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【発明の名称】 紙幣盗難抑止装置
【発明者】 【氏名】若林 春雄

【要約】 【課題】建設重機により金融機関の現金自動取引装置等を襲撃して筐体ごと現金を強奪する、現金輸送車を襲撃して車ごと現金を強奪する又は商店等を襲撃して金庫ごと現金を強奪する事件があり、その多くの事件では犯人を検挙出来ていない。また、盗難抑止も出来ていない。

【解決手段】現金自動取引装置内のカセットに、又は現金輸送車内の現金収納庫に、あるいは金庫に収納されている紙幣が盗難された場合、紙幣に紫外線遮断剤と磁性剤と特殊蛍光塗料の混合剤を噴射させ、ブラックライトで紙幣に紫外線を照射させれば印章(日本銀行総裁印)部分に紫外線遮断剤が付着してオレンジ色に光らないために盗難紙幣と判別され、紙幣使用者は犯人として検挙。また、上記のそれぞれに収納されている紙幣を目的とした犯罪の抑止効果を得ることが出来る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現金自動取引装置内のカセットに収納されている紙幣の盗難を抑止する紙幣盗難抑止装置において、
前記現金自動取引装置が所定位置に固定されているか否かを検知する検知装置と、
前記検知装置の検知信号により前記現金自動取引装置が所定位置から移動したか否かを判定する判定装置と、
前記現金自動取引装置が移動した場合、前記判定装置から移動の判定信号で噴射装置を作動させる制御装置と、
前記制御装置の信号により前記紙幣に対して紫外線遮断剤の噴射を実行する前記噴射装置と、
を備えることを特徴とする紙幣盗難抑止装置。
【請求項2】
現金輸送車内の現金収納庫に収納されている紙幣の盗難を抑止する紙幣盗難抑止装置において、
前記現金輸送車が襲われた場合に運転者又は同乗者が操作するスイッチと、
前記スイッチの入りの操作で噴射装置を作動させる制御装置と、
前記制御装置の信号により前記紙幣に対して紫外線遮断剤の噴射を実行する前記噴射装置と、
を備えることを特徴とする紙幣盗難抑止装置。
【請求項3】
金庫に収納されている紙幣の盗難を抑止する紙幣盗難抑止装置において、
前記金庫が所定位置に固定されているか否かを検知する検知装置と、
前記検知装置の検知信号により前記金庫が所定位置から移動したか否かを判定する判定装置と、
前記金庫が移動した場合、前記判定装置から移動の判定信号で噴射装置を作動させる制御装置と、
前記制御装置の信号により前記紙幣に対して紫外線遮断剤の噴射を実行する前記噴射装置と、
を備えることを特徴とする紙幣盗難抑止装置。
【請求項4】
紙幣に対して紫外線遮断剤と磁性剤、特殊蛍光塗料のいずれかの混合剤又は全ての混合剤の噴射を実行することを特徴とする請求項1記載、請求項2記載または請求項3記載の紙幣盗難抑止装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、現金自動取引装置内のカセットに、又は現金輸送車内の現金収納庫に、あるいは金庫に収納されている紙幣が盗難された場合、盗難紙幣と判別され、紙幣が使用出来なくなるために盗難抑止となる紙幣盗難抑止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、盗んだショベルカー等の建設重機により深夜から未明に掛けて金融機関の現金自動取引装置等を襲撃して筐体ごと現金を強奪する、現金輸送車を襲撃して車ごと現金を強奪する又は商店等を襲撃して金庫ごと現金を強奪するという事件があり、事件の数は増加の一途をたどっている。そして、その多くの事件では犯人を検挙出来ていないという事実がある。
【0003】
被害の多くは深夜から明け方に集中しており、工事現場から重機を盗み、トラックで現場まで運搬し、犯行を行っているため、警察では建設業に関する団体に対して、現場での重機の管理を徹底するよう要請しているが、作業員がいなくなる深夜から未明にかけての間、現場での十分な管理は難しいのが現状である。
【0004】
そのため、これらの対策や努力にも拘わらず事件の再発を防止することができていない。
【0005】
