トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F26 乾燥

【発明の名称】 真空乾燥機及び、真空乾燥機の被処理物加熱促進用羽根体
【発明者】 【氏名】赤田 衆

【要約】 【課題】内周面3aの熱を簡易な構造により内周面3a内の被処理物wに効果的に伝達させて乾燥必要時間を飛躍的に短縮させ、しかもアーム15や羽根体16をこれらに伝達される回転力に起因した損傷の発生し難いものとなす。

【解決手段】加熱される内周面3aと、この内周面3aの中心線回りへ回転されるアーム15と、このアーム15の先端に固定された被処理物加熱促進用の羽根体16とを備えた真空乾燥機において、前記羽根体16が弾性材からなる平板体となされると共に、この平板体16は前記中心線に略平行に配置され且つ、前縁b1と後縁b2とが前記内周面3aに左右向きの線状又は細巾面状に圧接された構成となす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱される内周面と、この内周面の中心線回りへ回転されるアームと、このアームの先端に固定された被処理物加熱促進用の羽根体とを備えた真空乾燥機において、前記羽根体が弾性材からなる平板体となされると共に、この平板体は前記中心線に略平行に配置され且つ、前縁と後縁とが前記内周面に左右向きの線状又は細巾面状に圧接された構成を特徴とする真空乾燥機。
【請求項2】
前記平板体が平行四辺形となされ且つ前記アームの先端にネジ結合による脱着可能に固定されていることを特徴とする請求項1記載の真空乾燥機。
【請求項3】
前記平板体を前縁側半分と後縁側半分とに二分し、前縁側半分と後縁側半分とを回転軸中心線回りへ離反させてそれぞれをアームに固定したことを特徴とする請求項1記載の真空乾燥機。
【請求項4】
弾性材からなる平板体であって、少なくとも前縁と後縁とが略平行に形成されると共に、右側縁又は左側縁のうちの何れか一方のものと前縁との挟角θ、及び、前記一方のものに対し他方となる右側縁又は左側縁のうちの何れかと後縁との挟角θが凡そ45度〜80度程度となされていることを特徴とする真空乾燥機の被処理物加熱促進用羽根体。
【請求項5】
弾性材からなる平行四辺形の平板体であって、前縁又は後縁の何れか一方のものと、右側縁又は左側縁の何れか一方のものとの挟角θが凡そ45度〜80度程度となされていることを特徴とする真空乾燥機の被処理加熱促進用羽根体。
【請求項6】
全体が内周面上を前縁側へ向け移動されるときには、前縁が内周面に付着した被処理物を剥離させ、且つ、左側縁及び右側縁のうちの何れか一方が被処理物中の半固形物を切断して細分化し、且つ、平板体の内周面半径方向外側の表面d1と内周面との間に形成された断面略三日月形状の空間が内周面内に存在する被処理物の進入を許容し、且つ、後縁近傍部が前記空間内に進入した被処理物を内周面に弾圧状に接触させるように作用し、一方、全体が内周面上を後縁側へ向け移動されるときには、後縁が内周面に付着した被処理物を剥離させ、且つ、左側縁及び右側縁のうちの何れか一方が被処理物中の半固形物を切断して細分化し、且つ、平板体の内周面半径方向外側の表面d1と内周面との間に形成された断面略三日月形状の空間が内周面内に存在する被処理物の進入を許容し、且つ、前縁近傍部が前記空間内に進入した被処理物を内周面に弾圧状に接触させるように作用することを特徴とする請求項4又は5記載の真空乾燥機の被処理物加熱促進用羽根体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、生ゴミなどの真空乾燥機及び、これに使用される被処理物加熱促進用羽根体に関し、特に乾燥中の熱効率を向上させることを特徴とする。
【背景技術】
【0002】
