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【発明の名称】 頁画像表示装置
【発明者】 【氏名】唐嶋 秀正
【課題】見開き左右2頁で本を読む場合に極めて近く、軽快なめくり操作を実施できる頁画像表示装置を提供する。

【解決手段】頁データ供給部2と、中心線の左側に配置される下層左頁画像を保持する下層左頁画像保持部8と、中心線の右側に配置される下層右頁画像を保持する下層右頁画像保持部9と、中心線の左側であって下層左頁画像に重ねて配置される上層左頁画像を保持する上層左頁画像保持部11と、表示画面において中心線の右側であって下層右頁画像に重ねて配置される上層右頁画像を保持する上層右頁画像保持部12と、下層左頁画像及び下層右頁画像を制御する下層画像制御部と、入力部が受け付けた頁操作入力に応じて、上層左頁画像及び上層右頁画像のサイズ及び可視/不可視を制御する上層画像制御部7とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頁データを供給する頁データ供給部と、
表示画面において中心線の左側に配置される下層左頁画像を保持する下層左頁画像保持部と、
前記表示画面において前記中心線の右側に配置される下層右頁画像を保持する下層右頁画像保持部と、
前記表示画面において前記中心線の左側であって前記下層左頁画像に重ねて配置される上層左頁画像を保持する上層左頁画像保持部と、
前記表示画面において前記中心線の右側であって前記下層右頁画像に重ねて配置される上層右頁画像を保持する上層右頁画像保持部と、
前記下層左頁画像及び前記下層右頁画像を制御する下層画像制御部と、
頁操作入力を受け付ける入力部と、
前記入力部が受け付けた頁操作入力に応じて、前記上層左頁画像及び前記上層右頁画像のサイズ及び可視/不可視を制御する上層画像制御部とを備える頁画像表示装置。
【請求項2】
前記上層右頁画像及び前記上層左頁画像は、前記下層右頁画像及び前記下層左頁画像よりも解像度が低い請求項1記載の頁画像表示装置。
【請求項3】
前記上層画像制御部が、前記上層左頁画像及び前記上層右頁画像の一方をサイズ大及び可視とする際、前記下層画像制御部は、前記一方により隠される下層画像を必要に応じて別の頁の下層画像に変更する、請求項1または2記載の頁画像表示装置。
【請求項4】
前記上層画像制御部は、頁が左から右へめくられる際、前記上層左頁画像のサイズを大から小へ変更し、前記上層右頁画像のサイズを小から大へ変更する、請求項1から3いずれか記載の頁画像表示装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、本をめくる感覚で頁を操作できる環境を、表示画面上に形成する頁画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
言うまでもなく、本は、文又は絵等が表された複数の頁からなり、永年、読者に著者の考え方や思想を伝達するための媒体として親しまれてきた。
【0003】
一方、液晶ディスプレイ装置に代表される表示デバイスは、情報を表示するために広く使用されている。このような表示デバイスの表示画面上に、永年慣れ親しまれた本に類似する、GUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェイス)を構築しようとする流れがあるが、これは、ごく自然なものである。
【0004】
例えば、特許文献1(特開2001−265481号公報)は、頁をめくる動作に似せた表示技術をいくつか開示している。
【0005】
しかしながら、このものでは、片頁のみしか考察しておらず、見開き左右2頁という、一般的な本の形態には適用できない。
【0006】
加えて、めくられようとしている頁に関する画像は、その下に位置する画像と特別区別されておらず、処理負担が重く軽快な動作を実現しにくいという問題点がある。特に、携帯電話などの、システムリソースや消費電力等に余裕がない環境では、実装が難しくなる。
【特許文献1】特開2001−265481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、見開き左右2頁で本を読む場合に極めて近く、かつ、軽快なめくり操作を実施できる頁画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明に係る頁画像表示装置は、頁データを供給する頁データ供給部と、表示画面において中心線の左側に配置される下層左頁画像を保持する下層左頁画像保持部と、表示画面において中心線の右側に配置される下層右頁画像を保持する下層右頁画像保持部と、表示画面において中心線の左側であって下層左頁画像に重ねて配置される上層左頁画像を保持する上層左頁画像保持部と、表示画面において中心線の右側であって下層右頁画像に重ねて配置される上層右頁画像を保持する上層右頁画像保持部と、下層左頁画像及び下層右頁画像を制御する下層画像制御部と、頁操作入力を受け付ける入力部と、入力部が受け付けた頁操作入力に応じて、上層左頁画像及び上層右頁画像のサイズ及び可視/不可視を制御する上層画像制御部とを備える。