そこで考えられた従来の自動現金取引装置(ATM)には、盗難時に紙幣の一部分を切り欠くものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、従来の盗難防止装置には、異常事態を検知すると、現金に塗料を付着させるものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
以下、従来の自動現金取引装置について説明する。紙幣収納ボックスの移動又は前記紙幣収納ボックスの破壊衝撃を感知センサで感知した感知信号に基づいて、紙幣の一部にマーキングを施すマーキング手段で紙幣の一部をカッティングする。
マーキング手段でカッティングされた紙幣にはマーキングが施される。
【特許文献1】 特許第3502779号 公報
【0007】
又、別の従来の盗難防止装置について説明する。現金支払機(又は金庫等)の中に設置された異常検知装置が窃盗行為を検知すると着色装置が作動して、現金に塗料を付着させる。
【特許文献2】 特開2004−227443号 公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の自動現金取引装置では、紙幣の一部分を切り欠くマーキングのみであった。
【0009】
紙幣が破れたり、燃えたりした場合には、表・裏両面があることを条件に、残っている面積を基準として新しい紙幣との引換えを行ってくれる、例えば、面積が3分の2以上の場合は全額、面積が5分の2以上、3分の2未満の場合は半額、このために従来の自動現金取引装置から盗んだ場合、マーキング3の大きさにもよるが、紙幣面積の3分の1以上のマーキング3を行う事が困難なために、盗んだ紙幣は紙幣表示金額の満額で引換えが出来、いずれにしても盗んだ金額より引換え金額が減少することはあるが、盗んだ紙幣の価値が無くなる事は無い。
【0010】
又、特許文献2の盗難防止装置では、現金に塗料を付着させるのみであった。
【0011】
紙幣に塗料が付着していても、紙幣が汚れていることが有っても、盗んだ紙幣とは一般の買物では発見出来ないし、塗料が付着した部分を破いて新しい紙幣と引換えられると盗難防止にはならない。
【0012】
いずれにしても、盗難防止を施した従来の自動現金取引装置の中に入れてある紙幣は盗まれて使用されているのが現状である。
【0013】
従って、本発明の目的は、現金自動取引装置内のカセットに、又は現金輸送車内の現金収納庫に、あるいは金庫に収納されている紙幣の盗難犯罪を抑止し、盗難された場合には盗難された紙幣かを判別し、盗んだ紙幣を使用した場合に判別を容易にする抑止刑論に基づいた紙幣盗難抑止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そして、本発明は上記目的を達成するために、
現金自動取引装置内のカセットに収納されている紙幣の盗難を抑止する紙幣盗難抑止装置において、
前記現金自動取引装置が所定位置に固定されているか否かを検知する検知装置と、
前記検知装置の検知信号により前記現金自動取引装置が所定位置から移動したか否かを判定する判定装置と、
前記現金自動取引装置が移動した場合、前記判定装置から移動の判定信号で噴射装置を作動させる制御装置と、
前記制御装置の信号により前記紙幣に対して紫外線遮断剤の噴射を実行する前記噴射装置と、
を備えることを特徴とする紙幣盗難抑止装置である。
【0015】
第2の課題を解決するための手段は、
現金輸送車内の現金収納庫に収納されている紙幣の盗難を抑止する紙幣盗難抑止装置において、
前記現金輸送車が襲われた場合に運転者又は同乗者が操作するスイッチと、
前記スイッチの入りの操作で噴射装置を作動させる制御装置と、
前記制御装置の信号により前記紙幣に対して紫外線遮断剤の噴射を実行する前記噴射装置と、
を備えることを特徴とする紙幣盗難抑止装置である。
【0016】
第3の課題を解決するための手段は、
金庫に収納されている紙幣の盗難を抑止する紙幣盗難抑止装置において、
前記金庫が所定位置に固定されているか否かを検知する検知装置と、
前記検知装置の検知信号により前記金庫が所定位置から移動したか否かを判定する判定装置と、
前記金庫が移動した場合、前記判定装置から移動の判定信号で噴射装置を作動させる制御装置と、
前記制御装置の信号により前記紙幣に対して紫外線遮断剤の噴射を実行する前記噴射装置と、
を備えることを特徴とする紙幣盗難抑止装置である。
【0017】
