| 【発明の名称】 |
対話ロボットを用いた理由説明サービス処理方法およびその装置,およびそのプログラム |
| 【発明者】 |
【氏名】佐竹 純二
【氏名】上田 博唯
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| 【要約】 |
【課題】自律的に生活支援サービスを実行するロボットシステムにおいて,サービスが実行された理由をユーザに説明する仕組みを提供する。
【解決手段】推論システム11は,分散環境行動DB13に蓄積された環境情報および行動情報からユーザの状況を推論し,実行可能なサービスを選択し,選択したサービスをアプライアンス4で実行させ,サービス実行履歴情報をサービス履歴DB17に蓄積する。対話ロボット2の対話制御部23は,ユーザの音声から生成した発話情報の文脈を推論し,この発話を理由質問と判定した場合に,推論システム11に理由質問サービスの実行を要求する。推論システム11は,質問対象のサービスを特定し,その実行時の状況をもとに実行理由の説明を生成する。対話ロボット2は,実行理由説明から生成した音声データを発話する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ユーザの生活支援のためのサービスを実行する複数のアプライアンスを自律的に制御するために,所定の空間内で計測されたセンサ情報をもとに前記空間内の環境とユーザの行動とを推論してアプライアンスを制御するサービスを提供する推論システム,前記推論システムによる推論結果である環境情報および行動情報を蓄積する分散環境行動データベース,および前記論理システムによって提供されたサービスの履歴情報を蓄積するサービス履歴情報データベースとを備える生活支援ロボットシステム,ならびに前記生活支援ロボットシステムと協働する対話ロボットであって,音声データを音声認識処理して生成した発話情報をもとに発話の文脈を推論し,対話ロボット内で生成された発話情報を音声合成処理して生成した音声データを出力することによって,ユーザと音声対話する対話ロボットを備える対話システムにおいて, 前記生活支援ロボットシステムが提供したサービスの実行理由を説明する音声データを前記対話ロボットが発話する理由説明サービス処理方法であって, 前記分散環境行動データベースに蓄積された環境情報および行動情報からユーザの状況を推論し,前記ユーザの状況にもとづいて前記ユーザに提供するサービスを選択する処理過程と, 前記選択されたサービスを実行する制御情報を生成して対応するアプライアンスへ送信し,前記アプライアンスに当該サービスを実行させる処理過程と, 前記サービスについて,前記サービスの実行時の状況に関する情報を含むサービス履歴情報を前記サービス履歴情報データベースに蓄積する処理過程と, 前記対話ロボットが前記ユーザの音声データを検出した場合に,前記音声データを音声認識処理してユーザ発話情報に変換する処理過程と, 前記ユーザ発話情報の文脈を推論し,前記ユーザ発話情報が実行されたサービスの理由質問であると推論した場合に,前記ユーザ発話情報をもとに,前記サービス履歴情報データベースから前記質問の対象となるサービスを特定する処理過程と, 前記特定したサービスのサービス履歴情報からサービス実行時の状況を取得し,前記状況をもとに前記サービス実行の理由説明を生成する処理過程と, 前記理由説明を音声合成処理して生成した音声データを,前記対話ロボットから発話する処理過程とを備える ことを特徴とする対話ロボットを用いた理由説明サービス処理方法。 【請求項2】 前記対話ロボットが前記理由説明の音声データを発話した際に,前記理由説明に対するユーザの反応を検出する処理過程と, 前記検出したユーザの反応を用いて,前記理由説明の対象であるサービスについてのユーザ評価を学習し,前記学習結果をもとに前記分散環境行動データベースに蓄積した情報を修正する処理過程とを備える ことを特徴とする請求項1記載の対話ロボットを用いた理由説明サービス処理方法。 【請求項3】 前記サービスの実行後の所定の期間内に,前記ユーザが発話した音声データから生成されたユーザ発話情報が理由質問であるか否かを判定する処理過程と, 前記所定の期間内に,前記理由質問であるユーザ発話情報を取得できなかった場合に,前記対話ロボット内で理由質問の発話を促す理由質問催促を生成する処理過程と, 前記理由質問催促を音声合成処理して生成した音声データを,前記対話ロボットから発話する処理過程とを備える ことを特徴とする請求項1記載の対話ロボットを用いた理由説明サービス処理方法。 【請求項4】 ユーザの生活支援のためのサービスを実行する複数のアプライアンスを自律的に制御するために,所定の空間内で計測されたセンサ情報をもとに前記空間内の環境とユーザの行動とを推論してアプライアンスを制御するサービスを提供する推論システム,前記推論システムによる推論結果である環境情報および行動情報を蓄積する分散環境行動データベース,および前記論理システムによって提供されたサービスの履歴情報を蓄積するサービス履歴情報データベースとを備える生活支援ロボットシステム,ならびに前記生活支援ロボットシステムと協働する対話ロボットであって,音声データを音声認識処理して生成した発話情報をもとに発話の文脈を推論し,対話ロボット内で生成された発話情報を音声合成処理して生成した音声データを出力することによって,ユーザと音声対話する対話ロボットを備える対話システムにおいて, 前記生活支援ロボットシステムが提供したサービスの実行理由を説明する音声データを前記対話ロボットが発話する理由説明サービス処理装置であって, 前記分散環境行動データベースに蓄積された環境情報および行動情報からユーザの状況を推論し,前記ユーザの状況にもとづいて前記ユーザに提供するサービスを選択し,前記選択したサービスを実行する制御情報を生成して対応するアプライアンスへ送信し,前記アプライアンスに当該サービスを実行させるサービス判定手段と, 前記サービスについて,前記サービスの実行時の状況に関する情報を含むサービス履歴情報を前記サービス履歴情報データベースに蓄積するサービス履歴情報蓄積手段と, 前記対話ロボットが前記ユーザの音声データを検出した場合に,前記音声データを音声認識処理してユーザ発話情報に変換し,前記ユーザ発話情報の文脈を推論し,前記ユーザ発話情報が,実行されたサービスの理由質問であると推論した場合に,前記ユーザ発話情報をもとに,前記サービス履歴情報データベースから前記質問の対象となるサービスを特定するサービス特定手段と, 前記特定したサービスのサービス履歴情報からサービス実行時の状況を取得し,前記状況をもとに前記サービス実行の理由説明を生成し,前記理由説明を音声合成処理して生成した音声データを,前記対話ロボットから発話する対話制御手段とを備える ことを特徴とする対話ロボットを用いた理由説明サービス処理装置。 【請求項5】 前記対話ロボットが前記理由説明の音声データを発話した際に,前記理由説明に対するユーザの反応を検出し,前記検出したユーザの反応を用いて,前記理由説明の対象であるサービスについてのユーザ評価を学習し,前記学習結果をもとに前記分散環境行動データベースに蓄積した情報を修正するユーザ評価フィードバック手段とを備える ことを特徴とする請求項4記載の対話ロボットを用いた理由説明サービス処理装置。 