| 【発明の名称】 |
磁束制御回路 |
| 【発明者】 |
【氏名】熊田 雅之
【氏名】岩下 芳久
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| 【要約】 |
【課題】加速器やMRIへの応用磁気装置において、組立や分解を容易にし、さらに温度依存性や放射線劣化問題を解決し、長時間高い精度での磁場安定性を実現する磁束制御回路を提供する。
【解決手段】永久磁石の回転子(ローター)1と固定子(ステーター)2を組み合わせ、ローター1を機械的に回転可能とすることにより、磁束密度を制御する。ステーターとローターの磁化の向きが同方向のとき、所要空間に形成される磁場強度は最大になる。ステーターとローターの磁化の向きが逆方向のときにステーターとローターの磁化は離れたところからみると相殺しあって、たとえば所要空間から見ると、永久磁石はあたかも存在していないように見える。これにより磁場強度を制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 この出願の発明は主に高い磁場を必要とするMRI用永久磁石や加速器用永久磁石において、永久磁石の吸引力や反発力による組み立てや分解時の危険性や困難さ等の問題解決をそれらの磁力を双対磁気回路により機械的にゼロにする方法。 【請求項2】 請求項1においてローターとステーターの間隙を調整することによって、トルクを減少させる方法。 【請求項3】 請求項1,2によって温度変化や放射線被爆などによるさまざまな要因による永久磁石の磁場変動を高い精度で抑制する方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この出願の発明は主に高い磁場を必要とするMRI用永久磁石や加速器用永久磁石において、永久磁石の吸引や反発による組み立てや分解時の危険性や困難さ等の問題を解消する技術に関する分野である。 【0002】 永久磁石の温度安定度や放射線劣化とうを改善・補償する技術の分野である。 【0003】 永久磁石の磁場強度をゼロから最大磁場まで可変にする永久磁石可変磁場技術の分野である。 【背景技術】 【0004】 永久磁石はモーター、アクチュエーター、発電機、磁気分離器、磁性物除去器、水処理器やさらに小さな物では健康器具など、そして大きなものではMRI用磁石や粒子加速器用磁石などで幅広く利用されている。なかでもサマリウムやネオジウム等を成分とした希土類磁石は残留磁場強度が1テスラ(T)を超えるほど高く、これらの永久磁石材料を組み立てるには、永久磁石の強い吸引力と反発力に打ち勝つだけの特別の工具・ジグを作る必要がある。また希土類磁石は衝撃に弱く割れや欠けが発生しやすいのでそのような観点からも専用の工具・ジグが必要とされる。しかし工具・ジグを使ってさえも磁力自体の強さは変わることがないので、精密作業などは困難が伴い作業自体に危険も伴い熟練者に任されることが多い。 【0005】 従来の技術としてただ一つだけ古典的な方法で磁石のオン・オフをする永久磁石装置がある。それはマグネトチャックと呼ばれるものである。これは磁気回路中に回転磁石を設置し、永久磁石を90度回転することで、磁気回路に空隙を作り磁気抵抗をあげて磁石としての力を弱めることができる。 【0006】 さらに従来の永久磁石の多くは磁場強度が固定され一定であった。その方法としては磁石を多層のリング状にして可変にするなどの方法があった。 【0007】 また、永久磁石は材料そのものが温度によって残留磁場が変化する等の問題があった。従来は、温度係数の符号の異なる材料を一定の量だけ並列回路に挿入することで全体の温度係数を小さくする方法がとられた。 【発明の開示】 【発明が解決しようとした問題】 【0008】 従来のマグネトチャックはオン・オフの機能は磁気回路に空隙(ギャップ)を導入することで、本来の磁気回路に並列の磁気回路を挿入し、磁束を分岐させることで磁石本来の磁力を弱くした。 【0009】 従来の磁気回路で生成される磁場強度は生成したい磁場空間での磁場強度は永久磁石の残留磁場強度の半分以下で仕様され、そのような場合で、磁場の入切を行うことはマグネトチャック方式でも可能であるが、熊田らの考案した磁場強度が残留磁場強度を大幅に越えるような磁気回路では、一緒につかわれる鉄芯は鉄ヨーク中の磁束密度が高いので、磁束の漏れが生じその分岐効果が弱く、磁束の流れを思うように制御できず、従来技術のマグネトチャック方式では入切を行うことができなくなる。 【0010】 また本来永久磁石の磁場強度は一定の状態で使用しこれを可変にすることが困難であった。可変磁石を連続で可変にする方法は異方性小磁石の向きを変えて中空のリング状にしたもの(ハールバッハ型磁石あるいはREC磁石とも呼ばれる)を多層にして回転する。この方法では磁石の構成が中空のリング電磁石等に限定的になり、一般的な可変磁石をつくることが困難であるという欠点がある。 【0011】 また永久磁石は磁場強度を可変にすることは困難であるが、一方で高い精度で(たとえば1%程度以下で)磁場強度が一定になって欲しい場合には、永久磁石材料の残留磁場が温度依存性をもつことから、周囲温度の変化につれて残留磁場が変化してしまうという弱点があり、磁場の安定性という点で問題があった。 