【0009】
この構成により、上層画像制御部が、上層左頁画像及び上層右頁画像をいずれも不可視とすることにより、下層左頁画像及び下層右頁画像がおもてに現れ、利用者は、左頁(下層左頁画像)及び右頁(下層右頁画像)を読むことができる。また、利用者が入力部により頁操作入力を行うと、上層画像制御部が、上層左頁画像及び上層右頁画像のいずれかを可視とし、そのサイズを変更することにより、操作された上層画像が下層画像の上であたかも頁がめくれる如くに動き、頁めくり動作を模すことができる。しかも、これらの処理は、中心線を挟んで左右見開き2頁の状態(本を開いた状態)で実施することができる。
【0010】
第2の発明に係る頁画像表示装置では、上層右頁画像及び上層左頁画像は、下層右頁画像及び下層左頁画像よりも解像度が低い。
【0011】
この構成により、頁めくり動作時の操作対象となる、上層右頁画像と上層左頁画像とが、小さく軽いものとなるため、軽快な頁めくり動作を実現できる。しかも、人間の目は、動いている対象については静止している対象よりも細かな点に気づきにくいから、このように解像度に差を付けても、見た目の画質劣化を抑制できる。
【0012】
第3の発明に係る頁画像表示装置では、上層画像制御部が、上層左頁画像及び上層右頁画像の一方をサイズ大及び可視とする際、下層画像制御部は、一方により隠される下層画像を必要に応じて別の頁の下層画像に変更する。
【0013】
この構成により、下層画像を、上層画像に隠された状態で別の頁の下層画像へ変更できるから、利用者に気づかれず円滑に頁の動きを表現できる。
【0014】
第4の発明に係る頁画像表示装置では、上層画像制御部は、頁が左から右へめくられる際、上層左頁画像のサイズを大から小へ変更し、上層右頁画像のサイズを小から大へ変更する。
【0015】
この構成により、単に上層画像のサイズ(中心線からの幅)を変更するだけで、あたかも頁が本当にめくられているかのような動きを実現できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、見開き左右2頁という本を開いた状態において、軽快かつ円滑に頁めくり動作を再現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施の形態における頁画像表示装置のブロック図、図2(a)、(b)は、それぞれ上層画像及び下層画像のデータ構造図である。
【0018】
制御部1は、CPU及びその制御プログラムを記憶するROM等からなり、図1に示す各要素を制御する。
【0019】
頁データ供給部2は、頁データを供給する。頁データは、文字のみであっても良いし、絵のみであってもよい。要するに、HTML等マルチメディアデータを内包し表示するに適するフォーマットに適用できるものなら、任意である。
【0020】
本形態では、頁データは、(1)下層画像のための高解像度のデータと、(2)上層画像のための低解像度のデータとの、2種類を使用する。図示を簡単にするため、以下、図4(a)、(c)、(e)、(g)は、それぞれ1頁、2頁、3頁、4頁の下層画像であり、図4(b)、(d)、(f)、(h)は、それぞれ1頁、2頁、3頁、4頁の上層画像であるものとする。
【0021】
なお、上層画像は、同じ頁の下層画像を間引く等の処理をし、動的に生成することもできるが、本形態では、処理の高速性を優先し、図4に示すように、下層画像と上層画像とは、それぞれ一対一に対応づけられ、頁データ供給部2に保存されているものとする。勿論、頁データ供給部2は、DVD等の記録媒体とそのドライブであっても良いし、あるいは、ネットワークを経由して頁データを供給するサーバ等であってもよいし、さらには、放送波により頁データを供給する局であってもよい。
【0022】
図2(a)は、下層画像のデータ構造例を示す。下層画像(下層左頁画像、下層右頁画像)は、基本的に頁毎に表示されるだけである。したがって、表示画面における表示領域の左上点、右下点(下層左頁画像なら右下点のx座標は中心線のx座標と等しく、下層右頁画像なら左上点のx座標は中心線のx座標と等しい。)の各座標値、及び該当頁番号等の情報を保持する。
【0023】
この構成に従う記憶領域がメモリに、下層左頁画像保持部11、下層右頁画像保持部12として確保されている。即ち、下層左頁画像保持部11は、表示画面において中心線の左側に配置される下層左頁画像を保持し、下層右頁画像保持部12は、表示画面において中心線の右側に配置される下層右頁画像を保持する。