【請求項6】 前記対話制御手段は,前記サービスの実行後の所定の期間内に,前記ユーザが発話した音声データから生成されたユーザ発話情報が理由質問であるか否かを判定し,前記所定の期間内に,前記理由質問であるユーザ発話情報を取得できなかった場合に,前記対話ロボット内で理由質問の発話を促す理由質問催促を生成し,前記理由質問催促を音声合成処理して生成した音声データを,前記対話ロボットから発話する ことを特徴とする請求項4記載の対話ロボットを用いた理由説明サービス処理装置。 【請求項7】 ユーザの生活支援のためのサービスを実行する複数のアプライアンスを自律的に制御するために,所定の空間内で計測されたセンサ情報をもとに前記空間内の環境とユーザの行動とを推論してアプライアンスを制御するサービスを提供する推論システム,前記推論システムによる推論結果である環境情報および行動情報を蓄積する分散環境行動データベース,および前記論理システムによって提供されたサービスの履歴情報を蓄積するサービス履歴情報データベースとを備える生活支援ロボットシステム,ならびに前記生活支援ロボットシステムと協働する対話ロボットであって,音声データを音声認識処理して生成した発話情報をもとに発話の文脈を推論し,対話ロボット内で生成された発話情報を音声合成処理して生成した音声データを出力することによって,ユーザと音声対話する対話ロボットを備える対話システムにおいて, 前記対話システムに,前記生活支援ロボットシステムが提供したサービスの実行理由を説明する音声データを前記対話ロボットが発話する理由説明サービス処理プログラムであって, 前記分散環境行動データベースに蓄積された環境情報および行動情報からユーザの状況を推論し,前記ユーザの状況にもとづいて前記ユーザに提供するサービスを選択する処理過程と, 前記選択されたサービスを実行する制御情報を生成して対応するアプライアンスへ送信し,前記アプライアンスに当該サービスを実行させる処理過程と, 前記サービスについて,前記サービスの実行時の状況に関する情報を含むサービス履歴情報を前記サービス履歴情報データベースに蓄積する処理過程と, 前記対話ロボットが前記ユーザの音声データを検出した場合に,前記音声データを音声認識処理してユーザ発話情報に変換する処理過程と, 前記ユーザ発話情報の文脈を推論し,前記ユーザ発話情報が,実行されたサービスの理由質問であると推論した場合に,前記ユーザ発話情報をもとに,前記サービス履歴情報データベースから前記質問の対象となるサービスを特定する処理過程と, 前記特定したサービスのサービス履歴情報からサービス実行時の状況を取得し,前記状況をもとに前記サービス実行の理由説明を生成する処理過程と, 前記理由説明を音声合成処理して生成した音声データを,前記対話ロボットから発話する処理過程とを 実行させるための対話ロボットを用いた理由説明サービス処理プログラム。 【請求項8】 前記対話システムに, 前記対話ロボットが前記理由説明の音声データを発話した際に,前記理由説明に対するユーザの反応を検出する処理過程と, 前記検出したユーザの反応を用いて,前記理由説明の対象であるサービスについてのユーザ評価を学習し,前記学習結果をもとに前記分散環境行動データベースに蓄積した情報を修正する処理過程とを 実行させるための請求項7記載の対話ロボットを用いた理由説明サービス処理プログラム。 【請求項9】 前記対話システムに, 前記サービスの実行後の所定の期間内に,前記ユーザが発話した音声データから生成されたユーザ発話情報が理由質問であるか否かを判定する処理過程と, 前記所定の期間内に,前記理由質問であるユーザ発話情報を取得できなかった場合に,前記対話ロボット内で理由質問の発話を促す理由質問催促を生成する処理過程と, 前記理由質問催促を音声合成処理して生成した音声データを,前記対話ロボットから発話する処理過程とを 実行させるための請求項7記載の対話ロボットを用いた理由説明サービス処理プログラム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は,ユーザの生活を支援するためにアプライアンスを自律的に制御する生活支援ロボットシステムと協働して,ユーザと音声による対話を行う対話ロボットを用いて,前記生活支援ロボットシステムで実行されるサービス提供の理由を説明する理由説明サービス処理方法に関する。 【背景技術】 【0002】 ユビキタスな環境を背景にして,ユーザの居住空間などに設置されて自律的にユーザの生活を支援する生活支援ロボットシステムが実現されている。ユビキタスな環境を前提にした生活支援ロボットシステムは,ユーザが特に意識して操作する必要がないアンコンシャス型のシステムであることが多い。 【0003】 アンコンシャス型の生活支援ロボットシステムは,快適な環境の維持やユーザの活動支援のために,各種のセンサ情報にもとづいて環境やユーザの行動を推論し,ネットワークで接続されたアプライアンス(通信機能を備えた家電機器),情報端末装置などを制御して生活を支援するための種々のサービスを提供するものである。例えば,生活支援ロボットシステムは,センサ情報をもとにユーザの動作・姿勢,部屋の状況を分析してユーザがリラックスした状態であると推論すると,アプライアンスの一つであるオーディオシステムによってユーザの嗜好にあった音楽を流したり,または,エアコンによって室内の温湿度を維持したりして,ユーザがこれらのアプライアンスを意識的に操作することなく快適な生活環境を実現できるようにする(参照,非特許文献1)。 【非特許文献1】美濃導彦,「ゆかりプロジェクトの目的と概要――UKARIプロジェクト報告No.1」,情報処理学会 第66回全国大会,2004年 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 ユビキタスな環境を利用するアンコンシャス型の生活支援ロボットシステムは,ユーザがアプライアンスを意識的に操作する必要がない点で便利である。しかし,生活支援ロボットシステムが自律的制御によって提供しているサービスが,常にユーザに受け入れられるとは限らないという事態が生ずることが予想される。 【0005】 生活支援ロボットシステムが生活全般の支援を図るようになり,提供するサービスがより高度化・多機能化し,アプライアンスの動作原理も複雑化してくると考えられる。そのため,生活支援ロボットシステムの自律的制御だけでは,ユーザ個々の要求に対応しきれなくなる可能性がある。 【0006】 また,アンコンシャスであること,すなわちユーザに意識的な操作を要求しないという生活支援ロボットシステムの仕組みは,システムの存在を認識しにくいものにするため,時にはユーザに気味悪さを感じさせる原因にもなりうる。例えば,生活支援ロボットシステムが自律的に実行するサービスが,あるユーザにとっては快適であっても,別のユーザにとっては不快なものとなるような状況や,実行されたサービスが,ユーザにとってはかえって迷惑であると考えるような状況などが生じることが予想される。このような場合に,ユーザは,違うサービスを実行してもらいたいと考えていたり,サービス実行の理由を知りたいという要求を持つので,生活支援ロボットシステムは,このような不満や疑問を解消する必要がある。 【0007】 さらに,生活支援ロボットシステムが蓄積している情報以外の事柄についても,ユーザが知りたい場合がある。例えば,ユーザ自らがアプライアンスを操作したい場合に,アプライアンスそれぞれの高度化した機能を十分に使いこなして操作することができないような状況が生じることも予想される。