一例を示す図。
【図3】ウエーハW面内でのプローブ検査の結果の一例を示す図。
【図4】不良チップ1bにおけるプローブピン32先端の研磨方法を示す図。
【符号の説明】
【0024】
1 ICチップ、1a ICチップ(良品)、1b 不良チップ、2 電極パッド、5 パッシベーション膜、10 チャックステージ、30 プローブカード、32 プローブピン、40 カードホルダー、50 テストヘッド、70 ステージ移動機構、80 アライメント機構、90 コントローラ、95 データ格納部、100 プローブ装置、W ウエーハ
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成17年9月30日(2005.9.30)
【代理人】 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉

【識別番号】100107076
【弁理士】
【氏名又は名称】藤綱 英吉

【識別番号】100107261
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 修
【公開番号】 特開2007−96190(P2007−96190A)
【公開日】 平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願番号】 特願2005−286394(P2005−286394)