| 【発明の名称】 |
はんだ材料の分析方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】沖 充浩
【氏名】立部 哲也
【氏名】竹中 みゆき
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| 【要約】 |
【課題】はんだ合金の構成元素含有量を迅速に定量する。
【解決手段】錫と銀を含有するはんだ合金の構成元素含有量を定量分析する方法において、はんだ試料を硝酸により分解する工程と、その分解溶液中の構成元素を定量分析する工程を具備することを特徴とするはんだ合金の構成元素の定量方法。これによって、不溶性成分を生成することなくはんだ試料を分解可能であり、はんだ合金の構成元素を迅速かつ正確に定量することが可能となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 錫と銀を少なくとも含有するはんだ材料の構成元素を分析する方法であって、 はんだ試料を硝酸により溶解する工程と、前記はんだ試料溶液中の元素を定量分析する工程を経ることを特徴とするはんだ材料の分析方法。 【請求項2】 前記溶解工程において、硝酸の濃度が3.0mol/l以上6.0mol/l以下であることを特徴とする請求項1に記載のはんだ材料の分析方法。 【請求項3】 前記溶解工程において、硝酸の濃度が、4.2mol/l以上5.8mol/l以下であることを特徴とする請求項1に記載のはんだ材料の分析方法。 【請求項4】 前記溶解工程において、溶解液の反応温度が10℃以上60℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のはんだ材料の分析方法。 【請求項5】 前記はんだ材料が実質的に鉛を含有しないものであることを特徴とする請求項1に記載のはんだ材料の分析方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、はんだ材料の構成元素の含有量を定量分析する方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 はんだ合金は、従来Sn−Pb系合金が広く利用されていたが、近年鉛の環境汚染への問題が指摘されており、鉛フリーはんだと呼ばれるものに代替化が進んでいる。 はんだ合金の分析方法の公定法は、日本工業規格JIS Z 3910に規定されている。ここでは、錫・銀・銅・鉛などの各分析成分ごとにはんだ試料を酸分解などにより前処理して分析試料溶液を作製したのち、滴定法・原子吸光法などによりそれぞれの元素を定量する。 【0003】 また、はんだ合金を無機酸とオキシカルボン酸で加熱溶解し、プラズマ発光分析により、分析を行うことが知られている(特許文献1参照)。 この方法においては、鉛、錫、銀などの元素を有するはんだ材料を分析する方法において、硝酸、塩酸の混酸を用いて溶解する際に、不溶性の塩化銀やメタスズ酸などが生成し、分析不能となることを防止するためにオキシカルボン酸をさらに添加して分析を可能にするものである。 【特許文献1】特開平7−159395号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかし日本工業規格JIS Z 3910で規定された分析方法は、各成分ごとに前処理および定量分析が必要となり、操作に長い時間を要す。また、分析操作全体も煩雑である。 【0005】 また、前記特許文献1記載の方法は、複数元素を同時に分析するものであるが、この方法は、特許文献1の実施例等の記載から明らかなように、鉛が数%以上存在している従来の鉛含有はんだ材料を分析するものであり、本件発明のような鉛フリーはんだを分析するものではない。そして、鉛フリーはんだの分析においては、高感度を要求されており、特許文献1の方法では、鉛フリーはんだの分析の要求には対応できない。 【0006】 金属材料の分析は、酸により試料を分解し、その溶液をICP発光分光分析装置等で測定する方法が一般的である。しかし、鉛フリーはんだはSn−Ag−Cu系のような多元系の材料が用いられる場合が多く、このような金属を分解する場合、酸の種類によっては沈殿が生成してしまう可能性があり、必ずしも最適な方法が見つかっていない。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明は、錫と銀を少なくとも含有するはんだ合金の構成元素を分析する方法において、はんだ試料を硝酸により溶解する工程と、前記はんだ試料溶液中の元素を定量分析する工程を経ることを特徴とするはんだ合金の化学分析方法である。 【0008】 本発明のはんだ合金の化学分析方法は、はんだ試料を溶解する硝酸の濃度が3.0mol/l以上6.0mol/l以下であることが好ましい。 【0009】 本発明のはんだ合金の化学分析方法は、溶解液の反応温度が10℃以上60℃以下であることが好ましい。 【0010】 本発明のはんだ合金の化学分析方法は、定量分析方法が、ICP発光分析法、ICP質量分析法または原子吸光法のいずれかであることが好ましい。 【発明の効果】 【0011】 以上説明したように、本発明のはんだ合金の構成元素の化学分析方法によれば、不溶性成分を生成することなくはんだ合金を溶解することが可能となり、一度に全ての元素が測定できるため、はんだ合金の構成元素の含有量を迅速に定量することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 以下、本発明を実施の形態について、本発明のはんだ合金の化学分析方法の一例を示すフローチャートである図1を参照して説明する。 