このような場合に,ユーザは,生活支援ロボットシステムではカバーしていないような詳細な情報を知りたいと考えるので,対話ロボットにおいて,このような情報の提供をする必要がある。 【0008】 このように,アンコンシャス型の生活支援ロボットシステムは,さまざまな状況にも柔軟に対応できるような普遍的なユーザインタフェースとして,高度な状況対応処理能力を備え,かつユーザに親近感を抱かせるような対話システムを備える必要がある。 【0009】 そのため,生活支援ロボットシステムのユーザインタフェースとして,ユーザの曖昧な要求をより正確に受け取ってシステムの制御に反映させ,またシステムの制御状況をより的確に理解してもらえるように,ユーザにとって生活支援のための有用なサービスや情報を提供できるような対話ロボット,および前記対話ロボットを用いた対話システムを実現している(参照,PCT/JP2004/002942)。 【0010】 このような生活支援ロボットシステムによって,さまざまな生活支援サービスが提供可能な状況になると,実行されるサービスの全てをユーザが把握しておくことは困難であり,なぜそのようなサービスが提供されるのかという理由を,ユーザに説明する仕組みが必要である。 【0011】 また,生活支援ロボットシステムが実際に提供したサービスの内容について,ユーザがどのように評価したのかを分析し,以降のサービスの実行に反映させることができる仕組みが必要である。 【0012】 本発明は上記の必要性に鑑みてなされたものであり,その目的は,生活支援ロボットシステムが提供するサービスについて,ユーザがその実行の理由を質問した場合に,対話ロボットを通じて,その理由を説明することができる処理方法を提供することである。 【0013】 また,本発明の別の目的は,ユーザにサービス実行の理由を質問させて前記サービス実行の理由説明を行い,この理由説明に対するユーザの反応をもとに,実行したサービスに対するユーザの評価をフィードバックできる処理方法を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0014】 本発明は,ユーザの生活支援のためのサービスを実行する複数のアプライアンスを自律的に制御するために,所定の空間内で計測されたセンサ情報をもとに前記空間内の環境とユーザの行動とを推論してアプライアンスを制御するサービスを提供する推論システム,前記推論システムによる推論結果である環境情報および行動情報を蓄積する分散環境行動データベース,および前記論理システムによって提供されたサービスの履歴情報を蓄積するサービス履歴情報データベースとを備える生活支援ロボットシステム,ならびに前記生活支援ロボットシステムと協働する対話ロボットであって,音声データを音声認識処理して生成した発話情報をもとに発話の文脈を推論し,対話ロボット内で生成された発話情報を音声合成処理して生成した音声データを出力することによって,ユーザと音声対話する対話ロボットを備える対話システムにおいて,前記生活支援ロボットシステムが提供したサービスの実行理由を説明する音声データを前記対話ロボットが発話する理由説明サービス処理方法であって,以下の処理過程を備える。 【0015】 本発明は,1)前記分散環境行動データベースに蓄積された環境情報および行動情報からユーザの状況を推論し,前記ユーザの状況にもとづいて前記ユーザに提供するサービスを選択する処理過程と,2)前記選択されたサービスを実行する制御情報を生成して対応するアプライアンスへ送信し,前記アプライアンスに当該サービスを実行させる処理過程と,3)前記サービスについて,前記サービスの実行時の状況に関する情報を含むサービス履歴情報を前記サービス履歴情報データベースに蓄積する処理過程と,4)前記対話ロボットが前記ユーザの音声データを検出した場合に,前記音声データを音声認識処理してユーザ発話情報に変換する処理過程と,5)前記ユーザ発話情報の文脈を推論し,前記ユーザ発話情報が実行されたサービスの理由質問であると推論した場合に,前記ユーザ発話情報をもとに,前記サービス履歴情報データベースから前記質問の対象となるサービスを特定する処理過程と,6)前記特定したサービスのサービス履歴情報からサービス実行時の状況を取得し,前記状況をもとに前記サービス実行の理由説明を生成する処理過程と,7)前記理由説明を音声合成処理して生成した音声データを,前記対話ロボットから発話する処理過程とを備えるものである。 【0016】 また,本発明は,上記処理過程を備える場合に,前記対話ロボットが前記理由説明の音声データを発話した際に,前記理由説明に対するユーザの反応を検出する処理過程と,前記検出したユーザの反応を用いて,前記理由説明の対象であるサービスについてのユーザ評価を学習し,前記学習結果をもとに前記分散環境行動データベースに蓄積した情報を修正する処理過程とを備えるものである。 【0017】 さらに,本発明は,前記サービスの実行後の所定の期間内に,前記ユーザが発話した音声データから生成されたユーザ発話情報が理由質問であるか否かを判定する処理過程と,前記所定の期間内に,前記理由質問であるユーザ発話情報を取得できなかった場合に,前記対話ロボット内で理由質問の発話を促す理由質問催促を生成する処理過程と,前記理由質問催促を音声合成処理して生成した音声データを,前記対話ロボットから発話する処理過程とを備えるものである。 【0018】 また,本発明は,前記対話システムにおいて,前記生活支援ロボットシステムが提供したサービスの実行理由を説明する音声データを前記対話ロボットが発話する理由説明サービス処理装置であって,1)前記分散環境行動データベースに蓄積された環境情報および行動情報からユーザの状況を推論し,前記ユーザの状況にもとづいて前記ユーザに提供するサービスを選択し,前記選択したサービスを実行する制御情報を生成して対応するアプライアンスへ送信し,前記アプライアンスに当該サービスを実行させるサービス判定手段と,2)前記サービスについて,前記サービスの実行時の状況に関する情報を含むサービス履歴情報を前記サービス履歴情報データベースに蓄積するサービス履歴情報蓄積手段と,3)前記対話ロボットが前記ユーザの音声データを検出した場合に,前記音声データを音声認識処理してユーザ発話情報に変換し,前記ユーザ発話情報の文脈を推論し,前記ユーザ発話情報が,実行されたサービスの理由質問であると推論した場合に,前記ユーザ発話情報をもとに,前記サービス履歴情報データベースから前記質問の対象となるサービスを特定するサービス特定手段と,4)前記特定したサービスのサービス履歴情報からサービス実行時の状況を取得し,前記状況をもとに前記サービス実行の理由説明を生成し,前記理由説明を音声合成処理して生成した音声データを,前記対話ロボットから発話する対話制御手段とを備えるものである。 