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【発明の名称】 電子写真装置の転写装置用の導電性板状部材の製造方法及び導電性板状部材
【発明者】 【氏名】梅木 恵理香
【課題】電子写真装置における転写部材としてトナー飛び散りに起因する画像不良を抑制し高品位な画像を得ることができ、カラー電子写真装置にも適用可能な電子写真装置の転写装置の導電性板状部材の製造方法を提供すること。

【解決手段】導電性ゴム組成物を調製する工程、該導電性ゴム組成物から押出物を形成する押出工程、押出物を加硫して加硫物を形成する加硫工程、該加硫物から所定寸法の板状物を形成する加工工程を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性ゴム組成物を調製する工程、該導電性ゴム組成物から押出物を形成する押出工程、押出物を加硫して加硫物を形成する加硫工程、該加硫物から所定寸法の板状物を形成する加工工程を有することを特徴とする電子写真装置の転写装置用の導電性板状部材の製造方法。
【請求項2】
導電性ゴム組成物が、未加硫の極性ゴム成分を含有することを特徴とする請求項1記載の電子写真装置の転写装置用の導電性板状部材の製造方法。
【請求項3】
加硫工程が、活性エネルギー線を照射した後、熱風炉内で加熱する工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載の電子写真装置の転写装置用の導電性板状部材の製造方法。
【請求項4】
加硫工程が、蒸気加硫缶内で加熱する工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載の電子写真装置の転写装置用の導電性板状部材の製造方法。
【請求項5】
加工工程が、2本の支持ロールの間に平行に配置される1対の回転ベルト刃を有するスライサー装置を用いて加硫物を切断して板状物を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の電子写真装置の転写装置用の導電性板状部材の製造方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか記載の電子写真装置の転写装置用の導電性板状部材の製造方法により得られたことを特徴とする電子写真装置の転写装置用の導電性板状部材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真装置の転写装置用の導電性板状部材の製造方法や導電性板状部材に関し、特に、複写機、プリンターおよびファクシミリ等の電子写真装置の画像形成装置に用いられる転写ローラーに代替可能な導電性板状部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンターおよびファクシミリ等に代表される電子写真装置の画像形成装置においては、均一に帯電した感光体を露光して得られた静電潜像に、現像剤であるトナーを付着させ、それを紙等の転写材に転写して画像を形成している。画像形成装置においては、オゾンの発生が非常に少ない接触帯電方式が採用され、感光体の帯電を行う帯電部材や、感光体上のトナー像を転写材に転写を行う転写部材には、耐摩擦性や、転写材の搬送に優れることから、専ら導電性ローラーが用いられている。転写ローラーは、感光体上のトナー像を転写する中間転写ベルトに対して、転写を確実に行うニップの形成を可能とするため、所定の電気抵抗値と硬度を有する必要がある。そのため、SUS等の芯金上にカーボン、イオン導電性フィラー等によりその抵抗を1×106〜1×1010[Ω]とした導電性ゴムを用いた弾性体層を形成し、硬度を20〜40度(ASKER−C)とした弾性スポンジローラーを用いている。
【0003】
このような導電性ローラーにおいては、ゴム材料中の導電性フィラーの分散状況によって電気抵抗値にばらつきを生じ、印加電圧の変動によっても電気抵抗値が変動し、安定した電気抵抗を得るのは困難である。そのため、アクリロニトリルブタジエンゴムやエピクロルヒドリンゴム等の導電性を有するゴム成分を用いることが報告されている(特許文献1)。これらのゴム成分は抵抗値が1×106〜1×1010[Ω]であり、これを用いたローラーにおいては、加工条件や印加電圧の変動から受ける電気抵抗値の変動が小さく、安定した抵抗値を有することが知られている。しかしながら、2×109Ω・cm以下の体積固有抵抗が求められるローラーの弾性体層の場合には、その加硫物の体積固有抵抗が2×109〜1×1010Ω・cm程度のアクリロニトリルブタジエンゴムは適用できない。更に、アクリロニトリルブタジエンゴムは耐オゾン性が劣るため、十分な通電耐久性が得られない場合がある。そのため、加硫物の体積固有抵抗が1×107〜3×109Ω・cm程度のエピクロルヒドリン系ゴムをアクリロニトリルブタジエンゴムにブレンドし、所望の体積固有抵抗を得る方法が報告されている(特許文献2)。