【0012】 さらに永久磁石を粒子加速器として仕様する場合には、加速された高エネルギー荷電粒子が電磁石や真空チャンバーにあたりその結果、永久磁石を放射化させ、残留磁気強度を減弱させてしまい、必要な空間での磁場強度の減少を引き起こす。 【0013】 本発明ではこれらのいずれの欠点も磁束密度をそしてその結果磁場強度を制御することですべて解決できる。この能力により本装置を“磁束制御回路(フラックスエンジン、Flux Engine)”と命名した。 【発明の効果】 【0014】 本発明はマグネットチャック方式でのように従来は不可能であった、磁場生成空間が永久磁石の残留磁場を超えるような強い磁石においても、その磁束密度の制御が可能である。 【0015】 その制御範囲はマイナスの最大磁場からプラスの最大磁場の間を連続的に制御可能である。 【0016】 この機構により永久磁石では困難であったが、本装置では温度変化や放射線被爆などの原因の種類に無関係に、長時間におよんで、高い精度での磁場安定性の実現を可能とする。 【産業上の利用形態】 【0017】 “磁束制御回路(フラックスエンジン)”のユニットを組み合わせることで任意のサイズの強力可変磁場磁石として、MRIやサイクロトロンに使用することが可能である。 【実施形態】 【0018】 “磁束制御回路(フラックスエンジン)”はその上位概念としての熊田の発明の“磁気双対回路”(特許手申請中)の強磁場大型磁石への適用としての応用発明である。双対磁気回路とは二つの磁石を対にして、相対的にその磁化の向きの角度を連続あるいは不連続に自由に変化せる機構をもたせることで所要の空間での磁束密度を制御する機能をもつ。“磁束制御回路(フラックスエンジン)”はサイクロトロンでのギャップの磁束密度を制御するために考案されたもので、これよりも磁場分布のより単純なMRI磁石等にも応用可能である。 【0019】 その実施形態の一例を図1、図2、図3に示す。これらの図は“磁束制御回路(フラックスエンジン)”の動作原理を近似的に等価的な回路をして立体を2次元野平面に射影し、そこに磁束密度の様子を示す。説明を簡単にするためこれらの図では“磁束制御回路(フラックスエンジン)”と磁極と磁石ギャップが一体化したものとなっている。中央の円形を回転子(ローター)と呼ぶ。この中に矩形の永久磁石が収まっている。その両端に矩形の磁石を配置し、これを固定子(ステーター)と呼ぶ。ローターとステーターとヨークを一体化して回転機構をとりつけた構造体を“磁束制御回路(フラックスエンジン)”と呼ぶ。またステーターとローターが磁石の対を形成しているのでこれを双対磁石と呼ぶ。ステーターとローターの磁化の向きが同方向のとき、所要空間(通常は磁石のギャップと呼ばれ図の左下の部分)に形成される磁場強度は最大になる。ステーターとローターの磁化の向きが逆方向のときにステーターとローターの磁化は離れたところからみると相殺しあって、たとえば所要空間(磁石のギャップと呼ばれ図の左下の部分)から見ると、永久磁石はあたかも存在していないように見える。 【0020】 図5にはさらにこの改良型を示す。すなわちローターとステーターの間の空隙(ギャップ)を図のように調節することにより、トルクの最大値を半分程度に減少させることが可能になり、駆動するモーターを小さくしたり、フラックスエンジンに印加される歪みを減少させることが可能となる。 【図面の簡単な説明】 【0021】 【図1】“磁束制御回路(フラックスエンジン)”と磁石ギャップ最大磁場の時 【図2】“磁束制御回路(フラックスエンジン)”と磁石ギャップ中間磁場、最大トルク近傍の時 【図3】“磁束制御回路(フラックスエンジン)”と磁石ギャップ最小磁場の時 【図4】“磁束制御回路(フラックスエンジン)”と磁石ギャップの出力磁場および必要トルクの角度依存性 【図5】“磁束制御回路(フラックスエンジン)”のローターとステーターのギャップを図のように調整することで、トルクを減少させることができる。 【符号の説明】 【0022】 図1について 1.回転子(ローター) 2.固定子(ステーター) 3.磁石の空隙(ギャップ) 4.ヨーク 5.ポール(磁極)
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| 【出願人】 |
【識別番号】505170439 【氏名又は名称】熊田 仁美 【識別番号】597064643 【氏名又は名称】岩下 芳久
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| 【出願日】 |
平成17年9月15日(2005.9.15) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2007−81353(P2007−81353A) |
| 【公開日】 |
平成19年3月29日(2007.3.29) |
| 【出願番号】 |
特願2005−300875(P2005−300875) |
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