電気ヒータとか水蒸気などで加熱される内周面を具備した円筒形密閉容器と、前記内周面の中心線回りへ回転される多数のアームと、これらアームのそれぞれの先端に固定された被処理物加熱促進用の羽根体とを備えた生ゴミなどの真空乾燥機は種々存在している。
【0003】
この種の真空乾燥機では、前記内周面内に半固形物を含む生ゴミなどの被処理物が投入されると共に、前記内周面が加熱され、これの内方が真空状態となされた状態の下で、アーム及び羽根体が前記内周面の中心線回りへ回転される。
この際、アーム及び羽根体は生ゴミなどを攪拌して前記内周面から生ごみへの熱伝達を促進するのであり、これにより被処理物は均等且つ効果的に加熱され短時間で乾燥される。
【0004】
【特許文献1】特開2002−347007号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来の真空乾燥機では、羽根体が前記内周面との間に隙間を保有した状態で回転されるため、羽根体の回転中にあっても、前記内周面に接触した被処理物が乾燥して固化し前記内周面に数mm〜数十mm程度の層状に付着することが生じ得る。
【0006】
この層状に付着した被処理物は、前記内周面の熱が被処理物に伝達される上で大きな障害をなすのであって、被処理物の性状によっては、その乾燥に要する時間を著しく長期化させるものとなっている。
【0007】
一方、被処理物が前記内周面に付着するのを阻止するには、羽根体を前記内周面に接触させて回転させればよいのであるが、このようにすると、被処理物に含まれることのある固形物が羽根体と前記内周面の間に噛み込むなどして羽根体やアームが折れ曲がるなどの損傷の発生することがあり、またこのような構造を従来の羽根体で実現するには、羽根体の回転軌跡を前記内周面に正確に合致させることが必要となって製造コストが著しく増大する恐れがある。
【0008】
本発明は、斯かる問題点を簡易構造により比較的安価に解消することのできる真空乾燥機、及び、真空乾燥機の被処理物加熱促進用羽根体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、第1の発明に係る真空乾燥機は、請求項1に記載したように、加熱される内周面と、この内周面の中心線回りへ回転されるアームと、このアームの先端に固定された被処理物加熱促進用の羽根体とを備えた真空乾燥機において、前記羽根体が弾性材からなる平板体となされると共に、この平板体は前記中心線に略平行に配置され且つ、前縁と後縁とが前記内周面に左右向きの線状又は細巾面状に圧接された構成としたものである。
【0010】
この発明は次のように具体化するのがよい。
即ち、請求項2に記載したように、前記平板体が平行四辺形となされ且つこの平行四辺形の中央個所を前記アームの先端にネジ結合による脱着可能に固定されているものとなす。
【0011】
また請求項3に記載したように、前記平板体を前縁側半分と後縁側半分とに二分し、前縁側半分と後縁側半分とを回転軸中心線回りへ離反させてそれぞれをアームに固定した構成となす。
【0012】
次に第2の発明に係る真空乾燥機の被処理物加熱促進用羽根体は、請求項4に記載したように、弾性材からなる四辺形の平板体であって、少なくとも前縁と後縁とが略平行に形成されると共に、右側縁又は左側縁のうちの何れか一方のものと前縁との挟角θ、及び、前記一方のものに対し他方となる右側縁又は左側縁のうちの何れかと後縁との挟角θが凡そ45度〜80度程度となされているものである。
【0013】
この発明は次のように具体化する。
即ち、請求項5に記載したように、弾性材からなる平行四辺形の平板体であって、前縁又は後縁の何れか一方のものと、右側縁又は左側縁の何れか一方のものとの挟角θが凡そ45度〜80度程度となされている構成となす。
【0014】