【0004】
しかし、このような導電性ローラーを転写部材に用いた電子写真装置においては以下のような問題点があった。電子写真装置の画像形成装置では、感光体又は誘電体上に静電電位の差による潜像を形成し、これにトナーを選択的に転移してトナー像を形成する。このトナー像を直接に又は一旦中間転写ベルト上に転写し、更に記録材へ転写する。トナー像を転写する工程は、感光体や中間転写ベルト等のトナー像を担持したトナー像担持体と転写ローラーとを対向するように配置し、転写ローラーに転写バイアス電圧を印加する。トナー像担持体と転写ローラー間の転写ニップを転写材が通過する間に、転写ローラーに印加された転写バイアス電圧が転写材の裏面に印加されることにより、トナー像がトナー像担持体上から転写材上に転移する。
【0005】
このような画像形成装置において、転写ニップの上流側では、転写バイアス電圧の影響によりトナー担持体上のトナー像からトナーが中間転写ベルト上に飛散し、トナー飛び散りによる画質欠陥が発生することがある。この問題に対する解決方法としては、感光体と中間転写ベルトとの接触領域内に転写ローラーを配置する方法が考えられるが、接触領域は装置のスペースが非常に狭く、転写ローラーを配置するスペースを確保することは困難である。また、転写ニップの下流側においても中間転写ベルトと感光体との剥離による放電によって、水玉模様の画像不良やトラ縞の画像不良が発生することがある。その解決方法としては、転写ローラーを剥離部分に配置することによって転写ローラーが対向電極となり、放電を抑制することができると考えられるが、転写ローラーを剥離部分に配置し、且つ、中間転写ベルトと感光体の接触領域に存在するように設置することは困難である。
【特許文献1】特開2004−28756号公報
【特許文献2】特開2000−17118号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、電子写真装置における転写部材としてトナー飛び散りに起因する画像不良を抑制し高品位な画像を得ることができ、カラー電子写真装置にも適用可能な電子写真装置の転写装置の導電性板状部材の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、導電性ゴム組成物を調製する工程、該導電性ゴム組成物から押出物を形成する押出工程、押出物を加硫して加硫物を形成する加硫工程、該加硫物から所定寸法の板状物を形成する加工工程を有することを特徴とする電子写真装置の転写装置用の導電性板状部材の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の電子写真装置の転写装置の導電性板状部材の製造方法は、トナー飛び散りに起因する画像不良を抑制し高品位な画像を得ることができ、カラー電子写真装置にも適用可能な電子写真装置の転写装置の導電性板状部材を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の電子写真装置の転写装置の導電性板状部材の製造方法は、導電性ゴム組成物を調製する工程、該導電性ゴム組成物から押出物を形成する押出工程、押出物を加硫して加硫物を形成する加硫工程、該加硫物を所定寸法の板状物を形成する加工工程を有することを特徴とする。
【0010】
[導電性ゴム組成物の調製工程]
本発明の電子写真装置の転写装置の導電性板状部材の製造方法における導電性ゴム組成物を調製する工程においては、未硬化ゴム成分と必要に応じて添加剤等とを混合する。ゴム成分としては極性ゴムを含むことが好ましく、非極性ゴムを含むものであってもよいが、極性ゴムを主成分とすることが好ましい。極性ゴムとしては、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム等を挙げることができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。極性ゴムとしては、体積抵抗値が107〜1010Ω・cmのアクリロニトリルブタジエンゴムやエピクロルヒドリンゴムを好ましいものとして挙げることができる。エピクロルヒドリンゴムとしては、具体的には、エピクロロヒドリンホモポリマー、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロロヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体等を例示することができる。非極性ゴムとしては、エチレン−プロピレンゴム等を挙げることができる。