【0013】 本発明の分析方法は、図1からも明らかなように、試料調整工程(ステップ1)、および分析工程(ステップ2)からなっている。 【0014】 この試料調整工程は、はんだ試料を秤量する工程、はんだ試料に硝酸を添加する工程、およびはんだ試料を溶解する工程からなっている。 【0015】 また分析工程は、上記ステップで調整した試料溶液を用いて、前記はんだ試料溶液中の元素を定量分析する工程である。 以下各ステップの工程を詳細に説明する。 【0016】 (サンプル) 本発明を適用するのに適したはんだ材料は、鉛を実質的に含有することのないいわゆる鉛フリーはんだであり、錫および銀を含むものである。一般に市販されている錫−銀、錫−銀−銅、錫−銅を主要成分とするはんだが適しており、これにさらに他の元素を添加したものであってもよい。分析に際しては、はんだ接合に使用する前の未使用はんだであってもよいし、金属表面にめっきされたはんだ、あるいははんだ材が付着した半導体チップ、プリント基板、パッケージ材、フレキシブル基板などの電子部品中に存在するはんだであってもよい。試料としては、0.1g以上あればppmのレベルで検出が可能である。 【0017】 (ステップ1) このステップは、はんだ試料を秤量し、硝酸を添加して溶解して試料溶液を調整する工程である。この工程においては、はんだ材料の秤量には、一般的に精密分析において採用されている方法を使用することができる。 【0018】 ついで、前記秤量したはんだ試料を硝酸に溶解する。この工程においては、はんだ試料をビーカー等に収容し、これに硝酸を添加することによって行われる。 はんだ試料を溶解する硝酸の濃度は、3.0mol/l以上6.0mol/l以下とすることができる。硝酸濃度が、3.0mol/lを下回った場合、試料の溶解に時間がかかって実用的ではない。一方、硝酸濃度が6.0mol/lを上回った場合、試料中に含まれる錫が硝酸と反応し、不溶性のメタスズ酸が生成して沈降し、分析が不能になる。 更に好ましい硝酸濃度は、4.2mol/l以上5.8mol/l以下である。硝酸濃度をこの範囲とすることによって、実用的な時間内に不溶沈殿物を生成することなく、試料を完全に溶解することができる。 【0019】 試料を溶解する際の溶解液の反応温度は、10℃以上60℃以下、更には20℃以上35℃以下であることが好ましい。反応温度が10℃以下であると、不溶生成物の発生を抑制することができるが、反応時間が長時間化する。一方、反応温度が60℃を越えると、反応時間が短時間で済むが、不溶生成物が発生する可能性が増加する。 【0020】 (ステップ2) このステップは、前記ステップで調整した試料溶液を、定量分析するステップである。 すなわち、前記工程で調整した試料溶液に、純水を添加して定容とし、分析機器にセットする。 微量の成分を含有する本発明のような分析においては、ICP発光分析法、ICP質量分析法および原子吸光法などが適している。これらの方法は、すでに精密分析において汎用されており、標準的な手法によって行うことができる。 【実施例】 【0021】 以下、本発明に関わる実施例により、更に詳細に本発明を説明する。 (実施例1) 標準物質を用いた確認 はんだ合金標準試料としてMBH ANALYTICAL LTD.製C74XEを準備した。試料0.1gをビーカーに入れ、5.6mol/l硝酸を10ml加えて分解した。この試料溶液をICP発光分光分析装置で測定し、認証値との比較を行なった。その結果を表1に示す。 【0022】 表1から明らかなように、測定値と認証値は非常によく一致した。また、不溶性成分は生成しなかったため各構成元素を一度で測定することが可能であった。 【0023】 【表1】
【0024】 (比較例1) 硝酸濃度と溶解状態 5種類の濃度の硝酸(10ml)を用いてはんだ合金(千住金属工業製:M705)を分解した。そのときの溶解状態を表2に示す。 【0025】 【表2】
【0026】 表2から明らかなように、硝酸濃度が6.0mol/l以上の場合はメタスズ酸の沈殿が生成するため、錫の含有量を測定することができない。また3.0mol/l以下の場合は反応速度が非常に遅く、試料を完全に分解することはできなかった。 【0027】 以上説明したように、本発明のはんだ合金の構成元素の化学分析方法によれば、不溶性成分を生成することなくはんだ合金を溶解することが可能となり、一度に全ての元素が測定できるため、はんだ合金の構成元素の含有量を迅速に定量することができる。 【図面の簡単な説明】 【0028】 【図1】本発明の1実施形態である分析方法の工程を示すフロー図である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成17年9月1日(2005.9.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088487 【弁理士】 【氏名又は名称】松山 允之
【識別番号】100099450 【弁理士】 【氏名又は名称】河西 祐一
【識別番号】100119035 【弁理士】 【氏名又は名称】池上 徹真
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| 【公開番号】 |
特開2007−64861(P2007−64861A) |
| 【公開日】 |
平成19年3月15日(2007.3.15) |
| 【出願番号】 |
特願2005−253014(P2005−253014) |
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