さらには請求項6に記載したように、全体が内周面上を前縁側へ向け移動されるときには、前縁が内周面に付着した被処理物を剥離させ、且つ、左側縁及び右側縁のうちの何れか一方が被処理物中の半固形物を切断して細分化し、且つ、平板体の内周面半径方向外側の表面d1と内周面との間に形成された断面略三日月形状の空間が内周面内に存在する被処理物の進入を許容し、且つ、後縁近傍部が前記空間内に進入した被処理物を内周面に弾圧状に接触させるように作用し、一方、全体が内周面上を後縁側へ向け移動されるときには、後縁が内周面に付着した被処理物を剥離させ、且つ、左側縁及び右側縁のうちの何れか一方が被処理物中の半固形物を切断して細分化し、且つ、平板体の内周面半径方向外側の表面d1と内周面との間に形成された断面略三日月形状の空間が内周面内に存在する被処理物の進入を許容し、且つ、前縁近傍部が前記空間内に進入した被処理物を内周面に弾圧状に接触させるように作用するものとなす。
【発明の効果】
【0015】
以上のような本発明によれば次のような効果が得られる。
即ち、
請求項1記載の発明によれば、羽根体が内周面上を前縁側へ向け移動されるときには前縁が内周面に層状に付着しようとしている生ごみなどの被処理物を効果的に掻き落とすと共に、後縁が被処理物を内周面に層状に押さえ付けることを繰り返すものとなり、一方、羽根体が内周面上を後縁側へ向け移動されるときには後縁が内周面に層状に付着しようとしている被処理物を効果的に掻き落とすと共に、前縁が被処理物を内周面に層状に押さえ付けることを繰り返すものとなり、したがって、内周面は乾燥し固化した被処理物で覆われた状態を継続されることのないものとなって時々刻々異なる被処理物を圧密状に接触されて、被処理物を効率的に加熱するものとなり、特に半固形物を多く含むような被処理物を迅速に乾燥させることができる。
【0016】
また羽根体が平板体であるため、被処理物中を比較的抵抗の少ない状態で周回移動することができ、また羽根体が弾性材からなる平板体であるため、被処理物に金属やコンクリートのような固形物が混入してこれが平板体と内周面との間に噛み込んでも羽根体は自身の弾性で退避状に屈曲変形してそれを支障なく乗り越えて移動することができ、羽根体及びアームは損傷を防止されるのであり、また羽根体は簡易な構造であるため安価に製造できるものである。
【0017】
また請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様な効果が得られる上に次のような効果が得られるのであって、即ち、羽根体が前縁側或いは後縁側の何れの側へ向けて移動されるときにも同等に次のような既述の効果、即ち、内周面は乾燥し固化した被処理物で覆われた状態を継続されることのないものとなって時々刻々異なる被処理物を圧密状に接触され被処理物を効率的に加熱するものとなるという効果を得ることができる。
【0018】
また羽根体が内周面上を前縁側へ向け移動されるときには、前縁が内周面に付着した被処理物を剥離させ、且つ、左側縁及び右側縁のうちの何れか一方が被処理物中の固形物を切断して細分化し、且つ、平板体の内周面半径方向外側の表面d1と内周面との間に形成された断面略三日月形状の空間が内周面内に存在する被処理物の進入を許容し、且つ、後縁近傍部が前記空間内に進入した被処理物を内周面に弾圧状に接触させるように作用し、一方、羽根体が内周面上を後縁側へ向け移動されるときには、後縁が内周面に付着した被処理物を剥離させ、且つ、左側縁及び右側縁のうちの何れか一方が被処理物中の固形物を切断して細分化し、且つ、平板体の内周面半径方向外側の表面d1と内周面との間に形成された断面略三日月形状の空間が内周面内に存在する被処理物の進入を許容し、且つ、前縁近傍部が前記空間内に進入した被処理物を内周面に弾圧状に接触させるように作用するものとなり、内周面内の被処理物に半固形物が多く含まれる場合にも、内周面による被処理物の加熱が効果的に促進されるものとなる。
【0019】