【0019】 また,本発明は,前記対話システムに,前記生活支援ロボットシステムが提供したサービスの実行理由を説明する音声データを前記対話ロボットが発話する理由説明サービス処理プログラムであって,1)前記分散環境行動データベースに蓄積された環境情報および行動情報からユーザの状況を推論し,前記ユーザの状況にもとづいて前記ユーザに提供するサービスを選択する処理過程と,2)前記選択されたサービスを実行する制御情報を生成して対応するアプライアンスへ送信し,前記アプライアンスに当該サービスを実行させる処理過程と,3)前記サービスについて,前記サービスの実行時の状況に関する情報を含むサービス履歴情報を前記サービス履歴情報データベースに蓄積する処理過程と,4)前記対話ロボットが前記ユーザの音声データを検出した場合に,前記音声データを音声認識処理してユーザ発話情報に変換する処理過程と,5)前記ユーザ発話情報の文脈を推論し,前記ユーザ発話情報が,実行されたサービスの理由質問であると推論した場合に,前記ユーザ発話情報をもとに,前記サービス履歴情報データベースから前記質問の対象となるサービスを特定する処理過程と,6)前記特定したサービスのサービス履歴情報からサービス実行時の状況を取得し,前記状況をもとに前記サービス実行の理由説明を生成する処理過程と,7)前記理由説明を音声合成処理して生成した音声データを,前記対話ロボットから発話する処理過程とを,実行させるためのプログラムである。 【発明の効果】 【0020】 本発明によれば,生活支援ロボットシステムが実行するサービスの提供理由をユーザに説明することができるため,ユーザの依頼がなくても自動的にサービスが提供されるという,アンコンシャス型の生活支援ロボットシステムに特有の不気味さを解消することができる。 【0021】 また,ユーザの意図と異なるサービスが実行された場合に,そのサービスの実行理由を説明することができるため,不適切なサービスが提供された原因をユーザに示して,ユーザの不満の軽減を図ることができる。 【0022】 また,サービスの実行理由を聞いたユーザの反応を得ることができるため,その反応をもとに,実行したサービスの必要性,適切性などについてのユーザの評価を分析し,ユーザの嗜好,サービスの必要性などを学習することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0023】 図1は,本発明が実行される対話システムの構成例を示す図である。本実施例において,対話システムは,複数のユーザ3(3a,3b,3c)で構成される一家族の住宅(居住空間)に適用されたアンコンシャス型の生活支援ロボットシステム1と,ビジブル型の対話ロボット2で構成される。 【0024】 生活支援ロボットシステム1は,ユビキタス環境を利用して,居住空間全体をモニタリングして,通信機能を持つ家電機器(アプライアンス)4によるサービスを実行して,自律的にユーザ3の生活を支援する。 【0025】 対話ロボット2は,ユーザ3の居住空間内に設置される。対話ロボット2は,自律的に移動できる機能を備えて,ユーザ3の居住空間内を自由に移動できるように構成されてもよい。なお,対話ロボット2は,システムとしての実体は一つであるが,同一構成の処理手段を備えた複数の筐体を持つようにしてもよい。筐体は,例えば卓上に設置可能な程度の大きさとする。対話ロボット2が複数の筐体を持つ場合には,居住空間内の各部屋に設置された対話ロボット2のうち音声データを検出した筐体における処理手段が対話ロボット2としての処理動作を開始する。処理が継続している最中に,対話相手となるユーザ3が移動したり,離れた場所にいるユーザ3との対話が必要となった場合には,対話相手と最も近い場所に設定された筐体の処理手段が処理を引き継ぐことにより,一つの処理動作の流れを複数筐体によって連携できるようにする。 【0026】 この対話システムは,アンコンシャス型の生活支援ロボットシステム1とビジブル型の対話ロボット2との分散協働を図るものであって,このような分散協働は,いわば母親と子供との関係のメタファに例えることができる。 【0027】 アンコンシャス型の生活支援ロボットシステム1が組み込まれたユーザ3の生活空間全体を「母親メタファ」とする。すなわち,いつも家の中にいて家族を見守り,必要なときにはどこからともなく現れて,さりげなく家族を支援してくれる存在に例える。そして,ユーザ3との対話を受け持つ対話ロボット2を,「子供メタファ」とする。対話ロボット2を,一般的な社会常識を持つには至らないが,家庭のような小さな生活環境を共有する特定のユーザ3の嗜好やユーザ3同士の関係をある程度理解することができ,家族(ユーザ3)からかまわれたいと欲し,また興味を持つ事柄については高度な知識を獲得しうるような存在に例える。 【0028】 子供メタファの対話ロボット2は,母親メタファの生活支援ロボットシステム1と連携して,ユーザ3にとっても母親のような存在である生活支援ロボットシステム1とユーザ3との関係を円滑にするために,家族間に積極的に参加して,母親の存在を身近に感じさせるような,いわば「末っ子」の役割を担うと考えられる。 【0029】 図2は,生活支援ロボットシステム1および対話ロボット2の構成例を示す図である。 【0030】 生活支援ロボットシステム1は,推論システム11,センサ12,分散環境行動データベース13,イベント検出装置15,サービス履歴データベース17などによって構成されている。 【0031】 推論システム11は,推論用の知識データベースを備え,イベント検出装置15がイベントを検出すると,分散環境行動データベース13からコンテキストを取得して,居住空間内の環境,ユーザ3の動作,ユーザ3同士の相互作用(インタラクション),ユーザ3と物との相互作用などを分析し,分析結果からユーザ3の行動を推論し,結論に従って実装された生活支援のサービスのなかから実行するべきサービスを決定して,該当するアプライアンス4を制御する処理システムである。推論システム11における分析結果や推論結果は,分散環境行動データベース13に随時蓄積される。 【0032】 推論システム11は,理由説明サービスが実装される。理由説明サービスは,生活支援ロボットシステム1が提供する生活支援サービスの実行の理由をユーザ3から質問された場合に,その生活支援サービスの実行を決定した理由を,対話ロボット2を通じてユーザ3に説明するサービスを行う処理である。 【0033】 また,推論システム11は,提供した生活支援サービスに対するユーザ評価のフィードバックを行う。ユーザ評価フィードバックは,理由説明サービスによって示したサービス実行の理由に対するユーザ3の反応から,理由説明の対象となったサービスの必要性,適切性などについてのユーザ3の評価を分析し,分析結果を分散環境行動データベース13のユーザ3に固有の情報に反映させる処理である。 【0034】 センサ12は,通信機能を備えて,ユーザ3の居住空間内の種々のデータを計測・収集し,収集したセンサ情報を分散環境行動データベース13に送信する処理手段である。センサ12は,例えば,TVカメラ,マイク,床センサ,RFIDタグ用モニタ,アプライアンス4の内部センサなどである。 【0035】 センサ情報は,例えば,画像データ,音声データ,圧力遷移データ,IDタグデータなどのデータである。ユーザ3が所有する物や居住空間に存在する物には,非接触型電波方式認識用の識別情報が格納されたIDタグ,例えばRFID(Radio Frequency Identification)タグが付与されているとする。 【0036】 分散環境行動データベース13は,センサ12から取得したセンサ情報,推論システム11で分析もしくは推論された結果を蓄積し管理するデータベースシステムである。 【0037】 図3に,分散環境行動データベース13の構成例を示す。 【0038】 分散環境行動データベース13は,分散センサ情報データベース131,分散環境情報データベース132,分散動作情報データベース133,分散行動情報データベース134,人−物インタラクションデータベース135,人−人インタラクションデータベース136,固有情報データベース137などのデータベースシステムによって構成される。 