【0011】
上記ゴム組成物に必要に応じて添加する添加剤としては、導電剤、充填材、加硫剤、加硫促進剤、潤滑剤、界面活性剤等を挙げることができる。添加剤は粉体、顆粒状などの固体に限らず、液状のものであってもよい。
【0012】
導電剤としては、具体的にはカーボンブラック、グラファイト、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄粉及び金属酸化物である導電性酸化錫、導電性酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物等を挙げることができる。
【0013】
充填剤としては、具体的には、炭酸カルシウム、クレー等を挙げることができる。
【0014】
加硫剤としては、具体的に硫黄、有機過酸化物、トリアジン、ポリアミン等を挙げることができ、加硫促進剤としては、具体的にチウラム系、チアゾール系、グアニジン系、スルフェンアミド系、ジチオカルバミン酸塩系、チオウレア系等を挙げることができる。
【0015】
潤滑剤として、具体的には、雲母、二硫化モリブデン、フッ素樹脂粉末等を挙げることができ、界面活性剤として、具体的には、フッ素系界面活性剤、ワックス又はシリコーンオイル等を挙げることができる。
【0016】
また、導電性板状部材を発泡体とする場合は、発泡剤、発泡助剤を使用することができ、発泡剤としては、具体的には、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、アゾジカルボンアミド等、発泡助剤として、具体的には尿素等を挙げることができる。その他の発泡剤としては、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンや、炭酸水素ナトリウムも挙げることができる。これらの発泡剤や発泡助剤は導電性板状部材をソリッド体とする場合は不要であり、また、ソリッド体と発泡体の積層構造とする場合は、発泡体成形用ゴム組成物に発泡剤を適宜添加することができる。
【0017】
[押出工程]
本発明の電子写真装置の転写装置の導電性板状部材の製造方法における押出工程においては、ゴム組成物から押出物を形成する。ゴム組成物から形成する押出物の形状としては、板状、棒状等いずれであってもよい。
【0018】
[加硫工程]
本発明の電子写真装置の転写装置の導電性板状部材の製造方法における加硫工程においては、押出物の硬化を行う。押出物の硬化は、活性エネルギー線を照射した後、熱風炉内で加熱する工程、あるいは蒸気加硫缶内で加熱する工程などによることができる。押出物の硬化に用いる活性エネルギー線としては、真空紫外線、紫外線、可視光線、近赤外線、赤外線、遠赤外線、マイクロ波、電子線、β線、γ線等を挙げることができる。これらのうち、マイクロ波を好ましいものとして挙げることができる。マイクロ波の照射は、マイクロ波下流装置(UHF)を用いて行うことが好ましく、その強度は押出物が1分間に180℃まで昇温するように、例えば、0.5〜2.5kW等とし、照射時間としては、0.6〜3.6minを挙げることができる。このようなマイクロ波の照射により押出物を硬化、発泡することができる。その後、熱風炉にて、例えば、150〜250℃等、200℃前後で加熱を行うことにより、ゴム成分の硬化を効率よく行うことができる。発泡体の導電性部材を製造する場合は、均一なセル径が形成されるため、活性エネルギー線照射による硬化が好ましい。
【0019】
また、押出物の硬化を蒸気加硫缶を使用して加熱により行う場合は、例えば、3分間で160℃まで昇温し、その後、160℃で30分間蒸気加硫を行うことができる。
【0020】
[加工工程]
本発明の電子写真装置の転写装置の導電性板状部材の製造方法における加工工程において、加硫物から所定寸法の板状物を形成する。加硫物から板状物への加工方法としては、ウォーターカッターやバンドカッターを使用して切断する方法、研削する方法等があるが、平面を精度よく切断できる点から、スライサー装置を用いて薄片に切片し、薄片を所定寸法に切断する方法が好ましい。スライサー装置としては、2本の支持ロールの間に平行に配置される1対の回転ベルト刃を有するものが好ましい。板状物への加工としては、具体的には、加硫物をスプリッティングマシン(フォーチュナ社製 AB320D)により、所定の厚さ、例えば5mmにスライスした後、抜き型で、所定の形状、例えば幅5mm、長さ220mmに切断する方法を挙げることができる。
【0021】
[製造装置]