さらに羽根体が消耗などしたときにはネジ結合を解除することにより簡易に新しい羽根体と交換することができるものとなる。
【0020】
また請求項3記載の発明によっても、請求項1又は2に記載の発明とほぼ同様な効果が得られる。
【0021】
また請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の発明を効果的に実現させる上で寄与するものであり、また全体が内周面上を前縁側へ向け移動されるときには、前縁が内周面に付着した被処理物を剥離させ、且つ、左側縁及び右側縁のうちの何れか一方が被処理物中の固形物を切断して細分化し、且つ、平板体の内周面半径方向外側の表面d1と内周面との間に形成された断面略三日月形状の空間が内周面内に存在する被処理物の進入を許容し、且つ、後縁近傍部が前記空間内に進入した被処理物を内周面に弾圧状に接触させるように作用し、一方、全体が内周面上を後縁側へ向け移動されるときには、後縁が内周面に付着した被処理物を剥離させ、且つ、左側縁及び右側縁のうちの何れか一方が被処理物中の固形物を切断して細分化し、且つ、平板体の内周面半径方向外側の表面と内周面との間に形成された断面略三日月形状の空間が内周面内に存在する被処理物の進入を許容し、且つ、前縁近傍部が前記空間内に進入した被処理物を内周面に弾圧状に接触させるように作用するものとなり、内周面内の被処理物に半固形物が多く含まれる場合にも、内周面による被処理物の加熱を効果的に促進することができる。
【0022】
また請求項5記載の発明によれば、請求項3記載の発明と同様な効果が得られる上に次のような効果が得られるのであって、即ち、全体が前縁側或いは後縁側の何れの側へ向けて移動されるときにも同等に次のような既述の効果、即ち、内周面は乾燥し固化した被処理物で覆われた状態を継続されることのないものとなって時々刻々異なる被処理物を圧密状に接触され被処理物を効率的に加熱するものとなるという効果が得られるものとなる。
【0023】
また請求項6記載の発明によれば、既述したように、内周面内の被処理物に半固形物が多く含まれる場合にも、内周面による被処理物の加熱を効果的に促進することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例に係る真空乾燥機の正面視断面図、図2は図1のx1−x1部を示す断面図、図3は前記真空乾燥機の被処理物加熱促進用の羽根体を示す平面図、図4は前記羽根体の第1変形例を示す平面図、図5は前記羽根体の第2変形例を示す平面図、図6は前記羽根体の第3変形例を示す平面図、図7は前記羽根体の作用を示す説明図、図8は前記羽根体の移動軌跡を示す説明図、図9は前記一実施例の変形例を示す図である。
【0025】
図1及び図2において、1は円筒形密閉容器であり、円周壁部1aと左右の端面壁部1b、1cとからなっている。そして、円周壁面部1a及び左右の端面壁部1b、1cは外壁面2と内壁面3とで二重構造となされている。
【0026】
4は円筒形密閉容器1の上部左寄り位置に縦向きに形成された被処理物投入口であり、この投入口4は生ごみなどの被処理物wを円筒形密閉容器1の外方から開閉仕切弁5を経て内面壁3の内方へ投入するためのものである。
【0027】
6は円筒形密閉容器1の上部右寄り位置に縦向きに形成された気体吸引口であり、この気体吸引口6は内壁面3の内方に存在する空気や水蒸気を開閉弁7を経て円筒形密閉容器1の外方へ吸引し排出するためのものである。
【0028】
外壁面2と内壁面3との間に形成された空間8は熱媒体通路となされるのであり、この通路8には例えばボイラで発生された水蒸気、或いは電気ヒータで加熱された水などが流通される。
【0029】
9は右側の端面壁部1cに横向きに形成された被処理物排出口であり、内壁面3内で乾燥された被処理物wを内壁面3の内方から開閉仕切弁10を経て円筒形密閉容器1の外方へ取り出すためのものである。
【0030】