【0024】
下層画像制御部10は、下層左頁画像保持部11、下層右頁画像保持部12に保持させる、該当頁の下層画像を制御部1を介して、頁データ供給部2から取得し、タイミングを調整しながら、下層左頁画像保持部11、下層右頁画像保持部12を適宜更新する。
【0025】
図2(b)は、上層画像のデータ構造例を示す。上層画像(上層左頁画像、上層右頁画像)は、図2(a)に示す情報の他、可視/不可視というプロパティ、サイズ(中心線からの幅)というプロパティを有する。
【0026】
可視であるときは、上層画像は表示画面にあらわれ、そのあらわれた部分により、下方に位置する下層画像は隠される。不可視であるときは、上層画像は見えず、その下方に位置する下層画像は全てあらわれる。可視/不可視の制御は、本形態では、透過/不透過によっているが、前面/背面の位置関係によることもできる。
【0027】
本形態では、サイズは、小と大というように大まかに取り扱っている。勿論、いくつかの段階(例えば5段階など)を定義し、それを利用しても良いし、最大の幅に対する百分率を用いても良い。さて、サイズが小であるときは、上層画像を可視としても、下層画像のうち、中心線付近だけが上層画像により隠され、下層画像のその他の部分は見える状態にある。サイズが大になると、上層画像を可視とすると、下層画像のうち殆どの部分が上層画像により隠され、下層画像は見えない。
【0028】
図1において、上層左頁画像保持部8は、表示画面において中心線の左側であって下層左頁画像に重ねて配置される上層左頁画像を保持し、上層右頁画像保持部9は、表示画面において中心線の右側であって下層右頁画像に重ねて配置される上層右頁画像を保持する。
【0029】
そして、上層画像制御部7は、入力部であるマウス4、キーボード5及びインターフェイス3が、受け付けた頁操作入力(例えば、次頁等)に応じて、下層左頁画像及び下層右頁画像を制御するため、上層左頁画像及び上層右頁画像のサイズ及び可視/不可視というプロパティを制御する。
【0030】
なお、合成部13は、各保持部8、9、11、12に現状にあわせて、図5(c)に示すような最終的な表示画面を生成し、その画面が表示されるように表示デバイス6を制御する。表示デバイス6としては、LCD等が代表的であるが、CRT等であっても差し支えない。
【0031】
以下、図3及び図5〜図13を参照しながら、マウス4により「次頁」ボタン(図示せず)が押し下げられてから、頁の遷移が完了するまでの動作を説明する。
【0032】
ここでは、図5(c)に示すように、頁は左から右へ進行するものとし、現在1頁と2頁が開かれているものとする。このとき、上層画像はいずれも不可視であり、下層画像(高解像度)のみが見えている。2頁の上層画像は、下層画像と同じく2a頁のものであり、サイズは「大」である。1頁の上層画像は、下層画像とは異なり3a頁のものであり、サイズは「小」である。
【0033】
さて、「次頁」ボタンが押し下げられると、ステップ1にて、制御部1は、現在の下層左頁画像の頁番号nを取得する。現在、下層左頁画像は1頁に関するので、ここでは、n=1という値が取得される。
【0034】
次に、ステップ2にて、上層画像制御部7は、上層左頁画像の可視を「否」、サイズを「小」、頁を「(n+2)a=3a」とする。
【0035】
ステップ3にて、上層画像制御部7は、上層右頁画像の可視を「否」、サイズを「大」、頁を「(n+1)a=2a」とする。
【0036】
ステップ4にて、下層画像制御部10、下層左頁画像の頁を「n=1」とし、下層右頁画像の頁を「n+1=2」とする。
【0037】
その結果、上層画像は図5(a)の状態となり、下層画像は図5(b)の状態となり、結局、表示結果は図5(c)に示すようになる。
【0038】
ステップ2〜ステップ4の前処理は、ステップ11等の後処理が常に実施されるという前提がなりたつなら、省略することができる。
【0039】
次に、ステップ5にて、上層画像制御部7は、上層右頁画像の可視を「可」に変更し、その結果、図6(a)に示すように、サイズが「大」である2a頁の上層画像があらわれる。このため、下層右頁画像は隠されてしまうが、この機会を利用し、ステップ6にて、下層画像制御部10は、下層右頁画像の頁番号をn+3=4とする。即ち、上層右頁画像の陰で下層画像の入れ替えを実施している。このようにしても、上層画像により隠されているから何ら違和感を生じない。
【0040】
次に、図7から図8に示すように、ステップ7にて、上層画像制御部7が上層右頁画像のサイズを「大」から「小」へ変更する(つまり、2a頁の上層画像が中心線20の方へ徐々に狭くなってゆく)と、4頁の下層右頁画像が徐々に見えてくることになる。なお、サイズの変更は、実際にはタイマ(図示せず)等を利用し、徐々に進めた方が見栄えが良く好適である。