本発明の電子写真装置の転写装置用の導電性板状部材の製造方法を適用可能な製造装置の一例として、各工程を連続して行うことができる、図1に示す製造装置を挙げることができる。図1に示す製造装置は全長13mであり、製造装置には上流から下流に向かって、押出機a、マイクロ波加硫装置(UHF)b、熱風加硫装置(HAV)c、引取機d、定尺切断機eが順次設けられる。押出機aには、例えば、略正方形のダイが設けられ、角柱状の押出物が押出されるようになっている。マイクロ波加硫装置(UHF)bは全長4mであり、マイクロ波加硫装置には、マイクロ波照射装置と加熱装置、テフロンでコーティングされたメッシュのベルト、又はテフロン樹脂を被服したコロを有する押出物の搬送手段が設けられる。熱風加硫装置(HAV)cは全長6mであり、熱風加硫装置(HAV)cには、加熱装置、送風装置、テフロン樹脂を被服したコロ等を有する押出物の搬送手段が設けられる。引取機dは全長1mであり、引取機には1対のローラーに懸架され、エンドレスに移動する1対の引取用ベルトが設けられる。これらのマイクロ波加硫装置と熱風加硫装置との間、熱風加硫装置と引取機との間は、それぞれテフロン樹脂を被服したコロ、例えば、0.1〜1.0m長のものが設けられ、各装置が連結される。定尺切断機eにはスライサー装置と抜き型刃等が設けられ、加硫物をスライス後、スライスした加硫物を所定の形状にカットする抜き型刃が設けられる。
【0022】
このような製造装置を用いて電子写真装置の転写装置用の導電性板状部材を製造するには、まず、バンバリーミキサー又はニーダー等の密閉式混練機(図示せず)を用いてゴム成分及び添加物を混練した後、オープンロールとリボン成形分出し機を用いて、ゴム組成物をリボン状に調製する。調製したリボン状のゴム組成物を、押出機aに投入する。ゴム組成物は押出機aから、板状体の押出物として押出される。押出物は、所定の温度、例えば、100〜250℃に加熱したマイクロ波加硫装置内を、搬送手段によって搬送される、3分の間に、0.5〜2.5kWのマイクロ波が照射され、未硬化ゴム成分が、発泡、硬化される。その後、熱風加硫装置(HAV)c内で、搬送手段により搬送される、1〜5分の間、所定の温度、例えば、150〜300℃の熱風により加熱され、ゴム成分の硬化を完了する。硬化したゴム成分は引取機dにより加硫物として引き取られ、定尺切断機eに搬送される。定尺切断機eにおいて、スライサー装置により、加硫物を例えば、5〜220mm、具体的には5mm厚等にスライスし、これを抜き型刃により、例えば、5mm×220mm等に切断して、図2に示す電子写真装置の転写装置用の導電性板状部材6を得る。
【0023】
このような導電性板状部材は、ソリッド体であってもスポンジ状などの発泡体などいずれのものであってもよく、1層構成、多層構造いずれであってもよい。
【0024】
[電子写真装置]
本発明の電子写真装置の転写装置用の導電性板状部材の製造方法により得られる導電性板状部材を適用可能な電子写真装置の一例として、図3に示すフルカラーの電子写真装置を挙げることができる。図3に示す電子写真装置は、イエロートナーY、マゼンダトナーM、シアントナーC、ブラックトナーBKなど各色トナー毎に設けられる画像形成装置を有する。各画像形成装置には、潜像担持体として、ドラム型の電子写真感光体(感光体という。)1が設けられる。感光体1は、接地された円筒アルミニウム基体の外周面に、有機光導電体(OPC)からなる感光層を有し、駆動手段(不図示)により、矢印方向に所定のプロセススピード(周速度)、例えば50mm/秒で回転駆動される。感光体の周囲には、感光体を一様に帯電するための帯電ローラー2が、感光体1表面に接触して配置されて設けられ、感光体の回転に従動回転するようになっている。帯電ローラー2には、振動電圧(交流電圧VAC+直流電圧VDC)を印加可能な帯電バイアス印加電源(高圧電源)が接続され、帯電ローラーが例えば、−600V(暗部電位Vd)に一様に帯電される。感光体の周囲には、帯電した感光体1表面に、画像情報に対応した静電潜像(明電部位Vl =−150V)を形成する露光手段が設けられる。露光手段には、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して変調されたレーザー光3を感光体表面に走査させるレーザースキャナー等が備えられる。
【0025】
更に、感光体の周囲には、静電潜像を形成した感光体にトナーを供給し静電潜像を現像する現像装置(41〜44)が設けられる。現像装置には、現像バイアス電圧が印加された現像スリーブが設けられ、負に帯電したトナーをその表面に付着して感光体に供給し、感光体上にトナー像が形成されるようになっている。
【0026】