11は円周面部1aの中心位置に左右向きに設けられた回転軸であり、この回転軸11は左右の端面壁部1b、1cの中心個所に固設された軸受12a、12bを介して回転自在に装設されている。この回転軸11の左端部には入力プーリ13が固定されており、この入力プーリ13は図示しないモータの回転をベルト又はチェーンなどの伝動部材14を介して入力されるものである。
【0031】
回転軸11の外周面の一端側から一定間隔L1ごとの位置に回転軸11半径方向に沿わせた1本のアーム15が固定されており、これらアーム15は回転軸11の左端側のものから一定間隔L1移動する度に回転軸11中心線回りの左方視反時計回り方向f1へ90度づつ変位させた状態となされている。各アーム15は帯状の厚板となされると共に左右の表面a1、a2が回転軸11の半径面に対して特定方向へ傾斜されていて、回転軸11が左方視反時計回りに回転されたとき、左右の表面a1、a2が内壁面3の内周面3a内に投入された被処理物wを右側へ送り移動させ、逆に回転軸11が左方視時計回りに回転されたとき、左右の表面a1、a2が内周面3a内の被処理物wを左側へ送り移動させるものとなされている。
【0032】
各アーム15の先端には弾性材からなる被処理物加熱促進用の羽根体16がボルトやナットなどによるネジ結合により脱着可能に固定されている。この羽根体16は図1及び図3に示すように前縁b1、後縁b2、左側縁b3及び右側縁b4からなる平行四辺形の平板体で、しかも右側縁又は左側縁のうちの何れか一方のものと前縁との挟角θ、及び、前記一方のものに対し他方となる右側縁又は左側縁のうちの何れかと後縁との挟角θが凡そ45度〜80度程度となされているものとなすのが最適である。しかし、これに限定するものではないのであって、例えば、図4〜図6に示すように、少なくとも前縁b1と後縁b2とが略平行に形成されると共に、前縁b1に連続した左側縁b3又は右側縁b4のうちの少なくとも何れか一方のものを前縁b1の左右方向外側へ張り出すような傾斜辺となし、且つ、後縁b2に連続した左側縁b3又は右側縁b4のうちの少なくとも何れか一方のものを後縁b2の左右方向外側へ張り出すような傾斜辺となし、且つ、前縁b1又は後縁b2と前記傾斜辺との挟角θ1を凡そ45度〜80度程度となしたものでもよい。
【0033】
ここに、図4の符号A、B、C及びDに示す平板体16は前縁b1と後縁b2とが平行状態に対向されていて左側縁b3と右側縁b4とが非平行状態に対向された四辺形となされており、また図5中のA、B及びCに示す平板体16は前縁b1と後縁b2とが平行状態に対向されていて前縁側半分と後縁側半分とが台形となされた六辺形となされており、また図6に示す平板体16は前後方向中央部に平行辺を有し且つこれら平行辺の前縁側と後縁側とを台形となされている。
なお、図3〜図6に示した形状は本発明の効用の得られる範囲内で幾分変形したものをも代表するものである。
【0034】
各羽根体16はこれの中央個所をアーム15の先端に固定させるのがよいのであり、また前縁b1及び後縁b2は内周面3aの中心線に略平行となるように配置され被処理物の存在しない状態では何れも内周面に押圧された状態となされる。
【0035】
さらに本例では図2に示すように前縁b1近傍部及び後縁b2近傍部のそれぞれが内周面に沿った状態に屈曲されているのであり、これにより前縁b1又は後縁b2が内周面3a上を摺接移動するときに内周面3aの微少な凹凸や、被処理物投入口4の開口個所や、気体吸引口6の開口個所に引っ掛かる現象が抑制されるほか、前縁2a及び後縁2bが内周面3aに細巾面状に圧接するものとなって被処理物wを内周面3aに安定的に押圧するものとなる。
【0036】
次に上記した図1及び図2に示す真空乾燥機の使用例及び作用について説明する。