【0039】 分散センサ情報データベース131は,所定の時刻や契機ごとにセンサ12から送信された各種のセンサ情報を蓄積するデータベースである。 【0040】 分散環境情報データベース132は,物の位置,姿勢,居住空間の温湿度,アプライアンス4の内部状態などの環境情報を蓄積するデータベースである。 【0041】 例えば,ユーザ3xが勉強机に向かって本を読んでいる場合に,センサ12で計測されたセンサ情報(時刻,IDデータ,位置,画像データ,圧力データ,サービス実行部の内部センサ情報など)が推論システム11で分析され,以下のような環境情報が生成されて蓄積される。 「時刻,本のIDデータ,位置,状態(手に持たれている状態), 時刻,勉強机の電灯のIDデータ,位置,状態(点灯中), 時刻,勉強机の椅子のIDデータ,位置,状態(使用中),…。」 分散動作情報データベース133は,ユーザ3の位置,姿勢などを示す動作情報を蓄積するデータベースである。例えば,上記の例の場合に,センサ情報が推論システム11で分析され,以下のような動作情報が蓄積される。 「時刻,ユーザ3xのIDデータ,位置,姿勢(座位),…」。 【0042】 人−物インタラクションデータベース135は,人−物インタラクション情報を蓄積するデータベースである。人−物インタラクション情報は,相互作用が生じているユーザ3と物との組み合わせを示す情報である。例えば,上記の例の場合に,推論システム11で環境情報および動作情報が分析され,以下のような人−物インタラクション情報が蓄積される。 「人−物インタラクション0001:ユーザ3x,本,勉強机,勉強机の椅子,電灯,…。」 人−人インタラクションデータベース136は,人−人インタラクション情報を蓄積するデータベースである。人−人インタラクション情報は,インタラクションが生じているユーザ3同士の組み合わせを示す情報である。例えば,ユーザ3a(父親)とユーザ3b(娘)がソファに座って一緒にテレビを見ているとする。推論システム11で二人の動作情報(位置や姿勢など)から相互作用が分析されて,以下のような人−人インタラクション情報が蓄積される。 「人−人インタラクション0011:ユーザ3a,ユーザ3b」。 【0043】 分散行動情報データベース134は,ユーザ3の行動を示す行動情報を蓄積するデータベースである。例えば,上記のユーザ3xの例の場合に,推論システム11で環境情報,動作情報,人−物インタラクション情報,人−人インタラクション情報などから行動情報が推論され,以下のような行動情報が蓄積される。 「ユーザ3x:読書中,勉強中,…」。 【0044】 固有情報データベース137は,ユーザ3ごとの属性を示す固有情報を蓄積するデータベースである。固有情報は,ユーザ3の身体的特徴,性別などの他,推論システム11によって推論された情報(例えば,ユーザ3の嗜好に関する情報,生活支援サービスに対する必要性の有無などの情報)である。 【0045】 イベント検出装置15は,分散環境行動データベース13の情報の更新や,対話ロボット2からのサービス実行要求を検出すると,推論システム11にイベント検出を通知する処理装置である。 【0046】 サービス履歴データベース17は,推論システム11によって実行されたサービスごとの履歴情報を蓄積するデータベースである。推論システム11は,推論処理においてサービス履歴データベース17の情報も参照する。サービス履歴データベース17に蓄積されるサービス履歴情報は,実行したサービス名,サービスの実行時の状況,サービス実行の開始時刻や終了時刻などである。サービスの実行時の状況は,分散環境行動データベース13に蓄積される情報の一部であって,そのサービスの実行の決定に関係する情報,例えば,ユーザ3の位置,動作,行動などの情報である。 【0047】 生活支援ロボットシステム1の推論システム11,分散環境行動データベース13,イベント検出装置15,サービス履歴データベース17は,既知の処理手段もしくは装置を用いて実施することが可能である。 【0048】 アプライアンス4は,データ送受信機能を備えて,推論システム11からの制御もしくはユーザ3自身の操作により,所定のサービスを実行する家電機器である。 【0049】 対話ロボット2は,音声認識部21,音声合成部22,対話制御部23,対話戦略データベース24,状況情報取得部25,状況記憶部26,知識データベース27,実行要求部29などで構成されている。 【0050】 音声認識部21は,ユーザ3が発話した音声データを入力し,入力した音声データの内容を認識してユーザ3の発話情報に変換する処理手段である。 【0051】 音声合成部22は,対話制御部23によって生成されたロボット発話情報を音声データに変換して発話する処理手段である。ロボット発話情報は,ユーザ3の会話に対する応答文データ,ユーザ3への問いかけのための発話文などのデータである。 【0052】 対話制御部23は,状況記憶部26に格納された情報からユーザ3の周囲の環境やユーザ3の状況を解析し,解析した状況にもとづいてユーザ3に提供するサービスを選択する処理,対話戦略データベース24の連想情報にもとづいてユーザ3の状況と関連する概念を特定し,その概念を示す言語表現を用いてロボット発話データを生成する処理を行う処理手段である。 【0053】 対話制御部23は,サービスを選択する処理として,状況記憶部26に格納された分散環境行動データベース13およびサービス履歴データベース17の情報をもとに理由説明サービスの実行を決定する。 【0054】 対話戦略データベース24は,対話ロボット2がユーザ3との対話を推論してユーザ3を自己の対話へ引き込みもしくは継続のための応答生成用の情報を蓄積するデータベースである。 【0055】 状況情報取得部25は,分散環境行動データベース13の環境情報,動作情報,行動情報,固有情報などの情報の一部やサービス履歴データベース17のサービス履歴情報の一部を取得して状況記憶部26に格納する処理手段である。 【0056】 知識データベース27は,アプライアンス4またはアプライアンス4で実行されるサービスに関する知識情報,例えば,アプライアンス4がテレビである場合の番組情報,アプライアンス4が電子レンジである場合の操作マニュアル情報などを蓄積するデータベースである。 【0057】 実行要求部29は,対話制御部23が選択したサービス実行要求を生活支援ロボットシステム1へ送信する処理手段である。また,実行要求部29は,アプライアンス4へ直接サービス実行要求を送信してもよい。 【0058】 本例では,対話ロボット2の音声認識部21,音声合成部22,対話制御部23は,既存の擬人化音声対話エージェントツールキット(Galatea Toolkit )により実現する(例えば,http://hil.t.u-tokyo.ac.jp/〜 galatea/galatea-jp.html, Prendinger, Helmut; Ishizuka, Mitsuru (Eds.); "Life-Like Characters Tools, Affective Functions, and Applications Series: Cognitive Technologies"; pp.187-213; 2004; ISBN:3-540-00867-5 参照)。 