第4の課題を解決するための手段は、
紙幣に対して紫外線遮断剤と磁性剤、特殊蛍光塗料のいずれかの混合剤又は全ての混合剤の噴射を実行することを特徴とする請求項1記載、請求項2記載または請求項3記載の紙幣盗難抑止装置である。
【0018】
上記第1の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、所定位置に固定されている現金自動取引装置1が建設重機等により移動された場合、検知装置2が現金自動取引装置1の移動を検知して、判定装置3に移動信号を送信、判定装置3は移動信号を受けて現金自動取引装置1が移動との判定を行い、制御装置4に移動判定信号を送信、制御装置4は移動判定信号を受けて噴射装置5を作動させる。噴射装置5はボンベ6内に圧縮空気等と混合された紫外線遮断剤7を配管8で現金カッセト9内に収納されている紙幣に噴射させる。紫外線遮断剤7を噴射された紙幣はブラックライトで紫外線を照射しても印章(日本銀行総裁印)部分に紫外線遮断剤7が付着してオレンジ色に光らないために盗難紙幣と判別ができる。また地紋の一部も紫外線遮断剤7が付着して黄緑色に発光しないために盗難紙幣と判別ができる。
【0019】
上記第2の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、現金輸送車10が襲撃された場合、運転者11がスイッチ12を押すと、制御装置4はスイッチ12の入りの操作で噴射装置5を作動させる。噴射装置5はボンベ6内に圧縮空気等と混合された紫外線遮断剤7を配管8で現金収納庫13内に収納されている紙幣に噴射させる。紫外線遮断剤7を噴射された紙幣はブラックライトで紫外線を照射しても印章(日本銀行総裁印)部分に紫外線遮断剤7が付着してオレンジ色に光らないために盗難紙幣と判別ができる。また地紋の一部も紫外線遮断剤7が付着して黄緑色に発光しないために盗難紙幣と判別ができる。
【0020】
上記第3の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、所定位置に固定されている金庫14が移動された場合、検知装置2が金庫14の移動を検知して、判定装置3に移動信号を送信、判定装置3は移動信号を受けて金庫14が移動との判定を行い、制御装置4に移動判定信号を送信、制御装置4は移動判定信号を受けて噴射装置5を作動させる。噴射装置5はボンベ6内に圧縮空気等と混合された紫外線遮断剤7を配管8で現金カッセト9内に収納されている紙幣に噴射させる。紫外線遮断剤7を噴射された紙幣はブラックライトで紫外線を照射しても印章(日本銀行総裁印)部分に紫外線遮断剤7が付着してオレンジ色に光らないために盗難紙幣と判別ができる。また地紋の一部も紫外線遮断剤7が付着して黄緑色に発光しないために盗難紙幣と判別ができる。
【0021】
上記第4の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、上記第1の課題解決手段、上記第2の課題解決手段、上記第3の課題解決手段で記述したような紫外線遮断剤7に加えて磁性剤と特殊蛍光塗料の混合剤を噴射させることができるために、紙幣は目視で特殊蛍光塗料の付着を見つけて、ブラックライトで紫外線を照射させれば印章(日本銀行総裁印)部分に紫外線遮断剤7が付着してオレンジ色に光らないために盗難紙幣と判別ができる。また地紋の一部も紫外線遮断剤7が付着して黄緑色に発光しないために盗難紙幣と判別ができる。さらに、磁性剤が噴射されているので磁性インクを使用してパターン印刷された紙幣は異なったパターンが現れるために紙幣判別装置で詳細に盗難紙幣と判別ができる。
【発明の効果】
【0022】
上述したように本発明の紙幣盗難抑止装置は、商店等が小さなブラックライトを店頭に設置してあれば、盗難にあった紙幣を店頭で使用した場合、まず、目視で特殊蛍光塗料の付着を見つけて、ブラックライトで紫外線を照射させれば印章(日本銀行総裁印)部分に紫外線遮断剤7が付着してオレンジ色に光らないために盗難紙幣と判別ができる。また地紋の一部も紫外線遮断剤7が付着して黄緑色に発光しないために盗難紙幣と判別ができる。さらに、商店主が不審に思った場合、ブラックライトで紫外線を照射するという行為が通常に行われるようになれば、コピー機等で作成した偽札も当然印章(日本銀行総裁印)部分がオレンジ色に光らないために偽札と判別ができる。また地紋の一部も黄緑色に発光しないために偽札と判別ができ、本来の効果と異なる効果も期待できる。