更に、各画像形成装置には、可視化した感光体上のトナー像を、中間転写ベルト5に転写する上記導電性板状部材6が設けられる。中間転写ベルト5は駆動ローラー、従動ローラー、二次転写対向ローラー8を兼ねるテンションローラーに懸架され、矢印方向に移動するように設けられる。中間転写ベルト5上へ感光体上からトナー像を転写するための転写バイアス電圧を、導電性板状部材6を介して中間転写ベルト5の裏面に印加する転写バイアス電源(図示せず)が設けられる。転写バイアス電圧が導電性板状部材6を介して中間転写ベルト5の裏面に印加されることにより、各画像形成装置間で同期を図って搬送される中間転写ベルト上に各色のトナー像が順次重畳して転写され、重畳トナー像が形成されるようになっている。各画像形成装置には、中間転写ベルトへのトナー像の転写後に感光体上に残留するトナーを感光体表面から除去するためのクリ−ニング装置13が設けられる。
【0027】
一方、中間転写ベルト5に転写された重畳トナー像を、紙などの転写材P上に転写する二次転写部が設けられる。二次転写部には、ニップ幅を有して対向して設けられる二次転写ローラー7と二次転写対向ローラー8が備えられ、このニップに給紙ローラー11によって供給され転写ガイド10によってガイドされて転写材Pが搬送される。二次転写ローラー7には、中間転写ベルト5上の重畳トナー像を、転写材P上に転写するための二次転写バイアス電圧を、転写材Pの裏面に印加するように、二次転写バイアス電源31が接続される。二次転写バイアス電圧の印加により転写材P上に転写された重畳トナー像を定着する定着器15が設けられ、定着器15に設けられる加熱装置の加熱等により、トナー像が転写材P上に定着される。画像形成された転写材を装置外部に搬出する搬出装置(図示せず)が設けられる。転写材へのトナー像の転写後に、中間転写ベルト上に残留するトナーを中間転写ベルトから除去するためのクリ−ニング装置18が設けられる。
【0028】
このような電子写真装置においては、各画像形成装置において導電性板状部材を感光体と中間転写ベルトの接触領域に配置し、転写バイアス電圧を印加して、感光体上のトナー像を順次、中間転写ベルト上に重畳して一次転写を行う。その後、二次転写ローラーを介して二次転写バイアス電圧を印加して、中間転写ベルト上のトナー像を転写材へ転写する二次転写を行う。このため、トナーの飛散を抑制し画像不良の発生を抑制し高品位な画像を得ることができる。
【0029】
上記電子写真装置においては、画像形成装置の感光体、現像装置、クリ−ニング装置等を適宜組み合わせて一体化し、あるいは、複数の画像形成装置を一体化し、これを電子写真装置に着脱自在に構成したプロセスカートリッジとすることができる。
【実施例】
【0030】
次に本発明について実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。以下において、「部」は「質量部」を示す。
【0031】
[実施例1]
以下の組成の物質を、混練機を用いて、混合、攪拌しゴム組成物を得た。
組成
アクリルニトリルブタジエンゴム(Nipol DN401LL:日本ゼオン(株)社製) 100部
FTカーボン(旭#15:旭カーボン(株)社製) 50部
イオウ(サルファックスPMC:鶴見化学工業(株)社製) 1.5部
ジベンゾチアジルジスルフィド(ノクセラーDM:大内新興化学工業(株)社製)
1.5部
テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(ノクセラーTOT:大内新興化学工業(株)社製) 2.0部
酸化亜鉛(亜鉛華2種:ハクスイテック(株)社製) 5部
ステアリン酸(ルナックS−20:花王(株)社製) 1部
p,p'-オキシビススルホニルヒドラジド(ネオセルボン#1000S:永和化成(株)社製) 6.3部
得られたゴム組成物を押出機(シリンダー径60mm:(株)三葉製作所製)を用いて、断面が5mm×550mmの板状に押し出した。これを、マイクロ波照射装置(ミクロ電子社製)を用いて、200℃で1.5kWのマイクロ波を1分間照射した。その後、熱風炉を用いて、200℃、3時間加熱し、ゴム成分を硬化した。この硬化物からスライサー装置(型式AB320D:フォーチュナ社製)を用いて、厚さ5mmに切り出し、ビク刃型により幅5mm、長さ220mmに切断し、板状転写部材を得た。
【0032】
得られた板状転写部材をカラーレーザープリンター(カラーレーザージェット350ON:HP社製)のITBユニットにセットし、J/J環境下で画像形成を行った。画像形成は各色でE文字を印字し、得られた画像を、以下の基準により評価した。結果を表1に示す。
A:文字周りへのトナーの飛散が全く見られない
B:文字周りへのトナーの飛散が多少見られるが、得られる画像上、問題がない
C:トナーの飛散が多く、得られる画像に問題がある。
【0033】
[実施例2]
ゴムの加硫工程において、蒸気加硫缶(A型1.5M:関西ロール社製)を用いて、160℃まで3分昇温し、160℃で30分加熱をした他は、実施例1と同様に転写部材を作製し、これを用いて画像形成を行い、得られた画像の評価を行った。結果を表1に示す。