【0059】 なお,生活支援ロボットシステム1の分散環境行動データベース13,サービス履歴データベース17と,対話ロボット2の状況情報取得部25,状況記憶部26とをまとめて分散環境行動データベース13−1として構成することもできる。 【0060】 図4は,本発明の処理の概要を説明するための図である。 【0061】 ステップS1〜ステップS4は種々の生活支援サービス実行の処理の流れ,ステップS5〜ステップS9は理由説明サービス実行の処理の流れ,ステップS10はユーザ評価フィードバックの処理を示す。 【0062】 生活支援ロボットシステム1は,センサ12から収集されるセンサ情報,対話ロボット2で収集されるユーザ3の発話情報によって,サービス実行の所定の発火条件(推論を可能とする条件)を取得する(ステップS1)。推論システム11は,分散環境行動データベース13から取得したユーザ3の状況や対話などのコンテキストによって,ユーザ3に提供するサービス内容を決定する(ステップS2)。該当するアプライアンス4を制御して,決定したサービスを実行する(ステップS3)。さらに,決定したサービス実行についてのサービス実行履歴情報をサービス履歴データベース17に保存する(ステップS4)。 【0063】 その後,生活支援ロボットシステム1で自動的に実行されたサービスに対して,ユーザ3が「どうして○○したの?」や「なぜ△△なの?」などの発話を行って,サービス実行の理由を尋ねたと仮定する。 【0064】 対話ロボット2は,ユーザ3の音声データ「どうして○○したの?」を取得し,「どうして,なぜ」などの質問表現を含む質問文であると解析し,理由説明サービス実行の所定の発火条件(ユーザ3の発話が質問文であること)を獲得する(ステップS5)。 【0065】 生活支援ロボットシステム1の推論システム11は,サービス履歴データベース17のサービス履歴情報を参照して,現在実行しているサービスのなかから理由説明を求められているサービスを特定する(ステップS6)。対話ロボット2は,特定したサービスのサービス履歴情報のサービスの実行時の状況などの情報から理由説明文を生成してロボット発話情報とし(ステップS7),ロボット発話情報(理由説明文)を音声合成処理して,ユーザ3に対して発話を行って,理由説明サービスを実行する(ステップS8)。 【0066】 さらに,生活支援ロボットシステム1は,実行した理由説明サービスのサービス履歴情報をサービス履歴データベース17に保存する(ステップS9)。 【0067】 また,ステップS8の処理で理由説明サービスが実行された際に,ユーザ3から理由説明に対する何らかの反応を獲得できた場合に,推論システム11は,ユーザ3の反応に関する情報を発火条件としてユーザ評価のフィードバックを行う(ステップS10)。推論システム11は,理由説明に対するユーザ3の応答を,理由説明したサービスに対する評価情報とみなして,理由説明にかかるサービスに対するユーザ評価を学習する。そして,この学習結果を分散環境行動データベース13に反映させる。 【0068】 このような処理によって,生活支援ロボットシステム1が自動的に実行したサービスについてユーザ3が疑問を感じたり,とまどったりした場合でも,子供メタファである対話ロボット2から説明することができるため,そのサービスが提供された理由をユーザ3に理解してもらうことができる。 【0069】 さらに,理由説明に対するユーザ3の反応を,理由説明を求められたサービスに対する評価とみなして,ユーザ評価のフィードバックを行うことができるため,より適切なサービス実行の実現を図ることができる。 【0070】 また,生活支援ロボットシステム1が,あるサービスを初めて実行した場合や,実行したサービスについてユーザ3が何ら実行理由の説明を求めない場合など,ユーザ評価のフィードバックが行われていない場合には,現在実行中のサービスに対するユーザ評価を取得する必要がある。このため,対話ロボット2の対話制御部23は,対話戦略データベース24を参照してロボット発話情報「どうしてって,言ってみて」を生成し,ユーザ3に対して発話する。このような対話ロボット2の理由質問の催促がなされ,ユーザ3が,対話ロボット2の発話を受けて「どうして?」と答えることによって,ステップS5の処理が行われるため,理由説明に対するユーザ3の応答が期待でき,ユーザ評価を得ることができる。 【0071】 図5は,対話システムの処理の流れの例を示す図である。 【0072】 対話システムの生活支援ロボットシステム1および対話ロボット2は,互いに協働して,生活支援サービス,理由説明サービス,ユーザ評価フィードバックの処理を繰り返し行う。 【0073】 ステップS21:音声データ認識処理 対話ロボット2の音声認識部21は,ユーザ3が発話した音声データを検出して入力し,その音声データに音声認識処理を行って発話情報に変換する。 【0074】 ステップS22:状況情報取得処理 並行して,生活支援ロボットシステム1の分散環境行動データベース13は,センサ12から取得した音声データ,画像データなどのセンサ情報を分散センサ情報データベース131に格納し,センサ情報をもとに,ユーザ3が生活する環境やユーザ3の状態,動作,行動などの状況情報を取得する。 【0075】 ステップS23:対話・状況推論/サービス選択処理 対話ロボット2によって収集されたユーザ3の音声データ,センサ12によって収集されたセンサ情報が分散環境行動データベース13に蓄積されると,イベント検出装置15は,分散環境行動データベース13を参照して,所定の情報の追加や変更などのイベントを検出し,推論システム11に通知する。推論システム11は,イベント検出に関連するユーザ3の発話情報,状況情報を発火条件として,ユーザ3の状況を推論し,実行可能なサービスのなかから最適なサービスを選択する。 【0076】 または,対話ロボット2の対話制御部23は,ユーザ3の発話情報を解析して文脈を推論し,推論した文脈および状況情報をもとにユーザ3の状況を推論し,実行可能なサービスの中から最適なサービスを選択するようにしてもよい。この場合に,実行要求部29は,選択したサービス実行の要求を生活支援ロボットシステム1へ通知する。 【0077】 ステップS24:サービス内容決定処理 推論システム11は,選択した生活支援サービスの内容を,分散環境行動データベース13の情報を参照して決定する。 【0078】 ステップS25:実行要求処理 推論システム11は,選択されたサービスを実現するためにアプライアンス4の制御情報を生成し,該当するアプライアンス4ヘ送信する。 【0079】 ステップS26:音声合成処理 また,実行するサービスの制御情報として,対話ロボット2のロボット発話情報がある場合には,対話ロボット2の音声合成部22は,ロボット発話情報を音声合成処理して音声データを生成し,ユーザ3に対して発話する。 【0080】 ステップS27:実行内容保存処理 推論システム11は,実行したサービスの内容をサービス履歴情報としてサービス履歴データベース17に保存する。 【0081】 ステップS28:音声データ認識処理 その後,生活支援ロボットシステム1で自動的に実行されたサービスに対して,ユーザ3が「どうして○○したの?」や「なぜ△△なの?」などの発話を行って,サービス実行の理由を尋ねたとする。対話ロボット2の音声認識部21は,ユーザ3が発話した音声データを検出して入力し,入力した音声データを音声認識処理して発話情報を取得する。 【0082】 ステップS29:対話・状況推論/サービス選択処理 対話制御部23では,ユーザ3の発話情報を解析して文脈を推論する。