開閉仕切弁10を閉鎖した状態の下で、開閉仕切弁5を開放し、生ごみなどの被処理物wを被処理物投入口4から投入し、被処理物wが内周面3a内の全高の6〜7割程度に達した状態となした後、開閉仕切弁5を閉鎖する。
【0037】
一方では熱媒体通路8にボイラで加熱された水蒸気を流通させて内周面3aを例えば85℃〜90℃程度に加熱すると共に、気体吸引口6及び開閉弁7を通じて内周面3aの内方から空気や水蒸気を吸引して内周面3a内の気圧を凡そ95〜97kPa程度となす。
【0038】
このような雰囲気中で回転軸11を左方視反時計回り方向f1へ回転させたりその逆方向へ回転させることを繰り返す。
【0039】
回転軸11が左方視反時計回り方向f1へ回転されたときは、アーム15の左右の表面a1、a2で内周面3a内の被処理物wは右側へ送り移動されるのであり、また図7に示すように、各羽根体16は、前縁b1が内周面3aにこれの熱で乾燥され固化された状態で付着した被処理物wを矢印c1で示すように剥離させ、また右側縁b4がこれの前方に存在している被処理物wの半固形物などを切断して細分化し、また羽根体16の外面d1と内周面3aとで囲まれた断面三日月形の柱状空間eはこれの横側の開口個所から被処理物wが矢印方向c2へ進入するのを許容し、さらに後縁b2が前記柱状空間e内に進入した被処理物wを平板体16の弾性により内周面3aに押さえつけながら前縁b1側へ移動するものとなる。この際、後縁b1で内周面3aに押さえ付けられた被処理物wは後縁b2を仮想線g1で示すように内周面3aの中心側へ弾性変形させることにより後縁b2の前縁b1側への円滑な移動を可能となすと共に、後縁b2の前縁b1側への移動により後縁b2の後方側に位置するものとなる。
【0040】
一方、回転軸11が左方視時計回り方向へ回転されたときは、アーム15の左右の表面a1、a2で内周面3a内の被処理物wは左側へ送り移動されるのであり、また各羽根体16は、後縁b2が内周面3aにこれの熱で乾燥され固化した状態で付着した被処理物wを先の前縁b1の場合に準じて剥離させ、また左側縁b3がこれの回転方向前方に存在している被処理物wの半固形物を切断して細分化し、また羽根体16の外面d1と内周面3aとで囲まれた断面三日月形の柱状空間eはこれの横側の開口個所から先の右側縁b4の場合に準じて被処理物wの進入するのを許容し、さらに前縁b1が前記柱状空間e内に進入した被処理物wを平板体16の弾性により内周面3aに押さえつけながら後縁b2側へ相対移動するものとなる。この際、前縁b1で内周面3aに押さえ付けられた被処理物wは前縁b1を内周面3aの中心側へ弾性変形させることにより前縁b2の後縁b1側への円滑な移動を可能となすと共に前縁b1の後縁b2側への移動により前縁b2の前方側に位置するものとなる。
【0041】
このような羽根体16の作用は羽根体16が図3に示す形状のものに限らず、図4〜図6に示す形状のものでも略同様に得られるのであり、この際、挟角θ、θ1が凡そ45度〜80程度となされていることは左側縁b3又は右側縁b4で被処理物wの半固形物を切断する作用を効果的に発揮させるものである。
【0042】
図1に示す全ての羽根体16は回転軸11の回転により内周面3a上を摺接移動するものとなるが、この際のこれら羽根体11の移動軌跡は図8に示すようなものとなる。図8において、hは単一の羽根体11の移動軌跡を示しており、h1は羽根体16が一回通過した移動軌跡を示し、h2は羽根体16が2回通過した移動軌跡を示している。
【0043】
このようなアーム15及び羽根体16の作用により、内周面3a内の被処理物wは攪拌されつつ内周面3aの熱を効率的且つ効果的に伝達されて加熱されるものとなり、被処理物w中の水分は例えば凡そ50℃程度に加熱され激しく沸騰し蒸発する。
【0044】