【0034】
[実施例3]
アクリルニトリルブタジエンゴム100部の替わりに、アクリルニトリルブタジエンゴム65部とエピクロルヒドリンゴム35部を用いた他は、実施例1と同様に転写部材を作製し、これを用いて画像形成を行い、得られた画像の評価を行った。結果を表1に示す。
【0035】
[実施例4]
アクリルニトリルブタジエンゴム100部の替わりに、アクリルニトリルブタジエンゴム65部とエピクロルヒドリンゴム35部を用いた他は、実施例2と同様に転写部材を作製し、これを用いて画像形成を行い、得られた画像の評価を行った。結果を表1に示す。
【0036】
[実施例5]
アクリルニトリルブタジエンゴム100部の替わりに、アクリルニトリルブタジエンゴム60部とエピクロルヒドリンゴム30部とエチレンプロピレンゴム10部を用いた他は、実施例1と同様に転写部材を作製し、これを用いて画像形成を行い、得られた画像の評価を行った。結果を表1に示す。
【0037】
[実施例6]
アクリルニトリルブタジエンゴム100部の替わりに、アクリルニトリルブタジエンゴム60部とエピクロルヒドリンゴム30部とエチレンプロピレンゴム10部を用いた他は、実施例2と同様に転写部材を作製し、これを用いて画像形成を行い、得られた画像の評価を行った。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】


【0039】
[比較例1]
実施例3と同様にゴム組成物を調製し、押出機によりチューブ状に押出し、実施例3と同様に硬化を行った。硬化後、6mm口径の導電性芯材をゴムチューブに圧入し、円筒研削機により外径14mmに研磨し、導電性ゴムローラーを得た。
【0040】
得られた導電性ゴムローラーを、カラーレーザープリンターにセットした他は実施例3と同様にして画像形成を行い、得られた画像の評価を行った。結果を表2に示す。
【0041】
[比較例2]
実施例4と同様にゴム組成物を調製し、押出機によりチューブ状に押出し、実施例4と同様に硬化を行った。硬化後、6mm口径の導電性芯材をゴムチューブに圧入し、円筒研削機により外径14mmに研磨し、導電性ゴムローラーを得た。
【0042】
得られた導電性ゴムローラーを、カラーレーザープリンターにセットした他は実施例4と同様にして画像形成を行い、得られた画像の評価を行った。結果を表2に示す。
【0043】
【表2】


【0044】
以上の結果より、本発明の電子写真装置の転写装置用の導電性板状部材の製造方法により得られる導電性板状部材をカラー用電子写真装置の転写部材として使用した場合、トナー飛び散り等の画像不良もなく画質が良好であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の電子写真装置の転写装置用の導電性板状部材の製造方法を適用した製造装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の電子写真装置の転写装置用の導電性板状部材の製造方法により得られる導電性板状部材の一例を示す斜視図である。
【図3】本発明の電子写真装置の転写装置用の導電性板状部材の製造方法により得られる導電性板状部材を適用した電子写真装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0046】
1 感光体(ドラム型電子写真感光体)
2 帯電ローラー
3 レーザー光
5 中間転写ベルト
6 導電性板状部材
7 二次転写ローラー
8 二次転写対向ローラー
10 転写ガイド
11 給紙ローラー
13 クリーニング装置
15 定着器
18 クリーニング装置
31 二次転写バイアス電源
41〜44 現像装置
a 押出機
b マイクロ波加硫装置
c 熱風加硫装置
d 引取機
e 定尺切断機
P 転写材
【出願人】 【識別番号】393002634
【氏名又は名称】キヤノン化成株式会社
【出願日】 平成18年6月5日(2006.6.5)
【代理人】 【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫

【識別番号】100106138
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 政幸

【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
【公開番号】 特開2007−322972(P2007−322972A)
【公開日】 平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願番号】 特願2006−155886(P2006−155886)