【0041】
ついには、図8(c)に示すように、上層右頁画像のサイズは、殆どゼロになる。すると、ステップ8にて、上層画像制御部7は、上層右頁画像の可視を「否」とし、見えなくする。その後、サイズを「大」に変更して、(n+3)a(=4a)頁の上層右頁画像をセットする。これは、さらなる「次頁」操作入力に備えるためである。
【0042】
勿論、このとき、可視は「否」であるから、このような処理を行っても、図9(c)に示すように、利用者にはそれが見えないから、全く違和感を生じない。
【0043】
また、ステップ9にて、上層画像制御部7は、上層左頁画像の可視を「可」に変更する。これにより、図9(a)、(c)に示すように、サイズが「小」である3a頁の上層左頁画像が見えてきて、1頁の下層画像の一部がそれにより隠される。
【0044】
さらに、ステップ9にて、上層画像制御部7は、上層左頁画像のサイズを「小」から「大」へ変更する。これにより、図9から図10に矢印で示すように、3a頁の上層画像が中心線20から左端へ向けて延びてゆく結果となり、1頁の下層画像がそれだけ隠されてゆく。
【0045】
ついには、図11に示すように、1頁の下層左頁画像の殆どが3a頁の上層左頁画像によって隠されてしまうことになるが、このとき、ステップ10にて、下層画像制御部10は、下層左頁画像の頁数を「n+2=3」とし、その後、ステップ11にて、上層画像制御部7は、上層左頁画像の可視を「否」とする。その結果、図12(a)、(c)に示すように、3頁の下層左頁画像(高解像度)があらわれて、静止状態で見やすい表示が実施される。また、ステップ11にて、図13に示すように、上層画像制御部7は、上層左頁画像のサイズを「小」とし、次の頁操作入力に備える。
【0046】
以上の説明から明らかなように、「次頁」ではなく、「前頁」という操作入力についても、方向を適宜変更すれば対応できる。さらに、先頭頁、末尾頁を含め、頁のジャンプに応用することもできる。
【0047】
本形態によれば、少ない実装負担により、あたかも本当に頁がめくられているかのようなリアルな頁めくり動作を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施の形態における頁画像表示装置のブロック図
【図2】(a)同下層画像のデータ構造図 (b)同上層画像のデータ構造図
【図3】同頁画像表示装置のフローチャート
【図4】(a)同下層画像の例示図 (b)同上層画像の例示図 (c)同下層画像の例示図 (d)同上層画像の例示図 (e)同下層画像の例示図 (f)同上層画像の例示図 (g)同下層画像の例示図 (h)同上層画像の例示図
【図5】(a)同上層画像の状態説明図 (b)同下層画像の状態説明図 (c)同合成画像の状態説明図
【図6】(a)同上層画像の状態説明図 (b)同下層画像の状態説明図 (c)同合成画像の状態説明図
【図7】(a)同上層画像の状態説明図 (b)同下層画像の状態説明図 (c)同合成画像の状態説明図
【図8】(a)同上層画像の状態説明図 (b)同下層画像の状態説明図 (c)同合成画像の状態説明図
【図9】(a)同上層画像の状態説明図 (b)同下層画像の状態説明図 (c)同合成画像の状態説明図
【図10】(a)同上層画像の状態説明図 (b)同下層画像の状態説明図 (c)同合成画像の状態説明図
【図11】(a)同上層画像の状態説明図 (b)同下層画像の状態説明図 (c)同合成画像の状態説明図
【図12】(a)同上層画像の状態説明図 (b)同下層画像の状態説明図 (c)同合成画像の状態説明図
【図13】(a)同上層画像の状態説明図 (b)同下層画像の状態説明図 (c)同合成画像の状態説明図
【符号の説明】
【0049】
1 制御部
2 頁データ供給部
3 インターフェイス
4 マウス
5 キーボード
6 表示デバイス
7 上層画像制御部
8 上層左頁画像保持部
9 上層右頁画像保持部
10 下層画像制御部
11 下層左頁画像保持部
12 下層右頁画像保持部
13 合成部
20 中心線
【出願人】 【識別番号】506396559
【氏名又は名称】唐嶋 秀正
【出願日】 平成18年3月13日(2006.3.13)
【代理人】 【識別番号】100097179
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 一幸
【公開番号】 特開2007−241948(P2007−241948A)
【公開日】 平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願番号】 特願2006−67340(P2006−67340)