ここで,ユーザ発話情報に「どうして,なぜ」などの質問表現やサービスの実行に関係する表現が含まれている場合に,発話情報がサービス実行の理由を質問している文(理由質問文)であると推論する。 【0083】 そして,理由説明サービス実行の発火条件として理由質問文の取得が定義されているとすると,対話制御部23は,実行可能なサービスのなかから理由説明サービスの実行を決定する。実行要求部29は,理由説明サービス実行の要求を生活支援ロボットシステム1へ通知する。 【0084】 ステップS30:サービス特定処理 推論システム11は,サービス履歴データベース17のサービス履歴情報を参照して,現在実行しているサービスのなかから理由説明を求められているサービスを特定する。 【0085】 ステップS31:理由説明文生成処理 状況情報取得部25は,特定されたサービスについてのサービス履歴情報のサービス実行時の状況などの情報を取得する。また,必要であれば,分散環境行動データベース13からユーザ3の固有情報などを取得する。対話制御部23は,サービスの実行時の状況から理由説明のキーとなるような表現を抽出して理由説明文を生成し,ロボット発話情報とする。 【0086】 ステップS32:音声合成処理 音声合成部22は,理由説明文を音声合成処理し,生成した音声データをユーザ3に対して発話する。 【0087】 ステップS33:実行内容保存処理 推論システム11は,理由説明サービス実行の内容をサービス履歴情報としてサービス履歴データベース17に保存する。 【0088】 ステップS34:音声データ認識処理 その後,対話ロボット2が理由説明を発話した際に,ユーザ3が「わかったよ」や「ありがとう」や「いらないよ」などの返事をしたとする。 【0089】 音声認識部21は,ユーザ3の音声データ「わかったよ」を検出して入力し,音声識別処理を行って発話情報に変換する。 【0090】 ステップS35:対話・状況推論/サービス選択処理 対話制御部23では,ユーザ3の発話情報を解析して文脈を推論する。発話情報に「わかったよ」などの肯定的な表現が含まれている場合に,この発話情報が,肯定的応答文であると推論する。そして,ユーザ評価フィードバックの処理を選択する。実行要求部29は,生活支援ロボットシステム1に,ユーザ評価フィードバック要求を通知する。 【0091】 ステップS36:フィードバック処理 推論システム11は,理由説明に対するユーザ3の応答文を,理由説明が求められたサービスに対するユーザ評価情報とみなして,理由説明にかかるサービスに対するユーザ評価を学習する。そして,この学習結果をもとに,分散環境行動データベース13の固有情報データベース137の嗜好情報などの関連する情報を修正したり,サービスの必要性の有無を示す新たな情報を追加したりする。 【0092】 例えば,「わかったよ」などの肯定的応答文から,理由説明の対象となったサービスが,ユーザ3にとって必要かつ適切なものであったと学習する。一方,「いらないよ」などの否定的応答文から,理由説明の対象となったサービスは,ユーザ3にとって不要または不適切なものであったと学習する。そして,学習結果をもとに,固有情報データベース137のユーザ3の嗜好情報やこのサービスについての評価情報を修正する。 【0093】 なお,ユーザ評価フィードバック処理において,ユーザ3の発話情報である応答文のほか,対話ロボット2の頭を撫でる音や叩く音,ユーザ3の仕草などのセンサ情報を用いることができる。 【0094】 また,生活支援ロボットシステム1の生活支援サービスが実行された場合に,既にサービスの提供理由を知っていたり,予測していたユーザ3から「ありがとう」と応答されたときは,理由説明サービスの実行を省略して,ユーザ評価フィードバック処理をただちに行うようにしてもよい。 【0095】 また,ステップS30のサービス特定処理において,ユーザ発話情報の理由質問文に,過去に実行されたサービスを特定できる情報や,時間帯などを特定できる情報が含まれている場合には,サービス履歴情報のサービス実行の時間情報を参照して,理由を求められているサービスを特定する。 【0096】 例えば,ユーザ発話情報が「どうして,今朝,天気予報をつけたの?」であれば,「今朝」という一定の時間帯を特定できる表現をもとに,その時間帯に実行していたサービスから,理由を求められているサービスを特定する。 【0097】 図6および図7は,理由説明サービスの具体例における処理の流れを示す図である。 【0098】 図6は,図1の対話システムにおいて,テレビのスイッチを自動的にオンにする生活支援サービスが実行された場合の理由説明サービスの処理の流れを示す図である。 【0099】 生活支援ロボットシステム1は,テレビの前のクッション型センサ12から収集されるセンサ情報によって,ユーザ3a,3bが,アプライアンス(テレビ)4の前に座っている状況を検出する(ステップS41)。 【0100】 推論システム11は,イベント検出の通知によって,分散環境行動データベース13を参照し,ユーザ3a,3bの状況情報を発火条件として,実行可能な生活支援サービスのなかから,サービス「テレビのスイッチオン」を決定する(ステップS42)。 【0101】 そして,アプライアンス4であるテレビに対して「スイッチオン」の制御情報を送信する。また,対話ロボット2は,生活支援ロボットシステム1が実行したサービス内容(テレビのスイッチオン)をユーザ3a,3bに知らせるために,ロボット発話情報「テレビをつけたよ」を生成し,発話する(ステップS43)。 【0102】 また,生活支援ロボットシステム1は,提供したサービス実行に関するサービス実行履歴情報をサービス履歴データベース17に保存する。サービス実行履歴情報には,実行サービス(テレビのスイッチオン),サービス実行時の状況(ユーザ3a,3bがテレビの前に座っている状況),実行時間情報(実行開始時刻,実行終了時刻)などの情報が含まれる(ステップS44)。 【0103】 その後,生活支援ロボットシステム1によって自動的にテレビのスイッチがオンになったので,ユーザ3aが「どうしてテレビがついたの?」と質問したとする。 【0104】 対話ロボット2の対話制御部23は,ユーザ3aの音声データから音声認識処理によって抽出された発話情報に「どうして」という質問表現が含まれていることから,発話情報を理由質問文と推論し,この理由質問文の取得を理由説明サービスの発火条件として,推論システム11に,理由説明サービスの実行を要求する(ステップS45)。 【0105】 推論システム11は,サービス履歴データベース17のサービス履歴情報を参照して,現在実行されているサービスのなかから理由説明を求められているサービス「テレビのスイッチオン」を特定する(ステップS46)。 【0106】 対話ロボット2の対話制御部23は,特定したサービスのサービス履歴情報から,そのサービスの実行時の状況(ユーザ3a,3bがテレビの前に座っている状況)を取得し,実行時の状況などから「テレビの前,座っている」などの表現を抽出して理由説明文「テレビの前に座ったからだよ」を生成してロボット発話情報とする(ステップS47)。そして,音声合成部22は,ロボット発話情報を音声合成処理して生成した音声データをユーザ3aへ向けて発話する(ステップS48)。 【0107】 さらに,生活支援ロボットシステム1は,実行した理由説明サービスのサービス履歴情報をサービス履歴データベース17に保存する(ステップS49)。 