【0023】
銀行等の金融機関では、上記の効果に加え、盗難紙幣には磁性剤が噴射されているので磁性インクを使用してパターン印刷された紙幣は異なったパターンが現れるために紙幣判別装置でも盗難紙幣と判別できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を、図1〜図3に基づいて説明する。
【0025】
図1において、建物壁15に取付けられた固定検知器2Aと現金自動取引装置1内に取付けられた移動検知器2Bで構成される検知装置2が備えられる。検知装置2は固定検知器2Aと移動検知器2Bが離れた場合、現金自動取引装置1が建設重機等により移動されたことを検知して判定装置3に移動信号を送信、判定装置3は移動信号を受けて現金自動取引装置1が移動との判定を行い、制御装置4に移動判定信号を送信、制御装置4は移動判定信号を受けて噴射装置5を作動させる。噴射装置5はボンベ6内に圧縮空気等と磁性剤と特殊蛍光塗料と紫外線遮断剤7とが混合された混合剤を霧状で配管8を通り現金カッセト9内に収納されている紙幣に混合剤を噴射させる。
【0026】
図2において、現金輸送車10の運転席内に設けられているスイッチ12を運転者11が押すと、制御装置4は噴射装置5を作動させる。噴射装置5はボンベ6内に圧縮空気等と磁性剤と特殊蛍光塗料と紫外線遮断剤7とが混合された混合剤を霧状で配管8を通り現金収納庫13内に収納されている紙幣に混合剤を噴射させる。
【0027】
図3において、建物壁15に取付けられた固定検知器2Aと金庫14内に取付けられた移動検知器2Bで構成される検知装置2が備えられる。検知装置2は固定検知器2Aと移動検知器2Bが離れた場合、金庫14が移動されたことを検知して判定装置3に移動信号を送信、判定装置3は移動信号を受けて金庫14が移動との判定を行い、制御装置4に移動判定信号を送信、制御装置4は移動判定信号を受けて噴射装置5を作動させる。噴射装置5はボンベ6内に圧縮空気等と磁性剤と特殊蛍光塗料と紫外線遮断剤7とが混合された混合剤を霧状で配管8を通り現金カッセト9内に収納されている紙幣に混合剤を噴射させる。
【0028】
上述したように、現金自動取引装置1または金庫14が移動されると、それぞれの現金カッセト9内に収納されている紙幣に紫外線遮断剤7と磁性剤と特殊蛍光塗料の混合剤を噴射させることができるために、紙幣は目視で特殊蛍光塗料の付着を見つけて、ブラックライトで紫外線を照射させれば印章(日本銀行総裁印)部分に紫外線遮断剤7が付着してオレンジ色に光らないために盗難紙幣と判別ができる。また地紋の一部も紫外線遮断剤7が付着して黄緑色に発光しないために盗難紙幣と判別ができる。さらに、磁性剤が噴射されているので磁性インクを使用してパターン印刷された紙幣は異なったパターンが現れるために紙幣判別装置で詳細に盗難紙幣と判別ができる。また、現金自動取引装置1または金庫14の現金カッセト9内に収納されている紙幣を目的とした犯罪の抑止になる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】 本発明の紙幣盗難抑止装置を現金自動取引装置に実施した一実施例の斜視図。
【図2】 本発明の紙幣盗難抑止装置を現金輸送車に実施した一実施例の側面図。
【図3】 本発明の紙幣盗難抑止装置を金庫に実施した一実施例の斜視図。
【符号の説明】
【0030】
1 現金自動取引装置
2 検知装置
2A 固定検知器
2B 移動検知器
3 判定装置
4 制御装置
5 噴射装置
6 ボンベ
7 紫外線遮断剤
8 配管
9 現金カッセト
10 現金輸送車
11 運転者
12 スイッチ
13 現金収納庫
14 金庫
15 建物壁
【出願人】 【識別番号】501428855
【氏名又は名称】若林 春雄
【出願日】 平成18年5月30日(2006.5.30)
【代理人】
【公開番号】 特開2007−323621(P2007−323621A)
【公開日】 平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願番号】 特願2006−175853(P2006−175853)