特に、各羽根体16の前縁b1や後縁b2が内周面3aに付着した被処理物wを剥離させることは内周面3aの熱が内周面3a内の被処理物wへ伝達される現象を飛躍的に促進させるのであり、また左側縁b3や右側縁b4が被処理物wの半固形物などを切断して細分化することは、内周面3aの熱が半固形物に伝達される現象をさらに効果的となすのであり、また各羽根体16の前縁b1や後縁b2が被処理物wを内周面3aに押しつけることは、内周面3a内の被処理物wに含まれる水分が内周面に密接されるものとなって内周面3aの熱が被処理物wに含まれる水分に伝達される現象を飛躍的に促進させて水分蒸発の際のジュージュー音が盛んに発せられる状態となすのであり、これらの作用により内周面3a内の被処理物wは極めて効率的且つ能率的に乾燥され、被処理物の性状によっては乾燥所要時間が3分の1程度まで短縮されるのである。
【0045】
なお、このような被処理物加熱促進用羽根体の作用は、被処理物加熱促進用羽根体が台形であっても平行四辺形の場合に準じて得られる。
【0046】
内周面3a内の被処理物wが乾燥したとき、気体吸引口6からの気体吸引を停止させると共に開閉仕切弁9を開放し、回転軸11を左方視反時計回り方向f1へ回転させる。これにより内周面3a内の被処理物wはアーム15の左右の表面a1、a2による送り作用により右側へ送り移動され被処理物排出口9及び開閉仕切弁10を経て円筒形密閉容器1の外方へ取り出される。
【0047】
この後、被処理物wが先と同様に内周面3a内に投入されるのであり、以後は上述と同じ処理が繰り返される。
【0048】
上記した実施例は次のように変形することができる。
即ち、図1の回転軸11のアーム15及び羽根体16の配列を適宜に変更しても差し支えないのであり、この際、回転軸11が一回転することにより、内周面3aの同じ個所上を複数の羽根体16が3回以上重複して通過するようになすこともできる。
【0049】
また図1の回転軸11に従来と同様な攪拌用の複数のアーム及び羽根体を付加的に設けることも差し支えない。この際、先の実施例におけるアーム15の左右の表面a1、a2の傾斜は付加的に設けられるアームとの関係で任意に変更して差し支えない。
【0050】
さらには図9Aに示す平板体16を前縁側半分16aと後縁側半分16bとに二分して、図9Bに示すように、前縁側半分16aの後部を1つのアーム15aに固定し、後縁側半分16bの前部を前記1つのアーム15aから離れて付加的に設けたアーム15bに固定することも可能であり、これによっても先の実施例と略同様な作用が得られる。なお、図9中、既述のものと実質的に同一の個所には同一の符号を付している。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施例に係る真空乾燥機の正面視断面図である。
【図2】図1のx1−x1部を示す断面図である。
【図3】前記真空乾燥機の被処理物加熱促進用の羽根体を示す平面図である。
【図4】前記羽根体の第1変形例を示す平面図である。
【図5】前記羽根体の第2変形例を示す平面図である。
【図6】前記羽根体の第3変形例を示す平面図である。
【図7】前記羽根体の作用を示す説明図である。
【図8】前記羽根体の移動軌跡を示す説明図である。
【図9】前記一実施例の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
3a 内周面
11 回転軸
15 アーム
16 羽根体
16a 前縁側半分
16b 後縁側半分
θ 挟角
b1 前縁
b2 後縁
b3 左側縁
b4 右側縁
e 空間
【出願人】 【識別番号】504243279
【氏名又は名称】株式会社サンナン
【出願日】 平成17年6月24日(2005.6.24)
【代理人】
【公開番号】 特開2007−3172(P2007−3172A)
【公開日】 平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願番号】 特願2005−213417(P2005−213417)