【0108】 また,ステップS48の処理において,対話ロボット2の発話に対してユーザ3aから何らかの応答があった場合には,生活支援ロボットシステム1は,これを発火条件としてユーザ評価のフィードバック処理を行い,その結果を分散環境行動データベース13の情報に反映させる(ステップS410)。 【0109】 図7は,図1の対話システムにおいて,ユーザ3の要求によって推奨するテレビ番組をつけるという生活支援サービスが実行された場合の理由説明サービスの処理の流れを示す図である。 【0110】 対話ロボット2の音声認識部21は,アプライアンス(テレビ)4の前のソファに座っているユーザ3aの「お勧めの番組をつけて」という音声データを検出する(ステップS51)。 【0111】 対話制御部23は,音声認識部21が音声認識処理をして生成したユーザ3aの発話情報に含まれる「お勧め,番組,つけて」から文脈を推論し,実行可能なサービスのなかからサービス「推奨するテレビ番組をつける」を選択する。さらに,状況情報取得部25によって取得され,状況記憶部26に格納された分散環境行動データベース13のユーザ3aの嗜好情報と,知識データベース27に格納された現在放送中の番組情報などを参照して,サービス内容を決定する。例えば,ユーザ3aの嗜好情報に「○○,△△が出演する番組を多く見る」という情報が蓄積されているとすると,番組情報から○○または△△が出現している現在放送中の番組を検索する。そして,○○が出演している番組aが放送中であれば,番組aを放送しているチャンネルch_nを取得し,サービス内容として「テレビのスイッチをオンにし,チャンネルをch_nにあわせる」を設定する(ステップS52)。 【0112】 そして,生活支援ロボットシステム1は,アプライアンス4であるテレビに対して「スイッチをオンにして,チャンネルをch_nに設定」の制御情報を送信する。また,対話ロボット2は,実行したサービスをユーザ3aに確認させるために,ロボット発話情報「番組aをつけたよ」を生成し,発話する(ステップS53)。 【0113】 また,提供したサービス実行に関するサービス実行履歴情報をサービス履歴データベース17に保存する。サービス実行履歴情報には,実行サービス(スイッチをオンにして,チャンネルをch_nに設定),サービス実行時の状況(ユーザ3aがテレビの前に座っている状況,ユーザ3aの発話情報「お勧めの番組をつけて」),実行時間情報(実行開始時刻,実行終了時刻)などの情報が含まれる(ステップS54)。 【0114】 その後,生活支援ロボットシステム1によって自動的にテレビのスイッチがオンになって番組aがついたので,ユーザ3aが「なぜ,この番組をつけたの?」と質問したとする。 【0115】 対話ロボット2の対話制御部23は,ユーザ3aの音声データから音声認識処理によって抽出された発話情報に「なぜ」という質問表現が含まれていることから,発話情報を理由質問文と推論し,この理由質問文の取得を理由説明サービスの発火条件として,推論システム11に,理由説明サービスの実行を要求する(ステップS55)。 【0116】 推論システム11は,サービス履歴データベース17のサービス履歴情報を参照して,現在実行されているサービスのなかから理由説明を求められているサービス「スイッチをオンにして,チャンネルをch_nに設定」を特定する(ステップS56)。 【0117】 対話ロボット2の対話制御部23は,特定したサービスのサービス履歴情報から,そのサービスの実行時の状況(ユーザ3a,3bがテレビの前に座っている状況,ユーザ3aの発話情報「お勧めの番組をつけて」)を取得する。さらに,分散環境行動データベース13のユーザ3aの固有情報のなかの嗜好情報(○○,△△が出演する番組を多く見る),現在放送中の番組情報などを取得する。そして,これらの情報をもとに,理由説明文「○○がでているからだよ」を生成してロボット発話情報とする(ステップS57)。 【0118】 そして,音声合成部22は,ロボット発話情報を音声合成処理して生成した音声データをユーザ3aへ向けて発話する(ステップS58)。 【0119】 さらに,生活支援ロボットシステム1は,実行した理由説明サービスのサービス履歴情報をサービス履歴データベース17に保存する(ステップS59)。 【0120】 また,ステップS58の処理において,対話ロボット2の発話に対してユーザ3aから何らかの応答があった場合には,生活支援ロボットシステム1は,これを発火条件としてユーザ評価のフィードバック処理を行い,その結果を分散環境行動データベース13の情報に反映させる(ステップS510)。 【0121】 以上,本発明をその実施の形態により説明したが,本発明はその主旨の範囲において種々の変形が可能であることは当然である。 【0122】 また,本発明は,コンピュータにより読み取られ実行される処理プログラムとして実施することができる。本発明を実現する処理プログラムは,コンピュータが読み取り可能な,可搬媒体メモリ,半導体メモリ,ハードディスクなどの適当な記録媒体に格納することができ,これらの記録媒体に記録して提供され,または,通信インタフェースを介して種々の通信網を利用した送受信により提供されるものである。 【図面の簡単な説明】 【0123】 【図1】本発明の対話システムの実施における構成例を示す図である。 【図2】生活支援ロボットシステムおよび対話ロボットの構成例を示す図である。 【図3】分散環境行動データベースの構成例を示す図である。 【図4】本発明の処理の概要を説明するための図である。 【図5】対話システムの処理の流れの例を示す図である。 【図6】理由説明サービスの具体例における処理の流れを示す図である。 【図7】理由説明サービスの具体例における処理の流れを示す図である。 【符号の説明】 【0124】 1 生活支援ロボットシステム 11 推論システム 12 センサ 13 分散環境行動データベース 15 イベント検出装置 17 サービス履歴データベース 2 対話ロボット 21 音声認識部 22 音声合成部 23 対話制御部 24 対話戦略データベース 25 状況情報取得部 26 状況記憶部 27 知識データベース 29 実行要求部 3 ユーザ 4 アプライアンス
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| 【出願人】 |
【識別番号】301022471 【氏名又は名称】独立行政法人情報通信研究機構
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| 【出願日】 |
平成17年6月30日(2005.6.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100119161 【弁理士】 【氏名又は名称】重久 啓子
【識別番号】100111822 【弁理士】 【氏名又は名称】渡部 章彦
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| 【公開番号】 |
特開2007−11674(P2007−11674A) |
| 【公開日】 |
平成19年1月18日(2007.1.18) |
| 【出願番号】 |
特願2005−191520(P2005−191520) |
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